JP2001190107A - コート種子およびコート種子の製造方法 - Google Patents

コート種子およびコート種子の製造方法

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JP2001190107A
JP2001190107A JP2000004456A JP2000004456A JP2001190107A JP 2001190107 A JP2001190107 A JP 2001190107A JP 2000004456 A JP2000004456 A JP 2000004456A JP 2000004456 A JP2000004456 A JP 2000004456A JP 2001190107 A JP2001190107 A JP 2001190107A
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Atsushi Kondo
篤志 近藤
Taro Yokochi
太郎 横地
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Sumika Agrotech Co Ltd
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Sumika Agrotech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 たとえば、大根等の大型の種子に対して充分
な補強効果を付与し、加工中における乾燥工程前や乾燥
工程等において、コート層が崩壊・剥落せず、製品収率
を向上させることができるコート種子およびコート種子
の製造方法を提供する。 【解決手段】 コート種子は、種子を被覆しているコー
ト層が、種子表面を被覆する内層および該内層の外側に
積層される外層の少なくとも2層より形成され、上記内
層が複鎖構造型の粘土鉱物を含んでいる。複鎖構造型の
粘土鉱物としては、セピオライトが好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、花卉、野菜等のコ
ート種子、およびコート種子の製造方法に関するもので
ある。より詳しくは、平均種子径が比較的大きい、たと
えば大根等の大型の種子に対して特に好適に用いられる
コート種子、およびコート種子の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、たとえば、野菜等の種子にお
いては、たとえば播種を容易にする(播種作業を省力化
する)ために、該種子をコート材を用いてコートするこ
とが行われている。ところが、コート材でコートされて
なるコート種子は、コートされていない種子と比較して
発芽率が低下する場合があり、そのため、発芽率の低下
を招来しないコート種子が種々提案されている。
【0003】これらのうち、コートされるべき種子の平
均種子径が比較的大きいコート種子では、種子の大きさ
と比較してコート層が薄いことが特徴となっている。た
とえば、大根等の種子では、平均種子径が3mm〜5m
m程度と大きく、種子の大きさと比較してコート層の厚
さが薄いために、該コート層が崩壊・剥落し易い。つま
り、種子が大きい場合には、コート層の強度が充分では
ないので、該コート層による補強効果が充分でなく、得
られるコート種子が安定性に劣ることとなる。
【0004】たとえば、回転パン中において、種子、コ
ート材と共に、水を添加して、回転させながら造粒加工
するいわゆる湿式コーティング加工を行う場合、該加工
後、乾燥工程に入る前または乾燥工程中に、コート種子
がある程度湿った状態で置かれる場合がある。この際、
中の種子が周囲の水分を吸水することによって膨張する
が、コート層の強度が充分でないと、該コート層が容易
に崩壊・剥落し、製品の歩留りが低下する。
【0005】上記のような現象に対し、たとえば、特開
平8−56425号公報には、コート材中に繊維状物質
を含有させることにより、コート層の強度向上を図るこ
と、つまり、コート層の強度が向上されたコート材が開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
8−56425号公報に記載の種子のコート材は、たと
えば、アタパルジャイト等の複鎖構造型の粘土鉱物と共
用する場合には補強効果を示すが、複鎖構造型の粘土鉱
物以外の、たとえば、珪藻土等と共用すると、充分な補
強効果が得られないという問題点を有している。このた
め、共用される粉体等の種類に関わりなく、たとえば、
大根等の大型の種子に対して充分な補強効果を有するコ
ート層より形成されてなるコート種子が嘱望されてい
る。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、たとえば、大根等の大型の
種子に対して充分な補強効果を付与し、加工中における
乾燥工程前や乾燥工程等において、コート層が崩壊・剥
落せず、製品収率を向上させることができるコート種子
およびコート種子の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のコート
種子は、上記の課題を解決するために、種子を被覆して
いるコート層が、種子表面を被覆する内層および該内層
に積層されてなる外層の少なくとも2層より形成され、
上記内層が複鎖構造型の粘土鉱物を含んでいることを特
徴としている。
【0009】上記の構成によれば、コート層に外層が形
成されていることで種子を造粒、整粒し、播種し易くす
ることができる。また、複鎖構造型の粘土鉱物は、比表
面積が大きく、かつ吸着能に優れている。従って、上記
内層が複鎖構造型の粘土鉱物を含んでいることにより、
内層を形成するコート材の各構成成分が強固に固着され
るため、内層に対し、充分な強度を付与することがで
き、該内層に対し積層されている外層が種子の吸水膨張
により亀裂を生じて崩壊・剥落することを防止できる。
これにより、たとえば、大根等の大型の種子を被覆する
場合であって、種子と比較してコート層が薄くなるよう
な場合であっても、コート層に充分な強度が付与されて
いるので、充分な補強効果を有し、たとえば、湿式コー
ティング加工中における、乾燥工程前や乾燥工程等にお
いて、コート層が崩壊・剥落せず、製品収率を向上させ
ることができるコート種子を提供できる。
【0010】請求項2に記載のコート種子は、上記の課
題を解決するために、請求項1記載の構成に加えて、上
記複鎖構造型の粘土鉱物が、上記種子重量に対して上記
内層部分に30%以上含まれていることを特徴としてい
る。
【0011】上記の構成によれば、複鎖構造型の粘土鉱
物が上記範囲内の割合で内層に含まれていることで、内
層を形成するコート材の各構成成分が、複鎖構造型の粘
土鉱物によりさらに確実に固着されるため、さらに優れ
た補強効果を発揮するコート種子を得ることができ、製
品収率をさらに向上させることができる。また、上記複
鎖構造型の粘土鉱物は、上記種子重量に対して上記内層
部分に70%以上含まれていることがより好ましく、1
00%以上含まれていることがさらに好ましい。
【0012】請求項3に記載のコート種子は、上記の課
題を解決するために、請求項1または2記載の構成に加
えて、上記内層が、撥水剤を含んでいることを特徴とし
ている。
【0013】上記の構成によれば、撥水剤が、コート種
子に対し、より優れた開裂性、すなわち、灌水等による
吸水時にコート層がより開裂し易くなる性質を付与する
ことができるので、より一層、発芽率の低下を招来しな
いコート種子を提供することができる。また、内層が撥
水剤を含むことで、コート層の保水性が適宜調節される
ので、内層被覆時の加工適性をより向上させることがで
きる。
【0014】請求項4に記載のコート種子は、上記の課
題を解決するために、請求項1ないし3のいずれか1項
に記載の構成に加えて、上記内層が、アスペクト比20
以上の繊維状物質を含んでいることを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、上記内層が、上記範
囲内のアスペクト比を有する繊維状物質を含むことによ
り、内層の強度をさらに向上させることができる。
【0016】請求項5に記載のコート種子は、上記の課
題を解決するために、請求項1ないし4のいずれか1項
に記載の構成に加えて、被覆された種子がアブラナ科で
あることを特徴としている。
【0017】上記の構成によれば、アブラナ科のよう
な、比較的大型の種子に対して充分な補強効果を有する
コート層を備えたコート種子を提供することができる。
【0018】請求項6に記載のコート種子の製造方法
は、上記の課題を解決するために、種子表面に複鎖構造
型の粘土鉱物を含む内層を形成した後、該内層と組成の
異なる外層を少なくとも一層形成することにより、該種
子を被覆することを特徴としている。
【0019】上記の構成によれば、コート層に外層を形
成することで種子を造粒、整粒し、播種し易くすること
ができる。また、複鎖構造型の粘土鉱物は、比表面積が
大きく、かつ吸着能に優れている。従って、上記内層が
複鎖構造型の粘土鉱物を含んでいることにより、内層を
形成するコート材の各構成成分が強固に固着されるた
め、内層に対し、充分な強度を付与することができ、該
内層に対し積層する外層が種子の吸水膨張により亀裂を
生じて崩壊・剥落することを防止できる。これにより、
たとえば、大根等の大型の種子を被覆する場合であっ
て、種子と比較してコート層が薄くなるような場合であ
っても、コート層に充分な強度を付与することができる
ので、充分な補強効果を有し、たとえば、湿式コーティ
ング加工中における、乾燥工程前や乾燥工程等におい
て、コート層が崩壊・剥落せず、製品収率を向上させる
ことができるコート種子を製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明にかかるコート種子は、種
子を被覆しているコート層が、種子表面を被覆する内層
および該内層の外側に積層される外層の少なくとも2層
より形成され、上記内層が複鎖構造型の粘土鉱物(以
下、「複鎖状粘土鉱物」と称する)を含む構成を有して
いる。
【0021】本発明にかかるコート層は、種子表面を直
接被覆する内層と、該内層に積層される外層とを少なく
とも有している。該外層は、たとえば、珪藻土等の粉体
を含む従来公知のコート材で形成されている。なお、外
層となるべきコート材の組成、ならびに、外層の厚さ
は、特に限定されるものではない。
【0022】本発明にかかる内層に含まれる複鎖状粘土
鉱物とは、針状構造を備えた2:1型リボン状鉱物をい
い、たとえば、いわゆるアタパルガスクレーやセピオラ
イトクレー等に含有されている成分である。該複鎖状粘
土鉱物は、通常、粒径2μm以下という微細な粒度を有
するとともに、たとえば、ゼオライト等の他の粘土系鉱
物と比較して比表面積が大きく、かつ、吸着能に優れて
いる。このため、複鎖状粘土鉱物は、コート材を構成す
る各成分を互いに固着させて、コート種子に対し定形性
を付与するとともに、所定の強度を付与する役割を担っ
ている。
【0023】本発明の複鎖状粘土鉱物としては、たとえ
ば、セピオライト、アタパルジャイト(パリゴルスカイ
ト)等が挙げられ、特に限定されるものではないが、セ
ピオライトが最も好ましい。これら複鎖状粘土鉱物は、
一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0024】上記複鎖状粘土鉱物が、本発明にかかる内
層を形成するコート材(以下、「内層用コート材」と称
する)に占める割合は、内層用コート材に含まれる他の
物質との組み合わせ、内層の厚さ、或いは、コートされ
るべき種子の平均種子径にもよるが、20〜90重量%
の範囲内であることがより好ましく、30〜80重量%
の範囲内であることがさらに好ましく、30〜50重量
%の範囲内であることが最も好ましい。上記割合が20
重量%未満であると、内層が充分な補強効果を発揮でき
ないおそれがある。また、上記割合が、90重量%を超
えると、コート材を構成する各成分が過度に固着され、
硬くなりすぎるため、通気性が不十分となり、発芽率の
低下を招来するおそれがある。なお、複鎖状粘土鉱物の
粒径は、300メッシュ以下であることがより好まし
い。
【0025】また、上記複鎖構造型の粘土鉱物は、上記
種子重量に対して上記内層部分に30%以上含まれてい
ることがより好ましく、70%以上含まれていることが
さらに好ましく、100%以上含まれていることが最も
好ましい。
【0026】上記内層には、上記複鎖状粘土鉱物以外
に、コート層の補強効果、コート種子の定形性、圧縮強
度、および発芽等を阻害しない範囲内で、他の物質が含
まれていてもよい。該物質としては、たとえば、撥水
剤、繊維状物質、各種粉体等が挙げられる。
【0027】上記撥水剤とは、水の透過を妨げる作用を
有する物質をいい、液状、粉体状、ペースト状の何れで
あってもよい。内層用コート材が撥水剤を含む場合、撥
水剤は、コート種子に対し、より優れた開裂性、すなわ
ち、灌水等による吸水時にコート層が開裂し易くなる性
質を付与することができる。また、内層用コート材が撥
水剤を含む場合は、コート層の保水性が適宜調節される
ので、内層用コート材の加工適性を向上させることがで
きる。
【0028】本発明にかかる撥水剤としては、たとえ
ば、油脂、蝋、高級脂肪酸およびその金属塩、高級脂肪
族アルコールおよびそのアルキレンオキサイド付加物、
シリコン系撥水剤、フッ素系撥水剤等が挙げられる。上
記例示の撥水剤のうち、高級脂肪酸およびその金属塩が
より好ましく、高級脂肪酸の2価金属塩がさらに好まし
く、ステアリン酸カルシウムが特に好ましい。これら撥
水剤は、必要に応じて、一種類のみを用いてもよく、ま
た、二種類以上を併用してもよい。
【0029】撥水剤を内層用コート材に含有させる場
合、該内層用コート材に占める撥水剤の割合は、内層用
コート材を構成する他の物質、コート種子に付与すべき
諸特性に応じて設定すればよく、特に限定されるもので
はないが、10〜80重量%の範囲内であることが好ま
しく10〜60重量%の範囲内であることがさらに好ま
しく、20〜50重量%の範囲内であることが最も好ま
しい。上記割合が10重量%未満であると、コート種子
に充分な開裂性が付与されず、発芽率が著しく低下する
おそれがある。また、上記割合が80重量%を超える
と、加工性が低下するおそれがある。
【0030】また、上述のように、本発明の内層用コー
ト材には、必要に応じて、繊維状物質が含まれていても
よい。繊維状物質は、有機物、無機物の何れであっても
よく、また、天然物、合成物を問わない。該繊維状物質
としては、具体的には、たとえば、ワラストナイト等の
繊維状鉱物;セルロース等の有機物繊維;等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。これら繊維状物質
は、必要に応じて、一種類のみを用いてもよく、また、
二種類以上を併用してもよい。内層用コート材が繊維状
物質を含むことにより、コート層の強度が適宜調節され
ると共に、通気性が特に充分に確保される。上記例示の
繊維状物質のうち、ワラストナイトがより好ましい。
【0031】本発明にかかる内層用コート材が繊維状物
質を含むことで、コート層の補強効果がさらに高められ
る。内層用コート材に占める繊維状物質の割合、ならび
に、繊維状物質の長さ(繊維長)は、コート層に付与す
べき諸性能に応じて設定すればよく、特に限定されるも
のではないが、上記繊維状物質は、少なくともアスペク
ト比が20以上であることがより好ましい。従って、上
記例示の繊維状物質のうち、アスペクト比が20以上で
あるワラストナイトが最も好ましい。
【0032】繊維状物質を内層用コート材に含有させる
場合、該内層用コート材に占める繊維状物質の割合は、
内層用コート材を構成する他の物質、コート種子に付与
すべき諸特性に応じて設定すればよく、特に限定される
ものではないが、5〜70重量%の範囲内であることが
好ましく10〜60重量%の範囲内であることがさらに
好ましく、20〜50重量%の範囲内であることが最も
好ましい。
【0033】本発明にかかる内層用コート材は、必要に
応じて、たとえば、珪藻土、蝋石クレイ、ゼオライト等
の他の粉体を含有していてもよい。また、本発明にかか
る内層用コート材は、上記複鎖状粘土鉱物、撥水剤、繊
維状物質、粉体等の他に、必要に応じて、たとえば、長
石等の鉱物を含んでいてもよい。さらにまた、上記内層
用コート材は、必要に応じて、たとえば、植物ホルモ
ン、植物栄養剤、植物生長調節剤、農薬、消毒・殺菌
剤、酸素発生剤、発熱剤、肥料、鳥等に食べられないよ
うにするための着色剤や顔料、忌避剤等の添加剤(補助
剤)を含んでいてもよい。
【0034】上記複鎖状粘土鉱物、および必要に応じ
て、撥水剤、繊維状物質、粉体等を混合することによ
り、内層用コート材が得られる。内層用コート材の製造
方法、つまり、上記の構成成分を混合する方法や順序
は、特に限定されるものではない。
【0035】本発明にかかる外層を形成するコート材
(以下、「外層用コート材」と称する)に含まれる物質
は、コート層の補強効果、コート種子の定形性、圧縮強
度、および発芽等を阻害しない範囲内で適宜選択すれば
よく、特に限定されないが、たとえば、珪藻土、蝋石ク
レイ、ゼオライト等の粉体や、補強材としてのセピオラ
イト等の複鎖状粘土鉱物が挙げられる。また、外層用コ
ート材には、必要に応じて、撥水剤、繊維状物質等が含
まれていてもよい。
【0036】また、外層表面には、たとえば、雲母類を
含む組成物からなる表層がさらに積層されていてもよ
い。該表層が雲母類を含むことにより、コート層を分厚
くすることなく、コート種子の強度、つまり、コート種
子の安定性を向上させることができる。すなわち、コー
ト種子の強度を確保するために、コート層を過度に分厚
くする必要がないので、発芽率の低下をさらに抑えるこ
とができる。
【0037】コート層となるべき上記構成の内層用コー
ト材および外層用コート材を用いて種子をコートするの
に好適に使用することができる造粒装置としては、たと
えば、傾斜回転パン型造粒機や、流動層型造粒機等の公
知の造粒装置が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。造粒装置を使用した種子のコート方法の一例、つ
まり、コート種子の製造方法について、その手順を以下
に説明する。
【0038】先ず、造粒装置に種子を投入して、所定の
回転数で攪拌しながら、該種子に霧状の水を必要に応じ
て噴霧すると共に、予め調製した内層用コート材を造粒
装置に徐々に添加する。そして、種子と内層用コート材
と水とを所定時間、攪拌することにより、第一の造粒操
作(被覆操作)を行う。これにより、種子の表面に内層
が形成される。噴霧する水の量、ならびに、内層用コー
ト材の添加速度は、造粒操作を容易に行うことができる
ように、装置内の様子(内層の形成され具合)を確認す
ることによって、適宜調節すればよい。
【0039】次に、上記内層が形成された種子(以下、
「プレコート種子」と称する)を所定の回転数で攪拌し
ながら、該プレコート種子に霧状の水を必要に応じて噴
霧すると共に、予め調製した上記外層用コート材を造粒
装置に徐々に添加する。そして、プレコート種子と外層
用コート材と水とを所定時間、攪拌することにより、第
二の造粒操作(外層形成操作)を行う。これにより、プ
レコート種子の表面(即ち、内層表面)に外層が形成
(積層)される。噴霧する水の量、ならびに、外層用コ
ート材の添加速度は、造粒操作を容易に行うことができ
るように、装置内の様子(外層の形成され具合)を確認
することによって、適宜調節すればよい。
【0040】得られたコート種子は、種子に熱障害を与
えない程度の温度で以て、乾燥操作を行うことが好まし
い。なお、種子をコートする具体的な方法は、上記例示
の方法にのみ限定されるものではない。
【0041】本発明においてコートされるべき種子は、
特に限定されるものではないが、たとえば、最大径の平
均値(平均種子径)が1mm以上である大型の種子が特
に好適である。該種子としては、具体的には、たとえ
ば、カンラン(キャベツ)、ブロッコリー、大根、野沢
菜、ニンジン、ビート等の野菜種子が挙げられる。な
お、本発明においてコートされるべき種子は、球状であ
る必要はない。
【0042】種子に対する内層用および外層用コート材
の量は、種子の種類や大きさ、コート種子が備えるべき
各種物性や大きさ、或いは、コート種子の製造方法や播
種方法等に応じて設定すればよく、特に限定されるもの
ではないが、内層用コート材の量は、内層の厚さが10
0μm〜2000μmの範囲内となる量であることがよ
り好ましく、400μm〜1000μmの範囲内となる
量であることがさらに好ましい。これにより、安定性に
より一層優れたコート種子を得ることができる。内層の
厚さが100μmよりも薄い場合には、コート層におけ
る内層の厚さが薄いために該内層による補強効果が充分
ではなく、湿式コーティング加工中の乾燥工程前または
乾燥工程等において、コート層が崩壊・剥落し易い。つ
まり、得られるコート種子が安定性に劣る場合がある。
一方、内層の厚さが3000μmよりも厚い場合には、
該内層の強度が大きくなりすぎる(硬くなりすぎる)と
共に、通気性が確保され難くなるので、発芽率が低下す
る場合がある。なお、コート種子の大きさは、特に限定
されないが、10mm程度であることがより好ましい。
【0043】従って、上記内層用コート材の量、すなわ
ち、コートされる種子重量に対する内層用コート材の割
合(単位:%種子重)は、特に限定されないが、100
〜400%種子重の範囲内であることがより好ましく、
120〜350%種子重の範囲内であることがさらに好
ましく、150〜300%種子重の範囲内であることが
最も好ましい。
【0044】外層を形成するコート材の量、すなわち、
種子と外層用コート材との重量比は、特に限定されない
が、1:0.5〜1:10の範囲内であることがより好
ましく、1:2〜1:8の範囲内であることがさらに好
ましく、1:5〜1:7の範囲内であることが最も好ま
しい。
【0045】コート種子の播種方法は、特に限定される
ものではない。以上のように、本発明にかかるコート種
子は、複鎖状粘土鉱物を含む内層と、外層との少なくと
も2層よりなるコート層を備えている。すなわち、複鎖
状粘土鉱物を含む内層用コート材により種子表面が直接
被覆され、内層が形成されていると共に、該内層に外層
が積層された構造を有している。
【0046】上記コート種子は、上記外層が形成されて
いることにより、種子を造粒、整粒し、播種し易くする
ことができる。また、内層が複鎖状粘土鉱物を含んでい
るので、湿式コーティング加工中の乾燥工程前における
湿った状態での種子の吸水膨張による亀裂・崩壊を防止
できる。すなわち、上記加工後、乾燥工程前または該工
程中における外層の開裂・剥落を防止することができ
る。それゆえ、コート種子の乾燥工程前または該工程中
におけるコート層の割れを防止することによって、発芽
率を維持しつつ、製品収率を向上させることができる。
従って、上記の構成によれば、たとえば、種子の最大径
の平均値が1mm以上である場合等に特に好適であり、
乾燥工程前または該工程中におけるコート層の崩壊・剥
落を防止することができ、安定性に優れ、しかも、発芽
率の低下を招来しないコート種子を提供することができ
る。
【0047】
【実施例】コート種子の割れ率、発芽率、および歩留り
(製品収率)は、下記方法により測定・評価した。
【0048】〔割れ率〕造粒加工後、乾燥前の段階での
コート種子200個をビニール袋に入れ、所定温度で放
置し、60分後に割れたコート種子の割合(%)を測定
した。
【0049】〔発芽率〕コート種子の発芽率を、発芽試
験(20℃、シャーレ試験)を実施することによって測
定した。まず、直径9cmシャーレに濾紙を2枚敷き、
4.5mlの水を滴下した後に、造粒加工・乾燥後にお
ける同一ロットの種子を50粒/シャーレに置床し、2
0℃の気象器内に置いた。播種後7日経過後の発芽率
(%)を測定した。
【0050】〔歩留り〕コート種子を製造後、「コート
層が開裂・剥落することなく得られたコート種子の数」
を「造粒装置に投入した種子の数」で除した値の百分率
(%)として求め、90%以上を「◎」、80%以上を
「○」、80%未満を「×」として評価した。
【0051】以下、実施例および比較例により、本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何
ら限定されるものではない。
【0052】〔実施例1〕複鎖状粘土鉱物としてのセピ
オライトを20重量%、撥水剤としてのステアリン酸カ
ルシウムを80重量%の割合で含むコート材を、本発明
にかかる内層を形成するためのコート材、すなわち、内
層用コート材として調製した。
【0053】次に、本発明にかかる外層を形成するため
のコート材、すなわち、外層用コート材として、珪藻
土、パイロフィライト、ステアリン酸カルシウムの混合
物(40:40:20、重量比)を調製した。コートさ
れるべき種子として、大根(種子径3〜5mm)を選
び、上記2種類のコート材を用いてコート種子を製造し
た。すなわち、直径50cmの傾斜回転パン型造粒機に
所定量の種子を投入して、回転数約30rpmで攪拌し
ながら、該種子に霧状の水を必要に応じて噴霧すると共
に、上記内層用コート材を該造粒機に徐々に添加し、種
子と該内層用コート材と水とを所定時間、攪拌すること
により、造粒操作を行って種子表面に内層を形成させ
た。種子100gに対する内層用コート材の割合は15
0gとなるようにした。すなわち、上記内層用コート材
の量は、コートされる種子重量の150%(%種子重)
であった。また、コート層に含まれる複鎖状粘土鉱物と
してのセピオライトの量は、コートされる種子重量の3
0%(%種子重)であった。
【0054】次いで、上記外層用コート材を、該造粒機
に徐々に添加し、プレコート種子と該外層用コート材と
水とを所定時間、攪拌することにより、造粒操作を行っ
て上記内層表面に外層を積層した。噴霧する水の量は、
装置内の様子を確認することによって適宜調節した。添
加した外層用コート材の量は、種子重量の10倍量であ
り、外層積層後の種子径は、約8mmであった。これに
より本発明のコート種子を得た。
【0055】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0056】〔実施例2〕セピオライトを50重量%、
ステアリン酸カルシウムを50重量%とし、内層用コー
ト材量を、コートされる種子重量の300%とした以外
は、実施例1と同様の各種操作を行い、本発明にかかる
コート種子を得た。
【0057】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0058】〔実施例3〕セピオライトを25重量%、
ステアリン酸カルシウムを50重量%、および繊維状物
質としてのワラストナイトを25重量%の割合で含むコ
ート材を内層用コート材として調製し、内層用コート材
量をコートされる種子重量の300%とした以外は、実
施例1と同様の各種操作を行い、本発明にかかるコート
種子を得た。
【0059】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0060】〔実施例4〕セピオライトを25重量%、
ステアリン酸カルシウムを50重量%、および粉体とし
ての珪藻土を25重量%の割合で含むコート材を内層用
コート材として調製し、内層用コート材量をコートされ
る種子重量の300%とした以外は、実施例1と同様の
各種操作を行い、本発明にかかるコート種子を得た。
【0061】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0062】〔実施例5〕セピオライトを50重量%、
ステアリン酸カルシウムを20重量%、および珪藻土を
30重量%の割合で含むコート材を内層用コート材とし
て調製し、内層用コート材量をコートされる種子重量の
300%とした以外は、実施例1と同様の各種操作を行
い、本発明にかかるコート種子を得た。
【0063】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0064】〔実施例6〕セピオライトを50重量%、
ステアリン酸カルシウムを20重量%、および珪藻土を
30重量%の割合で含むコート材を内層用コート材とし
て調製した以外は、実施例1と同様の各種操作を行い、
本発明にかかるコート種子を得た。
【0065】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0066】〔実施例7〕セピオライトを40重量%、
ステアリン酸カルシウムを30重量%、および珪藻土を
30重量%の割合で含むコート材を内層用コート材とし
て調製した以外は、実施例1と同様の各種操作を行い、
本発明にかかるコート種子を得た。
【0067】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0068】〔実施例8〕セピオライトを50重量%、
ステアリン酸カルシウムを30重量%、および珪藻土を
20重量%の割合で含むコート材を内層用コート材とし
て調製した以外は、実施例1と同様の各種操作を行い、
本発明にかかるコート種子を得た。
【0069】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0070】〔実施例9〕セピオライトを30重量%、
ステアリン酸カルシウムを30重量%、および珪藻土を
40重量%の割合で含むコート材を内層用コート材とし
て調製し、内層用コート材量をコートされる種子重量の
300%とした以外は、実施例1と同様の各種操作を行
い、本発明にかかるコート種子を得た。
【0071】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0072】〔実施例10〕セピオライトを40重量
%、ステアリン酸カルシウムを30重量%、およびワラ
ストナイトを30重量%の割合で含むコート材を内層用
コート材として調製した以外は、実施例1と同様の各種
操作を行い、本発明にかかるコート種子を得た。
【0073】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0074】〔実施例11〕セピオライトを40重量
%、ステアリン酸カルシウムを30重量%、およびワラ
ストナイトを30重量%の割合で含むコート材を内層用
コート材として調製し、内層用コート材量をコートされ
る種子重量の300%とした以外は、実施例1と同様の
各種操作を行い、本発明にかかるコート種子を得た。
【0075】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0076】〔実施例12〕セピオライトを50重量
%、ワラストナイトを50重量%の割合で含むコート材
を内層用コート材として調製し、内層用コート材量をコ
ートされる種子重量の300%とした以外は、実施例1
と同様の各種操作を行い、本発明にかかるコート種子を
得た。
【0077】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0078】〔比較例1〕内層用コート材量をコートさ
れる種子重量の0%とした以外は、実施例1と同様の各
種操作を行い、比較用のコート種子を得た。従って、比
較用のコート種子には、内層が形成されていない。
【0079】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0080】〔比較例2〕内層用コート材量をコートさ
れる種子重量の0%とし、外層用コート材中に、セピオ
ライトを15重量%の割合となるように含有させた以外
は、実施例1と同様の各種操作を行い、比較用のコート
種子を得た。従って、比較用のコート種子には、内層が
形成されておらず、かつ、外層には、補強材としてセピ
オライトが15重量%の割合で含まれている。つまり、
コート層全体として含まれるセピオライト量は、コート
される種子重量の150%(%種子重)であった。
【0081】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0082】〔比較例3〕内層用コート材量をコートさ
れる種子重量の0%とし、外層用コート材中に、セピオ
ライトを30重量%の割合となるように含有させた以外
は、実施例1と同様の各種操作を行い、比較用のコート
種子を得た。従って、比較用のコート種子には、内層が
形成されておらず、かつ、外層には、セピオライトが3
0重量%の割合で含まれている。つまり、コート層全体
として含まれるセピオライト量は、コートされる種子重
量の300%(%種子重)であった。
【0083】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0084】〔比較例4〕ステアリン酸カルシウムを5
0重量%、ワラストナイトを50重量%の割合で含むコ
ート材を内層用コート材として調製し、内層用コート材
量をコートされる種子重量の300%とした以外は、実
施例1と同様の各種操作を行い、本発明にかかるコート
種子を得た。従って、本比較用のコート種子に形成され
ている内層には、複鎖状粘土鉱物は含まれていない。
【0085】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0086】〔比較例5〕ワラストナイトを100重量
%の割合で含むコート材を内層用コート材として調製
し、内層用コート材量をコートされる種子重量の300
%とした以外は、実施例1と同様の各種操作を行い、本
発明にかかるコート種子を得た。従って、本比較用のコ
ート種子に形成されている内層には、複鎖状粘土鉱物は
含まれていない。
【0087】得られた上記コート種子の20℃および3
5℃における各割れ率、発芽率、および歩留りを、上記
方法によって測定または評価した。結果を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】表1の結果から明らかなように、コート層
が、複鎖状粘土鉱物を含む内層と、これに積層される外
層とにより形成されている本発明のコート種子では、2
0℃および35℃での割れ率が抑制され、良好な歩留り
でコート種子が得られることが判る。
【0090】これに対し、コート層が、複鎖状粘土鉱物
を含む内層および外層により形成されていない比較例1
〜5の比較用コート種子は、複鎖状粘土鉱物によりコー
ト層に対し強度が付与されていないため、割れ率が高く
なる結果、歩留りも不良であることが判る。
【0091】
【発明の効果】請求項1に記載のコート種子は、以上の
ように、種子を被覆しているコート層が、種子表面を被
覆する内層および該内層に積層されてなる外層の少なく
とも2層より形成され、上記内層が複鎖構造型の粘土鉱
物を含んでいる構成である。
【0092】それゆえ、コート層に外層が形成されてい
ることで種子を造粒、整粒し、播種し易くすることがで
きる。また、複鎖構造型の粘土鉱物は、比表面積が大き
く、かつ吸着能に優れている。従って、上記内層が複鎖
構造型の粘土鉱物を含んでいることにより、内層を形成
するコート材の各構成成分が強固に固着されるため、内
層に対し、充分な強度を付与することができ、該内層に
対し積層されている外層が種子の吸水膨張により亀裂を
生じて崩壊・剥落することを防止できる。これにより、
たとえば、大根等の大型の種子を被覆する場合であっ
て、種子と比較してコート層が薄くなるような場合であ
っても、コート層に充分な強度が付与されているので、
充分な補強効果を有し、たとえば、湿式コーティング加
工中における、乾燥工程前や乾燥工程等において、コー
ト層が崩壊・剥落せず、製品収率を向上させることがで
きるコート種子を提供できるという効果を奏する。
【0093】請求項2に記載のコート種子は、以上のよ
うに、請求項1記載の構成に加えて、上記複鎖構造型の
粘土鉱物が、上記種子重量に対して上記内層部分に30
%以上含まれている構成である。
【0094】それゆえ、複鎖構造型の粘土鉱物が上記範
囲内の割合で内層に含まれていることで、内層を形成す
るコート材の各構成成分が、複鎖構造型の粘土鉱物によ
りさらに確実に固着されるため、さらに優れた補強効果
を発揮するコート種子を得ることができ、コート種子の
製品収率をさらに向上させることができるという効果を
奏する。
【0095】請求項3に記載のコート種子は、以上のよ
うに、請求項1または2記載の構成に加えて、上記内層
が、撥水剤を含んでいる構成である。
【0096】それゆえ、撥水剤が、コート種子に対し、
より優れた開裂性、すなわち、灌水等による吸水時にコ
ート層がより開裂し易くなる性質を付与できるので、よ
り一層、発芽率の低下を招来しないコート種子を提供で
きるという効果を奏する。
【0097】請求項4に記載のコート種子は、以上のよ
うに、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の構成に
加えて、上記内層が、アスペクト比20以上の繊維状物
質を含んでいる構成である。
【0098】それゆえ、上記内層が、上記範囲内のアス
ペクト比を有する繊維状物質を含むことにより、内層の
強度をさらに向上させることができるという効果を奏す
る。
【0099】請求項5に記載のコート種子は、以上のよ
うに、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の構成に
加えて、被覆された種子がアブラナ科である構成であ
る。
【0100】それゆえ、アブラナ科のような、比較的大
型の種子に対して充分な補強効果を有するコート層を備
えたコート種子を提供できるという効果を奏する。
【0101】請求項6に記載のコート種子の製造方法
は、以上のように、種子表面に複鎖構造型の粘土鉱物を
含む内層を形成した後、該内層と組成の異なる外層を少
なくとも一層形成することにより、該種子を被覆する構
成である。
【0102】それゆえ、コート層に外層を形成すること
で種子を造粒、整粒し、播種し易くすることができる。
また、複鎖構造型の粘土鉱物は、比表面積が大きく、か
つ吸着能に優れている。従って、上記内層が複鎖構造型
の粘土鉱物を含んでいることにより、内層を形成するコ
ート材の各構成成分が強固に固着されるため、内層に対
し、充分な強度を付与することができ、該内層に対し積
層する外層が種子の吸水膨張により亀裂を生じて崩壊・
剥落することを防止できる。これにより、たとえば、大
根等の大型の種子を被覆する場合であって、種子と比較
してコート層が薄くなるような場合であっても、コート
層に充分な強度を付与することができるので、充分な補
強効果を有し、たとえば、湿式コーティング加工中にお
ける、乾燥工程前や乾燥工程等において、コート層が崩
壊・剥落せず、製品収率を向上させることができるコー
ト種子を製造できるという効果を奏する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】種子を被覆しているコート層が、種子表面
    を被覆する内層および該内層に積層されてなる外層の少
    なくとも2層より形成され、上記内層が複鎖構造型の粘
    土鉱物を含んでいることを特徴とするコート種子。
  2. 【請求項2】上記複鎖構造型の粘土鉱物が、上記種子重
    量に対して上記内層部分に30%以上含まれていること
    を特徴とする請求項1記載のコート種子。
  3. 【請求項3】上記内層が、撥水剤を含んでいることを特
    徴とする請求項1または2記載のコート種子。
  4. 【請求項4】上記内層が、アスペクト比20以上の繊維
    状物質を含んでいることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載のコート種子。
  5. 【請求項5】被覆された種子がアブラナ科であることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のコ
    ート種子。
  6. 【請求項6】種子表面に複鎖構造型の粘土鉱物を含む内
    層を形成した後、該内層と組成の異なる外層を少なくと
    も一層形成することにより、該種子を被覆することを特
    徴とするコート種子の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004036974A1 (en) * 2002-10-28 2004-05-06 Seung-Hyun Kim A pellet of bulbous plants, a method of pelletization and a cultivation method of plants using the same
WO2004036975A1 (en) * 2002-10-28 2004-05-06 Seung-Hyun Kim A pellet of plant seed, a method of pelletization and a cultivation method of plants using the same
GB2443011A (en) * 2005-06-09 2008-04-23 Corporate Ip Ltd A seed encasement method
JP2010098949A (ja) * 2008-10-21 2010-05-06 Japan Carlit Co Ltd:The 造粒コーティング種子及びその製造方法

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WO2004036975A1 (en) * 2002-10-28 2004-05-06 Seung-Hyun Kim A pellet of plant seed, a method of pelletization and a cultivation method of plants using the same
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