JP2010098949A - 造粒コーティング種子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】雑草生育地に緑化用植物の種子を播種する際、特に法面等の傾斜地に播種しても、種子の流出が生じにくく、定着性に優れたコーティング種子及びその製造方法を提供すること。また、法面等のような植物育成に不安定な環境下において播種した際にも、発芽率が高く、良好な緑地形成を達成することのできるコーティング種子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】アタパルジャイトからなる粘土鉱物粉末およびステアリン酸カルシウムからなる高級脂肪酸を用い、コーティング層を形成する際、複数層コーティング層を形成し、この異なる層の造粒剤組成を変化させ種子へのコーティング層への付着性を改善し、重量化を図ったコーティング種子。
【選択図】なし

Description

本発明は、法面等の雑草木生育地に播種することで、該雑草木生育地の緑地化に資する緑化用造粒コーティング種子及びその製造方法に関する。
雑草木生育地を緑地化させる方法としては、地面の掘り起こし等の基盤整理により雑草木を除去した後、緑化用植物種子を播種し発芽・生育させて緑地を形成する方法や、除草剤を散布して雑草木を枯死させた後、緑化用植物種子を播種し発芽・生育させて緑地を形成する方法等が従来から知られている。
上記緑地化の施工においては雑草木生育地の雑草を除去または枯死させることにより地面が裸地化するため、特に法面等の傾斜地においては土砂流出あるいは土砂崩壊の恐れがある。
これらの問題に対し、雑草木生育地を裸地化させることなく、容易かつ安価に緑地化できる方法について、特許文献1が開示されている。
該特許文献1に記載の方法によれば、緑化用種子と、特定の除草剤と、を雑草生育地に同時に散布し、雑草の枯殺にあわせて、播種した緑化用種子を発芽、生育させ、雑草生育地を裸地化させることなく、雑草生育地を容易に緑化する方法が開示されている。
しかしながら、該方法による緑地化の施工において、特に高速道路等の法面の傾斜地においては、従来知られているコーティング種子を用いた場合、傾斜地への種子の定着が不十分であり種子の流出が発生しやすく、より定着性の良い緑化用種子の開発が求められていた。
特開2005−232098号公報
本発明の課題は、雑草生育地に緑化用植物の種子を播種する際、特に法面等の傾斜地に播種しても、種子の流出が生じにくく、定着性に優れたコーティング種子及びその製造方法を提供することである。
また、法面等のような緑化用植物の育成に不安定な環境下において播種した際にも、発芽率が高く、良好な緑地形成を実現することのできる造粒コーティング種子及びその製造方法を提供することである。
上記課題に鑑み、本発明者等は鋭意検討した結果、イネ科種子にアタパルジャイト及びステアリン酸カルシウムを含有する特定組成の造粒剤組成物にてコーティングし、該造粒コーティング層を好ましくは複数層形成することで、発芽率を損なうことなく、種子を重量化でき、傾斜地等の法面に定着性の良いコーティング種子を与えることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の(1)〜(5)に示すものである。
(1)イネ科種子の表面に造粒剤組成物からなる造粒コーティング層が形成されてなる造粒コーティング種子において、
該造粒剤組成物が、
アタパルジャイトを含む粘土鉱物質と、ステアリン酸カルシウムを含む疎水剤と、
からなることを特徴とする造粒コーティング種子。
(2)前記造粒コーティング層中に含まれるアタパルジャイトが、
全造粒コーティング層重量の70重量%以上であることを特徴とする前記(1)に記載の造粒コーティング種子。
(3)前記造粒コーティング層が、
組成の異なる複数の層により形成されていることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の造粒コーティング種子。
(4)全造粒コーティング層重量が、
イネ科種子の重量に対し、3〜5倍量コーティングされてなることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の造粒コーティング種子。
(5)イネ科種子表面に、
水を噴霧した後、
アタパルジャイトからなる粘土鉱物質粉末と、ステアリン酸カルシウム粉末と、の造粒剤組成物を添加し、イネ科種子表面に造粒コーティング層を形成し、
その後、乾燥する工程を有する造粒コーティング種子の製造方法において、
次の工程(A)及び(B)
(A)アタパルジャイトとステアリン酸カルシウムとを重量比60:40乃至80:20にて混合した造粒剤組成物を添加し、水を加えながら種子表面に、第1コーティング層を形成する工程。
(B)(A)により第1コーティング層を形成した種子に、さらにアタパルジャイトとステアリン酸カルシウムとを重量比85:15乃至95:5にて混合した造粒剤組成物を添加し、水を加えながら種子表面に、第2コーティング層を形成する工程。
を含むことを特徴とする造粒コーティング種子の製造方法。
本発明の造粒コーティング種子によれば、高速道路や鉄道の法面等の傾斜地に播種した際にも、種子の流出が発生せず、定着性の良い種子が得られる。
また、本発明の造粒コーティング種子の製造方法によれば、第1コーティング層と第2コーティング層との造粒剤組成を変更することにより、イネ科種子の周囲に効率的に造粒コーティング層を形成することができ、使用する粘土鉱物質を無駄にすることなく、収率良く造粒コーティング種子を製造することができる。
さらに、そのようにして得られた造粒コーティング種子は重量化されているにもかかわらず発芽率が損なわれないため、特に、傾斜地等への播種に好適な造粒コーティング種子を与える。
まず本発明の造粒コーティング種子について説明する。
本発明のコーティング種子は、緑化用植物種子の周囲に、造粒剤や疎水剤、結合剤等を有する造粒剤組成物によってコーティングされてなることを特徴とする。
本発明に用いられる緑化用植物とは、好ましくはイネ科の植物を示し、具体的には、クリーピングベントグラス、ケンタッキーブルーグラス、ペレニアルライグラス、ファインフェスク、トールフェスク、チューイングフェスク、ラフブルーグラス、カナダブルーグラス、ハードフェスク、コロニアルベントグラス、レッドトップ、コウライシバ、セントピードグラス、バーミューダグラス、ノシバ、チガヤ、バヒアグラス、ウィーピングクラブグラス、カーペットグラス等の多年生イネ科植物が挙げられる。
本発明に用いられる造粒剤組成物とは、無機粘土鉱物質と疎水剤とが混合されてなるものである。
前記無機粘土鉱物質としては、アタパルジャイトやベントナイトが挙げられる。
ここで、好ましくはアタパルジャイトが挙げられる。
アタパルジャイトは、ベントナイトのような他の無機粘土鉱物質に比べ、イネ科種子への付着性という点で優れている。
疎水剤としては、例えば、高級脂肪酸及びその金属塩、高級脂肪族アルコール及びロウなどの微粉末が挙げられる。
特に好ましいものは、高級脂肪酸カルシウム、高級脂肪酸マグネシウム、高級脂肪酸バリウム、高級脂肪族アルコールのプロピレンオキサイドの付加物が挙げられる。
より好ましくは、ステアリン酸カルシウムである。
次に本発明の造粒コーティング種子の製造方法について説明する。
本発明に係る種子への造粒コーティング方法は、傾斜回転パン型造粒機等を用いることができる。
すなわち、傾斜回転パン型造粒機に、緑化用種子と、粘土鉱物質及び疎水剤等を含む造粒組成物を投入し、水を添加することによってコーティングすることができる。
コーティングする種子の重量化を図り、播種する地面への定着性を向上させるため、好ましくは、造粒コーティング種子のコーティング層の組成を変化させ、複数層形成することが好ましい。
その際、第1コーティング層として好ましくは、アタパルジャイトとステアリン酸カルシウムとの重量比を60:40乃至80:20に混合した造粒剤組成物を準備し、必要な水を加え、イネ科種子の周囲にコーティング層を形成する。
ここで、アタパルジャイトの重量配合比が60重量%以下の場合、種子への付着性が悪くなり、粒子同士の結合も見られない場合があり、80重量%を超える場合。種子に付着せず、粒子同士が結合してしまうことがある。
第1コーティング層の形成にて使用する造粒剤組成物の量は、コーティングされるイネ科種子の全重量に対し、投入する造粒剤組成物の重量に対し、10〜100重量%とすることが好ましい。
なぜなら、この際、イネ科種子の重量に対し、造粒剤組成物の重量が10重量%に満たない場合、十分に種子表面に付着しない場合があり、50重量%を超える場合、種子の重量化が不十分となる恐れがある。
ついで、前記のようにコーティングした種子に対し、さらに第2層目のコーティング層を形成する。
第2層目の形成方法としては好ましくは、アタパルジャイトとステアリン酸カルシウムとの重量比を85:15乃至95:5に混合した造粒剤組成物を準備し、必要な水を加え、種子の周囲にコーティング層を形成する。
アタパルジャイトの重量比が85%に満たない場合、種子の周囲にアタパルジャイトの付着が不十分になり、使用する造粒剤組成物の無駄が大きくなり、収率が低下する場合がある。
また、過剰なアタパルジャイト同士が結合した粒子の発生が増加し、収率が低下する場合がある。
また、アタパルジャイトの重量比が95%を超える場合、過剰なアタパルジャイト同士が結合した粒子の発生が増加し、収率が低下する場合がある。
第2コーティング層の形成にて添加する造粒剤組成物の量は、コーティングされるイネ科種子(第1コーティング前の裸種子)の全重量に対し、200〜300重量%とすることが好ましい。
なぜなら、この際、イネ科種子の重量に対し200重量%以下である場合、種子の重量化が不十分であり、300重量%を超える場合、コーティング層が厚くなりすぎ、発芽率が損なわれる場合がある。
以下、実施例に基づき、本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は本実施例によりなんら限定されるものでない。
実施例1
イネ科種子として、トールフェスク種子(雪印種苗社製、商品名アリッド3、発芽率80%以上)を用いた。該種子5kgを回転パン型カルパーコーティングマシンKC−151(啓文社製作所製)に投入し、パンを回転させながら手動加圧式噴霧器を用いて、水2kgを噴霧し、5分後、無機粘土鉱物質であるアタパルジャイト粉末(巴工業社製、品番MIN−U−GEL AR)及び疎水剤であるステアリン酸カルシウム(品川化工社製、品番SAK−CS−P)の混合物1kg(重量混合比70:30)を種子にふりかけるようにして投入し、次いで水を吹付けながら再度前記混合物1kgを投入し(計2kg)、種子表面に第1コーティング層を形成した。
次いで、さらに水を噴霧しながら前記アタパルジャイト及びステアリン酸カルシウムの混合物において重量混合比を85:15に変更した混合物13kgを添加し(造粒剤組成物全量として合計15kg)、種子表面に第2コーティング層を形成した。
得られた種子を乾燥し、本発明の造粒コーティング種子を完成した。
実施例2
イネ科種子として、トールフェスク種子(雪印種苗社製、商品名アリッド3、発芽率80%以上)を用いた。該種子5kgを回転パン型カルパーコーティングマシンKC−151(啓文社製作所製)に投入し、パンを回転させながら手動加圧式噴霧器を用いて、水2kgを噴霧し、5分後、無機粘土鉱物質であるアタパルジャイト粉末(巴工業社製、品番MIN−U−GEL AR)及び疎水剤であるステアリン酸カルシウム(品川化工社製、品番SAK−CS−P)の混合物1kg(重量混合比70:30)を種子にふりかけるようにして投入し、次いで水を吹付けながら再度前記混合物1kgを投入し(計2kg)、種子表面に第1コーティング層を形成した。
次いで、さらに水を噴霧しながら前記アタパルジャイト及びステアリン酸カルシウムの混合物において重量混合比を90:10に変更した混合物13kgを添加し(造粒剤組成物全量として合計15kg)、種子表面に第2コーティング層を形成した。
得られた種子を乾燥し、本発明の造粒コーティング種子を完成した。
実施例3
イネ科種子として、トールフェスク種子(雪印種苗社製、商品名アリッド3、発芽率80%以上)を用いた。該種子5kgを回転パン型カルパーコーティングマシンKC−151(啓文社製作所製)に投入し、パンを回転させながら手動加圧式噴霧器を用いて、水2kgを噴霧し、5分後、無機粘土鉱物質であるアタパルジャイト粉末(巴工業社製、品番MIN−U−GEL AR)及び疎水剤であるステアリン酸カルシウム(品川化工社製、品番SAK−CS−P)の混合物1kg(重量混合比70:30)を種子にふりかけるようにして投入し、次いで水を吹付けながら再度前記混合物1kgを投入し(計2kg)、種子表面に第1コーティング層を形成した。
次いで、さらに水を噴霧しながら前記アタパルジャイト及びステアリン酸カルシウムの混合物において重量混合比を95:5に変更した混合物13kgを添加し(造粒剤組成物全量として合計15kg)、種子表面に第2コーティング層を形成した。
得られた種子を乾燥し、本発明の造粒コーティング種子を完成した。
比較例1
イネ科種子として、トールフェスク種子(雪印種苗社製、商品名アリッド3、発芽率80%以上)を用いた。該種子5kgを回転パン型カルパーコーティングマシンKC−151(啓文社製作所製)に投入し、パンを回転させながら手動加圧式噴霧器を用いて、水2kgを噴霧し、5分後、無機粘土鉱物質であるアタパルジャイト粉末(巴工業社製、品番MIN−U−GEL AR)及び疎水剤であるステアリン酸カルシウム(品川化工社製、品番SAK−CS−P)の混合物1kg(重量混合比70:30)を種子にふりかけるようにして投入し、次いで水を吹付けながら再度前記混合物1kgを投入し(計2kg)、種子表面に第1コーティング層を形成した。
次いで、さらに水を噴霧しながら前記アタパルジャイト及びステアリン酸カルシウムの混合物において重量混合比を80:20に変更した混合物13kgを添加し(造粒剤組成物全量として合計15kg)、種子表面に第2コーティング層を形成した。
得られた種子を乾燥し、造粒コーティング種子を完成した。
比較例2
イネ科種子として、トールフェスク種子(雪印種苗社製、商品名アリッド3、発芽率80%以上)を用いた。該種子5kgを回転パン型カルパーコーティングマシンKC−151(啓文社製作所製)に投入し、パンを回転させながら手動加圧式噴霧器を用いて、水2kgを噴霧し、5分後、無機粘土鉱物質であるアタパルジャイト粉末(巴工業社製、品番MIN−U−GEL AR)及び疎水剤であるステアリン酸カルシウム(品川化工社製、品番SAK−CS−P)の混合物1kg(重量混合比70:30)を種子にふりかけるようにして投入し、次いで水を吹付けながら再度前記混合物1kgを投入し(計2kg)、種子表面に第1コーティング層を形成した。
次いで、さらに水を噴霧しながら前記アタパルジャイト13kgを添加し(造粒剤組成物全量として合計15kg)、種子表面に第2コーティング層を形成した。
得られた種子を乾燥し、造粒コーティング種子を完成した。
比較例3
実施例1と同様に、イネ科種子として、トールフェスク種子(雪印種苗社製、商品名アリッド3、発芽率80%以上)を用いた。該種子5kgを回転パン型カルパーコーティングマシンKC−151(啓文社製作所製)に投入し、パンを回転させながら手動加圧式噴霧器を用いて、水2kgを噴霧し、5分後、粘土鉱物質であるアタパルジャイト粉末(巴工業社製、品番MIN−U−GEL AR)及び疎水剤であるステアリン酸カルシウム(品川化工社製、品番SAK−CS−P)の混合物1kg(重量混合比70:30)を種子にふりかけるようにして投入し、次いで水を吹付けながらさらに14kg投入し(造粒剤組成物全量として合計15kg)、種子表面にコーティング層を形成した。
得られた種子を乾燥し、造粒コーティング種子を完成した。
比較例4
実施例1と同様に、イネ科種子として、トールフェスク種子(雪印種苗社製、商品名アリッド3、発芽率80%以上)を用いた。該種子5kgを回転パン型カルパーコーティングマシンKC−151(啓文社製作所製)に投入し、パンを回転させながら手動加圧式噴霧器を用いて、水2kgを噴霧し、5分後、粘土鉱物質であるアタパルジャイト粉末(巴工業社製、品番MIN−U−GEL AR)及び疎水剤であるステアリン酸カルシウム(品川化工社製、品番SAK−CS−P)の混合物1kg(重量混合比50:50)を種子にふりかけるようにして投入し、次いで水を吹付けながらさらに14kg投入し(造粒剤組成物全量として合計15kg)、種子表面にコーティング層を形成した。
得られた種子を乾燥し、造粒コーティング種子を完成した。
比較例5
実施例1と同様に、イネ科種子として、トールフェスク種子(雪印種苗社製、商品名アリッド3、発芽率80%以上)を用いた。該種子5kgを回転パン型カルパーコーティングマシンKC−151(啓文社製作所製)に投入し、パンを回転させながら手動加圧式噴霧器を用いて、水2kgを噴霧し、5分後、粘土鉱物質であるアタパルジャイト粉末(巴工業社製、品番MIN−U−GEL AR)1kgを種子にふりかけるようにして投入し、次いで水を吹付けながらさらに14kg投入し(造粒剤組成物全量として合計15kg)、種子表面にコーティング層を形成した。
得られた種子を乾燥し、造粒コーティング種子を完成した。
[製造収率による評価]
実施例1〜3及び比較例1〜5により製造したコーティング種子を温度30℃、湿度30%の屋内にて2日間乾燥し、次いで、目開き1mmのふるいを用いてふるいわけを行い、得られた種子の重量を測定し、以下に示す式により収率を求めた。
収率(%)=[種子重量/(投入種子重量+投入基材重量))×100
なお、基材とは造粒剤組成物のことを指す。
結果を表1に示す。
Figure 2010098949
表1から明らかなように、トールフェスク種子に対してコーティングのために使用しているアタパルジャイト及びステアリン酸カルシウムの配合重量比を変化させることで、得られるコーティング種子の収量が変化しており、実施例1〜3の製造方法によれば収率良くコーティング種子が得られる結果であった。
すなわち、第2層目の形成条件の相違により、トールフェスク種子へのコーティング組成物の付着量が変化し、付着量が悪い場合、ふるいわけにより除去されてしまい、収率の低下を引き起こし、逆に付着性が強すぎる場合、基材粉体同士の結合が見られ、粉体のみの塊を形成してしまい、ふるいわけにより除去され、収率の低下を引き起こすことが示唆された。
[発芽率の評価]
実施例1〜3及び比較例1〜5にて得られたコーティング種子及びコーティング前の裸種子の発芽性能を調査するため、園芸培土を敷き詰めたトレーに播種し、十分に水を加え14日後の発芽率を調査した。結果を下表2に示す。
Figure 2010098949
本方法にて作製したコーティング種子は、いずれも良好な発芽率を示し、本発明の製造方法により得られたコーティング種子の発芽率の低下はみられなかった。
[定着率の評価]
実施例1〜3及び比較例1〜5にて得られたコーティング種子及びコーティング前の裸種子を傾斜地に播種し、法面への定着性を評価した。
すなわち、日本カーリット株式会社、群馬工場内において造成した斜面(既存植生なし、平均斜度30度)に、上記種子を25g/mの割合で播種し、播種後2ヵ月後に、トールフェスクの占有面積を達観調査し、植被率を求めた。結果を下表3に示す。
Figure 2010098949
表3から、実施例1〜3にて得られたコーティング種子は定着性に優れ、コーティングを行わない裸種子あるいは他の比較例のコーティング種子と比し、高い植被率を有していることがわかった。
本発明によれば、植物種子に対して造粒コーティングを行う場合において、コーティングを行う造粒剤組成物が効率よく植物種子に付着させることができ、製造収率が著しく向上するため、他の種子へのコーティングへ好適に応用できる。

Claims (5)

  1. イネ科種子の表面に造粒剤組成物からなる造粒コーティング層が形成されてなる造粒コーティング種子において、
    該造粒剤組成物が、
    アタパルジャイトを含む粘土鉱物質と、ステアリン酸カルシウムを含む疎水剤と、
    からなることを特徴とする造粒コーティング種子。
  2. 前記造粒コーティング層中に含まれるアタパルジャイトが、
    全造粒コーティング層重量の70重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の造粒コーティング種子。
  3. 前記造粒コーティング層が、
    組成の異なる複数の層により形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の造粒コーティング種子。
  4. 全造粒コーティング層重量が、
    イネ科種子の重量に対し、3〜5倍量コーティングされてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の造粒コーティング種子。
  5. イネ科種子表面に、
    水を噴霧した後、
    アタパルジャイトからなる粘土鉱物質粉末と、ステアリン酸カルシウム粉末と、の造粒剤組成物を添加し、イネ科種子表面に造粒コーティング層を形成し、
    その後、乾燥する工程を有する造粒コーティング種子の製造方法において、
    次の工程(A)及び(B)
    (A)アタパルジャイトとステアリン酸カルシウムとを重量比60:40乃至80:20にて混合した造粒剤組成物を添加し、水を加えながら種子表面に、第1コーティング層を形成する工程。
    (B)(A)により第1コーティング層を形成した種子に、さらにアタパルジャイトとステアリン酸カルシウムとを重量比85:15乃至95:5にて混合した造粒剤組成物を添加し、水を加えながら種子表面に、第2コーティング層を形成する工程。
    を含むことを特徴とする造粒コーティング種子の製造方法。
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