JP2532902B2 - 土壌殺菌用粒状クロルピクリン製剤およびその製造法 - Google Patents

土壌殺菌用粒状クロルピクリン製剤およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、土壌殺菌用粒状クロルピクリン製剤および
その製造法に関するものであつて、詳しくは、刺激性、
催涙性が少なく、散布操作が容易であり、しかも一定薬
剤量当たりの殺菌効果の大きい土壌殺菌用クロルピクリ
ン製剤およびその製造法に関するものである。
[従来の技術] 従来、果菜類のつる割れ病、萎凋病、そ菜類の苗立枯
れ病、根瘤病、レタスのすそ枯れ病、馬鈴薯の黒あざ
病、こんにゃくの白絹病、茶、桑、果樹類の紋羽病など
に見られる各種の土壌病害は、これら作物の連作を妨げ
る大きな要因となつていた。
このような汚染土壌での連作を可能とする方法として
土壌の蒸気消毒法、熱処理法やクロルピクリン、メチル
ブロマイド、ペチャクロルニトロベンゼンなどの薬剤に
よる消毒方法が知られている。上記薬剤による土壌消毒
法のうち、クロルピクリンによる土壌くん蒸法が殺菌効
果が高いので現在最も広い範囲において行なわれてい
る。しかしながら、クロルピクリンは、沸点112℃、蒸
気圧23.8mmHg(25℃)の強い刺激臭と催涙性をもつた有
害な液体であつて取り扱いが容易でなく、また、屡々使
用周辺の人家などへの公害問題をも引き起こすものであ
り、その改善が望まれていた。従来、土壌くん蒸におけ
るクロルピクリンの刺激臭と催涙性を抑制することを目
的として、クロルピクリンの膠質化処理や溶剤による希
釈処理による方法が研究されてきたが、これらいずれの
方法においても、刺激臭防止手段として満足のいくもの
とは言い難かつた。また、例えば特開昭61−249906号公
報には、クロルピクリン1重量部に対して1〜5重量部
のジ(2−クロロイソプロピル)エーテルを混合するこ
とによつて、クロルピクリンの刺激臭を抑制し、くん蒸
作業を容易とし、公害の発生を少なくした混合組成物が
開示されているが、このような組成物には高価な副原料
を多量に必要とし、また散布に要する薬剤の取り扱い量
も多くなるなどの欠点を有するものであつた。また、特
開昭59−82303号公報にはごく微細な薄片状の集合体よ
り主としてなる無機質粉末に農薬を含む液体を含浸さ
せ、乾燥後これに水膨潤性樹脂微粉体を混合し、この混
合物を圧縮成形した農薬成形体とその製造方法および使
用方法が示されている。この方法は、使用時に散布現場
近辺で水に溶解して散布使用するような農薬に対しては
有効なのであるが、クロルピクリンのように常温で液体
であり、かつ、そのままの状態で土壌中に施すような農
薬に対しては高い含有率の成形体を製造することが困難
であるばかりではなく、クロルピクリンの刺激臭や催涙
性を防止するためには全く効果がない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、上記欠点のない、すなわち土壌に施す前の
状態においては刺激臭がなく、土壌に混合した後に有効
にくん蒸効果を発揮し、散布操作の容易な粒状の土壌殺
菌用クロルピクリン製剤およびその製造方法を得ること
を目的としたものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記目的を達成すべく、種々研究を重
ねた結果、クロルピクリン液を適宜無機質多孔性粒状体
に含浸させた後、これをポリビニルアルコールのような
吸水性皮膜形成剤の水溶液中に浸漬し、粒状体表面に付
着した溶液を加熱乾燥して、粒状体表面が有機質皮膜を
もつて被覆された状態とすることによつて、乾燥状態に
おいてはクロルピクリン特有の強い刺激臭を発すること
なく、土壌に施した後において優れたくん蒸殺菌効果を
発揮し、しかも、取り扱い容易な粒状クロルピクリン製
剤が得られることを見い出した。すなわち、このように
して作られた造粒体は、内部に多量のクロルピクリンを
包含しているにもかかわらず粒状体表面を直接被覆する
皮膜によつて、乾燥状態においては、全く刺激臭や催涙
性を感ずることはなく、また、造粒体を湿った土壌と混
合するとき、造粒体を被覆する皮膜が吸水による膨潤を
起こして、少なくとも一部が容易に破壊されて、造粒体
中に包含されているクロルピクリンは、徐々に土壌中に
浸透放出され、好ましいくん蒸効果を発揮することを見
い出した。
上記のように、本発明は、クロルピクリンを多孔性粒
状体に含有させ、この粒状体の表面を吸水性皮膜をもつ
て被覆し、乾燥時においては、この皮膜によつて粒状体
内に含有されるクロルピクリンの外部への漏洩を防ぎ、
湿潤時において皮膜の膨潤破壊によつて土壌のくん蒸効
果を発揮させる土壌殺菌用クロルピクリン製剤である
が、このような効果を好適に発揮させるためには、多孔
体表面に形成せる皮膜として、乾燥時における適度の機
械的強度と湿潤時における膨潤破壊性を保有せることが
望ましいことになる。
すなわち、造粒体表面に形成された皮膜の強度が余り
にも強く、かつ厚いときは、クロルピクリンの漏洩をを
完全に防止するが、使用時において土壌中における吸湿
による皮膜破壊が十分に行なわれず、長時間にわたつて
殺菌効果が現れず、また、逆に皮膜の強度が弱く、吸湿
性が強いときは、不使用時における取り扱い中に皮膜の
剥離を生じ易く、周辺にクロルピクリンの漏洩による刺
激臭や催涙性ガスによる被害をもたらす恐れがある。
したがつて、造粒体表面に形成させる皮膜は、比較的
薄層であり、乾燥時には機械的に強靱であつて、しかも
水分に接したとき適度の膨潤を起こして、比較的短時間
に、少なくともその一部において破壊を生ずるようなも
のであることが望ましいことになる。
本発明者らは、上記したような望ましい性状の皮膜を
形成すべく、さらに研究を重ねた結果、ポリビニルアル
コールのような有機質吸湿性皮膜形成剤水溶液に、少量
の水溶性のジルコニウム化合物を添加しておくとき、ジ
ルコニウムを添加しない皮膜形成剤を塗布した場合に比
べて、粒状体面への皮膜形成を低温で行うことができ、
また、このようにして形成された皮膜は強度において強
靱であり、しかも湿気を帯びた土壌中で容易に膨潤を起
こしてクロルピクリンによる土壌殺菌効果を一層確実に
行なわせ得るということが判つた。また、このような比
較的低温による皮膜形成方法によるときは、造粒体製造
工程におけるクロルピクリンの蒸発による損失と作業環
境の悪化をも著しく低減させることができる。
本発明は、上記した一連の事実の発見に基づいてなさ
れたものである。
すなわち、本発明は、次のごときものである。
(1)クロルピクリンを含浸させた多孔性粒状体の表面
に吸水性有機質皮膜を直接形成してなる土壌殺菌用粒状
クロルピクリン製剤。
(2)多孔性粒状体にクロルピクリンを含浸させた後、
該粒状体の表面に水溶性ジルコニウム化合物を添加した
有機質吸水性皮膜形成剤水溶液を塗布し、しかる後、室
温ないしは100℃以下の温度において乾燥し粒状体表面
に吸水性皮膜を形成させる土壌殺菌用粒状クロルピクリ
ン製剤の製造法。
以下、本発明について、さらに具体的に説明する。
本発明における、クロルピクリンを含有担持させるた
めの多孔性粒状体としては、鹿沼土、赤玉土、パーライ
ト、軽石のような天然土石類またはこれらを焼成して得
られる多孔質焼結体、バイヤー法アルミナ製造に際して
副生する赤泥に製紙スラッジその他を添加して混合し成
形、焼成して得られる人造多孔質焼結体珪酸カルシウム
粉末、無機質繊維粉末などを成形して得られる人造多孔
質成形体など適度の固さと多孔性を有する粒状体などを
適宜に使用することができる。
また、アルミナ質、シリカ質、アルカリ金属塩、アル
カリ土類塩粉状物を適宜混合、成形、燒成して得られる
多孔成焼成体を使用しても差し支えない。これら粒状体
の形状、大きさには特に制限はないが、通常は粒径2〜
10mm程度で、球形に近いものが好ましい。
多孔性粒状体へのクロルピクリンの含浸は、クロルピ
クリン液中に粒状体を1時間〜数日間浸漬することによ
つて容易に行なうことができる。クロルピクリンは、ク
ロルピクリン単独であつても、また、これに適宜他の殺
虫剤および殺線虫剤を添加した複合剤としてもよく、さ
らに、適当な希釈剤を混合したものであつても差し支え
ない。
次ぎに、クロルピクリンを含浸した多孔性粒状体の表
面を有機質吸水性皮膜をもつて被覆するのであるが、こ
の皮膜形成剤としては、各種澱粉類、ポリビニルアルコ
ール、アクリルラテックス、ポリオキシエチレン、カル
ボキシメチルセルローズの水溶液など、またはこれらに
類似する性質の有機高分子化合物を使用することができ
る。
クロルピクリン液を含浸させた粒状体に有機皮膜形成
剤液を塗布するには、容器内に収容された有機質皮膜形
成剤液中にクロルピクリン含有粒状体を浸漬することに
よつて行なうことができる。このようにして表面に皮膜
形成剤液を塗布された粒状体から余剰の皮膜形成剤液を
分離した後、表面に付着している皮膜形成剤を乾燥する
ことによつて粒状体表面に吸水性皮膜を形成させること
ができる。この場合の皮膜の乾燥は室温ないしは100℃
以下、望ましくは60℃以下の温度で行なうことが好まし
い。温度が高過ぎるとクロルピクリンの激しい催涙性刺
激臭によつて作業環境が著しく損なわれることがある。
クロルピクリン液を含有させた多孔性粒状体の表面に
塗布した皮膜形成剤の乾燥に際して、皮膜形成剤中に少
量の水溶性ジルコニウム化合物を添加しておくことによ
つて、より低い温度においてより好ましい性質を有する
皮膜を形成させることができる。
このような水溶性ジルコニウム化合物としては、例え
ば、炭酸アンモニウムジルコニウム、オキシ塩化ジルコ
ニウム、酢酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、その他
これらに類似するジルコニウム化合物から適宜選択使用
することができる。これらジルコニウム化合物は、皮膜
形成剤中にあらかじめ混合しておいてもよく、皮膜形成
液を塗布した多孔体をさらにジルコニウム化合物水溶液
に浸漬して行なつても差し支えない。
ジルコニウム化合物の添加によつて、皮膜形成液の粘
性は低下し、皮膜形成剤の多孔性粒状体面への塗布性が
著しく改善される。また、多孔性体表面に塗布された皮
膜形成液は、ジルコニウム化合物添加しない塗布液に比
べて、はるかに低温度において乾燥され、多孔体面に迅
速に強固な皮膜薄層を形成させることができ、被膜工程
でのクロルピクリンの揮発損失を少なくすることができ
る。
皮膜に対するジルコニウム化合物の添加量は、ZrO2
換算して皮膜に対して0.5%程度の少量でも、その添加
効果が認められ、また、数10%程度添加しても皮膜形成
に特に悪影響は認められなかつた。ジルコニウム化合物
の添加によるこのような効果についての理論的解明は、
未だ、なされておらないが、恐らくジルコニウムが有機
質皮膜形成剤が保有する水酸基、カルボキシル基のよう
に官能基に結合して架橋を形成することによつて生ずる
ものと思われる。
なお、本発明におけるクロルピクリンを含有させた多
孔体への吸水性皮膜の被覆は、必要に応じて数回繰り返
して施しても差し支えない。
[作用および効果] 上記のようにして造られた本発明のクロルピクリン製
剤は、多孔性粒状体にクロルピクリン液を含浸させた
後、粒状体表面を有機質吸水性皮膜をもつて被覆したも
のであるので、皮膜の乾燥時においては粒内に含有され
るクロルピクリン液の外部への発散を防止し、ほとんど
刺激臭を感ぜず、これを土壌と混合するとき、粒状体の
被覆する皮膜が土壌中の水分を吸収して膨潤し、その一
部が破壊され、粒内のクロルピクリンが徐々に土壌中に
発散されて殺菌くん蒸効果を発揮する。また、土壌くん
蒸作業には、従来のクロルピクリン液剤においては土壌
注入機によつて、30cm程度の間隔に薬剤を土中に注入し
ていたが、本発明の粒状剤は、クロルピクリンを含浸さ
せた粒状の多孔体の表面に直接吸水性皮膜を密着形成し
被覆したものあるので、施用が容易であり、その所定量
を圃場全面に一様に散布した後、十分に土壌と混和して
放置することによつて行なうことができ、従来法に比べ
て、より均一なガス化を可能とし、有効ガスの損失が少
なく、より少量で優れたくん蒸効果を発揮させ得ること
ができるなどの優れた効果を有するものである。
[実施例] 次ぎに、本発明の実施例を示す。
実施例1. 粒径3〜4mmの珪酸カルシウム質多孔性成形体(徳山
曹達株式会社製、商品名「フローライトRM−20」)をク
ロルピクリン(純度99%)で満たした貯蔵容器に入れて
24時間浸漬した。その後、ろ過により余剰のクロルピク
リンをろ別し、クロルピクリン含浸体(クロルピクリン
含量80%)を得た。この含浸体をポリピニルアルコール
(株式会社クラレ製、商品名「PVA204」、重合度400)
の20%水溶液中に浸漬して約1分間ゆるやかに撹拌した
後、余剰のポリビニルアルコール水溶液をろ別した後、
少量の珪酸カルシウム粉末にまぶして製剤同志が固着す
ることを防いだ状態で、空気中で約60℃の温度で30分間
乾燥して土壌殺菌用粒状クロルピクリン製剤A(クロル
ピクリン含量60%)を得た。
上記のようにして得られた製剤Aについてキュウリ苗
立枯れ病(Rhizoctonia solani)防除効果試験を行なつ
た。
巾17cm、長さ60cm、深さ15cmのプラスチツクポツト
に、キュウリ苗立枯病菌汚染土を入れ、これに上記のよ
うにして得たクロルピクリン製剤Aを所定量散布し十分
土壌と混和した。
比較に用いたクロルピクリン液剤(比較例1)は、1
ポットにつき30cmの間隔で2個所に深さ7.5cmのところ
にピペットにて所定量を注入処理した。各々1処理につ
いて3ポット反復試験を行なつた。処理後、直ちにポリ
エチレンフィルムでポットの上部を覆い7日間放置し
た。処理7日後にポリエチレンフィルムを除去し、土壌
を撹拌し、さらに7日間放置して活性ガスを放出した
後、キュウリ種子(品種:相模半白)を1ポット当たり
20粒の割合では種し、室温にて管理を行なつた。は種14
日後に発病調査を行ない、その結果を第1表に示す。
なお防除価は下記の式にて求めた。
実施例2. 実施例1において使用したと同様の多孔性担体を使用
し、これに実施例1におけると同様にして、クロルピク
リンを含浸させた。次いでこのクロルピクリンを含浸さ
せた担体を、実施例1と同様にしてポリビニルアルコー
ル水溶液中に浸漬した後、この含浸体をさらに、炭酸ア
ンモニウムジルコニウム水溶液(マグネシウム・エレク
トロン社製、商品名「BACOTE 20」、ZrO2換算濃度20
%)に30秒間浸漬した後、余剰の水溶液をろ別し、その
後、空気中で40℃で10分間乾燥させて土壌殺菌用粒状ク
ロルピクリン製剤B(クロルピクリン含量70%)を得
た。
炭酸アンモニウムジルコニウム処理した本実施例のポ
リビニルアルコール溶液は、実施例1のジコニウム塩処
理をしないポリビニルアルコール水溶液に比べて、担体
表面への塗布性がよく、乾燥も容易であつた。
上記のようにして得られた粒状製剤Bについて、実施
例1と同様の方法でキュウリ苗立枯れ病防除効果試験を
行なつた結果を第1表に併記する。
実施例3. ボーキサイトからアルミナを抽出した残渣である赤泥
に抗火石の粉末および製紙スラツジを混合し成形・焼成
して得た多孔質正焼結体(粒径3〜4mmの球状粒)をク
ロルピクリン担体として使用した。
上記担体粒をクロルピクリン(純度99%)を収容した
容器に入れ、約24時間浸漬処理した後、ろ過して余剰の
クロルピクリンをろ別し、クロルピクリン含浸体(クロ
ルピクリン含量80%)を得た。この含浸体を酵素変性澱
粉(三和澱粉工業株式会社製、商品名「ハイコースター
PC−11」)30%水溶液に浸漬して約1分間ゆるやかに撹
拌した後、余剰の澱粉水溶液をろ別し、酵素変性澱粉で
被覆したクロルピクリン含浸体を得た。この含浸体を実
施例2と同様の炭酸アンモニウムジルコニウム水溶液に
30秒間浸漬した後、余剰の水溶液をろ別し、実施例1に
おけると同様にして含浸体同志の固着・凝集をを防止
し、空気中で40℃で10分間乾燥した。このようにして得
た乾燥含浸体について、上記と同様の手段により、酵素
変性澱粉水溶液への浸漬以降乾燥までの操作を再び行な
つて土壌殺菌用粒状クロルピクリン製剤Cを得た。
上記のようにして得た製剤について、大根萎黄病(Fu
sarium oxysporum f.sp raphani)防除効果試験を行な
つた。
あらかじめ、圃場に大根萎黄病のフスマ培養菌を混和
接種、汚染圃場を作り試験に用いた。上記のようにして
製剤した粒剤の所定量を散布し、ロータリーカルチベー
タにて混和を行なつた。比較に用いたクロルピクリン液
剤(比較例2)は30cmの間隔で深さ15cmのところに注入
処理した。各々1処理について1m×2mの3反復で試験を
行なつた。処理後直ちにポリエチレンフィルムにて被覆
し、7日間放置した。7日後に被覆を除去し、ロータリ
ーカルチベータで土壌を撹拌し、さらに7日間放置して
活性ガスを放出させた後、大根種子(品種:耐病総太)
を1区画20点(1点3粒)は種した。は種14日後に間引
きを行ない、45日後までの発病を調査した。
実施例1におけると同様にして防除価を求めた結果を
第2表に示す。
実施例4. 担体として実施例3におけると同様の赤泥焼結体を使
用し、これにクロルピクリン液剤を含浸した後、皮膜形
成剤として実施例1におけると同様のポリビニルアルコ
ールの20%水溶液を使用して、実施例3におけると同様
の方法でポリビニルアルコール皮膜で被覆された粒状ク
ロルピクリン製剤D(クロルピクリン含量65%)を得
た。
上記製剤を使用してトマト萎凋病(Fusarium oxyspor
um f.sp lycopersici)防除効果試験を行なつた。
実施例3におけると同様の方法で、圃場にトマト萎凋
病のフスマ培養菌を混和接種し汚染圃場を作り試験に用
いた。製剤としては、上記方法で得られた粒剤の使用の
他に、比較のためクロルピクリン液剤(比較例3)を使
用して同時に試験を行なつた。処理およびガス抜きは、
実施例3におけると同様にして行なつた。試験は各々1
処理について1m×3mの3反復で行なつた。トマトは5葉
期の苗(品種:ポンテローザ)を用い、1区画当たり20
本を移植した。調査は移植60日後まで行ない、実施例1
におけると同様にして防除価を求め、その結果を第3表
に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 俊之助 埼玉県所沢市下安松852 アグロ・カネ シヨウ所沢工場内 (72)発明者 太幡 展司 埼玉県所沢市下安松852 アグロ・カネ シヨウ所沢工場内 (56)参考文献 特開 昭50−89306(JP,A) 特開 昭52−47921(JP,A) 特開 昭55−104201(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロルピクリンを含浸させた多孔性粒状体
    の表面に、水溶性ジルコニウム化合物を配合した吸水性
    有機質皮膜を形成してなることを特徴とする土壌殺菌用
    粒状クロルピクリン製剤。
  2. 【請求項2】多孔性粒状体にクロルピクリンを含浸さ
    せ、水溶性ジルコニウム化合物を配合した吸水性有機質
    皮膜形成剤の水溶液を、得られた含浸多孔性粒状体に塗
    布し、室温〜100℃で乾燥することを特徴とする土壌殺
    菌用粒状クロルピクリン製剤の製造方法。
  3. 【請求項3】多孔性粒状体にクロルピクリンを含浸さ
    せ、得られた含浸多孔性粒状体に、吸水性有機質皮膜形
    成剤の水溶液、次いで、水溶性ジルコニウム化合物の水
    溶液を順次塗布した後、室温〜100℃で乾燥することを
    特徴とする土壌殺菌用粒状クロルピクリン製剤の製造方
    法。
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