JPH1134088A - ゴムロールの製造方法 - Google Patents

ゴムロールの製造方法

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JPH1134088A
JPH1134088A JP18950997A JP18950997A JPH1134088A JP H1134088 A JPH1134088 A JP H1134088A JP 18950997 A JP18950997 A JP 18950997A JP 18950997 A JP18950997 A JP 18950997A JP H1134088 A JPH1134088 A JP H1134088A
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Japan
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rubber
roll
sheet
rubber roll
mold
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JP18950997A
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Satoru Midorikawa
悟 緑川
Souichirou Ueda
奏一郎 上田
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JFE Steel Corp
Mutsubushi Rubber Co Ltd
Original Assignee
Mutsubushi Rubber Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用中のゴムロールの剥離を防止し、ゴムロ
ールの寿命の延長が可能な金属帯搬送用ゴムロールまた
は金属帯液絞り用ゴムロールの製造方法の提供。 【解決手段】 金属帯搬送用ゴムロールまたは金属帯液
絞り用ゴムロールの製造方法において、上側金型および
下側金型の両者から構成される分割型の金型を使用し、
好ましくは 100℃の測定条件下でのムーニー粘度が80〜
120 であるシート状未加硫ゴムを、前記下側金型内のロ
ール胴部に対応する金型面に敷き、該シート状未加硫ゴ
ムの上にロール芯金を載置し、該ロール芯金の胴部上側
にシート状未加硫ゴムをかぶせ、さらに該シート状未加
硫ゴムの上に前記上側金型を載置した後、加圧・加硫す
るゴムロールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯など金属帯
(ストリップ)を搬送するゴムロールあるいは金属帯を
液絞り(液切り)するゴムロールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、鋼帯の酸洗ライン、アルカリ
洗浄ライン、焼鈍ライン、めっきライン、洗浄ラインな
どのプロセスラインでは多数のゴムロールが使用されて
いる。例えば、熱間圧延後の鋼帯表面には酸化スケール
が生成しており、この酸化スケールを除去するために、
塩酸水溶液、硫酸水溶液などの酸洗液により酸洗が行わ
れている。
【0003】酸洗ラインの一例を図3に示す連続式酸洗
ラインに基づいて説明する。図3において、10、10a は
熱延鋼帯、11はペイオフリール、12はレベラ、13はクロ
ップシャー、14はウエルダ、15は入側ルーパ、16は酸洗
槽、17は水洗槽、18はドライヤ、19は出側ルーパ、20は
サイドトリマー、21はオイラー、22はデバイディングシ
ャー、23はテンションリール、24はリンガロール群、24
a 〜24c はゴムロール(:リンガロール)、25a 〜25c
はスプレーヘッダを示す。
【0004】図3において、コイル状に巻かれている熱
延鋼帯10a は、ペイオフリール11により巻き戻され、レ
ベラ12により矯正される。次いで、熱延鋼帯10a は、ク
ロップシャー13により前後の先端を切断され、ウエルダ
14により先行コイルの後端と後行コイルの先端とが溶接
されて、連続した熱延鋼帯10となる。
【0005】この熱延鋼帯10は、入側ルーパ15を通過し
て酸洗槽16に到る。酸洗槽16に到達した熱延鋼帯10は、
酸洗液内に順次浸漬されながら通過し、表面に形成され
ている酸化スケールが溶解除去される。酸洗槽16を通過
した熱延鋼帯10は、水洗槽17に到達する。この水洗槽17
には、ロールの対からなり、熱延鋼帯10の表面に付着し
た酸や水などを除去する(以下液絞りと記す)ゴムロー
ル(以下リンガロールと記す)24a 〜24c からなるリン
ガロール群24が配設されている。
【0006】さらに、水洗槽17には、前記リンガロール
24a 〜24c によって移送される熱延鋼帯10の表面側およ
び裏面側に、各々対向してリンス液を噴射するスプレー
ヘッダ25a 〜25c が設けられている。この水洗槽17に到
達した熱延鋼帯10は、スプレーヘッダ25a 〜25c から噴
出されるリンス液により、表面に付着した酸洗液などが
除去されると共に、リンガロール24a 〜24c に挟まれて
酸洗液やリンス液などの付着物が絞られ(水切りさ
れ)、除去される。
【0007】次に、水洗槽17を通過した熱延鋼帯10は、
ドライヤ18、出側ルーパ19を経て、サイドトリマー20に
より所望の幅に切断され、さらにオイラー21を経て、デ
バイディングシャー22により所望の長さに裁断された
後、テンションリール23に巻き取られる。次に、アルカ
リ洗浄ラインの一例を図4に示す連続式アルカリ洗浄ラ
インに基づいて説明する。
【0008】図4において、30は冷延鋼帯、31はペイオ
フリール、32は鋼帯接続のための溶接機、33はアルカリ
洗浄槽、34はスクラバ槽、35は水洗槽、36はドライヤ、
37はシャー、38はテンションリール、39a 〜39d はゴム
ロール(:リンガロール)、40a 、40b はゴムロー
ル(:デフレクタロール)を示す。冷間圧延後の鋼帯の
表面には、圧延油や圧延磨耗粉などが付着しているの
で、そのままの状態で焼鈍処理を行うと品質不良を生じ
る。
【0009】そのため、電解洗浄ラインまたは連続焼鈍
ラインの入側セクションに設置されているクリーニング
セクションで洗浄を行うことにより、前記圧延油などを
除去している。このようなクリーニングセクションとし
ては通常、図4に示すような設備があり、図中ペイオフ
リール31から払い出された冷延鋼帯30は、鋼帯接続のた
めの溶接機32を経てアルカリ洗浄槽33に移送され、ここ
で電解洗浄されて表面の圧延油などの汚れが除去され
る。
【0010】次に、冷延鋼帯30は、ブラシロールを具え
たスクラバ槽34にてブラッシングされて、残留している
汚れやアルカリ液が除去された後に、水洗槽35において
水洗され、次いでドライヤ36で乾燥後、シャー37で所定
の大きさにカットされて、テンションリール38により巻
取られコイルとなる。この図4に示す設備における39a
〜39d がリンガロール、40a 、40b がデフレクタロール
であって、前記各槽33〜35の出側にそれぞれ設置され、
冷延鋼帯30の表面に付着したアルカリ液、水などの液分
を絞り取り、その後段に液が持ち出されないようなロー
ルの配置になっている。
【0011】特に、最後尾に設置されたダブルリンガロ
ール39d は、上下一対をなすロールからなるリンガロー
ルが複数対設置され、液分の除去機能(液絞り性)を一
段と強化させている。以上述べた工程において用いられ
るリンガロール24a 〜24c 、39a 〜39d は、従来、例え
ば図5に示す方法で製作されている。
【0012】図5において、(a) はライニング工程、
(b) は缶加硫工程、(c) は研磨仕上げ後のゴムロールを
示す。すなわち、ロール芯金(以下芯金とも記す)3の
表面にシート状のゴム50を最終仕上がりで約20〜25mmの
厚みになるようにゴムライニング51およびラッピング52
を施した後、加硫釜53中で缶加硫後、研磨を行うことに
より製造されている。
【0013】しかし、このような製造方法で製造された
ゴムロールは、シート状のゴム50を芯金3に巻着する際
に、芯金3とシート状のゴム50との間に空気を巻き込み
易く、かつ巻き込んだ空気が抜け難いという問題があっ
た。芯金3とシート状のゴム50との間に空気が巻き込ま
れると、芯金3とシート状のゴム50との密着不良が生
じ、ゴムロールの使用中にゴム50が剥離するという問題
があった。
【0014】また、シート状のゴム50の層間においても
同様に空気が巻き込まれ易く、この結果、ゴムロールの
使用中にシート状のゴム50が剥離するという問題があっ
た。このため、図6に示す方法により、芯金3とゴムの
間や、ゴム同士の間に空気が巻き込まれることを防止し
たゴムロールの製造方法が開示されている。図6におい
て、60は紐状のゴム、61はロール芯金3の軸受、62はロ
ール回転動力伝達部、63はゴム押し付けロール、64は支
持ロール、65は紐状のゴムの送り方向を示す。
【0015】すなわち、図6の方法は、ロール芯金3の
表面に紐状のゴム60を巻着(ライニング)し、その後ラ
ッピング、加硫することにより、芯金3と紐状のゴム60
の間や紐状のゴム60同士の間に空気が巻き込まれること
を極力防止する方法である。この方法は、従来法と比較
し、空気巻き込み防止効果が得られるものの、やはりゴ
ム同士の間の接触面積が大きいため、ゴムロールの使用
時にゴム同士の接着面において剥離が発生する問題があ
った。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解決し、使用中のゴムロールの剥離を防止
し、ゴムロールの寿命の延長が可能な金属帯搬送用ゴム
ロールまたは金属帯液絞り用ゴムロールの製造方法の提
供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属帯搬送用
ゴムロールまたは金属帯液絞り用ゴムロールの製造方法
において、上側金型および下側金型の両者から構成され
る分割型の金型を使用し、シート状未加硫ゴムを、前記
下側金型内のロール胴部に対応する金型面に敷き、該シ
ート状未加硫ゴムの上にロール芯金を載置し、該ロール
芯金の胴部上側にシート状未加硫ゴムをかぶせ、さらに
該シート状未加硫ゴムの上に前記上側金型を載置した
後、加圧・加硫することを特徴とするゴムロールの製造
方法である。
【0018】前記本発明においては、ゴム素材である前
記したシート状未加硫ゴムの 100℃の測定条件下でのム
ーニー粘度が、80〜120 であることが好ましい。また、
前記本発明においては、前記加圧・加硫工程において、
加圧後、圧力を低下した後、前記上側金型および下側金
型を離し、両金型の間隙から流出したゴムを除去した
後、再度加圧、加熱することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明においては、上側金型および下側金型の両
者から構成される分割型の金型を使用し、シート状に成
形された未加硫ゴムを、前記下側金型内のロール胴部に
対応する金型面に敷き、該シート状未加硫ゴムの上にロ
ール芯金を載置し、該ロール芯金の胴部上側にシート状
に成形された未加硫ゴムをかぶせ、さらに該シート状未
加硫ゴムの上に前記上側金型を載置した後、加圧・加硫
する。
【0020】図2に本発明に係わるゴムロールの製造方
法の工程図の一例を示す。なお、図2(e) は、図2(b)
のA−A部の断面図である。図2(a) 〜(e) において、
1aは下側金型、1bは上側金型、2a、2bはシート状に成形
された未加硫ゴム、3はロール芯金、3aはロール回転
軸、4はヒータ、5はゴムロール、Pは加硫時のプレス
の圧力を示す。
【0021】下側金型1a、上側金型1bは、いずれも、金
型内面が、円筒を軸方向に切断した部分円筒状の内面と
なっており、下側金型1a、上側金型1bを組み合わせた状
態で、金型内面が円筒を形成する構成となっている。な
お、半割り型である金型の分割方式は、金型断面におい
て内面が円を1/2づつに分割した半円形となるように
分割する方式に限定されることはなく、下側金型1a、上
側金型1bを組み合わせた状態で、金型断面において内面
が円を形成する構成となっていればよい。
【0022】図2に示されるように、本発明において
は、シート状に成型した未加硫ゴム2aを下側金型1aに敷
き〔図2(a) →(b) 〕、その上にロール芯金3を置き、
その胴部上側の表面にシート状に成形した未加硫ゴム2b
をかぶせ〔図2(c) 〕、さらにその上に上側金型1bをか
ぶせた後、加圧・加硫する。なお、上記した図2に示す
方式の場合、シート状に成型した未加硫ゴムを2枚使用
したが、加圧・加硫後、芯金3の胴部全表面に均一な厚
みでゴムがライニングされていればよく、その分割枚数
は制限されるものではない。
【0023】また、例えば、ロール芯金3の胴部全円周
を覆うことが可能な1枚のシート状未加硫ゴムを、下側
金型1a内のロール胴部に対応する金型面に敷き、該シー
ト状未加硫ゴムの上にロール芯金を載置し、その後、下
側金型1aの外部の残余のシート状未加硫ゴムをロール芯
金3の胴部上側にかぶせ、さらにその上に上側金型を載
置した後、加圧・加硫することも可能である。
【0024】本発明においては、一旦加圧した後、圧力
を減じ、上下金型の合わせ目から流出したゴムを除去後
に加圧・加硫することが好ましい。これは、加熱条件下
での加硫時に、エアー残留部(ゴム欠陥部)がこの合わ
せ目から流出し易くなるようにし、その結果、ゴム欠陥
部を容易に除去できるようにするためである。
【0025】また、最初の加圧時の上下金型の合わせ目
からのゴムの流出形態に合わせて、加圧・加硫条件を適
宜調整することが好ましい。プレス構造で加圧、加熱条
件下で加硫する装置としては、ウオッチケースヒータ、
ベルトプレス、多段プレスなどが例示されるが、プレス
構造で加圧、加熱条件下で加硫可能な装置であれば特に
制限はされない。
【0026】また、本発明に使用するゴム素材として
は、シート状に成形された未加硫ゴムの状態で、100 ℃
の測定条件下でのムーニー粘度が、80〜120 であるゴム
が好ましい。上記ムーニー粘度が80未満の場合は、金型
によるプレス時に、ゴム全体に圧力が十分に負荷される
前に、金型の合わせ目近傍のゴムが金型から流出してし
まい、エアー残留部が金型に残ってしまい、該エアー残
留部が、ゴムライニング層内にゴム欠陥部として残留し
てしまうからである。
【0027】また、逆に 120を超える場合は、金型によ
るプレス時に、ゴム全体に圧力が十分に負荷されるもの
の、ゴムの変形抵抗が大き過ぎ、金型の合わせ目からゴ
ムが適度に流出せず、結果的にエアー残留部が金型内に
残ってしまい、該エアー残留部が、ゴムライニング層内
にゴム欠陥部として残留してしまうからである。したが
って、金型プレスによってゴム全体に圧力が負荷され、
その圧力によってゴムが変形、流動し、エアー残留部な
どの欠陥部が金型合わせ目から適切に流出するための適
正なムーニー粘度80〜120 を有するゴム素材を使用する
ことが好ましい。
【0028】さらに、本発明に係わる金属帯搬送用ゴム
ロールまたは金属帯液絞り用ゴムロールのゴムの材質と
しては、スチレン−ブタジエンゴム、水素添加アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、ネオプレンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレンなどが例示されるが、それぞれの
使用環境により使い分けするのが好ましい。加硫方式と
しては、例えば、硫黄、TMTD(テトラメチルチウラムジ
スルフィド)、TETD(テトラエチルチウラムジスルフィ
ド)、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド
などの加硫剤、さらに必要に応じて加硫促進剤を添加し
たシート状に成形した素材ゴムを、前記した金型内で加
熱、加圧条件下で加硫する方法、またはガス加硫法を用
いることができ、加硫方式は制限されるものではない。
【0029】なお、素材ゴムには、必要に応じて、充填
剤・補強剤、可塑剤・軟化剤、酸化防止剤などの副資材
を添加することができる。本発明によれば、前記したプ
レス加硫方式により、ゴム自体が緻密化して強度が向上
し、耐摩耗性も向上するので、ロール寿命の延長が可能
となる。さらには、従来のラッピングの工程が不要なた
め、製造工程が極めて簡易となり、また、従来の缶加硫
より加硫時の圧力を大幅に増加できるので、加硫時間が
大幅に短縮し、生産性および経済性に優れた方法で安価
にゴムロールを製造することが可能となった。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例1)図2に示される本発明の製造方法および図
5に示される従来のラッピング方式の両者によりゴムロ
ールを製造した。
【0031】ゴムの材質としては、いずれも、加硫剤と
してベンゾイルペルオキシドを添加したアクリロニトリ
ル−ブタジエンゴムを用いた。なお、本発明の製造方法
によるゴムロール製造時のゴム素材の 100℃の測定条件
下でのムーニー粘度は 100であった。次に、性能試験と
して、得られたゴムロールについて下記試験方法によ
り、強度試験、摩耗試験および耐剥離試験を行った。
【0032】〔強度試験〕硬さ、引張り強さ、伸び:い
ずれもJIS K6301 に基づき測定した。 〔摩耗試験〕アクロン型の摩耗試験装置を用い、45kgf
の荷重を負荷した条件下でゴムロールを回転し、1000回
転後の摩耗減量を測定した。
【0033】〔耐剥離試験〕高速加圧試験装置を用い、
線圧を負荷した条件下でゴムロールを回転し、設定した
回転数( 100〜1500rpm )において剥離が生じる限界線
圧を測定した。強度試験、摩耗試験の試験結果を表1に
示す。表1に示されるように、本発明の製造方法で製造
したゴムロールは、従来のラッピング方式で製造したゴ
ムロールに対して、同一硬度で 1.5倍の引張り強さを有
し、伸びも向上することが分かる。
【0034】また、本発明の製造方法で製造したゴムロ
ールの摩耗量は、従来のラッピング方式で製造したゴム
ロールの摩耗量の1/5であり、本発明の製造方法によ
れば、耐摩耗性が大幅に向上することが分かる。次に、
耐剥離試験結果を図1に示す。図1に示されるように、
従来のラッピング方式で製造したゴムロールは、ゴムロ
ールの回転数が500rpmの条件下において線圧が60kgf/cm
以上となると剥離に至るが、本発明の製造方法で製造し
たゴムロールは、線圧が90kgf/cm以上とならないと剥離
に至らない。
【0035】この差は、高速回転になる程大きくなる傾
向にあり、本発明の製造方法で製造したゴムロールは、
回転数が1200rpm の条件下において、従来のラッピング
方式により製造したゴムロールの 2.0倍の線圧に至るま
で剥離に耐え得ることが分かった。以上の結果から、本
発明の製造方法で製造したゴムロールは、耐摩耗性およ
び耐剥離性の両者に優れていることが分かった。
【0036】
【表1】
【0037】(実施例2)図4に示す、最大ライン速度
1000m/min の冷延鋼帯電解洗浄ラインのアルカリ洗浄槽
出側に設けたリンガロールおよびデフレクタロールの両
者に、図2に示される本発明の製造方法で製造したゴム
ロール、または図5に示される従来のラッピング方式に
より製造したゴムロールを使用した。
【0038】試験対象としたリンガロールおよびデフレ
クタロールは、本発明方式によるゴムロール、従来のラ
ッピング方式によるゴムロールいずれの場合も、ロール
寸法は外径: 400mmφ、胴長:1320mm、ライニング厚
み:25mmである。ゴムの材質としては、いずれも、加硫
剤としてベンゾイルペルオキシドを添加した水素添加ア
クリロニトリル−ブタジエンゴムで、硬さ(JIS A )は
80とした。
【0039】なお、本発明の製造方法によるゴムロール
製造時のゴム素材の 100℃の測定条件下でのムーニー粘
度は 110であった。また、本発明の製造方法によるゴム
ロールの製造時は、加圧・加硫工程において、一旦、加
圧後、圧力を低下した後、上側金型1bおよび下側金型1a
を離し、両金型の間隙から流出したゴムを除去した後、
再度加圧、加熱した。
【0040】この結果、従来のラッピング方式により製
造したゴムロールの場合、2回/年の頻度で剥離トラブ
ルが発生し、しかも摩耗による寿命が 1.5ヶ月であった
が、本発明の製造方法で製造したゴムロールの場合、剥
離トラブルが無くなり、摩耗による寿命は 3.5ヶ月とな
り、約2倍以上の大幅な寿命延長が可能となった。以
上、上記実施例において、冷延鋼帯の電解洗浄ラインの
リンガロール、デフレクタロールとして本発明の製造方
法で製造したゴムロールを使用した結果を述べたが、本
発明は、さらに、熱延鋼帯の酸洗ライン、鋼帯の連続焼
鈍ラインのクリーニングセクション、ニッケルめっきラ
イン、錫めっきラインのクリーニングセクションなどに
設置されるリンガロール、リンガデフロール、デフレク
タロールにも適用可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の製造方法
によれば、ゴムロールのゴム自体が緻密化し、強度が向
上し、耐摩耗性が向上した。さらに、本発明の製造方法
によれば、ゴムロールのゴムの剥離トラブルの防止が可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐剥離試験における、ゴムロールの回転数と限
界線圧との関係を示すグラフである。
【図2】本発明に係わるゴムロールの製造方法の一例を
示す工程図である。
【図3】鋼帯連続式酸洗工程を示す概略説明図である。
【図4】鋼帯アルカリ洗浄工程を示す概略説明図であ
る。
【図5】従来のゴムロールの製造方法を示す工程図であ
る。
【図6】従来のゴムロールの製造方法を示す工程図であ
る。
【符号の説明】
1a 下側金型 1b 上側金型 2a シート状に成形された未加硫ゴム(金型内下側用) 2b シート状に成形された未加硫ゴム(金型内上側用) 3 ロール芯金 3a ロール回転軸 4 ヒータ 5 ゴムロール 10、10a 熱延鋼帯 11 ペイオフリール 12 レベラ 13 クロップシャー 14 ウエルダ 15 入側ルーパ 16 酸洗槽 17 水洗槽 18、36 ドライヤ 19 出側ルーパ 20 サイドトリマー 21 オイラー 22 デバイディングシャー 23 テンションリール 24 リンガロール群 24a 〜24c 、39a 〜39d ゴムロール(:リンガロー
ル) 25a 〜25c スプレーヘッダ 30 冷延鋼帯 31 ペイオフリール 32 溶接機 33 アルカリ洗浄槽 34 スクラバ槽 35 水洗槽 37 シャー 38 テンションリール 40a 、40b ゴムロール(:デフレクタロール) 50 シート状のゴム 51 ゴムライニング 52 ラッピング 53 加硫釜 60 紐状のゴム 61 ロール芯金の軸受 62 ロール回転動力伝達部 63 ゴム押し付けロール 64 支持ロール 65 紐状のゴムの送り方向 P 加硫時のプレスの圧力
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:24 B29L 31:32

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯搬送用ゴムロールまたは金属帯液
    絞り用ゴムロールの製造方法において、上側金型および
    下側金型の両者から構成される分割型の金型を使用し、
    シート状未加硫ゴムを、前記下側金型内のロール胴部に
    対応する金型面に敷き、該シート状未加硫ゴムの上にロ
    ール芯金を載置し、該ロール芯金の胴部上側にシート状
    未加硫ゴムをかぶせ、さらに該シート状未加硫ゴムの上
    に前記上側金型を載置した後、加圧・加硫することを特
    徴とするゴムロールの製造方法。
  2. 【請求項2】 ゴム素材である前記したシート状未加硫
    ゴムの 100℃の測定条件下でのムーニー粘度が、80〜12
    0 であることを特徴とする請求項1記載のゴムロールの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記加圧・加硫工程において、加圧後、
    圧力を低下した後、前記上側金型および下側金型を離
    し、両金型の間隙から流出したゴムを除去した後、再度
    加圧、加熱することを特徴とする請求項1または2記載
    のゴムロールの製造方法。
JP18950997A 1997-07-15 1997-07-15 ゴムロールの製造方法 Pending JPH1134088A (ja)

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JP (1) JPH1134088A (ja)

Cited By (3)

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