JP2000256885A - 金属帯の脱脂装置 - Google Patents
金属帯の脱脂装置Info
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Abstract
効率的な脱脂を可能にする。 【解決手段】 脱脂装置2では、ブラシロール8とバッ
クアップロール9とで金属帯1を挟持しながら、脱脂液
をスプレーし、残留油分を除去するとともに、ブラシの
先端で鉄分や異物なども除去することができる。脱脂槽
4で脱脂液がスプレーされた金属帯1は、粗リンス槽5
および仕上げリンス槽6で、リンガロール10で挟持さ
れながら水または湯をスプレーされ、連続的に脱脂およ
び洗浄が行われる。金属帯1の通板を停止するときに
は、ブラシロール8とバックアップロール9の間隔を大
きくし、リンガロール10の押付力を低下させる。
Description
表面処理の対象となる金属帯を製造する際に、先行する
工程で付与された表面粗度プロフィールを保って、金属
帯表面に付着する油分や異物を除去するための金属帯の
脱脂装置に関する。
圧延などの工程で油が用いられるので、製品としての金
属帯の出荷までに、脱脂工程が設けられている。たとえ
ば特開昭62−20888には、帯状金属箔を水または
湯の中をくぐらせることによって洗浄し、表面に付着し
ている水を除去して乾燥させる先行技術が開示されてい
る。
上げやダル仕上げなど種々の表面性状が得られる加工が
行われている。特にエッチング加工を行う用途では、機
械加工では困難な高精度の加工が行われ、金属帯の表面
性状としてほぼ一定の品質が要求され、かつ脱脂は完全
に行われていることが必要となる。
ための素材として用いられる金属帯では、エッチング工
程を円滑に遂行するため、適切な表面粗度プロフィール
が要求される。金属帯の素材の製造者は、要求される表
面粗度プロフィールが得られるように圧延工程などを調
整する。圧延後は、脱脂洗浄工程を経て、精整工程で形
状や板幅および重量の調整が行われ、出荷される。しか
しながら、前工程等で付着する油分は、金属帯の表面に
強固に付着するので、簡単な脱脂や洗浄では充分に除去
することが困難であり、エッチングの素材として不適切
な状態で出荷しなければならなくなるおそれがある。
は、脱脂や洗浄工程の後で、金属帯の幅や長さを調整す
る精整工程で製品分割が行われる。生産効率を上げるた
めには、脱脂や洗浄の工程と精整工程とを連続して行う
ことが考えられる。しかしながら、精整工程では、製品
分割の際などに金属帯の通板を停止しなければならず、
脱脂工程では金属帯の通板が停止している間に金属帯の
搬送に用いるロールなどの押圧力で金属帯の表面の粗度
が変化してしまうおそれがある。また、金属帯を搬送す
るロールの押付力が強いと、圧下マークなどの表面疵が
発生するおそれもある。このため、金属帯の脱脂や洗浄
の工程と、板幅や長さを整える精整の工程とは、別個に
行うようにしており、生産効率を向上させることが困難
である。特に、洗浄や仕上げと精整とが別工程であるの
で、脱脂や洗浄が終了した状態で一旦金属帯を巻取り、
さらに精整工程のために金属帯を巻いた状態から再び引
き出して、最終的な製品分割を行う必要がある。このよ
うな繁雑な取扱いを必要とするので、その取扱いの過程
で金属帯の表面に疵がつくおそれもある。
成される適正な表面粗度プロフィールを損なうことな
く、効率的に金属帯を脱脂することができる金属帯の脱
脂装置を提供することである。
的に水平方向に、連続的に通板しながら、表面粗度プロ
フィールを損なうことなく脱脂する装置であって、金属
帯の通板経路に沿って配置され、上下で金属帯を挟持す
るブラシロールおよびバックアップロールの複数組と、
ブラシロールおよびバックアップロール間で挟持される
金属帯に、脱脂液をスプレーする脱脂ノズルと、ブラシ
ロールおよびバックアップロールの各組で、ブラシロー
ルを、バックアップロールに近接させてバックアップロ
ールとの間に金属帯を押付ける押付位置と、バックアッ
プロールから離隔させて金属帯への押付けを開放する開
放位置との間で、変位させる開閉機構と、各ブラシロー
ルを、外周の回転方向が金属帯の通板方向と逆方向とな
るように、回転駆動するブラシ駆動源と、金属帯の通板
経路に沿って、該複数のブラシロールおよびバックアッ
プロールの組合せの下流側に配置され、上下で金属帯を
挟持するように組合されるリンガロールの複数組と、上
下のリンガロール間で挟持される金属帯に、すすぎ液を
スプレーするすすぎノズルと、上下のリンガロールの各
組で、一方のリンガロールを他方のリンガロールに対し
て変位させ、金属帯を押付ける押付力を調整する押付力
調整機構と、該各組のリンガロールで、該他方のリンガ
ロールを、金属帯の搬送のために回転駆動する搬送駆動
源と、各ブラシロールを、金属帯の搬送停止時には開放
位置に、金属帯の搬送開始直後から停止直前までは押付
位置に、それぞれ変位するように開閉機構を制御し、各
組のリンガロールが、金属帯の搬送開始直後から停止直
前までは所定の押付力が作用し、搬送停止時には押付力
が下降するように、押付力調整機構を制御する制御装置
とを含むことを特徴とする金属帯の脱脂装置である。
て複数組のブラシロールおよびバックアップロールと、
複数組の上下で金属帯を挟持するリンガロールとが配置
される。ブラシロールおよびバックアップロールで挟持
される金属帯には、脱脂ノズルから脱脂液がスプレーさ
れる。ブラシロールは、バックアップロールに近接させ
てバックアップロールとの間に金属帯を押付ける押付位
置と、バックアップロールから離隔させて金属帯への押
付けを開放する開放位置との間で、開閉機構によって変
位させることができ、ブラシ駆動源によって外周の回転
方向が金属帯の通板方向と逆方向となるように回転駆動
される。脱脂ノズルからスプレーされる脱脂液で金属帯
表面の残留油分が除去され、ブラシロールで鉄分や異物
が除去される。ブラシロールとバックアップロールとの
間で脱脂液がスプレーされて脱脂された金属帯は、上下
のリンガロール間で挟持されながらすすぎノズルからす
すぎ液がスプレーされ、脱脂液がすすぎによって除去さ
れる。リンガロールが金属帯を挟持する際の押付力は、
押付力調整機構によって調整することができる。制御装
置は、開閉機構を制御して、ブラシロールを金属帯の搬
送停止時には開放位置に、金属帯の搬送開始直後から停
止直前までは押付位置に変位させるので、金属帯の搬送
が停止しても金属帯の表面にはブラシロールの押付力に
よるブラシマーク疵などが発生しないようにすることが
できる。制御装置は、押付力調整機構を制御して、リン
ガロール間の押付力を、金属帯の搬送開始直後から停止
直前までは所定の押付力を作用させ、金属帯の搬送停止
中には下降させるので、金属帯の搬送停止中は押付力を
下降させて、圧下マーク疵の発生を防ぐことができる。
金属帯の搬送の停止があっても適正な表面粗度プロフィ
ールが損なわれないので、金属帯の脱脂工程に続けて、
長さや板幅を調整する精整工程を設けることができ、表
面性状に優れた金属帯を効率よく製造して出荷すること
ができる。
クアップロールの複数組に対して、前記金属帯の通板経
路の上流側に、上下で金属帯を挟持し、挟持する際の押
圧力が調整可能なピンチロールが配置され、前記制御装
置は、金属帯の搬送開始時直後から停止直前までは所定
の押圧力が作用し、搬送停止時には押圧力が下降するよ
うに、ピンチロールを制御することを特徴とする。
ピンチロールで挟持し、その押圧力を金属帯の搬送開始
直後から停止直前までよりも搬送停止中に下降させるこ
とができるので、スレッディング時などに脱脂する金属
帯を確実に保持するとともに、搬送停止時にも表面性状
の安定化を図ることができる。
10%のアルカリ脱脂液を供給する脱脂液供給装置を備
えることを特徴とする。
濃度2〜10%のアルカリ脱脂液を脱脂ノズルから金属
帯表面にスプレーするので、残留油分の除去を確実に行
い、かつ脱脂液のすすぎによる除去も容易に行うことが
できる。
の外周面に、線径10〜50μmのナイロン繊維が放射
状に植設されることを特徴とする。
面に線径10〜50μmのナイロン繊維が放射状に植設
されているので、金属帯の表面に付着している鉄分や異
物を除去し、かつ金属帯の表面には疵が生じないように
することができる。
チロールの表面は、JIS K 6301で規定するス
プリング硬さHsが65〜80となる耐アルカリ性ゴム
材料で形成されることを特徴とする。
チロールの表面に、JIS K 6301で規定するスプ
リング硬さHsが65〜80の耐アルカリ性ゴム材料で
形成されているので、金属帯を挟持して押付けても金属
帯に疵が生じにくく、適切な耐磨耗性を備えることがで
きる。
しての金属帯1の脱脂装置2の概略的な構成を示す。図
1(a)に概略的な断面構成として示すように、脱脂装
置2は、金属帯1の通板経路に沿って配置される予備洗
浄槽3、脱脂槽4、粗リンス槽5、水切り槽6および仕
上げリンス槽7を有する。脱脂槽4内には、金属帯1の
通板経路に沿って間隔をあけてブラシロール8およびバ
ックアップロール9の組合せが複数組配置されている。
ブラシロール8とバックアップロール9とは、1組毎に
上下の配置が入れ替わり、ブラシロール8が上側の組の
次にはブラシロール8が下側となる組が続き、たとえば
全部で6組が配置される。リンガロール10は、上側の
リンガロール10aと下側のリンガロール10bとで金
属帯1を挟んで水を切るように配置され、予備洗浄槽3
に2組、粗リンス槽5に2組、水切り槽6に1組、仕上
げリンス槽7に2組がそれぞれ配置されている。各ブラ
シロール8には、バックアップロール9との間の間隔を
開閉するための開閉機構11が設けられる。各組のリン
ガロール10には、上下のリンガロール10a,10b
間の押付力を調整する押付力調整機構12がそれぞれ設
けられる。
設けられ、2つのリンガロール10間で金属帯1の表面
に、予備洗浄用のプレ洗浄液をスプレーする。脱脂槽4
内には、脱脂ノズル14が設けられ、ブラシロール8お
よびバックアップロール9で挟持される金属帯1の表面
に脱脂液をスプレーする。粗リンス槽5内には、粗リン
スノズル15が設けられ、リンガロール10で挟持され
る金属帯の表面に粗リンス用のすすぎ液をスプレーす
る。予備洗浄槽3、脱脂槽4、粗リンス槽5、水切り槽
6および仕上げリンス槽7の間は、金属帯1が通板する
開口部を有する仕切板16で仕切られる。仕上げリンス
槽7には、リンガロール10で挟持される金属帯の表面
に仕上げリンス用のすすぎ液をスプレーする仕上げリン
スノズル17が設けられる。
って回転駆動される。ブラシ駆動源によるブラシロール
8の回転駆動では、ブラシロール8の回転に伴う接線方
向が、金属帯1の通板方向と逆方向となるような駆動が
行われる。これによって、金属帯1の表面に対するブラ
シロール8の表面の相対的な速度差を大きくすることが
できる。金属帯1の通板のための搬送は、各下側のリン
ガロール10bに設ける搬送駆動源19によって、下側
のリンガロール10bを回転駆動することによって行わ
れる。
クアップロール9の開閉とリンガロール10での押圧力
とは、図1(b)に示すような制御装置20によって、
金属帯1の通板の停止で金属帯1の表面の性状が損なわ
れないように、次のおよびに示すように制御され
る。
6および仕上げリンス槽7に配置される7対のリンガロ
ール10は、全て金属帯1の搬送開始直後に押付力が所
定値まで上昇し、搬送停止直前に押付力が減少するよう
に、制御装置20が押付力調整機構12を制御する。
ール8は、全て金属帯1の搬送開始直後に金属帯1の表
面に押付けられ、また搬送停止直前に金属帯1の表面に
押付けられた状態から開放されるように、制御装置20
が開閉機構11を制御する。
象とするときの全製造工程を概略的に示す。ステップs
1では製鋼が行われ、原料を溶解し、成分を調整してス
ラブが生成される。ステップs2では、製鋼工程で生成
されたスラブを熱間で圧延する。ステップs3では、熱
間圧延されたホットコイルを焼鈍して酸洗する。ステッ
プs4では、ステップs3で生成された熱間圧延材を、
冷間で圧延する中間圧延を行う。ステップs5では、さ
らに冷間圧延を続けるために、中間圧延材に対する焼鈍
を行う。ステップs6では、最終的な冷間圧延としての
仕上げ圧延を行い、表面粗度プロフィールが必要な素材
については、ダル仕上げなども施される。ステップs7
では、各圧延工程などで金属帯の表面に付着する残留油
分や鉄分などの異物を除去する脱脂・洗浄の工程が行わ
れる。ステップs8では、金属帯の板幅や長さの調整を
行う精整が行われ、ステップs9で出荷される。本実施
形態では、ステップs7の脱脂・洗浄工程と、ステップ
s8の精整工程とを連続させても金属帯の表面性状が損
なわれず、脱脂・洗浄の工程を効率よく行うことができ
る。
ラシロール8とバックアップロール9とに関連する構成
を示す。たとえばブラシロール8が上側で、バックアッ
プロール9が下側に配置される場合を想定する。ブラシ
ロール8は、一対のエアシリンダ21,22を位置切換
電磁弁23で同時に上昇または下降するように切換える
ことによって、回転軸24を昇降変位させることができ
る。ブラシロール8が下降して、下方のバックアップロ
ール9との間で金属帯1を挟持している状態では、ブラ
シロール8によって金属帯1の表面が押付けられ、ブラ
シロール8を上昇させてブラシロール8とバックアップ
ロール9との間隔が開いている状態では押付けを開放さ
せることができる。すなわち、エアシリンダ21,22
および位置切換え弁23は、ブラシロール8に対する図
1の開閉切換機構11を構成する。図1で示されるよう
に、ブラシロール8とバックアップロール9との位置関
係は、金属帯1の通板経路に沿って交互に上下が入れ替
わるように配置される。ブラシロール8が下側となって
バックアップロール9が上側となる場合も、開閉機構1
1を下側に設ければ、同様にブラシロール8とバックア
ップロール9との間の開閉を行うことができる。
示す。図4(a)はブラシロール8の一方の端面付近の
構造を示し、図4(b)はブラシロール8の外周面を拡
大して示す。ブラシロール8では、回転軸24に装着さ
れる円筒状の胴体25の外周面に、ブラシ26が放射状
に植設されている。ブラシ26は、図4(c)に示すよ
うに、表面となる毛材27、毛材27を胴体25の外周
面上で保持するためのチャネル金具28、および毛材2
7とともに各チャネル金具28で束ねられる芯線29と
から構成される。毛材27は、たとえば線径が10〜5
0μmのナイロン繊維が好適に使用される。
概略的な構成を示す。図5(a)に示すように、脱脂ノ
ズル14は、金属帯通返経路について、上流側と下流側
とから、金属帯1の表面に脱脂液をスプレーすることが
できるように配置される。脱脂液は、次の表1の条件に
従って図1(b)の脱脂液供給装置30から供給され
る。図5(b)に示すように、脱脂ノズル14には、脱
脂液供給装置30から直管状のスプレーヘッダ31を経
て、スプレーノズル32から脱脂液がスプレーされる。
る構成を示す。上リンガロール10aと下リンガロール
10bのそれぞれの回転軸33,34の一方、たとえば
上リンガロール10aの回転軸33は、両側からエアシ
リンダ21,22によって昇降変位可能である。下リン
ガロール10bの回転軸34は、搬送駆動源19によっ
て回転駆動される。エアシリンダ21,22の変位量
は、位置切換電磁弁23によって切換えられ、上リンガ
ロール10aと下リンガロール10bとの間の開閉を行
うことができる。位置切換電磁弁23に供給するエア圧
は、高圧用減圧弁35によって調整される高圧と、低圧
用減圧弁36によって供給される低圧との間で、圧力切
換電磁弁37によって切換えることができる。図1の制
御装置20は、圧力切換電磁弁37を制御して、リンガ
ロール10での金属帯1に対する押付力の増減を切換え
ることができる。
ロール10bは、表面をニトリルゴムなどの耐アルカリ
性を有するゴム材料で覆って形成する。ゴム材料が軟質
であれば、押付力による金属帯1の表面の疵がつきにく
いけれども、耐久性が低下する。適切な耐磨耗性を有す
る硬さとしては、JIS K 6301に規定するスプリ
ング硬さHsで65以上は必要となる。次の表2は、図
1の脱脂装置2を用いて、金属帯1の脱脂を行う際に、
ブラシロール8の開放やリンガロール10の押付力調整
を行うように制御している実施例と、制御を行わない比
較例とで、表面性状や表面粗度を評価した結果を示す。
変化させて、付着油分と汚れ判定とを評価した結果を示
す。図7(a)および(b)は、アルカリ脱脂液の温度
が60℃のときの付着油分と汚れ判定との結果をそれぞ
れ示す。図7(c),(d)は、アルカリ脱脂液の濃度
が80℃のときの付着油分と汚れ判定結果とをそれぞれ
示す。なお、アルカリ濃度は、水酸化ナトリウム(Na
OH)に換算した値を示す。アルカリ濃度が2%以上あ
れば、充分な洗浄効果が得られることが判る。図7
(d)に示すように、アルカリ濃度が12%になると、
汚れ判定結果が劣化している。洗浄液濃度が濃すぎて、
すすぎが不充分となっているためであると推定される。
したがって、図1の脱脂装置2では、脱脂液のアルカリ
濃度は2〜10%の範囲が適当であると判定される。な
お、アルカリとしては、通常のアルカリ脱脂液の成分と
して代表的なものを使用することができる。
面粗度との関係を示す。図8(a)はゴムのスプリング
硬さがHs=65のときの関係を示し、図8(b)はH
s=90のときの関係を示す。なお、●と○は、金属体
1が停止しているときの上面側と下面側との表面粗度を
示し、▲および△は金属体1が通板されているときの上
面側と下面側との表面粗度の指数を示す。表面粗度の指
数は、通板前の表面粗度を基準として、表面粗度がどの
程度低下したかの相対値を示す。図8(a)に示すよう
に、Hs=65では、押付力が5N/mm以下であれ
ば、表面粗度の指数低下は0.9未満に抑えることがで
きる。図8(b)に示すように、Hs=90になると、
通板の停止時の表面粗度指数の変化が大きくなることが
判る。表2のスプリング硬度では、Hs=90も実施例
に含まれているけれども、図8の結果から、スプリング
硬度Hsとしては65〜80程度が好ましいことが判
る。
いて、脱脂・洗浄から精整までの工程を連続して行う設
備の全体的な構成を示す。金属帯1は、通板経路に沿っ
て脱脂装置2に入る前に、上下のピンチロール41,4
2間を通過する。ピンチロール41,42の表面は、リ
ンガロール10と同様に、ゴムでライニングされてい
る。制御装置20は、ピンチロール41,42間の押圧
力についても、リンガロール10と同様に、金属帯1が
実際に搬送されているときのみ所定値が印加され、搬送
の停止直前から搬送開始直後までの停止時には、押圧力
が減少するように制御する。
され、入側デフレクタロール44で所定のパスラインに
案内され、入側剪断機45、入側溶接機46およびメジ
ャーロール47を経てピンチロール41,42間に導か
れる。入側剪断機45および入側溶接機46によって、
複数のコイルをペイオフリール43に順次装着しながら
引出す金属帯1を連続させて通板させることができる。
メジャーロール47は、金属帯1の通板速度を速度検出
器48によって計測するために設けられる。速度検出器
48によって検出される金属帯1の通板速度は、制御装
置20に入力され、速度検出器48によって検出される
通板速度vが5m/min以下になると、図6に示す圧
力切換電磁弁37を低圧用減圧弁36側に切換え、ピン
チロール41,42の押圧力および上下のリンガロール
10a,10b間の押付力を低下させる。
9に入って熱風などで乾燥され、送板テーブル50に沿
って案内されてブライドルロール51に巻付けられる。
金属帯1は、スナバロール52でブライドルロール51
の表面に押付けられて保持可能である。ブライドルロー
ル51の後には、トリマ53および出側剪断機54が配
置され、金属帯1の板幅と長さとをそれぞれ決定し、精
整工程を構成する。出側剪断機54によって金属帯1が
切断されるときは、ブライドルロール51によって新た
なコイルの先端部分を保持する。先行するコイルの後端
部分は、出側デフレクタピンチロール55間を通ってテ
ンションリール56に巻取られる。
通板が停止しても金属帯1の表面祖度プロフィールなど
を損うことがないので、脱脂・洗浄の工程と精整工程と
を連続的に行い、表面性状に優れた金属帯1を効率的に
製造することができる。金属帯1としては、鉄系の金属
ばかりではなく、非鉄金属などに対しても本発明を同様
に適用することができる。リンガロール10やピンチロ
ール41,42の表面にライニングするゴムの硬度など
は、通板する金属帯1の表面の硬度などに対応させる適
切な範囲を設定すればよい。脱脂液も、アルカリ脱脂液
ばかりではなく、有機や無機の他の系統の脱脂液を使用
しても、同等の効果を奏することができる。
表面に付着している残留油分や異物などを容易に除去
し、かつ金属帯の通板が停止しても金属帯の有する表面
粗度プロフィールを損なうことがないので、金属帯の最
終出荷工程で脱脂と精整とを連続して行い、表面形状に
優れる金属帯を効率よく生産することができる。
ピンチロールで金属帯を挟持し、搬送中と搬送停止時と
で押圧力を調整して表面粗度プロフィールが損なわれな
いようにしながら、スレッディング時などに脱脂される
金属帯の形状安定化などを図ることができる。
リ脱脂液を用いて、金属帯の表面の脱脂を効率的に行う
ことができる。
する鉄分や異物を、金属帯の表面には疵が付かないよう
にしながら確実に除去することができる。
いように適切な押付力で金属帯を挟持し、リンガロール
として脱脂液やすすぎ液の水切りを適切に行ったり、ピ
ンチロールとして金属帯に適切な張力を与えたりするこ
とができる。
略的な構成を示す正面断面図およびブロック図である。
ーチャートである。
ル9に関連する構成を示す部分的な側面図である。
側面図、ならびにブラシ26の斜視図である。
した部分的な正面図、および簡略化した配管系統図であ
る。
部分的な側面図である。
きに、脱脂後の付着油分と汚れ判定結果とを示すグラフ
である。
関係を示すグラフである。
ンとして含む生産設備の概要を示す正面断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 金属帯を大略的に水平方向に、連続的に
通板しながら、表面粗度プロフィールを損なうことなく
脱脂する装置であって、 金属帯の通板経路に沿って配置され、上下で金属帯を挟
持するブラシロールおよびバックアップロールの複数組
と、 ブラシロールおよびバックアップロール間で挟持される
金属帯に、脱脂液をスプレーする脱脂ノズルと、 ブラシロールおよびバックアップロールの各組で、ブラ
シロールを、バックアップロールに近接させてバックア
ップロールとの間に金属帯を押付ける押付位置と、バッ
クアップロールから離隔させて金属帯への押付けを開放
する開放位置との間で、変位させる開閉機構と、 各ブラシロールを、外周の回転方向が金属帯の通板方向
と逆方向となるように、回転駆動するブラシ駆動源と、 金属帯の通板経路に沿って、該複数のブラシロールおよ
びバックアップロールの組合せの下流側に配置され、上
下で金属帯を挟持するように組合されるリンガロールの
複数組と、 上下のリンガロール間で挟持される金属帯に、すすぎ液
をスプレーするすすぎノズルと、 上下のリンガロールの各組で、一方のリンガロールを他
方のリンガロールに対して変位させ、金属帯を押付ける
押付力を調整する押付力調整機構と、 該各組のリンガロールで、該他方のリンガロールを、金
属帯の搬送のために回転駆動する搬送駆動源と、 各ブラシロールを、金属帯の搬送停止時には開放位置
に、金属帯の搬送開始直後から停止直前までは押付位置
に、それぞれ変位するように開閉機構を制御し、各組の
リンガロールが、金属帯の搬送開始直後から停止直前ま
では所定の押付力が作用し、搬送停止時には押付力が下
降するように、押付力調整機構を制御する制御装置とを
含むことを特徴とする金属帯の脱脂装置。 - 【請求項2】 前記ブラシロールおよびバックアップロ
ールの複数組に対して前記金属帯の通板経路の上流側
に、上下で金属帯を挟持し、挟持する際の押圧力が調整
可能なピンチロールが配置され、 前記制御装置は、金属帯の搬送開始時直後から停止直前
までは所定の押圧力が作用し、搬送停止時には押圧力が
下降するように、ピンチロールを制御することを特徴と
する請求項1記載の金属帯の脱脂装置。 - 【請求項3】 前記脱脂ノズルに濃度2〜10%のアル
カリ脱脂液を供給する脱脂液供給装置を備えることを特
徴とする請求項1または2記載の金属帯の脱脂装置。 - 【請求項4】 前記ブラシロールは、円筒状の外周面に
放射状に植設される線径10〜50μmのナイロン繊維
を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載の金属帯の脱脂装置。 - 【請求項5】 前記リンガロールまたはピンチロールの
表面は、JIS K 6301で規定するスプリング硬さ
Hsが65〜80となる耐アルカリ性ゴム材料で形成さ
れることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
金属帯の脱脂装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11060832A JP2000256885A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | 金属帯の脱脂装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11060832A JP2000256885A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | 金属帯の脱脂装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000256885A true JP2000256885A (ja) | 2000-09-19 |
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ID=13153736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11060832A Pending JP2000256885A (ja) | 1999-03-08 | 1999-03-08 | 金属帯の脱脂装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2000256885A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-03-08 JP JP11060832A patent/JP2000256885A/ja active Pending
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