JPH11336823A - ロータリダンパ - Google Patents
ロータリダンパInfo
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- JPH11336823A JPH11336823A JP16147098A JP16147098A JPH11336823A JP H11336823 A JPH11336823 A JP H11336823A JP 16147098 A JP16147098 A JP 16147098A JP 16147098 A JP16147098 A JP 16147098A JP H11336823 A JPH11336823 A JP H11336823A
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- Japan
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- bearing
- casing
- rotary damper
- end cap
- hydraulic oil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ロータリダンパの低速域での減衰トルクを持
ち上げつつ中高速域での減衰トルクを下げることで乗心
地と操縦安定性の両方を確保する。 【解決手段】 セパレートブロック6を備えたケーシン
グ4の端面にベアリング8を宛てがってロータシャフト
16をもつベーン体18を回動自在に収装し、これらケ
ーシング4とベアリング8をパッキンケース11の内部
へと収装すると共に、その上からエンドキャップ13を
パッキンケース11に対して螺合し、当該エンドキャッ
プ13によりケーシング4とベアリング8を重合状態に
保ってパッキンケース11の底部5へと押し付ける。
ち上げつつ中高速域での減衰トルクを下げることで乗心
地と操縦安定性の両方を確保する。 【解決手段】 セパレートブロック6を備えたケーシン
グ4の端面にベアリング8を宛てがってロータシャフト
16をもつベーン体18を回動自在に収装し、これらケ
ーシング4とベアリング8をパッキンケース11の内部
へと収装すると共に、その上からエンドキャップ13を
パッキンケース11に対して螺合し、当該エンドキャッ
プ13によりケーシング4とベアリング8を重合状態に
保ってパッキンケース11の底部5へと押し付ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回動運動を利用
して外部振動を減衰する油圧式のロータリダンパに関
し、さらに詳しくは、自動車やオートバイまたは産業車
両や特殊車両等の車体振動、或いは、その他の機器また
は装置の外部振動を減衰するロータリダンパの性能向上
に関するものである。
して外部振動を減衰する油圧式のロータリダンパに関
し、さらに詳しくは、自動車やオートバイまたは産業車
両や特殊車両等の車体振動、或いは、その他の機器また
は装置の外部振動を減衰するロータリダンパの性能向上
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ロータリダンパは、内壁面にセ
パレートブロックをもつケーシングとセレーション等の
キー形結合でロータシャフトに圧入したベーン体とで交
互に収縮および拡張を繰り返す二組の作動油室を区画
し、これら二組の作動油室間を行き来する作動油に流動
抵抗を与えて減衰トルクを発生するようにしている。
パレートブロックをもつケーシングとセレーション等の
キー形結合でロータシャフトに圧入したベーン体とで交
互に収縮および拡張を繰り返す二組の作動油室を区画
し、これら二組の作動油室間を行き来する作動油に流動
抵抗を与えて減衰トルクを発生するようにしている。
【0003】そして、この作動油に対する流動抵抗付与
手段としては、二組の作動油室を相互に連通する連絡油
路の途中に減衰バルブを配置して減衰トルクを発生する
密封タイプのも、或いは、ケーシングとベーン体との間
のクリアランスを利用して流動抵抗を与えつつ減衰トル
クを発生するシールレスタイプの二つの代表的な形式の
ものがある。
手段としては、二組の作動油室を相互に連通する連絡油
路の途中に減衰バルブを配置して減衰トルクを発生する
密封タイプのも、或いは、ケーシングとベーン体との間
のクリアランスを利用して流動抵抗を与えつつ減衰トル
クを発生するシールレスタイプの二つの代表的な形式の
ものがある。
【0004】この場合において、特に、後者のシールレ
スタイプのロータリダンパは、前者の密封タイプのロー
タリダンパに比べて構造が簡単で安価に製作でき、か
つ、小型にも構成し得る点で優れている。
スタイプのロータリダンパは、前者の密封タイプのロー
タリダンパに比べて構造が簡単で安価に製作でき、か
つ、小型にも構成し得る点で優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そうとは言っ
ても、シールレスタイプのロータリダンパは、ベーンの
周りに設定されたクリアランスを作動油が流れるときの
ダンパ内の発生差圧を利用して減衰トルクを発生させる
ようにしている。
ても、シールレスタイプのロータリダンパは、ベーンの
周りに設定されたクリアランスを作動油が流れるときの
ダンパ内の発生差圧を利用して減衰トルクを発生させる
ようにしている。
【0006】そのために、発生する減衰トルクは、上記
ダンパ内の発生差圧に対して関与するロータリダンパ自
体の大きさとクリアランスサイズの構造上の要素によっ
て一義的に決まってしまうことになる。
ダンパ内の発生差圧に対して関与するロータリダンパ自
体の大きさとクリアランスサイズの構造上の要素によっ
て一義的に決まってしまうことになる。
【0007】これにより、クリアランスを通る作動油の
流れによって発生する減衰トルクがロータリダンパへの
入力角速度に対してリニアな特性となることから、低速
域或いは高速域での減衰トルクを上げたり下げたりする
とそれが他の領域の減衰トルクにまで影響を及ぼし、減
衰トルクの設定に当っての自由度が小さいという問題点
があった。
流れによって発生する減衰トルクがロータリダンパへの
入力角速度に対してリニアな特性となることから、低速
域或いは高速域での減衰トルクを上げたり下げたりする
とそれが他の領域の減衰トルクにまで影響を及ぼし、減
衰トルクの設定に当っての自由度が小さいという問題点
があった。
【0008】また、上記の結果として、操縦安定性に影
響を与える低速域での減衰トルクと乗心地に影響を与え
る中高速域での減衰トルクのそれぞれを独立して個別に
設定することもできない。
響を与える低速域での減衰トルクと乗心地に影響を与え
る中高速域での減衰トルクのそれぞれを独立して個別に
設定することもできない。
【0009】そのために、乗心地を重視して中高速域で
の減衰トルクを低く設定すると低速域での減衰トルクが
低くなり過ぎ、逆に、操縦安定性を重視して低速域での
減衰トルクを高く設定すると中高速域での減衰トルクが
低下して低くなり過ぎてしまい、何れにしても乗心地と
操縦安定性の両方を好ましい形に設定することが不可能
であるという問題点を有していた。
の減衰トルクを低く設定すると低速域での減衰トルクが
低くなり過ぎ、逆に、操縦安定性を重視して低速域での
減衰トルクを高く設定すると中高速域での減衰トルクが
低下して低くなり過ぎてしまい、何れにしても乗心地と
操縦安定性の両方を好ましい形に設定することが不可能
であるという問題点を有していた。
【0010】したがって、この発明の目的は、低速域で
の減衰トルクを持ち上げつつ中高速域での減衰トルクを
下げることで乗心地と操縦安定性の両方を確保すること
のできるロータリダンパを提供することである。
の減衰トルクを持ち上げつつ中高速域での減衰トルクを
下げることで乗心地と操縦安定性の両方を確保すること
のできるロータリダンパを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記したこの発明の目的
は、セパレートブロックを備えたケーシングの端面にベ
アリングを宛てがってロータシャフトをもつベーン体を
回動自在に収装し、これらケーシングとベアリングをパ
ッキンケースの内部へと納めると共に、その上からエン
ドキャップをパッキンケースに対して螺合し、当該エン
ドキャップによりケーシングとベアリングを重合状態に
保ってパッキンケースの底部へと押し付けることによっ
て達成される。
は、セパレートブロックを備えたケーシングの端面にベ
アリングを宛てがってロータシャフトをもつベーン体を
回動自在に収装し、これらケーシングとベアリングをパ
ッキンケースの内部へと納めると共に、その上からエン
ドキャップをパッキンケースに対して螺合し、当該エン
ドキャップによりケーシングとベアリングを重合状態に
保ってパッキンケースの底部へと押し付けることによっ
て達成される。
【0012】また、好ましくは、上記において、エンド
キャップをパッキンケースに対しベアリングとの間に所
定の隙間を残して螺合し、この隙間にばね部材を介装し
てエンドキャップにより当該ばね部材を通してベアリン
グを押圧してやるすなわち、このようにして、エンドキ
ャップによりケーシングとベーンに対して機械的な押込
力を加え、この押込力がロータリダンパ内の発生差圧に
基づくベアリングへの推力よりも小さいか、或いは、そ
れと釣り合うまでの低速域の範囲内にあっては、ベーン
体の周囲のクリアランスを予め設定した小さい値に保持
して低速域での減衰トルク特性を持ち上げつつ操縦安定
性を良好に保つ。
キャップをパッキンケースに対しベアリングとの間に所
定の隙間を残して螺合し、この隙間にばね部材を介装し
てエンドキャップにより当該ばね部材を通してベアリン
グを押圧してやるすなわち、このようにして、エンドキ
ャップによりケーシングとベーンに対して機械的な押込
力を加え、この押込力がロータリダンパ内の発生差圧に
基づくベアリングへの推力よりも小さいか、或いは、そ
れと釣り合うまでの低速域の範囲内にあっては、ベーン
体の周囲のクリアランスを予め設定した小さい値に保持
して低速域での減衰トルク特性を持ち上げつつ操縦安定
性を良好に保つ。
【0013】それに対して、ロータリダンパが中高速域
に入って内部の作動油圧力によりベアリングに加わる推
力がエンドキャップによる機械的な押込力を越えるよう
になると、それに伴い、パッキンケースの外周部が僅か
ずつ伸び始めてベーン体の両サイドにおけるクリアラン
スが初期設定値よりも次第に大きくなってくる。
に入って内部の作動油圧力によりベアリングに加わる推
力がエンドキャップによる機械的な押込力を越えるよう
になると、それに伴い、パッキンケースの外周部が僅か
ずつ伸び始めてベーン体の両サイドにおけるクリアラン
スが初期設定値よりも次第に大きくなってくる。
【0014】その結果、ロータリダンパ内における発生
差圧の上昇が緩慢となり、中高速域での減衰トルクの上
昇率が緩やかとなって車両としての乗心地を良好に保つ
ことになる。
差圧の上昇が緩慢となり、中高速域での減衰トルクの上
昇率が緩やかとなって車両としての乗心地を良好に保つ
ことになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基いてこの
発明を適用したロータリダンパの実施の形態を説明する
ことにする。
発明を適用したロータリダンパの実施の形態を説明する
ことにする。
【0016】図1および図2にみられるように、ロータ
リダンパ1は、外郭部分を形作るハウジング2と、当該
ハウジング2の軸線に沿って回動自在に支架したロータ
3の二つの主要部分からなっている。
リダンパ1は、外郭部分を形作るハウジング2と、当該
ハウジング2の軸線に沿って回動自在に支架したロータ
3の二つの主要部分からなっている。
【0017】ハウジング2を形作るケーシング4は、鋳
物や鉄系燒結合金等の摺動性に優れた耐圧強度の高い材
料を用い、かつ、内端側に小径穴をもつ底部5を備えた
円筒状部材として形成してある。
物や鉄系燒結合金等の摺動性に優れた耐圧強度の高い材
料を用い、かつ、内端側に小径穴をもつ底部5を備えた
円筒状部材として形成してある。
【0018】ケーシング4の内周面から底部5に亙る部
分には、180度の位相差をもって対称的に二つのセパ
レートブロック6,7(勿論、一つ或いは三つ以上であ
ってもよい)を一体に形成して配設している。
分には、180度の位相差をもって対称的に二つのセパ
レートブロック6,7(勿論、一つ或いは三つ以上であ
ってもよい)を一体に形成して配設している。
【0019】そして、上記したケーシング4は、外端面
に対して同じく鋳物や鉄系燒結合金等の摺動性に優れた
耐圧強度をもつ材料を用いて穴明き円盤状に作ったベア
リング8を宛てがい、ケーシング4の底部5とベアリン
グ8とでロータ3を挟みつつ回動自在に支持している。
に対して同じく鋳物や鉄系燒結合金等の摺動性に優れた
耐圧強度をもつ材料を用いて穴明き円盤状に作ったベア
リング8を宛てがい、ケーシング4の底部5とベアリン
グ8とでロータ3を挟みつつ回動自在に支持している。
【0020】なお、上記において、ケーシング4の底部
5とベアリング8のそれぞれは、内部に加わる高圧作動
油に対して耐えることができるように充分な肉厚をもっ
て形成してある。
5とベアリング8のそれぞれは、内部に加わる高圧作動
油に対して耐えることができるように充分な肉厚をもっ
て形成してある。
【0021】また、ケーシング4とベアリング8との間
には、予め大きなスペースをもつセパレートブロック
6,7の部分を利用してダウェルピン9を挿通し、当該
ダウェルピン9でケーシング4とベアリング8の同芯を
確保しつつ回転方向へのずれを規制している。
には、予め大きなスペースをもつセパレートブロック
6,7の部分を利用してダウェルピン9を挿通し、当該
ダウェルピン9でケーシング4とベアリング8の同芯を
確保しつつ回転方向へのずれを規制している。
【0022】かくして、ケーシング4とベアリング8
は、ベアリング8の背面側外周にシール10を介装した
状態でアルミ材のダイキャスト等により成形したパッキ
ンケース11の内部に納め、その上から内面側に窪み1
2を備えたエンドキャップ13をパッキンケース11へ
と螺合し、当該窪み12により油室14を形成しつつ上
記ケーシング4とベアリング8を抑えている。
は、ベアリング8の背面側外周にシール10を介装した
状態でアルミ材のダイキャスト等により成形したパッキ
ンケース11の内部に納め、その上から内面側に窪み1
2を備えたエンドキャップ13をパッキンケース11へ
と螺合し、当該窪み12により油室14を形成しつつ上
記ケーシング4とベアリング8を抑えている。
【0023】しかも、この場合において、ケーシング4
は、パッキンケース11に対し接着剤等を用いて結合す
ることにより回り止めを施し、このケーシング4へと向
ってエンドキャップ13をねじ込むことにより、シール
10で油密状態を保ちつつベアリング8をケーシング4
に押し付けるようにしている。
は、パッキンケース11に対し接着剤等を用いて結合す
ることにより回り止めを施し、このケーシング4へと向
ってエンドキャップ13をねじ込むことにより、シール
10で油密状態を保ちつつベアリング8をケーシング4
に押し付けるようにしている。
【0024】さらに、パッキンケース11の外側壁に
は、外部連結用である複数個の連結ねじ15(図1では
そのうちの一個のみを示す)を一体に成形し、これら連
結ねじ15を利用してハウジング2側を外部振動体の一
方即ち車両であれば車体側に対して直接或いはリンク等
を介して結合するようにしてある。
は、外部連結用である複数個の連結ねじ15(図1では
そのうちの一個のみを示す)を一体に成形し、これら連
結ねじ15を利用してハウジング2側を外部振動体の一
方即ち車両であれば車体側に対して直接或いはリンク等
を介して結合するようにしてある。
【0025】一方、ロータ3は、ケーシング4の底部5
とベアリング8によって回動自在に両持ち支持したロー
タシャフト16と、これら底部5とベアリング8の内壁
面に摺接してロータシャフト16にキー形結合の一種で
あるセレーション17を用いて一体的に結合したベーン
体18とからなっている。
とベアリング8によって回動自在に両持ち支持したロー
タシャフト16と、これら底部5とベアリング8の内壁
面に摺接してロータシャフト16にキー形結合の一種で
あるセレーション17を用いて一体的に結合したベーン
体18とからなっている。
【0026】ロータシャフト16は、強度的に優位の鉄
系材料を用いて冷間鍛造等の塑性加工により所定の形状
に成形し、かつ、セレーション17を介してベーン体1
8を回転方向に規制して結合してある。
系材料を用いて冷間鍛造等の塑性加工により所定の形状
に成形し、かつ、セレーション17を介してベーン体1
8を回転方向に規制して結合してある。
【0027】ベーン体18は、鉄系材料のケーシング4
およびベアリング8に比べて線膨張係数の大きいアルミ
材で作ってあり、これらケーシング4およびベアリング
8と互に共働してロータリダンパ1の内部作動油温度の
高低に関係なく両者の間のクリアランスをできるだけ一
定に保つようにしている。
およびベアリング8に比べて線膨張係数の大きいアルミ
材で作ってあり、これらケーシング4およびベアリング
8と互に共働してロータリダンパ1の内部作動油温度の
高低に関係なく両者の間のクリアランスをできるだけ一
定に保つようにしている。
【0028】上記ロータシャフト16の一端は、パッキ
ンケース11の側壁を貫通して外部へと延び、この外部
へと突出した部分を取付部19として外部振動体の他方
即ち車両であれば車輪側に対し直接或いはリンク等を介
して結合すると共に、ロータシャフト16の突出部分を
パッキンケース11に設けたオイルシール20で油密に
保っている。
ンケース11の側壁を貫通して外部へと延び、この外部
へと突出した部分を取付部19として外部振動体の他方
即ち車両であれば車輪側に対し直接或いはリンク等を介
して結合すると共に、ロータシャフト16の突出部分を
パッキンケース11に設けたオイルシール20で油密に
保っている。
【0029】また、ロータシャフト16の内端は、エン
ドキャップ13の窪み12である油室14と対向する部
分で終わっており、かつ、ロータシャフト16には、エ
ンドキャップ13の油室14に連通して軸線方向に沿う
有底の中空穴21を設けてある。
ドキャップ13の窪み12である油室14と対向する部
分で終わっており、かつ、ロータシャフト16には、エ
ンドキャップ13の油室14に連通して軸線方向に沿う
有底の中空穴21を設けてある。
【0030】この中空穴21の内部には、外周面にシー
ル22を有するフリーピストン23を移動可能に収装
し、このフリーピストン23によって中空穴21の内部
をエンドキャップ13の油室14に通じる貯油室24
と、当該貯油室24の作動油圧力に応じて圧縮および膨
張するガス室25とに区画している。
ル22を有するフリーピストン23を移動可能に収装
し、このフリーピストン23によって中空穴21の内部
をエンドキャップ13の油室14に通じる貯油室24
と、当該貯油室24の作動油圧力に応じて圧縮および膨
張するガス室25とに区画している。
【0031】このようにして、ロータシャフト16にお
ける中空穴21の内部をフリーピストン23で貯油室2
4とガス室25とに区画することにより、当該ロータシ
ャフト16の内部をアキュムレータとして構成してい
る。
ける中空穴21の内部をフリーピストン23で貯油室2
4とガス室25とに区画することにより、当該ロータシ
ャフト16の内部をアキュムレータとして構成してい
る。
【0032】それに対して、セレーション17によりロ
ータシャフト16へと結合したベーン体18は、ハウジ
ング2側におけるケーシング4のセパレートブロック
6,7と同数で同位相のベーン26,27を外周面に設
けて構成してある。
ータシャフト16へと結合したベーン体18は、ハウジ
ング2側におけるケーシング4のセパレートブロック
6,7と同数で同位相のベーン26,27を外周面に設
けて構成してある。
【0033】ベーン体18の外周面は、ケーシング4側
におけるセパレートブロック6,7の先端面と摺接する
と共に、ベーン26,27の先端面はケーシング4の内
壁面と摺接し、これらセパレートブロック6,7とベー
ン26,27とによってロータリダンパ1の内部をハウ
ジング2とロータ3との相対回動運動に伴って交互に収
縮と拡張を繰り返す作動油室28,29と作動油室3
0,31とに区画している。
におけるセパレートブロック6,7の先端面と摺接する
と共に、ベーン26,27の先端面はケーシング4の内
壁面と摺接し、これらセパレートブロック6,7とベー
ン26,27とによってロータリダンパ1の内部をハウ
ジング2とロータ3との相対回動運動に伴って交互に収
縮と拡張を繰り返す作動油室28,29と作動油室3
0,31とに区画している。
【0034】しかも、これと併せて、ケーシング4とベ
アリング8の内壁面には僅かな段差を設け、ハウジング
2とロータ3との間のスラスト力でベーン26,27が
ケーシング4或いはベアリング8へと強く押し付けられ
ることがないように、当該段差でベーン26,27との
間に極微小(図1では誇張してある)のクリアランス3
2,33を設けてある。
アリング8の内壁面には僅かな段差を設け、ハウジング
2とロータ3との間のスラスト力でベーン26,27が
ケーシング4或いはベアリング8へと強く押し付けられ
ることがないように、当該段差でベーン26,27との
間に極微小(図1では誇張してある)のクリアランス3
2,33を設けてある。
【0035】また、ベーン26,27には、作動油室2
8,29,30,31側へと向って開くカートリッジ形
のチェックバルブ34,35,36,37をそれぞれ圧
入して固定し、かつ、チェックバルブ35,37と並列
に並べてロータリダンパ1の回動方向に応じ減衰トルク
に所定の差を与える減衰トルク比設定用のオリフィス3
8,39を設けてある。
8,29,30,31側へと向って開くカートリッジ形
のチェックバルブ34,35,36,37をそれぞれ圧
入して固定し、かつ、チェックバルブ35,37と並列
に並べてロータリダンパ1の回動方向に応じ減衰トルク
に所定の差を与える減衰トルク比設定用のオリフィス3
8,39を設けてある。
【0036】なお、上記した各チェックバルブ34乃至
37は、図3に示すように、軸方向に並べて配置した連
通ポート40,41を有するバルブケース42の内部に
ボール状のバルブ体43を収納し、このバルブ体43を
バルブスプリング44で連通ポート40へと開閉可能に
押し付けている。
37は、図3に示すように、軸方向に並べて配置した連
通ポート40,41を有するバルブケース42の内部に
ボール状のバルブ体43を収納し、このバルブ体43を
バルブスプリング44で連通ポート40へと開閉可能に
押し付けている。
【0037】しかも、このバルブスプリング44の受け
部材45として内面中央に形成した突起46を取り囲ん
で穿った複数の通孔47をもつ円盤を用い、連通ポート
41を覆ってこの受け部材45をバルブケース42内に
納める。
部材45として内面中央に形成した突起46を取り囲ん
で穿った複数の通孔47をもつ円盤を用い、連通ポート
41を覆ってこの受け部材45をバルブケース42内に
納める。
【0038】これによって、バルブ体43による連通ポ
ート40の開放時に通孔47を通して連通ポート40,
41の連通を確保すると共に、バルブ体43がバルブス
プリング44を押し縮めつつ通孔47塞いで連通ポート
40,41の連通を阻害してしまうことがないように突
起46で阻止するようにしてある。
ート40の開放時に通孔47を通して連通ポート40,
41の連通を確保すると共に、バルブ体43がバルブス
プリング44を押し縮めつつ通孔47塞いで連通ポート
40,41の連通を阻害してしまうことがないように突
起46で阻止するようにしてある。
【0039】そして、チェックバルブ34,35,3
6,37とオリフィス38,39の内方端を、ベーン2
6,27の内部に設けた油路48,49でセレーション
17の噛合部に設けた油路50,51からベアリング8
の軸受面に設けた油路52を通し、さらに、油路52か
らエンドキャップ13の油室14を通してロータシャフ
ト16内の貯油室24へと連通したのである。
6,37とオリフィス38,39の内方端を、ベーン2
6,27の内部に設けた油路48,49でセレーション
17の噛合部に設けた油路50,51からベアリング8
の軸受面に設けた油路52を通し、さらに、油路52か
らエンドキャップ13の油室14を通してロータシャフ
ト16内の貯油室24へと連通したのである。
【0040】なお、ケーシング4における底部5の軸受
面に対しても同様の油路53を設けてあるが、この油路
53は、収縮する高圧の作動油室からの洩れ油でケーシ
ング4とオイルシール20との間に籠った作動油圧力を
拡張する低圧側の作動油室に逃がすためのものである。
面に対しても同様の油路53を設けてあるが、この油路
53は、収縮する高圧の作動油室からの洩れ油でケーシ
ング4とオイルシール20との間に籠った作動油圧力を
拡張する低圧側の作動油室に逃がすためのものである。
【0041】かくして、外部振動体に発生した振動は、
直接およびリンク等の連結機構を通してロータリダンパ
1のハウジング2側における連結ねじ15とロータ3側
におけるロータシャフト16の取付部19との間に伝え
られる。
直接およびリンク等の連結機構を通してロータリダンパ
1のハウジング2側における連結ねじ15とロータ3側
におけるロータシャフト16の取付部19との間に伝え
られる。
【0042】そのために、ロータリダンパ1のハウジン
グ2とロータ3は、外部振動体の振動に伴って軸心周り
に相対回動運動を起こし、セパレートブロック6,7と
ベーン26,27との間の作動油室28,30と作動油
室29,31を交互に収縮および拡張させる。
グ2とロータ3は、外部振動体の振動に伴って軸心周り
に相対回動運動を起こし、セパレートブロック6,7と
ベーン26,27との間の作動油室28,30と作動油
室29,31を交互に収縮および拡張させる。
【0043】ここで、今、ロータリダンパ1が作動油室
28,30を収縮する方向に回動したとするとこれら作
動油室28,30の内部作動油が圧縮されて高圧とな
り、反対側の作動油室29,31は拡張して内部の作動
油が低圧となる。
28,30を収縮する方向に回動したとするとこれら作
動油室28,30の内部作動油が圧縮されて高圧とな
り、反対側の作動油室29,31は拡張して内部の作動
油が低圧となる。
【0044】その結果、高圧となった作動油室28,3
0内の作動油がベーン26,27の先端とケーシング4
の内周面、および、セパレートブロック6,7の内端と
ベーン体18の外周面との間のクリアランスから、ま
た、これに加え、ロータ3の両側面とケーシング4およ
びベアリング8との間の各クリアランスからそのとき低
圧となった拡張側の作動油室29,31へと向って流れ
る。
0内の作動油がベーン26,27の先端とケーシング4
の内周面、および、セパレートブロック6,7の内端と
ベーン体18の外周面との間のクリアランスから、ま
た、これに加え、ロータ3の両側面とケーシング4およ
びベアリング8との間の各クリアランスからそのとき低
圧となった拡張側の作動油室29,31へと向って流れ
る。
【0045】そして、上記した各クリアランスの部分を
通るときの作動油の流動抵抗で減衰トルクを発生し、こ
の減衰トルクがハウジング2の連結ねじ15とロータシ
ャフト16の取付部19から直接およびリンク等の連結
機構を介して外部振動体に作用し、当該外部振動体に発
生した振動を減衰する。
通るときの作動油の流動抵抗で減衰トルクを発生し、こ
の減衰トルクがハウジング2の連結ねじ15とロータシ
ャフト16の取付部19から直接およびリンク等の連結
機構を介して外部振動体に作用し、当該外部振動体に発
生した振動を減衰する。
【0046】それに対して、ロータリダンパ1が逆に作
動油室29,31を収縮する方向に回動した場合には、
当該作動油室29,31の作動油が高圧となって上記し
た各クリアランスを逆向きに流れつつ拡張する側の作動
油室28,30へと向って流動する。
動油室29,31を収縮する方向に回動した場合には、
当該作動油室29,31の作動油が高圧となって上記し
た各クリアランスを逆向きに流れつつ拡張する側の作動
油室28,30へと向って流動する。
【0047】しかも、これと併せて、作動油室29,3
1からロータリダンパ1の回動方向による減衰トルク比
設定用のオリフィス38,39を通してベーン26,2
7内の油路48,49へと作動油を押し出し、ここから
チェックバルブ34,36を押し開いて拡張する側の作
動油室28,30へと流出する。
1からロータリダンパ1の回動方向による減衰トルク比
設定用のオリフィス38,39を通してベーン26,2
7内の油路48,49へと作動油を押し出し、ここから
チェックバルブ34,36を押し開いて拡張する側の作
動油室28,30へと流出する。
【0048】これにより、上記した各クリアランスの部
分を通して流れる作動油流量は、オリフィス38,39
からチェックバルブ34,36を押し開いて流れる作動
油流量分だけ少なくなり、先の場合に比べてこの少なく
なった分だけ低い減衰トルクを発生して外部振動体の振
動を減衰する。
分を通して流れる作動油流量は、オリフィス38,39
からチェックバルブ34,36を押し開いて流れる作動
油流量分だけ少なくなり、先の場合に比べてこの少なく
なった分だけ低い減衰トルクを発生して外部振動体の振
動を減衰する。
【0049】また、ロータリダンパ1内の作動油に温度
低下や外部漏洩等が生じて作動油室28,29,30,
31の内部の作動油に不足が生じた場合には、貯油室2
4内の作動油をエンドキャップ13の油室14から油路
52,51,50および油路49,48からなる経路を
通してチェックバルブ34,35,36,37を開きつ
つ各作動油室28,29,30,31に吸い込み、当該
作動油の不足分をロータシャフト16の内部のアキュム
レータによって補充する。
低下や外部漏洩等が生じて作動油室28,29,30,
31の内部の作動油に不足が生じた場合には、貯油室2
4内の作動油をエンドキャップ13の油室14から油路
52,51,50および油路49,48からなる経路を
通してチェックバルブ34,35,36,37を開きつ
つ各作動油室28,29,30,31に吸い込み、当該
作動油の不足分をロータシャフト16の内部のアキュム
レータによって補充する。
【0050】それに対して、逆に、作動油温度の上昇で
作動油室28,29,30,31内の作動油が過剰にな
った場合には、作動油室29,31内の作動油を減衰ト
ルク比設定用のオリフィス38,39から上記の経路を
反対向きに通して貯油室24に押し出し、過剰となった
分の作動油をアキュムレータへと排除することによって
ロータリダンパ1としての減衰作用を補償する。
作動油室28,29,30,31内の作動油が過剰にな
った場合には、作動油室29,31内の作動油を減衰ト
ルク比設定用のオリフィス38,39から上記の経路を
反対向きに通して貯油室24に押し出し、過剰となった
分の作動油をアキュムレータへと排除することによって
ロータリダンパ1としての減衰作用を補償する。
【0051】以上のことから、当該ロータリダンパ1に
あっては、パッキンケース11に対してエンドキャップ
13を締め込み可能としたことにより、ベアリング8の
内面とベーン26,27の側面との間のクリアランスを
制御して減衰トルクを調整することが可能となる。
あっては、パッキンケース11に対してエンドキャップ
13を締め込み可能としたことにより、ベアリング8の
内面とベーン26,27の側面との間のクリアランスを
制御して減衰トルクを調整することが可能となる。
【0052】すなわち、上記したベアリング8の内面と
ベーン26,27の側面との間のクリアランスで発生す
る低速域での必要な減衰トルクTは、
ベーン26,27の側面との間のクリアランスで発生す
る低速域での必要な減衰トルクTは、
【0053】
【数1】 で表すことができる。
【0054】また、ロータリダンパ1の作動に伴い内部
に生じるダンパ内の発生差圧ΔPによってベアリング8
が受けるところの推力fは、ベアリング8の受圧面積を
aとすると、
に生じるダンパ内の発生差圧ΔPによってベアリング8
が受けるところの推力fは、ベアリング8の受圧面積を
aとすると、
【0055】
【数2】 で表される。
【0056】それに対して、エンドキャップ13の締付
トルクをtとした場合の当該締付トルクtによってケー
シング4とベアリング8の受ける軸力Fは、
トルクをtとした場合の当該締付トルクtによってケー
シング4とベアリング8の受ける軸力Fは、
【0057】
【数3】 となり、エンドキャップ13を締め込むことによってケ
ーシング4とベアリング8は、初期的に軸力Fの圧縮力
を受けることになる。
ーシング4とベアリング8は、初期的に軸力Fの圧縮力
を受けることになる。
【0058】このことから、ロータリダンパ1が低速域
で必要な減衰トルクTを発生するときのダンパ内の発生
差圧ΔPによってベアリング8が受ける推力fと釣り合
うように上記軸力Fを定めて締付トルクtを与えてやれ
ば、上記したベアリング8とベーン26,27の間のク
リアランスが所定の値を保ってそれに見合った低速域で
の必要な減衰トルクTを発生する。
で必要な減衰トルクTを発生するときのダンパ内の発生
差圧ΔPによってベアリング8が受ける推力fと釣り合
うように上記軸力Fを定めて締付トルクtを与えてやれ
ば、上記したベアリング8とベーン26,27の間のク
リアランスが所定の値を保ってそれに見合った低速域で
の必要な減衰トルクTを発生する。
【0059】したがって、これら軸力Fとダンパ内の発
生差圧ΔPによってベアリング8が受ける推力fとは、 F≧fのとき:エンドキャップ13に加えて締付トルク
tによりケーシング4とベアリング8の受ける軸力Fが
ダンパ内の発生差圧ΔPによってベアリング8が受ける
推力fと等しいかそれよりも大きいために、低速域にお
いて上記したベアリング8とベーン26,27との間の
クリアランスを所定の値に保ってそれに見合った必要な
減衰トルクTを発生する。
生差圧ΔPによってベアリング8が受ける推力fとは、 F≧fのとき:エンドキャップ13に加えて締付トルク
tによりケーシング4とベアリング8の受ける軸力Fが
ダンパ内の発生差圧ΔPによってベアリング8が受ける
推力fと等しいかそれよりも大きいために、低速域にお
いて上記したベアリング8とベーン26,27との間の
クリアランスを所定の値に保ってそれに見合った必要な
減衰トルクTを発生する。
【0060】F<fのとき:ロータリダンパ1が中高速
の領域に入ってダンパ内の発生差圧ΔPが増大し、当該
発生差圧ΔPによってベアリング8が受ける推力fが締
付トルクtによるケーシング4とベアリング8の軸力F
を越えるようになると、パッキンケース11の外周部分
が延び始めてベーン26,27の両サイドのクリアラン
スが初期設定値よりも大きくなる。その結果、ダンパ内
における発生差圧ΔPの変化率が低下し、中高速域での
減衰トルク特性が緩やかになると共に、最終的には飽和
型の減衰トルク特性となる。
の領域に入ってダンパ内の発生差圧ΔPが増大し、当該
発生差圧ΔPによってベアリング8が受ける推力fが締
付トルクtによるケーシング4とベアリング8の軸力F
を越えるようになると、パッキンケース11の外周部分
が延び始めてベーン26,27の両サイドのクリアラン
スが初期設定値よりも大きくなる。その結果、ダンパ内
における発生差圧ΔPの変化率が低下し、中高速域での
減衰トルク特性が緩やかになると共に、最終的には飽和
型の減衰トルク特性となる。
【0061】しかも、これらの場合において、上記エン
ドキャップ13に加えた締付トルクtを低速域で必要な
減衰トルクTで表わしたとすると、
ドキャップ13に加えた締付トルクtを低速域で必要な
減衰トルクTで表わしたとすると、
【0062】
【数4】 となり、ロータリダンパ1の諸元によって予め設定可能
な値であることが理解できる。
な値であることが理解できる。
【0063】なお、以上述べてきたこの発明の実施の形
態であるロータリダンパ1にあっては、エンドキャップ
13により直にケーシング4とベアリング8に締付トル
クtを加えて軸力Fを与えるようにしてきた。
態であるロータリダンパ1にあっては、エンドキャップ
13により直にケーシング4とベアリング8に締付トル
クtを加えて軸力Fを与えるようにしてきた。
【0064】しかし、このようにする代わりに図4に示
す他の実施の形態のロータリダンパ1aのように、ベア
リング8とエンドキャップ13との間に積極的に隙間5
4を設けて皿ばねのような高剛性のばね部材55を介装
し、ダンパ内の発生差圧ΔPで生じるベアリング8の推
力fをばね部材55のイニシャル荷重とばね定数で対抗
するようにしてもよい。
す他の実施の形態のロータリダンパ1aのように、ベア
リング8とエンドキャップ13との間に積極的に隙間5
4を設けて皿ばねのような高剛性のばね部材55を介装
し、ダンパ内の発生差圧ΔPで生じるベアリング8の推
力fをばね部材55のイニシャル荷重とばね定数で対抗
するようにしてもよい。
【0065】何故ならば、このものによっても、ダンパ
内の発生差圧ΔPで生じるベアリング8の推力fがばね
部材55のイニシャル荷重に達するまでは、予め設定し
たベアリング8とベーン26,27の間のクリアランス
で低速域に見合った減衰トルクを発生する。
内の発生差圧ΔPで生じるベアリング8の推力fがばね
部材55のイニシャル荷重に達するまでは、予め設定し
たベアリング8とベーン26,27の間のクリアランス
で低速域に見合った減衰トルクを発生する。
【0066】それに対して、ロータリダンパ1aが中速
域に入ってダンパ内の発生差圧ΔPが増加し、ベアリン
グ8の推力fがばね部材55のイニシャル荷重を越えて
増加するようになると、ばね部材55を押し縮めつつベ
アリング8が軸方向へと移動し始め、ベーン26,27
との間のクリアランスを広げて減衰トルク特性を低下さ
せる。
域に入ってダンパ内の発生差圧ΔPが増加し、ベアリン
グ8の推力fがばね部材55のイニシャル荷重を越えて
増加するようになると、ばね部材55を押し縮めつつベ
アリング8が軸方向へと移動し始め、ベーン26,27
との間のクリアランスを広げて減衰トルク特性を低下さ
せる。
【0067】しかも、上記中速域からさらに高速域に入
ってベアリング8がエンドキャップ13に当接するよう
になると、その後は先の実施の形態の場合と同様にして
パッキンケース11の外周部分を延ばし、ベーン26,
27の両サイドのクリアランスを増大しつつ減衰トルク
特性をさらに緩やかにし、かつ、最終的には飽和型の減
衰特性とする。
ってベアリング8がエンドキャップ13に当接するよう
になると、その後は先の実施の形態の場合と同様にして
パッキンケース11の外周部分を延ばし、ベーン26,
27の両サイドのクリアランスを増大しつつ減衰トルク
特性をさらに緩やかにし、かつ、最終的には飽和型の減
衰特性とする。
【0068】このようにして、エンドキャップ13の締
付トルクtでなく、ばね部材55のイニシャル荷重とば
ね定数により減衰トルク特性の設定の自由度と設定値の
調整が可能となるばかりでなく、車両のばね上共振点の
ような高速域で制振性能をも良好に保つことが可能にな
るのである。
付トルクtでなく、ばね部材55のイニシャル荷重とば
ね定数により減衰トルク特性の設定の自由度と設定値の
調整が可能となるばかりでなく、車両のばね上共振点の
ような高速域で制振性能をも良好に保つことが可能にな
るのである。
【0069】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、エンドキャップの締付力を利用してベーン体とベア
リングとの間のクリアランスを制御するようにしたの
で、エンドキャップによるベアリングの軸力とダンパ内
の発生差圧によるベアリングの推力とが釣り合うまでの
低速域にあっては、ベーン体とベアリングとの間のクリ
アランスを設定値に保って操縦安定性を重視した高い特
性の減衰トルクを発生し、上記軸力よりも推力が大きく
なる中高側域では、ベーン体とベアリングとの間のクリ
アランスを拡げて今度は車両としての乗心地を重視した
低い特性の減衰トルクを発生し、このようにして、低速
域での減衰トルクを持ち上げつつ中高速域での減衰トル
クを下げることで乗心地と操縦安定性の両方を確保する
ことが可能になる。
ば、エンドキャップの締付力を利用してベーン体とベア
リングとの間のクリアランスを制御するようにしたの
で、エンドキャップによるベアリングの軸力とダンパ内
の発生差圧によるベアリングの推力とが釣り合うまでの
低速域にあっては、ベーン体とベアリングとの間のクリ
アランスを設定値に保って操縦安定性を重視した高い特
性の減衰トルクを発生し、上記軸力よりも推力が大きく
なる中高側域では、ベーン体とベアリングとの間のクリ
アランスを拡げて今度は車両としての乗心地を重視した
低い特性の減衰トルクを発生し、このようにして、低速
域での減衰トルクを持ち上げつつ中高速域での減衰トル
クを下げることで乗心地と操縦安定性の両方を確保する
ことが可能になる。
【0070】しかも、上記に加えて、高速域での減衰ト
ルク特性を飽和型として一定値以上に大きくならないよ
うにすることも容易であるので、ダンパ内の最高発生差
圧を低く抑えつつケーシングおよびベアリングを薄肉化
してロータリダンパとしての軽量化とコストダウンを図
ることができる。
ルク特性を飽和型として一定値以上に大きくならないよ
うにすることも容易であるので、ダンパ内の最高発生差
圧を低く抑えつつケーシングおよびベアリングを薄肉化
してロータリダンパとしての軽量化とコストダウンを図
ることができる。
【0071】また、請求項2の発明によれば、エンドキ
ャップの締付トルクだけでなく、当該エンドキャップと
ベアリングの間に介装したばね部材のイニシャル荷重と
ばね定数を利用して減衰トルク特性の設定が可能となる
ことから、減衰トルク特性の設定の自由度がより広範囲
となる。
ャップの締付トルクだけでなく、当該エンドキャップと
ベアリングの間に介装したばね部材のイニシャル荷重と
ばね定数を利用して減衰トルク特性の設定が可能となる
ことから、減衰トルク特性の設定の自由度がより広範囲
となる。
【図1】この発明によるロータリダンパの実施の形態を
示すもので、図2のA−A線に沿って切断した展開縦断
正面図である。
示すもので、図2のA−A線に沿って切断した展開縦断
正面図である。
【図2】同上のロータリダンパを縦断して示す側面図で
ある。
ある。
【図3】ベーンに設けたチェックバルブを取り出して縦
断して示す正面図である。
断して示す正面図である。
【図4】この発明によるロータリダンパの他の実施の形
態を示すもので、上記図1と同様の状態をもって描いた
展開縦断正面図である。
態を示すもので、上記図1と同様の状態をもって描いた
展開縦断正面図である。
1,1a ロータリダンパ 2 ハウジング 3 ロータ 4 ケーシング 6,7 セパレートブロック 8 ベアリング 11 パッキンケース 13 エンドキャップ 16 ロータシャフト 54 隙間 55 ばね部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 秀樹 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 田畑 充広 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 大庭 正晴 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 セパレートブロックを備えたケーシング
の端面にベアリングを宛てがってロータシャフトをもつ
ベーン体を回動自在に収装し、これらケーシングとベア
リングをパッキンケースの内部へと納めると共に、その
上からエンドキャップをパッキンケースに対して螺合
し、当該エンドキャップによりケーシングとベアリング
を重合状態に保ってパッキンケースの底部へと押し付け
るようにしたことを特徴とするロータリダンパ。 - 【請求項2】 エンドキャップをパッキンケースに対し
ベアリングとの間に所定の隙間を残して螺合し、この隙
間にばね部材を介装してエンドキャップにより当該ばね
部材を通してベアリングを押圧するようにした請求項1
のロータリダンパ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16147098A JPH11336823A (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | ロータリダンパ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16147098A JPH11336823A (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | ロータリダンパ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11336823A true JPH11336823A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=15735715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16147098A Pending JPH11336823A (ja) | 1998-05-26 | 1998-05-26 | ロータリダンパ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11336823A (ja) |
-
1998
- 1998-05-26 JP JP16147098A patent/JPH11336823A/ja active Pending
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