JPH11335520A - ポリアセタ―ル樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ポリアセタ―ル樹脂組成物およびその製造方法

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JPH11335520A
JPH11335520A JP11079208A JP7920899A JPH11335520A JP H11335520 A JPH11335520 A JP H11335520A JP 11079208 A JP11079208 A JP 11079208A JP 7920899 A JP7920899 A JP 7920899A JP H11335520 A JPH11335520 A JP H11335520A
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早人 栗田
Nobuyuki Matsunaga
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアセタール樹脂の耐候(光)安定性及び
熱安定性を改善し、ホルムアルデヒドの発生を抑制す
る。 【解決手段】 ポリアセタール樹脂100重量部に対し
て耐候(光)安定剤0.01〜5重量部、抑制剤0.0
1〜10重量部程度を添加する。抑制剤は、尿素、尿素
誘導体及びアミジン誘導体から選択できる。尿素誘導体
には、N−置換尿素、尿素縮合体、ウレイド化合物(非
環状ウレイド、環状ウレイド、又は環状ウレイドの金属
塩)が含まれる。アミジン誘導体には、非環状又は非メ
ラミン系環状アミジンなどが含まれる。ポリアセタール
樹脂には、酸化防止剤、着色剤、又は窒素含有化合物な
どを添加してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐候(光)
性を有し、且つホルムアルデヒド発生量が著しく抑制さ
れ、成形加工性に優れたポリアセタール樹脂組成物及び
その製造方法、並びに前記樹脂組成物で成形したポリア
セタール樹脂成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアセタール樹脂は、機械的性質、耐
疲労性、耐摩擦・摩耗性、耐薬品性及び成形性に優れて
いるため、自動車部品、電気・電子機器部品、その他の
精密機械部品、建材・配管部材、生活・化粧用部品、医
用部品などの分野において広く利用されている。しかし
ながら、用途の拡大、多様化に伴い、その品質に対する
要求はより高度化する傾向を示している。このような用
途において、ポリアセタール樹脂は、紫外線、風雨、温
度、大気中の酸素、オゾン、人工的な光、使用時の荷重
などの周辺環境の影響を受け、変色、変質、劣化などの
問題を生じる。中でも、紫外線による劣化を改善するた
めに、これまで種々の試みがなされてきた。例えば、紫
外線吸収剤、あるいはこれらの紫外線吸収剤と光安定
剤、さらには、このような耐候(光)安定剤と染料や顔
料などの着色剤をポリアセタール樹脂に添加することに
より上記のような欠点を改善する方法が知られている。
しかし、優れた耐候(光)安定性を得るためには、この
ような添加剤を多量に添加する必要があり、その結果、
ポリアセタール樹脂本来の機械的性質、熱安定性、又は
成形性といった特性を大幅に損なう。
【0003】ポリアセタール樹脂に要求される特性とし
て、押出又は成形工程などの加工工程における機械的強
度が低下しないこと、金型への付着物(モールドデポジ
ット)が発生しないこと、長期加熱条件下(ヒートエー
ジング)における機械的物性が低下しないこと、成形品
のシルバーストリークやボイドなどの成形不良が生じな
いことなどが挙げられる。これらの現象の重要因子の1
つに加熱時のポリマーの分解が挙げられる。特に、ポリ
アセタール樹脂は、その化学構造から本質的に、加熱酸
化雰囲気下、酸性やアルカリ性条件下では容易に分解さ
れやすい。そのため、ポリアセタール樹脂の本質的な課
題として、熱安定性が高く、成型加工過程又は成形品か
らのホルムアルデヒドの発生を抑制することが挙げられ
る。ホルムアルデヒドは化学的に活性であり、酸化によ
りギ酸となり耐熱性に悪影響を及ぼしたり、電気・電子
機器の部品などに用いると、金属製接点部品が腐蝕した
り有機化合物の付着により変色し、接点不良を生じる。
さらにホルムアルデヒド自体が、部品組立工程での作業
環境や最終製品の使用周辺の生活環境を汚染する。
【0004】化学的に活性な末端を安定化するため、ホ
モポリマーについては、重合体の末端をアセチル化など
によりエステル化する方法、コポリマーについては、重
合時にトリオキサンと環状エーテル、環状ホルマールな
どの隣接炭素結合を有するモノマーとを共重合した後、
不安定な末端部分を分解除去して不活性な安定末端とす
る方法などが知られている。しかしながら、加熱時には
ポリマーの主鎖部分での解裂分解も起こり、その防止に
は、上記処理のみでは対処できず、実用的には酸化防止
剤及びその他の安定剤の添加が必須とされている。
【0005】しかし、これら安定剤を配合しても、ポリ
アセタール樹脂の分解を完全に抑制することは困難であ
り、実際には組成物を調製するための押出や成形工程で
の溶融加工の際、押出機や成形機のシリンダー内で熱や
酸素の作用を受け、主鎖の分解や充分に安定化されてい
ない末端からホルムアルデヒドが発生し、押出成形加工
時に作業環境を悪化させる。また、長時間にわたり成形
を行なうと、金型に微粉状物、タール状物が付着し(モ
ールドデポジット)、作業効率を低下させるとともに、
成形品の表面状態を低下させる最大要因の1つとなって
いる。さらに、ポリマー分解により機械的強度の低下、
樹脂の変色が生じる。このような点から、ポリアセター
ル樹脂については、より効果的な安定化処方を求めて多
大な努力が続けられている。
【0006】ポリアセタール樹脂に添加される酸化防止
剤としては、立体障害を有するフェノール化合物(ヒン
ダードフェノール)、立体障害を有するアミン化合物
(ヒンダードアミン)が知られており、その他の安定剤
として、メラミン誘導体、アミジン化合物、アルカリ金
属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物、有機又は無機
酸塩などが使用されている。また、通常、酸化防止剤は
他の安定化剤と組み合わせて用いられる。しかし、この
ような添加剤を用いても、ポリアセタール樹脂に対して
高い安定性を付与することは困難である。
【0007】特開平6−136234号公報には、ポリ
アセタール樹脂に、酸化防止剤、耐候(光)安定剤、及
びその他の安定剤としてメラミン−ホルムアルデヒド重
縮合物を添加することにより、耐候(光)性、熱安定
性、及び成形性を改善することが提案されている。しか
しながら、メラミン−ホルムアルデヒド重縮合物を用い
てもホルムアルデヒドの発生を顕著に抑制することは困
難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ポリアセタール樹脂に優れた耐候(光)性を付与
し、特に成形後の光による劣化を改善できる樹脂組成物
及びその製造方法、並びに成形品を提供することにあ
る。
【0009】本発明の他の目的は、熱安定性、特に成形
加工時の溶融安定性を改善できる樹脂組成物およびその
製造方法、並びに成形品を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、少量の添加でホルムアルデヒドの
生成を著しく抑制でき、作業環境を改善できるポリアセ
タール樹脂組成物およびその製造方法、並びに成形品を
提供することにある。
【0010】本発明の別の目的は、過酷な条件下であっ
てもホルムアルデヒドの生成を抑制して、金型への分解
物などの付着、成形品からの分解物の浸出や成形品の熱
劣化を抑制できるとともに成形品の品質を向上し、成形
性を改善できるポリアセタール樹脂組成物およびその製
造方法、並びに成形品を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、ポリアセタール樹脂の安定剤に関し
て一連の窒素含有化合物の探索検討を行なった結果、耐
候(光)安定剤と組み合わせて用いた場合に、尿素又は
その誘導体あるいはアミジン誘導体がポリアセタール樹
脂の安定剤として顕著な効果を有し、かつポリアセター
ル樹脂の耐候(光)性を大幅に改善することを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明のポリアセタール樹脂組
成物は、ポリアセタール樹脂と、耐候(光)安定剤と、
尿素又はその誘導体及びアミジン誘導体から選択された
少なくとも1種の抑制剤とで構成されている。前記耐候
(光)安定剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物、
ベンゾフェノン系化合物、芳香族ベンゾエート系化合
物、シアノアクリレート系化合物、シュウ酸アニリド系
化合物、ヒンダードアミン系化合物などが使用できる。
前記尿素誘導体には、N−置換尿素、尿素縮合体、モノ
ウレイド及びジウレイドなどが含まれ、非環状又は環状
ウレイド誘導体、及びそれらの金属塩などであってもよ
い。樹脂に含まれる添加剤は、例えば、ポリアセタール
樹脂100重量部に対して、耐候(光)安定剤0.01
〜5重量部、抑制剤0.01〜10重量部程度である。
前記組成物は、さらに酸化防止剤、着色剤、及び前記抑
制剤以外の窒素含有化合物から選択される少なくとも1
種を含んでいてもよい。
【0013】本発明の方法では、ポリアセタール樹脂
と、耐候(光)安定剤と、前記抑制剤を混合することに
より、耐候(光)性、熱安定性及び加工安定性が改善さ
れたポリアセタール樹脂組成物を製造する。さらに、本
発明には、前記ポリアセタール樹脂組成物で構成された
成形品も含まれる。
【0014】なお、本明細書において、「尿素誘導体」
とは、N−置換尿素、尿素縮合体、非環状又は環状ウレ
イド誘導体及び環状ウレイドの金属塩なども含む意味に
用いる。また、「アミジン誘導体」とは、RC(N
2 )=NH(Rは、アルキル基などの置換基)の構造
を有する化合物を総称し、非環状アミジン及び非メラミ
ン系環状アミジンも含む意味に用いる。また、「抑制
剤」以外の窒素含有化合物を単に「窒素含有化合物」と
いう。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物は、ポリアセ
タール樹脂、耐候(光)安定剤、並びに尿素又はその誘
導体及びアミジン誘導体から選択される少なくとも1種
のホルムアルデヒド抑制剤で構成されている。
【0016】ポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン
基(−CH2 O−)を主たる構成単位とする高分子化合
物であり、ポリアセタールホモポリマー(例えば、米国
デュポン社製,商品名「デルリン」、旭化成(株)製、
商品名「テナック4010」など)、オキシメチレン基
以外に他のコモノマー単位を含有するポリアセタールコ
ポリマー(例えば、ポリプラスチックス(株)製,商品
名「ジュラコン」など)が含まれる。コポリマーにおい
て、コモノマー単位には、炭素数2〜6程度(好ましく
は炭素数2〜4程度)のオキシアルキレン単位(例え
ば、オキシエチレン基(−CH2 CH2 O−)、オキシ
プロピレン基、オキシテトラメチレン基など)が含まれ
る。コモノマー単位の含有量は、少量、例えば、ポリア
セタール樹脂全体に対して、0.01〜20モル%、好
ましくは0.03〜10モル%(例えば、0.05〜5
モル%)、さらに好ましくは0.1〜5モル%程度の範
囲から選択できる。
【0017】ポリアセタールコポリマーは、二成分で構
成されたコポリマー、三成分で構成されたターポリマー
などであってもよい。ポリアセタールコポリマーは、ラ
ンダムコポリマーの他、ブロックコポリマー、グラフト
コポリマーなどであってもよい。また、ポリアセタール
樹脂は、線状のみならず分岐構造であってもよく、架橋
構造を有していてもよい。さらに、ポリアセタール樹脂
の末端は、例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン
酸又はそれらの無水物とのエステル化などにより安定化
してもよい。ポリアセタールの重合度、分岐度や架橋度
も特に制限はなく、溶融成形可能であればよい。
【0018】前記ポリアセタール樹脂は、例えば、ホル
ムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ドなどのアルデヒド類、トリオキサン、エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、
ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオ
ールホルマールなどの環状エーテルや環状ホルマールを
重合することにより製造できる。
【0019】本発明の特色は、耐候(光)安定剤、及び
抑制剤を添加することにより、ポリアセタール樹脂の耐
候(光)安定性、熱安定性、及び加工安定性を向上さ
せ、ホルムアルデヒドの発生を著しく抑制し、ポリアセ
タール樹脂成形品の劣化を防止する点にある。前記抑制
剤を用いると、従来の安定剤をはるかに凌駕する安定化
効果が発現し、熱安定性及び加工性に優れたポリアセタ
ール樹脂組成物を得ることができる。
【0020】耐候(光)安定剤には、(a)ベンゾトリ
アゾール系化合物、(b)ベンゾフェノン系化合物、
(c)芳香族ベンゾエート系化合物、(d)シアノアク
リレート系化合物、(e)シュウ酸アニリド系化合物、
(f)ヒンダードアミン系化合物からなる群より選択さ
れる1種又は2種以上の化合物が挙げられる。例えば、
(a)ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,
5′−ジ−イソアミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチ
ルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベン
ゾトリアゾールなどのヒドロキシル基含有ベンゾトリア
ゾール類(例えば、ヒドロキシル基置換アリール基を有
するベンゾトリアゾール類)、(b)ベンゾフェノン系
化合物としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,
2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オキシベンジル
ベンゾフェノンなどのヒドロキシル基含有ベンゾフェノ
ン類、(c)芳香族ベンゾエート系化合物としては、p
−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェ
ニルサリシレートなどのアルキルフェニルサリシレート
類、(d)シアノアクリレート系化合物としては、2−
エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアク
リレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレートなどのシアノ基含有ジフェニルアクリレート
類、(e)シュウ酸アニリド系化合物としては、N−
(2−エチルフェニル)−N′−(2−エトキシ−5−
t−ブチルフェニル)シュウ酸ジアミド、N−(2−エ
チルフェニル)−N′−(2−エトキシ−フェニル)シ
ュウ酸ジアミドなどの窒素原子上に置換されていてもよ
いフェニル基などを有するシュウ酸ジアミド類、(f)
ヒンダードアミン系化合物としては、立体障害性基を有
するピペリジン誘導体(4−アセトキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アク
リロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−
ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギザレート、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,
2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバ
ケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)テレフタレート、1,2−ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタ
ン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、ビス
(1−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)アジペート、トリス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)ベンゼン−1,3,5−ト
リカルボキシレートなどの2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン類)、又は高分子量のピペリジン誘導体重
縮合物(コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン重縮合物など)などが例示できる。
【0021】上記のような耐候(光)安定剤は、単独で
用いてもよいが、1種又は2種以上を組み合わせて使用
するのが好ましく、(a)ベンゾトリアゾール系化合
物、(b)ベンゾフェノン系化合物、(c)芳香族ベン
ゾエート化合物、(d)シアノアクリレート系化合物、
及び/又は(e)シュウ酸アニリド系化合物の耐候
(光)安定剤と、(f)ヒンダードアミン系化合物との
併用が好ましい。
【0022】耐候(光)安定剤の添加量は、例えば、ポ
リアセタール樹脂100重量部に対して0.01〜5重
量部(例えば、0.01〜3重量部)、好ましくは0.
01〜2重量部、さらに好ましくは0.1〜2重量部
(例えば、0.1〜1.5重量部)程度である。
【0023】ホルムアルデヒド抑制剤のうち、尿素誘導
体としては、例えば、アルキル基などの置換基が置換し
たN−置換尿素[例えば、N−メチル体、N−エチル体
などのN−C1-6 アルキル体、アルキレンジウレア(例
えば、メチレンジウレアなどのC1-6 アルキレンジウレ
アなど)など]、尿素縮合体などが挙げられる。尿素縮
合体は、非環状であっても、環状であってもよく、非環
状縮合体には、例えば、尿素の二量体(例えば、ビウレ
ット、ビウレアなど)、尿素の多量体、尿素とアルデヒ
ド化合物との縮合体などが含まれる。この縮合体として
は、C1-6 アルデヒドとの縮合体、例えば、尿素とイソ
ブチルアルデヒドとの非環状縮合体(イソブチリデンジ
ウレアなど)、尿素とホルムアルデヒドとの非環状縮合
体などが挙げられる。前記尿素とホルムアルデヒドとの
非環状縮合体では、1又は複数の尿素単位が縮合してい
てもよく、n個のメチレン鎖を介して(n+1)個の尿
素単位が縮合していてもよい(nは1以上の整数であ
る)。前記非環状縮合体は単独で又は二種以上組合せて
混合物として使用できる。この混合物は、例えば、ホル
ム窒素(メチレンジウレア、ジメチレントリウレア、ト
リメチレンテトラウレアなどの混合物)として三井化学
(株)より市販されている。また、尿素誘導体は、尿素
樹脂であってもよい。尿素誘導体は単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。
【0024】好ましい尿素誘導体には、ウレイド誘導体
(例えば、モノウレイド及びジウレイド、又はそれらの
誘導体など)が含まれる。さらに、尿素誘導体には、非
環状ウレイド又は環状ウレイドが含まれる。
【0025】非環状モノウレイドとしては、C2-6 ジカ
ルボン酸のウレイド酸[例えば、シュウ酸のウレイド酸
(オキサルル酸)、マロン酸のウレイド酸(マロヌル
酸)など]又はこれらの誘導体(例えば、ウレイド酸の
酸アミド)、あるいはウレイド基を有するカルボン酸
[例えば、ウレイドギ酸、ウレイド酢酸などのウレイド
基含有C1-6 モノカルボン酸、ウレイドコハク酸(カル
バミルアスパラギン酸)などのカルバミド基含有C2-6
ジカルボン酸]、又はこれらのカルバミド基含有酸アミ
ド(アロファン酸アニリド、アロファン酸アミドなど)
及びカルバミド基含有エステル(アロファン酸エステル
など)などが例示できる。非環状ジウレイドとしては、
2-6 カルボン酸のジウレイド[例えば、酢酸のジウレ
イド(アラントイン酸)など]などが例示できる。
【0026】環状モノウレイドとしては、尿素とアセト
アルデヒドとの環状縮合体(例えば、クロチリデンジウ
レアなど)、アラントイン、及びこれらの誘導体などが
挙げられる。
【0027】また、モノウレイド又はジウレイド、特に
環状ウレイド誘導体は金属塩、例えば、アルカリ金属塩
(Li,Na,Kなどの周期表1A族金属塩),アルカ
リ土類金属塩(Mg,Ca,Sr,Baなどの周期表2
A属金属塩),周期表1B族金属塩(Cu,Agなどと
の塩),周期表2B族金属塩(Znなどとの塩),周期
表3B族金属塩(Al,Ga,Inなどとの塩),周期
表4B族金属塩(Sn,Pbなどとの塩),周期表8族
金属塩(Fe,Co,Ni,Pd,Ptなどとの塩)な
どの金属塩(1〜4価程度の金属塩)を形成してもよ
い。
【0028】特に好ましい環状ウレイド誘導体には、ア
ラントイン及びその誘導体が挙げられ、アラントイン誘
導体については成書「DICTIONARY OF ORGANIC COMPOUND
S Vol.1, p60 (1965 EYRE & SPOTTISWOODE-PUBLISHERS
-LTD)」を参照できる。アラントイン誘導体としては、
例えば、アルキル基,シクロアルキル基,アリール基な
どの各種の置換基が置換した置換アラントイン誘導体
(例えば、1−メチル体、3−メチル体、3−エチル
体、5−メチル体、1,3−ジメチル体、1,6−ジメ
チル体、1,8−ジメチル体、3,8−ジメチル体、
1,3,6−トリメチル体、1,3,8−トリメチル体
などのモノ,ジまたはトリ−C1-4 アルキル置換体、5
−フェニル体などのアリール置換体など)、また、その
金属塩[アルカリ金属塩(周期表1A属金属塩),アル
カリ土類金属塩(周期表2A属金属塩),周期表1B属
金属との塩,周期表2B属金属との塩,周期表3B属金
属との塩,周期表4B属金属との塩,周期表8属金属と
の塩など]、アラントインとアルデヒド化合物との反応
生成物[例えば、アラントインホルムアルデヒド付加体
又はそのアルコール変性体(アルコキシメチル体など)
など]、アラントインと窒素含有化合物(アミノ基又は
イミノ基含有化合物など)との反応生成物[例えば、2
−ピロリドン−5−カルボン酸塩との化合物(塩、分子
化合物(錯体)など)、アラントインとイミダゾール化
合物との化合物(塩、分子化合物(錯体)など)]、有
機酸塩なども使用できる。アラントインの金属塩の具体
例としては、アラントインジヒドロキシアルミニウム、
アラントインクロロヒドロキシアルミニウムなどが例示
でき、アミノ基又はイミノ基含有化合物との反応生成物
としては、アラントインソジウム−dlピロリドンカル
ボキシレートなどが例示できる。
【0029】アラントインと2−ピロリドン−5−カル
ボン酸塩との化合物については、特開昭51−3645
3号公報を参照でき、アラントインと塩基性アミノ酸と
の反応生成物については、特開昭52−102412号
公報、特開昭52−25771号公報、特開昭52−2
5772号公報、特開昭52−31072号公報、特開
昭51−19771号公報などを参照できる。アラント
インとイミダゾール化合物との化合物については、特開
昭57−118569号公報などを参照できる。アラン
トイン及びその誘導体の立体構造は特に制限されず、d
体、l体及びdl体のいずれであってもよい。これらの
アラントイン及びその誘導体は単独で又は二種以上組み
合わせて使用できる。
【0030】アミジン誘導体には、RC(=NH)NH
2 (Rは、水素原子、アルキル基、アシル基を示す。)
で表わされる構成単位を含むアミジン及びその誘導体が
含まれる。アミジン誘導体の構造は、非環状であっても
よく、非メラミン系の環状アミジンであってもよい。さ
らに、アミジン誘導体には、前記Rがアミノ基であるグ
アニジン類(グアニジン又はその誘導体)も含まれ、グ
アニジン類についても、その構造は、非環状であって
も、環状であってもよい。非環状アミジンには、例え
ば、アミジン又はその誘導体などが含まれる。好ましい
アミジン類は、グアニジン類であり、非環状グアニジン
には、例えば、グリコシアミン、グアノリン、クレアチ
ン、又はそれらの誘導体などが含まれる。
【0031】好ましいグアニジン類は、環状グアニジン
類である。環状グアニジンは、−R 1 NC(=NH)N
2 −(R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、アルキル基、又はアシル基を示す。)を環の構成単
位として含んでいればよく、特に環のサイズには影響さ
れないが、5員環又は6員環化合物が好ましい。前記式
中、R1 及びR2 で表わされるアルキル基としては、C
1-4 アルキル基、特にメチル基又はエチル基、アシル基
としては、C1-4 アシル基、特にホルミル基、アセチル
基、又はプロピオニル基などが好ましく、水素原子が特
に好ましい。
【0032】好ましい環状グアニジン類には、5員環窒
素含有化合物として、グリコシアミジン又はその誘導体
(例えば、グリコシアミジン、チオグリコシアミジン、
クレアチニン、4−メチルグリコシアミジン、4,4−
グリコシアミジンなど)、オキサリルグアニジン又はそ
の構造と類似の環状グアニジン(例えば、オキサリルグ
アニジン、2,4−ジイミノパラバン酸、2,4,5−
トリイミノパラバン酸など)、ウラゾールの2つのオキ
ソ基(=O)のうち、少なくとも1つのオキソ基(=
O)をイミノ基(=NH)で置換した化合物(例えば、
イミノウラゾール、イミノチオウラゾール、グアナジン
など)などが例示できる。好ましい6員環窒素含有化合
物には、非メラミン系化合物、例えば、イソシアヌル酸
イミド又はその誘導体(例えば、イソアンメリド、イソ
アンメリン、又はこれらのN置換体など)、マロニルグ
アニジン、タルトロニルグアニジンなどの環状グアニジ
ン又はその誘導体、メソキサリルグアニジンなどの環状
グアニジン化合物などが例示できる。
【0033】前記グアニジン類の中では、グリコシアミ
ジン又はその誘導体が特に好ましい。最も好ましい環状
窒素含有化合物として、グリコシアミジン類(例えば、
クレアチニンなど)が挙げられる。
【0034】前記尿素又は尿素誘導体、あるいはアミジ
ン誘導体は、抑制剤として、それ単独で用いてもよく、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。抑制剤の割合
は、例えば、ポリアセタール樹脂100重量部に対して
0.01〜10重量部(例えば、0.01〜5重量
部)、好ましくは0.02〜5重量部、さらに好ましく
は0.03〜2.5重量部程度であり、0.03〜1.
5重量部(例えば、0.1〜1.5重量部)程度であっ
てもホルムアルデヒドの生成を顕著に抑制できる。
【0035】さらに、耐候(光)安定剤(A)と、抑制
剤(B)との割合(重量比)は、例えば、前者(A)/
後者(B)=0.01〜15、さらに好ましくは0.1
〜10、特に0.5〜10(例えば、0.5〜5)程度
の範囲から選択できる。
【0036】このような割合の成分(A)及び(B)の
総量は、通常、ポリアセタール樹脂100重量部に対し
て0.02〜15重量部、好ましくは0.1〜10重量
部、さらに好ましくは0.3〜5重量部、特に0.3〜
3重量部(例えば、0.5〜3重量部)程度である。
【0037】前記抑制剤は、それ単独であってもポリア
セタール樹脂に対して顕著な安定性を付与できるが、酸
化防止剤、窒素含有化合物(特に、塩基性窒素含有化合
物)、アルカリ又はアルカリ土類金属(特に、有機カル
ボン酸金属塩、金属酸化物、金属炭酸塩)などを一種又
は二種以上組み合わせて使用してもよい。
【0038】酸化防止剤には、例えば、フェノール系
(ヒンダードフェノール類など)、アミン系、リン系、
イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤など
が含まれる。
【0039】フェノール系酸化防止剤には、ヒンダード
フェノール類、例えば、2,2′−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチ
レンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,
4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾー
ル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビ
ス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、n−オクタデシル−3
−(4′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオ
ネート、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−t−ブチルフェノール)プロピオネー
ト、ステアリル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェノール)プロピオネート、ジステアリル
−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホ
スホネート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−
5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフ
ェニルアクリレート、N,N′−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシ
ンムアミド)、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェノール)ブタンなどが含ま
れる。
【0040】アミン系酸化防止剤には、例えば、フェニ
ル−1−ナフチルアミン、フェニル−2−ナフチルアミ
ン、N,N′−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミ
ン、N−フェニル−N′−シクロヘキシル−1,4−フ
ェニレンジアミンなどが含まれる。
【0041】リン系酸化防止剤には、例えば、トリイソ
デシルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリ
スノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシル
ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、
2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)オクチルホスファイト、4,4′−ブチリデンビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジトリデシル
ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
アミルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチ
ルフェニル)ホスファイト、ビス(2−t−ブチルフェ
ニル)フェニルホスファイト、トリス[2−(1,1−
ジメチルプロピル)−フェニル]ホスファイト、トリス
[2,4−(1,1−ジメチルプロピル)−フェニル]
ホスファイト、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)
ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−フェニル
フェニル)ホスファイトなどのホスファイト化合物;ト
リエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブ
チルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフ
ェニルビニルホスフィン、アリルジフェニルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、メチルフェニル−p−ア
ニシルホスフィン、p−アニシルジフェニルホスフィ
ン、p−トリルジフェニルホスフィン、ジ−p−アニシ
ルフェニルホスフィン、ジ−p−トリルフェニルホスフ
ィン、トリ−m−アミノフェニルホスフィン、トリ−
2,4−ジメチルフェニルホスフィン、トリ−2,4,
6―トリメチルフェニルホスフィン、トリ−o−トリル
ホスフィン、トリ−m−トリルホスフィン、トリ−p−
トリルホスフィン、トリ−o―アニシルホスフィン、ト
リ−p−アニシルホスフィン、1,4−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)ブタンなどのホスフィン化合物などが含
まれる。
【0042】ヒドロキノン系酸化防止剤には、例えば、
2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノンなどが含まれ、キ
ノリン系酸化防止剤には、例えば、6−エトキシ−2,
2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどが
含まれ,イオウ系酸化防止剤には、例えば、ジラウリル
チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネ
ートなどが含まれる。
【0043】これらの酸化防止剤は一種又は二種以上併
用することができる。好ましい酸化防止剤には、フェノ
ール系酸化防止剤(特に、ヒンダードフェノール類)な
どが含まれる。ヒンダードフェノール類の中でも、特
に、ポリオール−ポリ[(分岐C3-6 アルキル基及びヒ
ドロキシ基置換フェニル)プロピオネート]、例えば、
1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]などのC2-10アルキレンジオール−ビス[3−
(3,5−ジ−分岐C3-6 アルキル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート];例えば、トリエチレングリ
コール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのジ又は
トリオキシC2-4 アルキレンジオール−ビス[3−
(3,5−ジ−分岐C3-6 アルキル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート];例えば、グリセリントリス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]などのC3-8 アルカントリオー
ル−ビス[3−(3,5−ジ−分岐C3-6 アルキル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート];例えば、ペ
ンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
などのC4-8 アルカンテトラオールテトラキス[3−
(3,5−ジ−分岐C3-6 アルキル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]などが好ましい。
【0044】これらの酸化防止剤は単独で、又は二種以
上使用できる。酸化防止剤の含有量は、例えば、ポリア
セタール樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量
部、好ましくは0.05〜2.5重量部、特に0.1〜
1重量部程度の範囲から選択できる。
【0045】塩基性窒素含有化合物には、低分子化合物
や高分子化合物(窒素含有樹脂)が含まれる。窒素含有
低分子化合物としては、例えば、モノエタノールアミ
ン,ジエタノールアミンなどの脂肪族アミン,芳香族ア
ミン類(o−トルイジン,p−トルイジン,p−フェニ
レンジアミンなどの芳香族第2級アミン又は第3級アミ
ン)、アミド化合物(マロンアミド,イソフタル酸ジア
ミドなどの多価カルボン酸アミド,p−アミノベンズア
ミドなど)、ヒドラジン又はその誘導体(ヒドラジン、
ヒドラゾン、多価カルボン酸ヒドラジドなどのヒドラジ
ドなど)、ポリアミノトリアジン類(グアナミン,アセ
トグアナミン,ベンゾグアナミンなどのグアナミン類又
はそれらの誘導体、メラミン又はその誘導体)、ウラシ
ル又はその誘導体(ウラシル,ウリジンなど)、シトシ
ン又はその誘導体(シトシン,シチジンなど)などが例
示できる。
【0046】窒素含有樹脂としては、例えば、ホルムア
ルデヒドとの反応により生成するアミノ樹脂(グアナミ
ン樹脂,メラミン樹脂,グアニジン樹脂などの縮合樹
脂、フェノール−メラミン樹脂,ベンゾグアナミン−メ
ラミン樹脂,芳香族ポリアミン−メラミン樹脂などの共
縮合樹脂など)、芳香族アミン−ホルムアルデヒド樹脂
(アニリン樹脂など)、ポリアミド樹脂(例えば、ナイ
ロン3,ナイロン6,ナイロン66,ナイロン11,ナ
イロン12,ナイロンMXD6,ナイロン4−6,ナイ
ロン6−10,ナイロン6−11,ナイロン6−12,
ナイロン6−66−610などの単独又は共重合ポリア
ミド、メチロール基やアルコキシメチル基を有する置換
ポリアミドなど)、ポリエステルアミド、ポリアミドイ
ミド、ポリアクリルアミド、ポリアミノチオエーテルな
どが例示できる。
【0047】好ましい窒素含有化合物には、ポリアミノ
トリアジン類(メラミン又はその誘導体)、窒素含有樹
脂(メラミン樹脂などのアミノ樹脂、ポリアミド樹脂な
ど)が含まれる。特にメラミン,アミノ樹脂(メラミン
樹脂など),ポリアミド樹脂が好ましく、アミノ樹脂、
なかでも架橋アミノ樹脂が好ましい。さらには、メラミ
ン樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂)、特に架橋
メラミン樹脂が好ましい。
【0048】これらの窒素含有化合物は単独で又は二種
以上使用でき、窒素含有化合物の使用量は、例えば、ポ
リアセタール樹脂100重量部に対して、0.01〜5
重量部、好ましくは0.05〜2.5重量部(特に0.
1〜1重量部)程度の範囲から選択できる。
【0049】アルカリ又はアルカリ土類金属化合物とし
ては、カルボン酸とアルカリ又はアルカリ土類金属(ナ
トリウム、カルシウム、マンガンなど)との塩(カルボ
ン酸金属塩)、CaO、MgOなどの金属酸化物、Ca
CO3 、MgCO3 などの金属炭酸塩、ホウ酸塩やリン
酸塩などの無機酸塩などが例示できる。
【0050】前記カルボン酸塩を構成するカルボン酸と
しては、炭素数1〜36程度の飽和又は不飽和脂肪族カ
ルボン酸などが使用できる。また、これらの脂肪族カル
ボン酸はヒドロキシル基を有していてもよい。前記飽和
脂肪族カルボン酸としては、酢酸、カプリン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ア
ラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン
酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸、ヒド
ロキシ酪酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシパルミ
チン酸、ヒドロキシステアリン酸、クエン酸などが例示
できる。不飽和脂肪族カルボン酸としては、ウンデシレ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エル
カ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸
などが例示できる。
【0051】前記アルカリ又はアルカリ土類金属化合物
は、単独又は二種以上組合せて使用でき、その割合は、
例えば、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、
0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜5重
量部(特に0.001〜2重量部)程度の範囲から選択
できる。
【0052】前記酸化防止剤、窒素含有化合物及びアル
カリ又はアルカリ土類金属化合物はそれぞれ組み合わせ
て使用してもよい。また、本発明のポリアセタール樹脂
組成物に、さらに着色剤を混合することも可能である。
着色剤としては、各種染料または顔料が使用できる。染
料はソルベント染料が好ましく、アゾ系染料、アントラ
キノン系染料、フタロシアニン系染料、又はナフトキノ
ン系染料などが挙げられる。顔料については、無機顔料
及び有機顔料のいずれも使用できる。無機顔料として
は、チタン系顔料、亜鉛系顔料、カーボンブラック(フ
ァーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブ
ラック、ケッチェンブラックなど)、鉄系顔料、モリブ
デン系顔料、カドミウム系顔料、鉛系顔料、コバルト系
顔料、及びアルミニウム系顔料などが例示でき、有機顔
料としては、アゾ系顔料、アンスラキノン系顔料、フタ
ロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔
料、ペリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサ
ジン系顔料、又はスレン系顔料などが例示できる。上記
のような着色剤は、単独で用いてもよく、また複数の着
色剤を組み合わせて用いてもよい。カーボンブラック又
はチタン白(酸化チタン)などの光遮蔽効果の高い着色
剤を用いると、耐候(光)性を向上できる。
【0053】着色剤の含有量は、例えば、ポリアセター
ル樹脂100重量部に対して、0〜5重量部(例えば、
0.01〜5重量部)、好ましくは0.1〜4重量部、
さらに好ましくは0.3〜3重量部程度である。
【0054】本発明の樹脂組成物に、必要に応じて耐候
(光)性に優れた樹脂、例えば、アクリル系樹脂(ポリ
メチルメタクリレートなどのC1-10アルキル(メタ)ア
クリレートの単独又は共重合体)、アクリル系コアシェ
ルポリマー、ポリカーボネート樹脂などを添加してもよ
い。また、1価又は多価アルコールの脂肪酸エステル
類、多価アルコールのエーテル類などの表面改質剤を添
加することにより、クラックなどの外観不良を抑制でき
る。
【0055】本発明のポリアセタール樹脂組成物には、
必要に応じて各種添加剤、例えば、離型剤、核剤、帯電
防止剤、難燃剤、界面活性剤、各種ポリマー、充填剤な
どを1種又は2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0056】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、粉
粒状混合物や溶融混合物であってもよく、ポリアセター
ル樹脂と、耐候(光)安定剤、及び抑制剤と、必要によ
り他の添加剤とを慣用の方法で混合することにより調製
できる。例えば、各成分を混合して、一軸又は二軸の
押出機により混練して押出してペレットを調製した後、
成形する方法、一旦組成の異なるペレット(マスター
バッチ)を調製し、そのペレットを所定量混合(希釈)
して成形に供し、所定の組成の成形品を得る方法、ポ
リアセタール樹脂のペレットに抑制剤を散布などにより
付着させた後、成形し、所定の組成の成形品を得る方法
などが採用できる。また、成形品に用いられる組成物の
調製において、基体であるポリアセタール樹脂の粉粒体
(例えば、ポリアセタール樹脂の一部又は全部を粉砕し
た粉粒体)と他の成分(尿素誘導体など)を混合して溶
融混練すると、添加物の分散を向上させるのに有利であ
る。
【0057】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、特
に成形後に使用又は保管される環境において必要とされ
る優れた耐候(光)安定性を有し、製品寿命を長くでき
ることに加えて、さらに、その成型加工(特に溶融成型
加工)工程において、ポリアセタール樹脂の酸化又は熱
分解などによるホルムアルデヒドの生成を顕著に抑制で
き、作業環境を改善できる。また、金型への分解物など
の付着(モールドデポジット)、成形品からの分解物の
浸出を顕著に抑制し、ヒートエージング性を大幅に改善
でき、成形加工時の諸問題を改善できる。そのため、本
発明の樹脂組成物は、慣用の成形方法、例えば、射出成
形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、真空成形、発泡
成形、回転成形、ガスインジェクションモールディング
などの方法で、種々の成形品を成形するのに有用であ
る。
【0058】前記ポリアセタール樹脂組成物で構成され
た本発明のポリアセタール樹脂成形品は、尿素又はその
誘導体、あるいはアミジン誘導体を含んでおり、ホルム
アルデヒド発生量が極めて少ない。すなわち、酸化防止
剤などの安定剤を含む従来の前記ポリアセタール樹脂で
構成された成形品は、比較的多量のホルムアルデヒドを
生成し、腐食や変色などの他、生活環境や作業環境を汚
染する。例えば、一般に市販されているポリアセタール
樹脂成形品からのホルムアルデヒド発生量は、乾式(恒
温乾燥雰囲気下)において、表面積1cm2 当たり2〜
5μg程度であり、湿式(恒温湿潤雰囲気下)におい
て、表面積1cm2 当たり3〜6μg程度である。ま
た、成形条件を制御しても、乾式(恒温乾燥雰囲気下)
において表面積1cm2 当たり1.5μg以下、湿式
(恒温湿潤雰囲気下)において、表面積1cm2 当たり
2.5μg以下の成形品を得ることが困難である。
【0059】これに対して、本発明のポリアセタール樹
脂成形品は、乾式において、ホルムアルデヒド発生量が
成形品の表面積1cm2 当たり1.5μg以下(0〜1
μg程度)、好ましくは0〜0.8μg、さらに好まし
くは0〜0.7μg程度であり、通常、0.01〜0.
7μg程度である。また、湿式において、ホルムアルデ
ヒド発生量が成形品の表面積1cm2 当たり2.5μg
以下(0〜2μg程度)、好ましくは0〜1.7μg、
さらに好ましくは0〜1.5μg程度であり、通常、
0.01〜1.5μg程度である。
【0060】本発明のポリアセタール樹脂成形品は、乾
式及び湿式のいずれか一方において、前記ホルムアルデ
ヒド発生量を有していればよく、通常、乾式及び湿式の
双方において、前記ホルムアルデヒド発生量を有してい
る。
【0061】なお、乾式でのホルムアルデヒド発生量
は、次のようにして測定できる。ポリアセタール樹脂成
形品を、必要により切断して表面積を測定した後、その
成形品の適当量(例えば、表面積10〜50cm2 とな
る程度)を密閉容器(容量20ml)に入れ、温度80
℃で24時間放置する。その後、この密閉容器中に水を
5ml注入し、この水溶液のホルマリン量をJIS K
0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定量
し、成形品の表面積当たりのホルムアルデヒド発生量
(μg/cm2 )を求める。
【0062】また、湿式でのホルムアルデヒド発生量
は、次のようにして測定できる。ポリアセタール樹脂成
形品を、必要により切断して表面積を測定した後、その
成形品の適当量(例えば、表面積10〜100cm2
なる程度)を、蒸留水50mlを含む密閉容器(容量1
L)の蓋に吊下げて密閉し、恒温槽内に温度60℃で3
時間放置する。その後、室温で1時間放置し、密閉容器
中の水溶液のホルマリン量をJIS K0102,29
(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、成形品の表
面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/cm2
を求める。
【0063】本発明における前記ホルムアルデヒド発生
量の数値規定は、ポリアセタール樹脂、耐候(光)安定
剤、抑制剤を含む限り、慣用の添加剤(通常の安定剤、
離型剤など)を含有するポリアセタール樹脂組成物の成
形品についてだけでなく、無機充填剤、他のポリマーを
含有する組成物の成形品においても、その成形品の表面
の大部分(例えば、50〜100%)がポリアセタール
樹脂で構成された成形品(例えば、多色成形品や被覆成
形品など)についても適用可能である。
【0064】本発明の成形品は、ホルムアルデヒドが弊
害となるいずれの用途(例えば、自転車部品としてのノ
ブ、レバーなど)にも使用可能であるが、自動車分野や
電気・電子分野の機構部品(能動部品や受動部品な
ど)、建材・配管分野、日用品(生活)・化粧品分野、
及び医用分野(医療・治療分野)の部品・部材として好
適に使用される。
【0065】より具体的には、自動車分野の機構部品と
しては、インナーハンドル、フェーエルトランクオープ
ナー、シートベルトバックル、アシストラップ、各種ス
イッチ、ノブ、レバー、クリップなどの内装部品、メー
ターやコネクターなどの電気系統部品、オーディオ機器
やカーナビゲーション機器などの車載電気・電子部品、
ウインドウレギュレーターのキャリアープレートに代表
される金属と接触する部品、ドアロックアクチェーター
部品、ミラー部品、ワイパーモーターシステム部品、燃
料系統の部品などが例示できる。
【0066】電気・電子分野の機構部品としては、ポリ
アセタール樹脂成形品で構成され、かつ金属接点が多数
存在する機器の部品又は部材[例えば、カセットテープ
レコーダなどのオーディオ機器、VTR(ビデオテープ
レコーダー)、8mmビデオ、ビデオカメラなどのビデ
オ機器、又はコピー機、ファクシミリ、ワードプロセサ
ー、コンピューターなどのOA(オフィスオートメーシ
ョン)機器、更にはモーター、発条などの駆動力で作動
する玩具、電話機、コンピュータなどに付属するキーボ
ードなど]などが例示できる。具体的には、シャーシ
(基盤)、ギヤー、レバー、カム、プーリー、軸受けな
どが挙げられる。さらに、少なくとも一部がポリアセタ
ール樹脂成形品で構成された光及び磁気メディア部品
(例えば、金属薄膜型磁気テープカセット、磁気ディス
クカートリッジ、光磁気ディスクカートリッジなど)、
更に詳しくは、音楽用メタルテープカセット、デジタル
オーディオテープカセット、8mmビデオテープカセッ
ト、フロッピーディスクカートリッジ、ミニディスクカ
ートリッジなどにも適用可能である。光及び磁気メディ
ア部品の具体例としては、テープカセット部品(テープ
カセットの本体、リール、ハブ、ガイド、ローラー、ス
トッパー、リッドなど)、ディスクカートリッジ部品
(ディスクカートリッジの本体(ケース)、シャッタ
ー、クランピングプレートなど)などが挙げられる。
【0067】さらに、本発明のポリアセタール樹脂成形
品は、照明器具、建具、配管、コック、蛇口、トイレ周
辺機器部品などの建材・配管部品、文具、リップクリー
ム・口紅容器、洗浄器、浄水器、スプレーノズル、スプ
レー容器、エアゾール容器、一般的な容器、注射針のホ
ルダーなどの広範な生活関係部品・化粧関係部品・医用
関係部品に好適に使用される。
【0068】
【発明の効果】本発明のポリアセタール樹脂組成物は、
耐候(光)安定剤及び抑制剤を含んでいるので、ポリア
セタール樹脂の耐候(光)安定性、熱安定性(特に成形
加工時の溶融安定性)を大幅に改善できる。また、抑制
剤の少量の添加で、ホルムアルデヒドの発生量を極めて
低レベルに抑制でき、作業環境を大きく改善できるとと
もに、耐候(光)性を大幅に改善できる。さらには、過
酷な条件下であってもホルムアルデヒドの生成を抑制で
き、金型への分解物の付着(モールドデポジット)、成
形品の分解物の浸出や成形品の熱劣化を抑制でき、成形
品の品質や成形性を向上できる。
【0069】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0070】なお、実施例及び比較例において、乾式お
よび湿式での成形品からのホルムアルデヒドの発生量及
び耐候(光)性について、以下のようにして評価した。 [乾式での成形品からのホルムアルデヒド発生量]試験
片(2mm ×2mm ×50mm)10個(総表面積約40c
2 )の樹脂サンプルを密閉容器(容量20ml)に入
れ、温度80℃で24時間、恒温槽内で加熱した後、室
温に空冷し、蒸留水5mlをシリンジにて注入した。こ
の水溶液のホルムアルデヒド量を、JIS K010
2、29.(ホルムアルデヒドの項)に従って定量し、
表面積当たりのホルムアルデヒドガス発生量(μg/c
2 )を算出した。
【0071】[湿式での成形品からのホルムアルデヒド
発生量]平板状成形品(120mm ×120mm ×2mm )から4
辺を切除して得た試験片(100mm ×40mm×2mm ;総表面
積85.6cm2 )を、蒸留水50mlを含むポリエチレン
製瓶(容量1L)の蓋に吊下げて密閉し、恒温槽内に温
度60℃で3時間放置した後、室温で1時間静置する。
ポリエチレン製瓶中の水溶液のホルマリン量をJIS
K0102,29(ホルムアルデヒドの項)に従って定
量し、表面積当たりのホルムアルデヒド発生量(μg/
cm2 )を算出した。
【0072】[耐候(光)性試験]紫外線フェードメー
タ(スガ試験機(株)製 FAL-AU・ H ・ B ・ Em型)を用
いて、下記成形機を用いて、下記条件にて成形した試験
片(長さ70mm×幅40mm×厚さ30mmの平板)にブラックパ
ネル温度83℃で紫外線を1000時間照射し、照射前
後における試験片の色相の変化(ΔE*)を色差計(日
本電色工業(株)製、モデルZ-300A)で評価した。
【0073】成形機 : 東芝(株)製IS80 成形条件 : シリンダー温度:ノズル:200℃, C1:190
℃, C2:180℃,C3:160℃ 射出圧力(ノズル):650kg/cm2 射出速度(ノズル):1.0m/分 金型温度:80℃ 実施例1〜10及び比較例1〜6 ポリアセタール樹脂100重量部に、2種の耐候(光)
安定剤[2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α
−ジメチルベンジル)フェニル]2H−ベンゾトリアゾ
ール0.4重量部、及びビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)セバケート0.2重量部]、
抑制剤として尿素誘導体、酸化防止剤[ペンタエリスリ
トールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.1重量
部、窒素含有化合物及び着色剤を表1に示す割合で混合
した後、二軸押出機により溶融混合し、ペレット状の組
成物を調製した。このペレットを用いて、射出成形機に
より、試験片を成形し、この試験片からのホルムアルデ
ヒド発生量を測定した。結果を表1に示す。
【0074】なお、比較のため、表2に示すように、抑
制剤の尿素誘導体を添加しない例について、上記と同様
にして評価した。実施例および比較例で使用したポリア
セタール樹脂、耐候(光)安定剤、尿素誘導体、酸化防
止剤、窒素含有化合物及び着色剤は以下の通りである。
【0075】1.ポリアセタール樹脂 (a):ポリアセタール樹脂コポリマー(ポリプラスチ
ックス(株)製、「ジュラコン」) 2.耐候(光)安定剤 (b−1):2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス
(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]2H−ベンゾ
トリアゾール (b−2):ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート 3.尿素誘導体 (c−1):アラントイン (c−2):アラントインジヒドロキシアルミニウム
[川研ファインケミカル(株)製] (c−3):ホルム窒素2モル粉〔三井化学(株)製〕 (c−4):クレアチニン (c−5):ホルム窒素3モル粉〔三井化学(株)製〕 4.酸化防止剤 (d−1):ペンタエリスリトールテトラキス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート] (d−2):トリエチレングリコールビス〔3−(3−
t−ブチル−5−メチル−4―ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕 5.窒素含有化合物 (e):メラミン 6.着色剤 (f−1):PL−D 4741N レッド[大日精化
工業(株)製] (f−2):PL−D 7A123N ダークブルー
[大日精化工業(株)製] (f−3):フタロシアニン系青色顔料 (f−4):酸化チタン (f−5):アセチレンブラック
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】表より明らかなように、比較例に比べて、
実施例の樹脂組成物は、ホルムアルデヒドの発生量が極
めて小さいため、作業環境を大きく改善できるととも
に、成形品の品質及び成形性を向上でき、さらに耐候
(光)性を大幅に改善できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 61/24 C08L 61/24

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアセタール樹脂と、耐候(光)安定
    剤と、尿素又はその誘導体及びアミジン誘導体から選択
    される少なくとも1種の抑制剤とを含むポリアセタール
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 耐候(光)安定剤が、ベンゾトリアゾー
    ル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、芳香族ベンゾエ
    ート系化合物、シアノアクリレート系化合物、シュウ酸
    アニリド系化合物、ヒンダードアミン系化合物からなる
    群より選択される少なくとも1種の化合物である請求項
    1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 尿素誘導体が、モノN−置換尿素又は尿
    素縮合体である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 尿素誘導体が、ビウレット、ビウレア、
    及び尿素とアルデヒド化合物との縮合体からなる群より
    選択された少なくとも一種である請求項1記載のポリア
    セタール樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 尿素誘導体が、尿素とC1-6 アルデヒド
    との縮合体である請求項1記載のポリアセタール樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 尿素誘導体が、モノウレイド、又はジウ
    レイドである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 尿素誘導体が、非環状ウレイド又は環状
    ウレイドである請求項1記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 尿素誘導体が、ジカルボン酸のウレイ
    ド、α−オキシ酸のウレイド、β−アルデヒド酸のウレ
    イド、ウレイド酸、アラントイン及びその誘導体からな
    る群より選択される少なくとも1種である請求項1記載
    のポリアセタール樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 尿素誘導体が、モノ又はジウレイドと金
    属との塩である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成
    物。
  10. 【請求項10】 尿素誘導体が、モノ又はジウレイド
    と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表1B族金
    属、周期表2B族金属、周期表3B族金属、周期表4B
    族金属、及び周期表8族金属からなる群より選択される
    少なくとも1種の金属との塩である請求項9記載のポリ
    アセタール樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 尿素誘導体が、アラントイン又はアラ
    ントインと金属との塩である請求項1記載のポリアセタ
    ール樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 尿素誘導体が、アラントインジヒドロ
    キシアルミニウムである請求項1記載のポリアセタール
    樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 アミジン誘導体が、クレアチニン又は
    その誘導体である請求項1記載のポリアセタール樹脂組
    成物。
  14. 【請求項14】 ポリアセタール樹脂100重量部に対
    して、耐候(光)安定剤0.01〜5重量部、抑制剤
    0.01〜10重量部を含む請求項1記載のポリアセタ
    ール樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 さらに、酸化防止剤を含む請求項1記
    載のポリアセタール樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 さらに、着色剤を含む請求項1記載の
    ポリアセタール樹脂組成物。
  17. 【請求項17】 着色剤が、カーボンブラックである請
    求項16記載のポリアセタール樹脂組成物。
  18. 【請求項18】 さらに、窒素含有化合物を含む、請求
    項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  19. 【請求項19】 ポリアセタール樹脂、耐候(光)安定
    剤、及び請求項1記載の抑制剤を混合するポリアセター
    ル樹脂組成物の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項1記載のポリアセタール樹脂組
    成物で構成されたポリアセタール樹脂成形品。
  21. 【請求項21】 (1)温度80℃で24時間密閉空間
    で保存した時、発生ホルムアルデヒド量が成形品の表面
    積1cm2 当たり1.5μg以下、又は(2)温度60
    ℃、飽和湿度の密閉空間で3時間保存した時、発生ホル
    ムアルデヒド量が成形品の表面積1cm2 当たり2.5
    μg以下である請求項20記載のポリアセタール樹脂成
    形品。
  22. 【請求項22】 成形品が、自動車部品、電気・電子部
    品、建材・配管部品、生活・化粧品用部品および医用部
    品から選択される少なくとも1種である請求項20記載
    のポリアセタール樹脂成形品。
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