JPH11335457A - 芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの製造方法

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JPH11335457A
JPH11335457A JP14584198A JP14584198A JPH11335457A JP H11335457 A JPH11335457 A JP H11335457A JP 14584198 A JP14584198 A JP 14584198A JP 14584198 A JP14584198 A JP 14584198A JP H11335457 A JPH11335457 A JP H11335457A
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JP
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aromatic
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aliphatic
dihydroxy compound
stainless steel
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JP14584198A
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Takayasu Fujimori
崇泰 藤森
Osamu Kondo
近藤  治
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学材料に適したポリカーボネート樹脂の優れ
た透明性、耐衝撃性、耐熱性、及び色相を保持しつつ屈
折率と分散特性のバランスが良く、特に色調に優れた芳
香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを提供すること。 【解決手段】反応装置の材質として、ニッケルを少なく
とも10重量%以上、クロムを少なくとも16重量%以
上、モリブデンを少なくとも1.2重量%以上含有する
ステンレス鋼を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性、高い屈
折率および逆分散値、低い光弾性定数を有し、色相に優
れた透明な芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの製
造方法に関する。このポリカーボネート樹脂は、各種レ
ンズ、プリズム、光ディスク基板、光ファイバー等の光
学材料に好適に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールA等の芳香族ジヒドロキ
シ化合物とホスゲンとを酸結合剤の存在下、界面重合さ
せて得られるポリカーボネートは、耐衝撃性等の機械的
特性に優れ、しかも耐熱性、透明性にも優れていること
から、光学材料として各種レンズ、プリズム、光ディス
ク基板などに利用されている。しかしながら、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物としてビスフェノールAだけを用いて
なるポリカーボネートでは、光弾性定数が大きく、溶融
流動性が比較的悪いために成型品の複屈折が大きくな
り、また屈折率は1.58と高いもののアッベ数が30
と低いため、広く光記録材料や光学レンズ等の用途に用
いられるには十分な性能を有していないという欠点があ
る。このようなビスフェノールA−ポリカーボネートの
欠点を解決する目的で、本発明者らは、先に芳香族−脂
肪族共重合ポリカーボネート(特願平8−27626
0)を提案した。この芳香族−脂肪族共重合ポリカーボ
ネートは、優れた耐衝撃性、耐熱性を有し、その上光弾
性定数が小さく、アッベ数が高いことから、広く光学材
料として用いることが可能である。該芳香族−脂肪族共
重合ポリカーボネートは、通常のホスゲン法では製造す
ることが困難であり、エステル交換法として知られる方
法、すなわち芳香族ジヒドロキシ化合物と脂肪族ジヒド
ロキシ化合物、およびジフェニルカーボネートなどの炭
酸ジエステルとを溶融状態でエステル交換反応によって
重縮合させる方法が好適に用いられる。
【0003】しかし、エステル交換反応で該芳香族−脂
肪族共重合ポリカーボネートを製造する際には、200
℃〜300℃の温度に加熱しながら重縮合を行うため
に、高温で長時間の熱履歴を受け色調の悪化等、品質的
に優れたものを得るのが困難であるという欠点を有す
る。特に、スチール製の反応装置を用いると、反応時間
短縮、反応温度低下等の手法を駆使しても色調の悪化は
免れない。このため、この方法により得られる該芳香族
−脂肪族ポリカーボネートを大規模に製造しても優れた
色調を要求される分野に用いることが困難であった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであり、優れた耐衝撃
性、耐熱性と高いアッベ数と低い光弾性定数を有し、色
調に優れた該芳香族−脂肪族ポリカーボネートの製造方
法を提供することを目的としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであ
り、特に、色調に優れた該芳香族−脂肪族共重合ポリカ
ーボネートを得ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、下記式(1)
で表される芳香族ジヒドロキシ化合物と、下記式(2)
で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステ
ルとを溶融重縮合させて芳香族−脂肪族共重合ポリカー
ボネート樹脂を製造するにあたり、反応装置の材質が、
ニッケルを少なくとも10重量%以上、クロムを少なく
とも16重量%以上、モリブデンを少なくとも1.2重
量%以上含有するステンレス鋼である反応装置を使用す
ることにより、色調に優れた芳香族−脂肪族共重合ポリ
カーボネート樹脂を得られることをを見出し本発明に到
達した。
【化4】 (上記式(1)において、Xは
【化5】 であり、ここに、R3 およびR4 はそれぞれ水素原子、
炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基であり、
3 とR4 が結合して環を形成していても良い。R1
2 は、それぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基またはハロゲンであり、R1 とR2 は同じでも異なっ
ていても良い。また、mおよびnは置換基数を表し0〜
4の整数である。)
【化6】 (上式(2)において、R5 、R6 、R7 およびR8
水素原子または炭素数1〜10の1価のアルキル基であ
る。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる芳香族−脂
肪族共重合ポリカーボネート樹脂の製造方法を具体的に
説明する。
【0008】本発明で使用される反応装置は、ニッケル
を少なくとも10重量%以上、クロムを少なくとも16
重量%以上、モリブデンを少なくとも1.2重量%以上
含有するステンレス鋼よりなり、該ステンレス鋼は、炭
素、マンガン、ケイ素、リン、イオウ等の元素を含んで
いても良い。本発明におけるステンレス鋼として、具体
的には、SUS316(ニッケル含有量10〜14重量
%、クロム含有量16〜18重量%、モリブデン含有量
2.0〜3.0重量%)、SUS317L(ニッケル含
有量11〜15重量%、クロム含有量18〜20重量
%、モリブデン含有量3.0〜4.0重量%)、SUS
316L(ニッケル含有量12〜15重量%、クロム含
有量16〜18重量%、モリブデン含有量2.0〜3.
0%)、SUS317J1(ニッケル含有量15〜17
重量%、クロム含有量16〜19重量%、モリブデン含
有量4.0〜6.0重量%)等が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0009】本発明においては、上記物質を表面材料と
した張り合わせ材料または、メッキした材料も含まれ
る。
【0010】なお、本発明における反応装置は重合槽の
みに限定されるものではなく、反応混合物および/また
は反応副生成物および/または原料等、反応に関与する
液体と接触する接液部分全てを含んでいる。具体的に
は、原料溶解槽、重合槽、反応液攪拌翼、還流塔、ポリ
マー抜き出し用ギアポンプおよびこれらを結ぶ配管類等
が例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0011】本発明に関わる芳香族−脂肪族共重合ポリ
カーボネートは、上記式(1)で表される芳香族ジヒド
ロキシ化合物から誘導される構成単位(以下Iと称す
る)と、上記式(2)で表される脂肪族ジヒドロキシ化
合物から誘導される構成単位(以下IIと称する)とか
らなり、ランダム、ブロック、あるいは交互共重合体で
あり、耐衝撃性、耐熱性に優れ、屈折率とアッベ数の物
性バランスに優れた光学材料である。
【0012】本発明においては、このような芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と脂肪族ジヒドロキシ化合物からそれぞ
れ誘導される構成単位のモル比(I/II)が、90/
10〜10/90であることが好ましく、さらに好まし
くは80/20〜20/80が好ましい。すなわち、芳
香族ジヒドロキシ化合物と脂肪族ジヒドロキシ化合物か
ら誘導される構成単位のモル比(I/II)が10/9
0より低いと耐熱性に劣るものとなり、90/10より
高いと光弾性定数、吸水率などが高くなり、さらに屈折
率とアッベ数のバランスが悪くなり光学材料としては好
ましくない。
【0013】本発明では、炭酸ジエステルとしては、ジ
フェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジ
シクロヘキシルカーボネート等が用いられる。これらの
中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジフェ
ニルカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物と脂肪
族ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して0.97〜
1.2モルの量で用いられることが好ましく、特に好ま
しくは0.99〜1.10モルの量である。
【0014】本発明に関わる芳香族−脂肪族共重合ポリ
カーボネートの重量平均分子量は30,000〜20
0,000であることが好ましく、さらに好ましくは5
0,000〜120,000である。
【0015】該芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネート
樹脂は、溶融重縮合法により製造される。すなわち、下
記式(1)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物、下記
式(2)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物、炭酸ジ
エステル及び触媒を用いて、加熱下に常圧または減圧下
に副生物を除去しながら溶融重縮合を行うものである。
反応は一般には二段階以上の多段工程で実施される。
【0016】具体的には、第一段目の反応を120〜260
℃、好ましくは180〜240℃の温度で0〜5時間、好ましく
は0.5〜3時間反応させる。次いで反応系の減圧度を上げ
ながら反応度を高めて、最終的には1mmHg以下の減圧
下、200〜300℃の温度で重縮合反応を行う。また、上記
の反応を行うに際して用いられる反応装置は、槽型であ
っても押出機型であっても良い。
【0017】重合触媒としては、塩基性化合物が用いら
れる。このような塩基性化合物としては、特にアルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物な
どが挙げられ、これらの化合物は単独または組み合わせ
て用いることができる。
【0018】このようなアルカリ金属化合物としては、
アルカリ金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸化
物、水素化物、アルコラート等が用いられ、具体的に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウ
ム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸
セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリ
ウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリ
ウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香
酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウ
ム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェ
ニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フ
ェニルリン酸2リチウム、ビスフェノールAの2ナトリウ
ム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェ
ノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチ
ウム塩等が用いられる。
【0019】また、アルカリ土類金属化合物としては、
アルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸
化物、水素化物、アルコラート等が用いられ、具体的に
は、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、
炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ス
トロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢
酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等
が用いられる。
【0020】含窒素化合物としては、4級アンモニウム
ヒドロキシド、4級アンモニウム塩類、アミン等が用い
られ、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ
プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアン
モニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウ
ムヒドロキシド、等のアルキル、アリール、アリルアリ
ール基などを有するアンモニウムヒドロキシド類、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルア
ミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、ジメチル
アミン、ジエチルアミン等の2級アミン、メチルアミ
ン、エチルアミン等の1級アミン類、2-メチルイミダゾ
ール、2-フェニルイミダゾール、等のイミダゾール類、
あるいはアンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライ
ド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレー
ト、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート
等の塩基性塩等が用いられる。
【0021】これらの触媒は、上記式(1)で示される
芳香族ジヒドロキシ化合物と上記式(2)で示される脂
肪族ジヒドロキシ化合物との合計1モルに対し、10-9
10-3モルの量で、好ましくは10-7〜10-5モルの量を用い
る。
【0022】上記式(1)で用いられる芳香族ジヒドロ
キシ化合物として、具体的には、ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エ
タン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-
メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3
-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキ
シ-3-ブロモフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、4,4'-ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフ
ェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシフェニルスルフィ
ド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスル
フィド、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキ
シド、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジ
ヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホン等が挙げ
られる。こららの内で、特に2,2-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、すなわちビスフェノールAあるいは
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが好
ましい。
【0023】また、上記式(2)で表される脂肪族ジヒ
ドロキシ化合物として、具体的には、(3,9-ビス(2-ヒ
ドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.
5)ウンデカン)、(3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメ
チルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウ
ンデカン)、(3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジエチル
エチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデ
カン)、(3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジプロピルエ
チル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカ
ン)などが用いられる。好ましくは、(3,9-ビス(2-ヒ
ドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキ
サスピロ(5.5)ウンデカン)が用いられる。好ましく
は、(3,9-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テト
ラオキサスピロ(5.5)ウンデカン)が用いられる。
【0024】さらに、炭酸ジエステルとしては、ジフェ
ニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(ク
ロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネ
ートなどが用いられる。これらのうち、特にジフェニル
カーボネートが好ましい。ジフェニルカーボネートは、
上記芳香族ジヒドロキシ化合物(1)と脂肪族ジヒドロ
キシ化合物(2)の合計1モルに対して、1.01〜1.30モ
ルの量で用いられることが好ましい。
【0025】本発明のポリカーボネート樹脂には、熱安
定性、および加水分解安定性を保持するために、触媒を
除去または失活させることが好ましい。一般的には、公
知の酸性物質の添加によるアルカリ金属あるいはアルカ
リ土類金属等のエステル交換触媒の失活を行う方法が好
適に実施される。これらの物質としては、具体的には、
p-トルエンスルホン酸のごとき芳香族スルホン酸、パ
ラトルエンスルホン酸ブチル等の芳香族スルホン酸エス
テル類、ステアリン酸クロライド、酪酸クロライド、塩
化ベンゾイル、トルエンスルホン酸クロライドのような
有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸のごときアルキル硫酸
塩、塩化ベンジルのごとき有機ハロゲン化物等が好適に
用いられる。
【0026】触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を
0.1〜1mmHgの圧力、200〜300℃の温度で脱揮除去する
工程を設けても良く、このためにはパドル翼、格子翼、
メガネ翼等を備えた横型混練器あるいは薄膜蒸発器が好
適に用いられる。
【0027】なお、本発明に於いて、上記熱安定化剤、
加水分解安定化剤の他に、酸化防止剤、顔料、染料、強
化剤や充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核
剤、可塑剤、流動性改良材、帯電防止剤等を添加するこ
とができる。また、さらに樹脂の特性を改良する目的で
他のポリカーボネート樹脂、或いは熱可塑性樹脂をブレ
ンドして用いることもできる。
【0028】これらの添加剤は、従来から公知の方法で
各成分をポリカーボネート樹脂に混合することができ
る。例えば、各成分をターンブルミキサーやヘンシェル
ミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーで代表
される高速ミキサーで分散混合した後、押出器、バンバ
リーミキサー、ロール等で溶融混練する方法が適宜選択
される。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、耐衝撃性、耐熱性、耐
候性、透明性に優れ、高いアッベ数、低い光弾性定数を
有する色調の優れた芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネ
ートを安価な製造装置を用いて大量に合成することが可
能となり、各種光学レンズ、中でも特に優れた色調を要
求される眼鏡レンズやプリズム、光学ディスク基板、光
ファイバー等幅広い光学透明材料分野に供給することが
可能となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例に従い具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例になんらの制限を受けるも
のではない。なお、物性値は、以下の方法により測定し
た。 (1)重量平均分子量:クロロホルムを溶媒としてGP
C(Shodex System−11、カラム温度4
0℃)によりポリスチレン換算の分子量として測定し
た。 (2)YI(イエローインデックス):ポリマーを直径
45mm、厚さ3mmのディスクにプレス成形し色差計
(東京電色TC−1800MK)により測定した。
【0031】実施例1 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2
2.8g(0.10モル)、3,9-ビス(2-ヒドロキシエ
チル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカ
ン(以下スピログリコールという)30.4g(0.1
0モル)、ジフェニルカーボネート43.3g(0.2
02モル)、炭酸水素ナトリウム6.0×10-7モル
を、SUS316L製の撹拌翼および留出装置を装備し
た300ccセパラブルフラスコに入れ、窒素雰囲気下
180℃に加熱し、30分間撹拌した。その後、減圧度
を150mmHgに調整すると同時に、60℃/hrの
速度で200℃まで昇温を行いエステル交換反応を行っ
た。さらに、フェノールを留去しながら260℃まで昇
温し、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減
圧度を1mmHg以下とした。合計6時間撹拌下で反応
を行い、反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み常圧に
戻し、生成ポリカーボネートを取り出した。この芳香族
−脂肪族共重合ポリカーボネートの物性を表1に示す。
【0032】実施例2 実施例1において、攪拌翼、留出装置、300ccセパ
ラブルフラスコの材質をSUS316に変えた以外は、
実施例1と全く同様な操作を行い、ポリカーボネートを
得た。この芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの物
性を表1に示す。
【0033】比較例1 実施例1において攪拌翼、留出装置、300ccセパラ
ブルフラスコの材質をSUS304に変えた以外は、実
施例1と全く同様な操作を行い、ポリカーボネートを得
た。この芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの物性
を表1に示す。
【0034】比較例2 実施例1において攪拌翼、留出装置、300ccセパラ
ブルフラスコの材質を低炭素鋼に変えた以外は、実施例
1と全く同様な操作を行い、ポリカーボネートを得た。
この芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの物性を表
1に示す。
【0035】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表される芳香族ジヒドロキ
    シ化合物と、下記式(2)で表される脂肪族ジヒドロキ
    シ化合物と、炭酸ジエステルとを溶融重縮合させて芳香
    族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂を製造するにあ
    たり、反応装置の材質が、ニッケルを少なくとも10重
    量%以上、クロムを少なくとも16重量%以上、モリブ
    デンを少なくとも1.2重量%以上含有するステンレス
    鋼である反応装置を使用することを特徴とする芳香族−
    脂肪族共重合ポリカーボネートの製造方法。 【化1】 (上記式(1)において、Xは 【化2】 であり、ここに、R3 およびR4 はそれぞれ水素原子、
    炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基であり、
    3 とR4 が結合して環を形成していても良い。R1
    2 はそれぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基
    またはハロゲンであり、R1 とR2 は同じでも異なって
    いても良い。また、mおよびnは置換基数を表し0〜4
    の整数である。) 【化3】 (上式(2)において、R5 、R6 、R7 およびR8
    それぞれ水素原子または炭素数1〜10の1価のアルキ
    ル基である。)
  2. 【請求項2】上記製造方法において、接液部の材質が請
    求項1記載のステンレス鋼であることを特徴とする芳香
    族−脂肪族共重合ポリカーボネートの製造方法。
  3. 【請求項3】ステンレス鋼が、ニッケルを10〜16重
    量%、クロムを16〜20重量%、モリブデンを1.2
    〜6.0重量%含有するステンレス鋼であることを特徴
    とする請求項1記載の芳香族−脂肪族共重合ポリカーボ
    ネート樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】脂肪族ジヒドロキシ化合物が3,9−ビス
    (2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2.
    4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカ
    ンである請求項1記載の芳香族−脂肪族共重合ポリカー
    ボネートの製造方法。
JP14584198A 1998-05-27 1998-05-27 芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの製造方法 Pending JPH11335457A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014237845A (ja) * 2008-11-28 2014-12-18 三菱化学株式会社 ポリカーボネートの製造方法

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JP2014237845A (ja) * 2008-11-28 2014-12-18 三菱化学株式会社 ポリカーボネートの製造方法

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