JPH11335455A - 芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの製造方法

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JPH11335455A
JPH11335455A JP14428498A JP14428498A JPH11335455A JP H11335455 A JPH11335455 A JP H11335455A JP 14428498 A JP14428498 A JP 14428498A JP 14428498 A JP14428498 A JP 14428498A JP H11335455 A JPH11335455 A JP H11335455A
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JP
Japan
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aromatic
dihydroxy compound
aliphatic
polycarbonate
carbonate
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JP14428498A
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English (en)
Inventor
Takayasu Fujimori
崇泰 藤森
Osamu Kondo
近藤  治
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学材料に適したポリカーボネート樹脂の優れ
た透明性、耐衝撃性、耐熱性、及び色相を保持しつつ屈
折率と分散特性のバランスが良く、特に色調に優れた芳
香族−脂肪族共重合ポリカーボネートを提供すること。 【解決手段】反応装置の材質として、ニッケルを少なく
とも8重量%以上、クロムを少なくとも16重量%以上
含有するステンレス鋼であり、接液部表面が電解研磨さ
れ表面粗度Rmaxが3μm以下であるものを使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性、高い屈
折率および逆分散値、低い光弾性定数を有し、色相に優
れた透明な芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの製
造方法に関する。このポリカーボネート樹脂は、各種レ
ンズ、プリズム、光ディスク基板、光ファイバー等の光
学材料に好適に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールA等の芳香族ジヒドロキ
シ化合物とホスゲンとを酸結合剤の存在下、界面重合さ
せて得られるポリカーボネートは、耐衝撃性等の機械的
特性に優れ、しかも耐熱性、透明性にも優れていること
から、光学材料として各種レンズ、プリズム、光ディス
ク基板などに利用されている。しかしながら、芳香族ジ
ヒドロキシ化合物としてビスフェノールAだけを用いて
なるポリカーボネートでは、光弾性定数が大きく、溶融
流動性が比較的悪いために成型品の複屈折が大きくな
り、また屈折率は1.58と高いもののアッベ数が30
と低いため、広く光記録材料や光学レンズ等の用途に用
いられるには十分な性能を有していないという欠点があ
る。このようなビスフェノールA−ポリカーボネートの
欠点を解決する目的で、本発明者らは、先に芳香族−脂
肪族共重合ポリカーボネート(特願平8−27626
0)を提案した。この芳香族−脂肪族共重合ポリカーボ
ネートは、優れた耐衝撃性、耐熱性を有し、その上光弾
性定数が小さく、アッベ数が高いことから、広く光学材
料として用いることが可能である。該芳香族−脂肪族共
重合ポリカーボネートは、通常のホスゲン法では製造す
ることが困難であり、エステル交換法として知られる方
法、すなわち芳香族ジヒドロキシ化合物と脂肪族ジヒド
ロキシ化合物、およびジフェニルカーボネートなどの炭
酸ジエステルとを溶融状態でエステル交換反応によって
重縮合させる方法が好適に用いられる。
【0003】しかし、エステル交換反応で該芳香族−脂
肪族共重合ポリカーボネートを製造する際には、200
℃〜300℃の温度に加熱しながら重縮合を行うため
に、高温で長時間の熱履歴を受け色調の悪化等、品質的
に優れたものを得るのが困難であるという欠点を有す
る。特に、通常のステンレス鋼製の反応装置を用いる
と、反応時間短縮、反応温度低下等の手法を駆使しても
色調の悪化は免れない。このため、この方法により得ら
れる該芳香族−脂肪族ポリカーボネートを大規模に製造
しても優れた色調を要求される分野に用いることが困難
であった。
【0004】反応器の材質が、生成するポリカーボネー
トの色相に影響を及ぼすことが知られており、例えば、
米国特許4383092号には、反応器の材質としてタ
ンタル、ニッケル又はクロムを用いることが開示されて
いるが、これらの金属は高価であるので、該装置に使用
することは実用的では無い。また、特開平4−7328
号には、ステンレス製反応器の内壁面をバフ研磨するこ
とにより無色透明のポリカーボネートを製造できること
が記載されている。しかし、上記処理を行っても、生成
するポリカーボネートが黄色に着色するという欠点があ
った。また、特開平4−3327号では、反応装置の接
液部にクロムまたはニッケルのメッキを施した材料をし
ようすることを提案し、さらに接液部に電解研磨を施し
たステンレススチール製の反応装置を用いる方法も提案
しているが、色調に優れたものは得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであり、
優れた耐衝撃性、耐熱性と高いアッベ数と低い光弾性定
数を有し、色調に優れた芳香族−脂肪族ポリカーボネー
トの製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、下記式(1)
で表される芳香族ジヒドロキシ化合物と、下記式(2)
で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステ
ルとを溶融重縮合させて芳香族−脂肪族共重合ポリカー
ボネート樹脂を製造するにあたり、反応装置の材質が、
ニッケルを少なくとも8重量%以上、クロムを少なくと
も16重量%以上含有するステンレス鋼であり、該反応
装置の接液部表面が電解研磨処理され表面粗度Rmax
が3μm以下であることにより、色調に優れた芳香族−
脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂を得られることをを
見出し本発明に到達した。
【化4】 (上記式(1)において、Xは
【化5】 であり、ここに、R3およびR4は、それぞれ水素原子、炭
素数1〜10のアルキル基またはフェニル基であり、R3
とR4が結合して環を形成していても良い。R1およびR
2は、それぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基
またはハロゲンであり、R1とR2は同じでも異なっていて
も良い。また、mおよびnは置換基数を表し0〜4の整
数である。)
【化6】 (上式(2)において、R5 、R6 、R7 およびR
8 は、それぞれ水素原子または炭素数1〜10の1価の
アルキル基である。)
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる芳香族−脂
肪族共重合ポリカーボネート樹脂の製造方法を具体的に
説明する。
【0008】本発明で使用される反応装置は、ニッケル
を少なくとも8重量%以上、クロムを少なくとも16重
量%以上含有するステンレス鋼よりなり、該ステンレス
鋼は、炭素、モリブデン、マンガン、ケイ素、リン、イ
オウ、窒素等の元素を含んでいても良い。本発明におけ
るステンレス鋼として、具体的には、SUS304(ニ
ッケル含有量8〜10.5重量%、クロム含有量18〜
20重量%)、SUS304L(ニッケル含有量9〜1
3重量%、クロム含有量18〜20重量%)、SUS3
16(ニッケル含有量10〜14重量%、クロム含有量
16〜18重量%)、SUS316L(ニッケル含有量
12〜15重量%、クロム含有量16〜18重量%)、
SUS309S(ニッケル含有量12〜15重量%、ク
ロム含有量22〜24重量%)、SUS310S(ニッ
ケル含有量19〜22重量%、クロム含有量24〜26
重量%)、SUS314(ニッケル含有量19〜22重
量%、クロム含有量23〜26重量%)が挙げられる。
【0009】なお、本発明における反応装置は重合槽の
みに限定されるものではなく、反応混合物および/また
は反応副生成物および/または原料等、反応に関与する
液体と接触する接液部分全てを含んでいる。具体的に
は、原料溶解槽、重合槽、反応液攪拌翼、還流塔、ポリ
マー抜き出し用ギアポンプおよびこれらを結ぶ配管類等
が例示される。
【0010】本発明において反応装置の接液部表面に施
される電解研磨処理は、電解溶液中で被研磨材料を陽極
として電解し、材料表面の微視的凸部を選択的に溶解す
る方法である。使用する電解溶液としては、リン酸−硫
酸混液、リン酸−硫酸系−クロム酸混液、過塩素酸−無
水酢酸混液、過塩素酸−エタノール混液、リン酸−シュ
ウ酸混液、リン酸−くえん酸混液等が例示されるが、リ
ン酸−硫酸混液、リン酸−硫酸−クロム酸混液が好適に
使用される。
【0011】電解研磨処理条件に特に制限はないが、電
圧は好ましくは1〜50V、より好ましくは3〜20
V、電流密度は好ましくは1〜200A/dm2 、より
好ましくは3〜100A/dm2 、処理温度は好ましく
は10〜150℃、より好ましくは30〜100℃、処
理時間は好ましくは1〜30分、より好ましくは3〜2
0分である。
【0012】本発明の反応装置の表面粗度はRmax
は、3μm以下とし、好ましくは 1μm以下とし、特に
好ましくは0.5μm以下とする。
【0013】電解研磨処理を施す前処理として、バフ研
磨等に例示される機械的な研磨処理を行っても良い。ま
た、後処理として、水洗あるいは酸洗浄あるいはアルカ
リ洗浄あるいはフェノール洗浄および/またはアセトン
洗浄あるいはこれらのうちの2種以上の組み合わせによ
る洗浄が好適に実施される。洗浄は、常温で行っても良
く、常温以上の温度に加熱しながら行っても良い。
【0014】本発明に関わる芳香族−脂肪族共重合ポリ
カーボネートは、上記式(1)で表される芳香族ジヒド
ロキシ化合物から誘導される構成単位(以下、Iと称す
る)と、上記式(2)で表される脂肪族ジヒドロキシ化
合物から誘導される構成単位(以下、IIと称する)と
からなり、ランダム、ブロック、あるいは交互共重合体
であり、耐衝撃性、耐熱性に優れ、屈折率とアッベ数の
物性バランスに優れた光学材料である。
【0015】本発明においては、このような芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と脂肪族ジヒドロキシ化合物からそれぞ
れ誘導される構成単位のモル比(I/II)が、90/
10〜10/90であることが好ましく、さらに好まし
くは80/20〜20/80が好ましい。すなわち、該
芳香族−脂肪族ポリカーボネート中の芳香族ジヒドロキ
シ化合物と脂肪族ジヒドロキシ化合物から誘導される構
成単位のモル比(I/II)が10/90より低いと耐
熱性に劣るものとなり、90/10より高いと光弾性定
数、吸水率などが高くなり、さらに屈折率とアッベ数の
バランスが悪くなり光学材料としては好ましくない。
【0016】本発明では、炭酸ジエステルとしては、ジ
フェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジ
シクロヘキシルカーボネート等が用いられる。これらの
中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジフェ
ニルカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物と脂肪
族ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して0.97〜
1.2モルの量で用いられることが好ましく、特に好ま
しくは0.99〜1.10モルの量である。
【0017】本発明に関わる芳香族−脂肪族共重合ポリ
カーボネートの重量平均分子量は30,000〜20
0,000であることが好ましく、さらに好ましくは5
0,000〜120,000である。
【0018】該芳香族ー脂肪族共重合ポリカーボネート
樹脂は、溶融重縮合法により製造される。すなわち、上
記式(1)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物、上記
式(2)で表される脂肪族ジヒドロキシ化合物、炭酸ジ
エステル及び触媒を用いて、加熱下に常圧または減圧下
に副生物を除去しながら溶融重縮合を行うものである。
反応は一般には二段階以上の多段工程で実施される。
【0019】具体的には、第一段目の反応を120 〜260
℃、好ましくは180 〜240 ℃の温度で0〜5時間、好ま
しくは0.5〜3時間反応させる。次いで反応系の減圧
度を上げながら反応度を高めて、最終的には1mmHg以
下の減圧下、200〜300℃の温度で重縮合反応を行う。ま
た、上記の反応を行うに際して用いられる反応装置は、
槽型であっても押出機型であっても良い。
【0020】重合触媒としては、塩基性化合物が用いら
れる。このような塩基性化合物としては、特にアルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物な
どが挙げられ、これらの化合物は単独あるいは組み合わ
せて用いることができる。
【0021】このようなアルカリ金属化合物としては、
アルカリ金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸化
物、水素化物、アルコラート等が用いられ、具体的に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウ
ム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カ
リウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリ
ン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸
セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリ
ウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素ナトリ
ウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香
酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウ
ム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェ
ニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フ
ェニルリン酸2リチウム、ビスフェノールAの2ナトリウ
ム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェ
ノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチ
ウム塩等が用いられる。
【0022】また、アルカリ土類金属化合物としては、
アルカリ土類金属の有機酸塩、無機酸塩、酸化物、水酸
化物、水素化物、アルコラート等が用いられ、具体的に
は、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、
炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ス
トロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢
酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、
ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等
が用いられる。
【0023】含窒素化合物としては、4級アンモニウム
ヒドロキシド、4級アンモニウム塩類、アミン等が用い
られ、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ
プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアン
モニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウ
ムヒドロキシド、等のアルキル、アリール、アルアリー
ル基などを有するアンモニウムヒドロキシド類、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミ
ン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、ジメチルア
ミン、ジエチルアミン、等の2級アミン、メチルアミ
ン、エチルアミン等の1級アミン類、2-メチルイミダゾ
ール、2-フェニルイミダゾール、等のイミダゾール類、
あるいはアンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハ
イドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライ
ド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレー
ト、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート
等の塩基性塩等が用いられる。
【0024】これらの触媒は、上記式(1)で示される
芳香族ジヒドロキシ化合物と上記式(2)で示される脂
肪族ジヒドロキシ化合物との合計1モルに対し、10-9
10-3モルの量で、好ましくは10-7〜10-5モルの量を用い
る。
【0025】上記式(1)で用いられる芳香族ジヒドロ
キシ化合物として、具体的には、ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エ
タン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-
ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-
メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3
-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキ
シ-3-ブロモフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロ
キシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、4,4'-ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルフ
ェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシフェニルスルフィ
ド、4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスル
フィド、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4'-ジヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホキ
シド、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'-ジ
ヒドロキシ-3,3'-ジメチルジフェニルスルホン等が挙げ
られる。こららの内で、特に2,2-ビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、すなわちビスフェノールAあるいは
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが好
ましい。
【0026】また、上記式(2)で表される脂肪族ジヒ
ドロキシ化合物として、具体的には、(3,9-ビス(2-ヒ
ドロキシエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.
5)ウンデカン)、(3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメ
チルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウ
ンデカン)、(3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジエチル
エチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデ
カン)、(3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジプロピルエ
チル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカ
ン)などが用いられる。好ましくは、(3,9-ビス(2-ヒ
ドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキ
サスピロ(5.5)ウンデカン)が用いられる。好ましく
は、(3,9-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2,4,8,10-テト
ラオキサスピロ(5.5)ウンデカン)が用いられる。
【0027】さらに、炭酸ジエステルとしては、ジフェ
ニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(ク
ロロフェニル)カーボネート、m-クレジルカーボネー
ト、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネー
ト、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネ
ートなどが用いられる。これらのうち、特にジフェニル
カーボネートが好ましい。ジフェニルカーボネートは、
上記芳香族ジヒドロキシ化合物(1) と脂肪族ジヒドロ
キシ化合物(2)の合計1モルに対して、1.01〜1.30モ
ルの量で用いられることが好ましい。
【0028】本発明のポリカーボネート樹脂には、熱安
定性、および加水分解安定性を保持するために、触媒を
除去または失活させることが好ましい。一般的には、公
知の酸性物質の添加によるアルカリ金属あるいはアルカ
リ土類金属等のエステル交換触媒の失活を行う方法が好
適に実施される。これらの物質としては、具体的には、
p-トルエンスルホン酸のごとき芳香族スルホン酸、パ
ラトルエンスルホン酸ブチル等の芳香族スルホン酸エス
テル類、ステアリン酸クロライド、酪酸クロライド、塩
化ベンゾイル、トルエンスルホン酸クロライドのような
有機ハロゲン化物、ジメチル硫酸のごときアルキル硫酸
塩、塩化ベンジルのごとき有機ハロゲン化物等が好適に
用いられる。
【0029】触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を
0.1〜1mmHgの圧力、200〜300℃の温度で脱揮除去する
工程を設けても良く、このためにはパドル翼、格子翼、
メガネ翼等を備えた横型混練器あるいは薄膜蒸発器が好
適に用いられる。
【0030】なお、本発明に於いて、上記熱安定化剤、
加水分解安定化剤の他に、酸化防止剤、顔料、染料、強
化剤や充填剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、結晶核
剤、可塑剤、流動性改良材、帯電防止剤等を添加するこ
とができる。また、さらに樹脂の特性を改良する目的で
他のポリカーボネート樹脂、或いは熱可塑性樹脂をブレ
ンドして用いることもできる。
【0031】これらの添加剤は、従来から公知の方法で
各成分をポリカーボネート樹脂に混合することができ
る。例えば、各成分をターンブルミキサーやヘンシェル
ミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーで代表
される高速ミキサーで分散混合した後、押出器、バンバ
リーミキサー、ロール等で溶融混練する方法が適宜選択
される。
【0032】
【発明の効果】本発明により、色調に優れた芳香族−脂
肪族ポリカーボネートが工業的に得られるようになり、
耐衝撃性、耐熱性等の特性を維持しながら、優れた屈折
率、分散のバランスおよび優れた光弾性定数を有する素
材として各種レンズ、プリズム、光ディスク基板などの
プラスチック光学材料用途に安定して供給できるように
なる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に従い具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例になんらの制限を受けるも
のではない。なお、物性値は、以下の方法により測定し
た。 (1)重量平均分子量:クロロホルムを溶媒としてGP
C(Shodex System−11、カラム温度4
0℃)により、ポリスチレン換算の分子量として測定し
た。 (2)YI(イエローインデックス):ポリマーを直径
45mm、厚さ3mmのディスクにプレス成形し色差計
(東京電色TC−1800MK)により測定した 。(3)表面粗度:マイクロポトグラフィーおよび光波
干渉法により測定した。
【0034】実施例1 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2
2.8g(0.10モル)、3,9-ビス(2-ヒドロキシエ
チル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカ
ン(以下スピログリコールという)30.4g(0.1
0モル)、ジフェニルカーボネート43.3g(0.2
02モル)、炭酸水素ナトリウム6.0×10-7モル
を、電解研磨処理により、表面粗度Rmaxを2μm以
下としたSUS310S製の撹拌翼および留出装置を装
備した300ccセパラブルフラスコに入れ、窒素雰囲
気下180℃に加熱し、30分間撹拌した。その後、減
圧度を150mmHgに調整すると同時に、60℃/h
rの速度で200℃まで昇温を行いエステル交換反応を
行った。さらに、フェノールを留去しながら260℃ま
で昇温し、10分間その温度で保持した後、1時間かけ
て減圧度を1mmHg以下とした。合計6時間撹拌下で
反応を行い、反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み常
圧に戻し、生成ポリカーボネートを取り出した。この芳
香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの物性を表1に示
す。
【0035】実施例2 実施例1において、攪拌翼および留出装置を装備した3
00ccセパラブルフラスコの材質を電解研磨処理によ
り表面粗度Rmaxを0.5μm以下としたSUS31
6Lに変えた以外は、実施例1と全く同様な操作を行
い、ポリカーボネートを得た。この芳香族−脂肪族共重
合ポリカーボネートの物性を表1に示す。
【0036】実施例3 実施例1において、攪拌翼および留出装置を装備した3
00ccセパラブルフラスコの材質を、電解研磨処理に
より表面粗度Rmaxを0.3μm以下としたSUS3
04に変えた以外は、実施例1と全く同様な操作を行
い、ポリカーボネートを得た。この芳香族−脂肪族共重
合ポリカーボネートの物性を表1に示す。
【0037】実施例4 実施例1において、攪拌翼および留出装置を装備した3
00ccセパラブルフラスコの材質を、電解研磨処理に
より表面粗度Rmaxを1.5μm以下としたSUS3
09Sに変えた以外は、実施例1と全く同様な操作を行
い、ポリカーボネートを得た。この芳香族−脂肪族共重
合ポリカーボネートの物性を表1に示す。
【0038】比較例1 実施例1において攪拌翼および留出装置を装備した30
0ccセパラブルフラスコの材質を電解研磨処理してい
ない表面粗度Rmaxが12μm以上であるSUS31
0Sに変えた以外は、実施例1と全く同様な操作を行
い、ポリカーボネートを得た。この芳香族−脂肪族共重
合ポリカーボネートの物性を表1に示す。
【0039】比較例2 実施例1において攪拌翼および留出装置を装備した30
0ccセパラブルフラスコの材質を電解研磨処理してい
ない表面粗度Rmaxが10μm以上であるSUS31
6Lに変えた以外は、実施例1と全く同様な操作を行
い、ポリカーボネートを得た。この芳香族−脂肪族共重
合ポリカーボネートの物性を表1に示す。
【0040】比較例3 実施例1において攪拌翼および留出装置を装備した30
0ccセパラブルフラスコの材質を電解研磨処理してい
ない表面粗度が10μm以上であるSUS304に変え
た以外は、実施例1と全く同様な操作を行い、ポリカー
ボネートを得た。この芳香族−脂肪族共重合ポリカーボ
ネートの物性を表1に示す。
【0041】比較例4 実施例1において攪拌翼および留出装置を装備した30
0ccセパラブルフラスコの材質を電解研磨処理してい
ない表面粗度が12μm以上であるSUS309Sに変
えた以外は、実施例1と全く同様な操作を行い、ポリカ
ーボネートを得た。この芳香族−脂肪族共重合ポリカー
ボネートの物性を表1に示す。
【0042】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1)で表される芳香族ジヒドロキ
    シ化合物と、下記式(2)で表される脂肪族ジヒドロキ
    シ化合物と、炭酸ジエステルとを溶融重縮合させて芳香
    族−脂肪族共重合ポリカーボネート樹脂を製造するにあ
    たり、反応装置の材質が、ニッケルを少なくとも8重量
    %以上、クロムを少なくとも16重量%以上含有するス
    テンレス鋼であり、該反応装置の接液部表面が電解研磨
    処理され表面粗度Rmaxが3μm以下であることを特
    徴とする芳香族−脂肪族共重合ポリカーボネートの製造
    方法。 【化1】 (上記式(1)において、Xは 【化2】 であり、ここに、R3およびR4は、それぞれ水素原子、炭
    素数1〜10のアルキル基またはフェニル基であり、R3
    R4が結合して環を形成していても良い。R1およびR2は、
    それぞれ水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または
    ハロゲンであり、R1とR2は同じでも異なっていても良
    い。また、mおよびnは置換基数を表し0〜4の整数で
    ある。) 【化3】 (上式(2)において、R5 、R6 、R7 およびR8
    それぞれ水素原子または炭素数1〜10の1価のアルキル
    基である。)
  2. 【請求項2】前記脂肪族ジヒドロキシ化合物が3,9−
    ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−
    2.4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウン
    デカンである請求項1記載の芳香族−脂肪族共重合ポリ
    カーボネートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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