JPH11335438A - 新規な炭化水素アルコール、炭化水素エポキシ樹脂およびその製造法 - Google Patents

新規な炭化水素アルコール、炭化水素エポキシ樹脂およびその製造法

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JPH11335438A
JPH11335438A JP14778498A JP14778498A JPH11335438A JP H11335438 A JPH11335438 A JP H11335438A JP 14778498 A JP14778498 A JP 14778498A JP 14778498 A JP14778498 A JP 14778498A JP H11335438 A JPH11335438 A JP H11335438A
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智 森
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文明 押見
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種樹脂原料や添加剤として最適な新規な炭
化水素アルコール、該炭化水素アルコールより誘導され
る、電気特性、耐熱性、耐湿性に優れた炭化水素エポキ
シ樹脂を提供することおよびこれらの樹脂を容易に製造
できる製法を提供すること。 【解決手段】 フェノール類と炭素−炭素二重結合を2
個以上有する不飽和炭化水素とのアルキレーション反応
で得られる特定の炭化水素・フェノール樹脂のヒドロキ
シフェニル基を核水素化して得られる炭化水素アルコー
ル、およびこの炭化水素アルコールを塩基存在下でグリ
シジル化して得られる炭化水素エポキシ樹脂により課題
を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種樹脂原料や添
加剤として最適な新規な炭化水素アルコール、該炭化水
素アルコールより誘導される炭化水素エポキシ樹脂およ
び各樹脂の製法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
飽和炭化水素基を結節基とし水酸基含有飽和環状炭化水
素基を繰り返し単位とする炭化水素アルコールおよび該
炭化水素アルコールから誘導されるエポキシ樹脂に関す
る。また、本発明は、特定のフェノール類と炭素−炭素
二重結合を2個以上有する不飽和炭化水素とのアルキレ
ーション反応で得られる特定の炭化水素・フェノール樹
脂のヒドロキシフェニル基を核水素化することを特徴と
する該炭化水素アルコールの製造方法および該炭化水素
アルコールをグリシジル化することを特徴とする炭化水
素エポキシ樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】分子内に複数の水酸基を有する脂環式多
価アルコールは樹脂原料および樹脂改質成分として種々
の分野で活用されてきた。例えば、ビスフェノール類の
水素化生成物である水素化ビスフェノール類は、脂環式
二価アルコールの一種であるが、ビスフェノール−Aを
水素化して得られる水素化ビスフェノール−Aは、これ
をフタル酸、マレイン酸、アジピン酸等との二塩基酸と
重縮合させると耐熱性、耐湿性を有するポリエステル樹
脂となり、各種材料として実用化されている。
【0003】水素化ビスフェノール−Aをエピクロルヒ
ドリンと反応させた化合物は末端にエポキシ基を有する
脂環式エポキシ樹脂として商品化されており、耐候性が
良い点から屋外用耐候性粉末塗料用原料として重要視さ
れている。また、同エポキシ樹脂は、電気特性に優れた
低粘度エポキシ樹脂として電子産業でも用いられてい
る。他の水素化ビスフェノール類や水素化トリスフェノ
ール類についても同様の用途に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電子産業を中心とした
科学技術の進歩はめざましく、各製品とその原料に対す
る要求性状は益々厳しくなってきており、上述した水素
化ビスフェノール類、水素化トリスフェノール類、これ
ら脂環式アルコール類を原料とするポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂では、耐湿性、耐候性、耐熱性、電気特性
を満足できないという問題が出てきており、これらの問
題を解決しうる新規な脂環式多官能アルコール類および
脂環式多官能エポキシ樹脂の開発が待望されている。例
えば、これら脂環式多価アルコール類から誘導されるエ
ポキシ樹脂は粉体塗料用等に用いられてきたが、耐候
性、耐水性、分散性等が悪く実用上問題が多いことが指
摘されていた。
【0005】本発明者らは、特開平3−66919号公
報や特開平7−17887号公報においてフェノール類
と炭素−炭素二重結合を2個以上含む不飽和炭化水素化
合物を反応させて得られる炭化水素・フェノール樹脂類
を開発し、電子材料用途での使用を提案してきた。該フ
ェノール樹脂は原料の不飽和炭化水素としてブタジエン
やイソプレンなどの鎖状の不飽和炭化水素を用いると溶
解性、反応性、熱安定性に優れ、ジシクロペンタジエン
やテトラヒドロインデンなどの環状の不飽和炭化水素を
用いると、ヒドロキシフェニル基をかさの高い疎水性の
脂環式飽和炭化水素基で結節した構造の炭化水素・フェ
ノール樹脂となるため、これを用いた硬化物は耐湿性、
耐熱性および電気特性に優れている。
【0006】本発明の第1の目的は、フォトレジストを
はじめとする各種工業用品の原料、各種高分子材料の添
加剤としても有用であるエポキシ樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂などの各
種樹脂原料や添加剤として最適な新規な炭化水素アルコ
ールを提供することであり、本発明の第2の目的は、該
炭化水素アルコールより誘導される、電気特性、耐熱
性、耐湿性に優れ、プリント配線板、電子部品封止材、
塗料、各種シーリング材の原料として有用である炭化水
素エポキシ樹脂を提供することであり、本発明の第3の
目的は、これらの樹脂を容易に製造できる製法を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した従
来の脂環式多価アルコールが持つ欠点を解消した炭化水
素アルコールを開発すべく鋭意検討した結果、該炭化水
素・フェノール樹脂を金属触媒存在下で接触水素化する
と、耐湿性、耐熱性、耐候性を改善できるエポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂の原料として有望な新規の炭化水
素アルコールとなることを見出し本発明に至った。
【0008】すなわち、本発明の請求項1の発明は、一
般式(1)
【化9】 hc−(R1 −hc)n−R1 −hc (式中、hcは炭素数6〜16の水酸基含有飽和環状炭
化水素基を示す。なお、hc中の水酸基は1〜3個であ
り、飽和環状炭化水素基に直接結合する。R1 は炭素数
4〜25の飽和炭化水素基である。なお、R1 に結節す
る2個のhcはR1 中の同一の炭素には結合しない。n
は0または1〜30の整数である。)で表される炭化水
素アルコールに関する。
【0009】本発明の請求項2の発明は、一般式(2)
【化10】 hc−(R2 −hc)n−R2 −hc (式中、hcは炭素数6〜16の水酸基含有飽和環状炭
化水素基を示す。なおhc中の水酸基は1〜3個であ
り、環状飽和炭化水素基に直接結合する。R2 は炭素数
5〜25の飽和多環炭化水素基である。なお、R2 に結
節する2個のhcはR2 中の同一の炭素には結合しな
い。nは0または1〜30の整数である。)で表される
炭化水素アルコールに関する。
【0010】本発明の請求項3の発明は、一般式(3)
【化11】 hp−(R1 −hp)n−R1 −hp (式中、hpは炭素数6〜16のポリヒドロキシフェニ
ル基を示す。なお、hp中の水酸基はフェノール性水酸
基であり、hpに1〜3個結合する。フェノール性水酸
基は1〜3個である。R1 は炭素数4〜25の炭化水素
基である。なお、R1 に結節する2個のhpはR1 中の
同一の炭素には結合しない。nは0または1〜30の整
数である。)で表される炭化水素・フェノール樹脂を、
金属触媒存在下、水素化することを特徴とする請求項1
記載の炭化水素アルコールの製造方法に関する。
【0011】本発明の請求項4の発明は、一般式(4)
【化12】 hp−(R2 −hp)n−R2 −hp (式中、hpは炭素数6〜16のポリヒドロキシフェニ
ル基を示す。なお、hp中のフェノール性水酸基は1〜
3個である。R2 は炭素数5〜25の多環炭化水素基で
ある。なお、R2 に結節する2個のhpはR2 中の同一
の炭素には結合しない。nは0または1〜30の整数で
ある。)で表される炭化水素・フェノール樹脂を、金属
触媒存在下、水素化することを特徴とする請求項2記載
の炭化水素アルコールの製造方法に関する。
【0012】本発明の請求項5の発明は、一般式(5)
【化13】 gc−(R1 −gc)n−R1 −gc (式中、gcは炭素数6〜16のX−O−基含有飽和環
状炭化水素基を示す。なお、Xはグリシジル基を示し、
gc中のX−O−基は1〜3個であり、飽和環状炭化水
素基に直接結合する。R1 は炭素数4〜25の飽和炭化
水素基である。なお、R1 に結節する2個のgcはR1
中の同一の炭素には結合しない。nは0または1〜30
の整数である。)で表される炭化水素エポキシ樹脂に関
する。
【0013】本発明の請求項6の発明は、一般式(6)
【化14】 gc−(R2 −gc)n−R2 −gc (式中、gcは炭素数6〜16のX−O−基含有飽和環
状炭化水素基を示す。なお、Xはグリシジル基を示し、
gc中のX−O−基は1〜3個であり、飽和環状炭化水
素基に直接結合する。R2 は、炭素数5〜25の飽和多
環炭化水素基である。なお、R2 に結節する2個のgc
はR2 中の同一の炭素には結合しない。nは0または1
〜30の整数である。)で表される炭化水素エポキシ樹
脂に関する。
【0014】本発明の請求項7の発明は、前記一般式
(1)
【化15】 hc−(R1 −hc)n−R1 −hc (式中、hcは炭素数6〜16の水酸基含有飽和環状炭
化水素基を示す。なお、hc中の水酸基は1〜3個であ
り、飽和環状炭化水素基に直接結合する。R1 は炭素数
4〜25の飽和炭化水素基である。なお、R1 に結節す
る2個のhcはR1 中の同一の炭素には結合しない。n
は0または1〜30の整数である。)で表される炭化水
素アルコールとエピハロヒドリンを塩基存在下で反応さ
せることを特徴とする請求項5記載の炭化水素エポキシ
樹脂の製造方法に関する。
【0015】本発明の請求項8の発明は、前記一般式
(2)
【化16】 hc−(R2−hc)n−R2−hc (式中、hcは炭素数6〜16の水酸基含有飽和環状炭
化水素基を示す。なおhc中の水酸基は1〜3個であ
り、飽和環状炭化水素基に直接結合する。R2 は炭素数
5〜25の飽和多環炭化水素基である。なお、R2 に結
節する2個のgcはR2 中の同一の炭素には結合しな
い。nは0または1〜30の整数である。)で表される
炭化水素アルコールとエピハロヒドリンを塩基存在下で
反応させることを特徴とする請求項6記載の炭化水素エ
ポキシ樹脂の製造方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に説明する。本
発明で得られる炭化水素アルコールは、水酸基含有飽和
環状炭化水素基を飽和炭化水素基で結節した構造を有す
る脂環式多価アルコールであり、従来の水素化ビスフェ
ノールに比べ、耐候性、耐湿性、耐熱性、電気特性等の
特性に優れ、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂原料とし
て有用である。この理由は、従来の脂環式多価アルコー
ルは原料のフェノール樹脂がいずれもケトン類、アルデ
ヒド類を結合剤として製造されているため、これを水素
化して得られる脂環式多価アルコールは、ヒドロキシア
ルカン骨格が同一の炭素に結合した1、1―ビスヒドロ
キシアルカン構造であるのに対して、本発明の炭化水素
アルコールは、ヒドロキシアルカン骨格が異なる炭素に
結合しているため、熱安定性、耐酸化性に優れているた
めである。本発明の炭化水素アルコールは結節基が鎖状
の炭化水素基の場合、従来の脂環式多価アルコール以上
に低粘度、低吸湿性という特徴を有する。一方、結節基
が多環飽和炭化水素の場合、これを原料とする硬化物は
ガラス転移温度が高く、耐熱性、耐湿性、電気特性に優
れるという特徴を有している。該炭化水素アルコールか
ら誘導される炭化水素エポキシ樹脂も従来の脂環式エポ
キシ樹脂にない同様の特徴を有している。これらの炭化
水素アルコールおよびこれから誘導されるエポキシ樹脂
の具体例としては次の式(7)〜式(9)で表される化
合物が挙げられる。なお各式中Aが水素の場合が炭化水
素アルコールで、Aがグリシジル基の場合が炭化水素エ
ポキシ樹脂である。
【0017】
【化17】
【0018】
【化18】
【0019】
【化19】
【0020】本発明の炭化水素アルコールは、炭化水素
・フェノール樹脂を核水素化反応することにより製造す
る。原料の炭化水素・フェノール樹脂は以下の方法で製
造できる。すなわち、酸触媒の存在下にて、フェノール
性水酸基を1〜3個有する炭素数6〜16のフェノール
類と炭素−炭素二重結合を2個以上有する炭素数4〜2
5の不飽和炭化水素を反応させることで製造する。
【0021】該不飽和炭化水素としては、イソプレン、
ブタジエン、ピペリレン、ヘキサジエン、オクタトリエ
ンなどの炭素数4〜25の非環状ポリエン類、シクロペ
ンタジエン、メチルシクロペンタジエン、シクロヘキサ
ジエン、シクロオクタジエン、リモネン、ピネン、ビニ
ルシクロヘキセン、ビニルノルボルネン、テトラヒドロ
インデン、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペン
タジエンなどの炭素数5〜25の脂環式不飽和炭化水
素、ジビニルベンゼンなどの芳香族ジエン類およびこれ
らの不飽和炭化水素のディールス・アルダー反応生成物
を挙げることができる。使用に際しては単独若しくは混
合物として用いることができる。
【0022】これらの化合物の多くは、いずれもEPD
M(エチレン・プロピレン・ジエン・メチレンゴム)の
第三成分である5−エチリデンノルボルネンの製造プラ
ントにおける原料、中間原料または副生物で、工業的に
安価に入手することができる。
【0023】炭化水素・フェノール樹脂として、結節基
として環状炭化水素基を希望する場合は、通常、原料の
不飽和炭化水素は通常、環状の炭化水素を用いるが、オ
クタトリエンなどの非環状の不飽和炭化水素を用いても
アルキル化反応とともに環化反応が起こり所望の環状炭
化水素・フェノール樹脂を製造することができる。
【0024】該フェノール類としては、例えばフェノー
ル、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p
−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、m
−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−
sec−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェ
ノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−クロロフ
ェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノー
ル、p−ブロモフェノール、α−ナフトール、β−ナフ
トール等の一価フェノール類;レゾルシン、カテコー
ル、ハイドロキノン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、1,1’−ビス(ジヒドロキシフ
ェニル)メタン、1,1’−ビス(ジヒドロキシナフチ
ル)メタン、テトラメチルビフェノール、ビフェノール
等の二価フェノール類;トリスヒドロキシフェニルメタ
ン等の三価フェノール類及びこれらの混合物等を好まし
く挙げることができる。特にフェノール、o−クレゾー
ル、m−クレゾール、α−ナフトール、β−ナフトール
及び2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン等は経済性及び製造の容易さの点から望ましい。
【0025】該フェノール類と該炭化水素との仕込み割
合は、該フェノール類を該炭化水素に対して通常0.8
〜12倍モル当量、好ましくは1〜8倍モル当量用いる
ことが望ましい。該フェノール類の仕込み割合が0.8
倍モル当量未満の場合には、該炭化水素の単独重合が併
発し、12倍モル当量を超える場合には、未反応のフェ
ノール類の回収が困難となるので好ましくない。
【0026】該フェノール類と該炭化水素とを反応させ
る際に用いる酸触媒としては、三フッ化ホウ素;三フッ
化ホウ素のエーテル錯体、水錯体、アミン錯体、フェノ
ール錯体またはアルコール錯体等の三フッ化ホウ素錯
体;三塩化アルミニウム、ジエチルアルミニウムモノク
ロリド等のアルミニウム化合物;塩化鉄;四塩化チタ
ン;硫酸;フッ化水素;トリフルオロメタンスルホン酸
等を好ましく使用することができ、特に活性と触媒の除
去の容易さの点から三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素錯
体が好ましく、さらには三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ
素・フェノール錯体が最も好ましい。
【0027】該酸触媒の使用量は特に限定されるもので
はなく、使用する触媒により適宜選択することができる
が、例えば三フッ化ホウ素・フェノール錯体の場合は、
炭化水素100重量部に対して0.1〜20重量部、好
ましくは0.5〜10重量部とするのが好ましい。
【0028】該フェノール類と該炭化水素との反応は、
溶剤を使用しても使用しなくても実施することができ、
溶剤を使用しない場合は該フェノール類を該炭化水素に
対して等モル当量以上用いるのが好ましく、特に3〜1
2倍モル当量用いるのが好ましい。溶剤を使用する場
合、該溶剤としては、反応を阻害しない溶剤であれば特
に制限されないが、特に好ましい溶剤としてはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物等が
挙げられる。
【0029】前記反応の反応温度は、使用する酸触媒の
種類により異なるが、例えば三フッ化ホウ素・フェノー
ル錯体を使用した場合は、通常20〜170℃、好まし
くは50〜150℃である。反応温度が170℃を超え
る場合には、触媒の分解又は副反応が生じ、また20℃
未満の場合には、反応に長時間を要し、経済的に不利で
あるので好ましくない。
【0030】また前記反応において、反応を円滑に進行
させるためには、系内の水分をできるだけ少なくするの
が好ましく、特に100重量ppm以下に保つことが好
ましい。更に前記反応においては、前記炭化水素を逐次
的に添加しながら重合を行うのが、前記炭化水素の単独
重合の防止、並びに反応熱制御の点で好ましい。
【0031】本製造方法においては、前記反応終了後、
触媒の失活を行う。失活の手段は特に制限されないが、
最終的に得られる樹脂中のホウ素、フッ素等のイオン性
不純物の残存量が100ppm以下となるような手段を
用いるのが合成上好ましい。この目的のために用いる試
薬としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属もしくは
それらの酸化物、水酸化物、炭酸塩、水酸化アンモン、
アンモニアガス等無機塩基類等を用いることもできる
が、処理が簡潔で速く、かつ処理後のイオン性不純物の
残存量も少ないハイドロタルサイト類を用いるのが好ま
しい。本製法においては、ハイドロタルサイト類等で酸
触媒を失活および吸着した後、酸触媒を吸着したハイド
ロタルサイト類等をろ過除去して、触媒残差を全く含ま
ない反応液を回収し、次いで反応液を蒸留濃縮すること
により高純度の炭化水素・フェノール樹脂を得ることが
できる。
【0032】次に、本発明の炭化水素アルコールの製造
方法について詳細に説明する。前述の炭化水素・フェノ
ール樹脂を溶媒に希釈し、金属触媒を用いて接触水素化
することにより炭化水素アルコールを製造することがで
きる。まず前述のフェノール樹脂類を溶媒に希釈する。
希釈に用いる溶媒は特に限定されるものではないが、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノ
ール等の低級アルコールが適しており、中でもイソプロ
パノール、イソブタノールを用いた場合、活性が高く好
ましい。溶媒の使用量にも特に限定はないが、通常原料
の該フェノール樹脂に対して1〜2重量倍の範囲で選択
される。水素化反応は、希釈溶液中で金属触媒と炭化水
素・フェノール樹脂を接触させて行う。
【0033】用いる金属触媒は特に制限されるものでは
なく、反応時間や条件に応じて適宜選択でき、例えば、
ニッケル系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触
媒、ロジウム系触媒などを好ましく挙げることができ
る。中でも比較的安価で入手しやすく、反応活性の高い
ラネーニッケル系触媒を用いるのが特に好ましい。ま
た、ラネーニッケルは単独で用いてもよいが、活性を高
めるためにアルカリ土類金属水酸化物等の共触媒化合物
を適宜添加してもよい。
【0034】本発明におけるラネーニッケルの使用量は
原料のフェノール樹脂に対して0.5〜10重量%、好
ましくは1〜5重量%の範囲で用いるのが良いが、これ
に限定されるものではなく、反応時間をより短縮しよう
とする場合には、これよりも多量のラネーニッケルを用
いることもできる。反応条件は活性に応じて変更が可能
だが、反応温度としては、80〜220℃、好ましくは
100℃〜200℃の範囲が採用され、水素圧は2〜3
kg/cm2 以上であれば、どのような圧でも構わない
が、好ましくは5〜150kg/cm2 、より好ましく
は40〜60kg/cm2 の範囲で行う。反応は高圧用
オートクレーブ中で、適宜希釈した原料フェノール樹脂
に、所定量のラネーニッケル触媒あるいはパラジウム触
媒と必要に応じてアルカリ土類金属水酸化物を供給し、
オートクレーブ内を水素で置換後加熱撹拌して行う。反
応の進行にしたがって水素圧が低下するので、補給を繰
り返しつつ水素圧が下がらなくなることを確認した後、
加熱撹拌を止めてオートクレーブを冷却する。反応終了
後、反応混合物をろ過して、触媒および触媒残残さのま
ったくない反応液を回収し、溶媒を蒸留濃縮して留去す
ることにより、蒸留残の形で目的とする新規な炭化水素
アルコールを得る。
【0035】濃縮は常圧、減圧、加圧下もしくはこれら
の併用のいずれで行っても良い。濃縮温度は80℃〜3
00℃の範囲で行うのが好ましく、より好ましくは10
℃〜270℃、さらに好ましくは130℃〜250℃の
範囲で行うのが良い。濃縮温度が300℃を超えると樹
脂の分解、脱水反応等を併発する恐れがあるのでこの温
度以下で行うのが好ましい。また、濃縮を円滑にかつ迅
速にすませるため、濃縮系内に窒素もしくは水蒸気を吹
き込んでも良い。
【0036】本発明の炭化水素アルコールは、ポリエス
テル樹脂の原料として使用することができるが、後述の
ようにエポキシ樹脂原料として最適である。また、本発
明の炭化水素アルコールにα、β−酸無水物で半エステ
ル化しカルボン酸基を導入した樹脂は、短波長領域に吸
収がないため、半導体レジスト原料として好ましく使用
できる。特に結節基が飽和多環炭化水素骨格である炭化
水素アルコールまたはこのt−ブチルエステル類は、1
90〜300nmで光吸収が無く、しかもドライエッチ
ング耐性が高いため、半導体用レジスト特にArFエキ
シマレーザー用レジスト原料として最適である。
【0037】本発明の炭化水素エポキシ樹脂は、該炭化
水素アルコールをグリシジル化することにより得ること
ができ、該グリシジル化反応は脂環式アルコールの場合
と同様な方法を採用することができる。具体的には、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存
在下、通常10〜150℃、好ましくは30〜80℃の
温度で、該炭化水素アルコールを、エピクロルヒドリ
ン、エピブロムヒドリン等のグリシジル化剤と反応させ
たのち、水洗、乾燥することにより得ることができる。
この際グリシジル化剤の使用量は、炭化水素アルコール
に対して好ましくは2〜20倍モル当量、特に好ましく
は3〜7倍モル当量である。また反応の際、減圧下に
て、グリシジル化剤との共沸蒸留により水を留去するこ
とによって反応をより速く進行させることができる。ま
た本発明の炭化水素エポキシ樹脂を電子分野で使用する
場合、前記エポキシ樹脂において、副生する塩化ナトリ
ウムは、水洗工程で完全に除去しておかなければならな
い。この際グリシジル化剤を蒸留により回収して反応溶
液を濃縮した後、該濃縮物を溶剤に溶解し、水洗しても
よい。該溶剤としては、メチルイソブチルケトン、シク
ロヘキサノン、ベンゼン、ブチルセロソルブ等を好まし
く挙げることができる。該水洗した濃縮物は、水洗後、
加熱濃縮することにより、炭化水素エポキシ樹脂とする
ことができる。
【0038】前記エポキシ樹脂中のエポキシ基の含量
は、通常200〜500g/グラム当量、好ましくは2
50〜450g/グラム当量であるのが望ましい。エポ
キシ基の含量が500g/グラム当量未満の場合には、
架橋密度が低くなりすぎるため好ましくない。
【0039】本発明の炭化水素エポキシ樹脂を用いてエ
ポキシ樹脂組成物として使用する場合の条件について、
以下に詳細に説明する。本発明のエポキシ樹脂組成物
は、(a)前記エポキシ樹脂を含めた硬化性エポキシ樹
脂(以下(a)成分と称す)、(b)フェノール樹脂
(以下(b)成分と称す)、(c)硬化促進剤(以下
(c)成分と称す)を必須成分として含有することを特
徴とする。
【0040】本発明のエポキシ樹脂組成物において
(a)成分として用いる硬化性エポキシ樹脂は前記の新
規炭化水素エポキシに加えて、さらに分子中にエポキシ
基を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する樹脂で
あって、例えばエピクロルヒドリンとビスフェノールA
やノボラック樹脂から合成されるエポキシ樹脂、ジシク
ロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン等のモノまたは
ジエポキシド等の脂環式エポキシ樹脂、テトラメチルビ
スフェノールジグリシジルエーテル、トリグリシジルイ
ソシアヌレート、テトラグリシジルジアミノジフェニル
メタン等の特殊エポキシ樹脂及びこれらのエポキシ樹脂
に塩素原子や臭素原子等のハロゲン原子を導入したエポ
キシ樹脂等を挙げることができ、使用に際しては単独も
しくはこれらのエポキシ樹脂の2種以上の混合物として
用いることができる。また前記(a)成分としては、市
販品を用いることもでき、例えばノボラックエポキシ樹
脂としては、商品名「エピクロンN−660」(大日本
インキ化学工業(株)製)、「スミエポキシESCN−
195X」(住友化学工業(株)製)、「QUATRE
X2410」(ダウケミカル(株)製)、「EOCN−
100」(日本化薬(株)製)、「YDCN−702
P」(東都化成(株)製)、特殊エポキシ樹脂として
は、「YX−4000」(油化シェルエポキシ(株)
製)、「EPICLON EXA−1514」、「EP
ICLONHP−4032」、「EPICLON EX
A−1857」(大日本インキ化学工業(株)製)、
「エピコート157S65」、「エピコートYL93
3」(油化シェルエポキシ(株)製)、「VG−310
1」(三井石油化学(株)製)等が挙げられる。
【0041】本発明のエポキシ樹脂組成物において
(b)成分として用いるフェノール樹脂は特に限定され
るものではないが、好ましくは前記一般式化1で示され
る分子量268〜2000のフェノール樹脂等を挙げる
ことができる。また前記フェノール樹脂は、フェノール
樹脂を単離していない、未反応物やフェノール樹脂以外
の反応物を含むものをそのまま使用することもできる。
【0042】本発明のエポキシ樹脂組成物に使用する
(c)成分の硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノ
ール性水酸基との反応を促進するものであればよく、一
般に半導体封止用に使用される、例えば第三級ホスフィ
ン類、イミダゾール類、第三級アミン類等を用いること
ができる。具体的には、前記第三級ホスフィン類として
は、例えばトリエチルホスフィン、トリブチルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン等を好ましく挙げることが
できる。また前記第三級アミンとしては、例えばジメチ
ルエタノールアミン、ジメチルベンジルアミン、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノ)フェノール、1,8
−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン等を好まし
く挙げることができる。前記イミダゾール類としては、
例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール、2,4−
ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−
ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾー
ル、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、1−プロピ
ル−2−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダ
ゾール、1−シアノエチル−2−エチルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フ
ェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダ
ゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−
フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、
2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミ
ダゾール等を挙げることができる。前記(c)成分とし
て、特に好ましくは2−メチルイミダゾール、ジアザビ
シクロウンデセン(DBU)、トリフェニルホスフィ
ン、ジメチルベンジルアミン又はこれらの混合物等を挙
げることができる。
【0043】本発明のエポキシ樹脂組成物に使用する
(a)〜(c)各成分の配合割合は、(a)成分100
重量部に対し、(b)成分が好ましくは20〜180重
量部、さらに好ましくは30〜120重量部、(c)成
分が好ましくは0.01〜7.0重量部、さらに好まし
くは0.5〜5.0重量部である。本発明の半導体封止
用エポキシ樹脂組成物は、前記(a)〜(c)成分に加
えて、さらに(d)無機充填材(以下(d)成分と称
す)を必須成分として含有することを特徴とする。本発
明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物において、必須成
分として用いる(a)、(b)および(c)成分として
は、前記エポキシ樹脂組成物に挙げた樹脂および化合物
等をいずれも好ましく使用することができる。また
(d)成分として用いる無機充填材としては、一般にシ
リカ粉末充填剤等を好ましく用いることができる。尚、
このシリカ粉末充填剤は溶融させて用いても良い。
【0044】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
に使用する(a)〜(d)各成分の配合割合は、(a)
成分100重量部に対し、(b)成分が好ましくは20
〜180重量部、さらに好ましくは30〜120重量
部、(c)成分が好ましくは0.01〜7.0重量部、
さらに好ましくは0.5〜5.0重量部であり、更に
(d)成分の配合割合は、半導体封止用エポキシ樹脂組
成物全体に対して、好ましくは50〜90重量%、さら
に好ましくは65〜85重量%の範囲である。
【0045】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、前記(a)〜(d)の各成分を必須成分として含有
するが、必要に応じて前記(b)成分以外のフェノール
樹脂等を含有させることもできる。前記(b)成分以外
のフェノール樹脂としては、例えば商品名「タマノール
−758」、「タマノール−759」(荒川化学工業
(株)製)、「ECN−1280」(チバガイギー
(株)社製)等のノボラック型フェノール樹脂、臭素化
ノボラック型フェノール樹脂、ポリビニルフェノール、
臭素化ポリビニルフェノール、テトラブロモビスフェノ
ールA等の多価フェノール化合物等を挙げることができ
る。前記(b)成分以外のフェノール樹脂の使用量は、
前記(b)成分100重量部に対し100重量部以下、
特に50重量部以下とするのが好ましい。前記使用量が
100重量部を超えると耐湿性が悪くなるので好ましく
ない。
【0046】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
には、シランカップリング剤、ブロム化エポキシ樹脂、
三酸化アンチモン、ヘキサブロモベンゼン等の難燃剤、
カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、天然ワック
ス、合成ワックス等の離型剤、シリコンオイル、ゴム等
の低応力添加剤等の種々の添加剤を適宜配合することも
できる。
【0047】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
を用いて成型材料を調製するには、必須成分と、また必
要に応じてその他の添加剤とをミキサー等によって十分
に均一に混合した後、更に熱ロールまたはニーダー等で
溶融混練し、射出あるいは冷却後粉砕するなどして得る
ことができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 [合成例1] 炭化水素・フェノール樹脂(P−1)の合成 フェノール2000gとトルエン400gとを、還流冷
却器及びリービッヒコンデンサーを備えた容量5リット
ルの反応器に仕込み、170℃に加熱して、トルエン3
50gを留出し、反応系内の水分含有量を70ppmと
した。次いで、反応系を70℃まで冷却し、三フッ化ホ
ウ素・フェノール錯体10gを添加した後、反応温度を
70℃に制御しながら、水分含有量が20ppmのジシ
クロペンタジエン400gを1.5時間かけて徐々に滴
下し、滴下終了後、100℃で5時間反応を行った。反
応終了後、得られた反応物にMg0.7 Al0.3 (OH)
2(CO30.15・mH2 O(但し、0.46≦m≦
0.54)で表されるハイドロタルサイト化合物(協和
化学工業社製合成ハイドロタルサイト・商品名「KW−
1000」)30g添加し、30分間攪拌して触媒を失
活させた後、セライトを敷き詰めたろ紙を用いて反応液
をろ過した。得られた反応液を210℃で減圧蒸留を行
い880gのフェノール樹脂を得た。この樹脂中のフェ
ノール残量を測定したところ10ppmであった。
【0049】得られたフェノール樹脂(P−1)は軟化
点が96℃、ガードナー色相13、残存ホウ素5pp
m、フッ素は1ppm以下であった。炭水素分析法によ
る炭素、水素の含有量はそれぞれ、83.0%、7.6
%、酸素定量法による酸素の含有量は9.5%であっ
た。得られた樹脂のFDマススペクトルを測定したとこ
ろ、分子量320、546、771、997、1223
のピークが検出され、式(10)に示した構造の分子で
構成されていることが確認された。フェノール性水酸基
の含有量を、無水酢酸でアセチル化した後、逆滴定によ
り求めたところ、フェノール性水酸基当量は170g/
eqであった。
【0050】1H−NMR分析では、δ 6.5〜7.
5ppmに芳香環に結合したプロトンが、またδ 0.
8〜4.0ppmに脂肪族炭化水素環に由来するプロト
ンがそれぞれ多重線で観測され、炭素−炭素二重結合に
起因するプロトンの吸収は認められなかった。またδ
6.5〜8ppmとδ 0.8〜2.5ppmとのピー
ク面積比よりフェノール性水酸基の含有量を求めたとこ
ろ、滴定による結果と同様にフェノール性水酸基当量は
170g/eqであった。
【0051】また、13C−NMR分析では、フェノール
が二重結合にエーテル付加した場合に生じる158pp
mの炭素のシグナルが観測されないことからフェノール
はいずれもアルキレーションで付加していることがわか
った。
【0052】
【化20】
【0053】炭化水素アルコール(A−1)の水素化 上記の炭化水素・フェノール樹脂(P−1)の水素化を
以下の方法で行った。撹拌器を取り付けたSUS304
製の1lオートクレーブに、実施例1で得られたフェノ
ール樹脂(P−1)170g、イソプロパノール340
g、ラネーニッケル10.0gを仕込み、オートクレー
ブ内を水素で置換した後、180℃に昇温した。続い
て、反応系内温度を180℃に維持しながら、水素圧を
60kg/cm2に昇圧し、40kg/cm2 まで下が
ったら再度昇圧する工程を水素吸収が無くなるまで継続
したところ、8時間後に吸収が終了した。オートクレー
ブを冷却し、反応液をろ過して、触媒および触媒残さを
除去した後、残留反応液を蒸留、濃縮したところ167
gを得た。
【0054】淡水素分析法による炭素、水素の含有量は
それぞれ80.2%、10.8%、酸素定量法による酸
素の含有量は9.3%であった。得られた樹脂のFDマ
ススペクトルを測定したところ分子量332、564、
795、1027、1259のピークが検出された。得
られた誘導体の、水酸基当量を測定したところ179g
/eqであった。また、 1H−NMR分析では、δ
0.8〜4.0ppmに脂肪族炭化水素環に由来するプ
ロトンが多重線で観測されたが、炭素−炭素二重結合に
起因するプロトンの吸収は認められず、δ 6.5〜
7.5ppmの芳香環に結合したプロトンが消失してお
り、水素化が完了したことが確認された。IRによる分
析においてもP−1では3050cm-1付近に見られた
芳香族のC−H伸縮に由来するピークが消失しており、
得られた樹脂が目的とする淡黄色の式(11)に示した
炭化水素アルコール誘導体(A−1)であることを確認
した。
【0055】
【化21】
【0056】炭化水素エポキシ樹脂(E−1)の合成 上記の炭化水素アルコール(A−1)のグリシジル化を
以下の方法で行った。攪拌機、還流冷却器および温度計
付きの2リットル4つ口フラスコに炭化水素アルコール
(A−1)179gとエピクロルヒドリン700gとを
仕込んだ後、溶解、攪拌し、反応系内を150mmHg
の圧力に調製し、68℃に昇温した。この系に濃度48
重量%の水酸化ナトリウム水溶液100gを連続的に添
加しながら3.5時間反応させた。該反応により生成す
る水および水酸化ナトリウム水溶液の水を、水−エピク
ロルヒドリン共沸混合物の還流により分解し、反応系外
へ連続的に除去した。反応終了後、反応系を常圧に戻し
110℃の温度まで昇温して反応系の水を完全に除去し
た。過剰のエピクロルヒドリンを常圧下で蒸留除去し、
さらに15mmHgの減圧下に140℃で蒸留を行なっ
た。
【0057】生成した樹脂および塩化ナトリウムの混合
物に、メチルイソブチルケトン300gおよび10重量
%の水酸化ナトリウム水溶液36gを加え、85℃の温
度で1.5時間反応を行なった。反応終了後、メチルイ
ソブチルケトン750gおよび水300gを加え、下層
の塩化ナトリウム水溶液を分液除去した。次にメチルイ
ソブチルケトン液層に水150gを加えて洗浄し、リン
酸で中和し、水層を分離したのちさらに水800gで洗
浄し水層を分離した。次いで、メチルイソブチルケトン
液層を常圧下で蒸留したのち、5mmHg、140℃で
減圧蒸留を行い、下記式(12)で表される220gの
炭化水素エポキシ樹脂(E−1)を得た。このエポキシ
樹脂のエポキシ当量は250g/当量であった。
【0058】
【化22】
【0059】[合成例2] フェノール樹脂(P−2)の合成 フェノールの代わりにo−クレゾールを2300g用い
た以外は、実施例1と同様に反応、精製を行い、下記式
(13)で表わされるフェノール樹脂(P−2)940
gを得た。
【0060】
【化23】
【0061】得られたフェノール樹脂(P−2)は、軟
化点が89℃、ガードナー色相は11、残存ホウ素は5
ppm、フッ素は1ppm以下であった。炭水素分析法
による炭素、水素の含有量はそれぞれ、83.0%、
8.1%、酸素定量法による酸素の含有量は9.1%で
あった。得られた樹脂のFDマススペクトルを測定した
ところ、分子量348、588、828、1068、1
308のピークが検出され、式(13)に示した構造の
分子で構成されていることが確認された。フェノール性
水酸基当量は180g/eqであった。1H−NMR分
析では、δ 6.5〜7.5ppmに芳香環に結合した
プロトンが、またδ 0.8〜4.0ppmに脂肪族炭
化水素環に由来するプロトンが多重線で観測され、炭素
−炭素二重結合に起因するプロトンの吸収は認められな
かった。またδ 6.5〜8ppmとδ 0.8〜2.
5ppmとのピーク面積比よりフェノール性水酸基の含
有量を求めたところ、滴定による結果と同様にフェノー
ル性水酸基当量は180g/eqであった。
【0062】炭化水素アルコール(A−2)の合成 炭化水素・フェノール樹脂(P−2)180gを用いた
以外は、実施例1と同一の方法で反応を行ったところ、
下式(14)で表される目的とする淡黄色の炭化水素ア
ルコール(A−2)182gを得た。得られた誘導体
の、水酸基当量を測定したところ187g/eqであっ
た。
【0063】
【化24】
【0064】淡水素分析法による炭素、水素の含有量は
それぞれ80.4%、11.0%、酸素定量法による酸
素の含有量は8.6%であった。得られた樹脂のFDマ
ススペクトルを測定したところ分子量360、606、
852、1098、1344のピークが検出された。得
られた誘導体の、水酸基当量を測定したところ186g
/eqであった。また、 1H−NMR分析では、δ
0.8〜4.0ppmに脂肪族炭化水素環に由来するプ
ロトンが多重線で観測されたが、炭素−炭素二重結合に
起因するプロトンの吸収は認められず、δ 6.5〜
7.5ppmの芳香環に結合したプロトンが消失してお
り、水素化が完了したことが確認された。IRによる分
析においても(P−1)では3050cm-1付近に見ら
れた芳香族のC−H伸縮に由来するピークが消失してお
り、得られた樹脂が目的とする淡黄色の炭化水素アルコ
ール誘導体(A−2)であることを確認した。
【0065】炭化水素エポキシ樹脂(E−2)の合成 上記の炭化水素アルコール(A−2)のグリシジル化を
以下の方法で行った。攪拌機、還流冷却器および温度計
付きの2リットル4つ口フラスコに炭化水素アルコール
(A−2)186gとエピクロルヒドリン700gとを
仕込んだ後、溶解、攪拌し、反応系内を150mmHg
の圧力に調製し、68℃に昇温した。この系に濃度48
重量%の水酸化ナトリウム水溶液100gを連続的に添
加しながら3.5時間反応させた。該反応により生成す
る水および水酸化ナトリウム水溶液の水を、水−エピク
ロルヒドリン共沸混合物の還流により分解し、反応系外
へ連続的に除去した。反応終了後、反応系を常圧に戻し
110℃の温度まで昇温して反応系の水を完全に除去し
た。過剰のエピクロルヒドリンを常圧下で蒸留除去し、
さらに15mmHgの減圧下に140℃で蒸留を行なっ
た。
【0066】生成した樹脂および塩化ナトリウムの混合
物に、メチルイソブチルケトン300gおよび10重量
%の水酸化ナトリウム水溶液36gを加え、85℃の温
度で1.5時間反応を行なった。反応終了後、メチルイ
ソブチルケトン750gおよび水300gを加え、下層
の塩化ナトリウム水溶液を分液除去した。次にメチルイ
ソブチルケトン液層に水150gを加えて洗浄し、リン
酸で中和し、水層を分離したのちさらに水800gで洗
浄し水層を分離した。次いで、メチルイソブチルケトン
液層を常圧下で蒸留したのち、5mmHg、140℃で
減圧蒸留を行い、210gの下式(15)で表される炭
化水素エポキシ樹脂(E−2)を得た。このエポキシ樹
脂のエポキシ当量は275g/当量であった。
【0067】
【化25】
【0068】[合成例3] 炭化水素・フェノール樹脂(P−3)の合成 ジシクロペンタジエンの代わりにテトラヒドロインデン
を370g用いた以外は、実施例1と同様に反応、精製
を行い、下式(16)で表わされるフェノール樹脂(P
―3)550gを得た。
【0069】
【化26】
【0070】得られたフェノール樹脂(P−3)は、軟
化点が93℃、ガードナー色相は12、残存ホウ素は5
ppm、フッ素は3ppm以下であった。フェノール性
水酸基当量は183g/eqであった。炭水素分析法に
よる炭素、水素の含有量はそれぞれ、82.2%、7.
9%、酸素定量法による酸素の含有量は9.9%であっ
た。得られた樹脂のFDマススペクトルを測定したとこ
ろ、分子量308、522、734、949のピークが
検出され、式(16)に示した構造の分子で構成されて
いることが確認された。フェノール性水酸基の含有量
を、無水酢酸でアセチル化した後、逆滴定により求めた
ところ、フェノール性水酸基当量は170g/eqであ
った。1H−NMR分析では、δ 6.5〜7.5pp
mに芳香環に結合したプロトンが、またδ 0.8〜
4.0ppmに脂肪族炭化水素環に由来するプロトンが
それぞれ多重線で観測され、炭素−炭素二重結合に起因
するプロトンの吸収は認められなかった。またδ 6.
5〜8ppmとδ 0.8〜2.5ppmとのピーク面
積比よりフェノール性水酸基の含有量を求めたところ、
滴定による結果と同様にフェノール性水酸基当量は18
3g/eqであった。また、13C−NMR分析では、フ
ェノールが二重結合にエーテル付加した場合に生じる1
58ppmの炭素のシグナルが観測され、エーテル化比
率は10%であった。
【0071】炭化水素アルコール(A−3)の合成 フェノール樹脂(P−3)183g、イソプロパノール
400g、ラネーニッケル10.0gを仕込んだ以外は
実施例1と同様に反応を行い、下式(17)で表される
目的とする淡黄色の炭化水素アルコール(A−3)18
9gを得た。
【0072】
【化27】
【0073】淡水素分析法による炭素、水素の含有量は
それぞれ79.3%、11.2%、酸素定量法による酸
素の含有量は9.6%であった。得られた樹脂のFDマ
ススペクトルを測定したところ分子量320、540、
760、980、のピークが検出された。得られた誘導
体の、水酸基当量を測定したところ188g/eqであ
った。また、 1H−NMR分析では、δ 0.8〜4.
0ppmに脂肪族炭化水素環に由来するプロトンが多重
線で観測されたが、炭素−炭素二重結合に起因するプロ
トンの吸収は認められず、δ 6.5〜7.5ppmの
芳香環に結合したプロトンが消失しており、水素化が完
了したことが確認された。13C−NMR分析では、環状
の脂肪族炭化水素にエーテル付加した場合に生じる68
ppmの炭素のシグナルが観測され、エーテル化比率は
10%であった。IRによる分析においてもP−1では
3050cm-1付近に見られた芳香族のC−H伸縮に由
来するピークが消失しており、得られた樹脂が目的とす
る淡黄色の炭化水素アルコール誘導体(A−3)である
ことを確認した。13C−NMR分析では、フェノールが
二重結合にエーテル付加した場合に生じる158ppm
の炭素のシグナルが観測され、エーテル化比率は10%
であった。
【0074】炭化水素エポキシ樹脂(E−3)の合成 上記の炭化水素アルコール(A−3)のグリシジル化を
以下の方法で行った。攪拌機、還流冷却器および温度計
付きの2リットル4つ口フラスコに、炭化水素アルコー
ル(A−3)188gとエピクロルヒドリン700gと
を仕込んだ後、実施例1と同様に反応後、後処理を行
い、260gの下式(18)で表される炭化水素エポキ
シ樹脂(E−3)を得た。このエポキシ樹脂のエポキシ
当量は270g/当量であった。
【0075】
【化28】
【0076】[合成例4] 炭化水素・フェノール樹脂(P−4)の合成 フェノール2000gとトルエン400gとを、還流冷
却器及びリービッヒコンデンサーを備えた容量5リット
ルの反応器に仕込み、170℃に加熱して、トルエン3
50gを留出し、反応系内の水分含有量を70ppmと
した。次いで、反応系を70℃まで冷却し、三フッ化ホ
ウ素・フェノール錯体10gを添加した後、反応温度を
70℃に制御しながら、水分含有量が20ppmのイソ
プレン360gを1.5時間かけて徐々に滴下し、滴下
終了後、100℃で5時間反応を行った。反応終了後、
得られた反応物にMg0.7 Al0.3 (OH)2 (CO
30.15・mH2 O(但し、0.46≦m≦0.54)
で表されるハイドロタルサイト化合物(協和化学工業社
製合成ハイドロタルサイト・商品名「 KW−100
0」)15g添加し、30分間攪拌して触媒を失活させ
た後、セライトを敷き詰めたろ紙を用いて反応液をろ過
した。得られた反応液を200℃で薄膜蒸留を行い、蒸
留留分として400gの液状のフェノール樹脂を得た。
この樹脂中のフェノール残量を測定したところ10pp
mであった。
【0077】得られたフェノール樹脂(P−4)は、残
存ホウ素5ppm、フッ素は3ppm以下であった。1
50℃のおける溶融粘度は0.15poiseであっ
た。フェノール性水酸基当量は155であった。炭水素
分析法による炭素、水素の含有量はそれぞれ、80.7
%、8.9%、酸素定量法による酸素の含有量は10.
5%であった。得られた樹脂のFDマススペクトルを測
定したところ、分子量256、326のピークが検出さ
れ、下式(19)に示した構造の分子で構成されている
ことが確認された。
【0078】
【化29】
【0079】フェノール性水酸基の含有量を、無水酢酸
でアセチル化した後、逆滴定により求めたところ、フェ
ノール性水酸基当量は155g/eqであった。1H−
NMR分析では、δ 6.5〜7.5ppmに芳香環に
結合したプロトンが、またδ 0.8〜4.0ppmに
脂肪族炭化水素環に由来するプロトンがそれぞれ多重線
で観測され、炭素−炭素二重結合に起因するプロトンの
吸収は認められなかった。またδ 6.5〜8ppmと
δ 0.8〜2.5ppmとのピーク面積比よりフェノ
ール性水酸基の含有量を求めたところ、滴定による結果
と同様にフェノール性水酸基当量は155g/eqであ
った。また、13C−NMR分析では、フェノールが二重
結合にエーテル付加した場合に生じる158ppmの炭
素のシグナルが観測されないことからフェノールはいず
れもアルキレーションで付加していることがわかった。
【0080】炭化水素アルコール(A−4)の合成 上記のフェノール樹脂(P−4)155gを用いた以外
は、実施例1と同一の方法で反応を行ったところ、目的
とする淡黄色の炭化水素アルコール(A−4)159g
を得た。
【0081】淡水素分析法による炭素、水素の含有量は
それぞれ、77.7%、12.3%、酸素定量法による
酸素の含有量は10.1%であった。得られた樹脂のF
Dマススペクトルを測定したところ、分子量268、3
38のピークが検出された。得られた誘導体の、水酸基
当量を測定したところ161g/eqであった。また、
1H−NMR分析では、δ 0.8〜4.0ppmに脂
肪族炭化水素環に由来するプロトンが多重線で観測され
たが、炭素−炭素二重結合に起因するプロトンの吸収は
認められず、δ 6.5〜7.5ppmの芳香環に結合
したプロトンが消失しており、水素化が完了したことが
確認された。IRによる分析においてもP−1では30
50cm-1付近に見られた芳香族のC−H伸縮に由来す
るピークが消失しており、得られた樹脂が下式(20)
で示される目的とする淡黄色の炭化水素アルコール誘導
体(A−4)であることを確認した。
【0082】
【化30】
【0083】炭化水素エポキシ樹脂(E−4)の合成 上記の炭化水素アルコール(A−4)のグリシジル化を
以下の方法で行った。攪拌機、還流冷却器および温度計
付きの2リットル4つ口フラスコに、炭化水素アルコー
ル(A−4)161gとエピクロルヒドリン700gと
を仕込んだ後、実施例1と同様に反応後、後処理を行
い、下式(21)で示される220gの炭化水素エポキ
シ樹脂(E−4)を得た。このエポキシ樹脂のエポキシ
当量は245g/当量であった。
【0084】
【化31】
【0085】[合成例5] 炭化水素・フェノール樹脂(P−5)の合成 フェノール2000gとトルエン400gとを、還流冷
却器及びリービッヒコンデンサーを備えた容量5リット
ルの反応器に仕込み、170℃に加熱して、トルエン3
50gを留出し、反応系内の水分含有量を70ppmと
した。次いで、反応系を70℃まで冷却し、三フッ化ホ
ウ素・フェノール錯体10gを添加した後、反応温度を
70℃に制御しながら、水分含有量が20ppmのリモ
ネン410gを1.5時間かけて徐々に滴下し、滴下終
了後、100℃で5時間反応を行った。反応終了後、得
られた反応物にMg0.7 Al0.3 (OH)2 (CO3
0. 15・mH2 O(但し、0.46≦m≦0.54)で表
されるハイドロタルサイト化合物(協和化学工業社製合
成ハイドロタルサイト・商品名「KW−1000」)1
5g添加し、30分間攪拌して触媒を失活させた後、セ
ライトを敷き詰めたろ紙を用いて反応液をろ過した。得
られた反応液を200℃で薄膜蒸留を行い、蒸留留分と
して570gのフェノール樹脂(P―5)を得た。この
樹脂中のフェノール残量を測定したところ10ppmで
あった。
【0086】得られたフェノール樹脂(P−5)は、軟
化点が93℃、ガードナー色相は12、残存ホウ素は5
ppm、フッ素は3ppm以下であった。炭水素分析法
による炭素、水素の含有量はそれぞれ、81.5%、
8.6%、酸素定量法による酸素の含有量は10.0%
であった。得られた樹脂のFDマススペクトルを測定し
たところ、分子量324のピークが検出され、下式(2
2)に示した構造の分子(n=0)で構成されているこ
とが確認された。
【0087】
【化32】
【0088】フェノール性水酸基の含有量を、無水酢酸
でアセチル化した後、逆滴定により求めたところ、フェ
ノール性水酸基当量は161g/eqであった。1H−
NMR分析では、δ 6.5〜7.5ppmに芳香環に
結合したプロトンが、またδ 0.8〜4.0ppmに
脂肪族炭化水素環に由来するプロトンがそれぞれ多重線
で観測され、炭素−炭素二重結合に起因するプロトンの
吸収は認められなかった。またδ 6.5〜8ppmと
δ 0.8〜2.5ppmとのピーク面積比よりフェノ
ール性水酸基の含有量を求めたところ、滴定による結果
と同様にフェノール性水酸基当量は161g/eqであ
った。また、13C−NMR分析では、フェノールが二重
結合にエーテル付加した場合に生じる158ppmの炭
素のシグナルが観測されないことからフェノールはいず
れもアルキレーションで付加していることがわかった。
【0089】炭化水素アルコール(A−5)の合成 上記のフェノール樹脂(P−5)161gを用いた以外
は、実施例1と同一の方法で反応を行ったところ、下式
(23)に示した目的とする淡黄色の炭化水素アルコー
ル(A−5)163gを得た。
【0090】
【化33】
【0091】また、 1H−NMR分析では、δ 6.5
〜7.5ppmの芳香環に結合したプロトンが消失して
おり、水素化が完了したことが確認された。淡水素分析
法による炭素、水素の含有量はそれぞれ78.6%、1
1.9%、酸素定量法による酸素の含有量は9.6%で
あった。得られた樹脂のFDマススペクトルを測定した
ところ、分子量336のピークが検出された。得られた
誘導体の、水酸基当量を測定したところ168g/eq
であった。また、 1H−NMR分析では、δ 0.8〜
4.0ppmに脂肪族炭化水素環に由来するプロトンが
多重線で観測されたが、炭素−炭素二重結合に起因する
プロトンの吸収は認められず、δ 6.5〜7.5pp
mの芳香環に結合したプロトンが消失しており、水素化
が完了したことが確認された。IRによる分析において
もP−1では3050cm-1付近に見られた芳香族のC
−H伸縮に由来するピークが消失しており、得られた樹
脂が目的とする淡黄色の炭化水素アルコール誘導体(A
−1)であることを確認した。
【0092】炭化水素エポキシ樹脂(E−5)の合成 上記の炭化水素アルコール(A−5)のグリシジル化を
以下の方法で行った。攪拌機、還流冷却器および温度計
付きの2リットル4つ口フラスコに、炭化水素アルコー
ル(A−5)168gとエピクロルヒドリン700gと
を仕込んだ後、実施例1と同様に反応後、後処理を行
い、下式(24)で示される210gの炭化水素エポキ
シ樹脂(E−5)を得た。このエポキシ樹脂のエポキシ
当量は250g/当量であった。
【0093】
【化34】
【0094】(実施例1)合成例1で製造したエポキシ
樹脂(E−1)70g、フェノールノボラック樹脂(荒
川化学工業(株)製、商品名「タマノール758」)3
0g、トリフェニルホスフィン0.2g、溶融シリカ粉
末(商品名「ヒュウズレックスRD−8」、龍森(株)
社製)353g及び表1に示す添加剤からなる組成物を
調製し、該組成物を、ニーダーを用いて85℃にて10
分間溶融混練し、冷却後粉砕してエポキシ樹脂成型材料
を得た。得られた成型材料をタブレット化し、該タブレ
ット化した成型材料を低圧トランスファー成型機にて1
75℃、70kg/cm2 、120秒の条件で封止した
後、180℃、5時間の条件で後硬化させた。尚、トラ
ンスファー成型時の離型性は良好であった。得られた硬
化物を用い、半田クラック試験用としては、6×6mm
のチップを52pパッケージに封止し、また半田耐湿試
験用としては6×6mmのチップを16pSOPパッケ
ージに封止してテスト用素子を作製した。封止したテス
ト用素子について下記の半田クラック試験及び半田耐湿
試験を行った。結果を表1に示す。
【0095】(半田クラック試験);封止したテスト用
素子を85℃、85%RHの環境下で48時間および7
2時間処理し、その後280℃の半田槽に10秒間浸漬
後顕微鏡で外部クラックを観察した。 (半田耐湿性平均寿命(時間));封止したテスト用素
子を85℃、85%RHの環境下で48時間および72
時間処理し、その後280℃の半田槽に10秒間浸漬後
プレッシャークッカー試験(125℃、100%RH)
を行い50%の回路のオーブン不良が発生するまでの時
間を測定した。
【0096】(実施例2〜5)エポキシ樹脂(E−1)
の代わりに合成例2〜5で製造したエポキシ樹脂(E−
2)、(E−3)、(E−4)、(E−5)を用いた以
外は実施例1と同様にして成型材料を得、各試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0097】(比較例1)エポキシ樹脂(E−1)をノ
ボラックエポキシ樹脂(商品名「エピクロンN−66
0」、大日本インキ化学工業(株)製)68gに代え、
表1に示す配合割合とした以外は実施例1と同様にして
成型材料を得、試験を行った。結果を表1に示す。
【0098】
【表1】
【0099】(実施例6)合成例1で製造したエポキシ
樹脂(E−1)および表2に示す市販のフェノール樹脂
に、表2に示す硬化促進剤を配合してエポキシ樹脂組成
物を得、ついで表2に示す溶剤を配合して、エポキシ樹
脂ワニス(樹脂成分が60重量%)とした後、該エポキ
シ樹脂ワニス中に、Eガラス布を浸漬した。このワニス
含浸布を160℃の乾燥室中で4分間乾燥させ、Bステ
ージ状のプリプレグを得た。得られたプリプレグを切断
して8枚のプリプレグとし、更に8枚のプリプレグを重
ね合わせ、その両面に厚さ35μmの電解銅箔2枚を重
ねて、40kg/cm2 で加圧しながら175℃で12
0分加圧加熱して積層板とした。得られた硬化積層板の
物性を表2に示す。
【0100】(実施例7〜10)エポキシ樹脂(E−
1)の代わりに、実施例2〜5で製造したフェノール樹
脂(E−2)、(E−3)、(E−4)、(E−5)を
用いた以外は実施例6と同様にして積層板を作成した。
試験結果を表2に示す。
【0101】(比較例2)エポキシ樹脂(E−1)をノ
ボラックエポキシ樹脂(商品名「エピクロンN−66
0」、大日本インキ化学工業(株)製)68gに代え、
表2に示す配合割合とした以外は実施例6と同様にして
積層板を作成した。試験結果を表2に示す。
【0102】
【表2】
【0103】
【発明の効果】本発明の炭化水素アルコールは炭化水素
基を結節基とし、芳香環が水素化された脂環構造を有す
る飽和炭化水素アルコールであり、結節基が鎖状の炭化
水素基の場合、溶解性、反応性、熱安定性に優れ、柔軟
性、耐熱性、耐候性に優れたエポキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂の原
料として最適である。これに対して、結節基が剛直でか
さ高い環状炭化水素基の場合、耐湿性、耐熱性および電
気特性に優れた前記の各樹脂の原料として最適である。
また、これらの樹脂は感光剤をはじめとする各種工業用
品の原料、各種高分子材料の添加剤としても有用であ
る。
【0104】本発明のエポキシ樹脂を使用した組成物
は、半導体封止材用、積層板用およびソルダーレジスト
用エポキシ樹脂組成物として好ましい特性を備えてい
る。例えば、半導体封止材用として使用する場合、得ら
れる硬化物の耐湿性が非常に良好で、またガラス転移点
が高いため耐熱性に優れている。従って硬化物は耐熱性
に優れており、リード線の半田付けの際に半導体パッケ
ージが急激な温度変化を受けても、樹脂成形部にクラッ
クが生じたり、リード線と樹脂との間の界面が劣化した
りすることがまったくなく、更には機械的物性や電気特
性等にも優れている。
【0105】また本発明のエポキシ樹脂を使用した組成
物は、耐熱性、接着性および耐湿性等に優れているの
で、積層板用エポキシ樹脂組成物として用いる場合、遠
赤外線、赤外線、ハンダ付け等による加熱によって生じ
るミーズリング現象や相間剥離が生じることがなく、更
には反りが極めて少なく、寸法安定性、スルーホールの
接着信頼性に優れ、ドリル加工性も良好にすることがで
きる。さらに本発明のエポキシ樹脂を使用した組成物を
用いると、電気特性に優れた積層板を製造できるという
特徴を有する。すなわち高速電子機器用、高周波機器用
プリント基板を製造するためには誘電特性を向上させる
ことが必須であり、誘電特性は使用するエポキシ樹脂の
構造に依存することが知られているが、本発明によるエ
ポキシ樹脂組成物を使用した積層板は、誘電特性が非常
に優れている。
【0106】本発明のエポキシ樹脂を使用した組成物を
ソルダーレジストに用いる場合、密着性、電気絶縁性お
よび耐電触性、はんだ耐熱性、レベラー用水溶性フラッ
クスに対する非白化性、塩化メチレン等の溶剤に対する
優れた耐性、耐酸および耐アルカリ性、耐メッキ性、P
CT性等に優れる。
【0107】本発明の製造法により、上記炭化水素アル
コール、上記炭化水素エポキシ樹脂を容易に製造でき
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 hc−(R1 −hc)n−R1 −hc (式中、hcは炭素数6〜16の水酸基含有飽和環状炭
    化水素基を示す。なお、hc中の水酸基は1〜3個であ
    り、飽和環状炭化水素基に直接結合する。R1 は炭素数
    4〜25の飽和炭化水素基である。なお、R1 に結節す
    る2個のhcはR1 中の同一の炭素には結合しない。n
    は0または1〜30の整数である。)で表される炭化水
    素アルコール。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 hc−(R2 −hc)n−R2 −hc (式中、hcは炭素数6〜16の水酸基含有飽和環状炭
    化水素基を示す。なおhc中の水酸基は1〜3個であ
    り、環状飽和炭化水素基に直接結合する。R2 は炭素数
    5〜25の飽和多環炭化水素基である。なお、R2 に結
    節する2個のhcはR2 中の同一の炭素には結合しな
    い。nは0または1〜30の整数である。)で表される
    炭化水素アルコール。
  3. 【請求項3】 一般式(3) 【化3】 hp−(R1 −hp)n−R1 −hp (式中、hpは炭素数6〜16のポリヒドロキシフェニ
    ル基を示す。なお、hp中の水酸基はフェノール性水酸
    基であり、hpに1〜3個結合する。フェノール性水酸
    基は1〜3個である。R1 は炭素数4〜25の炭化水素
    基である。なお、R1 に結節する2個のhpはR1 中の
    同一の炭素には結合しない。nは0または1〜30の整
    数である。)で表される炭化水素・フェノール樹脂を、
    金属触媒存在下、水素化することを特徴とする請求項1
    記載の炭化水素アルコールの製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(4) 【化4】 hp−(R2 −hp)n−R2 −hp (式中、hpは炭素数6〜16のポリヒドロキシフェニ
    ル基を示す。なお、hp中のフェノール性水酸基は1〜
    3個である。R2 は炭素数5〜25の多環炭化水素基で
    ある。なお、R2 に結節する2個のhpはR2 中の同一
    の炭素には結合しない。nは0または1〜30の整数で
    ある。)で表される炭化水素・フェノール樹脂を、金属
    触媒存在下、水素化することを特徴とする請求項2記載
    の炭化水素アルコールの製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(5) 【化5】 gc−(R1 −gc)n−R1 −gc (式中、gcは炭素数6〜16のX−O−基含有飽和環
    状炭化水素基を示す。なお、Xはグリシジル基を示し、
    gc中のX−O−基は1〜3個であり、飽和環状炭化水
    素基に直接結合する。R1 は炭素数4〜25の飽和炭化
    水素基である。なお、R1 に結節する2個のgcはR1
    中の同一の炭素には結合しない。nは0または1〜30
    の整数である。)で表される炭化水素エポキシ樹脂。
  6. 【請求項6】 一般式(6) 【化6】 gc−(R2 −gc)n−R2 −gc (式中、gcは炭素数6〜16のX−O−基含有飽和環
    状炭化水素基を示す。なお、Xはグリシジル基を示し、
    gc中のX−O−基は1〜3個であり、飽和環状炭化水
    素基に直接結合する。R2 は、炭素数5〜25の飽和多
    環炭化水素基である。なお、R2 に結節する2個のgc
    はR2 中の同一の炭素には結合しない。nは0または1
    〜30の整数である。)で表される炭化水素エポキシ樹
    脂。
  7. 【請求項7】 一般式(1) 【化7】 hc−(R1 −hc)n−R1 −hc (式中、hcは炭素数6〜16の水酸基含有飽和環状炭
    化水素基を示す。なお、hc中の水酸基は1〜3個であ
    り、飽和環状炭化水素基に直接結合する。R1 は炭素数
    4〜25の飽和炭化水素基である。なお、R1 に結節す
    る2個のhcはR1 中の同一の炭素には結合しない。n
    は0または1〜30の整数である。)で表される炭化水
    素アルコールとエピハロヒドリンを塩基存在下で反応さ
    せることを特徴とする請求項5記載の炭化水素エポキシ
    樹脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(2) 【化8】 hc−(R2−hc)n−R2−hc (式中、hcは炭素数6〜16の水酸基含有飽和環状炭
    化水素基を示す。なおhc中の水酸基は1〜3個であ
    り、飽和環状炭化水素基に直接結合する。R2 は炭素数
    5〜25の飽和多環炭化水素基である。なお、R2 に結
    節する2個のgcはR2 中の同一の炭素には結合しな
    い。nは0または1〜30の整数である。)で表される
    炭化水素アルコールとエピハロヒドリンを塩基存在下で
    反応させることを特徴とする請求項6記載の炭化水素エ
    ポキシ樹脂の製造方法。
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JP3118494B2 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤及びエポキシ樹脂組成物

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