JPH1133505A - 洗浄方法 - Google Patents
洗浄方法Info
- Publication number
- JPH1133505A JPH1133505A JP19351497A JP19351497A JPH1133505A JP H1133505 A JPH1133505 A JP H1133505A JP 19351497 A JP19351497 A JP 19351497A JP 19351497 A JP19351497 A JP 19351497A JP H1133505 A JPH1133505 A JP H1133505A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- water
- cloud point
- surfactant
- separation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
- Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 油脂類の洗浄に優れ、排水処理性を向上させ
た洗浄を行う。 【解決手段】 曇点が20℃以上80℃未満であり、静
置により界面活性剤成分が分離する分離温度が100℃
未満である非イオン性界面活性剤を成分とした水系洗浄
剤を用いて洗浄するのに際し、曇点以上であり、且つ分
離温度未満に設定した水系洗浄剤により、油脂類が付着
した被洗浄物品を洗浄した後、水によりすすぎ洗いする
工程と、このすすぎ洗いに用いた水の一部又は全部を分
離温度以上に加熱して界面活性剤成分を分離除去した
後、排水処理を行う工程とを行う。曇点以上の温度のた
め、油脂類の溶解力が増大する。分解温度以上で界面活
性剤を分離するため、排液のCCDが小さくなり、排水
処理が簡単となる。
た洗浄を行う。 【解決手段】 曇点が20℃以上80℃未満であり、静
置により界面活性剤成分が分離する分離温度が100℃
未満である非イオン性界面活性剤を成分とした水系洗浄
剤を用いて洗浄するのに際し、曇点以上であり、且つ分
離温度未満に設定した水系洗浄剤により、油脂類が付着
した被洗浄物品を洗浄した後、水によりすすぎ洗いする
工程と、このすすぎ洗いに用いた水の一部又は全部を分
離温度以上に加熱して界面活性剤成分を分離除去した
後、排水処理を行う工程とを行う。曇点以上の温度のた
め、油脂類の溶解力が増大する。分解温度以上で界面活
性剤を分離するため、排液のCCDが小さくなり、排水
処理が簡単となる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い洗浄性を維持
して洗浄を行い、すすぎ洗いするすすぎ工程で生じた排
液の処理性に優れた洗浄方法に関する。
して洗浄を行い、すすぎ洗いするすすぎ工程で生じた排
液の処理性に優れた洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気部品、電子部品、機械加工部品など
の製造において、加工工程で付着した油脂、機械油、切
削油等の汚れの除去には、パラフィン系、芳香族系など
の炭化水素系溶剤やトリクロロエチレンなどの塩素系溶
剤、トリクロロトリフルオロエタン等のフロン系溶剤が
従来より多用されている。ところが、塩素系およびフロ
ン系溶剤は、安全性、毒性、オゾン破壊などの環境汚染
性等に大きな問題を有している。また、炭化水素系溶剤
では、臭気、引火性に問題があり、芳香族系溶剤は、毒
性が高いため、安全対策が施された高価な設備が必要で
あるなどの問題がある。
の製造において、加工工程で付着した油脂、機械油、切
削油等の汚れの除去には、パラフィン系、芳香族系など
の炭化水素系溶剤やトリクロロエチレンなどの塩素系溶
剤、トリクロロトリフルオロエタン等のフロン系溶剤が
従来より多用されている。ところが、塩素系およびフロ
ン系溶剤は、安全性、毒性、オゾン破壊などの環境汚染
性等に大きな問題を有している。また、炭化水素系溶剤
では、臭気、引火性に問題があり、芳香族系溶剤は、毒
性が高いため、安全対策が施された高価な設備が必要で
あるなどの問題がある。
【0003】以上の溶剤系洗浄剤に対し、水系洗浄剤は
危険性や毒性が低い特性を有している。このため、界面
活性剤やビルダー等の添加物を適宜選択して組成物とす
ることによって実用的な洗浄能力を付与し、洗浄に使用
している。
危険性や毒性が低い特性を有している。このため、界面
活性剤やビルダー等の添加物を適宜選択して組成物とす
ることによって実用的な洗浄能力を付与し、洗浄に使用
している。
【0004】水系洗浄剤は、水への溶解性が良好である
ため、被洗浄物に付着した水系洗浄剤を水によりすすぎ
洗い(リンス)することにより洗浄が終了する。すすぎ
洗いした後の水(リンス液)には、洗浄剤成分が含有さ
れているため、環境汚染の観点から、十分な排水処理を
行って、排出しなければならない。かかるリンス液の処
理は、凝集沈殿、活性汚泥、活性炭等を用いて行うこと
ができるが、いずれの処理も多大な費用及び設備が必要
となっている。従って、このような多大な処理費用、設
備を必要とせず、工業的に有利な洗浄方法が求められて
いた。
ため、被洗浄物に付着した水系洗浄剤を水によりすすぎ
洗い(リンス)することにより洗浄が終了する。すすぎ
洗いした後の水(リンス液)には、洗浄剤成分が含有さ
れているため、環境汚染の観点から、十分な排水処理を
行って、排出しなければならない。かかるリンス液の処
理は、凝集沈殿、活性汚泥、活性炭等を用いて行うこと
ができるが、いずれの処理も多大な費用及び設備が必要
となっている。従って、このような多大な処理費用、設
備を必要とせず、工業的に有利な洗浄方法が求められて
いた。
【0005】特許第2539284号公報では、非イオ
ン性水系洗浄剤が曇点以上で分離することを利用して、
そのリンス排液から洗浄剤成分を分離させ、排水処理の
負荷を軽減する方法が記載されている。すなわち、この
洗浄方法は、非イオン界面活性剤の曇点未満の温度で洗
浄した後、すすぎ洗いし、次いで排出されたリンス排液
を曇点以上の加熱して油状成分を分離するものである。
ン性水系洗浄剤が曇点以上で分離することを利用して、
そのリンス排液から洗浄剤成分を分離させ、排水処理の
負荷を軽減する方法が記載されている。すなわち、この
洗浄方法は、非イオン界面活性剤の曇点未満の温度で洗
浄した後、すすぎ洗いし、次いで排出されたリンス排液
を曇点以上の加熱して油状成分を分離するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、曇点以上の
温度において、非イオン性水系洗浄剤は、水媒体中の界
面活性剤の水への溶解度が低下するため、現象としてミ
セルが脱水和して巨大ミセルを形成し、混濁状態となっ
て分離に至る。この状態の巨大ミセルは、疑似的に溶剤
のような油への溶解力を備えているため、油脂類の溶解
能力が増大する特性を有している。
温度において、非イオン性水系洗浄剤は、水媒体中の界
面活性剤の水への溶解度が低下するため、現象としてミ
セルが脱水和して巨大ミセルを形成し、混濁状態となっ
て分離に至る。この状態の巨大ミセルは、疑似的に溶剤
のような油への溶解力を備えているため、油脂類の溶解
能力が増大する特性を有している。
【0007】これに対し、上述した特許第253928
4号公報の発明は、このような界面活性剤の特性を考慮
することなく、曇点未満で洗浄を行っている。このた
め、洗浄剤の溶解能力を十分に引き出すことができない
問題がある。
4号公報の発明は、このような界面活性剤の特性を考慮
することなく、曇点未満で洗浄を行っている。このた
め、洗浄剤の溶解能力を十分に引き出すことができない
問題がある。
【0008】また、油脂類の洗浄では、洗浄剤の温度が
高い場合に油脂類の粘度が低下し、洗浄性が向上する傾
向がある。ところが、特許第2539284号公報の発
明は、曇点未満で洗浄を行うため、曇点が低い洗浄剤を
選択した場合には、粘度が高いグリスのような油脂類を
十分な洗浄ができない問題が発生する。
高い場合に油脂類の粘度が低下し、洗浄性が向上する傾
向がある。ところが、特許第2539284号公報の発
明は、曇点未満で洗浄を行うため、曇点が低い洗浄剤を
選択した場合には、粘度が高いグリスのような油脂類を
十分な洗浄ができない問題が発生する。
【0009】本発明は以上の問題点を考慮してなされた
ものであり、油脂類に対して優れた洗浄性を備え、しか
も排水処理性を改善することが可能な洗浄方法を提供す
ることを目的とする。
ものであり、油脂類に対して優れた洗浄性を備え、しか
も排水処理性を改善することが可能な洗浄方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、曇点が20℃以上80℃未満で
あり、静置により界面活性剤成分が分離する分離温度が
100℃未満である非イオン性界面活性剤を成分とした
水系洗浄剤を用いた洗浄方法において、曇点以上であ
り、且つ分離温度未満に設定した上記水系洗浄剤によ
り、油脂類が付着した被洗浄物品を洗浄した後、水によ
りすすぎ洗いする工程と、このすすぎ洗いに用いた水の
一部又は全部を上記分離温度以上に加熱して上記界面活
性剤成分を分離除去した後、排水処理を行う工程とを有
することを特徴とする。
め、請求項1の発明は、曇点が20℃以上80℃未満で
あり、静置により界面活性剤成分が分離する分離温度が
100℃未満である非イオン性界面活性剤を成分とした
水系洗浄剤を用いた洗浄方法において、曇点以上であ
り、且つ分離温度未満に設定した上記水系洗浄剤によ
り、油脂類が付着した被洗浄物品を洗浄した後、水によ
りすすぎ洗いする工程と、このすすぎ洗いに用いた水の
一部又は全部を上記分離温度以上に加熱して上記界面活
性剤成分を分離除去した後、排水処理を行う工程とを有
することを特徴とする。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明であっ
て、上記非イオン性界面活性剤は、曇点と分離温度との
温度差が20℃以上であることを特徴とする。
て、上記非イオン性界面活性剤は、曇点と分離温度との
温度差が20℃以上であることを特徴とする。
【0012】請求項3の発明は、曇点を有し、静置によ
り界面活性剤成分が分離する分離温度が上記曇点よりも
高い温度にある非イオン性界面活性剤を成分とした水系
洗浄剤を用いた洗浄方法において、曇点ないし分離温度
に加熱した上記水系洗浄剤により被洗浄物品を洗浄した
後、水によりすすぎ洗いする工程と、このすすぎ洗いに
用いた水の一部もしくは全部を上記分離温度以上に加熱
して上記界面活性剤成分を分離除去する工程とを有する
ことを特徴とする。
り界面活性剤成分が分離する分離温度が上記曇点よりも
高い温度にある非イオン性界面活性剤を成分とした水系
洗浄剤を用いた洗浄方法において、曇点ないし分離温度
に加熱した上記水系洗浄剤により被洗浄物品を洗浄した
後、水によりすすぎ洗いする工程と、このすすぎ洗いに
用いた水の一部もしくは全部を上記分離温度以上に加熱
して上記界面活性剤成分を分離除去する工程とを有する
ことを特徴とする。
【0013】曇点は、洗浄剤組成物を一定量試験管にと
り、1℃/分の昇温速度で温度を上げたときに、液が濁
り始める温度である。また、分離温度は、洗浄剤組成物
を一定量試験管にとり、一定温度で保持したときに、1
時間程度の静置により液が2層に分離する温度である。
り、1℃/分の昇温速度で温度を上げたときに、液が濁
り始める温度である。また、分離温度は、洗浄剤組成物
を一定量試験管にとり、一定温度で保持したときに、1
時間程度の静置により液が2層に分離する温度である。
【0014】本発明では、曇点を20〜80℃にするこ
とにより、より高い温度での洗浄が可能となる。このた
め、粘度が高い油脂類の粘度を低下させて洗浄性を向上
させることが容易となる。曇点はより好ましくは、30
〜60℃の範囲であるのが望ましい。また、曇点と分離
温度との差が20度以上であるものがより好ましい。
とにより、より高い温度での洗浄が可能となる。このた
め、粘度が高い油脂類の粘度を低下させて洗浄性を向上
させることが容易となる。曇点はより好ましくは、30
〜60℃の範囲であるのが望ましい。また、曇点と分離
温度との差が20度以上であるものがより好ましい。
【0015】本発明に用いられる洗浄剤は、非イオン性
界面活性剤を主成分としており、アルカリ性ビルダーを
適宜加えたものを用いる。非イオン性界面活性剤として
は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキ
シアルキレンフェノールエーテル、ポリオキシアルキレ
ンアルキルフェノールエーテルなどのポリアルキレング
リコールエーテル型非イオン性界面活性剤、ポリアルキ
レングリコールモノエステルなどのポリアルキレングリ
コールエステル型非イオン性界面活性剤等の内の一種又
は複数を選択することができる。なお、非イオン性界面
活性剤としては、炭素数4〜20の炭化水素基を有する
ものが好ましい。
界面活性剤を主成分としており、アルカリ性ビルダーを
適宜加えたものを用いる。非イオン性界面活性剤として
は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキ
シアルキレンフェノールエーテル、ポリオキシアルキレ
ンアルキルフェノールエーテルなどのポリアルキレング
リコールエーテル型非イオン性界面活性剤、ポリアルキ
レングリコールモノエステルなどのポリアルキレングリ
コールエステル型非イオン性界面活性剤等の内の一種又
は複数を選択することができる。なお、非イオン性界面
活性剤としては、炭素数4〜20の炭化水素基を有する
ものが好ましい。
【0016】本発明では、曇点が20〜80℃で、分離
温度が100℃未満である非イオン性界面活性剤を成分
とする洗浄剤を用いて、曇点以上分離温度未満の温度に
設定された洗浄剤により被洗浄物を洗浄する。洗浄の際
には、超音波、ブラッシング、揺動などの物理力を併用
することにより、更に良好に洗浄を行うことができる。
曇点以上の温度では、洗浄剤中の非イオン性界面活性剤
の親水性が低くなり、油脂類に対する溶解力が高まるた
め、油脂類を洗浄した場合に洗浄性が向上する。
温度が100℃未満である非イオン性界面活性剤を成分
とする洗浄剤を用いて、曇点以上分離温度未満の温度に
設定された洗浄剤により被洗浄物を洗浄する。洗浄の際
には、超音波、ブラッシング、揺動などの物理力を併用
することにより、更に良好に洗浄を行うことができる。
曇点以上の温度では、洗浄剤中の非イオン性界面活性剤
の親水性が低くなり、油脂類に対する溶解力が高まるた
め、油脂類を洗浄した場合に洗浄性が向上する。
【0017】次に、洗浄されることによって洗浄剤が付
着した被洗浄物を水を用いてすすぎ洗いする。このとき
すすぎ洗いの水を、洗浄剤の曇点温度よりも低く設定し
ておくことで、洗浄剤が容易に水へ溶解し、拡散するた
め、被洗浄物から洗浄剤成分を除去することができる。
このようにして、すすぎ洗いが繰り返された水は、洗浄
剤成分が徐々に蓄積され、COD(化学的酸素要求量)
数千〜数万ppm程度に高まり、排水処理しなければ排
出できない状態となる。
着した被洗浄物を水を用いてすすぎ洗いする。このとき
すすぎ洗いの水を、洗浄剤の曇点温度よりも低く設定し
ておくことで、洗浄剤が容易に水へ溶解し、拡散するた
め、被洗浄物から洗浄剤成分を除去することができる。
このようにして、すすぎ洗いが繰り返された水は、洗浄
剤成分が徐々に蓄積され、COD(化学的酸素要求量)
数千〜数万ppm程度に高まり、排水処理しなければ排
出できない状態となる。
【0018】この状態となったリンス排液を洗浄剤の分
離温度以上に加熱し、静置することにより、洗浄剤中の
界面活性剤成分が浮上分離する。このとき、下層の水の
CODは、数百ppmとなる。分離したリンス排液から
上層の界面活性剤を主とした成分を除去することによ
り、再びすすぎ洗いに使用することができる。また、排
水処理する場合には、CODが1/10〜1/100程
度に低減されているため、処理の負荷を著しく低減する
ことが可能となる。
離温度以上に加熱し、静置することにより、洗浄剤中の
界面活性剤成分が浮上分離する。このとき、下層の水の
CODは、数百ppmとなる。分離したリンス排液から
上層の界面活性剤を主とした成分を除去することによ
り、再びすすぎ洗いに使用することができる。また、排
水処理する場合には、CODが1/10〜1/100程
度に低減されているため、処理の負荷を著しく低減する
ことが可能となる。
【0019】本発明に使用する非イオン性界面活性剤
は、曇点温度と分離温度の差が20℃以上あることが望
ましい。この温度差が小さい場合、洗浄を行う際の温度
制御が困難となり、実用上、洗浄が難しくなる。また、
被洗浄物に付着した油脂類の汚れに対する洗浄性を向上
させる場合には、洗浄温度をより高くし、汚れである油
脂類の粘度を下げる必要がある。この際にも、曇点温度
と分離温度の差が20℃以上であれば、より高い温度で
の洗浄が可能となり、良好な洗浄品質を得ることが可能
となる。
は、曇点温度と分離温度の差が20℃以上あることが望
ましい。この温度差が小さい場合、洗浄を行う際の温度
制御が困難となり、実用上、洗浄が難しくなる。また、
被洗浄物に付着した油脂類の汚れに対する洗浄性を向上
させる場合には、洗浄温度をより高くし、汚れである油
脂類の粘度を下げる必要がある。この際にも、曇点温度
と分離温度の差が20℃以上であれば、より高い温度で
の洗浄が可能となり、良好な洗浄品質を得ることが可能
となる。
【0020】曇点は、界面活性剤のHLB(親水性と親
油性のバランスを示す数値)により異なり、同一の基本
化学構造で、且つ親油性基が同一である場合には、親水
性基の分子量により異なる。本発明で用いる洗浄剤で
は、曇点の温度と分離温度が20℃以上必要であり、こ
のためには界面活性剤の分子量分布で、中心分子量を有
する界面活性剤が30〜70mol%であることが望ま
しい。
油性のバランスを示す数値)により異なり、同一の基本
化学構造で、且つ親油性基が同一である場合には、親水
性基の分子量により異なる。本発明で用いる洗浄剤で
は、曇点の温度と分離温度が20℃以上必要であり、こ
のためには界面活性剤の分子量分布で、中心分子量を有
する界面活性剤が30〜70mol%であることが望ま
しい。
【0021】また、リンス排液での分離は、すすぎ洗い
する洗浄槽に連結した別の槽で行い、分離した下層のリ
ンス水をすすぎ洗い洗浄槽へポンプ循環させることによ
り、連続的にリンス排液のCODを低く保つことができ
る。この際、膜式油水分離装置を用いても同様の効果を
得ることができる。
する洗浄槽に連結した別の槽で行い、分離した下層のリ
ンス水をすすぎ洗い洗浄槽へポンプ循環させることによ
り、連続的にリンス排液のCODを低く保つことができ
る。この際、膜式油水分離装置を用いても同様の効果を
得ることができる。
【0022】
(実施の形態1)日光ケミカルズ(社)製の非イオン製
界面活性剤BT−7(ポリオキシエチレンアルキレンエ
ーテル系)20重量部、イオン交換水80重量部を混合
して洗浄剤とした。これを更にイオン交換水により10
倍希釈して、洗浄剤の濃度を調整した。
界面活性剤BT−7(ポリオキシエチレンアルキレンエ
ーテル系)20重量部、イオン交換水80重量部を混合
して洗浄剤とした。これを更にイオン交換水により10
倍希釈して、洗浄剤の濃度を調整した。
【0023】希釈された洗浄剤10mlを試験管にと
り、1℃/分で昇温させ、目視によって状態観察を行
い、曇点を測定したところ、36.5℃であった。ま
た、この洗浄剤を試験管に入れ、所定の温度に保持し、
1時間静置して分離が起こる分離温度を測定したとこ
ろ、80℃であった。
り、1℃/分で昇温させ、目視によって状態観察を行
い、曇点を測定したところ、36.5℃であった。ま
た、この洗浄剤を試験管に入れ、所定の温度に保持し、
1時間静置して分離が起こる分離温度を測定したとこ
ろ、80℃であった。
【0024】次に、50mm角の#100メッシュのス
テレンス製網に、油性切削油(出光石油化学(社)製ダ
フニーカットHS)を約0.2g付着させ、希釈された
洗浄剤を27℃(曇点以下)と40℃(曇点以上)に設
定し、100W、40KHzの超音波洗浄機を用いて洗
浄し、水温25℃のイオン交換水により揺動を加えなが
ら、5分間のリンスを2度行った。
テレンス製網に、油性切削油(出光石油化学(社)製ダ
フニーカットHS)を約0.2g付着させ、希釈された
洗浄剤を27℃(曇点以下)と40℃(曇点以上)に設
定し、100W、40KHzの超音波洗浄機を用いて洗
浄し、水温25℃のイオン交換水により揺動を加えなが
ら、5分間のリンスを2度行った。
【0025】そして、切削油の洗浄性を評価した。洗浄
性の評価は、油分濃度計によりステンレス製網に残留し
た油の量を定量することで行った。液温27℃で洗浄を
行ったときの残留油分は、5.0mg、液温40℃の場
合は2.1mgであった。このように、曇点以上の温度
で洗浄を行うことにより、良好な洗浄を行うことができ
た。
性の評価は、油分濃度計によりステンレス製網に残留し
た油の量を定量することで行った。液温27℃で洗浄を
行ったときの残留油分は、5.0mg、液温40℃の場
合は2.1mgであった。このように、曇点以上の温度
で洗浄を行うことにより、良好な洗浄を行うことができ
た。
【0026】(実施の形態2)実施の形態1と同様にし
て洗浄を行い、これをイオン交換水で100倍に希釈し
て、疑似的にリンス排液の相当の液を作製した。この希
釈された液のCODをJISに規定されている滴定法に
より測定したところ、2450ppmであった。この液
を80℃に加温し、1時間静置した後、浮上分離した液
層を除去した残りの液についてCOD測定を行ったとこ
ろ、230ppmであった。この結果から、分離温度以
上に液を保持し、分離除去を行うことにより、水から洗
浄剤成分を除去でき、排水処理の負荷が少なくできるこ
とが確認された。
て洗浄を行い、これをイオン交換水で100倍に希釈し
て、疑似的にリンス排液の相当の液を作製した。この希
釈された液のCODをJISに規定されている滴定法に
より測定したところ、2450ppmであった。この液
を80℃に加温し、1時間静置した後、浮上分離した液
層を除去した残りの液についてCOD測定を行ったとこ
ろ、230ppmであった。この結果から、分離温度以
上に液を保持し、分離除去を行うことにより、水から洗
浄剤成分を除去でき、排水処理の負荷が少なくできるこ
とが確認された。
【0027】(実施の形態3)実施の形態1と同様に洗
浄剤を調整し、イオン交換水で10倍に希釈した洗浄剤
を調整した。表1は、この洗浄剤を用いて洗浄を行う洗
浄装置の構成を示す。汚れとしては、金属切削部品に油
性切削油(ユシロ化学工業(社)製ユシロンカットDS
5)を付着させることによって作製した。又、洗浄は4
0回繰り返すことによって行った。このとき、第1リン
ス槽のリンス水のCODを測定したところ、4800p
pmであった。このリンス水を80℃に加温し、30分
静置させたところ、2層に分離した。このとき、下層の
液層のCODは、340ppmであった。そして上層の
液層を除去し、再び洗浄を行った結果、先の洗浄品質と
同様に良好な洗浄が可能であった。この実施の形態で
は、リンス排液より洗浄剤成分を除去し、リンスに再使
用しても良好な洗浄品質が得られ、排水が不要の洗浄が
可能となった。
浄剤を調整し、イオン交換水で10倍に希釈した洗浄剤
を調整した。表1は、この洗浄剤を用いて洗浄を行う洗
浄装置の構成を示す。汚れとしては、金属切削部品に油
性切削油(ユシロ化学工業(社)製ユシロンカットDS
5)を付着させることによって作製した。又、洗浄は4
0回繰り返すことによって行った。このとき、第1リン
ス槽のリンス水のCODを測定したところ、4800p
pmであった。このリンス水を80℃に加温し、30分
静置させたところ、2層に分離した。このとき、下層の
液層のCODは、340ppmであった。そして上層の
液層を除去し、再び洗浄を行った結果、先の洗浄品質と
同様に良好な洗浄が可能であった。この実施の形態で
は、リンス排液より洗浄剤成分を除去し、リンスに再使
用しても良好な洗浄品質が得られ、排水が不要の洗浄が
可能となった。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
洗浄性を向上させると共に、リンス排液の洗浄剤成分を
大幅に減少させ、排水処理の負荷を低減することが可能
となる。また、分離処理したリンス水を再使用すること
により、排水の不要な洗浄ラインとすることができる。
洗浄性を向上させると共に、リンス排液の洗浄剤成分を
大幅に減少させ、排水処理の負荷を低減することが可能
となる。また、分離処理したリンス水を再使用すること
により、排水の不要な洗浄ラインとすることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 曇点が20℃以上80℃未満であり、静
置により界面活性剤成分が分離する分離温度が100℃
未満である非イオン性界面活性剤を成分とした水系洗浄
剤を用いた洗浄方法において、 曇点以上であり、且つ分離温度未満に設定した上記水系
洗浄剤により、油脂類が付着した被洗浄物品を洗浄した
後、水によりすすぎ洗いする工程と、このすすぎ洗いに
用いた水の一部又は全部を上記分離温度以上に加熱して
上記界面活性剤成分を分離除去した後、排水処理を行う
工程とを有することを特徴とする洗浄方法。 - 【請求項2】 上記非イオン性界面活性剤は、曇点と分
離温度との温度差が20℃以上であることを特徴とする
請求項1記載の洗浄方法。 - 【請求項3】 曇点を有し、静置により界面活性剤成分
が分離する分離温度が上記曇点よりも高い温度にある非
イオン性界面活性剤を成分とした水系洗浄剤を用いた洗
浄方法において、 曇点ないし分離温度に加熱した上記水系洗浄剤により被
洗浄物品を洗浄した後、水によりすすぎ洗いする工程
と、このすすぎ洗いに用いた水の一部もしくは全部を上
記分離温度以上に加熱して上記界面活性剤成分を分離除
去する工程とを有することを特徴とする洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19351497A JPH1133505A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 洗浄方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19351497A JPH1133505A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 洗浄方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1133505A true JPH1133505A (ja) | 1999-02-09 |
Family
ID=16309337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19351497A Withdrawn JPH1133505A (ja) | 1997-07-18 | 1997-07-18 | 洗浄方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1133505A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008136895A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-06-19 | Dainippon Printing Co Ltd | 温度応答性高分子化合物を含む水系洗浄液の処理方法及び装置 |
JP2011056367A (ja) * | 2009-09-08 | 2011-03-24 | Japan Field Kk | 被加工物に付着した加工油を減量するための処理方法及びその装置 |
-
1997
- 1997-07-18 JP JP19351497A patent/JPH1133505A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008136895A (ja) * | 2006-11-30 | 2008-06-19 | Dainippon Printing Co Ltd | 温度応答性高分子化合物を含む水系洗浄液の処理方法及び装置 |
JP2011056367A (ja) * | 2009-09-08 | 2011-03-24 | Japan Field Kk | 被加工物に付着した加工油を減量するための処理方法及びその装置 |
CN102009047A (zh) * | 2009-09-08 | 2011-04-13 | 日本原野株式会社 | 用于将附着于被加工物的加工油减量的处理方法及其装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3115781B2 (ja) | 洗浄方法および洗浄装置 | |
JP3256630B2 (ja) | 洗浄方法 | |
JP6056345B2 (ja) | 洗浄剤組成物及びそれを用いた洗浄方法 | |
JP5336173B2 (ja) | 硬質表面用洗浄剤組成物 | |
JP4767002B2 (ja) | プレ洗浄方法および洗浄装置 | |
JPH1133505A (ja) | 洗浄方法 | |
JP5587168B2 (ja) | 医療器具用洗浄剤組成物 | |
JP5021186B2 (ja) | 金属部品類の加工・洗浄方法 | |
JP2816805B2 (ja) | 洗浄方法 | |
JPH0774356B2 (ja) | 精密部品の洗浄方法 | |
JP2949201B2 (ja) | 洗浄方法 | |
JPH06336600A (ja) | 洗浄組成物および洗浄方法 | |
JP3246694B2 (ja) | 物品の洗浄方法 | |
JPH07179897A (ja) | 水系洗浄剤及び洗浄方法 | |
JP2006159062A (ja) | 選択性透過膜の洗浄剤および洗浄方法 | |
US6300300B1 (en) | Liquid cleaning, degreasing, and disinfecting concentrate and methods of use | |
JP3319930B2 (ja) | 各種物質と水との界面張力を著しく低下させるアルキルスルフォサクシネート含有組成物 | |
JP2007217504A (ja) | 可溶化型印刷インキ用洗浄剤組成物 | |
JPH07148472A (ja) | 洗浄方法 | |
JP2015058385A (ja) | 水切り洗浄方法および水切り洗浄剤組成物 | |
JP2006297272A (ja) | 清掃用繊維製品の洗浄方法 | |
JP2000026898A (ja) | 液晶パネル用洗浄剤組成物及び洗浄方法 | |
CN108949383B (zh) | 清洗剂组合物和使用其的清洗方法 | |
JP2009274039A (ja) | 洗浄方法 | |
JP7031412B2 (ja) | 洗浄剤組成物及びそれを用いた洗浄方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20041005 |