JPH11334720A - 簡易食品容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のプラスチック製の簡易容器の形状保
持性とともに耐熱性、耐水性を有しておりながら、紙製
容器に匹敵するエコロジー性を有する加工食品の収納持
ち帰りに適した簡易容器を得ること。 【解決手段】プラスチック製簡易容器の発泡プラスチッ
ク製の枠材に代えて内面を耐熱、耐水加工を施した紙製
の枠材を使用し、この枠材に耐熱性のプラスチック成型
薄板を装着したもので、これによって、プラスチック消
費量を半分以下に低減することができる。使用する紙材
としては、板紙などの紙容器用の通常の紙材を任意の形
態で使用できる。その紙材としては、例えば、外面に装
飾加工を施し、内面に耐熱プラスチックコーティングを
施した厚紙、あるいは、厚みのある２重折りにして、従
来の発泡プラスチック製の枠材と同様の感触を付与した
もの等を使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、寿司、惣菜、弁当
の加工食品を収納して持ち帰るのに便利な簡易容器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、このような簡易容器としては、発
泡プラスチックの枠に薄いプラスチック板の底板を熱融
着した全体をプラスチックで作成した容器が、軽量で、
見栄えがよく、それなりの強度を有することから広く使
用されている。

【０００３】このプラスチックで作成した容器は基本的
には使い捨てのものであり、使用後は焼却に付される。
そして、現在その消費量は、相当の量であるため、その
燃焼に際してそれ自体が地球温暖化の源となる。

【０００４】その点、パルプ材を原料とする紙材によっ
て製作された簡易容器は、使用後も再生でき、また、廃
棄するにしても燃焼させる必要はなく、そのまま放棄す
れば土に戻ることから、その廃棄処分に際しての地球温
暖化のおそれもない。

【０００５】しかしながら、食品容器としては、美観と
ともに、耐熱性、耐水性が重要で、この意味から、前記
従来のプラスチック単味からなる食品用簡易容器に代わ
る同種の容器として完成するためには、多くの解決すべ
き課題がある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は、従来のプラスチック単味からなる食品用簡易
容器と同様の形状保持性とともに耐熱性、耐水性を有し
ておりながら、紙単味からなる簡易容器に匹敵するエコ
ロジー性と加工性を有する食品用簡易容器を得ることに
ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の簡易容器は、従
来のプラスチック製簡易容器の発泡プラスチック製の枠
材に代えて内面を耐熱、耐水加工を施した紙製の枠材を
使用し、この枠材に耐熱性のプラスチック成型薄板を装
着したもので、これによって、プラスチック消費量を半
分以下に低減することができる。

【０００８】本発明に使用する紙材としては、板紙など
の紙容器用の通常の紙材を任意の形態で使用できる。そ
の紙材としては、例えば、外面に装飾加工を施し、内面
に耐熱プラスチックコーティングを施した厚紙、あるい
は、厚みのある２重折りにして、従来の発泡プラスチッ
ク製の枠材と同様の見栄えと感触を付与したものを使用
できる。

【０００９】また、本発明に使用する底板としては、従
来、プラスチック製簡易容器の底板として使用されてき
た０．２〜１ｍｍ厚のＰＳ、ＰＳＰ、ＰＰ、ＰＥＴ，Ｐ
ＰＦなどのプラスチックの真空成形品を使用できる。

【００１０】さらに、紙製の枠材へのプラスチック薄板
の装着手段としては、底板を内容器状に成形するととも
に、この内容器の上縁に紙製枠材との係止部を設け、こ
の係止部を内容器の縁に嵌合させる方法、底板の上縁に
係止フックを形成するとともに二重紙製枠材の全内周面
に条溝を設け、この条溝に底板のフックを装着する方法
などの、強制的なはめ込み嵌合もしくは接着剤を用いて
一体製品とすることができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明を弁当用容器に適用
した実施例によって本発明の実施の形態を説明する。

【００１２】実施例１ 図１は、枠材となる紙シートの展開図を示し、１００は
外面に防水剤を塗布した紙シートを容器枠となるように
打ち抜いた縁枠用のシート材であって、このシート材を
折り曲げることによって容器枠を形成する。それぞれ、
図に示すシート材１００の１１の部分が縁枠の内面を、
１２の部分が縁枠の頂面を、１３の部分が縁枠の外面
を、１４の部分が縁枠の底面部を形成する。１５、１６
は組立て時の糊代を示す。枠シート材１の組立てに際し
ては、シート材の両端を粘着する代わりに、両端に楔状
の係止手段を形成したり、また、両端を粘着テープによ
る連結等による形成手段がある。

【００１３】図２は、図１に示す紙シートを両端の糊代
１５と１６を粘着して縁枠１を形成した状態を示す。底
板と組合せる段階では、底面部分１４は、折り曲げられ
ない状態にある。そして、組み立てた状態では、縁枠の
内面１１と底面部１４との間には、その底面が解放され
た空間１７が形成されている。

【００１４】図３は、図２に示す縁枠１に装着する底板
２の斜視図を示し、図４は、図３のＡ−Ａ線から見た断
面を示す。この底板２は、薄いプラスチックスの一体成
形体であって、４個の収納位置を区画する仕切２１を設
け、その周縁には、立ち上がり２２と、その外周には平
坦部２３と、さらにその外周には、この平坦部２３に連
続して垂直方向の延長部２４が形成されている。

【００１５】図５は、容器枠１０と底板２との組み立て
要領を示す。同図に示すように、容器枠１０の内面１１
と底面部１４との間の空間１７の位置は、底板２の垂直
方向の延長部２４がこの空間１７内に挿入でき、縁枠１
の内面１１を形成する部分の下端が平坦部２３に当たる
ように、容器枠１０と底板２の各部のサイズは予め調整
されている。従って、図５の矢印で示すように、底板２
を容器枠１０の下面から押し込むことによって、垂直方
向の延長部２４は容器枠１０の内面１１と底面部１４と
の間の空間１７に挿入され、容器枠１０の内面１１を形
成する部分の下端は平坦部２３上に当接する。

【００１６】このようにして、図６に示すように、容器
枠１０と底板２との組み立てたのち、容器枠１０の底面
部１４を折り曲げて、その裏面を底板２の下面に貼着す
ることで簡易容器が完成する。

【００１７】実施例２ 図１に示す容器の縁枠をほぼ垂直に形成した例を示して
いるが、容器枠が傾斜した容器とした例を示す。

【００１８】図７は、この傾斜した容器枠を形成するた
めの紙シート２００の展開図を示す。この紙シート２０
０には、第１の実施例と同様に、容器枠の内面を形成す
る１１の部分、容器枠の頂面を形成する１２の部分、縁
枠の外面を形成する１３の部分、縁枠の底面部を形成す
る１４の部分、それに、糊代１５、１６が設けられてい
る。

【００１９】そして、実施例１の場合と同様に組み立て
て、図８に示す枠２０が傾斜した容器を得る。このよう
に、枠２０が傾斜した容器によって、重ね合わての搬送
が可能となり、流通効率を格段に向上することができ
る。

【００２０】上記実施例においては、平面形状が四角の
例について説明したが、四角以外のの多角形、丸その他
の形状のもの、さらには、容器枠として単純な垂直、傾
斜に限らず、多段にも形成できる。

【００２１】そのための容器枠を形成するための紙シー
トとしても、種々の変更例があり、例えば、その展開シ
ートに切れ目を入れず、襞によって組み立てる形式のも
のであってもよい。

【００２２】

【発明の効果】本発明によって、以下の効果を奏する。

【００２３】（１）プラスチックの使用量を最小で見栄
えの良く、従来のプラスチック製の簡易容器の形状保持
性とともに耐熱性、耐水性を有しておりながら、紙製容
器に匹敵するエコロジー性を有する加工食品の収納持ち
帰りに適した簡易容器が得られる。

【００２４】（２）その組立工程は簡単で、格別の組立
装置類を必要としない。

【００２５】（３）紙の再生利用に際して、プラスチッ
クからの分離を簡単に行うことができる。

【００２６】（４）紙製の場合は、底の仕切板としては
別途に装着する必要があったが、本発明の場合は、底板
がプラスチック製であるため、底板の作成時に同時に仕
切板を形成でき製造効率が上がる。

【００２７】（５）紙のエコロジー性とプラスチックの
加工性の両方の利点を活かした簡易容器を得ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 枠材となる紙シートの展開図を示す。

【図２】 図１に示す紙シートを縁枠に組み立てた状態
を示す。

【図３】 底板の斜視部図を示す。

【図４】 図３のＡ−Ａ線から見た断面形状を示す。

【図５】 縁枠と底板との組み立て要領を示す。

【図６】 組み立てた後の容器の断面を示す。

【図７】 第２の実施例の枠材となる紙シートの展開図
を示す。

【図８】 第２の実施例の紙シートを組み立てた後の傾
斜側面を有する枠材を示す。

【符号の説明】

１０，２０ 組み立てた容器枠 １１ シート材の縁枠の内面部分 １２ シート材の縁枠の頂面部分 １３ シート材の縁枠の外面部分 １４ シート材の縁枠の底面部分 １５，１６ シート材の糊代部分 １７ シート材を組み立てたのち形成された空間 １ 縁枠 ２ 底板 ２０ 枠 ２１ 底板の仕
切 ２２ 底板周縁の立ち上がり ２３ 底板周縁
の平坦部 ２４ 底板周縁の垂直方向延長部 １００，２００ 容器枠用のシート材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 紙製の枠材にプラスチック製の底板を装
   着した簡易食品容器。
2. 【請求項２】 紙製の枠材が、組み立てた時に容器の枠
   部となる様な形状に打ち抜き加工された加工紙を折り加
   工によって得た請求項１に記載の簡易食品容器。
3. 【請求項３】 プラスチック製の底板が、予め成形され
   た用途に応じた仕切を付け、あるいは、フラットな形状
   からなる請求項１または請求項２に記載の簡易食品容
   器。
4. 【請求項４】 紙製の枠材へのプラスチック製の底板の
   装着の形態が、強制的なはめ込み嵌合によって一体製品
   としたものである請求項１から請求項３の何れかに記載
   の簡易食品容器。