JPH11334540A

JPH11334540A - 平行払拭式ワイパ装置

Info

Publication number: JPH11334540A
Application number: JP10139954A
Authority: JP
Inventors: Toshiyuki Amagasa; 俊之天笠
Original assignee: Mitsuba Corp
Current assignee: Mitsuba Corp
Priority date: 1998-05-21
Filing date: 1998-05-21
Publication date: 1999-12-07

Abstract

(57)【要約】【課題】平行払拭式ワイパ装置に、ワイパアームを払
拭姿勢から格納姿勢に変姿させる変姿作動手段を設ける
にあたり、変姿作動手段を構成する駆動手段を払拭作動
手段を構成する電動モータと兼用できるように構成す
る。【解決手段】電動モータ９に連動連結する駆動軸１０
に、正回転駆動を動力伝動する第一クラッチ１１と逆回
転駆動を動力伝動する第二クラッチ１２とを設け、第一
クラッチ１１には払拭作動手段を連動連結すると共に、
第二クラッチ１２には変姿作動手段を連動連結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両等に搭載さ
れ、特にリヤウインドウ等の窓面を平行方向に払拭する
平行払拭式ワイパ装置の技術分野に属するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種ワイパ装置のなかには、
窓面に水平方向に配したガイドレールを、電動モータの
駆動力に基づく払拭作動手段を介して走行する移動体の
往復移動によって、基端部が移動体に支持されたワイパ
アームが窓面を平行に払拭するように構成した平行払拭
式のワイパ装置がある。このようなものにおいて、ワイ
パアームは、起立状の払拭姿勢で移動体に支持されて払
拭作動を行うものであり、このため、ワイパ装置を不使
用のときもワイパアームが起立したままであると視界の
邪魔になるという問題があり、そこで、ワイパアームを
揺動させ窓面の下方に格納することが提唱される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、変姿作動手
段は、ワイパアームを移動体に揺動自在（回動自在）に
支持すると共に、ワイパアームの使用時には起立する払
拭姿勢とする一方で、不使用時には倒伏させて格納姿勢
に変姿させるため、ワイパアームを払拭姿勢−格納姿勢
とのあいだで揺動（回動）させるための駆動装置が必要
となる。つまり、ワイパアームを払拭作動させるための
電動モータとは別に、変姿作動手段の駆動装置として専
用の電動モータを備えて構成されることになる。このた
め、ワイパ装置のコンパクト化が損なわれ、車両への搭
載性が悪くなるばかりでなく、組付け作業も煩雑となっ
て問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題が
あった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創
作されたものであって、正逆回転駆動する電動モータ
と、窓面に水平方向に配したガイドレールと、該ガイド
レール上を往復移動自在に設けられた移動体と、電動モ
ータの正回転駆動を受けて移動体を前記往復移動させる
ための払拭作動手段と、基端部が移動体に揺動自在に支
持され、前記移動体の往復移動に伴い窓面の払拭作動を
するワイパアームと、該ワイパアームを払拭姿勢と格納
姿勢とのあいだを変姿させるための変姿作動手段と、ワ
イパアームを払拭姿勢にロックするロック体とを備え、
前記変姿作動手段は、ワイパアームが所定の停止位置に
達した状態で電動モータの逆回転駆動を受けてロック体
のロック解除をすると共にワイパアームの変姿揺動をす
る構成になっているものである。そしてこのようにする
ことによって、払拭作動手段を作動せしめる電動モータ
を、変姿作動手段の駆動力として兼用することができ、
装置の軽量コンパクト化に寄与できる。このものにおい
て、本発明の電動モータからの動力伝動経路には、電動
モータの正回転駆動力については払拭作動手段に動力伝
動し、逆回転駆動力については変姿作動手段に動力伝動
するよう選択する伝動選択手段が設けられているものと
することができる。さらにこのものにおいて、本発明の
変姿作動手段は、電動モータの逆回転駆動で、ロック体
のロック解除およびワイパアームの払拭姿勢から格納姿
勢への変姿をする第一行程と、ワイパアームの格納姿勢
から払拭姿勢への変姿およびロック体のロックをする第
二行程を繰り返す構成とすることもできる。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図１
〜図５の図面に基づいて説明する。図面において、１は
自動車等のリヤウィンドウを払拭するワイパ装置のガイ
ドレールであって、該ガイドレール１は窓面の下方に位
置して上下に並列状に取付けられる第一、第二ガイド体
２、３とで構成されている。そして、上側に位置する第
一ガイド体２は前後にローラ走行面２ａが形成され、下
側に位置する第二ガイド体３は左右方向に長い長孔（ス
リット）３ａが開設され、左右端部位置に孔端部３ｂ、
３ｃを有したものに形成されている。

【０００６】４は前記ガイドレール１に移動自在に案内
される移動体であって、該移動体４はＬ字状に形成さ
れ、窓面に平行する本体部４ａと後方に向けて折曲され
た突片４ｂとで構成されている。そして、本体部４ａの
下方に貫通支持されたボス軸４ｃの先端部が前記第二ガ
イド体３のスリット３ａに遊嵌状に貫通する一方、該突
片４ｂに前後、そして左右に二個づつ並列状に軸承され
た走行ローラ４ｄが、前記第一ガイド体ローラ走行面２
ａを挟む状態でそれぞれ走行するように設定されてい
る。そして、前記ボス軸４ｃは、後述する払拭作動手段
に基づいて前記スリット３ａ内を左右の孔端縁３ｂ、３
ｃ（左右の反転位置）とのあいだを折り返し反転移動
し、これによって、移動体４はガイドレール１に沿って
往復移動する設定となっている。さらに、移動体本体部
４ａの中間部には、ワイパ軸５を介してワイパアーム６
の基端部６ａが回動自在に取付けられており、ワイパア
ーム６は起立して窓面を払拭する払拭姿勢と倒伏する格
納姿勢とのあいだを揺動するように構成されている。
尚、ワイパアーム６の先端部には窓面払拭用のワイパブ
レード６ｂが支持されている。

【０００７】さらに、移動体４には凹溝４ｅが形成され
ており、該凹溝４ｅにロック体７の基端部が出没自在に
収納されている。一方、アーム基端部６ａには、ワイパ
アーム６が前記払拭姿勢においてロック体７に対向する
状態で係合孔６ｃが形成されている。前記ロック体７は
付勢弾機８によりアーム基端部６ａ側に向けて付勢され
ており、これによってワイパアーム６の払拭姿勢では、
先端部に形成のロック部７ａがアーム基端部係合孔６ｃ
に弾圧状に嵌合しており、この状態ではワイパアーム６
が移動体４と一体化してワイパアーム６がロック（払拭
姿勢に姿勢保持）されるように設定されている。ここ
で、ロック体ロック部７ａの側部には、前記ワイパアー
ム６のロック状態において、ロック部７ａよりは後方に
退避してワイパアーム基端部６ａに干渉することはない
が、移動体４の凹溝４ｅからは突出する状態のガイド部
７ｂが一体形成され、その前端面が下方ほど後方に退避
する傾斜面に形成されている。さらに、ワイパアーム基
端部６ａには、右下方の外端縁からワイパ軸５側に向け
て傾斜状に切欠かれた案内溝６ｄが形成されるが、該案
内溝６ｄの開口部は広幅となって後述する作動ピン２３
の溝奥側への誘導ができるように形成されている。

【０００８】一方、９は電動モータであって、該電動モ
ータ９はガイドレール１の一端部（本実施の形態では図
１において右側であって、ワイパアーム６の右反転位置
側）に配され、電動モータ９の駆動力は入力ギア９ａを
介して駆動軸１０に動力伝動されている。該駆動軸１０
は第二ガイド体３の後方に位置し、かつ移動体４が第二
ガイド体スリット３ａの右端縁３ｃに位置したときのボ
ス軸４ｃと同芯となる位置に配されている。前記駆動軸
１０には第一、第二クラッチ１１、１２が前後に並列し
て配されるが、第一クラッチ１１は電動モータ９の正回
転駆動力を動力伝動する一方向作動クラッチとして作動
するように設定されている。また、第二クラッチ１２は
逆回転駆動力を動力伝動するように設定され、これによ
って本発明の動力選択手段が構成されている。そして、
第一クラッチ１１には払拭作動手段を構成するプーリ１
３が連動連結され、第二クラッチ１２には後述する変姿
作動手段を構成する第一リンク１４がそれぞれ連動連結
され、電動モータ９の正逆回転駆動により、対応する作
動手段が作動するように設定されている。

【０００９】次に、払拭作動手段について説明するが、
払拭作動手段は、前記第一クラッチ１１に連動連結する
プーリ１３と、左反転位置（スリット３ａの左孔端縁３
ｂ）と同芯状に配される従動プーリ１５と、これらプー
リ１３、１５とのあいだに張設される無端のタイミング
ベルトで構成される搬送体１６と、一端部がピン軸１７
ａを介して搬送体１６に回動自在に連結され、他端部が
移動体４を貫通するボス軸４ｃ先端部に回動自在に連結
される駆動プレート１７とで構成されている。そして、
電動モータ９が正回転駆動した場合に、第一クラッチ１
１を介して両プーリ１３、１５が正回転し、これに基づ
いて搬送体１６が両プーリ１３、１５間をエンドレスに
回転移動するが、駆動プレート１７は、ガイドレール１
の両端部位置においてボス軸４ｃを軸芯としてスリット
３ａの各孔端縁３ｂ、３ｃで回転し、これによって移動
体４はガイドレール１上を右反転位置と左反転位置との
あいだを往復移動する設定となっており、このようにし
て払拭作動手段の動力伝動経路が構成されている。

【００１０】さて、次に変姿作動手段であるが、第二ク
ラッチ体１２に連動連結される第一リンク１４の先端部
には、第二リンク１８の基端部が回動自在に軸承されて
いる。この第二リンク１８は、先端部が躯体に固定のブ
ラケット１９に回動自在に軸承されたピン軸１９ａの後
端部に一体的に連結され、ピン軸１９ａの前端部には第
三リンク２０の基端部が一体的に固定され、さらに第三
リンク２０の先端部にはフォーク状の切欠き溝２０ａが
形成されている。そして、第一リンク１４が電動モータ
９の逆回転駆動に伴い回転した場合に、第三リンク２０
の先端部がピン軸１９ａを支点として上下揺動する設定
となっているが、電動モータ９の逆回転駆動で第一リン
ク１４が一回転することに付き、第三リンク２０の先端
部は一回の上下揺動（往復移動）を行うように設定され
ている。

【００１１】一方、２１は上下方向に長いアームであっ
て、該アーム２１は移動体４とアーム基端部６ａとのあ
いだに位置してこれらの車体下方に設けられており、下
端部はピン軸２１ａを介して前記第三リンク切欠き溝２
０ａに係合しており、前述したように電動モータ９が逆
回転駆動した場合に、第一、第二、第三リンク１４、１
８、２０がリンク作動することによって、アーム２１が
移動体４とアーム基端部６ａとのあいだを上下移動する
ように設定されている。このアーム２１の上端部には、
移動体４から突出するロック体７のガイド部７ｂに対向
してロック解除体２２が上方に向けて一体形成され、さ
らに、アーム基端部６ａに形成された案内溝６ｄの開口
部に対向して作動ピン２３が植設されている。前記ロッ
ク解除体２２は、先端がロック体ガイド部７ｂに対向す
る傾斜面２２ａに形成され、電動モータ９の逆回転駆動
に基づいてアーム２１が上動した場合に、前記ロック解
除体傾斜面２２ａがロック体ガイド面７ｂを押しやって
移動体凹溝４ｅに没入させるようになっており、これに
よってロック体ロック部７ａがアーム基端部６ａの係合
孔６ｃから抜け出すように設定されており、而してワイ
パアーム６のロック解除がなされる。これに対し、作動
ピン２３は、ロック解除体２２がロック体７の解除を行
うことにタイミングを合わせて、案内溝６ｄの開口部に
達するように設定されており、そしてアーム２１が更に
上動することに伴い作動ピン２３は案内溝６ｄの溝奥側
に移動し、これによってワイパアーム６はワイパ軸５を
軸芯として反時計回り方向に揺動変姿するように設定さ
れており、而してワイパアーム６の格納姿勢への変姿揺
動がなされる。

【００１２】尚、ワイパアーム６を前記格納姿勢から払
拭姿勢に復帰させる場合、アーム２１を下動させること
により、前記格納姿勢への変姿とは逆の手順でワイパア
ーム６が起立して払拭姿勢に揺動変姿するが、このと
き、ロック体ロック部７ａは付勢弾機８により押出され
ており、ワイパアーム６の払拭姿勢への変姿に伴い係合
孔６ｃに自動的に嵌合することになり、これによってワ
イパアーム６は払拭姿勢に変姿すると共にロック状態と
なるように設定されている。尚、１９ｂは躯体側に取付
けられるブラケットから突設されたガイド体であって、
該ガイド体１９ｂはアーム２１の上下動をガイドするよ
うになっている。

【００１３】叙述の如く構成された本発明の実施の形態
において、ワイパアーム６を払拭姿勢として移動体４に
ロックし、この状態で電動モータ９を正回転駆動させる
と、第一クラッチ１１、プーリ１３、搬送体１６、駆動
プレート１７を経由する駆動力を受けた移動体４がガイ
ドレール１の左右反転位置のあいだを往復移動し、これ
によってワイパアーム６による窓面の払拭作動がなされ
る。これに対し、ワイパアーム６を予め設定された停止
位置である右反転位置において停止させ、この状態で電
動モータ９を逆回転駆動させると、第二クラッチ１２、
第一、第二、第三リンク１４、１８、２０を経由するリ
ンク作動を受けたアーム２１が上動し、これによってア
ーム２１のロック解除体２２がアーム基端部６ａと移動
体４とのあいだをロックするロック体７を解除すると共
に、作動ピン２３がアーム基端部６ａの案内溝６ｄに誘
導されてワイパアーム６を強制揺動変姿させて払拭姿勢
から格納姿勢に変姿させる。

【００１４】このように、本発明が実施されたものにお
いては、電動モータ９の正逆回転駆動に基いてワイパア
ーム６による払拭作動を行い、ワイパ装置の不使用時に
はワイパアーム６を格納姿勢にして窓面の視界を確保で
きるものであるが、この場合に、電動モータ９は、正回
転駆動のときは払拭作動を、逆回転駆動のときは変姿作
動をそれぞれ選択して行う構成となっているので、変姿
作動手段専用の電動モータを別途設ける必要がなく、払
拭作動手段を構成する電動モータ９と兼用できることに
なり、この結果、ワイパ装置の軽量小型化を実現でき、
車両への搭載性も向上させることが可能となる。

【００１５】さらにこのものでは、第一リンク１４が半
回転する毎にアーム２１の上動、下動を繰り返す構成で
あるので、ワイパアーム６を右反転位置に位置させた状
態で電動モータ９の逆回転駆動を継続することによっ
て、ワイパアーム６は、ロック解除および収納姿勢への
揺動変姿（第一行程）、払拭姿勢への揺動変姿そしてロ
ックの作動（第二行程）を繰返すことになり、これによ
ってワイパアーム６をワイパ軸５を支点とする揺動払拭
式のワイパ装置として使用することもできる。尚、この
ように構成する場合において、ワイパアームを収納姿勢
で停止させるには、リミットスイッチ等により収納姿勢
を検知する構成として、必要において検知信号に伴い電
動モータの駆動停止を行う構成にすることで実施でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】平行払拭式ワイパ装置の概略正面図である。

【図２】平行払拭式ワイパ装置の右反転位置における斜
視図である。

【図３】平行払拭式ワイパ装置の右反転位置における正
面図である。

【図４】ワイパアームの払拭姿勢を示す側面図である。

【図５】ワイパアームの格納姿勢を示す側面図である。

【符号の説明】

１ガイドレール３第二ガイド体３ａ長孔（スリット）４移動体４ｃボス軸４ｅ凹溝５ワイパ軸６ワイパアーム６ａ基端部６ｃ係合孔６ｄ案内溝７ロック体９電動モータ１１第一クラッチ１３プーリ１６搬送体１７駆動プレート２１アーム２２ロック解除体２３作動ピン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】正逆回転駆動する電動モータと、窓面に
水平方向に配したガイドレールと、該ガイドレール上を
往復移動自在に設けられた移動体と、電動モータの正回
転駆動を受けて移動体を前記往復移動させるための払拭
作動手段と、基端部が移動体に揺動自在に支持され、前
記移動体の往復移動に伴い窓面の払拭作動をするワイパ
アームと、該ワイパアームを払拭姿勢と格納姿勢とのあ
いだを変姿させるための変姿作動手段と、ワイパアーム
を払拭姿勢にロックするロック体とを備え、前記変姿作
動手段は、ワイパアームが所定の停止位置に達した状態
で電動モータの逆回転駆動を受けてロック体のロック解
除をすると共にワイパアームの変姿揺動をする構成にな
っている平行払拭式ワイパ装置。
【請求項２】請求項１において、電動モータからの動
力伝動経路には、電動モータの正回転駆動力については
払拭作動手段に動力伝動し、逆回転駆動力については変
姿作動手段に動力伝動するよう選択する伝動選択手段が
設けられている平行払拭式ワイパ装置。
【請求項３】請求項１または２において、変姿作動手
段は、電動モータの逆回転駆動で、ロック体のロック解
除およびワイパアームの払拭姿勢から格納姿勢への変姿
をする第一行程と、ワイパアームの格納姿勢から払拭姿
勢への変姿およびロック体のロックをする第二行程を繰
り返す構成となっている平行払拭式ワイパ装置。