JPH1133419A - 揺動選別式籾摺機の穀粒供給調節装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合米選別部に穀粒を投入する混合米タンク
が、貯留する穀粒の量に応じて上下移動する際、該混合
米タンクと混合米揚穀機との接続部分に生じる隙間から
の糠・埃等の漏れを防止し、作業環境の向上を図る。 【解決手段】 混合米タンク１２内に、貯留する穀粒の
量に応じて移動する抵抗板５０を設け、該抵抗板５０の
上下移動と、籾漏斗４から籾摺りロ−ル５・５に供給す
る籾の量を調節するシャッタ板６の開閉とを関連的に連
動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、揺動選別式籾摺
機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、混合米選別部に穀粒を投入する混
合米タンクを、貯留する穀粒の量に応じて上下移動し、
それにあわせて、籾漏斗から籾摺部に供給する籾量を調
節するシャッタ板を、連動ロッドでもって開閉調節する
技術は周知である（特開昭５６−１００６４３号）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のように、混合米
タンクが混合米揚穀機との接続部分を上下移動するもの
にあっては、上下移動の際、該接続部分に隙間が生じ、
埃・糠等がその間から漏れ、作業環境の悪化を招いてい
た。そのため、混合米タンクの接続部分にウレタンを張
り、接続部分の隙間を埋めているが、混合米タンクが上
下移動するため完全ではなく改良の余地があった。

【０００４】本発明は、混合米タンクと混合米揚穀機と
の接続部分からの糠・埃等の発生を防止し、作業環境の
向上を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、次のような技術的手段を設ける。籾漏斗４から籾摺
ロ−ル５・５に供給する籾量を、シャッタ板６の開閉に
より調節する揺動選別式籾摺機において、混合米選別部
Ｃに穀粒を供給する混合米タンク１２内に、貯留する穀
粒量の多寡に応じて移動する抵抗板５０を設け、該抵抗
板５０の移動と前記シャッタ板６の開閉とを関連的に連
動することを特徴とする揺動選別式籾摺機の穀粒供給調
節装置とした。

【０００６】

【発明の作用】籾摺り作業中において、混合米タンク１
２内の穀粒の増減で、前記抵抗板５０の上下移動とシャ
ッタ板６の開閉とが関連的に連動する。すなわち、混合
米タンク内１２における穀粒量が増加すると、該抵抗板
５０は、穀粒の圧力を受けて下方に移動し、シャッタ板
６は閉方向に回動し、籾漏斗４より籾摺りロ−ル５・５
へ投入できる籾量が減少する。

【０００７】また、混合米タンク１２内における穀粒量
が減少すると、該抵抗板５０への穀粒の圧力が弱まり、
抵抗板５０は上方に移動し、シャッタ板６は開方向に回
動し、籾漏斗４より籾摺りロ−ル５・５へ投入できる籾
量が増加する。

【０００８】

【発明の効果】本発明により、混合米タンク１２を混合
米揚穀機２との接続部分を上下移動させる必要がなく、
固定位置に設けることができるので、混合米タンク１２
の上下移動の際に発生する前記接続部分における隙間よ
り、埃・糠等が漏れることがなく、作業環境の向上を図
ることができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】

（実施例）本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、図１、図２に基づいて該籾摺機の全体構成につい
て説明する。この籾摺機は、籾摺りをする籾摺部Ａ、籾
摺部Ａからの摺落米を風選する風選部Ｂ、風選部Ｂで風
選された摺落米を選別する揺動選別装置型の混合米選別
部Ｃ、混合米選別部Ｃで選別された籾、混合米、玄米を
それぞれ搬送する各種穀粒揚穀機によって構成されてい
る。

【００１０】そして、図１を正面として、機体左上部に
籾摺部Ａを、機体左下部に風選部Ｂをそれぞれ配置し、
籾摺部Ａと風選部Ｂの右側方には混合米選別部Ｃを配置
し、機体正面側の中央部には、混合米選別部Ｃで選別さ
れた籾を籾摺部Ａに還元する籾揚穀機１、機体背面側の
中央部には、風選部Ｂで選別された混合米を揚穀する混
合米揚穀機２を配置している。また、混合米選別部Ｃの
正面右側方には混合米選別部Ｃで選別された玄米を揚穀
する玄米揚穀機３を配置している。

【００１１】籾摺部Ａは、機体上から籾漏斗４、籾摺ロ
−ル５・５と配置されていて、籾漏斗４の籾がシャッタ
−板６を開くと、籾摺ロ−ル５・５に落下し、籾摺りし
た後風選部Ｂに流入する。風選部Ｂは、混合米受け樋
７、粃受け樋８、唐箕９、排塵筒１０等から構成され
る。籾摺部Ａから落下した摺落米は、唐箕９による風選
別を受けながら、籾と玄米は混合米受け樋７に、粃は粃
受け樋８に落下し、籾殻等は唐箕９で吸引され、排塵筒
１０を経て機外に排出される。

【００１２】そして、混合米受け樋７の混合米は、混合
米ラセン１１で混合米揚穀機に搬送され、混合米揚穀機
２を経て、混合米タンク１２に一時貯留された後に、一
定量ずつ混合米選別部Ｃに投入される。また、粃受け樋
８の粃は、そのまま機外に排出するか、粃揚穀機（図示
せず）で、籾漏斗４に揚穀還元し、再度籾摺りされる。

【００１３】混合米選別部Ｃは、渡し樋１３、分配ケ−
ス１４、複数の揺動選別板１５、玄米仕切板１６、籾仕
切板１７等から構成され、前記混合米タンク１２より一
定量ずつ混合米を渡し樋１３に落下投入し、分配ケ−ス
１４で複数の通路に分配され、多段で構成されている揺
動選別板１５にそれぞれ供給される。そこで、粒形の大
小、比重の大小、摩擦係数の大小等の関係で、比重の大
きい玄米は、横方向揺上側に偏流分布し、また、玄米と
比較して比重の小さい籾は、横方向揺下側に偏流分布
し、中間部には、分離されない籾と玄米との混合米が偏
流分布する。揺動選別板１５の揺上側に偏流分布した玄
米は玄米仕切板１６で仕切られ、玄米揚穀機３を経て機
外に排出される。また、揺動選別板１５の揺下側に偏流
分布した籾は籾仕切板１７で仕切られ、籾揚穀機１を経
て籾摺部Ａに還元される。また、揺動選別板８の中間部
に偏流分布した混合米は、混合米搬送棚１８で、混合米
受け樋７に還元され、再度、混合米選別部Ｃで再選別さ
れる。

【００１４】なお、図２に示すように、混合米選別部Ｃ
の正面はカバ−１９が覆っており、２０は透明材で構成
した開閉蓋であり、揺動選別板１５の揺動選別状況が外
から見えるようになっている。籾摺機Ａを駆動させる際
には、まず、電源を入力するＯＮ・ＯＦＦスイッチ（図
示せず）をＯＮ状態にして、モ−タ−（図示せず）を駆
動させる。すると、籾摺ロ−ル５・５、唐箕９、混合米
ラセン１１、混合米揚穀機２が駆動する。そして、操作
レバ−２５を図５に示す２８ｂの位置に操作すると、シ
ャッタ−板６が開き籾摺り作業が開始される。次いで、
操作レバ−２５を２８ｃの位置に操作すると、揺動選別
板１５、玄米揚穀機３が駆動する。さらに、操作レバ−
２５を２８ｄの位置に操作すると切替弁２６が開き、揺
動選別板１５で選別された玄米を、籾摺機内での循環状
態から機外への排出状態に切り替わるようになってい
る。

【００１５】ところで、操作レバ−２５の操作に伴うシ
ャッタ板６の開閉、揺動選別板１５の作動の入り切り、
切替弁２６の開閉の連動機構について、図１から図４に
基づいて説明する。籾漏斗４の揺動選別装置側に位置し
ている平面部２７を幅広に構成して、この幅広の平面部
２７には変形Ｕ字形の操作溝２８を形成し、操作レバ−
２５は、この操作溝２８に沿って移動できる構成であ
る。そして、籾漏斗４の下部に一体的に取り付けたブラ
ケット３０に、左右方向に沿った支持軸３１を取り付け
る。この支持軸３１の中間部に軸心回りに回動できるよ
うに筒体３２を嵌合支持し、この筒体３２には、操作レ
バ−２５の基部を支持軸３１と交差する軸３３で軸支し
て、操作レバ−２５を筒体３２に対して左右方向に一定
範囲回動自在に軸支すると共に、支持軸３１を支点に操
作レバ−２５と筒体３２とが一体に前後に回動する構成
にしている。

【００１６】また、支持軸３１における筒体３２の左右
両側部には、シャッタ板６の作動手段であるシャッタ板
作動体３４、及び揺動選別板１５の揺動作動手段である
揺動作動体３５を回動自在に嵌合支持し、シャッタ板作
動体３４の上部には、左側に回動した操作レバ−２５が
係合するＵ字形の係合部３４ａを構成し、シャッタ板作
動体３４の下部には、操作レバ−連動ロッド３６の基部
を連係し、操作レバ−連動ロッド３６の先端を回動体３
７の一端に連結する。

【００１７】該回動体３７は軸３８を支点に平面視左右
回動するようになっており、他端において軸３９で中間
回動体４０と軸支連結するようになっている。該中間回
動体４０は三角形の形状をなし、第一角部には前記回動
体３７からの軸３９を軸支し、第二角部にはシャッタ板
連動ロッド４１の一端を連結し、第三角部には回動プレ
−ト４２を一端とする中間連係ロッド４３を連結してい
る。

【００１８】該回動プレ−ト４２は、三角形の形状をな
し、第一角部には混合米タンク１２を一端とする混合米
タンク連動ロッド４４の一端を連結し、第二角部には中
間回動体４０を一端とする中間連係ロッド４３が連結さ
れ、第三角部にはピン４５を軸支しており、該ピン４５
を支点に上下回動するようになっている。４６は機枠
で、前記回動体３７の支点になっている軸３８を軸支
し、また、回動プレ−ト４２の第三角部で軸支されてい
るピン４５が連結され、回動プレ−ト４２と回動体３７
の回動を支持している。また、４７はシャッタ板６を開
閉するア−ムで、開方向に付勢するスプリング４８を取
り付けている。

【００１９】さて、操作レバ−２５を操作溝２８の２８
ａから２８ｂに操作すると、シャッタ板作動体３０、操
作レバ−連動ロッド３６、回動体３７、中間回動体４
０、シャッタ板連動ロッド４１を介して、シャッタ板６
のア−ム４７がスプリング４８の引っ張りで作動し、シ
ャッタ板６が開操作され、籾漏斗４の籾が籾摺りロ−ル
５・５に落下し、籾摺り作業が開始される。

【００２０】また、操作レバ−２５を操作溝２８ｂから
２８ｃに操作すると、揺動選別板１５の駆動プ−リ１５
ａがワイヤ−１５ｂ、入力プ−リ１５ｃを介してクラッ
チ入側に作動し、揺動選別板１５による混合米選別作業
が開始される。さらに、操作レバ−２５を操作溝２８ｃ
から２８ｄに操作すると、ワイヤ−２６ａを介して切替
弁２６が開き、揺動選別板１５で選別された玄米を、籾
摺機内での循環状態から機外への排出状態に切り替わる
ようになっている。

【００２１】次に、図３、並びに図５から図９に基づい
て発明の要部である混合米タンク１２の構成について説
明する。混合米タンク１２内の籾摺部Ａ側の側面に平面
視四角形の抵抗板５０を設け、該抵抗板５０の外端をス
ライド板５１に支持する。そして、該スライド板５１を
スライド受け板５４・５４沿いに上下にスライド可能に
構成する。そして、スライド板５１上端を籾摺部Ａ側に
向かって屈曲し、該屈曲部分５１ａに、下方に付勢する
スプリング５３を係止すると共に、該スプリング５３の
上端をステ−５２に係止し、スライド板５１の表面に
は、混合米タンク連動ロッド４４の一端を接続する。そ
して、抵抗板５０の上下移動にともない、スライド板５
１及び混合米タンク連動ロッド４４が上下移動するよう
に構成する。

【００２２】さて、この発明の作用を説明する。籾摺り
作業を開始し、風選部Ｂで風選された混合米が混合米揚
穀機２で揚穀され、混合米タンク１２に投入され、穀粒
量が増加すると、抵抗板５０が穀粒の圧力を受けて下に
移動する。すると、スライド板５１と混合米タンク連動
ロッド４４もそれと共に下に移動するようになってい
る。

【００２３】混合米タンク連動ロッド４４が下に移動す
ると、混合米タンク連動ロッド４４が連結されている回
動プレ−ト４２の第一角部が、同第三角部のピン４５を
支点に下方に回動すると共に、同第二角部に連結してい
る中間連係ロッド４３が正面視で右方向に横移動する。
そして、中間連係ロッド４３が連結している中間回動体
４０の第三角部が正面視で右方向に回動すると共に、該
第三角部に連結しているシャッタ板連動ロッド４１が正
面視で左方向に横移動する。すると、シャッタ板６のア
−ム４７が正面視右回りに回動し、シャッタ板６が閉方
向に回動し、籾摺りロ−ル５・５への籾投入量は減少す
る。

【００２４】なお、玄米仕切板１６を揺上方向に移動
し、仕上米を少なく排出するいわゆる低能率の籾摺り作
業中においても、籾摺機内を循環する混合米の量が増加
するので、混合米タンク内１２の穀粒量は増加し、前記
と同様にシャッタ板６は閉方向に回動し、籾摺りロ−ル
５・５への籾投入量は減少する。籾摺り作業が終了に近
づき、混合米タンク１２内の穀粒量が減少すると、抵抗
板５０への穀粒の圧力が弱まり、抵抗板５０は上に移動
する。すると、スライド板５１と混合米タンク連動ロッ
ド４４もそれと共に上に移動するようになっている。

【００２５】混合米タンク連動ロッド４４が上に移動す
ると、混合米タンク連動ロッド４４、回動プレ−ト４
２、中間連係ロッド４３、中間回動体４０、シャッタ板
連動ロッド４１、ア−ム４７により、シャッタ板６が開
方向に回動し、籾摺りロ−ル５・５への籾投入量は増加
する。なお、玄米仕切板１６を揺下方向に移動し、仕上
米を多く排出するいわゆる高能率の籾摺り作業中におい
ても、籾摺機内を循環する混合米の量が減少するので、
混合米タンク１２内の穀粒量は減少し、前記と同様シャ
ッタ板６は開方向に回動し、籾摺りロ−ル５・５への籾
投入量は増加する。

【００２６】このような構成にすることで、混合米タン
ク１２が混合米揚穀機２との接続部分を上下移動する必
要がなく、固定位置に設けることができるので、混合米
タンク１２と混合米揚穀機２との接続部分の隙間より、
埃・糠等が漏れることがなく、作業環境の向上を図るこ
とができる。次に、籾漏斗４の平面部２７に取り付けた
籾漏斗増大装置６２の構成について、図１、図２、図１
０に基づいて説明する。

【００２７】籾漏斗４の揺動選別装置側に位置している
平面部２７を幅広に構成して、この幅広の平面部には変
形Ｕ字形の操作溝２８を形成し、この操作溝２８に沿っ
て操作レバ−２５を移動できる構成にする。また、籾漏
斗４の伝動側の平面部には、Ｉ字型の操作溝６０を形成
し、この操作溝６０に沿って籾摺りロ−ルを一時的に開
放するロ−ル展開レバ−６１を回動できる構成にする。

【００２８】さて、籾漏斗４の投入面を側面より覆うよ
うに、機体正面を開放した平面視Ｕ字形の籾漏斗容量増
大装置６２を籾漏斗４の平面部２７に固着する。近年、
保管時における収納性の向上を図る目的で、籾摺機の機
体全体のコンパクト化や、レイアウトをスリムにした籾
摺機が製品化されているが、機体全体がコンパクトにな
ると、籾漏斗の容量が小さくなってしまいがちであっ
た。また、レイアウト性向上や操作性の向上のため、操
作レバ−やロ−ル展開レバ−を前記のように、籾漏斗の
周辺に設ける籾摺機が製品化されているが、乾燥機で乾
燥した籾を搬送管で直接籾漏斗に投入する場合、あるい
は、籾袋にある籾を、作業者が籾袋を持って籾漏斗に籾
を投入する場合において、前記操作レバ−やロ−ル展開
レバ−が搬送管や籾袋と接触することがあり、作業性の
点から改良の余地があった。

【００２９】本発明により、籾漏斗容量増大装置６２が
籾漏斗４の平面部より突出するので、乾燥機の搬送管に
よる投入位置が高くなり、前記操作レバ−２５やロ−ル
展開レバ−６１と接触することがない。また、作業者
が、籾袋を持って、籾漏斗４に籾を投入する場合におい
て、籾漏斗容量増大装置６２が、籾袋を抱えこむような
役割を果たすので、籾を投入しやすくなる。また、籾投
入の際、籾漏斗容量増大装置６２が壁となり、籾が籾漏
斗４の平面部２７に飛び散ることがない。なお、籾漏斗
４に投入できる籾の量が増大することは言うまでもな
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】籾摺機の正面からみた断面図

【図２】籾摺機の平面図

【図３】連動機構図

【図４】操作レバ−の正面図

【図５】混合米タンクの斜視図

【図６】混合米タンクの平面図

【図７】混合米タンクの側面図

【図８】発明の要部を表す図

【図９】発明の作用を表す図

【図１０】籾摺機の斜視図

【符号の説明】

４…籾漏斗、５・５…籾摺りロ−ル、６…シャッタ板、
１２…混合米タンク、４０…中間回動体、４１…シャッ
タ板連動ロッド、４２…回動プレ−ト、４３…中間連係
ロッド、４４…混合米タンク連動ロッド、４７…ア−
ム、４８…スプリング、５０…抵抗板、５１…スライド
板、５１ａ…屈曲部分、５２…ステ−、５３…スプリン
グ、５４・５４…スライド受け板、Ｃ…混合米選別部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 籾漏斗４から籾摺ロ−ル５・５に供給す
   る籾量を、シャッタ板６の開閉により調節する揺動選別
   式籾摺機において、混合米選別部Ｃに穀粒を投入する混
   合米タンク１２内に、貯留する穀粒量の多寡に応じて移
   動する抵抗板５０を設け、該抵抗板５０の移動と前記シ
   ャッタ板６の開閉とを関連的に連動することを特徴とす
   る揺動選別式籾摺機の穀粒供給調節装置。