JPH10202124A - 揺動選別型の籾摺機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機体全体を小型化することで、廉価で、納屋
等に収納しやすい籾摺機を提供する。 【解決手段】 混合米分配樋の上部に、混合米揚穀機で
揚穀された混合米を一時貯留するホッパ部を一体的に取
り付け、該ホッパ部に所定量以上の混合米が溜ると、再
度、混合米揚穀機に還元できる混合米還元通路を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、揺動選別型の籾
摺機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の揺動選別装置型の籾摺機は、籾摺
部で籾摺りされた摺落米を摺落米風選部で風選した後、
混合米揚穀機で揚穀して、混合米揚穀機の投出口部の下
方にあり、且つ、貯留穀粒量により上下動する混合米ホ
ッパに一時貯留し、一定量ずつ混合米分配樋に投入され
た後、混合米分配ケ−スを経て、揺動選別装置に供給す
る構成である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】揺動選別型の籾摺機に
おいては、通常、混合米揚穀機の投出口部の下方に混合
米ホッパがあり、更にその下に混合米分配樋及び混合米
分配ケ−ス、そして揺動選別装置を配置する構成をとる
ので、混合米揚穀機はもちろん、混合米ホッパも機体の
上部に突出し、機体高さが高くなり、機体全体を小型化
できないという問題点がある。また、混合米ホッパは貯
留穀粒量により上下動するが、それに伴い、連動部材を
介して籾供給調節弁が関連的に調節され、籾供給量を増
減できるようになっているので、構造が複雑になり高価
なものになる。

【０００４】本発明は、従来の混合米ホッパを廃止する
ことにより、構造を簡単なものにし、かつ、機体全体を
小型化することで、廉価で、納屋等に収納しやすい籾摺
機を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】籾摺部Ａ、摺落米風選部
Ｂ、混合米揚穀機１及び揺動選別装置型の混合米選別部
Ｃを具備する籾摺機において、揺動選別板２に投入する
籾を均分して搬送する混合米分配樋３の上部にホッパ部
３ａを一体的に取り付け、所定量以上の混合米が溜る
と、再度、混合米を混合米揚穀機１に還元できる混合米
還元通路２１を設けたことを特徴とする揺動選別型の籾
摺機。

【０００６】

【発明の効果】混合米分配樋の上部にホッパ部を一体的
に設けるので、従来の混合米ホッパを廃止することがで
き、構造を簡単なものにすることができる。また、機体
からの突出部分を低くすることができ、機体全体を小型
化することができる。従って、廉価で、納屋等に収納し
やすい籾摺機となる。

【０００７】

【発明の実施の形態】

（実施例）本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、図１に基づいて籾摺機の全体構造について説明す
る。この籾摺機は、籾摺りをする籾摺部Ａ、籾摺部Ａか
らの摺落米を風選する摺落米風選部Ｂ、摺落米風選部Ｂ
での風選後の摺り出し米を混合米選別部Ｃに揚穀する混
合米揚穀機１、揚穀された混合米を選別する揺動選別装
置型の混合米選別部Ｃ、選別された籾、混合米、玄米を
それぞれ搬送する揚穀搬送部Ｄによって構成されてい
る。そして、機体左上部に籾摺部Ａを、機体左下部に摺
落米風選部Ｂをそれぞれ配置し、この籾摺機の前側部に
揚穀搬送部Ｄの籾揚穀筒１６を、後側部には混合米揚穀
機１を、この籾摺機の右側部には混合米選別部Ｃ、並び
に、揚穀搬送部Ｄの玄米揚穀機４を配置する構成であ
る。

【０００８】籾摺部Ａは、籾漏斗５、シャッタ−板６、
籾摺りロ−ル７，７等で構成されていて、籾摺部Ａで籾
摺りされた摺落米は摺落米風選部Ｂに流入する。摺落米
風選部Ｂは、吸引排塵機８、排塵筒９、摺落米受け樋１
０、しいな受け樋１１、風選路１２等で構成されてい
て、摺落米風選部Ｂに流入した摺落米から、吸引排塵機
８で籾殻やしいなを風選路１２より吸引し、しいなはし
いな受け樋１１に落下選別され、籾殻は排塵筒９から外
に排出される。摺落米風選後の摺落米は、摺落米受け樋
１０に落下し、混合米として混合米揚穀機１で混合米選
別部Ｃに揚穀される。

【０００９】混合米選別部Ｃは、揺動選別板２、混合米
分配樋３、混合米分配ケ−ス１３、仕切板１４，１５等
から構成される。混合米揚穀機１で搬送された混合米
は、混合米分配樋３、混合米分配ケ−ス１３を経由し
て、揺動選別板２に供給され、粒形の大小、比重の大
小、摩擦係数の大小等の関係で、比重の大きい玄米は、
選別方向である横方向揺上側に偏流分布し、また、玄米
と比較して、比重の小さい籾は、横方向揺下側に偏流分
布し、中間部には、分離されない籾と玄米の混合米が偏
流分布する。揺動選別板２の排出側に玄米仕切板１４及
び籾仕切板１５を配置し、揺上側に偏流分布した玄米
は、玄米仕切板１４で仕切られて取り出され、玄米揚穀
機４を経て、機外に取り出される。また、中間部に偏流
分布した混合米は、玄米仕切板１４及び籾仕切板１５で
仕切られて取り出され、再度、摺落米受け樋１０に送ら
れ、混合米揚穀機１を経て、混合米選別部Ｃで再選別さ
れる。また、揺下側に偏流分布した籾は、籾仕切板１５
で仕切られて取り出され、籾揚穀機１６を経て、籾摺部
Ａに還元されて再度籾摺される。

【００１０】次に、図２、図３、図４に基づいて、発明
の要部である、混合米揚穀機１で揚穀された混合米が、
混合米分配樋３に設けたホッパ部３ａに供給され、ホッ
パ部３ａに所定量以上溜った後に、オ−バ−フロ−し、
再度、混合米揚穀機１に還元する構成につき説明する。
籾摺部Ａで摺り出され、摺落米風選部Ｂで風選された摺
落米は、摺落米受け樋１０に落下し、混合米として一番
螺旋２０で混合米揚穀機１に搬送される。そして、混合
米揚穀機１（本実施例では、揚穀螺旋を用いているバケ
ットによる揚穀機でも良い）で混合米を揚穀し、混合米
投出口を経１ａて、混合米分配樋３に投入される。

【００１１】混合米分配樋３に投入された混合米は、均
分されて混合米分配ケ−ス１３を経て、揺動選別板２に
搬送されるわけだが、ここで、混合米分配樋３の上部
に、揚穀された混合米を一時貯留するホッパ部３ａを形
成し、その上部には、オ−バ−フロ−する混合米を、混
合米還元通路２１に流入させるための還元傾斜板２２を
設ける。そして、籾摺り能率が選別能率を上回る等で、
混合米がホッパ部３ａに所定量以上溜ると、即ち、還元
傾斜板２２の位置より高い位置まで溜ると、混合米はオ
−バ−フロ−し、還元傾斜板２２を経て混合米還元通路
２１を落下して、混合米揚穀機１に還元される。なお、
混合米還元通路２１の下部を一番螺旋２０に連通し、混
合米を一番螺旋２０に落下させたうえで、混合米揚穀機
１に還元される構成にしても良い。

【００１２】ところで、還元傾斜板２２には、センサ２
３を設ける。該センサ２３上を、オ−バ−フロ−した混
合米が一定時間継続して通過するのを検知すると、警報
装置が作動するように構成されている。作業者は、警報
を聞くと混合米が混合米分配樋３のホッパ部３ａからオ
−バ−フロ−した事を関知し、警報停止ボタン２６を押
す。その後、一定時間警報装置が作動しないようになっ
ており、その間に作業者は、籾漏斗５の籾を籾摺部Ａに
送るシャッタ−板６の開閉ハンドル２４を閉の位置に
し、籾摺部Ａに籾を送るのを止めるようにしたり、籾供
給量を減少させるよう開閉ハンドル２４を調節したりす
る。その結果、混合米選別部Ｃによる揺動選別が進み、
ホッパ部に溜っている混合米の量が次第に減少する。そ
して作業者は、ホッパ部３ａの右側面に設けられている
点検窓（図示せず）を見て、混合米の減少具合を見なが
ら、頃合いを見て、シャッタ−板６の開閉ハンドル２４
を開の位置にし、籾漏斗５の籾を籾摺部Ａに投入できる
ようにする。

【００１３】なお、混合米投出口１ａと混合米還元通路
２１は、可撓性の物体を用いて連通形成する。それによ
り、混合米選別板２の揺動、及び混合米選別板２の傾斜
角度の変更に対応することができる。更に、可撓性の物
体の継ぎ手部分はゴム２６等の部材で密閉するように構
成し、玄米から発生する糠、埃等が機外にでないように
する。

【００１４】また、作業終了後、納屋等に籾摺機を収納
する際には、カバ−２５で混合米分配樋３、混合米揚穀
機１を覆うようにする。その結果、収納しやすく、ねず
み等防止対策にもなり、さらに、外観上の見栄えも良い
ものになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体の断面図

【図２】発明の要部の斜視図

【図３】全体の斜視図

【図４】フロ−チャ−ト図

【符号の説明】

Ａ…籾摺部、Ｂ…摺落米風選部、Ｃ…混合米選別部、１
…混合米揚穀機、２…揺動選別板、３…混合米分配樋、
３ａ…ホッパ部、２１…混合米還元通路

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 籾摺部Ａ、摺落米風選部Ｂ、混合米揚穀
   機１及び揺動選別装置型の混合米選別部Ｃを具備する籾
   摺機において、揺動選別板２に投入する籾を均分して搬
   送する混合米分配樋３の上部にホッパ部３ａを一体的に
   取り付け、前記ホッパ部３ａに所定量以上の混合米が溜
   ると、再度、混合米を混合米揚穀機１に還元できる混合
   米還元通路２１を設けたことを特徴とする揺動選別型の
   籾摺機。