JPH11333625A - 丸鋸刃 - Google Patents

丸鋸刃

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JPH11333625A
JPH11333625A JP14851198A JP14851198A JPH11333625A JP H11333625 A JPH11333625 A JP H11333625A JP 14851198 A JP14851198 A JP 14851198A JP 14851198 A JP14851198 A JP 14851198A JP H11333625 A JPH11333625 A JP H11333625A
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face
blade
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 刃部の強度、剛性を損なうことなく、切削
性、切屑の排出性に優れた丸鋸刃を提供する。 【解決手段】 円板1の外周部に刃部2を形成する。刃
部2のすくい面5は、正のすくい角αを有する第1すく
い面7と、第1すくい面7より中心側に形成され負のす
くい角βを有する第2すくい面8と、両すくい面7,8
を連接する滑らかな連接面9とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材、非鉄材、プ
ラスチック材等の切断加工や溝入れ加工等に用いられる
丸鋸刃に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、鋼材、チタン材等の非鉄材、プラスチック材等の
切断加工や溝入れ加工(すり割り加工)等には、図3に
示すように、円板21の外周に刃部22が形成された丸
鋸刃(メタルソー)が広く利用されている。メタルソー
は、丸鋸盤等に装着され、高速回転することにより被切
削材を加工するが、1刃当たりの切削量が少なくても、
多数の切刃を有しているため、切断加工や溝入れ加工を
効率よく行うことができる。
【0003】図4は、従来のメタルソーの刃部22の形
状を示す図である。刃部22は、被切削材を切削するた
めの切刃23と、負(ネガティブ)のすくい角(−β
°)を有し切削した切屑を刃底24に案内するためのす
くい面25と、逃げ角(γ°)を有する第1逃げ面26
と、第1逃げ面26に対して鈍角に交わる第2逃げ面2
7とからなる。すくい面25は、刃底24に向かってゆ
るやかな円弧状または直線状の面とされる。また、すく
い面25と隣り合う刃部22の第2逃げ面27とによっ
て、いわゆるチップポケット28が形成される。
【0004】上記メタルソーでは、すくい面25のすく
い角が負のため、刃部22の基端の幅を広く形成でき、
刃部22の強度、剛性は高い。また、チップポケット2
8を大きくできるため、刃部22で被切削材を切削した
際に生じる切屑は、外部に良好に排出される。
【0005】一般に、メタルソーを用いて切断加工や溝
加工等を行う場合、切削性を向上させるためには、すく
い面25のすくい角をなるべく大きくし、かつチップポ
ケット28を大きくする必要がある。しかしながら、図
4の刃部22の形状では、チップポケット28は大きい
が、すくい面25のすくい角が負のため、切削性が悪
く、実際にはあまり用いられていない。
【0006】そこで、切削性を向上させる刃部形状とし
て、図5に示すような刃部31を有するメタルソーが用
いられている。この刃部31は、切刃32と、正(ポジ
ティブ)のすくい角(+α°)を有するすくい面33
と、逃げ角(γ°)を有する第1逃げ面34と、第1逃
げ面34に対して鈍角に交わる第2逃げ面35とからな
る。
【0007】このメタルソーによって被切削材を切削す
る場合、刃部31は、すくい面33のすくい角が正のた
め切削性はよい。切削された切屑は、すくい面33に沿
いながら刃底36に案内され、遠心力で外部に排出され
る。
【0008】しかしながら、このような刃部31の形状
では、すくい面33のすくい角が正のため、図4に示す
メタルソーに比べ、刃部31の基端の幅が狭く、刃部3
1の強度、剛性が低くなって、刃部31が破損しやす
い。そこで、刃部31の基端の幅を広くするために、す
くい面33のすくい角を小さくすると、今度は、切削性
が悪くなったり、あるいは構成刃先ができ易くなり、刃
先欠損の原因になる。
【0009】また、被切削材を切削した際に、切屑をチ
ップポケット37内でかかえ込む状態となり、切屑の排
出が悪くなり、切屑づまりが生じ易くなることがあっ
た。そのため、被切削材の加工面の面粗度が悪くなり、
加工後の切削部分や溝部分近傍にバリやカエリ等が生じ
易くなるという問題があった。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑み、刃部の強
度、剛性を損なうことなく、切削性、切屑の排出性に優
れた丸鋸刃の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、円板の外周部に刃部が形成され、刃部のすくい面
は、正のすくい角を有する第1すくい面と、第1すくい
面より中心側に形成され負のすくい角を有する第2すく
い面と、両すくい面を滑らかに連接する連接面とからな
る。
【0012】上記構成によれば、丸鋸刃が回転すると、
被切削材は切刃により切削され、切屑が連接面および負
のすくい角を有する第2すくい面に衝突して、より細か
く剪断される。そのため、切屑は、チップポケット内で
切屑づまりを起こすことなく外部に良好に排出される。
【0013】また、第2すくい面が第1すくい面より広
く形成されれば、刃部の基端の幅を広くできるので、第
1すくい面のすくい角を大きくしても、刃部の強度、剛
性を高めることができ、切削性も向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実
施形態に係る丸鋸刃としてのメタルソーの刃部形状を示
す図である。このメタルソーは、丸鋸盤等に装着され高
速回転されて、鋼材等の切断加工や溝加工に使用される
ものであり、円板1と、その外周に形成された刃部2と
からなる。刃部2は、被切削材を切削するための切刃3
と、切削した切屑を刃底4に案内するためのすくい面5
と、逃げ面6とからなる。切刃3は、回転方向に向かっ
て突出して形成されている。
【0015】すくい面5は、正のすくい角(+α°)を
有する第1すくい面7と、第1すくい面7より中心側に
形成され負のすくい角(−β°)を有する第2すくい面
8と、両すくい面7,8を滑らかに連接する連接面9と
からなる。連接面9は、被切削材の切削時にかかる負荷
の応力集中を避けるために湾曲状に、具体的には円弧状
に形成されている。なお、連接面9は、これに限らず多
角形状に形成して、巨視的に滑らかな状態にしてもよ
い。また、第1すくい面7および第2すくい面8は、図
1によれば、平面状に形成されているが、湾曲状または
波状に形成されてもよい。
【0016】逃げ面6は、逃げ角(γ°)を有する第1
逃げ面10と、第1逃げ面10に対して鈍角に交わる第
2逃げ面11とからなる。第2逃げ面11は、隣り合う
刃部2の第2すくい面8に刃底4を介して連接され、刃
底4は湾曲状に形成されている。
【0017】第2すくい面8は、その面積が第1すくい
面7のそれより大とされ、かつ第2すくい面8が負のす
くい角を有しているため、刃部2の基端の幅を広くで
き、刃部2の強度、剛性を充分に確保することができ
る。その上、隣り合う刃部2との間の空間、いわゆるチ
ップポケット12を充分大きくとることができる。その
ため、被切削材を切削したときに、チップポケット12
内での切屑づまりを大幅に減少させることができる。そ
の結果、被切削材の切削部分近傍のバリやカエリ等の発
生を抑えることができ、切削後の製品、特に加工面の品
質を向上させることができる。
【0018】次に、このメタルソーの切削動作を説明す
る。図2に示すように、メタルソーを高速回転させて切
刃3により被切削材Sを切削すると、それによって生じ
た切屑Tは、刃部2の第1すくい面7に沿って移動し、
連接面9および第2すくい面8の一部に激しく衝突し剪
断される。すなわち、連接面9および第2すくい面8は
チップブレーカーとしての機能をもつ。そして、切屑T
はより細かく小さくカールされ、従来の刃部で切削され
た切屑より小さくなって、遠心力により外部へ排出され
る。
【0019】このとき、チップポケット12は大きくな
っているので、図5に示す従来のメタルソーのように切
屑Tをかかえこむような状態とはならず、切屑Tはスム
ーズに外部に排出される。そのため、切屑Tの排出性は
従来に比べ格段によくなり、切削性も向上する。
【0020】ところで、上述したように、第2すくい面
8は、その面積が第1すくい面7のそれより大とされる
ため、刃部2の基端の幅が広くなり、刃部2の強度、剛
性を充分に確保することができる。これによって、第1
すくい面7のすくい角を大きくすることができる。すな
わち、切刃3を鋭くできるので、切削性を飛躍的に向上
させ得る。また、これにより、切削抵抗および切削動力
の低減を図ることができ、切削熱の発生も少なくなる。
その結果、メタルソーの回転数、切削送り速度を高く設
定することができ、大幅に生産性を向上させることがで
きる。
【0021】それゆえ、例えば熱伝導率の低いチタンや
チタン合金のような難削材を加工する際の刃先温度の上
昇を抑えることができ、長時間、安定して加工できる。
また、刃先の寿命を延ばすことができる。
【0022】また、例えば、アルミ材加工には、極めて
大きな正のすくい角を有する第1すくい面7と、大きな
チップポケット12をもつ刃部2を必要とするが、本実
施形態の刃部形状は、このようなアルミ材加工に最適な
形状となる。さらに、鋼材に較べ、比熱が高く熱伝導率
が低くかつ熱膨張係数が高いプラスチック材の加工にお
いても、本実施形態の刃部2を用いれば、加工面の面粗
度の悪化、切削部の欠けや加工面の変色を防止できる。
【0023】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多く
の修正および変更を加え得ることができる。例えば、す
り割りフライスカッターのフライスやコールドソー等の
丸鋸刃に、本実施形態の刃部形状を適用できる。
【0024】また、上記したように、第1すくい面7の
すくい角αは、可能な限り大きくできる。第2すくい面
8のすくい角βは、切屑の剪断力、チップポケット12
の大きさ等を考慮すれば45°がより望ましいが、この
角度に限定されない。
【0025】また、すくい面5は、上記したように互い
に逆のすくい角を有する2つのすくい面から構成するだ
けでなく、少なくとも切刃に近いところのすくい面が正
のすくい角を有する3つ以上のすくい面からなる複合面
としてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上のように、この発明によると、すく
い面を複合面にすることにより、切刃によって切削され
て生じた切屑は、連接面および負のすくい角を有するす
くい面によりさらに細かく剪断されるので、切屑は良好
に外部に排出される。したがって、被切削材の加工部の
バリやカエリ等の発生を抑えることができ、切削後の製
品の品質を向上させることができる。
【0027】また、負のすくい角を有する第2すくい面
は、正のすくい角を有する第1すくい面より広くされて
いるので、刃部の基端の幅を広くでき、刃部の強度、剛
性を高めることができる。また、これにより、第1すく
い面の正のすくい角を大きくでき、切削性が飛躍的に向
上し、切削抵抗および切削動力の低減を図ることができ
るとともに切削熱の発生を少なくできる。その結果、丸
鋸刃の回転数、切削送り速度を高く設定することができ
るため、大幅に生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るメタルソーの刃部形
状を示す図
【図2】メタルソーの切削時の様子を示す図
【図3】従来のメタルソーを示し、(a) は側面図、(b)
は正面図
【図4】従来のメタルソーの刃部形状を示す図
【図5】従来の他のメタルソーの刃部形状を示す図
【符号の説明】
1 円板 2 刃部 3 切刃 7 第1すくい面 8 第2すくい面 9 連接面 α 第1すくい面のすくい角 β 第2すくい面のすくい角

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板の外周部に刃部が形成され、刃部の
    すくい面は、正のすくい角を有する第1すくい面と、該
    第1すくい面より中心側に形成され負のすくい角を有す
    る第2すくい面と、両すくい面を滑らかに連接する連接
    面とからなることを特徴とする請求項1記載の丸鋸刃。
  2. 【請求項2】 第2すくい面は、第1すくい面より広く
    形成されたことを特徴とする請求項1記載の丸鋸刃。
JP10148511A 1998-05-29 1998-05-29 丸鋸刃 Expired - Lifetime JP3105866B2 (ja)

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