JPH11332587A - ヒノキチオールの製造方法 - Google Patents

ヒノキチオールの製造方法

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JPH11332587A
JPH11332587A JP15665098A JP15665098A JPH11332587A JP H11332587 A JPH11332587 A JP H11332587A JP 15665098 A JP15665098 A JP 15665098A JP 15665098 A JP15665098 A JP 15665098A JP H11332587 A JPH11332587 A JP H11332587A
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JP
Japan
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hinokitiol
medium
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cultured
weeks
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JP15665098A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Furuya
力 古谷
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SEIWA TECH LAB
SEIWA TECHNOLOGICAL LAB Ltd
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SEIWA TECH LAB
SEIWA TECHNOLOGICAL LAB Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続培養法又は半連続培養法により培地中にヒ
ノキチオールを放出させることで、ヒノキチオールを安
定的に量産すること。 【解決手段】ヒノキチオール産生能を有する植物の培養
細胞を、連続培養法又は半連続培養法により培養して培
養培地中にヒノキチオールを放出させ、培養培地からヒ
ノキチオールを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗微生物剤や食品
の鮮度保持剤等に用いられるヒノキチオールを、植物細
胞の連続培養又は半連続培養により取得するヒノキチオ
ールの製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】抗微生物剤や食品の鮮度保持剤等に用い
られているヒノキチオールは、現在のところ、ヒノキチ
オール産生能を有する植物、例えば、アオモリヒバのオ
ガクズを水蒸気蒸留法等により得ているが、製材の副産
物としてのオガクズの利用では、得られるヒノキチオー
ルの量にも限界がある。そこで、ヒノキチオールの量産
化を目指し、ヒノキチオール産生能を有する植物の細胞
を培養して細胞内でヒノキチオールを生産しようとする
技術が種々提案されている(例えば、特開平3−274
981号、特開平4−108392号、特開平4−19
7186号、特開平7−27498号、特開平7−17
7893号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来法は、いずれ
も植物細胞を培養する培地に何らかの特徴を持たせたも
の、例えば、炭素源、無機成分および植物ホルモンを必
須成分とする培地、エリシターとして菌体エキスやキチ
ンを添加した培地、あるいは、生合成前駆物質として所
定量の酢酸又は酢酸塩を添加した培地等を用いて植物細
胞を培養し、この培養細胞自身からヒノキチオールを得
ているが、満足のいくヒノキチオール量の生産には至っ
ていないのが現状である。
【0004】本発明は、従来の植物細胞培養法とは別の
観点から見直し、連続培養法又は半連続培養法によりヒ
ノキチオールを培地中に放出させ、安定的に量産するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、アオモリヒ
バの細胞培養法において、培養細胞がヒノキチオールの
生産を高めるのは最初の3週間程で、それ以降は生産を
減少させること、及び、ヒノキチオールは、培養細胞よ
り培養培地中に放出される方が量的に多いことを知見し
た。そしてこの知見に基づき、この培地中のヒノキチオ
ール生産量がさほど高まらないうちに、次々と培地を入
れ替えながら培養を行う、いわゆる連続培養あるいは半
連続培養を行うと、同じ培養細胞を利用して培地中に効
率良くヒノキチオールを放出させることを見出し、本発
明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明によるヒノキチオールの
製造方法は、ヒノキチオール産生能を有する植物の培養
細胞を、連続培養法又は半連続培養法により培養して培
養培地中にヒノキチオールを放出させ、培養培地からヒ
ノキチオールを得ることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】ヒノキチオール産生能を有する植
物としては、アスナロ属植物(例えば、アスナロ、ヒノ
キアスナロ(アオモリヒバ)等)、ヒノキ属植物(例え
ば、ベニヒ、台湾ヒノキ等)、ビャクシン属植物(例え
ば、ハイネズ、ハイビャクシン等)、オニヒバ属植物
(例えば、オニヒダ、台湾ショウナン等)が好適であ
る。
【0008】本発明方法においては、ヒノキチオール産
生能を有する植物の殺菌した茎や葉又は無菌幼苗を、適
宜の方法で培養し、得られた培養細胞を寒天培地で継代
し、次いで液体培地で継代を行う。その間、植物ホルモ
ンを添加して、培養細胞の増殖とヒノキチオール生産量
を指標として、液体培養に好適な細胞を選抜した。
【0009】選抜された細胞培養のヒノキチオール生産
培地としては、液体培地が好ましい。この液体培地は、
従来より植物の細胞培養に用いられている培地で、例え
ば、ムラシゲ・スクーグ培地、リンスマイヤー・スクー
グ培地、ホワイト培地、B−5培地、ニッチ・ニッチ培
地等を基本培地として、炭素源、植物ホルモン、ビタミ
ン類およびアミノ酸類等を添加して調製する。
【0010】培地中に含有させる植物ホルモンとして
は、オーキシン類およびサイトカイニン類が好ましい。
オーキシン類としては、例えば、インドール酢酸(IA
A)、ナフタレン酢酸(NAA)、インドール酪酸(I
BA)、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−
D)等が挙げられる。また、サイトカイニン類として
は、カイネチン(K)、ベンジルアデニン(BA),ゼ
アチン、2−イソペンテニルアデニン(2−ip)等が
挙げられる。これら植物ホルモンは、培養細胞が好適に
得られる0.01ppmから10ppmの範囲の添加濃
度に調整される。植物ホルモンは、単独またはコンビネ
ーションで用いられ、特にNAA1ppm+K0.1p
pmが望ましい。
【0011】本発明方法では、培養に使われている培地
と同一の培地を定期的若しくは不定期的に頻回交換する
連続培養法または半連続培養法により、培養培地に放出
されるヒノキチオールが得られる。培地の交換は、例え
ば、最初の2週間あるいは3週間をそのまま培養し、そ
の後は、1週間あるいは2週間毎に複数回同一培地で培
養して、それぞれの培養済培地中に放出されたヒノキチ
オールが得られる。培地の頻回交換は、定期的に行うの
が好ましいが、不定期に複数回行ってもよい。培地中で
のヒノキチオールの生産は、約3週間でピークを迎え、
その後は生産量は減少するが、合計12週間程度までは
ヒノキチオールを生産する。
【0012】
【実施例】次に、この発明の具体的な実施例と比較例を
示すが、本発明はこれに限定されるものではない。以下
の実施例及び比較例における培養は、いずれも25℃、
暗所、120rpmの回転振とう培養下で行った。ヒノ
キチオールの定量は、液体クロマトグラフィーで行っ
た。また、ヒノキチオールの含量は、培地200ml当
りまたは3リットル当りに換算して表示した。液体クロ
マトグラフィーの測定条件を以下に示す。
【0013】液体クロマトグラフィー 装置:日本分光 LC−800システム カラム:Crest Pak C18S,4.6mm×
150mm(日本分光) 液相:0.1%リン酸CH3 CN:0.1%リン酸H2
O(55:45) 流速:1.0ml/min 検出波長:245nm 保持時間:7.20min(ヒノキチオール)
【0014】実施例および比較例で使用した培地組成を
表1に示す。pH5.8に調整し、実施した。
【0015】
【表1】培養試験に供した液体培地の組成と成分濃度 培地の成分 濃度(mg/l) NH4 NO3 1650 KNO3 1990 CaCl2 ・2H2 O 440 MgSO4 ・7H2 O 370 KH2 PO4 170 FeSO4 ・7H2 O 27.8 Na2 −EDTA 37.3 MnSO4 ・4H2 O 22.3 ZnSO4 ・7H2 O 8.6 CoCl2 ・6H2 O 0.025 CuSO4 ・5H2 O 0・025 Na2 MoO4 ・2H2 O 0.25 KI 0.83 H3 BO4 6.2 ニコチン酸 0.5 ピリドキシン塩酸 0.5 チアミン塩酸 0.1 ミオイノシトール 100 グリシン 2.0 ショ糖 30000 ナフタレン酢酸 1.0 カイネチン 0.1
【0016】「実施例1」液体培地200mlを500
ml三角フラスコに入れ、これにアオモリヒバ培養細胞
1gを入れて、まず2週間(2W)培養し、培地を入れ
換えながらさらに2週間、計4週間培養を続ける半連続
培養を行い、2週間ごとにヒノキチオールの生産量を測
定した。測定結果を表2に示す。培地からのヒノキチオ
ールの抽出は酢酸エチルで行い、酢酸エチルを蒸発後、
メタノールに溶かし、液体クロマトグラフィーで分析し
た。
【0017】
【表2】
【0018】「実施例2」アオモリヒバ培養細胞1gを
200mlの液体培地にまず2週間培養し、培地を入れ
換えながらさらに1週間づつ2回、計4週間培養を続け
る半連続培養を行い、各回ごとにヒノキチオールの生産
量を測定した。測定結果を表3に示す。なお、培地組
成、測定条件は実施例1に準じる。
【0019】
【表3】
【0020】アオモリヒバ培養細胞1gを200mlの
液体培地にまず3週間培養し、培地を入れ換えながらさ
らに1週間、計4週間培養を続ける半連続培養を行い、
各回ごとにヒノキチオールの生産量を測定した。測定結
果を表4に示す。なお、培地組成、測定条件は実施例1
に準じる。
【0021】
【表4】
【0022】「実施例4】アオモリヒバ培養細胞30g
を1リットルの液体培地で、まず3日間前培養し、2リ
ットル培地入り5リットルジャーに培養細胞と共に入
れ、2週間培養を行う。さらに1週間づつ2回、計4週
間培養を続ける連続培養を行い、各回ごとに培地中のヒ
ノキチオール生産量を測定した。測定結果を表5に示
す。なお、培地組成、測定条件は、実施例1に準じる。
【0023】
【表5】
【0024】「比較例」アオモリヒバ培養細胞1gを2
00mlの液体培地に4週間同一培地で培養し、培地中
のヒノキチオールの生産量を測定したところ、5.89
mg/200mlであった。また、これと並行して培養
細胞中のヒノキチオール生産量を測定したが、僅かに
0.34mgにすぎなかった。このことは、培養細胞
が、培地中にヒノキチオールの大半を放出していること
を示している。なお、培地組成及び測定条件は実施例1
と同様である。
【0025】
【発明の効果】この発明は、ヒノキチオール産生植物の
培養細胞を、連続培養又は半連続培養により、培地中に
ヒノキチオールを放出し、生産させる方法である。この
発明方法により、ヒノキチオールの大量生産が可能とな
り、抗菌剤および鮮度保持剤の原料として使用するに十
分量を安定的に供給することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒノキチオール(β−ツヤプリシン)産生
    能を有する植物の培養細胞を、連続培養法又は半連続培
    養法により培養して培養培地中にヒノキチオールを放出
    させ、培養培地からヒノキチオールを得ることを特徴と
    するヒノキチオールの製造方法。
JP15665098A 1998-05-21 1998-05-21 ヒノキチオールの製造方法 Pending JPH11332587A (ja)

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JP15665098A JPH11332587A (ja) 1998-05-21 1998-05-21 ヒノキチオールの製造方法

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ID=15632301

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990083666A (ko) * 1999-02-24 1999-12-06 오윤명 편백으로부터추출된항균,항진균효과를갖는정유의추출방법.

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19990083666A (ko) * 1999-02-24 1999-12-06 오윤명 편백으로부터추출된항균,항진균효과를갖는정유의추출방법.

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