JPH11330721A - 防音カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過音も固体伝搬音も遮断できる極めて大き
い遮音性を有し、また製作が容易でコストが安い防音カ
バーを提供する。 【解決手段】 騒音源となるモータや歯車、ファン等の
機械１ａが内蔵された本体１に複数個のカバー２を取り
付ける。カバー２は、外壁２ａ、内壁２ｂ及びこれらの
外周をつなぐゴム等からなる弾性部材２ｃとからなる中
空密閉構造を有し、内部は真空にする。機械１ａからの
放射音は、内壁２ｂに当たってその内面を加振するが、
カバー２の内部が真空になっているので振動を伝搬する
媒質が無く、外壁２ａには伝搬しない。周縁部では、弾
性部材２ｃが曲げ振動の固体伝搬を遮断する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、本体と複数のカバ
ーとからなる画像形成装置の筐体のように内部から放射
される音を低減する必要のある装置において騒音を低減
させるのに好適な防音カバーに関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在の
画像形成装置等では、本体を外部から遮蔽するカバーが
設けられているが、このカバーは樹脂あるいは金属の一
枚板で造られている場合が多く、重量やコストの関係で
板厚の厚いものは使用できず、本体内部から放射する騒
音を充分には遮断できなかった。特に、内壁から外壁へ
透過する透過音は遮音できる技術は提案されているが、
カバーの端部から固体伝搬する固体伝搬音は遮断できな
いでいる。

【０００３】本発明は上記従来の問題点に鑑み、透過音
も固体伝搬音も遮断できる極めて大きい遮音性を有し、
また製作が容易でコストが安い防音カバーを提供するこ
とを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の防音カバーのう
ち請求項１に係るものは、上記目的を達成するために、
全部または一部を扁平箱形状に形成するとともに該扁平
とした部分の内部を真空とし、該扁平とした部分の内壁
部材の振動が外壁部材に伝搬することを防ぐ振動伝搬遮
断手段を上記内壁部材と外壁部材の間に配してなること
を特徴とする。

【０００５】同請求項２に係るものは、上記振動伝搬遮
断手段が、上記外壁部材と内壁部材との接続部分に配し
た弾性体からなる部材であることを特徴とする。

【０００６】同請求項３に係るものは、全部または一部
を扁平箱形状に一体形成するとともに該扁平とした一体
部分の内部を真空とし、該扁平とした一体部分の内壁部
材の振動が外壁部材に伝搬することを防ぐ制振手段を上
記内壁部材に配してなることを特徴とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図１は本発明に係る防音カバーの一
実施形態を用いた筐体の例を示す断面図である。図示の
ようにこの筐体は、本体１と複数個のカバー２とで構成
されている。本体１内には、騒音源となるモータや歯
車、ファン等の機械１ａが内蔵されている。

【０００８】カバー２は、外壁２ａ、内壁２ｂ及びこれ
らの間をつなぐ弾性部材２ｃとからなる中空密閉構造を
有し、内部は真空にしてある。弾性部材２ｃは外壁２ａ
と内壁２ｂの端部を一周しており、内壁２ｂから外壁２
ａへの振動伝搬を防いでいる。

【０００９】弾性部材２ｃには一般的にはゴムが使用で
きるが、もちろん音を減衰させ得るものであればその他
も採用可能である。また、弾性部材２ｃは弾性率が小さ
いほど低周波数の振動まで遮断できることは周知のこと
であるが、これを利用し、弾性部材２ｃの弾性率を変え
て遮断したい騒音の周波数領域を可変させることができ
る。

【００１０】このような構成で、機械１ａから放射され
たモータ回転音や歯車噛み合い音、ファンの風切り音等
の騒音は、カバー２の内壁２ｂに当たり、内壁２ｂの内
面を加振するが、カバー２の内部が真空になっているの
で、ピストン振動を伝搬する媒質が無く、外壁２ａには
伝搬しない。また、外壁２ａと内壁２ｂの周縁部では、
弾性部材２ｃが曲げ振動の固体伝搬をも遮断し、内壁２
ｂから外壁２ａに振動が伝搬して外壁２ａから音が放射
することはなくなる。従って、カバー２の内部の騒音が
外部に透過することがなく、極めて高い遮音性を発揮す
る。

【００１１】図２は本発明に係る防音カバーの他の実施
形態を用いた筐体の例を示す断面図である。図示のよう
にこの筐体のカバー３は、接続部材（先の実施形態の弾
性部材２ｃ）を用いないでブロー成形等により一体成形
で製作してあり、内壁３ｂのさらに内側に制振部材４を
配し、外壁３ａへの音の伝搬を防いでいる。この構造で
は、遮音については先の実施形態と同様であるが、カバ
ー３をブロー成形等で一体成形しているので、製作が容
易でコストが安く済むだけでなく、つなぎ目がないので
剛性が高まる。

【００１２】

【発明の効果】請求項１に係る防音カバーにおいては、
以上説明してきたように、扁平箱形状で中空内部が真空
になっており、さらに内壁の振動が外壁に伝搬しないよ
うになっているので、透過音も固体伝搬音も遮断でき、
極めて大きい遮音性を有するという効果がある。

【００１３】請求項２に係る防音カバーにおいては、以
上説明してきたように、外壁部材と内壁部材の接続部材
として弾性体を用いたので、上記共通の効果に加え、弾
性体の弾性率を変化させることにより、遮断したい周波
数領域を任意に選択することができるという効果があ
る。

【００１４】請求項３に係る防音カバーにおいては、以
上説明してきたように、扁平箱形状かつ一体形成した中
空内部が真空になっており、さらに内壁部材に振動が外
壁部材に伝搬することを防ぐ制振手段を配しているの
で、透過音も固体伝搬音も遮断でき、極めて大きい遮音
性を有するとともに、接続部材を用いずにブロー成形等
によって一体成形で製作できるので、製作が容易でコス
トが安く、しかも一体とすることによって剛性を高くで
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る防音カバーの一実施形態を用いた
筐体の例を示す断面図である。

【図２】本発明に係る防音カバーの他の実施形態を用い
た筐体の例を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 本体 １ａ 騒音源となる機械 ２ カバー ２ａ 外壁 ２ｂ 内壁 ２ｃ 弾性部材 ３ カバー ３ａ 外壁 ３ｂ 内壁 ４ 制振部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 全部または一部を扁平箱形状に形成する
   とともに該扁平とした部分の内部を真空とし、該扁平と
   した部分の内壁部材の振動が外壁部材に伝搬することを
   防ぐ振動伝搬遮断手段を上記内壁部材と外壁部材の間に
   配してなることを特徴とする防音カバー。
2. 【請求項２】 上記振動伝搬遮断手段が、上記外壁部材
   と内壁部材との接続部分に配した弾性体からなる部材で
   あることを特徴とする請求項１の防音カバー。
3. 【請求項３】 全部または一部を扁平箱形状に一体形成
   するとともに該扁平とした一体部分の内部を真空とし、
   該扁平とした一体部分の内壁部材の振動が外壁部材に伝
   搬することを防ぐ制振手段を上記内壁部材に配してなる
   ことを特徴とする防音カバー。