JPH11234946A - Ｓｒモータのハウジング構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ運転中のステータの磁気振動が直接外
気に伝播するのを防止し、騒音発生を有効に抑えること
ができる。 【解決手段】 ヨーク部分に内接する内壁１を設けると
ともに、この内壁１の外側に一定間隔を保持して外壁２
を設け、この内壁１と外壁２との間に吸音材４を装填・
密閉してモータのハウジングを二重壁構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、出力が大きく、
しかも耐久時間が長い特徴を有し、例えば電気自動車、
電気自転車、電気スクータ或いは電気掃除機等への適用
が好適なＳＲモータ（スイッチド・リラクタンスモー
タ）に係り、特に騒音を小さく抑えることができるＳＲ
モータのハウジング構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種のＳＲモータとしては、例えば中
心側に外向き凸状の突起を有するロータと、このロータ
の外側に内向き凸状の突起を有するステータとを配設し
た構成のものであって、ステータコアの各凸状部分（磁
極）に形成したコイルの磁気的吸引力でロータ側の突起
を磁気的に吸引させることによってロータを回転する構
造のものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようなＳＲモータ
にあっては、磁気吸引力によりステータコアの凸状磁極
は断続的に振動・変形を起こすため、ヨーク及びフレー
ムもこれに追従して振動・変形する。その結果、エンド
カバーにも振動が伝播してモータ全体が振動する。即
ち、従来のものは、ステータの磁気振動が直接外気に伝
播するような構造となっているから、どうしても大きな
騒音が発生し易くなっている。

【０００４】そこで、この発明は、上記した事情に鑑
み、モータ運転中のステータの磁気振動が直接外気に伝
播するのを防止し、騒音発生を有効に抑えることができ
るＳＲモータのハウジング構造を提供することを目的と
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】即ち、この請求項１に記
載の発明は、外向き凸状突起を有するロータと、このロ
ータを外側から取り囲むように内向き凸状磁極を有する
ステータとを配設し、前記ステータ側の磁気吸引力によ
ってロータを回転するＳＲモータにおいて、ヨーク部分
に内接する内壁を設けるとともに、この内壁の外側に一
定間隔を保持して外壁を設け、この内壁と外壁との間に
吸音材を装填・密閉して二重壁構造としたものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施例に
ついて添付図面を参照しながら説明する。図１はこの発
明の第１実施例に係るＳＲモータを示すものであり、こ
のＳＲモータは、インナロータ構造のものであって、ロ
ータＲ及びステータＳの外側を、一定の隙間を設けた内
壁（内フレーム）１と外壁（外フレーム）２とからなる
二重壁構造のハウジング３で覆い、このハウジング３に
よってモータ駆動時の騒音を内部に閉じ込めて外部に洩
れないようにしてある。なお、この実施例では、ロータ
Ｒの突起数を６つ、ステータＳの凸状磁極（歯部）数を
８つとした６−８トポロジー構造を有しているが、各種
の数のトポロジーのものが適用可能である。

【０００７】内壁１は、モータのヨーク部分を内挿して
おり、吸振性の高い材料、例えば制振鋼板で形成されて
いる。またこの実施例では、図２に示すように、ステー
タＳの外側の角部分のみが内壁１に内接するように構成
されており、これによってステータＳの磁気振動が内壁
１側に伝播するのを有効に防止している。即ち、これ
は、ステータＳが正八角柱状に形成されているが、内周
側で凸状の突起（磁極）部分の間のコイルが挿入される
各溝に対応する外周面部分が、丁度正、八角形の８個の
角部分（振動時の節に相当する）を形成しているので、
振動の大きな腹の部分が直接内壁１に接触せず、振動の
物理的伝播が有効に阻止されているものである。

【０００８】外壁２には、吸振性の高い材料、例えば制
振鋼板やマグネシウム合金で形成されており、放熱性を
高めれるために外表面に多数の突起（襞等でもよい）２
Ａを設けてある。

【０００９】内壁１と外壁２との隙間には、吸音性の良
好な材料（吸音材４）のもの、例えば砂、モリトプレー
ン、グラスウール、αゲル、多孔質体等の減衰特性の良
好なものが好適であり、また黒鉛鋳鉄（鉄粉と黒鉛粒）
を円筒状に固めて成形したものを使用してもよい。な
お、この円筒状に成形したものを使用する場合には、予
め内部にモータのコアやステータ及び内壁を内挿し、そ
の後内外壁を外挿して、内外壁を適宜の手段で挟持させ
ればよい。また、内外壁を予め一定隙間を形成するよう
にして組付け、それにモータのコアやステータを内挿す
るとともに、隙間に各種の吸音材（この場合には、粉体
や固まり状のもの或いは軟質のもの等）を隙間無く投入
若しくは挿入させる。

【００１０】従って、この実施例によれば、モータの作
動時に、ステータＳ側の磁気振動が発生しこの振動が接
触点を通して内壁１に伝播しても、これに接触する吸音
材４は、異方性が大きく外壁２方向に等方的に伝播して
いかないから、内部で効果的に吸収されてしまう。即
ち、ステータ側からの振動エネルギーが、吸音材４の内
部通過の際に反射されてしまい、異方性構造の中で一種
の摺動熱となって吸収・消費されてしまうから、騒音と
して外部に逃げだすのを有効に防止できる。

【００１１】なお、この実施例では、ハウジングを二重
壁構造としてあるが、この他に、例えばエンドプレート
の部分も、同様の二重壁構造として、側部のみならず、
端部側でも騒音を内部に封じ込めて外部へ逃げださぬよ
うにすれば、さらに好ましい。

【００１２】

【発明の効果】以上説明してきたようにこの発明によれ
ば、内外壁の隙間に吸音材を充填した二重壁構造のハウ
ジングによって、磁気吸引力によるラジアル方向の振動
が有効に吸音できるから、別言すれば作動中のステータ
の磁気振動をモータのハウジング内部に抑え込むことが
できるようになるから、騒音が著しく少なく静粛性が飛
躍的に高められた高品質のＳＲモータが実現可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るＳＲモータを示す概略図。

【図２】この発明の構成を示す断面図。

【符号の説明】

１ 内壁 ２ 外壁 ２Ａ 突起 ３ ハウジング ４ 吸音材 Ｓ ステータ Ｒ ロータ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外向き凸状突起を有するロータと、この
   ロータを外側から取り囲むように内向き凸状磁極を有す
   るステータとを配設し、前記ステータ側の磁気吸引力に
   よってロータを回転するＳＲモータにおいて、 ヨーク部分に内接する内壁を設けるとともに、この内壁
   の外側に一定間隔を保持して外壁を設け、 この内壁と外壁との間に吸音材を装填・密閉して二重壁
   構造としたことを特徴とするＳＲモータのハウジング構
   造。
2. 【請求項２】 内壁及び外壁の部分を吸振性の高い材料
   で形成したことを特徴とする請求項１に記載のＳＲモー
   タのハウジング構造。