JPH11329217A - 電界放出型カソードの製造方法 - Google Patents

電界放出型カソードの製造方法

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JPH11329217A
JPH11329217A JP13395798A JP13395798A JPH11329217A JP H11329217 A JPH11329217 A JP H11329217A JP 13395798 A JP13395798 A JP 13395798A JP 13395798 A JP13395798 A JP 13395798A JP H11329217 A JPH11329217 A JP H11329217A
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electron
electrode
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Ichiro Saito
一郎 齋藤
Koichi Iida
耕一 飯田
Tokiko Takahashi
斗紀子 高橋
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/022Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes
    • H01J9/025Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes of field emission cathodes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子放出特性が劣化することのない大画面カ
ソードプレートを歩留まり良く容易に作製することが可
能な製造方法を提供する。 【解決手段】 基板上にカソード電極を形成し、この上
に微細孔を有する絶縁層及びゲート電極を順次形成した
後、電子放出物質の粒子を分散した溶液中に浸し、上記
カソード電極を陽極または陰極として電気泳動を行い、
上記微細孔に臨むカソード電極上に電子放出物質の粒子
を電着することにより電子放出部を形成する。電子放出
部は、湿式法により形成しており、設備投資を大幅に削
減することができ、大画面としたときの歩留まりも大幅
に改善される。また、電子放出物質の粒子が完全に露出
した構造とすることができることから、電子放出部の作
製精度を格段に下げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲート電極との間
に印加される電界により電子を放出する電界放出型カソ
ードの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ディスプレイ装置に関する研究開
発は、ディスプレイを薄型化する方向に推し進められて
いる。このような状況において、特に注目を浴びている
ディスプレイ装置としては、いわゆる電界放出型カソー
ドが配設された電界放出型ディスプレイ装置(以下、F
EDと略称する。)を挙げることができる。
【0003】このFEDは、電界放出型の平面陰極線管
であり、各画素に対応した部分に、電界放出型カソード
とこの電界放出型カソードと対向するように配設された
アノード電極及び蛍光体とを有し、この画素がマトリク
ス状に配列されることによりディスプレイを構成してい
る。
【0004】そして、上記FEDでは、電界放出型カソ
ードから放出された電子が、当該電界放出型カソードと
アノード電極との間の電界により加速されて蛍光体に衝
突し、これにより蛍光体が励起されて発光し、画像を表
示する。
【0005】この種の電界放出型の平面陰極線管に用い
られる電界放出型カソードは、強電界による電子のトン
ネル効果を利用するもので、電子放出材料には、これま
でMo、Ni、W等の高融点金属や、Si等が用いられ
ている。また、カソードチップの構造は、スピント型と
称されるものが多く使われている。
【0006】スピント型のカソードチップを作製するに
は、先ず、ガラス等の基板上に形成した導電性膜からな
るベース電極上に絶縁膜を形成し、この上にさらに導電
性膜からなるゲート電極を設け、これにゲート電極側か
らベース電極まで達する微細な孔(直径1μm)を形成
する。次いで、この孔に前記の高融点金属またはSiを
用いてカソードチップを形成する。このとき、リフトオ
フ法等を利用して、先端の曲率半径が数十nm程度とさ
れた錘状形状とし、錘状の先端がゲート電極側を向くよ
うに形成している。
【0007】錘状形状の高さは、1μm以下であり、ベ
ース電極とゲート電極の距離も絶縁膜を介して1μm以
下になっている。このスピント型のカソードチップにお
いて、ゲート電極にベース電極に対し数十ボルトの正の
電圧を加えると、錘状形状を有するカソードチップの先
端部は、およそ107 V/cmの電界となり、この先端
部から電子の電界放出が起こる。
【0008】電界放出型の平面陰極線管では、この放出
される電子を0.2〜1mm程度の距離を隔てて対向さ
せたアノード電極上の蛍光体に着弾させ、蛍光発光を得
ている。
【0009】ここで、平面陰極線管の一画素は、数十〜
数千のスピント型カソードチップからなり、例えばコン
ピュータディスプレイの標準的仕様であるXGAクラス
の画素数(1024×768×RGB)を持つディスプ
レイを構築するには、1〜1000億のカソードチップ
が必要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のスピ
ント型の電界放出型カソードでは、次のような問題があ
る。
【0011】先ず第1に、歩留まりやコストの問題であ
る。スピント型の電界放出型カソードは、上記の構造と
原理であるため、カソードチップの先端形状が電界集中
の基本である。電界集中のためには、先端の曲率半径を
蒸着等の成膜によって数十nm以下にする必要があり、
サブミクロン以下の加工精度が必要であるため、集積回
路を製造する場合と同様のプロセス、装置が必要であ
る。したがって、例えば対角17インチ以上の面積を有
する中〜大画面のカソードチップ群(カソードプレー
ト)を作製しようとすると、装置規模が非常に大きくな
り、多大な設備投資を要し、製造コストが大幅に上昇す
ることになる。しかも、カソードプレート全面にわたっ
てカソードチップを均一に欠陥なく作らなければなら
ず、大型になればなるほどカソードチップ数は増大して
いくので、歩留まりが悪くなる傾向にあり、中〜大画面
への適用は事実上難しい。
【0012】第2に、Mo、Ni、W等の高融点金属や
Siは、イオン衝撃に弱く、残留ガスや蛍光体から発生
するイオンの衝撃により劣化し易いことが挙げられる。
このため、カソード寿命を確保するには、通常の陰極線
管の真空度である10-6〜10-7Torrに比べて一桁以上
低い真空度を維持する必要がある。
【0013】これらの問題を解消する技術として、例え
ばWO97/6549には、導電性粒子を基板の上に設
けた導電層の上に誘電体層を挟んで配置し、さらに導電
性粒子の上部に誘電体層を設け、各誘電体層の厚みを導
電性粒子の粒径の1/10〜1/100にした構造の電
界放出プレートやそれを用いた平面陰極線管に関する記
述があり、この構造を印刷等の方法によって作成する技
術が、大画面の平面ディスプレイに適した廉価な構造、
製造方法として提唱されている。
【0014】また、米国特許第5608283号には、
基板上の導電層に形成した高抵抗の柱の上や導電層自体
の上にグラファイト、アモルファスカーボン、シリコン
カーバイトの粒子を接着層を介して配置する電界放出カ
ソードプレートも提案されている。
【0015】しかしながら、前者では、導電性粒子を誘
電体層を介して配置し、特に誘電体層の厚さを数百Åの
オーダーで制御しなければならないが、その制御が難し
く、大画面のカソードプレートの作成には適さない。
【0016】また、後者は、導電性の接着剤により導電
性粒子を接着することを特徴としているが、導電性の接
着材料が導電性粒子を覆ってしまう危険性が高く、この
場合には電子放出が起こらないという問題が発生する。
この問題を回避するためには、導電性接着剤の厚さを数
百Åのオーダーで制御することが必要となるが、かかる
制御は非常に難しく、特に大画面のカソードプレートの
作成には適さない。さらに、高抵抗の柱の上に選択的に
導電性粒子を配することは難しく、通常の成膜技術、印
刷手法では実現は難しい。
【0017】本発明は、このような従来の実情に鑑みて
提案されたものであり、大画面のカソードプレートを歩
留まり良く容易に作製することが可能な電界放出型カソ
ードの製造方法を提供することを目的とする。
【0018】さらに本発明は、電子放出特性が劣化する
ことのない電界放出型カソードを作製することが可能な
電界放出型カソードの製造方法を提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、基板上にカソード電極を形成し、この
上に微細孔を有する絶縁層及びゲート電極を順次形成し
た後、電子放出物質の粒子を分散した溶液中に浸し、上
記カソード電極を陽極または陰極として電気泳動を行
い、上記微細孔に臨むカソード電極上に電子放出物質の
粒子を電着することにより電子放出部を形成することを
特徴とするものである。
【0020】本発明では、湿式法により電界放出型カソ
ードを形成しており、設備投資を大幅に削減することが
でき、大画面としたときの歩留まりも大幅に改善され
る。
【0021】また、電子放出物質の粒子が完全に露出し
た構造とすることができることから、電子放出部の作製
精度を格段に下げることができ、この点からも、歩留ま
りや生産性、製造コストを改善することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した電界放出
型カソードの製造方法について、図面を参照しながら詳
細に説明する。
【0023】先ず、電界放出型カソードを用いたディス
プレイ装置(FED)の構造、及び各電界放出型カソー
ドの構造について説明する。
【0024】フィールドエミッションディスプレイ(F
ED)は、図1に示すように、電界の印加により電子放
出を行う電界放出型カソード1が形成されたバックプレ
ート2と、このバックプレート2と対向して配設され、
アノード電極3が形成されたフェイスプレート4とから
構成され、これらバックプレート2とフェイスプレート
4との間を高度な真空状態とすることで、平面陰極線管
として構成される。
【0025】上記フェイスプレート4には、全面にアノ
ード電極3が形成されるとともに、このアノード電極3
上には、赤色に発光する赤色蛍光体5R、緑色に発光す
る緑色蛍光体5G、青色に発光する青色蛍光体5Bが順
次ストライプ状に形成されており、上記電界放出型カソ
ード1と交差する部分が各画素に対応する。
【0026】一方、電界放出型カソード1は、図2に示
すように、ガラス等からなる基板11上に、カソード電
極12、絶縁層13、ゲート電極14を積層形成し、さ
らに絶縁層13及びゲート電極14に設けられたカソー
ド孔15内に電子放出部16を形成してなるものであ
る。
【0027】この電界放出型カソード1において、カソ
ード電極12及びゲート電極14間に所定の電圧が印加
されると、カソード電極12上に形成された電子放出部
16(エミッタ電極に相当する。)とゲート電極14と
の間に電界が発生する。そして、電子放出部16は、こ
の電界により励起され電子を放出する。すなわち、電子
放出部16とゲート電極14との間には、電界の大きさ
に応じたトンネル電流が流れることになる。
【0028】このとき、電子放出部16から放出された
電子は、アノード電極3に印加された電圧により加速さ
れ、蛍光体に衝突する。これにより、蛍光体が発光し、
画像が表示される。
【0029】上記構造の電界放出型カソード1におい
て、電子放出部16は、通常、高融点金属やSi等を蒸
着することにより形成されるが、ここではカーボン粒子
等の電子放出物質粒子を電気泳動することにより形成す
る。
【0030】以下、電界放出型カソード1の製造方法に
ついて説明する。
【0031】上記の電界放出型カソードを作製するに
は、先ず、図3に示すように、ソーダガラス等からなる
基板11を用意し、この上に蒸着法、スパッタ法等の成
膜法を用いてクロム等からなる低抵抗金属層を成膜し、
さらにフォトエッチング等の手法によって、例えば幅6
0μm、厚さ0.5μmにパターニングし、カソード電
極12を形成する。
【0032】さらに、この上に、蒸着法、CVD法等の
成膜法によりSiO2 等からなる絶縁層13を厚さ0.
5μm程度形成し、さらにその上に、低抵抗金属層をス
パッタ法等により成膜し、これをカソード電極12と直
交するように、例えば幅100μm、厚さ0.5μmに
パターニングし、ゲート電極14とする。
【0033】次に、図4に示すように、フォトエッチン
グ技術によりカソード電極12にカソード孔15を加工
する。カソード孔15の形状は、円形、長方形等、任意
の形状にすることができる。カソード孔15の大きさも
任意であるが、ここでは、40μm×80μmの長方形
とした。
【0034】続いて、図5に示すように、ゲート電極1
4をマスクとして、絶縁層13をエッチングし、カソー
ド電極12に達するカソード孔15を形成する。
【0035】次いで、図6に示すように、カーボン粒子
を分散させたアンモニア溶液を電解液とし、これを入れ
た金属製の電解槽20の中に、上記カソード孔15を形
成した構造物を浸漬する。
【0036】なお、電解液の水素イオン濃度(pH)
は、ここでは10とした。ただし、電解液の最適な水素
イオン濃度は、カーボン粒子の分散状態によって異な
り、所望の分散状態に応じて任意に設定することができ
る。
【0037】そして、電解槽20を負極とし、これを基
準にして、カソード電極12に正電圧を、ゲート電極1
4にゼロ、または負電圧、あるいはカソードに印加する
電圧よりも十分低い正電圧を印加する。
【0038】これにより、水酸基イオン(OH- )の吸
着によって負に帯電したカーボン粒子は、電気泳動によ
りカソード電極12上に移動し、カソード電極12上で
電子を失って、カソード電極12に付着する。
【0039】その結果、カソード孔15内には、先端が
ゲート電極14と若干の間隙を有する電子放出部16が
形成される。形成される電子放出部16は、カーボン粒
子からなるもので、接着剤等は含まず、カーボン粒子は
完全に露出している。
【0040】電子放出部16とゲート電極14の間隙
は、カソード孔15の大きさ、深さ、形状等によって変
化し、任意に設定することができる。本実施例の場合、
上記間隙は5μmである。
【0041】上記電子放出部16を形成した後、純水で
洗浄を行い、50〜500℃で乾燥、焼成する。
【0042】得られた電解放出型カソードにおいて、カ
ソード電極12とゲート電極14間にカソード電極12
を負にするような電圧を印加すると、電子放出部16の
ゲート電極14と対向する部分におよそ105 V/cm
から107 V/cmの電界がかかり、この付近のカーボ
ン粒子から電子放出が起こる。
【0043】カソード電極12とゲート電極14は、マ
トリクス構造になっており、電圧を印加するカソード電
極12、ゲート電極14を選択することによって画素選
択ができる。
【0044】カソード孔15の形状は、図7に示すよう
に、ゲート電極14とカソード電極12の交差部を4辺
に沿って若干残した形状としてもよいし、図8に示すよ
うに、カソード電極12の幅のスリット形状でもよい。
あるいは、図9に示すように、1画素の中に多数の円形
の微細なカソード孔15があってもよい。このとき、カ
ソード孔15の数は任意に設定でき、電子放出の時間変
動の平均化等を目的に、1画素に数百〜数千のカソード
孔15を設けることもある。
【0045】以上のプロセスにおいて、カソード孔15
を形成するプロセスは一例であって、リフトオフ、感光
性ペースト法、スクリーン印刷法等によってもよく、そ
の手法は問わない。
【0046】また、カソード電極12やゲート電極14
の材質についても、特に制約はなく、ニッケル、タング
ステン、ITO(インジウム錫オキサイド)等でもよ
い。
【0047】さらに、絶縁層13についても、SiO2
は一例であり、SiO、SiN、ガラス等でもよい。
【0048】電子放出部16を形成するためのカーボン
粒子は、グラファイト、ダイヤモンド、ダイヤモンドラ
イクカーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ等、
あるいはこれらの混合物でもよい。電子放出部16を形
成する材料としては、カーボン粒子に限らず、電子放出
物質であればよく、導電性粒子、絶縁性粒子のいずれで
あってもよい。
【0049】また、粒子の大きさは、本例の場合、平均
粒径4μmとしたが、これもカソード孔15の大きさ等
に応じて任意に設定でき、粒径分布も任意である。
【0050】カーボン粒子を分散させる分散媒は、ここ
ではアンモニアを主成分とするものを用いたが、疎水基
である長鎖状の炭化水素、例えばアルキル基に−COO
Na等の親水基が結合した、いわゆる界面活性剤を含ま
せることも可能である。
【0051】この場合、親水基は、−COO- 、−SO
4 -等、陰イオンを作る陰イオン性でも、−NH3 +等、陽
イオンを作る陽イオン性のいずれでもよい。
【0052】ただし、陰イオン性の場合には、先に述べ
たような極性の電位をカソード電極12、ゲート電極1
4に印加すればよいが、陽イオン性の場合には、電界槽
20を正極とし、正極を基準にして、カソード電極12
に負電圧を、ゲート電極14にゼロ、または正電圧、あ
るいはカソード電極12に加える電圧より十分高い負電
圧を印加する。
【0053】前記のような界面活性剤を加えた場合、カ
ーボン粒子が疎水性(親油性)であるため、界面活性剤
の疎水基側がカーボン粒子に吸着され、親水基のイオン
によって電気泳動が起こり、カーボン粒子の電着が行わ
れる。このとき、分散保持の目的で、水素イオン濃度の
調整が必要な場合には、アンモニア等をアルカリを加え
ることによって容易に行うことができる。
【0054】また、カーボン粒子の保存等の理由によ
り、一度アルカリまたは酸溶液によてカーボン粒子を分
散させた溶液を中和し、これに界面活性剤を加えること
により前記イオン化させたカーボン粒子コロイドを作る
ようにしてもよい。
【0055】さらに、カーボン粒子の電着をより強固に
するために、付着剤として硝酸マグネシウム等を分散媒
に添加してもよい。硝酸マグネシウムの場合、分散媒中
でイオン反応を起こし、水酸化マグネシウムとなって、
これが付着剤として機能する。
【0056】以上の方法により電界放出型カソードを作
製することにより、次のような利点がある。
【0057】先ず、スパッタ法や蒸着法ではカーボンの
微粒子からなる構造体を基板上に付着させることはでき
ないが、電気泳動を利用することにより、カーボン微粒
子からなる電子放出部構造体を直接基板上に作製するこ
とができる。
【0058】また、従来のスピント型カソードでは、そ
の電子放出部である錘状形状の先端形状の曲率半径を蒸
着等の成膜法によって数十nm以下にする必要があるた
め、サブミクロン以下の精度が必要であり、集積回路と
同種のプロセス、装置を必要としたが、本発明では、電
子放出部の作製精度を格段に下げることができ、また、
湿式法であるため、製造装置、製造コストが安価で済
み、中〜大画面のカソードチップ群(カソードプレー
ト)への適用が容易である。
【0059】さらに、グラファイト、ダイヤモンド等の
カーボン系導電性粒子は、化学的に安定で、また、たと
えイオン衝撃があっても、衝撃部は新たな活性部が露出
することになるため、高い真空度を必要とせず、通常の
陰極線管並の真空度で良い。したがって、真空封止の点
でも大型化に適している。
【0060】また、導電性粒子の外側が高抵抗層あるい
は誘電体層で覆われている構造のカソード電極では、高
抵抗層や誘電体層の厚みを制御しなければならず、製造
が非常に難しいが、本発明では、導電性粒子は完全に露
出している構造となっているため、焼成によってバイン
ダーや付着物を完全に除去し、プラズマエッチング等の
手法によりマクロ的に表面層の酸化物の除去等の活性化
ができ、製造が容易で製造コストも低くて済む。
【0061】導電性粒子の外側が高抵抗層あるいは誘電
体層で覆われている構造のカソード電極では、イオン衝
撃によって高抵抗層や誘電体層が破壊され、電子の放出
特性が劣化してしまうが、本発明では、導電性粒子は完
全に露出している構造となっているため、イオン衝撃に
曝されても、曝された部分は洗浄効果を受けたのと同じ
で、そこが新たな活性面となり、電子放出特性が劣化す
ることがない。
【0062】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、電子放出特性が劣化することのない大画面
カソードプレートを歩留まり良く容易に作製することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】フィールドエミッションディスプレイの概略構
成を示す要部斜視図である。
【図2】電界放出型カソードの構成例を示す概略断面図
である。
【図3】電界放出型カソードの製造プロセスを工程順に
示すもので、電極成膜工程を示す概略断面図である。
【図4】ゲート電極へのカソード孔形成工程を示す概略
断面図である。
【図5】絶縁層へのカソード孔形成工程を示す概略断面
図である。
【図6】カーボン粒子の電着工程を示す模式図である。
【図7】カソード孔の形状の一例を示す概略平面図であ
る。
【図8】カソード孔の形状の他の例を示す概略平面図で
ある。
【図9】カソード孔の形状のさらに他の例を示す概略平
面図である。
【符号の説明】
1 電界放出型カソード、11 基板、12 カソード
電極、13 絶縁層、14 ゲート電極、15 カソー
ド孔、16 電子放出部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上にカソード電極を形成し、この上
    に微細孔を有する絶縁層及びゲート電極を順次形成した
    後、 電子放出物質の粒子を分散した溶液中に浸し、上記カソ
    ード電極を陽極または陰極として電気泳動を行い、上記
    微細孔に臨むカソード電極上に電子放出物質の粒子を電
    着することにより電子放出部を形成することを特徴とす
    る電界放出型カソードの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記電子放出物質の粒子を分散した溶液
    が、コロイド溶液であることを特徴とする請求項1記載
    の電界放出型カソードの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記電子放出物質の粒子を分散した溶液
    が、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1記載の
    電界放出型カソードの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記電子放出物質の粒子を分散した溶液
    が、電解質を含むことを特徴とする請求項1記載の電界
    放出型カソードの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記電子放出物質の粒子が、カーボン粒
    子であることを特徴とする請求項1記載の電界放出型カ
    ソードの製造方法。
JP13395798A 1998-05-15 1998-05-15 電界放出型カソードの製造方法 Withdrawn JPH11329217A (ja)

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Cited By (10)

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