JPH11329067A - 厚膜ペースト、厚膜ペースト用無機粉末組成物、セラミック配線基板及びその製造方法、並びに半導体装置 - Google Patents
厚膜ペースト、厚膜ペースト用無機粉末組成物、セラミック配線基板及びその製造方法、並びに半導体装置Info
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- JPH11329067A JPH11329067A JP13644498A JP13644498A JPH11329067A JP H11329067 A JPH11329067 A JP H11329067A JP 13644498 A JP13644498 A JP 13644498A JP 13644498 A JP13644498 A JP 13644498A JP H11329067 A JPH11329067 A JP H11329067A
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Abstract
体及び抵抗体部、並びにそれらの近傍のセラミック部に
発生するボイドを低減する。 【解決手段】酸化物が炭素の酸化触媒として機能する元
素(クロム、鉄、コバルト、ニッケル)の総含有量を、
厚膜ペースト1全体に対して400重量ppm以下にす
る。
Description
載するセラミック配線基板の表面や内部に導体、絶縁
体、誘電体及び抵抗体を形成するのに用いられる厚膜ペ
ーストに関する。
内部層を構成する導体、絶縁体、誘電体、及び抵抗体
は、厚膜ペーストを焼成することにより形成される。こ
こで用いられる厚膜ペーストは、通常、無機粉末、有機
バインダ、溶剤及び分散剤等を混練し、所定の粘度に調
整して得られる。この厚膜ペーストは、焼成して導体、
絶縁体等を形成する無機粉末以外に、有機材料を含んで
いる。この有機材料は、焼成時の熱処理により酸化され
て二酸化炭素などの形で除去される。このとき、この二
酸化炭素などが焼結体内部に閉じ込められると、これが
ボイドとなって厚膜焼成体中に残存することになる。
線基板の表面導体膜5の直下に形成されたガラスセラミ
ックス6部分に、焼成によりボイド7が生じた場合、更
に表面導体膜5の表面に多層の配線層及び絶縁層10を
積層し、この基板を熱処理すると、ボイド7の部分にフ
クレ8が生じる。また、ボイド7の部分に配線9が形成
されると、図3に示すように、この配線9の断線の原因
となる場合もある。
(1)電気的特性の劣化、(2)密着強度の劣化、
(3)耐湿特性、耐高温特性等の物理的及び化学的信頼
性の劣化といった種々の問題の原因となる。そこで、こ
のボイドの発生を回避するため、種々の技術が提案され
ている。
は、ガラス粉末若しくはセラミック粉末を主成分とし、
不活性ガス雰囲気中で焼成されるオーバーグレーズペー
ストのような厚膜ペーストに、亜ヒ酸若しくは酸化アン
チモンのようなガラス清澄剤を含有させることが提案さ
れている。このガラス清澄剤を用いることにより、不活
性ガス雰囲気のような炭素を酸化して除去することが困
難な雰囲気でも、残留炭素を十分に低減できるため、発
生するボイドを低減することができ、各種厚膜特性を向
上することができる。
澄剤を用いる技術は、ガラス粉末若しくはセラミック粉
末が主成分の厚膜ペーストにしか有効ではなく、導体を
形成するための導電性粉末を主成分とする厚膜ペースト
に適用することはできない。
しては、特許第2533284号公報に、導電性材料
(金、銀又はニッケル)と、その導電性材料の粒子が成
長するのを抑制するための添加物とを含み、成長抑制の
ための添加物が過飽和になっている混合物を溶融噴霧し
て導電性粒子を形成することが記載されている。この方
法によれば、導電性材料に溶け込めなかった余分な粒子
成長抑制添加物が粒界に存在し、導電性粒子の粒成長を
抑制するため、微細かつ一様な導体粉末が得られる。し
たがって、これを用いて調製した厚膜ペーストにより金
属導体を形成し、セラミック多層基板を作製すれば、導
体粉末の粒径のばらつきなどに起因するバイア部のボイ
ドやクラックの発生を低減することができる。
粒径のばらつきには限られず、この方法では、ボイドの
発生を十分に減らすことができなかった。
する導体、絶縁体、誘電体及び抵抗体部、並びに、それ
らの近傍のセラミック部にボイドのないセラミック配線
基板及びその製造方法と、それに用いられる厚膜ペース
ト及びその製造方法と、上記セラミック配線基板を用い
た半導体装置とを提供することを目的とする。
め、本発明者らは、上述した粒子成長抑制添加物を用い
て導電性粉末を調製する場合の、ボイドの発生原因を鋭
意検討した結果、この従来技術において導体金属の粒成
長抑制剤として添加されているクロムが、ボイドの発生
の原因となっていることを見出した。
剤及び分散剤等の有機物は、無機粉末をペースト化する
ために必要なものであるが、各種厚膜特性劣化抑止の観
点から、焼成後は完全に除去されることが望ましい。こ
れらの有機物は、焼成工程における加熱により、雰囲気
中の微量の酸素により酸化されて気体として排出され
る。無機粉末組成物の粒度分布が正規分布に近い通常の
分布であれば、有機物の酸化により発生した気体を少し
ずつ排出する閉気孔をわずかに残しながら焼結するた
め、有機物起因の炭素の残留量は低く押さえられる。通
常の焼成温度(800℃以上)では、炭素残留量は、各
種厚膜特性の劣化の原因とならない数十重量ppm程度
にまで減少するのが普通である。
体金属を酸化せずに有機バインダを酸化除去させるため
の雰囲気)でも容易に酸化してしまう。この結果、生じ
るクロムの酸化物は、800℃以上の温度では、炭素の
酸化反応において触媒として作用する。このため、クロ
ム酸化物が存在すると、焼成の完了直前に、焼成体中に
わずかに残った残留炭素が酸化されてしまうため、焼成
体中に二酸化炭素の大きなボイドが発生する原因とな
る。
うな酸化物が炭素の酸化触媒として機能する元素には、
上述のクロムのほかに、鉄、コバルト、ニッケルなどが
あり、これら4種の元素の総含有量がペースト全体の4
00重量ppm以下である厚膜ペーストを用いること
で、ボイド及びクラックのない焼成体を得ることができ
るという新たな知見に至った。
末と、有機バインダとを含み、鉄、クロム、コバルト及
びニッケルの総含有量が、ペースト全体の400重量p
pm以下である厚膜ペーストが提供される。なお、本発
明の厚膜ペーストは、鉄、クロム、コバルト及びニッケ
ルのいずれの含有量も、ペースト全量に対して100重
量ppm以下であることが望ましい。
組成物を含む、セラミック焼結体を形成するための絶縁
性ペーストにも、無機粉末として導体粉末を含む、導体
を形成するための導電性ペーストにも、適用可能であ
る。抵抗体ペーストや、誘電体ペーストに本発明を適用
してもよい。なお、無機粉末としては、球状又は液滴状
の、平均粒径5μm以上の粒子を用いることが望まし
い。
分散剤等の添加物を適宜含ませることができる。本発明
の厚膜ペーストに用いることのできる有機バインダ、溶
剤及び分散剤等としては、セラミック配線基板の製造に
通常用いられるものを適宜組み合わせて用いることがで
き、特に限定されるものではない。なお、各成分の含有
量は、無機粉末と有機バインダと溶剤との総量を100
重量部とするとき、良好な脱バインダ性及び作業性を確
保するという観点から、無機粉末50〜95重量部、有
機バインダ0.5〜5重量部、溶剤4.5〜45重量部
とすることが望ましい。また、分散剤を用いる場合、そ
の含有量は、無機粉末と有機バインダと溶剤との総量を
100重量部とするとき、0.1〜1.0重量部とする
ことが望ましい。
を製造するための方法として、少なくとも、無機粉末
と、有機バインダとを混練する工程を有する厚膜ペース
トの製造方法であって、混練工程において、鉄、クロ
ム、コバルト及びニッケルの総含有量が、得られる厚膜
ペースト全量に対して400重量ppm以下である上記
無機粉末を用いる厚膜ペースト製造方法が提供される。
て混練工程で用いられる無機粉末は、あらかじめ鉄、ク
ロム、コバルト及びニッケルの総含有量が、得られる厚
膜ペースト全量に対して400重量ppm以下になって
いるものを用いてもよく、また、これらの元素を除去す
る工程を混練工程の前に設けてもよい。これらの元素を
除去する方法としては、例えば、磁石により吸引して除
去するなどが挙げられる。
電体及び抵抗体の少なくともいずれかとして、上述の本
発明の厚膜ペーストを焼成して得られた焼結体を備える
セラミック配線基板と、この本発明のセラミック配線基
板に半導体素子が搭載されている半導体装置とが提供さ
れるが提供される。なお、本発明のセラミック配線基板
は、複数枚の絶縁層及び配線層が積層されているセラミ
ック多層配線基板であってもよい。
ペーストを焼成して、配線導体、絶縁体、誘電体及び抵
抗体の少なくともいずれかを形成する焼成工程を有する
セラミック配線基板の製造方法が提供される。
方法は、上述の焼成工程にくわえて、更に、通常のセラ
ミック配線基板の製造方法において用いられる工程を備
えることができる。本発明のセラミック配線基板製造方
法の例を、図1に示す。この例では、厚膜ペースト(絶
縁性ペースト)を用いてグリーンシート2を形成し、こ
れに層間接続のための貫通孔11を形成した後、厚膜ペ
ースト(導電性ペースト)を用いて、このグリーンシー
トの表面に内部配線導体12及び表面導体層13をスク
リーン印刷する(図1(a))。次に、得られた印刷済
みのシート3複数枚を位置合わせして積層し、熱圧着し
た後(図1(b))、弱酸化雰囲気(銅が酸化せず、バ
インダ等の有機材料が酸化除去される雰囲気)中で加熱
(例えば900℃、5時間)して脱バインダ及び焼成す
る(図1(c))。以上の工程により、セラミック多層
配線基板4(図1(d))が得られる。なお、印刷済み
のシート3を積層することなくそのまま焼成して、単層
のセラミック配線基板を得てもよい。また、印刷済みの
シート3表面に、更に厚膜ペーストを用いて絶縁層及び
/又は配線層を積層するようにしてもよい。本発明の厚
膜ペーストは、含有する無機粉末の種類や他の添加物等
の組成に応じて、グリーンシート、絶縁層、配線層のい
ずれの形成に適用してもよい。
的に説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるも
のではない。なお、以下の各実施例では、導電性ペース
ト及び絶縁ガラスペーストにおいて本発明を実施した
が、抵抗体ペースト、誘電体ペーストなどの各種厚膜ペ
ーストにおいて本発明を実施しても同様の効果が得られ
ることを確認している。
異なる、溶融噴霧して調製した平均粒径5μmの銅粉末
と、エチルセルロース10重量%及びα−テレピネオー
ル90重量%からなるビヒクルとを、9:1(体積比)
の割合でらいかい機を用いて混合した後、得られた混合
物に1重量部のアミン系分散助剤を加え、3本ロール混
練機を用いて混練した。次に、混練しつつ少量のα−テ
レピネオールを加えて粘度を調整し、8種類の銅ペース
トを得た。得られたペーストにおける各元素の含有量
を、表1に示す。
層間接続用貫通孔11を備えるガラスセラミック・グリ
ーンシート2に内部配線導体12及び表面導体層13を
スクリーン印刷した後、図1(b)に示すように、印刷
済みのシート3複数枚を位置合わせして積層し、熱圧着
した。次に、図1(c)に示すように、得られたグリー
ンシート積層体を、弱酸化雰囲気(銅が酸化せず、エチ
ルセルロースが酸化除去される雰囲気)で900℃に5
時間加熱して脱バインダ及び焼成し、得られたセラミッ
ク多層配線基板4の配線断線件数、表面導体膜接着強
度、表面導体膜をめっきした後の外観、及び、更に熱処
理した後の、表面導体のフクレの状況を表2に示す。
の含有量がいずれも100重量ppm以下である銅ペー
ストを使用してセラミック配線基板を作製した。得られ
た基板は、導体部及びそれらの近傍のセラミック部にボ
イドが発生しないため、配線断線がなくで、表面導体膜
の接着強度が20kg/m以上あり、表面導体膜をめっ
きにより形成した後の変色、及び、熱処理後の表面導体
フクレも見られなかった。
バルト、ニッケルの含有量の少なくともいずれかが10
0重量ppm以上である銅ペーストを使用してセラミッ
ク配線基板を作製した。得られた基板は、導体部及びそ
れらの近傍のセラミック部にボイドが発生したため、配
線断線が多発し、表面導体膜の接着強度も15kg/m
以下と小さく、表面導体膜をめっきにより形成した後の
変色、及び、熱処理後の表面導体フクレが発生した。
有量の異なるガラスセラミック原料粉末組成物を、8種
類用意した。ここでは、ガラスセラミック原料粉末組成
物として、平均粒径3μmのホウケイ酸ガラス粉末80
重量%と、平均粒径2μmのアルミナ粉末20重量%と
からなる粉末組成物を用いた。
エチルセルロース10重量%及びα−テレピネオール9
0重量%からなるビヒクルとを、9:1(体積比)の割
合でらいかい機を用いて混合した後、得られた混合物に
1重量部のアミン系分散助剤を加え、3本ロール混練機
を用いて混練した。次に、混練しつつ少量のα−テレピ
ネオールを加えて粘度を調整し、8種類のガラスペース
トを得た。得られたペーストにおける各元素の含有量
を、表3に示す。
ラスセラミック・グリーンシートに内部配線導体及び表
面導体層をスクリーン印刷した後、この表面に、一部の
表面導体13を覆うように、上述のガラスペーストを用
いて絶縁層を印刷した。次に、この導体及び絶縁層を印
刷したシート複数枚を位置合わせして積層し、実施例1
と同様にして脱バインダ及び焼成し、セラミック多層配
線基板を得た。得られたセラミック多層配線基板の、ガ
ラス層表面ボイド数、及び、ガラス層表面のフクレの状
況を表4に示す。
の含有量がいずれも100重量ppm以下であるガラス
ペーストを使用してセラミック配線基板を作製した。得
られた基板は、絶縁層部及びそれらの近傍のセラミック
部にボイドが発生しないため、ガラス層表面のボイドや
ガラス層表面のフクレは見られなかった。
バルト、ニッケルの含有量の少なくともいずれかが10
0重量ppm以上であるガラスペーストを使用してセラ
ミック配線基板を作製した。得られた基板は、絶縁層部
及びそれらの近傍のセラミック部にボイドが発生したた
め、ガラス層表面のボイドやガラス層表面のフクレが見
られた。
ば、表面層や内部層を構成する導体、絶縁体、誘電体及
び抵抗体部、並びに、それらの近傍のセラミック部にボ
イドのない、信頼性の高いセラミック配線基板及び半導
体装置が得られる。
したものである。
いた表面導体のフクレを示す説明図である。
いたボイドによる配線の断線を示す説明図である。
ト、3…配線印刷済みシート、4…セラミック配線基
板、5…表面導体膜、6…ガラスセラミックス、7…ボ
イド、8…フクレ、9…導体配線、11…層間接続用貫
通孔、12…内部配線導体(バイア)、13…表面導体
層。
Claims (11)
- 【請求項1】少なくとも、無機粉末と、有機バインダと
を含み、 鉄、クロム、コバルト及びニッケルの総含有量が、ペー
スト全量の400重量ppm以下であることを特徴とす
る厚膜ペースト。 - 【請求項2】鉄、クロム、コバルト及びニッケルの含有
量が、いずれもペースト全量の100重量ppm以下で
あることを特徴とする請求項1記載の厚膜ペースト。 - 【請求項3】上記無機粉末は、セラミック原料組成物で
あることを特徴とする請求項1記載の厚膜ペースト。 - 【請求項4】上記無機粉末は、導体粉末であることを特
徴とする請求項1記載の厚膜ペースト。 - 【請求項5】少なくとも、無機粉末と、有機バインダと
を混練する工程を有する厚膜ペーストの製造方法であっ
て、 上記混練工程において、鉄、クロム、コバルト及びニッ
ケルの総含有量が、得られる厚膜ペースト全量に対して
400重量ppm以下である上記無機粉末を用いること
を特徴とする厚膜ペーストの製造方法。 - 【請求項6】上記混練工程の前に、 無機粉末から、鉄、クロム、コバルト及びニッケルの少
なくともいずれかを除去して、鉄、クロム、コバルト及
びニッケルの総含有量を、得られる厚膜ペースト全量に
対して400重量ppm以下とする除去工程を、更に含
むことを特徴とする厚膜ペーストの製造方法。 - 【請求項7】請求項3記載の厚膜ペーストを焼成して、
絶縁体、誘電体及び抵抗体の少なくともいずれかを形成
する工程を有することを特徴とするセラミック配線基板
の製造方法。 - 【請求項8】請求項4記載の厚膜ペーストを焼成して、
配線導体を形成する工程を有することを特徴とするセラ
ミック配線基板の製造方法。 - 【請求項9】絶縁体、誘電体及び抵抗体の少なくともい
ずれかとして、請求項3記載の厚膜ペーストの焼結体を
備えることを特徴とするセラミック配線基板。 - 【請求項10】配線導体として、請求項4記載の厚膜ペ
ーストの焼結体を備えることを特徴とするセラミック配
線基板。 - 【請求項11】請求項9又は10記載のセラミック配線
基板と、 上記セラミック配線基板に搭載された半導体素子とを備
えることを特徴とする半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13644498A JP3856946B2 (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 厚膜ペースト、厚膜ペースト用無機粉末組成物、セラミック配線基板及びその製造方法、並びに半導体装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11329067A true JPH11329067A (ja) | 1999-11-30 |
JP3856946B2 JP3856946B2 (ja) | 2006-12-13 |
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Country | Link |
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-
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