JPH11327540A - 鍵盤楽器の鍵盤装置 - Google Patents

鍵盤楽器の鍵盤装置

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JPH11327540A
JPH11327540A JP10153862A JP15386298A JPH11327540A JP H11327540 A JPH11327540 A JP H11327540A JP 10153862 A JP10153862 A JP 10153862A JP 15386298 A JP15386298 A JP 15386298A JP H11327540 A JPH11327540 A JP H11327540A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャーシの製造コストの大幅な削減によっ
て、製造コストを大幅に削減することができるととも
に、シャーシの剛性の補強によりたわみを抑制すること
ができる鍵盤楽器の鍵盤装置を提供する。 【解決手段】 鍵盤楽器の鍵盤装置1は、複数のシャー
シ2と、左右方向に延び、複数のシャーシ2を左右方向
に並んだ状態で互いに連結する連結部材4,41と、複
数のシャーシ2に回動自在に設けられ、左右方向に並べ
られた複数の鍵3と、を備え、連結部材4,41は、複
数のシャーシ2のたわみを抑制するための少なくとも上
下方向に延びる部分4b,41bを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ピアノなどに
用いられる鍵盤楽器の鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の鍵盤楽器の鍵盤装置とし
て、例えば特開昭63−128397号公報に記載され
たものが知られている。この鍵盤装置では、1個の金属
製のシャーシ(フレーム)上に多数の鍵が左右方向に並
んで取り付けられている。このシャーシには、多数の溝
や孔などが形成されており、各鍵は、これらの溝および
孔に係合した状態で、シャーシに回動自在に取り付けら
れている。また、シャーシは、1枚の金属板(例えば、
鋼板)にプレス金型を用いた打ち抜き加工を施すととも
に、曲げ金型を用いた曲げ加工などを施すことによっ
て、一体に製作されている。
【0003】一方、金属製のシャーシに代えて合成樹脂
製のシャーシを用いた鍵盤装置がある。このような合成
樹脂製のシャーシは、金型を備えた射出成形機によって
射出成形されている。また、鍵盤装置のシャーシは、鍵
の並び方向の長さが長いため、この方向に沿って特にた
わみやすい。このようなたわみを抑制するために、シャ
ーシに補強部材を別個に取り付けたり、リブなどを一体
成形したりすることによって、シャーシの剛性を向上さ
せたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の鍵盤装置に
よれば、1個のシャーシ上にすべての鍵が取り付けられ
ているため、シャーシは、これらの鍵全体の幅(左右方
向の長さ)以上の大きなサイズになっている。このた
め、シャーシの加工時に使用される、プレス金型、曲げ
金型および射出成形用の金型や、プレス機および射出成
形機を含めた製造設備が大型になり、製造コストの増大
を招いている。これに加えて、シャーシの試作段階にお
いて、シャーシに形成される孔や鍵ガイドの位置などが
金型の製造誤差などによってずれてしまうことがあり、
これらの位置を揃えるための金型調整が必要になる場合
がある。この場合、上記金型が大型であることにより、
溝や孔の位置ずれを調整すべき範囲が広くなることによ
って、金型の調整作業に手間暇がかかり、結果として製
造コストをさらに増大させるという問題がある。
【0005】また、鍵盤装置には、通常の88鍵に限ら
ず、様々な鍵数のものがある。しかしながら、例えば8
8鍵用のシャーシを加工するための金型を製作してしま
うと、これを76鍵用のシャーシの加工に転用できな
い。このため、鍵数の異なる多数種のシャーシを製作す
る場合に、多数種の金型を別々に製作しなければなら
ず、製造コストがより一層、増大してしまう。これに加
えて、シャーシに補強部材を別個に取り付ける場合に
は、部品点数が増加することによって、製造コストがさ
らに増大し、また、リブなどを一体成形する場合には、
金型の形状が複雑になることによって、製造コストがさ
らに増大してしまう。
【0006】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、シャーシの製造コストの大幅な削減によっ
て、製造コストを大幅に削減することができるととも
に、シャーシの剛性の補強によりたわみを抑制すること
ができる鍵盤楽器の鍵盤装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の鍵盤楽器の鍵
盤装置は、複数のシャーシと、左右方向に延び、複数の
シャーシを左右方向に並んだ状態で互いに連結する連結
部材と、複数のシャーシに回動自在に設けられ、左右方
向に並べられた複数の鍵と、を備え、連結部材は、複数
のシャーシのたわみを抑制するための少なくとも上下方
向に延びる部分を有することを特徴とする。
【0008】この鍵盤楽器の鍵盤装置によれば、1つの
鍵盤装置用のシャーシが複数に分割構成されていて、そ
れらを別々に製造できるので、1つの鍵盤装置に対して
1個のシャーシを製造する従来の場合と比べて、シャー
シ1個当りのサイズを小型化できる。これによって、シ
ャーシ製造に用いる、金型やプレス機などを含めた製造
設備を小型化できるとともに、試作段階の金型調整も容
易になるので、シャーシの製造コストを大幅に削減で
き、したがって、鍵盤装置の製造コストを大幅に削減す
ることができる。
【0009】また、複数のシャーシを連結部材によって
互いに連結できるので、例えば、楽器本体に取り付ける
前に、一体に組み立てたシャーシに鍵を取り付けること
が可能になるなど、鍵盤装置の組立の自由度が高められ
る。そして、そのように、楽器本体への取付前に、楽器
本体外で鍵盤装置を組み立てることによって、その組立
作業およびそれらに取り付けられた鍵相互間の位置合わ
せ作業などを容易に行うことができ、楽器本体にシャー
シや鍵などを順次、組み込んだ場合に生じやすい鍵の表
面の損傷などを回避することができる。さらに、複数の
シャーシを連結する連結部材が、少なくとも上下方向に
延びる部分を有することによって複数のシャーシの剛性
が補強されるので、複数のシャーシの左右方向に沿うた
わみを抑制することができる。このように、連結部材
を、シャーシの補強部材として兼用できるので、シャー
シの剛性を補強するために、別個に補強部材を取り付け
たり、リブを一体に形成したりする必要がなくなる。そ
の結果、部品点数の減少や金型の形状の単純化を図るこ
とができ、製造コストを削減することができる。
【0010】上記において、複数の鍵の押鍵情報を検出
するために、複数のシャーシに取り付けられたプリント
回路基板をさらに備え、連結部材は、プリント回路基板
の付近に配置されていることが好ましい。
【0011】この鍵盤楽器の鍵盤装置によれば、押鍵動
作などに伴いプリント回路基板に作用する荷重に対し
て、連結部材とプリント回路基板が協働して変形する。
言い換えれば、プリント回路基板の剛性が連結部材によ
って補強される。これによって、左右方向に沿うたわみ
や変形によるプリント回路基板の断線や短絡などを原因
とするトラブル、例えば、誤作動などを防止でき、耐久
性を向上させることができる。
【0012】また、上記において、複数のシャーシに設
けられた回動支点に回動自在に支持され、複数の鍵に連
動して回動する複数のハンマーをさらに備え、連結部材
は、複数のハンマーの回動支点の付近に配置されている
ことが好ましい。
【0013】この鍵盤楽器の鍵盤装置によれば、押鍵動
作などに伴い複数のハンマーの回動支点の付近に作用す
る荷重に対して、連結部材と複数のシャーシの回動支点
の付近とが協働して変形する。言い換えれば、複数のシ
ャーシの回動支点の付近の剛性が連結部材によって補強
されるので、回動支点の付近の左右方向に沿うたわみや
変形を抑制できる。これによって、押鍵動作のときに、
鍵毎のハンマーの回動ストロークのばらつきや、ハンマ
ーのがたつきなどの発生を防止することができ、押鍵動
作を安定した状態でかつスムーズに行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら、
本発明の一実施形態に係る鍵盤楽器の鍵盤装置について
説明する。図1〜図3は、本発明を適用した電子ピアノ
の鍵盤装置を示している。同図に示すように、鍵盤装置
1では、多数の鍵3が複数のシャーシ2の上面に回動自
在に取り付けられており、これら複数のシャーシ2は、
前・中央・後3つの連結部材4,41,4によって互い
に連結された状態で棚板5に取り付けられている。ま
た、シャーシ2の上面には、多数の鍵3にそれぞれ対応
して多数のハンマー8が回動自在に設けられており、各
ハンマー8は、対応する鍵3と連動して回動する。
【0015】複数のシャーシ2は、棚板5上に左右方向
に並べられており、中央の7個(図1および図2には2
個のみ示す)のシャーシ2と、図示しない最低音部用お
よび最高音部用のシャーシ2の、計9個のシャーシ2で
構成されている。このうち、7個のシャーシ2は、互い
に同じ寸法および形状を備えた1種類のシャーシ2で構
成されており、各シャーシ2には、1オクターブ分の鍵
3、すなわち7個の白鍵30および5個の黒鍵31で構
成された12個の鍵3が取り付けられている。また、最
低音部用および最高音部用のシャーシ2には、最低音部
の3個の鍵3および最高音の1個の鍵3がそれぞれ取り
付けられている。このように、鍵盤装置1は、全部で8
8個の鍵3を備えている(図1には24個のみ示す)。
【0016】中央の7個のシャーシ2はそれぞれ、同じ
金型で製作された、例えばABS樹脂製の射出成形品で
構成され、矩形の平面形状を有している。図3に示すよ
うに、シャーシ2の下面には、棚板5へ取り付けるため
の6つのボス2aが下方に同じ長さで突出するように形
成されており(2つのみ図示)、各ボス2aには、補強
用の3つのリブ2bが一体に形成されている(2つのみ
図示)。これら6つのボス2aは、シャーシ2の前後端
部に設けられた前後2つのボス2a,2aを1列とし
て、3列のボス2aがシャーシ2の左右端部および中央
部にそれぞれ配置されている。
【0017】また、シャーシ2の下面には、前側のボス
2aのすぐ前方に、前連結部材4を取り付けるための左
・中央・右3つの前連結ボス2c,2c,2c(1個の
み図示)が下方に突出して形成されており、これらの前
連結ボス2c,2c,2cは、シャーシ2の左右端部お
よび中央部にそれぞれ設けられている。これと同様に、
後側のボス2aのすぐ後方に、後連結部材4を取り付け
るための左・中央・右3つの後連結ボス2c,2c,2
c(1個のみ図示)が下方に突出して形成されており、
これらの後連結ボス2c,2c,2cは、シャーシ2の
左右端部および中央部にそれぞれ設けられている。
【0018】一方、最低音部用および最高音部用のシャ
ーシ2はそれぞれ、シャーシ2用の射出成形機の金型に
入子型を用いることによって、V字形の溝付きのシャー
シ2を射出成形し、この溝付きシャーシ2を溝に沿って
切断することにより、製作されている。
【0019】以上9個のシャーシ2は、前後の連結部材
4,4および中央の連結部材41によって互いに連結さ
れている。前連結部材4は、シャーシ2の左右方向の全
体に渡る長さを備えた細長いアングル状のものであり、
例えば、アルミ合金の押出成形品で構成されている。前
連結部材4は、図3に示すように、水平な取付部4a
と、その後端から上方に延びる鉛直部4bとにより、断
面L字状に形成されている。このように上方に延びる鉛
直部4bを備えていることによって、前連結部材4は、
高い剛性を有し、上方からの荷重に対して左右方向に沿
ってたわみにくくなっている。なお、以下、「左右方向
に沿うたわみ」を単に「たわみ」という。取付部4a
は、各シャーシ2の3つの前連結ボス2c,2c,2c
に、下方からねじ6,6,6で固定されている。前連結
部材4は、以上のように構成されており、後連結部材4
も、その前後を逆に後連結ボス2c,2c,2cにねじ
止めされている点を除いて、前連結部材4と同様に構成
されている。
【0020】一方、中央の連結部材41は、図3に示す
ように、水平な上取付部41aと、その後端から下方に
延びる鉛直部41bと、この鉛直部41bの下端から後
方に延びる下取付部41cとを備えている。このように
上方に延びる鉛直部41bを備えていることによって、
中央の連結部材41も、前後の連結部材4と同様に、高
い剛性を有し、上方からの荷重に対してたわみにくくな
っている。上取付部41aは、後述する鍵スイッチ7と
ともに、各シャーシ2の下面に下方からねじ6,6,6
で固定され、また、下取付部41cは、棚板5にねじ止
めされている。
【0021】また、白鍵30および黒鍵31はそれぞ
れ、例えばABS樹脂製の射出成形品で構成されてお
り、以下、白鍵30を例にとり、その構成を説明する。
白鍵30は、下面が開放した断面逆U字状のものであ
り、その後端部がシャーシ2の上面に設けられた回動支
点10に回動自在に支持されている。白鍵30の前部に
は、フック状のストッパ部30cが形成されており、ス
トッパ部30cは、シャーシ2の孔2dを通って下方に
突出している。一方、シャーシ2の下面には、ゴム製の
上限ストッパ2fが取り付けられている。以上の構成に
より、白鍵30は、ストッパ部30cが上限ストッパ2
fに当接することによって、上方への回動を規制され、
常時は、斜め後ろ下がりの離鍵位置(図3に示す位置)
に位置している。
【0022】さらに、シャーシ2の上面の前部には、白
鍵30の回動を案内する鍵ガイド2gが立設されてい
る。この鍵ガイド2gによって、白鍵30は、その回動
時に、左右方向にぶれないように案内される。白鍵30
は、以上のように構成されており、説明は省略するが、
黒鍵31も白鍵30とほぼ同様に構成されている。
【0023】シャーシ2の中央部には、鍵3の押鍵状態
を検出するための鍵スイッチ7が設けられている。この
鍵スイッチ7は、左右方向に延びるプリント回路基板
(以下、「基板」という)7aと、その上面に設けられ
たスイッチ本体7bとを備えている。基板7aは、上述
したように、中央の連結部材41の上取付部41aとと
もにシャーシ2にねじ止めされている。また、スイッチ
本体7bは、シャーシ2に形成した孔2hを介して上方
に突出しているとともに、基板7aを介して電子ピアノ
の発音を制御する制御装置(図示せず)に接続されてい
る。
【0024】一方、鍵3の下方には、ハンマー8が設け
られており、ハンマー8は、その中央部よりも前側の部
分で、シャーシ2の回動支点9に回動自在に支持されて
いる。また、ハンマー8は、その前端部の鍵当接部8a
が鍵3の頂壁の裏面に当接しているとともに、回動支点
9よりも後ろ側の部分がシャーシ2の開口2iを通っ
て、シャーシ2の下側に延びている。
【0025】さらに、ハンマー8の鍵当接部8aの下側
には、アクチュエータ部8bが形成されており、このア
クチュエータ部8bは、鍵スイッチ7のスイッチ本体7
bの上面に常時、当接している。また、ハンマー8の下
限位置を規制するための下限ストッパ5aが棚板5の上
面に、上限位置を規制するための上限ストッパ2jがシ
ャーシ2の下面にそれぞれ設けられている。以上の構成
により、鍵3が押鍵されると、ハンマー8は、その鍵当
接部8aが鍵3で押されることによって、同図の反時計
回りに回動する。このときに、アクチュエータ部8bが
鍵スイッチ7のスイッチ本体7bを押下することによっ
て、鍵3の押鍵情報が検出される。
【0026】以上の構成の鍵盤装置1は、例えば、シャ
ーシ2を基板7aとともに前・中央・後の連結部材4,
41,4で連結し、その次に、ハンマー8や鍵3などを
組み付け、さらに鍵3相互間などの位置関係の調整を終
えた後、棚板5に取り付けられる。この取付けは、各シ
ャーシ2に形成した前記6つのボス2aおよび連結部材
41の下取付部41cを、これらに対応して棚板5に形
成された図示しない孔を介して、ねじ止めすることによ
って行われる(図示せず)。なお、この棚板5は、アル
ミ合金の押出成形品などで構成されている。
【0027】以上のように構成された本実施形態の鍵盤
装置1によれば、鍵3を取り付けるためのシャーシ2
が、1オクターブ分用の7個のシャーシ2と、最低音部
用および最高音部用の2個のシャーシ2とに分割構成さ
れているので、シャーシの製造に用いる、射出成形用の
金型や射出成形機を含めた製造設備を小型化できる。ま
た、金型の小型化によって試作段階の金型調整も容易に
なる。これに加えて、鍵盤楽器における鍵3の配置は、
通常、1オクターブ毎に同一に繰り返されるので、シャ
ーシ2に1オクターブ分の鍵3を取り付ける構成とした
ことによって、7個のシャーシ2の寸法や形状などを同
一にでき、シャーシ2を製造するための金型を共通化で
きる。さらに、シャーシ2を製造するための金型に入子
型を用いることによって、最高音部および最低音部用の
シャーシ2をそれぞれ製作でき、1つの金型で鍵盤装置
1のすべてのシャーシ2を製作できる。したがって、シ
ャーシ2の製造コストを大幅に削減でき、鍵盤装置1の
製造コストを大幅に削減することができる。
【0028】また、鍵数の異なる鍵盤装置間で、鍵3の
寸法や形状などを同一にして、シャーシ2を標準化すれ
ば、シャーシ2を鍵盤装置1だけでなく鍵数の異なる他
の鍵盤装置にも適用することができ、鍵盤装置の製造コ
ストをより大幅に削減することができる。
【0029】さらに、9個のシャーシ2が前・中央・後
3つの連結部材4,41,4によって一体に連結される
ので、例えば、楽器本体に取り付ける前に、一体に組み
立てたシャーシ2に鍵3を取り付けることが可能になる
など、鍵盤装置1の組立の自由度が高められる。そし
て、そのように、楽器本体への取付前に、例えば楽器本
体外で鍵盤装置1を組み立てることによって、その組立
作業およびシャーシ2に取り付けられた鍵3相互間の位
置合わせ作業などを容易に行うことができ、楽器本体に
シャーシ2や鍵3などを順次、組み込んだ場合に生じや
すい鍵3の表面の損傷などを回避できる。
【0030】これに加えて、9個のシャーシ2を連結す
る前後の連結部材4,4が上下方向に延びる鉛直部4
b,4bを備えていることによって、シャーシ2の前後
端部の剛性を高めることができるので、シャーシ2のた
わみを抑制することができる。また、中央の連結部材4
1は、その上取付部41aおよび下取付部41cがそれ
ぞれ、シャーシ2および棚板5に固定され、かつ鉛直部
41bが上下方向に延びる剛性の高い断面形状を有して
いるので、上方からシャーシ2に作用する荷重を中央の
連結部材41を介して棚板5で支持することができる。
これによって、シャーシ2の中央部がほとんどたわまな
いようにすることができる。このように、連結部材4,
41,4に補強部材の役目を兼用させることができるの
で、シャーシ2の剛性を向上させるために、別個に補強
部材を取り付けたり、リブなどを一体成形したりする必
要がなくなる。その結果、部品点数の増加や金型の形状
の複雑化を招くことがなくなるので、製造コストを削減
することができる。
【0031】また、連結部材41が基板7aとともにシ
ャーシ2に固定されているので、押鍵動作などにより基
板7aに作用する荷重を連結部材41を介して棚板5で
支えることができる。これにより、基板7aがほとんど
たわまないようにすることができることによって、たわ
みによる基板7aの断線や短絡などを原因とする誤作動
などのトラブルを防止でき、耐久性を向上させることが
できる。さらに、連結部材41が、ハンマー8の回動支
点9の付近に配置されているので、押鍵動作などによっ
てシャーシ2の回動支点9およびその付近に上方から作
用する荷重を連結部材41を介して棚板5で支えること
ができる。したがって、シャーシ2の回動支点9および
その付近のたわみや変形を防止できることによって、押
鍵動作のときに、鍵3毎のハンマー8の回動ストローク
のばらつきや、ハンマー8のがたつきなどの発生を防止
することができ、押鍵動作を安定した状態でかつスムー
ズに行うことができる。
【0032】なお、上記実施形態においては、本発明の
鍵盤装置1を電子ピアノに適用したものについて説明し
たが、本発明の鍵盤装置1はこれに限らず、他の電子楽
器(例えばシンセサイザなど)や、アコースティックタ
イプの鍵盤楽器に適用してもよい。これに加えて、本発
明の鍵盤装置1をハンマーを備えた電子ピアノに適用し
たものについて説明したが、本発明の鍵盤装置1はこれ
に限らず、ハンマーを備えていないものに適用してもよ
い。また、シャーシ2をABS樹脂製としたが、シャー
シ2の材質はこれに限らず、他の合成樹脂(例えばポリ
スチレンやポリアセタールなど)およびセラミックなど
でもよい。また、鋼板にプレス金型を用いた打ち抜き加
工を施したり、曲げ金型を用いた曲げ加工などを施した
りすることによって、シャーシ2を製造してもよい。こ
のようにすれば、シャーシ2の製造に用いる、金型やプ
レス機などを含めた製造設備を小型化でき、前述したよ
うに、鍵盤装置の製造コストを大幅に削減できる。
【0033】さらに、上記実施形態においては、9個の
シャーシ2を3つの連結部材4,41,4によって連結
したが、これに限らず、1つまたは2つの連結部材や、
4つ以上の連結部材で連結するようにしてもよい。ま
た、連結部材として、L字断面形状や、L字の上端から
水平部分が前方に延びる断面形状のものを用いた例につ
いて説明したが、これに限らず、H型鋼など各種型鋼と
同様の断面形状のものを用いてもよく、上下方向に延び
る部分を有する、たわみにくい形状のものであればよ
い。さらに、鍵3をABS樹脂製としたが、鍵3の材質
はこれに限らず、鋼などの金属、他の合成樹脂(例えば
ポリスチレンやポリアセタールなど)および木質材など
でもよい。また、連結部材4をアルミ合金で構成した
が、これに限らず、鋼などの他の金属で構成してもよ
い。さらに、最低音部用および最高音部用のシャーシ2
を製作するために、シャーシ2用の射出成形機の金型に
入子型を用いることによって、V字形の溝付きのシャー
シを射出成形するようにしたが、シャーシ2用の射出成
形機の金型の形状を変更することによって、シャーシ2
自体をV字形の溝付きのシャーシとして射出成形し、鍵
盤装置1に用いるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の鍵盤楽器の鍵盤
装置によれば、シャーシの製造コストの大幅な削減によ
って、製造コストを大幅に削減することができるととも
に、シャーシ剛性の補強により左右方向のたわみを抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電子ピアノの鍵盤装
置の一部を示す平面図である。
【図2】図1の鍵盤装置の一部を省略した底面図であ
る。
【図3】図1の鍵盤装置の側断面図である。
【符号の説明】
1 鍵盤装置 2 シャーシ 3 鍵 4 連結部材 4b 鉛直部(上下方向に延びる部分) 7a プリント回路基板 8 ハンマー 9 回動支点 41 連結部材 41b 鉛直部(上下方向に延びる部分)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシャーシと、 左右方向に延び、前記複数のシャーシを左右方向に並ん
    だ状態で互いに連結する連結部材と、 前記複数のシャーシに回動自在に設けられ、左右方向に
    並べられた複数の鍵と、を備え、 前記連結部材は、前記複数のシャーシのたわみを抑制す
    るための少なくとも上下方向に延びる部分を有すること
    を特徴とする鍵盤楽器の鍵盤装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の鍵の押鍵情報を検出するため
    に、前記複数のシャーシに取り付けられたプリント回路
    基板をさらに備え、 前記連結部材は、前記プリント回路基板の付近に配置さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器の
    鍵盤装置。
  3. 【請求項3】 前記複数のシャーシに設けられた回動支
    点に回動自在に支持され、前記複数の鍵に連動して回動
    する複数のハンマーをさらに備え、 前記連結部材は、前記複数のハンマーの回動支点の付近
    に配置されていることを特徴とする請求項1または2に
    記載の鍵盤楽器の鍵盤装置。
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