JPH11326771A - プローブ、走査型プローブ顕微鏡、記録再生装置 - Google Patents

プローブ、走査型プローブ顕微鏡、記録再生装置

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JPH11326771A
JPH11326771A JP10139187A JP13918798A JPH11326771A JP H11326771 A JPH11326771 A JP H11326771A JP 10139187 A JP10139187 A JP 10139187A JP 13918798 A JP13918798 A JP 13918798A JP H11326771 A JPH11326771 A JP H11326771A
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JP10139187A
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Susumu Yasuda
進 安田
Takeo Yamazaki
剛生 山崎
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    • G01Q60/38Probes, their manufacture, or their related instrumentation, e.g. holders
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01QSCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、接触モードで使用した際に、試料の
表面に傷がつくことがないプローブと、このプローブを
適用することで、高速に像を取得できるSPM及び高速
に記録再生を行うことができる記録再生装置を提供する
ことを目的としている。 【解決手段】本発明は、カンチレバーの自由端に探針を
有するプローブにおいて、前記探針がトーションバーで
揺動自由に支持されていることを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子間力顕微鏡(以
下、AFMと略す)等の走査型プローブ顕微鏡(以下、
SPMと略す)に用いるためのプローブ、及び、同プロ
ーブを用いたSPMや記録再生(メモリ)装置の技術分
野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ナノメートル以下の分解能で導電
性物質表面を観察可能な走査型トンネル顕微鏡(以下S
TMと略す)が開発され(米国特許第4,343,99
3号明細書)、金属・半導体表面の原子配列、有機分子
の配向等の観察が原子・分子スケールでなされている。
また、STM技術を発展させ、絶縁物質等の表面をST
Mと同様の分解能で観察可能な原子間力顕微鏡(以下A
FMと略す)も開発された(米国特許第4,724,3
18号明細書)。さらに別の発展形として、尖鋭なプロ
ーブ先端の微小開口からしみ出すエバネッセント光を利
用して試料表面状態を調べる走査型近接場光顕微鏡(以
下SNOMと略す)[Durig他,J.Appl.P
hys.59,3318(1986)]も開発された。
現在ではトンネル電流、電子状態密度、原子間力、分子
間力、摩擦力、弾性、エバネッセント光、磁力等試料表
面の種々の物理量を高い分解能で測定できるこれらの顕
微鏡を走査型プローブ顕微鏡(以下SPMと略す)と総
称している。
【0003】さらに、このようなSPM技術はメモリ技
術にも応用されつつある。例えば、特開昭63−161
552号公報、特開昭63−161553号公報等に
は、記録層として電圧電流のスイッチング特性に対して
メモリ効果を持つ材料、例えばπ電子系有機化合物やカ
ルコゲン化合物類の薄膜層を記録媒体として、記録・再
生をSTMで行う方法が開示されている。この方法によ
れば、STMの探針にあるしきい値以上の電圧を印加す
ることにより、探針直下の記録媒体に微小な領域で特性
変化を生じさせて記録を行い、探針と記録媒体間に流れ
るトンネル電流が記録部と非記録部により変化すること
を利用して再生を行うことができる。この方法を用い
て、記録のビットサイズを直径10nmとすれば、10
12ビット/cm2の記録密度を持つ情報処理装置が実現
できる。また、記録媒体としてあるしきい値以上の電圧
を印加すると表面が局所的に溶融または蒸発して表面形
状が凹または凸に変化する材料、例えば、Au、Ptな
どの金属薄膜を用いることにより同様に記録再生を行な
うことができる。
【0004】さて、SPMの中でもAFMに代表される
ような探針に作用する微小な力を計測する種類のSPM
は、一般的にマイクロマシニング技術で作成した自由端
に探針を有するカンチレバーをプローブとして用いる。
これらのSPMの動作モードのうち、接触モードと呼ば
れる動作に於いては、上記プローブの探針を試料に接触
させた状態で、探針と試料を相対的に走査して、そのと
きのカンチレバーの変位を検出して、試料表面の凹凸を
計測する。このときのカンチレバーの変位検出法として
は、カンチレバーの裏面に光を当てて、反射光の角度変
化を計測する光てこ法や、カンチレバーを応力で電気抵
抗が変化するような材質で作成して、電気抵抗を測定す
るような方法が知られている。また、探針と媒体の距離
を制御して、非接触に走査を行う方法も広く知られてい
る。このときは、トンネル電流や静電引力を検出して探
針と媒体の距離の検出を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】SPMにおいて試料の
走査を高速に行なうための走査方法として、らせん状に
走査を行なう走査型プローブ顕微鏡が開示されている
(特開平09−269328号公報)。また、このよう
な走査方法は記録再生装置にも応用されている(米国特
許第4,831,614号明細書)。ところが、このよ
うな走査方法を用いて、接触モードで走査を行なうと、
探針と試料や記録媒体の間に過大な力が作用して試料や
記録媒体を傷めてしまうことがあった。また、非接触走
査であっても、プローブがカンチレバーの先端に探針を
有するタイプのときには、何らかの原因で探針と媒体が
接触すると、試料や記録媒体を傷めてしまうことがあっ
た。
【0006】このような状況になるのは、試料のプロー
ブに対する走査方向が、探針からカンチレバーの支持端
に向かう方向であることが多い。この原因は、次のよう
な力学モデルで説明することができる。カンチレバーの
先に探針がついたプローブを図4(a)のようにモデル
化する。ここで、カンチレバーは一様断面で、長さ方向
への伸縮はたわみに比べて小さいので無視し、探針は変
形しないものとする。カンチレバーの長さをl、探針の
高さをhとする。そして、座標系を、探針のカンチレバ
ーヘの付け根を原点とし、カンチレバーの支持端に向か
ってx軸を、それと垂直上向きにy軸となるように定義
する。
【0007】図4(b)で示すように、探針の先端にF
=(Fx,FyTの力が働くと、カンチレバーの自由端
に荷重Fy 曲げモーメントhFxが作用することにな
る。このときのカンチレバーの傾斜iとはりのたわみv
は、はりの曲げの式より、 で与えられる。ここで、Eは、カンチレバー材料のヤン
グ率、Iはカンチレバーの断面2次モーメントである。
また、このときの探針先端の変位s=(sx,sy
Tは、探針の付け根におけるカンチレバーの傾斜i
(0)とたわみv(0)から、以下のように求められ
る。 Cは探針先端のコンプライアンス行列である。
【0008】ここで、Cの固有値と固有ベクトルをそれ
ぞれμ1、μ2とe1、e2とし、F=F1・e1+F2・e2
と分解すると、 となる。例えば、h=10[μm]、1=200[μ
m〕、E=1.4×105[μN/μm2]、I=2.5
[μm4]とすると、 となり、μ1、μ2とe1、e2はそれぞれ、 となる。μ2がμ1に比べて非常に大きいことがわかる。
これは、探針の先端がe1の方向に比べてe2の方向に非
常に動きやすいことを示している。
【0009】さて、一般に、このようなプローブをSP
Mにおいて接触モードで使用するときには、取り付け部
と試料の干渉を防ぐために、カンチレバーは試料の走査
方向に対して角度θをもって取り付けられる(図5
(a))。ここで、探針先端に試料から力が働いたとき
について考える。
【0010】試料から探針先端に作用する力には垂直抗
力Nと摩擦力fがある。垂直抗力Nは試料表面の法線方
向に働く力で、摩擦力fは試料表面の接線方向に働く力
である。一般に、垂直抗力Nが増加すると摩擦力fも増
加する傾向にある。ここで、図5(b)に示す方向に探
針先端に摩擦力F’=(F’1,F’2Tが作用したと
する。このとき、数式5より、探針先端は、e1方向に
μ1F’1、e2方向にμ2F’2変位する。このとき、μ 1
<u2であるので、変位s ’はF’よりもe2の方向に角
度を変え、探針先端は試料から離れる方向に変位する。
すると、探針先端に働く垂直抗力が小さくなるので、垂
直抗力と摩擦力の関係より、摩擦力は小さくなる。すな
わち、摩擦力が大きくなると、垂直抗力が小さくなり、
摩擦力が小さくなるので、この方向への摩擦力F’の変
化は安定であるといえる。
【0011】一方、図5(c)に示す方向に摩擦力F”
が作用したとすると、上とは逆に、探針先端は試料に食
い込む方向s”に変位する。すると摩擦力は、さらに大
きくなる。つまり、この方向ヘの摩擦力F”の変化は不
安定であり、探針が試料に食い込んで傷をつけてしまう
おそれがある。図5(c)に示す方向に摩擦力F”が働
くのは、試料をプローブの探針からカンチレバーの付け
根の方向に走査するときであるので、この方向に走査を
行うと試料を傷つけてしまう可能性が高いことがわか
る。
【0012】そこで、本発明は、上記課題を解決し、接
触モードで使用した際に、試料の表面に傷がつくことが
ないプローブと、このプローブを適用することで、高速
に像を取得できるSPM及び高速に記録再生を行うこと
ができる記録再生装置を提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、プローブ、走査型プローブ顕微鏡、記録再
生装置を、つぎのように構成したことを特徴とするもの
である。すなわち、本発明のプローブは、カンチレバー
の自由端に探針を有するプローブにおいて、前記探針が
トーションバーで揺動自由に支持されていることを特徴
としている。また、本発明のプローブは、前記トーショ
ンバーは、カンチレバーの長手方向と探針の高さ方向に
垂直であることを特徴としている。また、本発明のプロ
ーブは、前記トーションバーは、該トーションバーの断
面形状の探針の高さ方向の幅が、カンチレバーの長手方
向の幅よりも広い形状であることを特徴としている。ま
た、本発明の走査型プローブ顕微鏡、及び記録再生装置
は、上記した本発明のいずれかのプローブを有すること
を特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のプローブの作用について
説明する。本発明のプローブでは、従来のプローブと異
なり、カンチレバー先端の探針が卜ーションバーで支持
されている。図6を用いて、本発明のプローブの動作を
説明する。602はカンチレバー、603はトーション
バー、605は探針である。本発明のプローブの探針先
端に、F=(Fx,FyTが働くと、トーションバー6
03にはトルクhFxが働くので、トーションバー60
3のねじれ角をφ、ねじれのコンプライアンスをCφと
すると、 が成立つ。また、カンチレバー602は探針605の取
り付け部に従来のプローブと同様のトルクと荷重がかか
るので、結局、本発明のプローブのコンプライアンス行
列Cは、 で与えられる。
【0015】先ほど試算に用いたプローブに本発明を適
用して、Cφを、4.7×10-3[(μN・μm)-1
とすると、 となり、Cの固有値μ1、μ2と固有ベクトルe1、e2
それぞれ、 となる。数式7に比べてμ1が格段に大きくなっている
ことがわかる。数式5からわかるように、変位と力の方
向が異なる原因は、μ1、μ2が異なることにある。本発
明のプローブでは、従来のプローブと比較してμ2/μ1
を小さくできるという特徴がある。そのため、本発明の
プローブは従来のプローブと比較して変位と力の方向が
異なりにくく、原子間力顕微鏡の接触モードで使用した
場合、従来よりも試料を傷つけにくいことがわかる。
【0016】また、本発明のプローブのトーションバー
の断面形状は、探針の高さ方向の幅が、カンチレバーの
長手方向の幅よりも広い形状であることがより望まし
い。なぜなら、探針に力が加わると、トーションバーに
はたわみが生じ、これがμ2を大きくする要因になって
しまうが、このような形状にすることで、ねじり方向の
コンプライアンスが同じでも、トーションバーのたわみ
量を少なくできるからである。また、本発明のプローブ
を走査型プローブ顕微鏡に適用することで、試料を傷つ
けずに従来よりも高速にらせん状に走査を行うことがで
きる。また、本発明のプローブを記録再生装置に適用す
ることで、媒体を傷つけずに、従来よりも高速にらせん
状に走査を行って記録再生を行うことができる。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 [実施例1]図1は本実施例のプローブの斜視図であ
る。カンチレバー102は、支持部101に一端を支持
されている。カンチレバー102の自由端には、揺動プ
レート104がトーションバー103a、103bで揺
動自由に支持されている。揺動プレート104の上には
導電性の探針105が取り付けられている。そして、探
針105と取り出し電極107は、取り出し配線106
で電気的に接続されている。
【0018】カンチレバー102の寸法は幅40μm、
長さ300μmとし、トーションバー103a、103
bの寸法は、幅1μm、長さ10μmとした。また、探
針105の高さは10μmとした。また、102、10
3a、103b、104は厚さ3μmのSiで作成し
た。Siのヤング率Eは、1.4×105[μN/μ
2]、Gは5.4×104[μN/μm2]である。ト
ーションバー103a、103bの断面は、3μm×1
μmの長方形断面で、探針の高さ方向の幅が、カンチレ
バーの長手方向の幅よりも広い形状になっている。この
ときのねじりのコンプライアンスCφは、長方形断面の
軸のねじりの式より、 と与えられる。また、本実施例のカンチレバーの断面二
次モーメントIは、 であるので、数式9よりコンプライアンス行列Cは、 となり、Cの固有値はμ1=0.012[μN/μ
m]、μ2=0.71[μN/μm]なので、μ2/μ1
=59である。ちなみに、トーションバーのない従来型
のプローブでは、 となり、μ1=0.00057[μN/μm]、μ2
0.71[μN/μm]から、μ2/μ1=1.2×10
3であるので、本発明により試料を傷つける原因となる
μ 2/μ1が大幅に改善されていることがわかる。
【0019】次に、本実施例のプローブの製造方法を図
2を用いて説明する。まず、保護層302として熱酸化
膜が5000Å形成されたシリコンウエハを第一基板3
01として用意する。続いて保護層302の所望の箇所
を、フォトリソグラフィとエッチングによりパターン形
成し部分的に12μm平方のシリコンを露出する。続い
て、水酸化カリウム水溶液を用いた結晶軸異方性エッチ
ングにより凹部303を形成した。なお、エッチング条
件は、濃度27%のKOH水溶液を用い、液温80℃、
エッチング時間は20分とした。このとき(111)面
で囲まれた深さ8.4μmの逆ピラミッド状の凹部30
3が形成された(図2(a)参照)。
【0020】次に保護層302である熱酸化膜をHF:
NH4F=1:5溶液で全部除去した。続いて、凹部3
03を含む第一基板301上に剥離層304として、C
rを真空蒸着法により全面に900Å成膜した(図2
(b)参照)。次に、探針105を作成するために、金
を真空蒸着法により、剥離層304の上面に1.0μm
成膜し、フォトリソグラフィとエッチングにより探針1
05の形状にパターン形成を行った(図2(c)参
照)。次に、SOI(シリコン−オン−インシュレー
タ)基板からなる支持部101を用意する。支持部10
1は、単結晶シリコンの上にSiO2膜を挟んで厚さ3
μmの単結晶シリコン層を有している。まず、この支持
部101上にアルミを製膜し、カンチレバー102、ト
ーションバー103a、b、揺動プレート104の形状
にフォトリソグラフィとエッチングによりパターンニン
グを行なう。そして、そのパターンニングされたアルミ
をマスクにして、反応性イオンエッチングでシリコンを
エッチングする。
【0021】そして、そのアルミを除去した後、クロム
を50Å、金を1000Å成膜し、取り出し配線106
と取り出し電極107の形状にパターンニングを行う。
尚、熱酸化膜を成膜した後で、あらかじめカンチレバー
が形成される場所の裏面のシリコンを一部エッチング除
去し、シリコンメンブレン309を形成しておく。続い
て、第一基板301上の探針105と支持部101上の
取り出し配線106とを位置合わせし、荷重をかけて圧
着接合を行う。これによりAu同士が接合し、探針10
5がカンチレバー102上に接合する(図2(d)参
照)。次に第一基板301と支持部101とを引き剥
す。この時、剥離層304と探針105との界面で剥離
が生じる。続いて、支持部101のカンチレバー102
下部のシリコンメンブレン309をエッチング除去する
ことによりカンチレバー型プローブを製造できる(図2
(e)参照)。そして、本発明のプローブを市販の原子
間力顕微鏡に装着し、ら線状に線速度一定走査を行い、
接触モードで原子間力像の取得を行なった。すると、従
来のプローブでは、試料の表面に傷がついてしまうよう
な高速な走査を行っても、試料を傷つけることがなかっ
た。
【0022】[実施例2]図3を用いて、本実施例の記
録再生装置の概要を説明する。本実施例では、導電性を
有する基板201上の記録層202からなる記録媒体2
03に対し、先端に設けられている探針205が接触す
るように、プローブ207が配置されている。プローブ
207は、実施例1で説明したものと同様のものであ
る。プローブ207において、探針205は、トーショ
ンバー204によって、カンチレバー206の自由端に
結合されている。制御コンピュータ219により制御さ
れた位置制御回路218からの位置制御信号を受け、x
yz駆動機構208により、記録媒体203を取り付け
られたxyz駆動ステージ209が駆動され、プローブ
207と記録媒体203とは相対的に3次元方向に移動
する。ここで、走査を高速に行なうために、xとyの駆
動機構に、90度位相がずれた正弦波状の駆動信号を印
加すると、記録媒体はプローブに対して円状に走査され
る。例えば、角速度一定で走査を行なうためには、 という駆動波形を入力すればよい。ここで、rは走査円
の半径、ωは角速度である。また、線速度一定で走査を
行なうには、 という駆動波形を入力すればよい。ここで、rは走査円
の半径、vは走査線速度である。
【0023】記録再生にあたっては、記録媒体203に
対し、プローブ207のxy方向及びz方向位置を調節
し、探針205先端が記録媒体203上の所望の位置
で、かつ所望の接触力で接触させた状態になるようプロ
ーブ207が位置合せされる。上記の記録再生装置にお
いて記録媒体203に対しプローブ207を走査する
際、プローブ207上の探針205先端は記録媒体20
3に対し、常に接触した状態を保つ。このような接触走
査方式は、探針205先端を記録媒体203に対し接触
させたまま走査する場合に、記録媒体203の表面に凹
凸があっても、カンチレバー206の弾性変形によりこ
れを吸収するため、探針205先端と記録媒体203表
面の接触力はほぼ一定に保たれ、探針205先端や記録
媒体203表面が破壊することを避けられる。この方式
はプローブをz方向に制御する手段が不必要であるた
め、構成が複雑にならず、特に複数のプローブを有する
装置に適している。また、記録媒体203に対する個々
のプローブ207のz方向位置のフィードバック制御が
不必要であるため、記録媒体203に対するプローブ2
07の高速走査が可能となる。
【0024】情報記録時においては、探針205の先端
が記録媒体203に対し、接触した状態を保った状態
で、走査を行ないながら、制御コンピュータ219によ
り制御された記録制御回路213から発生された記録信
号が、記録系に切り替えられた切り替えスイッチ211
を通し、探針205から記録媒体203に印加される。
このようにして、記録層202の探針205先端が接触
する部分に局所的に記録が行われる。
【0025】上述の装置における記録層201として
は、電圧印加により流れる電流値が変化するような材料
を用いる。具体例としては、第1に、特開昭63−16
1552号公報、特開昭63−161553号公報に開
示されているようなポリイミドやSOAZ(ビス−n−
オクチルスクアリリウムアズレン)等電気メモリー効果
を有するLB膜(=Langmuir−Blodget
te法により作成された有機単分子の膜の累積膜)が挙
げられる。この材料は、探針−LB膜−基板間にしきい
値以上の電圧(5〜10[V]程度)を印加すると間の
LB膜の導電性が変化(OFF状態→ON状態)し、再
生用のバイアス電圧(0.01〜2[V]程度)を印加
した際に流れる電流が増大するものである。
【0026】第2の具体例として、GeTe,GaS
b,SnTe等の非晶質薄膜材料が挙げられる。この材
料は、探針−非晶質薄膜材料−基板間に電圧を印加し、
流れる電流により発生する熱で非晶質→晶質への相転移
を起こさせるものである。これにより材料の導電性が変
化し、再生用のバイアス電圧を印加した際に流れる電流
が増大するものである。第3の具体例として、Znや
W、Si、GaAs等の酸化性金属・半導体材料が挙げ
られる。この材料は、探針−酸化性金属・半導体材料間
に電圧を印加すると、流れる電流により、材料表面に吸
着している水や大気中の酸素と反応し、表面に酸化膜が
形成される。このため材料表面の接触抵抗が変化し、バ
イアス電圧を印加した際に流れる電流が減少する。
【0027】さて、上述のように記録が行われた情報の
再生は次のように行う。切り替えスイッチ211によ
り、プローブ207からの信号配線を再生系に切り替え
た後、バイアス電圧印加手段212により、探針205
と基板201との間にバイアス電圧を印加し、間に流れ
る電流を電流電圧変換回路215において電圧に変換す
る。記録媒体203上の記録ビットの部分は記録がなさ
れていない部分に比べ電流が多く(または、少なく)流
れるため、ビットの有無が電圧信号に変換される。そし
て、その再生信号はバンドパスフィルタ217と復調回
路216を通して、バイナリデータとして制御コンピュ
ータ219に出力される。このようにして、記録媒体2
03に記録された情報の再生を行なうことができる。本
発明のプローブを用いることで、従来の記録再生装置に
おいては記録媒体に傷がついてしまうほどの高速走査で
も、問題無く記録再生を行うことができた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のプローブ
は、カンチレバーの自由端ににおいて、探針がトーショ
ンバーで揺動自由に支持されているので、接触モードで
使用した際に、試料の表面に傷がつくことのないプロー
ブを実現することができる。また、このような本発明の
プローブによってSPM及び記録再生装置を構成するこ
とにより、接触モードで高速にら線状走査を行っても、
試料の表面に傷がつくことがないので、より高速に像を
取得できるSPM、あるいは、より高速に記録再生を行
うことができる記録再生装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプローブの斜視図である。
【図2】本発明のプローブの作成方法を説明する図であ
る。
【図3】本発明の記録再生装置のブロック図である。
【図4】従来のプローブの力学モデルを説明する図であ
る。
【図5】従来のプローブの動作を説明する図である。
【図6】本発明のプローブの動作を説明する図である。
【符号の説明】
101、401:支持部 102、402、602:カンチレバー 103a、103b、603:トーションバー 104:揺動プレート 105、405、605:探針 106:取り出し配線 107:取り出し電極 201:第一基板 202:記録層 203:記録媒体 204:トーションバー 205:探針 206:カンチレバー 207:プローブ 208:xyz駆動機構 209:xyzステージ 211:切り替えスイッチ 212:バイアス電圧印加手段 213:記録制御回路 215:電流電圧変換回路 216:復調回路 217:バンドパスフィルタ 218:位置制御回路 219:制御コンピュータ 301:第一基板 302:保護層 303:凹部 304:剥離層 309:シリコンメンブレン 410:試料

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カンチレバーの自由端に探針を有するプロ
    ーブにおいて、前記探針がトーションバーで揺動自由に
    支持されていることを特徴とするプローブ。
  2. 【請求項2】前記トーションバーは、カンチレバーの長
    手方向と探針の高さ方向に垂直であることを特徴とする
    請求項1に記載のプローブ。
  3. 【請求項3】前記トーションバーは、該トーションバー
    の断面形状の探針の高さ方向の幅が、カンチレバーの長
    手方向の幅よりも広い形状であることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のプローブ。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3に記載したプロー
    ブを有することを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項3に記載したプロー
    ブを有することを特徴とする特徴とする記録再生装置。
JP10139187A 1998-05-06 1998-05-06 プローブ、走査型プローブ顕微鏡、記録再生装置 Pending JPH11326771A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007129587A1 (ja) * 2006-05-09 2007-11-15 Kyoto University 分子配向装置及び分子配向方法

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