JPH11326675A - 光ファイバ接続器 - Google Patents

光ファイバ接続器

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JPH11326675A
JPH11326675A JP13238098A JP13238098A JPH11326675A JP H11326675 A JPH11326675 A JP H11326675A JP 13238098 A JP13238098 A JP 13238098A JP 13238098 A JP13238098 A JP 13238098A JP H11326675 A JPH11326675 A JP H11326675A
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達哉 太田
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康博 玉木
Toshiyuki Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二つ割り構造の素子の間に挟み込んだ光ファ
イバを、前記素子の中央部の調心機構によって位置決め
調心して突き合わせ接続する光ファイバ接続器にあって
は、調心機構やそこに設けた屈折率整合剤への水分、粉
塵、気泡の侵入を防止して目的の接続損失を安定に得る
ための技術の開発が求められていた。 【解決手段】 屈折率整合剤67を、調心機構55aの
周囲の広範囲に亘って設けて、水分、粉塵、気泡の侵入
を屈折率整合剤67の端部または縁部に留めることによ
り、調心機構55aへの影響を防止する光ファイバ接続
器1を提供する。調心機構55aの側部に設けた突壁6
8、調心機構55aに光ファイバ54aを導く調心溝5
5bの途中に形成した凹所55bに屈折率整合剤67を
到達させ、封止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ同士を
突き合わせ接続する光ファイバ接続器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ同士を突き合わせ接続する光
ファイバ接続器としては、例えば、特願平7−3132
47等が提案されている。この種の光ファイバ接続器
は、互いの長手方向を揃えて配置され、かつ外側に装着
された断面C形あるいはコ字状のクランプバネにより互
いの接近方向に付勢されている二つ割り構造の素子を有
し、この素子の長手方向両側から挿入された光ファイバ
を前記クランプバネのクランプ力により該素子の間に挟
持し、当該素子の互いに当接される当接面の一方または
両方にて前記素子の長手方向に沿って延在形成された調
心溝によって位置決め調心した光ファイバ同士を突き合
わせ接続するようになっている。また、楔状の開放部材
を素子の二つ割りの分離境界に圧入して、クランプバネ
のクランプ力に抗して素子を押し広げて開放すると、素
子に対する光ファイバの挿入、引き抜きが可能になるた
め、光ファイバの接続切替を簡単に行うことができる。
調心溝には屈折率整合剤を設けて、突き合わせ接続され
た光ファイバ間に目的の低接続損失を得ることが普通で
ある。前記屈折率整合剤は、調心溝における、特に、光
ファイバ同士が突き合わせ接続される接続点近傍のみに
設けることが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記光ファ
イバ接続器では、環境試験(ヒートサイクル試験、温度
湿度サイクル試験等)を行った際に、屈折率整合剤が水
分や気泡、粉塵等の細かいゴミを巻き込む場合があり、
これが接続損失の増加を招くといった問題が発生してい
た。また、開放部材を使って素子を開閉させると、一般
に樹脂製である素子から、樹脂カスが発生して、これが
屈折率整合剤に混入して、接続損失の増加を招く場合も
ある。しかしながら、屈折率整合剤が水分や気泡、粉塵
等を巻き込むことを防止できる適切な対策が、これまで
無く、これら不都合を確実に防止できる適切な技術の開
発が求められていた。また、例えば、素子の外側をシリ
コンゴム等で封止する等の対策も考えられるが、サイズ
が小さい素子(長さ十数mm程度)に対して封止作業を
行うことは手間がかかり、しかも、接続切替時には、封
止剤の除去と、再封止を行うことになるため、作業性が
大幅に低下することになり、問題の根本的な解決に至ら
ない。なお、特願平7−313247は、多心光ファイ
バテープ心線に適用される光ファイバ接続器であるが、
前記問題は、多心の光ファイバ接続器のみのみならず、
二つ割り構造の開閉可能な素子を有する光ファイバ接続
器であれば、単心のものにも同様に発生する。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、二つ割り構造の素子の間に光ファイバの対を突き合
わせ接続して挟持するタイプの光ファイバ接続器におい
て、素子間に挿入された光ファイバを突き合わせ接続可
能に位置決め調心する調心機構や、その近傍に設けた屈
折率整合剤に、水分や気泡、粉塵等を巻き込むことを確
実に防止できる光ファイバ接続器を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、互いの長手方向を揃えて配置されかつ外側に装着さ
れたクランプバネにより互いの接近方向に付勢されてい
る二つ割り構造の素子を有し、この素子の長手方向両側
から挿入された光ファイバを該素子の間に挟持し、当該
素子の長手方向中央部の調心機構によって位置決め調心
した光ファイバ同士を突き合わせ接続する光ファイバ接
続器であって、前記調心機構およびその周囲に設けられ
た屈折率整合剤が、素子の二つ割りに分離される分離境
界に開口形成され、前記クランプバネのクランプ力に抗
して素子間を押し広げて開放するための楔状の開放部材
が挿入される開放部材挿入溝や、前記素子の長手方向両
端から挿入された光ファイバを前記調心機構に導く調心
溝に到達されていることを特徴とする光ファイバ接続器
を前記課題の解決手段とした。本発明では、素子内部に
侵入しようとする水分や粉塵等が、開放部材挿入溝や、
調心機構に光ファイバを導く調心溝に到達されている屈
折率整合剤に捕捉される。屈折率整合剤は、粘性を有し
ているため、捕捉された水分や粉塵等は、開放部材挿入
溝や、調心溝に留まり、調心機構に設けられている屈折
率整合剤に到達しない。また、屈折率整合剤は、その端
部や縁部にて気泡を巻き込みやすい傾向があるが、気泡
の巻き込みは調心機構の端部や縁部に限定され、調心機
構近傍の屈折整合剤には巻き込まれない。このため、調
心機構では、水分や粉塵、気泡等が悪影響を与えること
が防止され、突き合わせ接続する光ファイバ間に目的の
接続損失が安定に得られる。また、素子の互いに当接さ
れる当接面の広範囲に亘って、屈折率整合剤が設けられ
ていると、当接面間での摩擦係数が低減し、素子の開閉
が円滑になる等の効果も得られる。
【0006】請求項2記載の発明では、互いの長手方向
を揃えて配置されかつ外側に装着されたクランプバネに
より互いの接近方向に付勢されている二つ割り構造の素
子を有し、この素子の長手方向両側から挿入された光フ
ァイバを該素子の間に挟持し、当該素子の長手方向中央
部の調心機構によって位置決め調心した光ファイバ同士
を突き合わせ接続する光ファイバ接続器であって、前記
調心機構に沿ってその側部に延在する突壁が、前記素子
の互いに当接される一方または両方の当接面から突設さ
れ、前記調心機構およびその近傍に設けられた屈折率整
合剤が、前記突壁およびその近傍にも到達されているこ
とを特徴とする光ファイバ接続器を前記課題の解決手段
とした。本発明によれば、突壁によって、調心機構やそ
こに設けられた屈折整合剤に、水分や粉塵等が混入する
ことが防止される。また、突壁およびその近傍に到達さ
れた屈折率整合剤によって、突壁付近が封止され、突壁
から素子内部への水分や粉塵等の侵入を確実に防止でき
る。
【0007】請求項3記載の発明では、互いの長手方向
を揃えて配置されかつ外側に装着されたクランプバネに
より互いの接近方向に付勢されている二つ割り構造の素
子を有し、この素子の長手方向両側から挿入された光フ
ァイバを該素子の間に挟持し、当該素子の長手方向中央
部の調心機構によって位置決め調心した光ファイバ同士
を突き合わせ接続する光ファイバ接続器であって、前記
素子の長手方向両端から挿入された光ファイバを前記調
心機構に導く調心溝の途中に、該調心溝を分断するよう
にして窪んだ形状の凹所が形成され、前記調心機構およ
びその近傍に設けられた屈折率整合剤の一部が、前記凹
所に貯留されるようになっていることを特徴とする光フ
ァイバ接続器を前記課題の解決手段とした。本発明によ
れば、前記凹所に貯留された屈折率整合剤により、調心
溝の端部から侵入してくる水分や粉塵等を捕捉すること
ができ、これら水分や粉塵等が、調心機構に侵入するこ
とを防止できる。調心溝は、調心機構の両側に形成され
る。凹所は、調心機構の両側の調心溝の両方または片方
に形成される。
【0008】各請求項記載の発明の調心機構は、光ファ
イバを精密位置決めするものであり、例えば、V溝やU
溝等の調心溝、マイクロキャピラリ、光ファイバを3以
上の精密ボールや精密ロッドに担持する機構等、各種構
成が採用可能である。なお、請求項1、2、3記載の発
明は、任意の2または3全てを組み合わせて、同一の光
ファイバ接続器に適用することも可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の1実施形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の光
ファイバ接続器1を示す全体斜視図、図2は光ファイバ
接続器1の分解斜視図、図3はこの光ファイバ接続器1
における光ファイバ54同士の接続状態を示す正断面図
である。図中符号50はコ字状のクランプバネ64内に
クランプ保持される素子、51はベース、52は蓋体で
ある。図1に示すように、素子50は断面長方形の二つ
割りロッド状であって、共に細長形状に形成されたベー
ス51および蓋体52からなっている。
【0010】図2に示すように、ベース51の蓋体52
が重ね合わせられる当接面53には、4心、8心等の多
心の光ファイバテープ心線である光ファイバ54同士を
突き合わせ接続可能に位置決め調心するV溝やU溝等か
らなる調心溝55が、素子50の長手方向に沿って延在
形成されている。この調心溝55は、具体的には、光フ
ァイバテープ心線である光ファイバ54の端末に露出さ
せた複数本の裸ファイバ54aを突き合わせ接続可能に
位置決め調心するものであり、複数本(図2では4本)
並列状態に形成されている。各調心溝55の長手方向両
端部には、素子50の両端から挿入された光ファイバ5
4先端の裸ファイバ54aをそれぞれ受け入れる光ファ
イバガイド溝56が形成されている。調心接続部55a
は、径数十μm程度の裸ファイバ54aを精密に位置決
め調心する調心機構である。光ファイバガイド溝56
は、調心接続部55aよりも調心精度が低いため、裸フ
ァイバ54aを挿入することが容易であり、ここから裸
ファイバ54aを挿入することで円滑に調心接続部55
aに到達させることができる。光ファイバガイド溝56
から調心接続部55aに至る調心溝55は、素子50の
長手方向両端から挿入された光ファイバ(裸ファイバ5
4a)を、調心接続部55aに導く。
【0011】光ファイバガイド溝56の調心接続部55
a側の端部の両側部には、樹脂製のベース51に一括成
形された一対のガイド壁57が突設されている。これら
ガイド壁57は、調心接続部55a側に行くにしたがっ
て互いの離間距離が次第に縮小するテーパ状になってい
る(テーパは微小であり、図示していない)。また、こ
れらガイド壁57は、ベース51に蓋体52を重ね合わ
せた時に、蓋体52側の当接面58(図3参照)に形成
されたガイド壁収納凹部58aに収納されて、ベース5
1に対して蓋体52を位置決めする機能を果たすように
なっている。ガイド壁57近傍の調心溝55は、調心接
続部55a方向へ行く程、次第に調心精度が高まるテー
パ状になっている。調心接続部55aの両側の調心溝5
5、すなわち、調心接続部55aと光ファイバガイド溝
56との間の中間に位置する調心溝55には、該調心溝
55を分断するように窪んだ形状の凹所55bが形成さ
れている。また、光ファイバガイド溝56のベース51
の長手方向両端部に開口する導入端部62は、ベース5
1の外側に行くにしたがって当接面53からの深度が増
大するように傾斜されており、素子50の一体化時にお
いても光ファイバ54を容易に挿入できるようになって
いる。
【0012】素子50の幅方向(図2中矢印C方向)一
側部では、ベース51および蓋体52の一方から突設さ
れた係合凹部59と、他方から突設された係合凸部60
が係合されている。また、素子50の幅方向他側部に
は、開放部材63が挿入される開放部材挿入溝61が形
成されている。この開放部材挿入溝61は、ベース51
と蓋体52との分離境界に位置し、開放部材63の挿入
先端部63aが挿入されると、ベース51と蓋体52と
の間が開放されるようになっている。この時、ベース5
1および蓋体52は、互いに係合された係合凹部59と
係合凸部60とをヒンジのように機能させて、相対回転
するようにして開放される。
【0013】調心接続部55aの近傍には、ベース51
の当接面53から突設された突壁68が、調心溝55に
沿うようにして延在されている。図4に示すように、蓋
体52(具体的には中央蓋52b)には、前記突壁68
を収納する突壁収納凹所69が形成されている。突壁6
8は、素子50の幅方向他側部から水分や粉塵等が調心
接続部55aに侵入することを防止する。因みに、前記
係合凹部59および係合凸部60も、素子50の幅方向
一側部から水分や粉塵等が調心接続部55aに侵入する
ことを防止する機能を果たすため、調心接続部55a
は、突壁68、係合凹部59、係合凸部60によって、
両側からの水分や粉塵等の侵入が防止されている。この
突壁68は、本実施形態では、調心接続部55aから、
素子50の幅方向他側部のみに形成されているが、素子
50の幅方向両側に対向させて形成することも可能であ
る。
【0014】図1および図2に示すように、ベース51
および蓋体52は、コ字状のクランプバネ64の両側の
フランジ部65の間に挟み込まれることで、一体化状態
が維持される。なお、蓋体52は、クランプバネ64の
両側のフランジ部65に形成されたスリット66に対応
する二つの端部蓋52aおよび一つの中央蓋52bから
なる3分割体であって、素子50においては、スリット
66よって分割されたクランプバネ64の各部分のクラ
ンプ力が、二つの端部蓋52a、中央蓋52bに個別に
作用するようになっている。
【0015】図2に示すように、調心接続部55aおよ
びその周囲には、塗布、注入等により屈折率整合剤67
を設けている。この屈折率整合剤67は、光ファイバガ
イド溝56近傍、係合凹部59および係合突部60、調
心接続部55a近傍に位置する開放部材挿入溝61、突
壁68に到達されている。光ファイバガイド溝56近傍
に到達された屈折率整合剤67の一部は、調心接続部5
5aの両側の調心溝55に形成された凹所55bに貯留
される。光ファイバガイド溝56を伝って素子50中央
部に侵入しようとする水分や粉塵等は、凹所55bに貯
留された屈折率整合剤67に捕捉され、調心接続部55
aに侵入することが防止される。なお、素子50内に設
けられた屈折率整合剤67は粘性を有するため、素子5
0を開閉した際に変形することがあるが、凹所55b内
に貯留された屈折率整合剤67は、素子50の開閉の影
響を受けないため、常に、水分や粉塵等を確実に捕捉で
きる。
【0016】図4に示すように、突壁68に到達された
屈折率整合剤67は、突壁68と突壁収納凹所69との
間に回り込んでおり、突壁68と突壁収納凹所69との
間を封止することが好ましい。これにより、突壁68と
突壁収納凹所69との間から素子50内に侵入しようと
する水分や粉塵等は、ここを封止する屈折率整合剤67
により捕捉され、屈折率整合剤67を到達させない場合
に比べて、水分や粉塵等が調心接続部55aに侵入する
ことをより確実に防止できる。
【0017】係合凹部59と係合凸部60との間も、こ
こに到達された屈折率整合剤67により封止することが
好ましく、これにより、素子50内への水分や粉塵等の
侵入をより確実に防止できるようになっている。また、
係合凹部59、係合凸部60に到達された屈折率整合剤
67は、素子50を開閉した際に、係合凹部59および
係合凸部60間に生じる樹脂カスを捕捉して、調心溝5
5に侵入することを防止する機能をも果たす。
【0018】図2に示すように、調心接続部55a近傍
の開放部材挿入溝61に到達された屈折率整合剤67
は、開放部材挿入溝61からの水分や粉塵等を捕捉し
て、素子50内部に侵入することを防止する。しかも、
この屈折率整合剤67は、開放部材挿入溝61に開放部
材63を挿抜した時に発生する樹脂カスを捕捉して、素
子50内部に侵入させない役割をも果たす。
【0019】また、屈折率整合剤67は、その端部で
は、水分や粉塵等の他に、気泡を巻き込むことがある
が、本実施形態のように、調心接続部55aから離間し
た部分も含む広範囲に亘って設けられていれば、巻き込
んだ水分や粉塵、気泡等は調心接続部55aから離れた
屈折率整合剤67内に留まり、調心接続部55aに侵入
することが防止され、調心接続部55aにて接続した光
ファイバ(裸ファイバ54a)間の接続損失等に悪影響
を与える懸念は無く、目的の接続損失が確実に得られ
る。
【0020】この光ファイバ接続器1を用いて光ファイ
バ54同士を突き合わせ接続するには、まず、開放部材
63を開放部材挿入溝61に挿入して素子50の開放状
態を維持し、次いで、予め光ファイバ54先端に露出さ
せた裸ファイバ54aを、素子50の両端の導入端部6
2から光ファイバガイド溝56に添わせるようにしてそ
れぞれ挿入し、調心接続部55aに至らしめ、両側から
挿入された裸ファイバ54a同士を突き合わせ接続す
る。図3に示すように、光ファイバ54の被覆部54b
は、裸ファイバ54aが所定長さ調心接続部55aに挿
入されると光ファイバガイド溝56上に乗り上げる。ま
た、光ファイバ54先端の裸ファイバ54aと、被覆部
54bとの間に、各裸ファイバ54aを個別に被覆する
一次被覆部が存在する場合には、この一次被覆部を、光
ファイバガイド溝56内に収納する。
【0021】両光ファイバ54同士の接続が完了した
ら、両光ファイバ54を押圧して突き合わせ力を確保し
つつ、開放部材挿入溝61から開放部材63を引き抜
く。これにより、クランプバネ64のクランプ力によっ
て、光ファイバ54、54の被覆部54bが、ベース5
1と端部蓋52aとの間にクランプされ、裸ファイバ5
4aが中央蓋52bとベース51との間にクランプさ
れ、裸ファイバ54a同士の突き合わせ接続状態が維持
される。また、再度、開放部材挿入溝61に開放部材6
3を押し込んで、ベース51と蓋体52との間を開放す
れば、素子50から光ファイバ54を引き抜くことがで
き、その後、別の光ファイバ54を素子50内に挿入す
れば、前述と同様の手順により、接続切替を容易に行う
ことができる。
【0022】光ファイバ54同士の接続時、接続解除時
は、いずれも、調心溝55内の屈折率整合剤67の変形
を招くが、いずれの場合も、凹所55bに貯留されてい
る屈折率整合剤67により、調心溝55の途中が封止さ
れた状態が維持され、水分、粉塵、気泡が、調心接続部
55aに侵入することを防止できる。また、素子50を
開閉しても、素子50を閉じたときには、光ファイバガ
イド溝56近傍、係合凹部59および係合突部60、調
心接続部55a近傍に位置する開放部材挿入溝61、突
壁68に到達されている屈折率整合剤67によって、調
心接続部55aへの水分、粉塵、気泡等の侵入が防止さ
れるため、調心接続部55aにて突き合わせ接続した裸
ファイバ54a間に目的の接続損失が確実に得られる。
【0023】しかも、このように、素子50の互いに当
接される当接面53、58間の広範囲に亘って設けられ
た屈折率整合剤67は、素子50の開閉動作を円滑にす
る役割を果たすとともに、例えば、ベース51、端部蓋
52a、中央蓋52b間で、素材の違い等から温度変化
に対する線膨張係数が異なる場合には、これら素子50
の構成部材間の相対変位を円滑にして、無用な歪みが発
生することを防止し、調心溝55による光ファイバ54
(裸ファイバ54a)の調心精度を維持する。すなわ
ち、光ファイバ54を挟み込んだ素子50では、ベース
51と端部蓋52a、中央蓋52bとの間に若干の隙間
が形成されることが普通であり、素材の違い等から、こ
れらベース51、端部蓋52a、中央蓋52b間に線膨
張係数の違いが存在すると、素子50に生じた歪みが、
素子50に挟み込んだ光ファイバ54の剪断力として作
用して、裸ファイバ54aを傷めたり、裸ファイバ54
aに加わった応力によって接続損失が変動する等の悪影
響が懸念されるが、この光ファイバ接続器1では、屈折
率整合剤67が潤滑剤の役割を果たすため、ベース5
1、端部蓋52a、中央蓋52b間が円滑に相対変位
し、素子50に歪みを生じることは無く、光ファイバ5
4に剪断力が作用することが防止され、裸ファイバ54
a間の接続損失を安定に維持できる。また、プラスチッ
ク等からなる素子50と、ガラス製の裸ファイバ54a
との間にも線膨張係数の違いが存在するが、屈折率整合
剤67が、素子50と裸ファイバ54aとの間の潤滑剤
として作用することで、裸ファイバ54aに剪断力が発
生することを防止でき、裸ファイバ54aの光特性や、
突き合わせ接続した裸ファイバ54a間の接続損失を安
定に維持することができる。
【0024】なお、本発明の光ファイバ接続器は、前記
実施形態に何ら限定されるものではなく、例えば、C形
バネによって素子が一体化状態にクランプ保持される構
成等、各種構成が採用可能である。また、前記実施形態
では、ベース51のみに調心溝55が形成された光ファ
イバ接続器1を例示したが、これに限定されず、蓋体側
のみ、あるいはベース側と蓋体側の双方に調心溝が形成
されている構成も採用可能である。また、前記実施形態
では、多心光ファイバに対応する光ファイバ接続器1を
例示したが、本発明はこれに限定されず、単心の光ファ
イバ同士の突き合わせ接続に対応する光ファイバ接続器
にも適用可能である。また、多心の光ファイバ接続器で
も、対象とする光ファイバの心数は、前記実施形態記載
の4本に限定されず、4本以外のものを採用することも
可能である調心機構としては、V溝やU溝等の調心溝に
限定されず、例えば、マイクロキャピラリ、光ファイバ
を3以上の精密ボールや精密ロッドに担持する機構等、
各種構成が採用可能である。
【0025】
【発明の効果】請求項1記載の光ファイバ接続器によれ
ば、調心機構を含む広範囲に亘って、素子内に設けた屈
折率整合剤によって、水分、粉塵、気泡等が調心機構か
ら離間した屈折率整合剤内に留められ、調心機構の屈折
率整合剤に侵入することを防止できるため、調心機構で
突き合わせ接続した光ファイバ間に目的の接続損失が確
実に得られ、しかも、前記接続損失を長期に亘って安定
に維持できる。素子の開閉に伴って発生する樹脂カス等
の混入物も、前記屈折率整合剤に捕捉されることで、発
生場所近傍に留められ、調心機構への侵入を防止でき
る。さらに、前記屈折率整合剤が、素子内の潤滑剤とし
て機能するため、素子の構成部材間や、素子と光ファイ
バとの間に線膨張係数の違いが存在しても、光ファイバ
に剪断力等の悪影響が作用することを防止でき、光ファ
イバの光特性や光ファイバ間の接続損失を長期に亘って
安定に維持できるといった優れた効果を奏する。
【0026】請求項2記載の光ファイバ接続器によれ
ば、前記調心機構に沿って突設され、その側部に延在す
る突壁によって、水分や粉塵等が調心機構やそこに設け
られた屈折率整合剤に侵入することが防止される。ま
た、突壁およびその近傍に到達された屈折率整合剤によ
り、突壁付近が封止状態となり、突壁近傍から素子内部
への水分や粉塵等の侵入をより確実に防止できる。突壁
近傍の屈折率整合剤が巻き込む気泡も、突壁近傍に留め
られる。これにより、調心機構で突き合わせ接続した光
ファイバ間に目的の接続損失が確実に得られ、しかも、
前記接続損失を安定に維持できるといった優れた効果を
奏する。
【0027】請求項3記載の発明では、調心機構の両側
あるいは片側の調心溝を分断するようにして窪んだ形状
に形成された凹所に貯留された屈折率整合剤により、調
心溝の端部から侵入してくる水分や粉塵等を捕捉するこ
とができ、これら水分や粉塵等が、調心機構に侵入する
ことを防止できる。凹所にて屈折率整合剤が巻き込む気
泡も、凹所近傍に留められる。これにより調心機構で突
き合わせ接続した光ファイバ間に目的の接続損失が確実
に得られ、しかも、前記接続損失を安定に維持できると
いった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバ接続器の一実施形態を示
す全体斜視図である。
【図2】 図1の光ファイバ接続器を示す分解斜視図で
ある。
【図3】 図1の光ファイバ接続器の正断面図である。
【図4】 図1の光ファイバ接続器の突壁近傍を示す断
面図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ接続器、50…素子、53、58…当接
面、54…光ファイバ(多心光ファイバテープ心線)、
54a…光ファイバ(裸ファイバ)、55…調心溝、5
5a…調心機構(調心接続部)、55b…凹所、61…
開放部材挿入溝、63…開放部材、64…クランプバネ
(コ字状バネ)、67…屈折率整合剤、68…突壁。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いの長手方向を揃えて配置されかつ外
    側に装着されたクランプバネ(64)により互いの接近
    方向に付勢されている二つ割り構造の素子(50)を有
    し、この素子の長手方向両側から挿入された光ファイバ
    (54)を該素子の間に挟持し、当該素子の長手方向中
    央部の調心機構(55a)によって位置決め調心した光
    ファイバ(54a)同士を突き合わせ接続する光ファイ
    バ接続器(1)であって、 前記調心機構およびその周囲に設けられた屈折率整合剤
    (67)が、素子の二つ割りに分離される分離境界に開
    口形成され、前記クランプバネのクランプ力に抗して素
    子間を押し広げて開放するための楔状の開放部材(6
    3)が挿入される開放部材挿入溝(61)や、前記素子
    の長手方向両端から挿入された光ファイバを前記調心機
    構に導く調心溝(55)に到達されていることを特徴と
    する光ファイバ接続器(1)。
  2. 【請求項2】 互いの長手方向を揃えて配置されかつ外
    側に装着されたクランプバネ(64)により互いの接近
    方向に付勢されている二つ割り構造の素子(50)を有
    し、この素子の長手方向両側から挿入された光ファイバ
    (54)を該素子の間に挟持し、当該素子の長手方向中
    央部の調心機構(55a)によって位置決め調心した光
    ファイバ(54a)同士を突き合わせ接続する光ファイ
    バ接続器(1)であって、 前記調心機構に沿ってその側部に延在する突壁(68)
    が、前記素子の互いに当接される一方または両方の当接
    面(53、58)から突設され、前記調心機構およびそ
    の近傍に設けられた屈折率整合剤(67)が、前記突壁
    およびその近傍にも到達されていることを特徴とする光
    ファイバ接続器(1)。
  3. 【請求項3】 互いの長手方向を揃えて配置されかつ外
    側に装着されたクランプバネ(64)により互いの接近
    方向に付勢されている二つ割り構造の素子(50)を有
    し、この素子の長手方向両側から挿入された光ファイバ
    (54)を該素子の間に挟持し、当該素子の長手方向中
    央部の調心機構(55a)によって位置決め調心した光
    ファイバ(54a)同士を突き合わせ接続する光ファイ
    バ接続器(1)であって、 前記素子の長手方向両端から挿入された光ファイバを前
    記調心機構に導く調心溝(55)の途中に、該調心溝を
    分断するようにして窪んだ形状の凹所(55b)が形成
    され、 前記調心機構およびその近傍に設けられた屈折率整合剤
    の一部が、前記凹所に貯留されるようになっていること
    を特徴とする光ファイバ接続器(1)。
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JP2006227493A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Furukawa Electric Co Ltd:The 光ファイバ保持具
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