JP3485465B2 - 光コネクタ - Google Patents

光コネクタ

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JP3485465B2
JP3485465B2 JP09265698A JP9265698A JP3485465B2 JP 3485465 B2 JP3485465 B2 JP 3485465B2 JP 09265698 A JP09265698 A JP 09265698A JP 9265698 A JP9265698 A JP 9265698A JP 3485465 B2 JP3485465 B2 JP 3485465B2
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和宏 瀧澤
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Fujikura Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,現場組立が可能
な光コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば光ファイバテープ心線の一括接続
が可能な光コネクタとして,いわゆるMT光コネクタが
知られている。このMT光コネクタは,JISC598
1のF12型光ファイバコネクタのようなピン嵌合位置
合わせ方式の光コネクタであり,プラスチック製で概ね
角形のフェルールの光ファイバ穴に光ファイバを挿通固
定した後,その接合端面を例えばPC(Physical Conta
ct)研磨したものである。また,前記MT光コネクタの
ような構造の光コネクタを,プッシュオン・プルオフ操
作による着脱が可能なハウシング内に収容して,光ファ
イバテープ心線をワンタッチで接続可能にしたいわゆる
MPO光コネクタも知られている。
【0003】また,接続現場で光ファイバの先端に取り
付け可能な現場付け光コネクタとして,前述のMT光コ
ネクタにおいて,その光ファイバ穴の途中まで短尺の光
ファイバを内蔵させ,この内蔵光ファイバと光ファイバ
穴に反対側から挿入した,当該光コネクタを取り付ける
べき他の光ファイバ(挿入光ファイバと呼ぶ)とを光フ
ァイバ穴内で接着剤で接続する構造の光コネクタも知ら
れている。
【0004】前記の光ファイバ内蔵方式の現場付け光コ
ネクタでは,内蔵光ファイバと挿入光ファイバとをMT
光コネクタ内で接着剤で接続するので,接続をやり直す
必要が生じた場合には,光ファイバを切断しなければな
らず,光ファイバが短くなって不都合が生じる場合が多
い。このようなことから,現場での接着剤使用を必要と
せず一層現場付けに適した光コネクタとして,光ファイ
バ内蔵のMT光コネクタ相当部分と,前記内蔵光ファイ
バと挿入光ファイバとを接続する接続部とを別体とし,
MT光コネクタ相当部分と接続部とを組立一体化する構
造の光コネクタが本出願人のもとで提案され特許出願さ
れている(特願平9−159036号参照)。
【0005】 従来例としての前記特願平9−1590
36号の光コネクタ(但し公知ではない)の詳細を図4
〜図9を参照して説明する。なお,図4〜図7は本発明
および従来例に共通する図であり,図8,図9は従来の
光コネクタ6を示すものである。この光コネクタ6は,
接合端面4に露出する光ファイバ(内蔵光ファイバ1)
を固定状態で内蔵した概ね角筒状のフェルール部(前述
のMT光コネクタ相当部分である)5と,前記フェルー
ル部に内蔵の内蔵光ファイバ1の前記接合端面4側と反
対側に突出した部分およびこの内蔵光ファイバ1に突き
合わせ接続される他の光ファイバ(挿入光ファイバ)2
を接続状態で把持して前記フェルール部5に結合される
メカニカルスプライス部(前述の接続部である)3とか
らなる。そして,このメカニカルスプライス部3は,図
8,図9に詳細を示すように,互いに重ね合わされるベ
ース7と前後の蓋体8a,8bとを備えるとともに,そ
の重ね合わせ面に,前記内蔵光ファイバ1および他の光
ファイバ(挿入光ファイバ)2を直線状に突き合わせ可
能に位置決め調心する調心溝(調心機構)10を有する
素子11と,この素子11のベース7と蓋体8a,8b
とを一体にクランプするクランプ手段である断面コ字形
状のバネ12とからなっている。前記内蔵光ファイバ1
は,フェルール部5に光ファイバ心線数(図示例では2
心)に合わせて平面状配列であけた光ファイバ穴13内
に挿通し,接着剤挿入穴14から充填した接着剤で固定
して,フェルール部5に内蔵する。また,5aはガイド
ピンを嵌合させるガイドピン穴である。なお,20は光
ファイバテープ心線であり,図示例では並列の2本の光
ファイバ2を持つ。
【0006】また,前記素子11の先端側には延出部1
5(ベース7の先端部および蓋体8aの先端部の両者)
が形成され,フェルール部5には前記延出部15を嵌合
させる切込部16が形成されており,素子11の延出部
15がフェルール部5の切込部16に嵌合することで,
両者が正しく位置決め結合される。その結果,フェルー
ル部5の光ファイバ穴13と,ベース7の調心溝10と
の位置が正確に調心される。なお,ベース7側の先端部
(延出部15のベース7側部分)は,予め工場でフェル
ール部5の切込部16に接着剤で固着しておく。また,
重ね合わされたベース7と蓋体8a,8bとを挟み込む
ようにしてクランプする断面コ字字形のバネ12は,中
間部にスリット12aを有しており,これにより,前後
の蓋体8a,8bのそれぞれを,バネ12でクランプさ
れた状態でも個別に若干開くことができるようにしてい
る。なお,蓋体8a,8bを二つに分離して個別に開く
ことができるようにしているのは,内蔵光ファイバ1と
挿入光ファイバ2とを接続する作業の作業性を良好にす
るためである。18は開閉部材であり,この開閉部材1
8をベース7と蓋体8a,8bとの間に形成した開口部
19に押し込むことにより,楔効果で蓋体8a,8bを
バネ12の反力に抗して若干開くことができる。
【0007】上記の光コネクタ6は,内蔵光ファイバ1
と光ファイバテープ心線20の光ファイバ(挿入光ファ
イバ2)を接続した後,これを図5〜図7に示すよう
に,MPO光コネクタ26のハウシング内部に収納固定
する。このMPO光コネクタ26の構造は後述する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように,別体で
あるフェルール部5とメカニカルスプライス部3のベー
ス7とを予め接着剤で一体化しておき,現場にて挿入光
ファイバ2をメカニカルスプライス部3に挿入して組み
立てることのできる光コネクタ6は,光ファイバを切断
することなく何度も着脱できるので,現場付け光コネク
タとしてきわめて優れている。
【0009】しかし,上記の光コネクタ6において,予
め工場で,メカニカルスプライス部3のベース7の先端
部(延出部15のベース7側部分)をフェルール部5の
切込部16に挿入嵌合し接着固定する際に,寸法精度に
より多少のガタが生じている場合がある。そうすると,
フェルール5の光ファイバ穴13とベース7の調心溝1
0との間に位置ずれが発生するが,このような位置ずれ
が生じると,フェルール5の光ファイバ穴13とベース
7先端の間(境界部分)で内蔵光ファイバ1が過度に曲
げられ,この過度の曲げによる応力で光損失が発生し,
光学的特性が劣化するという問題があった。
【0010】そこで,前述のような内蔵光ファイバ1の
局所的な過度の曲げを発生させないためには,フェルー
ル5の光ファイバ穴13とベース7先端との間に,内蔵
光ファイバ1を拘束しない空間部を形成することが考え
られる。このような空間部を形成すると,フェルール5
の光ファイバ穴13とベース7の調心溝10との間(境
界部分)の間隔が長くなり,その結果,撓みがなくなる
か,非常に緩やかになる。すなわち,フェルール5の光
ファイバ穴13とベース7の調心溝10との間における
内蔵光ファイバ1の曲げ半径が十分大きくなるので,内
蔵光ファイバ1に発生する曲げ応力は小さくなり,前述
の応力による光損失が抑制される。
【0011】しかし,単に上述のように内蔵光ファイバ
1を拘束しない空間部を形成した場合,この空間部にお
いて,組み立て時に図8で右方から挿入される挿入光フ
ァイバ2の圧力により,内蔵光ファイバ1が押し込まれ
て撓んでしまい,光学的特性が劣化するという問題が生
じることから,本出願人のもとで,この空間部に,例え
ばゼリー状の屈折率整合剤等のような材料を充填して,
内蔵光ファイバ1の撓みを抑制し,応力による光損失を
防ぐ方法を発明し,特許出願した。
【0012】前記の空間部に充填される充填材料は,現
場付け作業の際に,光ファイバの撓みを抑制できる抵抗
を生じるだけの粘稠性,粘性,あるいは弾性を持つこと
が必要である。一方,空間部に充填された充填材料が有
効に機能するためには,充填材料が空間部に隈なく満た
されて,光ファイバの周囲をむら無く覆う充填状態とな
ることが好ましが,充填材料が前記のような特性を有す
るものである場合,空間部の光ファイバを真っすぐ保っ
た状態のまま,光ファイバの周囲に充填ないし塗り込む
作業は,きわめて困難であり,かなりの熟練を必要とす
る。すなわち,メカニカルスプライス部の蓋体を被せて
いない状態では,フェルールの穴から延長する光ファイ
バは,空間部において,自身の剛性により支えられてい
るだけで,いわゆるピッグテイルと呼ばれる不安定な状
態であるから,上記の特性を有する充填材料を,光ファ
イバの直線性に影響を与えることなく,光ファイバの周
辺の空間部に塗り込んでいく作業は,困難をきわめる。
塗り込み作業時に,光ファイバの直線性を損ねると,光
ファイバに応力が残ってしまう。
【0013】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で,光ファイバを内蔵して先端側に接合端面を形成する
フェルール部と,内蔵光ファイバと挿入光ファイバとの
接続を行うメカニカルスプライス部とを組立一体化する
構造の光コネクタにおいて,フェルール部側の光ファイ
バ穴とメカニカルスプライス部側の調心機構との間で,
内蔵光ファイバに曲げないし撓みが生じて光学的特性が
劣化する,という問題の生じない光コネクタを得ること
を目的とし,さらに,そのような問題を防止する手段と
して,内蔵光ファイバを拘束しない空間部を形成しかつ
その空間部に撓み抑制材料を充填する対策を取った時
に,撓み抑制材料を充填する際に内蔵光ファイバが撓む
ことを防止できる光コネクタを得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の光コネクタは,接合端面に露出する光ファイバを固
定状態で内蔵したフェルール部と,前記フェルール部に
内蔵の内蔵光ファイバの前記接合端面側と反対側に突出
した部分およびこの内蔵光ファイバに突き合わせ接続さ
れる他の光ファイバを接続状態で把持して前記フェルー
ル部に結合されるメカニカルスプライス部とからなり,
前記メカニカルスプライス部は,互いに重ね合わされる
ベースと蓋体とを備えるとともにその重ね合わせ面に前
記内蔵光ファイバおよび他の光ファイバを直線状に突き
合わせ可能に位置決め調心する調心機構を有する素子
と,この素子のベースと蓋体とを一体にクランプするク
ランプ手段とからなり,前記素子のフェルール部との結
合部分におけるベースと蓋体との対向面間に,内蔵光フ
ァイバを拘束しない空間部を形成するとともに,この空
間部に,当該空間部への充填当初は流動性の高い性状
で,その後,前記内蔵光ファイバの撓みを抑制できる程
度に流動性の低い状態に変化する撓み抑制材料を充填し
たことを特徴とする。
【0015】 請求項2は,請求項1の光コネクタにお
いて,メカニカルスプライス部の素子の蓋体の先端部
に,前記空間部に連通する撓み抑制材料注入用の開口を
形成したことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態を図1
〜図7を参照して説明する。図1は本発明の一実施例の
光コネクタ6Aの断面図である。前述した通り,図4〜
図7は本発明および従来例に共通の図であり,図4は図
1の光コネクタ6A(または図8の光コネクタ6)の外
観を示す斜視図,図5は図4の光コネクタを用いて構成
したMPO光コネクタを示すもので,(イ)は平面図,
(ロ)は側面図,図6は図4(ロ)におけるA−A拡大
断面図,図7は図4(イ)におけるB−B拡大断面図で
ある。
【0017】 この光コネクタ6Aは,接合端面4に露
出する光ファイバ(内蔵光ファイバ1)を固定状態で内
蔵したフェルール部5と,前記フェルール部に内蔵の
蔵光ファイバ1の前記接合端面4側と反対側に突出した
部分およびこの内蔵光ファイバ1に突き合わせ接続され
る他の光ファイバ(挿入光ファイバ)2を接続状態で把
持して前記フェルール部5に結合されるメカニカルスプ
ライス部3とからなる。そして,このメカニカルスプラ
イス部3は,互いに重ね合わされるベース7と前後の蓋
体8a,8bとを備えた素子11と,この素子11のベ
ース7と蓋体8a,8bとを一体にクランプするクラン
プ手段である断面コ字形状のバネ12とからなってい
る。前記素子11は、ベース7と前後の蓋体8a,8b
との重ね合わせ面に,前記内蔵光ファイバ1および他の
光ファイバ(挿入光ファイバ)2を直線状に突き合わせ
可能に位置決め調心する調心溝(調心機構)10を有し
ている。
【0018】本発明では,素子11のフェルール部5と
の結合部分(すなわち延出部15)におけるベース7と
蓋体8aとの対向面間に,内蔵光ファイバ1を拘束しな
い空間部21を形成している。ここで,光ファイバを拘
束しないとは,その空間部において光ファイバに接触す
る物がない状態であることをいう。この空間部21の大
きさは特に限定されないが,例えばこの実施例のよう
に,ベース7の先端部からフェルール5の鍔部5bの付
近まで形成するとよい。上記のようにフェルール5の光
ファイバ穴13とベース7側の調心溝10との間が適宜
長さで空間部21となっているので,内蔵光ファイバ1
がこの部分で局所的な過度の曲がりが生じることは防止
され,応力による光損失の発生を防止できる。
【0019】 さらに,本発明では前記空間部21に内
蔵光ファイバ1の撓みを抑制するための撓み抑制材料2
2を充填するが,本発明で用いる撓み抑制材料は,当該
空間部への充填当初は流動性の高い性状で,その後,前
記内蔵光ファイバの撓みを抑制できる程度に流動性の低
い状態に変化する特性を持つものである。すなわち,こ
の撓み抑制材料を空間部に充填した当初は,液状あるい
は比較的粘度の低いグリース状等であって,内蔵光ファ
イバに触れても内蔵光ファイバを曲げるような抵抗とな
らず,その後硬化して,内蔵光ファイバが空間部におい
て撓もうとする時には一定の抵抗となって,内蔵光ファ
イバの撓みを抑制できる材料である。
【0020】この撓み抑制材料22としては,例えばシ
リコーン系樹脂,具体的にはシリコーンRTVゴム(信
越化学株式会社の商標)等を用いることができる。一般
に,この種のシリコーン系ゴムには種々のブレードのも
のがあるが,その中で,チューブやカートリッジ中では
粘度の低いグリース状を示し,それらの容器から空気中
に押し出されると,空気中の湿気と反応して硬化しゴム
状弾性体となるもの(いわゆる液状ゴム),あるいは,
主液と硬化剤とを混合することにより硬化が開始しゴム
状弾性体となるもの等があり,さらに,硬化した時にゴ
ム状弾性体になるかゲル状になるかを選択できるもの等
があるが,これらの材料を使用することができる。な
お,撓み抑制材料は,シリコーン系樹脂に限定されるも
のではなく,上述の特性を有するものであれば使用でき
る。この光コネクタ6Aの基本構造は,空間部21およ
び前記撓み抑制材料22を除き図8の光コネクタ6と同
じであり,その他の部分は,同じ符合を付して再度の詳
細説明は省略する。なお,上記の実施例では,フェルー
ル5とメカニカルスプライス部3のベース7とが別体で
あるが,フェルール5とベース7とを一体成形したもの
でもよい。この場合は,一体成形されたフェルール5部
とベース7部とからなる1つの部品におけるベース7部
分と蓋体8a,8bとがメカニカルスプライス部を構成
することになる。
【0021】上記の光コネクタ6Aの組立について説明
する。工場では,まず,ベース7の先端部(延出部15
のベース7側部分)をフェルール5の切込部16に接着
固定する。なお,前記のようにフェルール5とベース7
とを一体成形したものであれば,そのまま用いる。次い
で,フェルール5の光ファイバ穴13に内蔵光ファイバ
1の一端を挿入し接着剤で固定する。この状態で,内蔵
光ファイバ1は,いわゆるピッグテイルと呼ばれる不安
定な状態であるが,このピッグテイルが空間部において
ベース7などの部分に触れることなく,自身の剛性によ
り,真っすぐな状態となっている。この状態で,液状あ
るいは粘度の低いグリース状等の撓み抑制材料を,空間
部21に盛り上がるように満たす。後述の通り,その充
填の際に撓み抑制材料で内蔵光ファイバ1が撓むことは
ない。その充填した撓み抑制材料がある程度硬化して,
漏れ出たり溢れ出たりすることがないようになったら,
メカニカルスプライス部3の蓋体8a,8bをし,次い
で,メカニカルスプライス部3の全体にバネ12を装着
する。その後,充填された撓み抑制材料は,空間部21
において,内蔵光ファイバ1の撓みを抑制できる程度の
ゴム状弾性体あるいはゲル等に硬化する。以上の段階の
組立を工場で予め行っておく。
【0022】上記の撓み抑制材料の充填の際,撓み抑制
材料が光ファイバの撓みを抑制できる抵抗を生じるだけ
の粘稠性,粘性,あるいは弾性を持つものであると,こ
の撓み抑制材料によって内蔵光ファイバ1が撓んでしま
う恐れがあるが,上記の通り,本発明における撓み抑制
材料は,当初は液状ないし粘度の低いグリース状等であ
るから,空間部21に充填する際に内蔵光ファイバ1を
撓ませることなく,空間部21に隈なく満たされて,内
蔵光ファイバ1の周囲をむら無く覆う充填状態となる。
したがって,内蔵光ファイバ1の直線性を損ねて内蔵光
ファイバ1に応力歪みが残ってしまう問題は生じない。
また,内蔵光ファイバ1を撓ませないために,特別な熟
練は不要である。
【0023】現場では,上記の光コネクタ6Aをさらに
次にように組み立てる。図4に示した開放部材18を素
子11の側面の開口部19に差し込んで,ベース7と蓋
体8a,8bとの間を若干開き,光ファイバテープ心線
20の図示例では2本の光ファイバ(挿入光ファイバ)
2を素子11の後端の凹部24からそれぞれの調心溝1
0に押し込むと,挿入光ファイバ2の先端が内蔵光ファ
イバ1の先端に突き合わされ,かつ光ファイバテープ心
線20のテープ部がテープ部収納溝25に収納される。
この場合,挿入光ファイバ2と内蔵光ファイバ1との突
き合わせ部に屈折率整合剤を介在させる。こうして内蔵
光ファイバ1と挿入光ファイバ2との突き合わせ接続を
行った後,開放部材18を引き抜き,バネ12の弾性挟
持力でベース7と蓋体8a,8bとをクランプして,内
蔵光ファイバ1および挿入光ファイバ2をしっかりと把
持し,内蔵光ファイバ1と挿入光ファイバ2との接続状
態を維持する。
【0024】上記の作業において,挿入光ファイバ2を
調心溝10内に押し込む時,内蔵光ファイバ1がその押
し込みの圧力を受け,内蔵光ファイバ1が撓む恐れがあ
る。しかし,空間部21に撓み抑制材料22が充填され
ているので,内蔵光ファイバ1が挿入光ファイバ2から
圧力を受けても,撓み抑制材料22が内蔵光ファイバ1
に撓みが生じないように,あるいは,撓みが生じても実
用的には差し支えない程度の撓みに止まるように,内蔵
光ファイバ1を拘束する。したがって,組立時に挿入さ
れる挿入光ファイバ2の圧力で内蔵光ファイバ1が撓み
光学的特性が劣化するという問題は生じない。
【0025】上記実施例では,メカニカルスプライス部
3の構造自体は,空間部21を設けた点を除き従来と同
様にしたが,フェルール5側の蓋体8aの形状を加工し
て,蓋体8aを被せた時に空間部21が完全に閉塞され
るのでなく,空間部21に連通する撓み抑制材料注入用
の開口部が形成されるようにしてもよい。図2はその一
例を示すもので,フェルール5側の蓋体8aの先端部
(延出部15の蓋体8a側部分:フェルール5の切込部
16に嵌合する部分)の一部に穴による開口40を形成
している。この実施例では,フェルール5とベース7と
を一体結合しかつフェルール5に内蔵光ファイバ1を取
り付け,その後,蓋体8a,8bを被せ,バネ12を装
着する。そして,この蓋体8a,8bをした状態で,フ
ェルール5側の蓋体8aの開口40から空間部21に撓
み抑制材料を垂らすと,撓み抑制材料は,空間部21の
内蔵光ファイバ1を撓ますことなく,内蔵光ファイバ1
の周囲にむらなく満たされる。その後,撓み抑制材料は
内蔵光ファイバ1の撓みを抑制できる程度に硬化する。
【0026】図3は開口を設ける他の例を示すもので,
この例では,フェルール5側の蓋体8aの先端部(延出
部15の蓋体8a側部分:フェルール5の切込部16に
嵌合する部分)の長さを,ベース7の先端部(延出部1
5のベース7側部分:フェルール5の切込部16に嵌合
する部分)の長さよりも幾分短くして,開口41を形成
している。すなわち,従来品および前述の各実施例で
は,蓋体8aがベース7の先端側を完全にカバーする長
さであるが,この実施例では,蓋体8aを被せた時に,
蓋体8aがベース7の先端側を完全にカバーせず,ベー
ス7の先端側が露出し,空間部21がこの開口41で外
部に連通する状態とな。そこで,この開口41の部分か
ら撓み抑制材料を注入する。
【0027】また,図示は省略するが,蓋体8aの最先
端部に上面から見て例えばコ字形あるいはV形あるいは
半円形等の切り欠きを形成して,この切り欠き部分を撓
み抑制材料注入用の開口としてもよい。
【0028】上記の光コネクタ6Aは,内蔵光ファイバ
1と光ファイバテープ心線20の光ファイバ(挿入光フ
ァイバ2)を突き合わせ接続した後,図5〜図7に示す
ようにMPO光コネクタ26のハウシング30内に収納
固定して用いる。このMPO光コネクタ26の構成を簡
単に説明すると,このMPO光コネクタ26は,前記光
コネクタ6Aを内部に収納固定する概ね角形で中空のハ
ウシング30,このハウシング30の内部で光コネクタ
6Aの後方に配置される光コネクタ6A押し付け用のコ
イルスプリング31,前記ハウシング30の後部に係合
するとともに前記コイルスプリング31の反力を受け止
める締着用部材32,前記ハウシング30の外周に長手
方向にスライド可能に嵌装されるとともに,ハウシング
30の左右両側に配置したスプリング33により前方側
(図6,図7において左方:接合端面4側)に弾性的に
付勢されるカップリング34,保護のために光ファイバ
テープ心線20に被せられ,前記締着用部材32の後方
の筒部32aに固定されるゴム等によるブーツ35等か
らなっている。
【0029】前記フェルール部5は,ハウシング30の
内部にガタなく緊密に嵌合するとともに,接合端面4と
反対側の肩部5aがハウシング30の内部の段部30a
に前記コイルスプリング31の反力で突き当てられる。
また,前記締着用部材32は,爪32bがハウシング3
0の後部にあけた係合穴30bに係合して,当該ハウシ
ング30に取り付けられる。前記カップリング34は,
これをスライドさせて図示略の光コネクタアダプタ等の
受け側のハウシングに差し込んだ時,受け側のハウシン
グに係脱可能に係合する。
【0030】上記のMPO光コネクタ26は,通常,図
示略の前記光コネクタアダプタ等を介在させて,同様な
構造のMPO光コネクタと接続される。この時,各MP
O光コネクタに内蔵の光コネクタ6Aの接合端面どうし
が突き合わされ,それぞれの光ファイバ同士が精密に位
置合わせされた整列状態で突き合わされて接続される。
【0031】本発明の光コネクタは,上述の実施例に限
定されるものではない。すなわち,フェルール部5,素
子11を構成するベース7および蓋体8a,8b,クラ
ンプ手段であるバネ12等は適宜設計変更可能である。
また,空間部21の形状も適宜設計変更できる。また,
調心機構としては実施例のようなV溝あるいはU溝等が
適切であるが,マイクロキャピラリ(細密円筒)を用い
ることもできる。また,通常は本発明の光コネクタは図
5〜図7のようなMPO光コネクタ26に内蔵する部品
として使用されるが,必ずしも図示のようなハウシング
に収納固定する場合に限定されない。さらに,本発明は
主として多心光コネクタとして用いられるが,単心光コ
ネクタとしても当然適用可能である。また,メカニカル
スプライス部3において接続する光ファイバ(内蔵光フ
ァイバあるいは挿入光ファイバ)は,通常は裸ファイバ
同士であるが,裸ファイバに薄いコーティングをしたも
のであることも考えられる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば,光ファイバ内蔵のフェ
ルール部と,内蔵光ファイバと挿入光ファイバとを接続
するメカニカルスプライス部とを組立一体化した光コネ
クタにおけるフェルール部側の光ファイバ穴とメカニカ
ルスプライス部側の調心機構との間に空間部を形成して
いるので,フェルール部の光ファイバ穴とメカニカルス
プライス部の調心機構との間で内蔵光ファイバに局所的
な過度の曲がりを生じて,応力による光損失が発生する
ことを防止できる。さらに,前記空間部に撓み抑制材料
を充填しているので,組み立て時に内蔵光ファイバがこ
れに接続すべく挿入される挿入光ファイバの圧力を受け
ても,撓み抑制材料が内蔵光ファイバに撓みが生じない
ように,あるいは実用上差し支えない程度の撓みに止ま
るように,内蔵光ファイバを拘束し,したがって,組立
時に挿入される挿入光ファイバの圧力で内蔵光ファイバ
が撓み光学的特性が劣化するという問題の発生を防止で
きる。
【0033】さらに,本発明で用いる撓み抑制材料は,
最終的には,内蔵光ファイバの撓みを抑制できる程度に
硬化するが,当初は液状ないし粘度の低いグリース状等
であるから,撓み抑制材料を空間部に充填する際に,内
蔵光ファイバを撓ませてしまう恐れはない。したがっ
て,内蔵光ファイバに撓みによる応力で光学的特性を劣
化させるという問題が生じないとともに,内蔵光ファイ
バの直線性に影響を与えずに撓み抑制材料を充填すると
いう作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の光コネクタの断面図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例の光コネクタの要部断面図
である。
【図3】本発明のさらに他の実施例の光コネクタの要部
断面図である。
【図4】本発明および従来例に共通の図であり,図1の
光コネクタまたは従来の光コネクタ(図8)の外観を示
す斜視図である。
【図5】図4の光コネクタを用いて構成したいわゆるM
PO光コネクタを示すもので,(イ)は平面図,(ロ)
は側面図である。
【図6】図4(ロ)におけるA−A拡大断面図である。
【図7】図4(イ)におけるB−B拡大断面図である。
【図8】従来の光コネクタの断面図である。
【図9】図8におけるC−C拡大断面図である。
【符号の説明】
1 内蔵光ファイバ 2 挿入光ファイバ(他の光ファイバ) 3 メカニカルスプライス部 4 接合端面 5 フェルール部 6 光コネクタ 7 ベース 8a,8b 蓋体 10 調心溝(調心機構) 11 素子 12 バネ 13 光ファイバ穴 14 接着剤挿入穴 15 延出部 16 切込部 18 開放部材 20 光ファイバテープ心線 21 空間部 22 撓み抑制材料 40,41 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−116106(JP,A) 特開 平6−337325(JP,A) 特開 平7−49434(JP,A) 特開 平8−334653(JP,A) 特開 平11−142687(JP,A) 特開 昭58−152215(JP,A) 米国特許4553814(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/36 G02B 6/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合端面に露出する光ファイバを固定状
    態で内蔵したフェルール部と,前記フェルール部に内蔵
    内蔵光ファイバの前記接合端面側と反対側に突出した
    部分およびこの内蔵光ファイバに突き合わせ接続される
    他の光ファイバを接続状態で把持して前記フェルール部
    に結合されるメカニカルスプライス部とからなり, 前記メカニカルスプライス部は,互いに重ね合わされる
    ベースと蓋体とを備えるとともにその重ね合わせ面に前
    記内蔵光ファイバおよび他の光ファイバを直線状に突き
    合わせ可能に位置決め調心する調心機構を有する素子
    と,この素子のベースと蓋体とを一体にクランプするク
    ランプ手段とからなり, 前記素子のフェルール部との結合部分におけるベースと
    蓋体との対向面間に,内蔵光ファイバを拘束しない空間
    部を形成するとともに,この空間部に,当該空間部への
    充填当初は流動性の高い性状で,その後,前記内蔵光フ
    ァイバの撓みを抑制できる程度に流動性の低い状態に変
    化する撓み抑制材料を充填したことを特徴とする光コネ
    クタ。
  2. 【請求項2】 前記メカニカルスプライス部の素子の蓋
    の先端部に,前記空間部に連通する撓み抑制材料注入
    用の開口を形成したことを特徴とする請求項1記載の光
    コネクタ。
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