JPH11326633A - 波長選択素子およびこれを使用した光学装置 - Google Patents

波長選択素子およびこれを使用した光学装置

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JPH11326633A
JPH11326633A JP13520098A JP13520098A JPH11326633A JP H11326633 A JPH11326633 A JP H11326633A JP 13520098 A JP13520098 A JP 13520098A JP 13520098 A JP13520098 A JP 13520098A JP H11326633 A JPH11326633 A JP H11326633A
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JP
Japan
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thin film
wavelength
dielectric
thickness
optical device
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JP13520098A
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Noboru Uehara
昇 上原
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Japan Aviation Electronics Industry Ltd
Original Assignee
Japan Aviation Electronics Industry Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低損失の波長選択素子およびこれを使用した
低損失、組み立て容易な光学装置を提供する。 【解決手段】 薄膜構造が、A=[(HL)MsH(L
H)MNW、或いはB=[(LH)MsL(HL)MN
Wである波長選択素子。但し、A、B:誘電体多層薄
膜、λc:設計波長、H:誘電体薄膜厚λc/4nHL:
誘電体薄膜厚λc/4nL、M:両薄膜の積層繰り返し回
数、N:Mの更なる返し回数、W(=tH、tL):付
加層、M、N、s:正の整数、t:0. 1ないし0.
9。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、波長選択素子お
よびこれを使用した光学装置に関し、特に、この波長選
択素子を使用したレーザ発振器、光計測装置、光通信装
置の如き光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】波長選択素子を使用して波長可変レーザ
発振器を構成する場合、波長選択素子として回折格子、
複屈折フィルタその他のフィルタが使用されてきた。以
下、これらを図を参照して説明する。図8を参照する
に、これは波長選択素子として回折格子を使用した波長
可変レーザ発振器を説明する図である。図8において4
は回折格子、5はミラー、6は同調ミラー、7はレーザ
媒質、8は波長可変レーザ光を示す。この波長可変レー
ザ発振器において、或る波長λc においてレーザ発振さ
せるには、同調ミラー6の回転角を回折格子4に対して
調整し、回折格子4の反射特性を最大にする角度に設定
する。レーザ発振は反射率が最大の波長で生じるからで
ある。図9はその反射特性の1例を示す図である。同調
ミラー6の回転角の変化に対応して反射最大となる波長
が変化し、レーザの波長可変性が得られる。しかし、こ
の回折格子4を使用した波長可変レーザの反射率は最大
でも90%程度であり、残りの10%は発振器内部の損
失となり、これがレーザ発振器の出力の低下の原因とな
る。
【0003】図10を参照するに、これは波長選択素子
として複屈折フィルタを使用した波長可変レーザ発振器
を説明する図である。図10において、10は第1の高
反射ミラー、11は第2の高反射ミラー、9は第3の高
反射ミラー、12はレーザ媒質、13は複屈折フィル
タ、14は出力ミラーである。15は波長可変レーザ光
を示す。複屈折フィルタ13を使用する場合、通常、単
体では充分な波長選択性を得ることができないので、波
長選択性を向上させるには、複数の複屈折フィルタ13
を重ねて使用しなければならない。以上の構成において
或る波長λC においてレーザ発振させるには、複屈折フ
イルタ13をレーザ光軸の回りに回転させて回転角を透
過特性を最大に制御する。図11はその透過特性の1例
を示す図である。複屈折フィルタ13の回転角に対応し
て、透過特性最大となる波長が変化し、レーザの波長可
変性が得られる。複屈折フィルタ13を使用した波長可
変レーザを製造する場合、複数の複屈折フィルタ13を
光学研磨すると共にフィルタ相互間を互いに平行に調整
し、更に、複屈折フィルタ13それぞれの誘電主軸を高
精度に一致させる必要がある。これらの組み立て工程に
は高度に熟練した人手を必要とする上に工程数も多いの
で、その低価格化には限界があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述の問
題を解消した低損失の波長選択素子およびこれを使用し
た低損失、組み立て容易な光学装置を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1:基板表面に屈
折率nH の誘電体薄膜および屈折率nL の誘電体薄膜を
交互に積層形成した誘電体多層薄膜を有する波長選択素
子において、薄膜構造が、 A=[(HL)MsH(LH)MNW 或いは、 B=[(LH)MsL(HL)MNW である波長選択素子を構成した。
【0006】但し、A、B:誘電体多層薄膜 λc:設計波長 H:誘電体薄膜厚λc/4nH L:誘電体薄膜厚λc/4nL M:両薄膜の積層繰り返し回数 N:Mの更なる返し回数 W(=tH或いはtL):付加層 M、N、s:正の整数 t:0. 1ないし0. 9 そして、請求項2:請求項1に記載される波長選択素子
において、誘電体多層薄膜の膜厚が基板内において勾配
を有するものである波長選択素子を構成した。
【0007】また、請求項3:請求項2に記載される波
長選択素子において、誘電体多層薄膜の最大膜厚と最小
膜厚の比が1. 01以上である波長選択素子を構成し
た。更に、請求項4:請求項1および請求項2の内の何
れかに記載される波長選択素子において、波長選択素子
を駆動位置決めする直進移動ステージ17を具備する波
長選択素子を構成した。
【0008】また、請求項5:請求項1ないし請求項4
の内の何れかに記載される波長選択素子において、誘電
体多層薄膜はイオンビームスパッタ法、原子ビームスパ
ッタ法、イオンアシスト蒸着法の内から選択された何れ
かにより成膜されたものである波長選択素子を構成し
た。ここで、請求項6:基板表面に屈折率nH の誘電体
薄膜および屈折率nL の誘電体薄膜を交互に積層形成し
た誘電体多層薄膜を有し、薄膜構造が A=[(HL)MsH(LH)MNW 或いは、 B=[(LH)MsL(HL)MNW であり、 但し、A、B:誘電体多層薄膜 λc:設計波長 H:誘電体薄膜厚λc/4nH L:誘電体薄膜厚λc/4nL M:両薄膜の積層繰り返し回数 N:Mの更なる返し回数 W(=tH或いはtL):付加層 M、N、s:正の整数 t:0. 1ないし0. 9 である波長選択素子を具備する光学装置を構成した。
【0009】そして、請求項7:請求項6に記載される
光学装置において、誘電体多層薄膜の膜厚が基板内にお
いて勾配を有するものである光学装置を構成した。ま
た、請求項8:請求項7に記載される光学装置におい
て、誘電体多層薄膜の最大膜厚と最小膜厚の比が1. 0
1以上である光学装置を構成した。更に、請求項9:請
求項7および請求項8の内の何れかに記載される光学装
置において、波長選択素子を駆動位置決めする直進移動
ステージ17を具備する光学装置を構成した。
【0010】また、請求項10:請求項6ないし請求項
9の内の何れかに記載される光学装置において、光学装
置はレーザ発振器、或いは波長多重通信用バンドパスフ
ィルタである光学装置を構成した。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明においては、レーザ共振
器を構成する誘電体多層薄膜自体に低損失の波長選択性
を付与している。誘電体多層薄膜はその薄膜構造を変化
させることにより、長波長通過フィルタ、短波長通過フ
ィルタ、或いはバンドパスフィルタを構成することがで
きる。以下、具体的に説明する。
【0012】ところで、バンドパスフィルタとして以下
において説明される誘電体多層薄膜構造を有するバンド
パスフィルタが従来から使用されている。即ち、 C=[(HL)MsH(LH)MN・・・・・・・・(7) 或いは、 D=[(LH)MsL(HL)MN・・・・・・・・(8) という誘電体多層薄膜構造をとるバンドパスフィルタが
知られている。これら誘電体多層薄膜C或いはDは基板
上に蒸着される。ここで、HとLは、それぞれ、誘電体
の膜厚がH=λc /4nH 、L=λc /4nL であるこ
とを示す。λc は設計波長である。M、N、sはそれぞ
れ正の整数(1、2、3・・・・・・)である。
【0013】式(7)により示される薄膜構造Cである
誘電体多層薄膜フィルタについて検討する。2種の誘電
体物質として、H層として五酸化タンタルTa25
(屈折率nH =2. 1)を使用し、L層として二酸化シ
リコンSiO2 (屈折率nL =1. 45)を使用する。
ガラス基板(屈折率1. 5)の上にC=[(HL)5
H(LH)5 1 の多層薄膜フィルタを成膜した場合の
透過特性を図2において破線で示す。図3(a)にその
薄膜構造を示す。設計波長はλc =1000nmとし
た。透過率は最大でも96%であり、残り4%は損失と
なる。一般的な固体レーザは低利得であるので、損失は
1%以下であることを要請されている。
【0014】ここで、この発明は、式(7)に示される
誘電体多層薄膜構造Cに対して、付加層W=tH(t:
0. 1ないし0. 9、例:t=0. 5)の誘電体層を付
加した式(1)に示される誘電体多層薄膜構造Aとする
ことにより、通過損失が0.2%以下という低損失の誘
電体多層薄膜構造を構成し、これを使用して通過損失の
極く小さい波長選択素子を構成することができることを
見いだした。
【0015】即ち、この発明の波長選択素子は、基板表
面に屈折率nH の誘電体薄膜および屈折率nL の誘電体
薄膜を交互に積層形成した誘電体多層薄膜を有し、薄膜
構造が、 A=[(HL)MsH(LH)MNW・・・・・・・・(1) とされるものである。
【0016】ここで、A:誘電体多層薄膜 λc:設計波長 H:誘電体薄膜厚λc/4nH L:誘電体薄膜厚λc/4nL M:両薄膜の積層繰り返し回数 N:Mの更なる返し回数 W(=tH或いはtL):付加層 M、N、s:正の整数 t:0. 1ないし0. 9 乗数の定義はこれを具体的数値的にに説明すると、(H
L)3 は (HL)3 =HLHLHL の如くHLの2層ペアを繰り返して3回積層することを
意味する。
【0017】ここで、HとLは、それぞれ誘電体の膜厚
が、 H=λc/4nH・・・・・・・・(3) L=λc/4nL・・・・・・・・(4) であることを示す。λc は設計波長である。M、N、s
は、それぞれ正の整数(=1、2、3、・・・・・・)であ
る。Wは付加層であり、 W=tH・・・・・・・・(5) W=tL・・・・・・・・(6) のいずれかを成立する。tは0. 1から0. 9の間の実
数である。
【0018】図2は、式(1)の誘電体多層薄膜構造A
において、A=[(HL)5 4H(LH)5 1 0. 5
Hとした場合の透過特性を実線で示している。図3
(b)はその薄膜構造を示す。透過損失を最小とするt
の値は使用する誘電体の屈折率とM、N、sの各値に依
存するが、それは0. 1ないし0. 9の間で成立する。
この場合、0. 5とされている。実線は設計波長100
0nmから1. 5nmだけ長波長側にシフトしている
が、これは設計波長λcを予め補正すれば1000nm
に合わせることがでいる。即ち、設計波長を998. 5
nmとすれば、1000nmに透過ピークが現われる。
【0019】以上の通り、最上層に付加層Wを付加する
ことにより低損失な透過型狭帯域フィルタを構成するこ
とができる。これは付加層Wが光多重干渉効果に伴う光
伝送インピーダンスを整合させる補正層として機能する
からである。この付加層Wを付加することにより反射成
分を低減することができ、これにより従来の透過損失4
%を0.2%に改善することができる。
【0020】同様のことは、式(8)により示される誘
電体多層薄膜、即ちD=[(LH)MsL(HL)MN
にtLの層を付加した式(2)で示される薄膜構造Bの
場合にも同様に低損失になることも見出した。 B=[(LH)MsL(HL)MNW・・・・・・・・(2) 更に、この発明の誘電体多層薄膜に波長選択性を持たせ
るには、透過ピークの中心波長λcが必要とされる波長
可変帯域内において変化する構成を具備する必要があ
る。そこで、この発明においては、成膜される膜厚に基
板有効径内において勾配を持たせて、基板の位置により
透過率最大となる中心波長λc を制御する構成を具備し
た。設計波長λc は式(3)、式(4)より、膜厚増加
に従って比例的に長波長側ヘシフトする。図1におい
て、線a、線b、線cに対応する光学的膜厚を、それぞ
れda 、、db 、dc とする。そして、線a、線b、線
cに対応する膜厚における最大透過ピークの波長を
λca、λcb、λccとすると、 λcb=(db/da)λca・・・・・・・・(9) λcc=(dc/da)λca・・・・・・(10) の関係が成立する。光学的膜厚は屈折率と物理的膜厚の
積であるから、式(1)の誘電体薄膜構造A或いは式
(2)の誘電体薄膜構造Bの誘電体多層薄膜フィルタに
対して、図1に示される如く基板表面において膜厚に勾
配を持たせることにより、波長選択性の機能を有するも
のとすることができる。
【0021】次に、成膜に膜厚勾配を付与する誘電体多
層薄膜フィルタの製造法について説明するに、低損失な
誘電体多層薄膜を製造する方法として、イオンビームス
パッタ法(D.W.Wei、“Ion beam int
erference coating for ult
ralow optical loss”、Apl.O
pt,、vol(28)、pp2813−2816、1
989)、原子ビーム源を使用するスパッタ法(下川
他、特開平5−82467)、或いはイオンアシスト蒸
着法その他の成膜に膜厚勾配が生ずる成膜法を採用す
る。これらの成膜法は、成膜に膜厚勾配が生じて、これ
は均一な膜厚の薄膜を広範囲に形成する際の欠点とされ
ており、成膜されるべき領域において膜厚を均一とすべ
くターゲットと基板の間に補正用の金属板を内挿してい
た。この発明においては、これらの成膜法が成膜に膜厚
勾配を生ずる特性を誘電体多層薄膜の形成に積極的に利
用する。この膜厚補正板の形状および基板からの距離を
調整して膜厚勾配の大きさを制御調整する。
【0022】実施例1 この発明の誘電体多層薄膜フィルタをCr4+:Y3 A1
512(以下、Cr:YAG、と記載する)に組み合わ
せたCr:YAGレーザを図4を参照して説明する。C
r:YAG結晶は1. 4μm付近において広帯域の蛍光
スペクトルを有し、1. 35μm〜1. 6μmの範囲に
おいて波長可変レーザとして使用している。16はこの
発明の誘電体多層薄膜フィルタより成る波長選択素子、
17は直進移動ステージ、18はCr:YAG結晶であ
る。19は出力ミラーコーティングであり、1. 35μ
m〜1. 6μmの範囲で反射率99%を有する。これは
波長選択素子16の基板の裏面に形成される。20は励
起用レーザ光、21は波長可変レーザ光である。Cr:
YAG結晶18の球面側には先の波長で高反射(R>9
9. 8%)の誘電体多層薄膜コーティングが施され、そ
して、平面側には減反射(RくO. 2%)の誘電体多層
薄膜コーティングが施されている。膜設計においては、
ガラス(屈折率1. 51)を基板に使用している。誘電
体多層薄膜には屈折率nH =2. 1の五酸化タンタル
(Ta25)および屈折率nL =1. 45の二酸化珪素
(SiO2 )を使用する。薄膜構造はA:[(HL)7
4H(LH) 7 1 0. 5Hとした。この場合の波長選
択素子の透過スペクトルは図5に示される。図5
(a)、図5(b)、図5(c)はそれぞれ通過波長1
400nm、1500nm、1600nmの場合であ
る。この時の誘電体多層薄膜の全膜厚はそれぞれ6. 6
2μm、7. 09μm、7. 57μmである。この時、
最大膜厚(7. 57μm)と最小膜厚(6. 62μm)
の比は1. 14である。従って、図1に示される如く誘
電体多層薄膜の膜厚に勾配を持たせることにより、基板
表面の光線の入射する箇所と選択される最大透過波長λ
c とは1対1に対応する。そして、光線の入射する位置
を変えることにより波長選択性が得られる。
【0023】実施例2 この発明の誘電体多層薄膜フィルタをErドープ光ファ
イバに組み合わせたErドープ光ファイバレーザを図6
を参照して説明する。Erドープ光ファイバは波長15
20nmから1570nmの間でレーザ利得を有する。
22および23は光コネクタ、24および25はErド
ープ光ファイバである。26および27は光ファイバコ
リメータであり、空気中を平行に伝播する光線28を光
ファイバ24および光ファイバ25のコアに結合する。
29は波長選択素子、30は直線移動ステージである。
【0024】ここで、光コネクタ22および光コネクタ
23の端面には、先の波長域で高反射率を有する誘電体
多層薄膜が施されており、この光コネクタ間でレーザ共
振器を構成する。図に示される如く波長選択素子29は
Erドープ光ファイバ24および25に斜めに位置決め
されているので、最大透過波長λc 以外の波長成分は波
長選択素子29で反射され、光ファイバから漏れ出て行
く。そのために、レーザ共振器の損失は100%とな
り、他の波長成分のレーザ動作は生じない。これに対し
て、波長λc の光成分は波長選択素子29を透過するの
で、光コネクタ22および光コネクタ23の間を何度も
往復することができ、レーザ発振することができる。直
線移動ステージ30を操作して波長選択素子29を移動
し、平行光線28が入射する位置を変えることにより波
長選択性が得られる。
【0025】実施例3 この発明の誘電体多層薄膜フィルタを適用して構成した
波長多重通信用狭帯域バンドパスフィルタを図7を参照
して説明する。31および32は光コネクタを示す。3
3および34は単一モード光ファイバ、35および36
は光ファイバコリメータ、37は平行光線、38はこの
発明の誘電体多層薄膜フィルタより成る波長選択素子、
39は直進移動ステージである。ここで、光コネクタ3
1側から波長成分λ1 、λ2 、・・・・・・λN のN個の元信
号成分が入射したものとする。波長選択素子38が光フ
ァイバに斜めに配置されているので、直進移動ステージ
39を操作して波長選択素子38の位置を上下に移動調
整して、必要な波長成分λ i の信号成分のみ通過させ、
これを光ファイバ34に伝送する。この波長成分以外の
元信号成分は波長選択素子38により反射され、入射し
た光ファイバ33に戻らなくすることができる。また、
波長選択素子38が光ファイバに垂直に配置されている
と、必要な波長成分λi の信号のみ通過させ、この波長
成分以外の元信号成分は波長選択素子38で反射され、
入射してきた光ファイバ33に戻すこともできる。
【0026】
【発明の効果】以上の通りであって、この発明の波長選
択素子は、特許請求の範囲に記載される通りの構成を具
備することにより、通過損失の極く小さいものとするこ
とができる。そして、この波長選択素子を使用し、製造
に際して格別の熟練は要せずに工程数の少ない小型低損
失の波長可変のレーザ発振器、或いは波長多重通信用バ
ンドパスフィルタの如き光学装置を容易に構成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】波長選択素子の実施例を説明する図。
【図2】狭帯域バンドパスフィルタの透過特性を示す
図。
【図3】薄膜構造を示す図。
【図4】Cr:YAGレーザの実施例を説明する図。
【図5】波長選択素子の実施例の透過特性を示す図。
【図6】Erドープ光ファイバレーザの実施例を説明す
る図。
【図7】波長多重通信用狭帯域バンドバスフィルタの実
旛例を説明する図。
【図8】回折格子を使用したレーザの従来例を説明する
図。
【図9】図8の波長選択性を示す図。
【図10】複屈折フィルタを使用したレーザの従来例を
説明する図。
【図11】図10の波長選択性を示す図。
【符号の説明】
4 回折格子 5 ミラー 6 同調ミラー 7 レーザ媒質 8 波長可変レーザ光 9 第3の高反射ミラー 10 第1の高反射ミラー 11 第2の高反射ミラー 12 レーザ媒質 13 複屈折フィルタ 14 出力ミラー 15 波長可変レーザ光 16 波長選択素子 17 直進移動ステージ 18 Cr:YAG結晶 19 出力ミラーコーティング 20 励起用レーザ光 21 波長可変レーザ光 22、23 光コネクタ 24、25 Erドープ光ファイバ 26、27 光ファイバコリメータ 28 光線 29 波長選択素子 30 直線移動ステージ 31、32 光コネクタ 33、34 単一モード光ファイバ 35、36 光ファイバコリメータ 37 平行光線 38 波長選択素子 39 直進移動ステージ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に屈折率nH の誘電体薄膜お
    よび屈折率nL の誘電体薄膜を交互に積層形成した誘電
    体多層薄膜を有する波長選択素子において、 薄膜構造が、 A=[(HL)MsH(LH)MNW 或いは、 B=[(LH)MsL(HL)MNW であることを特徴とする波長選択素子。 但し、A、B:誘電体多層薄膜 λc:設計波長 H:誘電体薄膜厚λc/4nH L:誘電体薄膜厚λc/4nL M:両薄膜の積層繰り返し回数 N:Mの更なる返し回数 W(=tH或いはtL):付加層 M、N、s:正の整数 t:0. 1ないし0. 9
  2. 【請求項2】 請求項1に記載される波長選択素子に
    おいて、 誘電体多層薄膜の膜厚が基板内において勾配を有するも
    のであることを特徴とする波長選択素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載される波長選択素子に
    おいて、 誘電体多層薄膜の最大膜厚と最小膜厚の比が1. 01以
    上であることを特徴とする波長選択素子。
  4. 【請求項4】 請求項1および請求項2の内の何れか
    に記載される波長選択素子において、 波長選択素子を駆動位置決めする直進移動ステージ17
    を具備することを特徴とする波長選択素子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4の内の何れか
    に記載される波長選択素子において、 誘電体多層薄膜はイオンビームスパッタ法、原子ビーム
    スパッタ法、イオンアシスト蒸着法の内から選択された
    何れかにより成膜されたものであることを特徴とする波
    長選択素子。
  6. 【請求項6】 基板表面に屈折率nH の誘電体薄膜お
    よび屈折率nL の誘電体薄膜を交互に積層形成した誘電
    体多層薄膜を有し、薄膜構造が A=[(HL)MsH(LH)MNW 或いは、 B=[(LH)MsL(HL)MNW であり、 但し、A、B:誘電体多層薄膜 λc:設計波長 H:誘電体薄膜厚λc/4nH L:誘電体薄膜厚λc/4nL M:両薄膜の積層繰り返し回数 N:Mの更なる返し回数 W(=tH或いはtL):付加層 M、N、s:正の整数 t:0. 1ないし0. 9 である波長選択素子を具備することを特徴とする光学装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載される光学装置におい
    て、 誘電体多層薄膜の膜厚が基板内において勾配を有するも
    のであることを特徴とする光学装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載される光学装置におい
    て、 誘電体多層薄膜の最大膜厚と最小膜厚の比が1. 01以
    上であることを特徴とする光学装置。
  9. 【請求項9】 請求項7および請求項8の内の何れか
    に記載される光学装置において、 波長選択素子を駆動位置決めする直進移動ステージ17
    を具備することを特徴とする光学装置。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし請求項9の内の何れ
    かに記載される光学装置において、 光学装置はレーザ発振器、或いは波長多重通信用バンド
    パスフィルタであることを特徴とする光学装置。
JP13520098A 1998-05-18 1998-05-18 波長選択素子およびこれを使用した光学装置 Pending JPH11326633A (ja)

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