JP2002311387A - 多段反射型ファラデー回転子 - Google Patents

多段反射型ファラデー回転子

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JP2002311387A
JP2002311387A JP2001118523A JP2001118523A JP2002311387A JP 2002311387 A JP2002311387 A JP 2002311387A JP 2001118523 A JP2001118523 A JP 2001118523A JP 2001118523 A JP2001118523 A JP 2001118523A JP 2002311387 A JP2002311387 A JP 2002311387A
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faraday
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reflection type
light
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Takeshi Matsushita
毅 松下
Mitsuteru Inoue
光輝 井上
Hideki Kato
英樹 加藤
Akio Takayama
昭夫 高山
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Minebea Co Ltd
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    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
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    • G02F1/09Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on magneto-optical elements, e.g. exhibiting Faraday effect
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    • G02F2201/00Constructional arrangements not provided for in groups G02F1/00 - G02F7/00
    • G02F2201/17Multi-pass arrangements, i.e. arrangements to pass light a plurality of times through the same element, e.g. by using an enhancement cavity

Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長帯域幅の拡大及び低廉化を図ることがで
きる多段反射型ファラデー回転子を提供する。 【解決手段】 多段反射型ファラデー回転子20は、中
心波長(波長特性)がそれぞれλ1〜λ6である反射型
の第一〜第六のファラデー回転子22a〜22fを有し
ている。入射光は、反射を繰り返しながら、第一〜第六
のファラデー回転子22a〜22fに入射し、光の波長
と一致した中心波長を有するファラデー回転子でファラ
デー回転が生じる。ファラデー回転子22a〜22f
は、反射型であり出射光の帯域幅は透過型と比較して広
くなる上、各中心波長が異なっているので、実効的な波
長範囲が広くなる(波長帯域幅の拡大が図れる)。波長
帯域幅の拡大のために従来技術で必要とされた高価な光
学部品を用いなくて済むので、装置の低廉化を図ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ通信、
光記録、光計測システム等に用いられる光アイソレー
タ、光サーキュレータを構成する多段反射型ファラデー
回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザを光源とした光ファイバ通
信システム、特に高速ディジタル伝送やアナログ直接変
調方式による光システムにおいては、光ファイバ回路中
に使用している光コネクタ接続点や光回路部品等からの
反射光が半導体レーザや光増幅器に戻ると、周波数特性
の劣化や雑音の発生のために高品質な伝送が困難とな
る。この反射光を除去する目的で光アイソレータが使用
されている。
【0003】光アイソレータは、一定の偏光面の光のみ
を通過させる一対の偏光子及び検光子と、光の偏光面を
45度回転させるファラデー回転子と、ファラデー回転
子に磁場を印加する永久磁石とから大略構成されてい
る。
【0004】光アイソレータの構成部材のうち、光アイ
ソレータの性能に大きく影響するのはファラデー回転子
である。そして、ファラデー回転子には、偏光面を45
度回転させるのに必要な素子長が短いこと及び光透過率
が大きいことが要求される。これまで、ファラデー回転
子としては、イットリウム鉄ガーネット(YIG) バルク単
結晶(厚みが約2mm)と、イットリウムの一部を磁気
光学性能指数の大きいビスマスで置換したビスマス置換
希土類鉄ガーネット(BiYIG)厚膜単結晶(厚みが数百μ
m)からなるもの等がある。最近では、光アイソレータ
の小型化に有利であることから、BiYIG厚膜単結晶が多
く使用されている。
【0005】また、近年では、光の局在による磁気光学
効果(ファラデー効果はこの磁気光学効果の一種であ
る。)のエンハンスメントをおこす1次元磁性フォトニ
ック結晶からなるファラデー回転子(磁気光学体)も提
案されている。この1次元磁性フォトニック結晶からな
るファラデー回転子(磁気光学体)は、厚みが数μm程
度で大きなファラデー回転角を得ることができることか
ら、光アイソレータの大幅な小型化と低価格化が達成で
きると期待されている。
【0006】この1次元磁性フォトニック結晶とは、1
種類以上の誘電体薄膜と磁気光学薄膜をファブリペロー
共振器構造を構成するように積層したものである。特
に、屈折率が異なる2種類の誘電体薄膜を積層した周期
的誘電体多層膜二組で磁気光学薄膜を挟み込んだ膜構造
とすることにより、優れた磁気光学効果の増大が確認さ
れている。
【0007】ところで、このような単純な構造では、周
期的誘電体多層膜の積層数を多くしてファラデー回転角
を大きくすると光の透過率が減少するという問題が発生
する。この点の対策としては、ファブリペロー共振器を
誘電体薄膜を介して多段接続することが有効であること
が示されている。しかし、この方法は積層数の大幅な増
加をもたらし製造コストの増加を招いていた。
【0008】この様な状況下で、本発明者らは、誘電体
薄膜と磁気光学薄膜からなる積層膜を積層した方向の最
上面か最下面に金属反射膜を形成して、金属反射膜が形
成されていない側から入射した光を、金属反射膜が存在
する側で反射させるファラデー回転子(反射型積層膜フ
ァラデー回転子)を発明した。そして、本構造(反射型
積層膜ファラデー回転子)の最適化を検討した結果、従
来の透過型のファラデー回転子よりも大幅に少ない積層
数で良好な磁気光学特性を得ることができた。また、反
射型積層膜ファラデー回転子は、反射機能を発揮するた
めに、必ずしも金属反射膜を用いなくてもよく、誘電体
多層膜の構成によって、良好な反射特性を有することが
できる。
【0009】金属反射膜を用いた反射型積層膜ファラデ
ー回転子の膜構造を図14に示し、また、その反射型積
層膜ファラデー回転子を用いた光アイソレータの構成例
を図15に示す。図14及び図15において、光アイソ
レータ1は、一定の偏光面の光のみを通過させる一対の
偏光子2及び検光子3と、光の偏光面を45度回転させ
る反射型積層膜ファラデー回転子4と、反射型積層膜フ
ァラデー回転子4に磁場を印加する永久磁石(図示省略)
とから大略構成されている。反射型積層膜ファラデー回
転子4は、基板5と、基板5上に形成された積層膜6と
から大略構成されている。積層膜6は、2種類の誘電体
薄膜7,8からなる周期的誘電体多層膜9,10二組
と、該二組の周期的誘電体多層膜9,10に挟まれた磁
気光学薄膜11と、図14下側の周期的誘電体多層膜9
の基板5側に形成された金属反射膜12とから構成され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通信容量の
拡大の観点から、一本の光ファイバに複数の波長の光を
伝送する波長多重伝送方式(WDM:Wavelength Divis
ion Multiplexing)が主流になってきている。波長間隔
は、0.4〜1.6nmであるから、40チャンネルの
WDMでは、60nmの波長帯域が必要になる。このた
め、光アイソレータ、ひいてはファラデー回転子におい
ても、少なくとも60nmの波長帯域が必要になる。そ
の帯域幅は更に拡大する方向でWDMシステムの開発が
進められている。
【0011】しかしながら、積層膜から構成されたファ
ラデー回転子(積層膜ファラデー回転子)は、動作する
波長範囲が狭いことから、個々の波長には対応できるも
のの、一つのファラデー回転子をもって広い波長範囲に
対応することは困難である。積層膜ファラデー回転子の
波長帯域幅の拡大策として、本発明者らは、入射光の波
長に依存して積層膜への入射位置と角度を変えられる機
能を有した光学部品を用いる方法を特願2000−31
2003で提案している。この光学部品は、具体的には
プリズム分光器や回折格子であり、その作製には特殊な
設計と加工技術を必要とし、ファラデー回転子のコスト
の上昇を招いていた。また、ファラデー回転子を構成す
る積層膜の更なる積層数の低減も求められていた。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、波長帯域幅の拡大及び低廉化を図ることができる多
段反射型ファラデー回転子を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る多段反射
型ファラデー回転子の発明は、少なくとも磁気光学薄膜
と1種類以上の誘電体薄膜とから構成される積層膜から
なり、かつ反射特性を有するファラデー回転子を複数個
備え、該複数個のファラデー回転子はその波長特性が異
なると共に、前記複数個のファラデー回転子に関して、
一のファラデー回転子からの反射光の他のファラデー回
転子への入射が連続して順次行われるように多段配置し
たことを特徴とする。
【0014】請求項2に係る多段反射型ファラデー回転
子の発明は、少なくとも磁気光学薄膜と1種類以上の誘
電体薄膜とから構成される膜厚が連続的に又はステップ
状に変化する積層膜からなり、かつ反射特性を有するフ
ァラデー回転子と、該ファラデー回転子の積層膜と向か
い合う位置に配置されて前記ファラデー回転子からの反
射光を入射して反射する少なくとも一つの反射体とを備
えたことを特徴とする。請求項3に係る多段反射型ファ
ラデー回転子の発明は、少なくとも磁気光学薄膜と1種
類以上の誘電体薄膜とから構成される膜厚が一定の積層
膜からなり、かつ反射特性を有するファラデー回転子
と、該ファラデー回転子の積層膜と一定の角度をもって
向かい合うように配置されて前記ファラデー回転子から
の反射光を入射して反射する少なくとも一つの反射体と
を備えたことを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項2または請
求項3記載の構成において、前記積層膜及び前記反射体
は、透光性基板の一面及び該一面と反対側の面にそれぞ
れが対向するように形成されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項2から請求項4までのい
ずれかに記載の構成において、前記反射体に代えて、少
なくとも磁気光学薄膜と1種類以上の誘電体薄膜とから
構成される積層膜からなり、かつ反射特性を有するファ
ラデー回転子を設けたことを特徴とする。請求項6記載
の発明は、請求項1から請求項5までのいずれかに記載
の構成において、前記積層膜は、屈折率が異なる2種類
の誘電体薄膜からなる周期的誘電体多層膜二組と、該二
組の周期的誘電体多層膜に挟まれた磁気光学薄膜と、前
記一組の周期的誘電体多層膜の前記磁気光学薄膜と接触
している面の反対面に形成され、光を反射する金属薄膜
とからなることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1実施の形態
に係る多段反射型ファラデー回転子20を図1及び図2
に基づいて説明する。なお、図14および図15に示す
部材及び部分と同等の部材及び部分については同一の符
号を付し、その説明は適宜、省略する。
【0017】この第1実施の形態の説明に先だって、第
1実施の形態に係る多段反射型ファラデー回転子20が
用いる反射型積層膜ファラデー回転子(以下、適宜反射
型ファラデー回転子という。)及び透過型積層膜ファラ
デー回転子(以下、適宜、透過型ファラデー回転子とい
う。)の波長特性等について、図12及び図13に基づ
いて説明する。反射型ファラデー回転子におけるファラ
デー回転角の波長帯域幅は、透過型ファラデー回転子と
同様に狭いが、出射光の帯域幅は透過型ファラデー回転
子と比較して非常に広いという性質がある。
【0018】中心波長を1300nmとして設計した代
表的な透過型ファラデー回転子の波長特性を図12(1)
及び(2)に示し、中心波長を1300nmとして設計
した代表的な反射型ファラデー回転子の波長特性を図1
2(3)及び(4)に示す。ファラデー回転に関しては、
透過型ファラデー回転子及び反射型ファラデー回転子と
も、それぞれ図12(1)及び(3)に示すように、波長
1300nm(この波長を中心波長と呼ぶ。)近傍のみ
で生じる。
【0019】これに対して、出射光(透過型ファラデー
回転子の場合は透過光、反射型ファラデー回転子の場合
は反射光)に関しては、透過型ファラデー回転子の場合
には、図12(2)に示すように、1300nmの近傍
のみで100%の出射光が得られる。一方、反射型ファ
ラデー回転子の場合には、図12(4)に示すように、
1200〜1500nmの広い波長範囲で100%の出
射光が得られるようになっている。
【0020】従って、後述するように個々の波長(波長
特性、中心波長)の異なる反射型ファラデー回転子を複
数多段接続する(全反射を繰り返しながら、全てのファ
ラデー回転子に光が入射するようにする)と、入射した
光は、その入射した光の波長と一致した中心波長を有す
るファラデー回転子〔反射型ファラデー回転子〕を通過
(反射)する際にファラデー回転が生じる。それ以外
(入射した光の波長と一致した中心波長を有するもの以
外)のファラデー回転子〔反射型ファラデー回転子〕で
は、ファラデー回転はほとんど生ずることなく、光の損
失も伴わず反射する。従って、多段接続されたファラデ
ー回転子〔反射型ファラデー回転子〕全体として見てみ
ると、図13に示すように、実効的な波長範囲が広いフ
ァラデー回転子とみなすことが可能となる。図13中、
λ1〜λ6は、第1実施の形態の第一〜第六のファラデ
ー回転子がそれぞれ有する中心波長(波長特性)に対応
している。
【0021】第1実施の形態に係る多段反射型ファラデ
ー回転子20は、図1及び図2に示すように、一定の偏
光面の光のみを通過させる一対の偏光子2及び検光子3
と、当該多段反射型ファラデー回転子20に磁場を印加
する永久磁石(図示省略)と共に、光アイソレータ21を
構成している。多段反射型ファラデー回転子20は、6
つの反射型ファラデー回転子(以下、第一のファラデー
回転子22a、第二のファラデー回転子22b、第三の
ファラデー回転子22c、第四のファラデー回転子22
d、第五のファラデー回転子22e、第六のファラデー
回転子22fという)を有している。第一〜第六のファ
ラデー回転子22a〜22fはそれぞれλ1〜λ6(λ
1<λ2<λ3<λ4<λ5<λ6)の中心波長(波長
特性)を有している。第一〜第六のファラデー回転子2
2a〜22fは、後述する積層膜24を有し、その積層
膜24を構成する各層の膜厚は、前記中心波長と多層膜
〔当該積層膜24〕への入射角度を考慮して決めてい
る。なお、第一〜第六のファラデー回転子22a〜22
fの基本的な膜構造(成分など)については、同等構成
を有しており、以下、その構成を第一のファラデー回転
子22aを例にして説明する。
【0022】第一のファラデー回転子22a(第二〜第
六のファラデー回転子22b〜22f)は、基板23
と、基板23上に形成された積層膜24とから大略構成
されている。積層膜24は、低屈折率誘電体薄膜25
〔SiO2、屈折率1.42〕及び高屈折率誘電体薄膜26
〔Ta2O5、屈折率2.14〕の2種類の誘電体薄膜から
なる周期的誘電体多層膜二組(便宜上、図2下側のもの
を第1組周期的誘電体多層膜27といい、図2上側のも
のを第2組周期的誘電体多層膜28という。)と、第1
組、第2組周期的誘電体多層膜27,28に挟まれた磁
気光学薄膜29〔ビスマス置換希土類ガーネット(BiYI
G)、屈折率2.36〕と、第1組周期的誘電体多層膜
27の基板23側に形成された金属反射膜30〔Al〕と
から構成されている。なお、金属反射膜30は、磁気光
学薄膜に磁場を印加するSmCo等の硬磁性薄膜から構成さ
れていてもよい。また、基板24が磁気光学薄膜に磁場
を印加するフェライト磁石等の硬磁性体から構成されて
いてもよい。
【0023】第1組周期的誘電体多層膜27は膜構造
が、(Ta2O5/SiO2Y多層膜とされ、また、第2組周期
的誘電体多層膜28は、(SiO2/Ta2O5X多層膜(但し
X<Y)とされている。第一のファラデー回転子22a
(第二〜第六のファラデー回転子22b〜22f)は、
各膜構造を上述したように構成したことにより、全体の
膜構造が、(SiO2/Ta2O5X/BiYIG/(Ta2O5/SiO2Y
/Al(但しX<Y)とされている。
【0024】第一のファラデー回転子22a(第二〜第
六のファラデー回転子22b〜22f)の作製は、初め
に基板23にAl〔金属反射膜30〕を100nm以上成
膜する。この場合、基板23は透光性を有するものでな
くてもよい。Alの成膜方法としては、スパッタ、蒸着等
の薄膜作製技術を適用できる。
【0025】続いて、光の入射角を考慮して例えば光学
長がλ/4(λは光の波長)〔この光学長は所望の中心
波長を確保するため、ファラデー回転子毎に決める〕の
低屈折率誘電体薄膜25〔SiO2〕を成膜し、次に、例え
ば光学長がλ/4の高屈折率誘電体薄膜26〔Ta2O5
〔この光学長は所望の中心波長を確保するため、ファラ
デー回転子毎に決める〕を形成する。この工程をY回繰
返すことにより、第1組周期的誘電体多層膜27〔(Ta
2O5/SiO2Y多層膜〕が作製される。
【0026】次に、第1組周期的誘電体多層膜27の上
に例えば光学長がλ/2〔この光学長は所望の中心波長
を確保するため、ファラデー回転子毎に決める〕のBiYI
G〔磁気光学薄膜29〕を形成する。この場合も、スパ
ッタ、蒸着等の薄膜作製技術を適用できるが、光学長の
制御と共に所定のファラデー効果が得られるように磁気
光学薄膜29の組成を正確に制御することが大切であ
る。磁気光学薄膜29にBiYIGを用いた場合、成膜直後
はアモルファス構造をなして磁性を持たないため、高温
熱処理して結晶化させる必要がある。熱処理は、2種類
の誘電体薄膜の組合せと熱処理温度によっては通常の電
気炉を用いて行うことができるし、その熱処理に伴って
発生する多層膜構造や金属反射膜の乱れが問題となる場
合には、本発明者らが特願平11−283512号で提
案した赤外線ビーム加熱装置を用いてもよい。
【0027】次に、ファブリペロー共振器のもう一方の
反射鏡の役割をなす第2組周期的誘電体多層膜28
〔(SiO2/Ta2O5X多層膜〕を形成することにより積層
膜24の作製は終了する。
【0028】以上の工程で作製された積層膜24を、ダ
イシングマシン等を用いて所定の大きさに切断すること
により、膜構造が上記(SiO2/Ta2O5X/BiYIG/(Ta2O
5/SiO2Y/Al(但しX<Y)とされたファラデー回転
子22(第一〜第六のファラデー回転子22a〜22
f)が完成する。反射型ファラデー回転子(第一〜第六
のファラデー回転子22a〜22f)は、極力、光の損
失が発生しない構造の積層膜を用いる必要があるが、本
実施の形態では、積層膜24を図2に示すような上記膜
構造とすることにより、光の損失を抑えることができ
る。
【0029】多段反射型ファラデー回転子20は、第
一、第三、第五のファラデー回転子22a,22c,2
2eについて、その第2組周期的誘電体多層膜28を同
一方向(図1上側)に向けて、この順に配置する一方、
第二、第四、第六のファラデー回転子22b,22d,
22fについて、第2組周期的誘電体多層膜28を図1
下側(第一、第三、第五のファラデー回転子22a,2
2c,22e側)に向けて配置している。第一、第三、
第五のファラデー回転子22a,22c,22eと第
二、第四、第六のファラデー回転子22b,22d,2
2fとは図1上下方向に所定距離を空けて配置され、か
つ相互に図1左右方向にずれて(例えば第二のファラデ
ー回転子22bは図1左右方向で第一、第三のファラデ
ー回転子22a,22cの間に入るように)配置されて
いる。
【0030】上述したように各ファラデー回転子(第一
〜第六のファラデー回転子22a〜22f)を配置する
ことにより、偏光子2からの光が、第一のファラデー回
転子22aに入射して反射され、第一のファラデー回転
子22aからの反射光が第二のファラデー回転子22b
に入射して反射され、以下、同様にして、第三〜第六の
ファラデー回転子22c〜22fで光の入射及び反射が
行われ、第六のファラデー回転子22fからの反射光が
検光子3に入射するようになっている。すなわち、第一
〜第六のファラデー回転子22a〜22fは、一のファ
ラデー回転子からの反射光の他のファラデー回転子への
入射が連続して順次行われるように多段配置されたもの
になっている。
【0031】上述したように構成した多段反射型ファラ
デー回転子20では、外部から入射した光(偏光子2か
らの光)は、反射を繰り返しながら、いずれのファラデ
ー回転子(第一〜第六のファラデー回転子22a〜22
f)にも入射することになり、光の波長と一致した中心
波長を有するファラデー回転子でファラデー回転が生じ
ることになる。すなわち、λ1の波長の光に対しては、
中心波長(波長特性)がλ1である第一のファラデー回
転子22aでファラデー回転が生じ、また、λ2の波長
の光に対しては、中心波長がλ2である第二のファラデ
ー回転子22bでファラデー回転が生じ、以下、同様
に、λ3〜λ6の波長の光に対しては、中心波長がλ3
〜λ6である、第三〜第六のファラデー回転子22c〜
22fでそれぞれファラデー回転が生じることになる。
【0032】また、光が他のファラデー回転子〔光の波
長と一致しない中心波長を有するファラデー回転子、例
えばλ1の波長の光に対する第一のファラデー回転子2
2a(λ1)以外の第二〜第六のファラデー回転子22
b〜22f〕を通過(反射)する際には、ファラデー回
転は生じず、光は損失を生じることなく通過する。
【0033】さらに、第一〜第六のファラデー回転子2
2a〜22fは、反射型ファラデー回転子であり、図1
2及び図13を用いて説明したように、第一〜第六のフ
ァラデー回転子22a〜22fにおける出射光の帯域幅
は透過型ファラデー回転子と比較して非常に広く、例え
ば1200〜1500nmの広い波長範囲で100%の
出射光が得られるという性質がある。
【0034】また、中心波長がλ1〜λ6であってそれ
ぞれ波長(中心波長)がそれぞれ異なる第一〜第六のフ
ァラデー回転子22a〜22fを複数多段接続した(全
反射を繰り返しながら、全ての第一〜第六のファラデー
回転子22a〜22fに光が入射するようにした)の
で、上述したように、入射した光は、その入射した光の
波長と一致した中心波長を有するファラデー回転子〔反
射型ファラデー回転子〕を通過(反射)する際にファラ
デー回転が生じる一方、それ以外(入射した光の波長と
一致した中心波長を有するもの以外)のファラデー回転
子〔反射型ファラデー回転子〕では、ファラデー回転は
ほとんど生ずることなく、光の損失も伴わず反射する。
このため、多段接続された第一〜第六のファラデー回転
子22a〜22f〔多段反射型ファラデー回転子20〕
全体として、図13を用いて説明したように、実効的な
波長範囲が広くなる、すなわち波長帯域幅の拡大を図る
ことができる。
【0035】さらに、波長帯域幅の拡大のために従来技
術で必要とされたプリズム分光器や回折格子等の高価な
光学部品を用いることなく、比較的簡易な構成で波長帯
域幅の拡大を果たすことができるので、光学部品を用い
なくて済む分、装置の低廉化を図ることができる。前記
第1実施の形態では、中心波長(波長特性)がそれぞれ
λ1、 … 、λ6である第一〜第六のファラデー回転
子22a〜22fを設けた場合を例にしたが、予め入射
するレーザ光の波長がわかっている場合には、それぞれ
の波長に中心波長を合せたファラデー回転子を配置する
ように構成してもよい。
【0036】第1実施の形態の多段反射型ファラデー回
転子20の第二、第四、第六のファラデー回転子22
b,22d,22fに代えて、図3に示すように,第
一、第三、第五のファラデー回転子22a,22c,2
2eの積層膜と向かい合う位置に配置されて第一、第
三、第五のファラデー回転子22a,22c,22eか
らの反射光を入射して反射する少なくとも1枚の反射体
41(複数枚としてもよい。)を設けるように構成して
もよい(第2実施の形態)。なお、反射体としては、光
学研磨された金属板であってもよく、また光学研磨され
たガラス基板に金属あるいは誘電体多層膜からなる反射
膜が形成されたものであってもよい。金属はAl以外に
も磁気光学薄膜に磁場を印加するSmCo等の硬磁性薄膜で
あってもよい。
【0037】この第2実施の形態も、前記第1実施の形
態と略同様に、実効的な波長範囲が広くなる、すなわち
波長帯域幅の拡大を図ることができると共に、比較的簡
易な構成で波長帯域幅の拡大を果たすことができ、ひい
ては装置の低廉化を図ることができる。
【0038】第1実施の形態の多段反射型ファラデー回
転子20の第二、第四、第六のファラデー回転子22
b,22d,22fは、それぞれ中心波長がそれぞれ、
λ2、λ4、λ6である場合を例にしたが、これに代え
て、図4に示すように、第二、第四、第六のファラデー
回転子22b1,22d1,22f1が中心波長λ1、
λ2、λ3を有するものを用い、第一、第三、第五のフ
ァラデー回転子22a,22c,22e及び第二、第
四、第六のファラデー回転子22b1,22d1,22
f1の各ファラデー回転角をそれぞれ22.5度とする
ように構成してもよい(第3実施の形態)。
【0039】この第3実施の形態も、前記第1実施の形
態と略同様に、実効的な波長範囲が広くなる、すなわち
波長帯域幅の拡大を図ることができると共に、比較的簡
易な構成で波長帯域幅の拡大を果たすことができ、また
各ファラデー回転子を構成する積層膜の積層数を低減で
き、ひいては装置の低廉化を図ることができる。
【0040】次に、本発明の第4実施の形態の多段反射
型ファラデー回転子20を図5に基づいて説明する。第
4実施の形態の多段反射型ファラデー回転子20は、図
5に示すように、1枚の基板23a上に形成され、膜厚
が図5左側(偏光子2側)から右側〈検光子3側〉にな
るに従って厚くなるように連続的に変化する積層膜24
aからなり、かつ反射特性を有する1つのファラデー回
転子221と、ファラデー回転子221の積層膜24a
と向かい合う位置に配置されてファラデー回転子221
からの反射光を入射して反射する一つ(複数であっても
よい。)の反射体41とから、大略構成されている。反
射体41は、基板23aと平行に配置されている。積層
膜24aの一端側(図5左側)に一定の角度をもって入
射した光が、積層膜24aと反射体41との間で反射を
繰り返し、最終的には積層膜24aの他端側(図5右
側)から出射するように構成している。
【0041】前記第2実施の形態の多段反射型ファラデ
ー回転子20(図3)では、個々の波長に対応した3つ
のファラデー回転子(第一、第三、第五のファラデー回
転子22a,22c,22e)を設け、ファラデー回転
子を個別に備えたものになっているが、第4実施の形態
(図5)では、膜厚が連続的に異なるように構成した積
層膜24aからなる1つのファラデー回転子221を設
けて入射した光の個々の波長に対応するようにしてい
る。すなわち、第4実施の形態の多段反射型ファラデー
回転子20では、積層膜24aでの反射を繰り返す度
に、反射する位置での積層膜24aの厚みが変化するこ
とになり、入射した光の波長に対応した積層膜24aの
厚み(光学長)の位置でファラデー回転が生じる。この
第4実施の形態も、前記第1実施の形態と略同様に、実
効的な波長範囲が広くなる、すなわち波長帯域幅の拡大
を図ることができると共に、比較的簡易な構成で波長帯
域幅の拡大を果たすことができ、ひいては装置の低廉化
を図ることができる。
【0042】上記第4実施の形態では、直接積層膜24
aに光を入射させるようにした場合を例にしたが、これ
に代えて、図6に示すように、積層膜24aが形成され
ている透光性基板50を介して光を入射させるように構
成してもよい(第5実施の形態)。この場合には、透光
性基板50の積層膜24aが形成されている反対の面に
反射体41を設ければよい。反射体41としては、金属
あるいは誘電体多層膜等の薄膜状のものがよい。金属に
は、磁気光学薄膜に磁場を印加するSmCo等の硬磁性薄膜
も適用できる。なお、図6に示すように、偏光子2及び
検光子3に関して、透光性基板50における光が入射す
る面及び透光性基板50における光が出射する面にそれ
ぞれを直接に設けるようにしてもよい。この第5実施の
形態では、上述したように積層膜24a及び反射体41
を配置したことにより、積層膜24a及び反射体41
は、透光性基板50の一面(図6下側の面)及び該一面
と反対側の面(図6上側の面)にそれぞれが対向するよ
うに形成されたものになっている。
【0043】この第5実施の形態も、前記第1実施の形
態と略同様に、実効的な波長範囲が広くなる、すなわち
波長帯域幅の拡大を図ることができると共に、比較的簡
易な構成で波長帯域幅の拡大を果たすことができ、ひい
ては装置の低廉化を図ることができる。
【0044】前記第5実施の形態の構成において、反射
体41に代えて、磁気光学薄膜29及び少なくとも1種
類の誘電体薄膜から構成される積層膜からなり、かつ反
射特性を有するファラデー回転子を設けるように構成
(図示省略)してもよい。
【0045】前記第4実施の形態の多段反射型ファラデ
ー回転子20では、ファラデー回転子221が、膜厚が
一方側から他方側になるに従って連続的に厚くなる積層
膜24aからなり、かつ反射特性を有するものである場
合を例にしたが、これに代えて、図7に示すように、膜
厚が一方側から他方側になるに従ってステップ状に厚く
なる積層膜24bからなり、かつ反射特性を有するファ
ラデー回転子222を用いるように構成してもよい(第
6実施の形態)。この第6実施の形態も、前記第4実施
の形態と略同様に、実効的な波長範囲が広くなる、すな
わち波長帯域幅の拡大を図ることができると共に、比較
的簡易な構成で波長帯域幅の拡大を果たすことができ、
ひいては装置の低廉化を図ることができる。
【0046】前記第4実施の形態の構成(図5)におい
て、反射体41に代えて、図8に示すように、磁気光学
薄膜29及び少なくとも1種類の誘電体薄膜から構成さ
れる積層膜24cからなり、かつ反射特性を有するファ
ラデー回転子223を設けるように構成してもよい(第
7実施の形態)。この第7実施の形態も、前記第4実施
の形態と略同様に、実効的な波長範囲が広くなる、すな
わち波長帯域幅の拡大を図ることができると共に、比較
的簡易な構成で波長帯域幅の拡大を果たすことができ、
ひいては装置の低廉化を図ることができる。
【0047】前記第4実施の形態(図5)では、ファラ
デー回転子221の積層膜24aとして、膜厚が図5左
側(偏光子2側)から右側〈検光子3側〉になるに従っ
て厚くなるように連続的に変化するものを用いたが、こ
れに代えて、図9に示すように、膜厚が、偏光子2側
(図9左側)及び検光子3側〈図9右側〉で薄く、中央
部になるに従い厚くなる積層膜24dを設けてファラデ
ー回転子224を構成するようにしてもよい(第8実施
の形態)。この第8実施の形態も、前記第4実施の形態
と略同様に、実効的な波長範囲が広くなる、すなわち波
長帯域幅の拡大を図ることができると共に、比較的簡易
な構成で波長帯域幅の拡大を果たすことができ、ひいて
は装置の低廉化を図ることができる。また、第8実施の
形態(図9)において、積層膜24dの膜厚を左右対称
に増減させた場合には、多段反射する光を積層膜24d
内の同じ膜厚の箇所を左右で2回通過(反射)させるこ
とができる。この場合には、一回の通過(反射)で生じ
るファラデー回転角は22.5度でよく、従って積層膜
の積層数を低減できる。
【0048】次に、本発明の第9実施の形態の多段反射
型ファラデー回転子20を図10に基づいて説明する。
第9実施の形態の多段反射型ファラデー回転子20は、
図10に示すように、1枚の基板24a上に形成され、
膜厚が一定の積層膜24eからなり、かつ反射特性を有
するファラデー回転子225と、ファラデー回転子22
5の積層膜24eと一定の角度をもって向かい合うよう
に配置されてファラデー回転子225からの反射光を入
射して反射する一つ(複数であってもよい。)の反射体
41とから、大略構成されている。
【0049】積層膜24eの一端側(図10左側)に一
定の角度をもって入射した光が、積層膜24eと反射体
41との間で反射を繰り返し、最終的には積層膜24e
の他端側(図10右側)から出射するように構成してい
る。第9実施の形態の多段反射型ファラデー回転子20
では、積層膜24eでの反射を繰り返す度に、多層膜
(積層膜24e)への入射位置が変わると共に、反射体
41が積層膜24eと平行でないことから、多層膜(積
層膜24e)への入射角度が変わることになる。
【0050】そして、入射角度が変わることにより、光
学長が変わり、光学長が変わることによりファラデー回
転子225としての中心波長が変わる。従って、入射し
た光の波長と中心波長が一致した位置(入射角度)でフ
ァラデー回転が生じることになる。その他の反射点で
は、ファラデー回転は生じることがなく、全反射を繰り
返した後、積層膜24eの他端側から出射光として取り
出すことができる。なお、光学特性の微調整が行なえる
ように、反射体と積層膜の位置関係を微調整する機械的
な機構を設けてもよい。
【0051】この第9実施の形態も、前記第1実施の形
態と略同様に、実効的な波長範囲が広くなる、すなわち
波長帯域幅の拡大を図ることができると共に、比較的簡
易な構成で波長帯域幅の拡大を果たすことができ、ひい
ては装置の低廉化を図ることができる。
【0052】上記第9実施の形態(図10)では、直接
積層膜24eに光を入射させるようにした場合を例にし
たが、これに代えて、図11に示すように、積層膜24
eが形成されている透光性基板50aを介して光を入射
させるように構成してもよい(第10実施の形態)。こ
の場合には、透光性基板50aの積層膜24eが形成さ
れている反対の面に反射体41を設ければよい。なお、
図11に示すように、偏光子2及び検光子3に関して、
透光性基板50aにおける光が入射する面及び透光性基
板50aにおける光が出射する面にそれぞれを直接に設
けるようにしてもよい。
【0053】この第10実施の形態も、前記第1実施の
形態と略同様に、実効的な波長範囲が広くなる、すなわ
ち波長帯域幅の拡大を図ることができると共に、比較的
簡易な構成で波長帯域幅の拡大を果たすことができ、ひ
いては装置の低廉化を図ることができる。
【0054】前記第10実施の形態の構成において、反
射体41に代えて、少なくとも磁気光学薄膜と1種類以
上の誘電体薄膜とから構成される積層膜からなり、かつ
反射特性を有するファラデー回転子を設けるように構成
(図示省略)してもよい。
【0055】
【発明の効果】請求項1または請求項6に記載の発明に
よれば、外部から入射した光は、反射を繰り返しなが
ら、複数個のファラデー回転子に入射し、光の波長と一
致した中心波長を有するファラデー回転子でファラデー
回転が生じることになる。複数個のファラデー回転子
は、反射特性を有して(すなわち、反射型であり)出射
光の帯域幅は透過型ファラデー回転子と比較して広くな
る上、各波長特性(中心波長)が異なっているので、実
効的な波長範囲が広くなる、すなわち波長帯域幅の拡大
を図ることができる。波長帯域幅の拡大のために従来技
術で必要とされたプリズム分光器や回折格子等の高価な
光学部品を用いることなく、比較的簡易な構成で波長帯
域幅の拡大を果たすことができるので、装置の低廉化を
図ることができる。
【0056】請求項2、請求項4、請求項5及び請求項
6のいずれかに記載の発明によれば、積層膜での反射を
繰り返す度に、反射する位置での積層膜の厚みが変化す
ることになり、入射した光の波長に対応した積層膜の厚
み(光学長)の位置でファラデー回転が生じる。
【0057】請求項3、請求項4、請求項5及び請求項
6のいずれかに記載の発明によれば、積層膜での反射を
繰り返す度に、積層膜への入射位置が変わると共に、反
射体が積層膜と平行でないことから、積層膜への入射角
度が変わり、これに伴い光学長ひいてはファラデー回転
子としての中心波長が変わることになる。また、多段反
射構造の場合には、一回の反射で必ずしも45度のファ
ラデー回転を生じさせる必要はなく、複数回の反射の総
計としてファラデー回転角が45度となればよいことか
ら積層数を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る多段反射型ファ
ラデー回転子を模式的に示す図である。
【図2】図1の多段反射型ファラデー回転子を構成する
個々のファラデー回転子の膜構造を模式的に示す断面図
である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係る多段反射型ファ
ラデー回転子を模式的に示す図である。
【図4】本発明の第3実施の形態に係る多段反射型ファ
ラデー回転子を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第4実施の形態に係る多段反射型ファ
ラデー回転子を模式的に示す図である。
【図6】本発明の第5実施の形態に係る多段反射型ファ
ラデー回転子を模式的に示す図である。
【図7】本発明の第6実施の形態に係る多段反射型ファ
ラデー回転子を模式的に示す図である。
【図8】本発明の第7実施の形態に係る多段反射型ファ
ラデー回転子を模式的に示す図である。
【図9】本発明の第8実施の形態に係る多段反射型ファ
ラデー回転子を模式的に示す図である。
【図10】本発明の第9実施の形態に係る多段反射型フ
ァラデー回転子を模式的に示す図である。
【図11】本発明の第10実施の形態に係る多段反射型
ファラデー回転子を示す工程図である。
【図12】反射型積層膜ファラデー回転子及び透過型積
層膜ファラデー回転子におけるファラデー回転角及び出
射光率を比較して示す図である。
【図13】反射型積層膜ファラデー回転子を多段接続し
た場合に得られる実効的な波長帯域幅を説明するための
図である。
【図14】従来の反射型積層膜ファラデー回転子の膜構
造の一例を模式的に示す断面図である。
【図15】従来の反射型積層膜ファラデー回転子を用い
て構成される光アイソレータの一例を示す図である。
【符号の説明】
20 多段反射型ファラデー回転子 22a〜22f 第一〜第六のファラデー回転子 221,222,223,224,225 ファラデー
回転子 24,24a,24b,24c,24d,24e 積
層膜 29 磁気光学薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 英樹 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ ア株式会社浜松製作所内 (72)発明者 高山 昭夫 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743−1 ミネベ ア株式会社浜松製作所内 Fターム(参考) 2H079 AA03 AA12 BA02 EA00 GA01 KA14 2H099 AA01 BA02 CA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁気光学薄膜と1種類以上の
    誘電体薄膜とから構成される積層膜からなり、かつ反射
    特性を有するファラデー回転子を複数個備え、該複数個
    のファラデー回転子はその波長特性が異なると共に、前
    記複数個のファラデー回転子に関して、一のファラデー
    回転子からの反射光の他のファラデー回転子への入射が
    連続して順次行われるように多段配置したことを特徴と
    する多段反射型ファラデー回転子。
  2. 【請求項2】 少なくとも磁気光学薄膜と1種類以上の
    誘電体薄膜とから構成される膜厚が連続的に又はステッ
    プ状に変化する積層膜からなり、かつ反射特性を有する
    ファラデー回転子と、該ファラデー回転子の積層膜と向
    かい合う位置に配置されて前記ファラデー回転子からの
    反射光を入射して反射する少なくとも一つの反射体とを
    備えたことを特徴とする多段反射型ファラデー回転子。
  3. 【請求項3】 少なくとも磁気光学薄膜と1種類以上の
    誘電体薄膜とから構成される膜厚が一定の積層膜からな
    り、かつ反射特性を有するファラデー回転子と、該ファ
    ラデー回転子の積層膜と一定の角度をもって向かい合う
    ように配置されて前記ファラデー回転子からの反射光を
    入射して反射する少なくとも一つの反射体とを備えたこ
    とを特徴とする多段反射型ファラデー回転子。
  4. 【請求項4】 請求項2または請求項3記載の構成にお
    いて、前記積層膜及び前記反射体は、透光性基板の一面
    及び該一面と反対側の面にそれぞれが対向するように形
    成されていることを特徴とする多段反射型ファラデー回
    転子。
  5. 【請求項5】 請求項2から請求項4までのいずれかに
    記載の構成において、前記反射体に代えて、少なくとも
    磁気光学薄膜と1種類以上の誘電体薄膜とから構成され
    る積層膜からなり、かつ反射特性を有するファラデー回
    転子を設けたことを特徴とする多段反射型ファラデー回
    転子。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれかに
    記載の構成において、前記積層膜は、屈折率が異なる2
    種類の誘電体薄膜からなる周期的誘電体多層膜二組と、
    該二組の周期的誘電体多層膜に挟まれた磁気光学薄膜
    と、前記一組の周期的誘電体多層膜の前記磁気光学薄膜
    と接触している面の反対面に形成され、光を反射する金
    属薄膜とからなることを特徴とする多段反射型ファラデ
    ー回転子。
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