JPH05333124A - 反射型光磁界センサヘッド - Google Patents

反射型光磁界センサヘッド

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JPH05333124A
JPH05333124A JP4142929A JP14292992A JPH05333124A JP H05333124 A JPH05333124 A JP H05333124A JP 4142929 A JP4142929 A JP 4142929A JP 14292992 A JP14292992 A JP 14292992A JP H05333124 A JPH05333124 A JP H05333124A
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optical
magnetic field
film
field sensor
bismuth
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JP4142929A
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English (en)
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Kazushi Shirai
一志 白井
Toshihiro Shinpo
利弘 新保
Norio Takeda
憲夫 武田
Kozo Arii
光三 有井
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • G01R33/032Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using magneto-optic devices, e.g. Faraday or Cotton-Mouton effect
    • G01R33/0322Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using magneto-optic devices, e.g. Faraday or Cotton-Mouton effect using the Faraday or Voigt effect

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビスマス置換磁性ガーネット膜を利用した、
小型軽量、低価格での量産が可能な、反射型光磁界セン
サを提供する。 【構成】 光入出力路、偏光子、ファラデー回転子、反
射膜の順に配置された反射型光磁界センサヘッドにおい
て、ファラデー回転子として[111]軸が膜法線に対
して5度乃至60度の範囲内で傾斜している(111)
ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜を採用した。 【効果】 非常に狭い空間における磁界の有無を、容易
に、且つ、高精度で検出し、識別することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスマス置換磁性ガー
ネット膜のファラデー効果を利用した光磁界センサに関
する。更に詳しく言えば、本発明は、ファラデー回転子
として、その[111]軸が膜法線に対して5度乃至6
0度の範囲内で傾いているビスマス置換磁性ガーネット
単結晶膜を用いることを特徴とする反射型光磁界センサ
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、一般に汎用されている工業装置や
民生機器などには、モーターや歯車などの回転装置や回
転部分を有しているものが多い。科学技術の進歩と地球
環境保護・省エネルギーに対する社会的要請の高まりか
ら、産業装置、例えば、航空機や船舶などや民生機器、
例えば、乗用車などの制御を、より高度・高精度に実施
して対応しようとの試みがなされるようになってきた。
回転機器・回転装置のより高度・高精度な制御を実現す
るためには、その回転速度〔数〕を連続的に、しかも正
確に測定しなければならない。そのためには、先ず、よ
り正確に回転速度を計測することのできる簡便で、より
軽量な測定装置を開発して、より安価に、しかも、大量
に提供して、社会的要請に答える必要がある。
【0003】回転速度〔数〕を測定する方法として、既
に、電磁誘導を利用する方法〔センサ技術、1986年、12
月号、68ページ〕や磁気光学材料のファラデー効果を利
用した光磁界センサを用いる方法〔アプライド オプテ
イックス(Applied Optics),Vol.28, No.11, p1992(198
9)〕が提案されている。電磁誘導を利用する方法は、既
に、航空機や自動車用エンジンなどの回転速度〔数〕の
計測・測定に用いられている。しかし、電磁誘導を利用
した回転速度計には、計測端子と機器本体との間の伝送
線路〔ケーブル〕で電磁気的雑音を受け易いと言った重
大な欠点がある。また、電気回路を用いるため、有機溶
剤などの可燃性物質、即ち、危険物を取り扱う施設、換
言すれば、危険物製造所や危険物取扱所では、防爆対策
を実施しなければならないと言う重大な問題点がある。
【0004】磁気光学材料のファラデー効果を利用した
光磁界センサを用いる方法は、光磁界センサに永久磁石
〔磁界〕が接近すると、光磁界センサ中の磁気光学材料
の偏波面が、磁界〔磁石〕の有無によって回転すること
を利用するものである。即ち、光磁界センサ中の磁気光
学材料を透過する光の偏波面の回転を、光強度の変化に
変換して検知・計数して回転速度〔数〕を測定しようと
するものである〔ナショナル テクニカル レポート(N
ational Technical Report), Vol.29, No.5, p70(198
3)〕。
【0005】光磁界センサには、透過型と反射型とがあ
る。透過型は、その構成部品の性質から、信号光の入
射、および、透過の方向が一直線上に並ぶように配置・
配列しなければならないため、その設置場所に制約があ
り、その使用目的と設置場所によっては、設置・採用す
ることができない。
【0006】透過型光磁界センサの欠点を改善する構成
として反射型の光磁界センサが提案されている〔特開昭
56-55811、特公平3-22595 〕。ここに提案されている反
射型の光磁界センサは、信号光の入力用光ファイバと出
力用光ファイバが、ファラデー回転子に対して、同じ
側、換言すれば、出力用光ファイバが入力用光ファイバ
と同じ方向、更に換言すれば、ファラデー回転子は、光
磁界センサの先端部に配置・設置されている。故に、反
射型光磁界センサは、取付け空間が狭くて透過型光磁界
センサが設置できないような夾雑な、狭い空間にも設置
することができると言った特徴を有している。しかし、
松井らの提案〔特開昭56-55811〕になる反射型光磁界セ
ンサは、レンズと偏光子、および、レンズと検光子を直
列に並べて、しかも、並列に配置しなければならないた
め組立作業の自動化が難しく、従って、製造コストの低
減が困難であるという重大な問題点を残している。
【0007】また、松村ら〔特公平3-22595 〕は、松井
らの提案した反射型光磁界センサヘッドの問題点を解決
する方法として、偏光子と検光子とを、一つの偏光子に
置き換える構成を提案している〔図1参照〕。図1にお
いて、符号1 は半導体レーザ等からなる光源、符号2 は
レンズ、符号3 は入射光の一部を反射させ、一部を透過
するハーフミラー、符号4 は光ファイバ、符号5 は偏光
子、符号6 はファラデー回転子、符号7 は金属薄膜等か
らなる反射膜、符号8 は光検出器(パワーメータ)であ
る。光源1 から出射された信号光は、レンズ2 、ハーフ
ミラー3 を経て光ファイバ4 に集光・導かれる。光ファ
イバ4 に導かれた信号光は、偏光子5 、および、ファラ
デー回転子6 を透過して反射膜7 に至る。反射膜7 に到
達した信号光は、反射膜7 で反射して逆進し、再び、フ
ァラデー回転子6 、偏光子5 に入射する。偏光子5 を透
過した信号光〔反射戻り光〕は、光ファイバ4に入射す
る。光ファイバ4 に入射した信号光〔反射戻り光〕は、
ハーフミラー3 に入射する。ハーフミラー3 に入射した
信号光〔反射戻り光〕は、ハーフミラー3 によって一部
反射して光検出器8 に達し、光強度が測定される。
【0008】松村らは、ファラデー回転子〔磁気光学材
料〕として、イットリウム・鉄・ガーネット(化学構造
式:Y3Fe5O12)を用いている。イットリウム・鉄・ガー
ネート(化学構造式:Y3Fe5O12)は、通常一般に、YI
Gと称され、融液法などの公知の方法で容易に製造する
ことができる。イットリウム・鉄・ガーネット(YIG)
は、従来から、ファラデー回転子として使用されてきた
常磁性ガラスやセレン化亜鉛(ZnSe)等に比べてファラデ
ー効果が大きいという優れた特性を有している。従っ
て、松村らの提案、即ち、イットリウム・鉄・ガーネッ
ト(YIG) を、反射型光磁界センサのファラデー回転子と
して使用するとの提案は、反射型光磁界センサヘッドを
より一層小型化、高性能化する方法の一つであると言え
る。
【0009】イットリウム・鉄・ガーネット(YIG) を、
反射型光磁界センサのファラデー回転子として使用する
との提案は、その特性の点で極めて興味のある提案であ
ると言える。しかし、イットリウム・鉄・ガーネット(Y
IG) の光の透過性に関する性質・特徴を考えるとき、光
磁界センサの磁気光学材料、即ち、ファラデー回転子と
しての実用性に疑問が生じる。即ち、既に、イットリウ
ム・鉄・ガーネット(YIG) が、波長 1.1μm 以上の近赤
外波長領域の光を良く透過し、波長領域 0.8μm 帯の光
を良く吸収すると言う特徴ある性質を有していることが
知られているからである。
【0010】現在、通常一般に、光センサの光源として
は、 0.78 μm 乃至 0.85 μm に中心波長を有する半導
体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED) が賞用・汎用され
ている。半導体レーザ(LD)や発光ダイオード(LED) が光
センサの光源として汎用されている理由は、既に、光源
装置として安価に市販されており、しかも、光検出器の
感度も高いからである。従って、光磁界センサの光源と
して、市販の光源装置を使用するのが最も好ましい、換
言すれば、市販の光源装置を使用して、高感度に作動す
る光磁界センサを安価に提供するのが社会的要請に答え
る最良の対応方法であることは言うまでもない。
【0011】イットリウム・鉄・ガーネット(YIG) が、
波長領域 0.8μm 帯の光を良く吸収すると言うことは、
光源として、市販の光源装置を使用すると、光信号の検
出が困難になる可能性があることを意味している。即
ち、イットリウム・鉄・ガーネット(YIG) には、光磁界
センサ用磁気光学材料、即ち、ファラデー回転子に要求
される物性・性質に、基本的な欠点・欠陥があることを
示している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者らは、松村
らの提案に強い興味と危惧の念とを抱いた。従って、本
願発明者らは、イットリウム・鉄・ガーネット(YIG) の
欠点・危惧を回避する方法について、種々の検討を実施
した結果、磁気光学材料として注目されているビスマス
置換磁性ガーネットに、その可能性を見い出した。ここ
に提案するビスマス置換磁性ガーネットは、液相エピタ
キシャル(LPE) 法で、比較的容易に製造することがで
き、しかも、量産性にも優れている。ビスマス置換磁性
ガーネットは、化学構造式 (RBi)3(FeA)5O12 で表され
る。ここに、Rは、イットリウムY、或いは、希土類元
素を意味し、Aは、アルミニウムAlやガリウムGaなどの
ことを意味する。
【0013】ビスマス置換磁性ガーネットのファラデー
回転係数、換言すれば、磁化が飽和された状態における
単位膜厚当たりの偏波面の回転角は、イットリウム・鉄
・ガーネット(YIG) のファラデー回転係数に比べて数倍
以上、更に具体的に言えば、例えば、波長 0.8μm にお
いて約10倍も大きい。従って、磁気光学材料として同じ
効果を期待する場合には、ファラデー回転係数に比例し
て磁気光学材料の膜厚を薄くすることが可能であり、そ
の結果として、光の吸収損失が少なくなり、より小さ
く、小型化することができることを示唆している。即
ち、磁気光学材料の材質を、イットリウム・鉄・ガーネ
ット(YIG) からビスマス置換磁性ガーネットに替えるこ
とによって、素子の膜厚が薄くなり、光の吸収損失が少
なくなり、波長領域 0.8μm 帯の光を光源とする光磁界
センサの開発が可能であることを示唆している。
【0014】また、ビスマス置換磁性ガーネットの飽和
磁界〔 500〜1200 Oe 〕は、イットリウム・鉄・ガーネ
ット(YIG) の飽和磁界〔約1800 Oe 〕の半分程度であ
る。従って、弱い磁界の測定も可能であると期待され
る。弱い磁界の測定が可能であると言うことは、永久磁
石と光磁界センサとの距離・間隔をより長くすることが
できると言うことを意味している。このことは、光磁界
センサの配置・設置の自由度・フレキシビリティーの向
上を意味しており、光磁界センサの利用分野の拡大の可
能性を示唆するものである。
【0015】本願発明者らは、上述した検討結果等か
ら、ビスマス置換磁性ガーネットを磁気光学材料、即
ち、ファラデー回転子とする反射型光磁界センサの開発
が可能であるとの確信を得て、更に、種々の基礎実験、
および、開発実験を実施した。本願発明者らは、先ず、
松村らの開示、即ち、特公平3-22595 明細書の記載に従
って、イットリウム・鉄・ガーネット(YIG) の替わりに
ビスマス置換磁性ガーネットを用いて反射型光磁界セン
サ〔図1参照〕を製作して、磁界強度を種々に変化させ
ながら光信号の検出実験を実施した。しかし、外部磁界
の印加の有無にかかわらず、光信号を、全く検知・検出
することが出来なかった。拠って、光信号を検出するこ
とが出来ない理由・原因を究明するために、種々の基礎
実験を行なった。その結果、本願発明者らは、図1に示
した反射型光磁界センサでは、ファラデー回転素子とし
て多数の磁区を有する多磁区構造体を用いると、外部磁
界の印加の有無にかかわらず、光の強度に変化が生じな
いとの結論を得た。
【0016】ここに得られた本願発明者らの実験・検討
結果は、ビスマス置換磁性ガーネットと同じ多磁区構造
体であるイットリウム・鉄・ガーネット(YIG) をファラ
デー回転素子として実施した松村らの実験結果、即ち、
特許公報〔特公平3-22595 〕明細書実施例の記載と一致
しない。未だ、本願発明者らには、イットリウム・鉄・
ガーネット(YIG) 同じ多磁区構造体であるビスマス置換
磁性ガーネットが、ファラデー回転素子として有効に機
能しない理由がわからない。
【0017】本願発明者らは、上述した実験結果を、更
に詳細に検討すると共に、詳細な基礎実験を行なった結
果、反射膜、(111)ビスマス置換磁性ガーネット単
結晶膜、偏光子、光入出力装置から構成し、しかも、光
入出力装置の光入出力用の光路を二つに分離し、ここに
分離した光入力路と光出力路の二つの光路のなす角度が
5度以上になるように設定・配置することによって反射
型の光磁界センサを構成することができるとの知見を得
て、更に、鋭意研究検討を行い、ビスマス置換磁性ガー
ネット製ファラデー回転子を用いる反射型光磁界センサ
として完成させた〔特願平4-90976、図2参照〕。図2
において、符号10は偏光子を、符号11は磁化容易軸が膜
面に垂直な(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結
晶膜からなるファラデー回転子を意味し、ここに外部磁
界が印加される。また、符号12は、誘電体多層膜等から
なる反射膜を、符号13はガラスや高分子上に形成された
光導波路、または、光ファイバからなる光入力路を、符
号14はガラスや高分子上に形成された光導波路、また
は、光ファイバからなる光出力路を意味する。
【0018】図2の構成からなる反射型光磁界センサで
は、半導体レーザなどの光源16から出射された信号光
は、レンズ15を経て、光入力路13に導かれる〔レンズ15
を省略し、光入力路13と光源16を直接結合することも可
能である〕。光入力路13に入射した信号光は、センサヘ
ッドに至り、偏光子10、および、ファラデー回転子11を
透過して反射膜12に至る。反射膜12に到達した信号光
は、反射膜12で反射して戻り、ファラデー回転子11、次
いで、偏光子10を透過して光出力路14に入射して光検出
器17に至り、光信号として検出される。即ち、図2の構
成からなる反射型光磁界センサは、光入出力装置の光入
出力用の光路は二つに分離されて、各々独立した光入力
路13と光出力路14として構成されており、しかも、入力
路13と光出力路14のなす角度αが、5度以上になるよう
に配置・構成されている。
【0019】ここに提案したビスマス置換磁性ガーネッ
ト製ファラデー回転子を用いる反射型光磁界センサは、
現在一般に、光磁界センサに要求されている性能を十分
に保有している。しかし、ここに提案した反射型光磁界
センサは、光入力路と光出力路の二本の光路を必要と
し、しかも二本の光路を、約5度以上の角度をもたせて
配置しなければならない〔特願平4-90976〕とか、ファ
ラデー回転子を、偏光子、および、反射ミラーの法線に
対して傾斜させて配置しなければならない〔特願平4-11
6141〕とか、或いは、長辺面〔斜面〕が向き合って配置
されている2個の直角プリズムの長辺面〔斜面〕の間に
(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜を挟ん
で一体的に構成しなければならない〔特願平4-130674〕
などと言った技術的改良の余地を残している。拠って、
本願発明者らは、ここに残された技術的改良の余地を改
善して、その組立作業、および、調整操作の容易な、し
かも、ジャイロやタービンなどの回転軸の軸中心に穿た
れた直径数ミリメートルの円筒の中のような、非常に狭
い場所の磁界の測定に供することの出来る反射型光磁界
センサを開発するために鋭意改良研究を行い、本願発明
を完成させた。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述したように、本願発
明者らは、(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結
晶膜をファラデー回転子とする反射型光磁界センサの開
発に成功した。しかし、なお、その組立作業、および、
調整操作が難しいと言った技術的改良の余地が残されて
いる。従って、本願発明者らは、社会的要請に答えるべ
く鋭意改良研究実験を行なった結果、特定のビスマス置
換磁性ガーネット単結晶膜、更に具体的に言えば、その
[111]軸が膜法線に対して5度乃至60度の範囲内
で傾いているビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜を使
用して構成することによって、組立作業、および、調整
操作の極めて容易な反射型光磁界センサが得られるとの
知見を得て、更に、鋭意改良研究を行い、本願発明を完
成させた。即ち、本願発明は、光入出力路、偏光子、
(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜〔ファ
ラデー回転子〕、反射膜の順に配置された光磁界測定装
置において、その[111]軸が膜法線に対して5度乃
至60度の範囲内で傾いているビスマス置換磁性ガーネ
ット単結晶膜をファラデー回転子として構成した反射型
光磁界センサに関する。
【0021】本願発明のビスマス置換磁性ガーネット製
ファラデー回転子を用いる反射型光磁界センサヘッド
は、光入出力路、偏光子、特定の(111)ビスマス置
換磁性ガーネット単結晶膜〔ファラデー回転子〕、およ
び、反射膜で構成されている。本願発明の反射型光磁界
センサヘッドは、光源装置側から、磁界センサヘッド
は、光入出力路、偏光子、特定の(111)ビスマス置
換磁性ガーネット単結晶膜〔ファラデー回転子〕、反射
膜の順に、換言すれば、光磁界センサヘッドの先端部か
ら、反射膜、特定のビスマス置換磁性ガーネット単結晶
膜、偏光子、光入出力路の順に配置されている〔図3参
照〕。ここに使用されるファラデー回転子、即ち、特定
の(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜と
は、その[111]軸が、膜法線から5度乃至60度の
範囲内で傾いている単結晶のことを意味する〔図4参
照〕。
【0022】図3において、符号20は、ポーラコア等か
らなる偏光子を、符号21は、特定の(111)ビスマス
置換磁性ガーネット単結晶膜からなるファラデー回転子
を、符号22は、金薄膜等からなる反射膜を、また、符号
23は、光ファイバや光導波路などからなる光入出力路で
ある。ここに、反射型光磁界センサヘッドの小型化の観
点から、該光入出力路23が、光入力用の光路であると同
時に、反射膜22で反射した信号光を光検出器に入射させ
るために分岐・分離する機能を有していても良いことは
言うまでもない。
【0023】上述したように、多磁区構造を有するビス
マス置換磁性ガーネット単結晶膜をファラデー回転子と
する反射型光磁界センサでは、光入出力路から出射され
た光信号が、偏光子、ビスマス置換磁性ガーネット単結
晶を透過して反射膜に至り、反射膜で反射して、再び、
ビスマス置換磁性ガーネット単結晶に入射して透過し、
光入出力路に入射するまでの間に、複数の異なる磁区、
即ち、磁区aと磁区bとを通過する必要がある〔特願平
4-90976、特願平4-116141、特願平4-130674、図5参
照〕。
【0024】本願発明では、光入出力路から出射された
光信号を、特定の磁区構造を有する(111)ビスマス
置換磁性ガーネット単結晶膜からなるファラデー回転子
を採用することによって複数の異なる磁区、即ち、磁区
aと磁区bを通過させている〔図6参照〕。即ち、本願
発明では、磁化容易軸〔磁化の向き易い方向〕が膜法線
に対して或る角度で傾いている。
【0025】光磁界センサによる磁界の検出において、
反射膜以外の反射面、更に具体的に言えば、偏光子表面
やビスマス置換磁性ガーネット単結晶表面などからの反
射戻り光と光源の光強度の変動等の影響を考慮すると
き、センサヘッドに磁界が印加されていない時と磁界が
印加されてビスマス置換磁性ガーネット単結晶が磁気的
にほぼ飽和されている時との光信号の強度が、光信号強
度の差ΔPとして、少なくとも2dB以上必要であること
が知られている〔特願平4-90976〕。
【0026】本発明を実施するとき、特定の(111)
ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜、即ち、[11
1]軸が膜法線から角度γだけ傾いている(111)ビ
スマス置換磁性ガーネット単結晶膜を光入出力路の光路
中心に対してほぼ垂直に配置すると、光信号強度の差Δ
Pは、角度γが5度以上のときに2dB以上になり、更に
角度γが大きくなると大きくなる。従って、感度の観点
からすれば、[111]軸の膜法線からの傾き角度γが
大きいほど好ましいと言える。しかし、傾き角度が大き
くなり過ぎると、ビスマス置換磁性ガーネット単結晶の
育成に際して、種々の問題点が生じる。通常一般に、ビ
スマス置換磁性ガーネット単結晶は、非磁性ガーネット
板を基板とする液相エピタキシャル(LPE) 法〔スィン
ソリッド フィルムズ(Thin Solid Films), Vol.114, p
33(1984)〕で製造される。また、既に、基板として[1
11]軸が膜法線から傾いた非磁性ガーネット基板を使
用して液相エピタキシャル(LPE) 法で基板上にビスマス
置換磁性ガーネット単結晶膜を成長させると、基板と同
様に[111]軸の傾いたビスマス置換磁性ガーネット
単結晶膜が得られ、同時に磁化容易軸もほぼ[111]
軸と同等、若しくは、それ以上に傾くこと〔ジャーナル
アプライド フィジックス(Journal Applied Phisic
s), Vol.51,p4939(1980)〕が知られている。本願発明の
ファラデー回転子、即ち、[111]軸の膜法線から傾
いた(111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜を
得る、換言すれば、(111)ビスマス置換磁性ガーネ
ット単結晶膜の[111]軸を膜法線からγ度傾けるた
めには、更に具体的に言えば、磁化容易軸を膜法線か
ら、おおよそγ度傾けるためには、[111]軸が法線
からγ度傾いた非磁性基板を使用しなければならない。
非磁性ガーネット基板、例えば、(CaGd)3(ZrMgGa)5O12
基板は、チョクラルスキー法で製造される。通常一般
に、非磁性ガーネット基板は、結晶欠陥の最も少ない方
位として[111]軸が選ばれる〔スィン ソリッド
フィルムズ(ThinSolid Films), Vol.114, p59(198
4)〕。[111]軸が法線からγ度傾いた非磁性基板
は、そのインゴットから、当該インゴットを所望の傾き
角度γだけ傾けて切り出さなければならない。従って、
[111]軸の法線からの傾き角度γが大きくなるほ
ど、当該インゴットから得られる、換言すれば、切り出
される基板の枚数が少なくなり、基板の価額が高価にな
る。
【0027】本発明を実施するとき、偏光子は、特に特
殊なものである必要はなく、通常一般に市販されている
ものの中から、所望によって、適宜に選んで用いれば良
い。しかし、厚さが薄いとか、消光比が高いと言った点
で、特に、二色性偏光子が好適である。
【0028】本発明を実施するとき、ファラデー回転
子、即ち、ビスマス置換磁性ガーネットの組成には、特
に制限はないが、一般式、 R3-X BiX Fe5-Z AZ O12 〔但し、Rは、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの群から選ばれる少なくとも一
種であり、Aは、Ga、Sc、Al、Inの群から選ばれる少な
くとも一種であり、しかも、0.3 ≦X< 2.0、0≦Z≦
1.0 である〕で示される磁性ガーネット単結晶の中から
適宜に選ぶのが好ましい。
【0029】本発明の意味するビスマス置換磁性ガーネ
ット単結晶は、液相エピタキシャル(LPE) 法〔スィン
ソリッド フィルムズ(Thin Solid Films), Vol.114, p
33(1984)〕により、単に基板を変更することによって、
容易に製造することができる。なお、ここに使用する非
磁性ガーネット基板は、チョクラルスキー法によって製
造したインゴット、例えば、(CaGd)3(ZrMgGa)5O12 、或
いは、一般に、液相エピタキシャル基板用として市販さ
れている格子定数が 12.490 Å、乃至、12.515Åの非磁
性ガーネット[(GdCa)3(GaMgZr)5O12 ]〔SGGG基板と称
される〕を所望の傾き角度γに裁断して得られる。本発
明を実施するとき、非磁性ガーネット基板の[111]
軸の法線からの傾き角度γは、その経済性等を考慮し
て、5度乃至60度、より好ましくは、10度乃至45
度の範囲内に選ぶのが良い。
【0030】本発明を実施するとき、ビスマス置換磁性
ガーネット膜形成用の非磁性ガーネット基板は、特に除
去することを要しない。むしろ、ビスマス置換磁性ガー
ネット単結晶膜の膜厚が数十μm と非常に薄い場合は、
取扱い易さの観点から支持体・補強材として基板を残し
ておくのが好ましい。一方、ビスマス置換磁性ガーネッ
トの膜厚が数百μm と非常に厚い場合には、強度の点で
支持体としての必要性がないので、小型化するという観
点から、研磨法によって除去しても良い。
【0031】本発明を実施するとき、反射膜には特に制
限はない。通常一般に市販されているガラス等に金属を
蒸着した金属薄膜鏡・ミラー、または、ビスマス置換磁
性ガーネット薄膜、或いは、非磁性基板の表面に金、或
いは、アルミニウム等を蒸着した金属薄膜ミラー、若し
くは、SiO2やTiO2等の金属酸化物の多層膜からなる誘電
体多層膜ミラーの中から所望によって適宜に選べばよ
い。また、直接、ビスマス置換磁性ガーネット単結晶か
らなるファラデー回転子の非磁性ガーネット基板の表面
に金、或いは、アルミニウム等を蒸着させてもよい。
【0032】本発明を実施するとき、光入出力路は、特
に特殊なものである必要はなく、通常一般に市販されて
いる光ファイバや、或いは、ガラスや高分子フィルム母
材内にパターニングされている光導波路、および、空中
伝搬路などの中から所望によって適宜に選べば良い。通
常一般には、その量産性や小型化の観点から、特に、光
ファイバを選ぶのが好ましい。
【0033】光入出力路を光ファイバで形成するとき、
使用する光ファイバの種類等には、特に制限はない。し
かし、ここに使用する光ファイバのコア直径を 50 μm
以下に選ぶと、ビスマス置換磁性ガーネットの磁区幅の
影響が現れて感度が不安定になったり、或いは、光の結
合効率が低下することがある。従って、通常一般的に
は、市販のコア径 50 μm 以上の光ファイバの中から適
宜に選択すれば、十分にその目的を達成することができ
る。
【0034】本発明を実施するとき、本願発明のビスマ
ス置換磁性ガーネット製ファラデー回転子を用いる反射
型光磁界センサヘッドと光源、および、光検出器との結
合は、図1に例示したハーフミラーを使用する方法、お
よび、光導波路や光カプラ等の信号光の分岐器を使用す
る方法によってなされる。
【0035】光磁界測定装置の光源の波長は、ファラデ
ー回転子の感度、光透過率、光源の性能と価格、およ
び、検知器の感度などを総合的に考慮して選択される。
本発明を実施するとき、光源の波長は、 ビスマス置換磁性ガーネットには、ウインドと呼ばれ
る光吸収係数の比較的小さい領域がある ビスマス置換希土類磁性ガーネットのファラデー回転
係数が大きい ビスマス置換磁性ガーネットの膜厚が 30 乃至 100μ
m で製造が容易である 高出力の短波長半導体レーザや発光ダイオードが安価
に市販されている 光検出器の感度が高く、しかも、安価に入手できる などの理由によって、波長 780nm乃至 850nmの近赤外光
を選ぶのが好ましい。また、次善の策として、光ファイ
バ通信で実用化されている 1300nm と 1550nm の波長
帯、または、YAGレーザが使用可能な 1060nm の波長
帯の光を選ぶことも可能である。しかし、光源の波長
が、上記の範囲を逸脱すると、光吸収が大きくなった
り、或いは、ビスマス置換磁性ガーネットのファラデー
回転係数が小さくなるなどの障害が現れるため、信号光
の検出が困難になったり、ファラデー回転子の膜厚を厚
くしなければならなくなるなどの種々の問題点が生じる
ので好ましくない。
【0036】以下、本発明を実施例によって、その実施
態様と効果を具体的に、かつ詳細に説明するが、以下の
例は、具体的に説明するためのものであって、本発明の
実施態様や発明の範囲を限定するものとしては意図され
ていない。
【0037】
【実施例】
実施例1 常法に従って、チョクラルスキー法によって製造された
1インチのガーネット単結晶[(GdCa)3(GaMgZr)5O12
インゴット]〔格子定数 12.498 ± 0.002Å〕を[11
2]軸方向に5度傾けて裁断して[111]軸が膜法線
から5度傾いた厚さ 500μm の (111)ガーネット単結晶
[(GdCa)3(GaMgZr)5O12 ]基板を得た。容量 500mlの白
金製ルツボに、酸化鉛[PbO 、4N]843g、酸化ビスマス
[Bi2O 3 、4N]978g、酸化第2鉄[Fe2O3 、4N]128g、
酸化ほう素[B2O3、5N]38g 、酸化テルビウム[Tb
4O7 、3N]4.0g、および、酸化ホルミウム[Ho2O3 、3
N]9.0gを仕込んだ。これを精密縦型管状電気炉の所定
の位置に設置し、1000℃に加熱して溶融し、十分に攪拌
して均一に混合させたのち、融液温度 768℃にまで冷却
してビスマス置換磁性ガーネット単結晶育成用融液を得
た。次いで、常法に従って、ここに得られた融液の表面
に、上記の (111)ガーネット単結晶基板の片面を接触さ
せて、融液温度を 768℃に維持しながら 2.5時間のエピ
タキシャル成長を行った。ここに得られた結晶は、Ho
1.1Tb0.6Bi1.3Fe5O12 [(HoTbBiIG)単結晶]の組成を有
する (111)ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜で、そ
の膜厚は 51 μm であった。また、磁化を飽和させた状
態でのファラデー回転角θF は、波長 786nmで 47.7 度
であった。次いで、常法に従って基板側の表面に、蒸着
法によりアルミニウムを蒸着させて反射膜22、即ち、ミ
ラーを形成させた。次いで、常法により、(HoTbBiIG)単
結晶側に反射防止膜を施して所定の大きさ〔 2.5mm×2.
5mm 〕に裁断してファラデー回転子−反射膜ブロックを
得た〔図3参照〕。ここに得られたファラデー回転子−
反射膜ブロックの(HoTbBiIG)単結晶側の表面に、反射防
止膜を施した偏光子20〔コーニング社製商品名ポーラコ
ア〕を取り付けて、エポキシ系接着剤で固定した。エポ
キシ系接着剤が十分に固化したのちに、光入出力路23と
してコア径 400μm のポリマクラッド光ファイバを取り
付けて光磁界センサヘッドを得た。ここに得られた光磁
界センサヘッド〔図3参照〕を反射型光磁界センサ〔図
1参照〕の光磁界センサヘッドの替わりに取り付けた。
光磁界センサヘッドを磁界印加装置〔マグネテイック社
製、MAGNET〕の所定の位置に設置した。光磁界センサヘ
ッドの磁界の印加状態を種々に変化させながら、光源
〔半導体レーザ、シャープ社製、LT024MD/PD型〕1 から
波長 0.786μm の信号光を出射して、レンズ2 、ハーフ
ミラー3 、光入出力路〔光ファイバ〕23、偏光子20、フ
ァラデー回転子21を経て反射膜22に至り、反射膜22で反
射して、再び、ファラデー回転子21、偏光子20、光入出
力路〔光ファイバ〕23を経てハーフミラー3 に至り、ハ
ーフミラー3 で光路が曲がり光検出器〔安藤電気製、商
品名パワーメータ、AQ-1111 型〕8 に到達した信号光の
光強度を測定した。その結果、ファラデー回転子に磁界
強度 1000 Oe の磁界を印加したときに、ファラデー回
転子は磁気的に飽和した。また、ファラデー回転子に磁
界を印加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度 1
000 Oe の磁界を印加した状態との光強度差は 2.5dBで
あった。
【0038】実施例2 実施例1において、ガーネット単結晶[インゴット]を
[112]軸方向に20度傾けて裁断した以外は、全て
実施例1と同様にして (111)ビスマス置換磁性ガーネッ
ト単結晶膜を得た。ここに得られた (111)ビスマス置換
磁性ガーネット単結晶膜の膜厚は 47 μm で、磁化を飽
和させた状態でのファラデー回転角θFは、波長 786nm
で 42.6 度であった。ここに得られた (111)ビスマス置
換磁性ガーネット単結晶膜を用いた以外は、全て実施例
1と同様にして光磁界センサヘッドを作製し、実施例1
と同様にして光強度差を測定したところ 5.0dBであっ
た。
【0039】実施例3 実施例1において、ガーネット単結晶[インゴット]を
[112]軸方向に30度傾けて裁断した以外は、全て
実施例1と同様にして (111)ビスマス置換磁性ガーネッ
ト単結晶膜を得た。ここに得られた (111)ビスマス置換
磁性ガーネット単結晶膜の膜厚は 44 μm で、磁化を飽
和させた状態でのファラデー回転角θFは、波長 786nm
で 40.3 度であった。ここに得られた (111)ビスマス置
換磁性ガーネット単結晶膜を用いた以外は、全て実施例
1と同様にして光磁界センサヘッドを作製し、実施例1
と同様にして光強度差を測定したところ 8.2dBであっ
た。
【0040】実施例4 実施例1で用いた光磁界センサヘッドを高分子光導波路
からなる光分岐器〔三菱瓦斯化学製、200S-D2 型、光フ
ァイバコア径 200μm 〕の光入射口〔光ファイバ〕に取
り付けた。光出射口〔光ファイバ〕に半導体レーザ光源
〔ケエテ システムサービス社製、安定化LD光源、KL
D-780 型、波長 0.783μm 〕を、光分岐口〔Y分岐口、
光ファイバ〕に光検出器〔安藤電気製、商品名パワーメ
ータ、AQ-1111 型〕を取り付けた。光磁界センサヘッド
を磁界印加装置〔マグネテイック社製、商品名 MAGNET
〕の所定の位置に設置した。光磁界センサヘッドの磁
界の印加状態を種々に変化させながら、光源から波長0.
786μm の信号光を出射して、光検出器35に到達した信
号光の光強度を測定した。ファラデー回転子に磁界を印
加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度1000 Oe
の磁界を印加した状態との光強度差は 2.3dBであっ
た。
【0041】実施例5 実施例4において、実施例1で用いた光磁界センサヘッ
ドの替わりに、実施例2で用いた光磁界センサヘッドを
使用した以外は、全て実施例4と同様にして光強度差を
測定したところ 7.1dBであった。
【0042】実施例6 実施例4において、実施例1で用いた光磁界センサヘッ
ドの替わりに、実施例3で用いた光磁界センサヘッドを
使用した以外は、全て実施例4と同様にして光強度差を
測定したところ 7.7dBであった。
【0043】実施例7 実施例5において、波長 0.783μm の半導体レーザ光源
〔ケエテ システムサービス社製〕の替わりに、発光ダ
イオード光源〔島津製作所製、LED安定化光源、HK-5
105 型、波長 0.85 μm 〕を使用した以外は、全て実施
例4と同様にして光強度差を測定したところ 3.8dBであ
った。
【0044】実施例8 先ず、容量 500mlの白金製ルツボに、酸化鉛[PbO 、4
N]843g、酸化ビスマス[Bi2O3 、4N]978g、酸化第2
鉄[Fe2O3 、4N]128g、酸化ほう素[B2O3、5N]38g 、
酸化ユウロピウム[Eu2O3 、3N]4.2g、および、酸化ホ
ルミウム[Ho2O3、3N]9.0gを仕込んだ。これを精密縦
型管状電気炉の所定の位置に設置し、1000℃に加熱して
溶融し、十分に攪拌して均一に混合させたのち、融液温
度 766℃にまで冷却してビスマス置換磁性ガーネット単
結晶育成用融液とした。次いで、常法に従って、ここに
得られた融液の表面に、実施例1で用いたガーネット単
結晶[インゴット]を[112]軸方向に20度傾けて
裁断した (111)ガーネット単結晶[(GdCa)3(GaMgZr)5O
12 ]基板〔実施例2で使用した基板と同じもの〕の片
面を接触させて、融液温度を 766℃に維持しながら 2.5
時間のエピタキシャル成長を行った。ここに得られた結
晶は、Ho1.1Eu0.6Bi1.3Fe5O12 の組成を有する (111)ビ
スマス置換磁性ガーネット単結晶膜で、その膜厚は 45
μm であった。磁化を飽和させた状態でのファラデー回
転角θF は、波長 783nmで 46.1 度であった。また、飽
和に要する磁界強度は1200 Oe であった。次いで、実施
例1と同様にしてファラデー回転子、および、光磁界セ
ンサヘッドを得た。実施例4において、実施例1で用い
た磁界センサヘッドの替わりに、ここに得られた光磁界
センサヘッド〔ファラデー回転子:Ho1.1Eu0.6Bi1.3Fe5
O12 単結晶〕を用いた以外は、全て実施例4と同様にし
て光強度差を測定したところ 5.8dBであった。
【0045】実施例9 先ず、容量 500mlの白金製ルツボに、酸化鉛[PbO 、4
N]843g、酸化ビスマス[Bi2O3 、4N]978g、酸化第2
鉄[Fe2O3 、4N]120g、酸化ガリウム[Ga2O3 、4N]4.
5g、酸化ほう素[B2O3、5N]38g 、酸化ガドリニウム
[Gd2O3 、3N]6.5g、および、酸化イットリウム[Y
2O3、3N]4.0gを仕込んだ。これを精密縦型管状電気炉
の所定の位置に設置し、1000℃に加熱して溶融し、十分
に攪拌して均一に混合させたのち、融液温度 773℃にま
で冷却してビスマス置換磁性ガーネット単結晶育成用融
液とした。次いで、常法に従って、ここに得られた融液
の表面に、実施例1で用いたガーネット単結晶[インゴ
ット]を[112]軸方向に20度傾けて裁断した (11
1)ガーネット単結晶[(GdCa)3(GaMgZr)5O12 ]基板〔実
施例2で使用した基板と同じもの〕の片面を接触させ
て、融液温度を 773℃に維持しながら 3.0時間のエピタ
キシャル成長を行った。ここに得られた結晶は、Gd0.9Y
0.9Bi1.2Fe4.8Ga0.2O12 の組成を有する (111)ビスマス
置換磁性ガーネット単結晶膜で、その膜厚は 46 μm で
あった。また、磁化を飽和させた状態でのファラデー回
転角θF は、波長 783nmで 42.7 度であった。また、飽
和磁界は 600 Oe であった。次いで、実施例1と同様に
してファラデー回転子、および、光磁界センサヘッドを
得た。実施例4において、実施例1で用いた磁界センサ
ヘッドの替わりに、ここに得られた光磁界センサヘッド
〔ファラデー回転子:Gd0.9Y0.9Bi1.2Fe4.8Ga0.2O12
結晶〕を用いた以外は、全て実施例4と同様にして光強
度差を測定したところ4.5dBであった。
【0046】比較例1 実施例1において、ガーネット単結晶〔インゴット〕を
[112]軸方向に3度傾けて裁断した以外は、全て実
施例1と同様にして (111)ビスマス置換磁性ガーネット
単結晶膜を得た。ここに得られた (111)ビスマス置換磁
性ガーネット単結晶膜の膜厚は 50 μm で、磁化を飽和
させた状態でのファラデー回転角θF は、波長 786nmで
45.9 度であった。ここに得られた (111)ビスマス置換
磁性ガーネット単結晶膜を用いた以外は、全て実施例1
と同様にして光磁界センサヘッドを作製し、実施例1と
同様にして光強度差を測定したところ 1.7dBであった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、多磁区構造を有する磁
気光学材料を用いて、特別のプリズムを使用することな
く、小型軽量の反射型光磁界センサヘッドを、工業的
に、極めて容易に製造して安価に提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】特公平3−22595に開示された反射型光磁
界センサの構成を示す模式図である。
【図2】特出願平4−90976に開示・提案した反射
型光磁界センサの構成を示す模式図である。
【図3】本発明の反射型光磁界センサヘッドの基本構成
を具体的に説明するための模式図である。
【図4】[111]軸方向が膜面に対して傾斜している
ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜の[111]軸方
向と法線と傾き角γとの関係を示す図である。
【図5】(111)ビスマス置換磁性ガーネット膜から
なるファラデー回転子を、光入出力路に対して傾斜させ
て配置したときの光路と法線と磁区の位置との関係を示
す模式図である。
【図6】[111]軸方向が膜面に対して傾斜している
ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜からなるファラデ
ー回転子の光路と磁区の位置との関係を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 ・・・光源 2 ・・・レンズ 3 ・・・ハーフミラー 4 ・・・光ファイバ 5 ・・・偏光子 6 ・・・ファラデー回転子 7 ・・・反射膜 8 ・・・光検出器 10 ・・・偏光子 11 ・・・ファラデー回転子 12 ・・・反射膜 13 ・・・光入力路 14 ・・・光出力路 15 ・・・レンズ 16 ・・・光源 17 ・・・光検出器 20 ・・・偏光子 21 ・・・ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜 22 ・・・反射膜 23 ・・・光入出力路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】実施例4 実施例1で用いた光磁界センサヘッドを高分子光導波路
からなる光分岐器〔三菱瓦斯化学製、200S-D2 型、光フ
ァイバコア径 200μm 〕の光入射口〔光ファイバ〕に取
り付けた。光出射口〔光ファイバ〕に半導体レーザ光源
〔ケエテ システムサービス社製、安定化LD光源、KL
D-780 型、波長 0.783μm 〕を、光分岐口〔Y分岐口、
光ファイバ〕に光検出器〔安藤電気製、商品名パワーメ
ータ、AQ-1111 型〕を取り付けた。光磁界センサヘッド
を磁界印加装置〔マグネテイック社製、商品名 MAGNET
〕の所定の位置に設置した。光磁界センサヘッドの磁
界の印加状態を種々に変化させながら、光源から波長0.
783μm の信号光を出射して、光検出器35に到達した信
号光の光強度を測定した。ファラデー回転子に磁界を印
加しない状態と、ファラデー回転子に磁界強度1000 Oe
の磁界を印加した状態との光強度差は 2.3dBであっ
た。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】特公平3−22595に開示された反射型光磁
界センサの構成を示す模式図である。
【図2】特出願平4−90976に開示・提案した反射
型光磁界センサの構成を示す模式図である。
【図3】本発明の反射型光磁界センサヘッドの基本構成
を具体的に説明するための模式図である。
【図4】[111]軸方向が膜面に対して傾斜している
ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜の[111]軸方
向と法線と傾き角γとの関係を示す図である。
【図5】(111)ビスマス置換磁性ガーネット膜から
なるファラデー回転子を、光入出力路に対して傾斜させ
て配置したときの光路と法線と磁区の位置との関係を示
す模式図である。
【図6】[111]軸方向が膜面に対して傾斜している
ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜からなるファラデ
ー回転子の光路と磁区の位置との関係を示す模式図であ
る。
【符号の説明】 1 ・・・光源 2 ・・・レンズ 3 ・・・ハーフミラー 4 ・・・光ファイバ 5 ・・・偏光子 6 ・・・ファラデー回転子 7 ・・・反射膜 8 ・・・光検出器 10 ・・・偏光子 11 ・・・ファラデー回転子 12 ・・・反射膜 13 ・・・光入力路 14 ・・・光出力路 15 ・・・レンズ 16 ・・・光源 17 ・・・光検出器 20 ・・・偏光子 21 ・・・ビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜 22 ・・・反射膜 23 ・・・光入出力路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有井 光三 東京都葛飾区新宿六丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光入出力路、偏光子、ファラデー回転子、
    反射膜の順に配置された光磁界測定装置において、反射
    ミラーが、光入出力路の光路中心に対してほぼ垂直に配
    置されており、かつ、ファラデー回転子が、その[11
    1]軸が膜法線に対して5度乃至60度の範囲内で傾い
    ているビスマス置換磁性ガーネット単結晶膜であること
    を特徴とする反射型の光磁界センサヘッド。
  2. 【請求項2】偏光子、ファラデー回転子、および、反射
    膜が密着して一体的に構成されていることを特徴とする
    請求項1記載の反射型光磁界センサヘッド。
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