JP2002267834A - 光学部品およびその部品を用いた光分散補償器ならびに光分散補償方法 - Google Patents

光学部品およびその部品を用いた光分散補償器ならびに光分散補償方法

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JP2002267834A JP2001063847A JP2001063847A JP2002267834A JP 2002267834 A JP2002267834 A JP 2002267834A JP 2001063847 A JP2001063847 A JP 2001063847A JP 2001063847 A JP2001063847 A JP 2001063847A JP 2002267834 A JP2002267834 A JP 2002267834A
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ケンネス ジャボロンスキー マーク
Yuichi Tanaka
佑一 田中
Shin Azuma
伸 東
Kenji Kojo
健司 古城
Hironori Tokita
宏典 時田
Hiroshi Yaguchi
寛 矢口
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Oyokoden Lab Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、通信ビットレートが10Gbps以
上、特に40Gbps以上の光通信においては、光ファ
イバを伝送する信号に波長分散が生じ、通信上大きな支
障があり、これを解決する案として、分散補償ファイバ
を用いる方法、ファイバグレーティング素子を用いる方
法、エタロンを用いる方法などが考えられているが、適
切な分散補償ができないこと、損失が大きいこと、装置
が大型になり、コストも高いことなど多くの課題があっ
た。 【解決手段】 光透過層を挟んで平行に配置した反射体
とフィルタ層を有する光学部品を用いることにより上記
課題を解決した。前記光学部品のフィルタ層を挟んで前
記光学部品の反射体と1〜30度の角度をなして対向配
置した第2の光学部品の反射体とによって、分散補償を
行った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の以下の説明におい
て、光分散補償のことを単に分散補償とも称し、光分散
補償素子のことを単に分散補償素子ともいい、光分散補
償方法のことを単に分散補償方法ともいう。
【0002】本発明は、伝送路に光ファイバ(以下、光
ファイバのことを、単に、ファイバともいう)を用い、
信号光(可視光および非可視光のいずれでもよい)とし
て、たとえば、これに限定されないが、波長が1.55
μm近傍の光などを用いる光通信において生ずる波長分
散(以下、単に、分散ともいう)を補償して光通信を行
うのに用いる光学部品およびその部品を用いた光分散補
償器ならびに光分散補償方法に関する。
【0003】本発明では、ファイバを用いた伝送路を伝
送される信号光の分散を補償するのに後述の2次以上の
分散を補償可能な素子(以下、2次の分散を補償可能な
素子のことを2次の分散を変えることができる素子、あ
るいは、2次分散補償素子ともいう。また、後述の3次
の分散を補償可能な素子についても、これと同様に、3
次の分散を変えることができる素子、あるいは、3次分
散補償素子ともいう。)を有する光学部品を使用する。
【0004】本発明に用いる光学部品は、少なくともそ
の一部に、多層膜で構成された素子を用いている。そし
て、本発明に用いる多層膜素子は、その入射光入射位置
において特定の波長の入射光を透過するがその他の波長
の入射光を反射するという特定のフィルタ素子と、反射
体の形態の例としての分散補償素子とがある。
【0005】本発明では、2次の分散補償とは「図8
(A)を用いて後述する波長−時間特性曲線の傾きを補
償すること」を意味し、3次の分散補償とは「図8
(A)を用いて後述する波長−時間特性曲線の曲がりを
補償すること」を意味する。
【0006】
【従来の技術】通信伝送路に光ファイバを用いる光通信
においては、利用技術の進展および利用範囲の拡大とと
もに、通信伝送路の長距離化や通信ビットレートの高速
化が求められている。このような環境下では、光ファイ
バを伝送するときに生じる分散が大きな問題となり、分
散の補償が種々試みられている。現在、2次の分散が大
きな問題となり、その補償が種々提案され、そのうちの
いくつかの提案がある程度効果をあげている。
【0007】しかし、光通信に対する要求が高度になる
につれて、2次の分散の補償だけでは不充分になり、3
次の分散の補償が課題になりつつある。
【0008】以下、図8および図9を使用して、従来の
2次の分散補償方法を説明する。
【0009】図9は、シングルモードファイバ(以下、
SMFとも称す)と分散補償ファイバ、および分散シフ
トファイバ(以下、DSFともいう)の分散−波長特性
を説明する図である。
【0010】図9において、符号601はSMFの分散
−波長特性を示すグラフ、602は分散補償ファイバの
分散−波長特性を示すグラフ、603はDSFの分散−
波長特性を示すグラフで、縦軸を分散、横軸を波長にと
ったグラフである。
【0011】図9で明らかなように,SMFでは、ファ
イバに入力する(以下、入射するともいう)光の波長が
1.3μmから1.8μmへと長くなるにつれて分散は
増大し,分散補償ファイバでは,ファイバへの入力光
(以下、入射光ともいう)の波長が1.3μmから1.
8μmまで長くなるにつれて分散は減少する。また、D
SFでは、ファイバへの入力光の波長が1.2μmから
1.55μm付近へと長くなるにつれて分散は減少し、
入力光の波長が1.55μm付近から1.8μmへと長
くなるにつれて分散が増大する。
【0012】そして、DSFでは、従来の2.5Gbp
s(毎秒2.5ギガビット)程度の通信ビットレートの
光通信においては、入力光の波長が1.55μm付近で
は、信号光に生じる分散は光通信上支障を生じないこと
が知られている。
【0013】図8は、主として2次の分散の補償方法を
説明する図であり、(A)は波長−時間特性と光強度−
時間特性を、(B)はSMFを用いた伝送路において分
散補償ファイバを用いて分散補償を行った伝送例を、
(C)はSMFだけで構成した伝送路での伝送例を説明
する図である。
【0014】図8において、符号501と511は伝送
路に入力する前の信号光の特性を示すグラフを、530
はSMF531で構成された伝送路を、502と512
は、グラフ501と511で示した特性の信号光が伝送
路530を伝送されて伝送路530から出力された状態
での信号光の特性を示すグラフ、520は分散補償ファ
イバ521とSMF522から構成された伝送路、50
3と513は、グラフ501と511で示した特性の信
号光が伝送路520を伝送されて伝送路520から出力
された状態での信号光の特性を示すグラフである。符号
504および514は、グラフ501と511で示した
特性の信号光が伝送路520を伝送されて伝送路520
から出力されて後、本発明に用いる分散補償素子によっ
て後述の望ましい3次分散補償を施したときの信号光の
特性を示すグラフであり、グラフ501および511と
ほとんど一致している。グラフ501、502、50
3、504はそれぞれ縦軸を波長、横軸を時間(または
時刻)にとったグラフであり、グラフ511、512、
513、514はそれぞれ縦軸を光強度、横軸を時間
(または時刻)にとったグラフである。なお、符号52
4と534は送信器、525と535は受信器である。
【0015】従来のSMFは、前述のように、信号光の
波長が1.3μmから1.8μmへと長くなるにつれて
分散が増加するため、高速通信や長距離伝送の際には、
分散による群速度遅延を生じる。SMFで構成された伝
送路530では、信号光は伝送中に長波長側が短波長側
に比べて大きく遅延して、グラフ502と512に示す
ようになる。このように変化した信号光は、たとえば高
速通信・長距離伝送においては、正確な信号として受信
できない場合がある。
【0016】このような問題を解決するため、従来は、
たとえば、図8(B)に示すように分散補償ファイバを
用いて分散を補償(あるいは、補正ともいう)してい
る。
【0017】従来の分散補償ファイバは、波長が1.3
μmから1.8μmへと長くなるにつれて分散が増加す
るというSMFの問題点を解決するため、前述のよう
に、波長が1.3μmから1.8μmへと長くなるにつ
れて分散が減少するように作られている。
【0018】分散補償ファイバは、たとえば、図8の伝
送路520で示すように、SMF522に分散補償ファ
イバ521を接続して用いることができる。上記伝送路
520では、信号光は、SMF522では長波長側が短
波長側に比べて大きく遅延し、分散補償ファイバ521
では短波長側が長波長側に比べて大きく遅延することに
より、グラフ503と513に示すように、グラフ50
2と512に示す変化よりも変化量を小さく抑えること
が出来る。この分散補償は、波長−時間特性曲線の傾き
を補償する、いわゆる2次の分散補償である。
【0019】この他にも分散補償の方法はいくつか提案
されている。
【0020】たとえば、ファイバーグレーティング素子
を用いた分散補償や、エタロンを用いた2次の分散補償
が提案されている。
【0021】ファイバーグレーティング素子は、衆知の
ように、ファイバー中に屈折率の異なる部分を形成し、
入射光の波長によって遅延時間が異なるようにし分散を
補償しようというものである。
【0022】エタロンを用いた分散補償は、エタロンへ
の入射光の入射角のちがいによって透過光と反射光の波
長を選択し、信号光に生じる遅延時間を波長によって異
なるようにして2次の分散を補償するものである(たと
えば、Shirasaki:“Large angul
ar dispersion by a virt−u
ally imageed phased away
and its a−pplication to a
wavelength demultip−lexe
r”:OPTICS LETTERS(Optica l
Socie−ty of America)Vol.
21,March 1,p.366,1996)。
【0023】また、従来の高速・長距離通信への対応と
して、伝送路に、ノンゼロ・分散シフトファイバ(以
下、NZ−DSFともいう)を用い、2次の分散補償に
SMFを用い、3次の分散補償に高次モードファイバを
用いる通信方法が提案されている。
【0024】しかし、分散補償ファイバを使用した上記
従来の2次の波長分散の補償方法では、伝送路を伝送し
た信号光の波長分散を、伝送路に入力する前の信号光の
状態、すなわち、グラフ501の形までには分散補償す
ることができず、グラフ503の形まで補償するのが限
界である。グラフ503に示すように、分散補償ファイ
バを使用した従来の2次の波長分散の補償方法では、信
号光の中心波長の光が短波長側の光および長波長側の光
に比べて遅延せず、信号光の中心波長成分の光より短波
長側および長波長側の成分の光のみが遅延する。そし
て、グラフ513に示すようにグラフの一部にリップル
が生じることがある。
【0025】これに対して、後述するように、信号光の
中心波長の光がそれより短い波長および長い波長の光よ
りも遅延するような本発明で使用する分散補償素子を用
いて、信号光に2次の分散補償では補償されずに残った
分散を補償することにより、図8に符号504と514
で示すように、ほぼ完全に送信側の信号光と同じ形の特
性曲線を有する信号光として受信することができるよう
になる。このような波長−時間特性曲線の曲がりの補償
が、いわゆる3次の分散補償である。
【0026】上記従来の3次の分散が適切に補償されず
に残された現象は、光通信の伝送距離の長距離化と通信
速度の高速化のニーズが高まるに従い、正確な信号受信
ができなくなるなどの大きな問題となりつつある。 た
とえば、通信ビットレートが40Gbps(毎秒10ギ
ガビット)以上の高速通信においては、これらの現象が
かなり心配されており、たとえば、通信ビットレートが
40Gbpsで1万kmを送信したり、80Gbpsで
1000kmオーダーの長い距離を送信したりする通信
においては極めて重大な課題となっている。
【0027】そして、このような高速・長距離通信にお
いては、従来の光ファイバ通信システムを使用すること
は困難と考えられており、たとえば、光ファイバ自体の
材質も変える必要が叫ばれるなど、システム構築の経済
的な観点からも重大問題となっている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、伝送路
に用いるファイバと逆の分散−波長特性を有するファイ
バを用いて、信号光が伝送路のファイバ中を伝送される
ことにより生じる2次の分散を補償するには、補償用の
ファイバ長が長くなり、通信装置が大型になり、取扱い
にくく、高価になってしまう。
【0029】また、ファイバグレーティング素子は、1
素子で可能な分散補償量が小さく、実際の光通信におけ
る分散を補償するにはかなり多くの素子を光サーキュレ
ータを介して光路に直列に接続しなければならない。こ
の方法は、通信装置が大型化するとともに装置が高価に
なるという大きな欠点を有するのに加えて、ファイバコ
リメータを多数使わなければならず、挿入損失がきわめ
て大きくなるという致命的な欠点を有している。
【0030】また、従来のエタロンへの入射角度によっ
て必要な分散−波長特性を得ようとする方法は、ビーム
の広がりの制御や角度の制御が難しく、挿入損失が少な
くて安定な分散補償器を得ることができず、実用化は困
難視されている。
【0031】このような観点から、分散補償方法がいく
つか提案されていながら、有望な補償器がなく、いくつ
かの欠点があるにせよ、伝送路にNZ−DSFを用い、
分散補償にSMFを用いる方法にせざるを得ないとの見
解が主となりつつあり、小型で、安定しており、安価な
分散補償器の実現が強く望まれている。
【0032】また、40Gbpsや80Gbpsのよう
な高速通信で長距離通信を行うには、2次の分散補償だ
けでは困難であり、3次以上の分散補償が必要になる。
【0033】従来、波長が1.55μm付近の光に対し
て2次の分散が少なくなるような光ファイバとしてDS
Fがあるが、このファイバだけでは前述の、図8、図9
の特性からも明らかなように、本発明の課題とする3次
の分散補償はできない。
【0034】また、前記のように光ファイバ自体の材質
として、ノンゼロ・分散シフトファイバを伝送路に用
い、それにSMFと高次モードファイバを光路に直列に
接続して、SMFにより2次の分散を補償し、高次モー
ドファイバによって3次の分散を補償する場合には、低
損失での3次の分散補償が難しいだけでなく、各信号光
毎に異なっている分散を十分に補償することが難しい。
【0035】光通信の高速通信化、長距離通信化を実現
するにあたり、3次の分散は大きな問題として次第に認
識され、その補償が重要な課題となりつつある。3次の
分散の補償問題を解決すべく、多くの試みが行なわれて
いるが、従来の課題を十分に解決することができる3次
分散補償素子や補償方法はまだ実用化されていない。
【0036】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、本発明の目的は、光通信における各チャネル
毎に分散レベルの異なる信号光の少なくとも2次と3次
の分散を、適宜補償するのに用いることができる小型
で、使いやすく、挿入損失が少なく、安価な光学部品と
それを用いた光分散補償器ならびに光分散補償方法を提
供することである。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明の目的の達成を図
るため、本発明の光学部品は、通信伝送路に光ファイバ
を用いる光通信に用いることができる光学部品であっ
て、光通信に使用することができる光(可視光および非
可視光のいずれでもよい)を入射光とするとき、前記光
学部品が、特定の波長の入射光を透過するがその他の波
長の入射光は反射するという性質を有するフィルタ層
と、少なくとも1層の光透過層と、前記光透過層を少な
くとも1層挟んで前記フィルタ層と対向するように配置
された反射体と、を有しており、さらに、前記フィルタ
層は、その入射面における入射光の入射位置を変えるこ
とによって透過光の波長が異なるように構成されている
ことを特徴としている。
【0038】そして、本発明の特に好適な例は、入射光
に対する光路長(以下、単に、光路長ともいう)として
考えたときの該フィルタ層の厚み方向において、該透過
光に関する光学的性質が対称であるように構成されてお
り、前記反射体は、前記反射体への入射光の中心波長の
光に対する反射率が99.9%以上であり、前記反射体
と前記フィルタ層はほぼ平行に配置されていることを特
徴としている。
【0039】そして、本発明の光学部品の例は、前記フ
ィルタ層が多層膜で構成されており、前記フィルタ層を
構成する多層膜は、前記多層膜の厚み方向の一方の側か
らみて、少なくとも、光路長として考えたときの膜厚が
前記透過光の波長λの4分の1(以下、単に、λ/4の
膜厚ともいう)で屈折率が比較的高い層(以下、層Hと
もいう)を1層とλ/4の膜厚で屈折率が比較的低い層
(以下、層Lともいう)を1層とをこの順に重ねて形成
した層(以下、HLの層ともいう)を複数組重ねて形成
した第1の混成層を少なくとも1層と、層Lを1層と層
Hを1層とをこの順に重ねて形成した層(以下、LHの
層ともいう)を複数組重ねて形成した第2の混成層を少
なくとも1層と、前記第1および第2の各混成層の間に
層Lのみを偶数層重ねて形成した単独層(以下、L単独
層ともいう)を少なくとも1層または前記第1および第
2の各混成層の間に層Hのみを偶数層重ねて形成した単
独層(以下、H単独層ともいう)を少なくとも1層とを
有することを特徴としている。
【0040】そして、本発明の光学部品の例は、前記フ
ィルタ層を構成する多層膜が、膜の厚み方向の一方の側
から順に、第1の混成層を1層と、H単独層を1層と、
第2の混成層を1層とで構成されていることを特徴とし
ている。
【0041】そして、本発明の光学部品においての例
は、前記フィルタ層を構成する多層膜を、その厚み方向
の一方の側から順に、HLの層を7層重ねて形成した第
1の混成層と、層Hを2層重ねて形成したH単独層と、
LHの層を7層重ねて形成した第2の混成層とを有する
ように構成することができ、LHの層を7層重ねて形成
した第2の混成層と、層Lを2層重ねて形成したL単独
層と、HLの層を7層重ねて形成した第1の混成層とを
有するように構成することもでき、層Lを少なくとも1
層と、HLの層を7層重ねて形成した第1の混成層と、
層Hを2層重ねて形成したH単独層と、LHの層を7層
重ねて形成した第2の混成層と、層Lを少なくとも1層
とを有するように構成することもでき、層Hを少なくと
も1層と、LHの層を7層重ねて形成した第2の混成層
と、層Lを2層重ねて形成したL単独層と、HLの層を
7層重ねて形成した第1の混成層と、層Hを少なくとも
1層とを有するように構成することもできる。
【0042】そして、本発明の光学部品の例は、前記反
射体を、前記反射体への入射光に対する反射率が99、
9%以上の反射鏡であることを特徴としている。
【0043】また、本発明の光学部品の例は、前記反射
体の少なくとも一部が多層膜で構成されており、前記反
射体を構成する多層膜が、複数の層Hと層Lの組み合わ
せ層で形成された反射層を少なくとも3層と、前記反射
層の間に形成されており層Hと層Lのうちのいずれか一
方を偶数層重ねて形成された光透過層を少なくとも2層
で構成されていることを特徴としている。
【0044】このようにすることにより、本発明の光学
部品は、後述のように、2次の分散補償に加えて、3次
の分散補償を行うことができるように構成することがで
きる。
【0045】本発明の光学部品の例は、前記反射体の多
層膜を構成する各反射層の、入射光の中心波長に対する
反射率が、前記多層膜の厚み方向において、入射面側か
ら順に大きくなっているように各反射層が構成されてい
ることを特徴としており、前記反射体の多層膜を構成す
る光透過層とそれを挟んで形成さている両側の反射層と
で、入射光に対するキャビティが形成されてる。
【0046】そして本発明の光学部品の例では、前記反
射体の多層膜を構成する少なくとも一層の光透過層の少
なくとも一部の、光路長として考えたときの膜厚が、前
記反射体の入射面に平行な方向(以下、入射面内方向と
もいう)において変化している。
【0047】本発明の光学部品の例は、前記反射体が入
射光の波長分散を補償することができる多層膜で構成さ
れていることを特徴としている。
【0048】そして、本発明の目的の達成を図るため、
前記の如き光学部品を用いた本発明の光分散補償器は、
通信伝送路に光ファイバを用いる光通信に用いて信号光
の分散を補償することができる光分散補償器であって、
前記光分散補償器は、少なくとも、フィルタ層と光透過
層と反射体とを有する第1の光学部品と、前記第1の光
学部品に対向して配置された少なくとも1つの反射体を
有する第2の光学部品とを有しており、前記第1の光学
部品のフィルタ層は、特定の波長の入射光を透過するが
その他の波長の入射光は反射するという性質を有してお
り、前記第1の光学部品の反射体は、前記光透過層を少
なくとも1層挟んで前記フィルタ層と対向するように配
置されており、さらに、前記第1の光学部品のフィルタ
層は、その入射面における入射光の入射位置を変えるこ
とによって透過光の波長が異なるように構成されている
ことを特徴としている。
【0049】そして、本発明の特に好適な例は、入射光
に対する光路長として考えたときの該フィルタ層の厚み
方向において、該透過光に関する光学的性質が対称であ
るように構成されており、前記第1の光学部品の反射体
は、前記反射体への入射光の中心波長の光に対する反射
率が99.9%以上であり、さらに、前記第1の光学部
品を構成する反射体とフィルタ層はほぼ平行に配置され
ており、前記第2の光学部品の反射体と前記第1の光学
部品の反射体とは、前記第1の光学部品の前記フィルタ
層の互いに反対側に、かつ、平行でなく配置されている
ことを特徴としている。
【0050】そして、本発明の光分散補償器の例は、前
記第1の光学部品のフィルタ層が多層膜で構成されてお
り、前記フィルタ層を構成する多層膜は、前記多層膜の
厚み方向の一方の側からみて、少なくとも、HLの層を
複数組重ねて形成した第1の混成層を少なくとも1層
と、LHの層を複数組重ねて形成した第2の混成層を少
なくとも1層と、前記第1および第2の各混成層の間に
層Lのみを偶数層重ねて形成したL単独層を少なくとも
1層または前記第1および第2の各混成層の間に層Hの
みを偶数層重ねて形成したH単独層を少なくとも1層と
を有することを特徴としている。
【0051】そして、本発明の光分散補償器の例は、前
記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多層膜が、膜
の厚み方向の一方の側から順に、第1の混成層を1層
と、H単独層を1層と、第2の混成層を1層とで構成さ
れていることを特徴としている。
【0052】そして本発明の光分散補償器の例は、前記
第1の光学部品のフィルタ層を構成する多層膜が、その
厚み方向の一方の側から順に、HLの層を7層重ねて形
成した第1の混成層と、層Hを2層重ねて形成したH単
独層と、LHの層を7層重ねて形成した第2の混成層と
を有するように構成することができ、LHの層を7層重
ねて形成した第2の混成層と、層Lを2層重ねて形成し
たL単独層と、HLの層を7層重ねて形成した第1の混
成層とを有するように構成することもでき、層Lを少な
くとも1層と、HLの層を7層重ねて形成した第1の混
成層と、層Hを2層重ねて形成したH単独層と、LHの
層を7層重ねて形成した第2の混成層と、層Lを少なく
とも1層とを有するように構成することもでき、層Hを
少なくとも1層と、LHの層を7層重ねて形成した第2
の混成層と、層Lを2層重ねて形成したL単独層と、H
Lの層を7層重ねて形成した第1の混成層と、層Hを少
なくとも1層とを有するように構成することもできる。
【0053】そして、本発明の光分散補償器の例は、前
記第1の光学部品の反射体が、該反射体への入射光に対
する反射率が99、9%以上の反射鏡であることを特徴
としている。
【0054】また、本発明の光分散補償器の例は、前記
第1の光学部品の反射体の少なくとも一部が多層膜で構
成されており、該反射体を構成する多層膜が、複数の層
Hと層Lの組み合わせ層で形成された反射層を少なくと
も3層と、前記反射層の間に形成されており層Hと層L
のいずれか一方を偶数層重ねて形成された光透過層を少
なくとも2層とで構成されていることを特徴としてい
る。
【0055】このようにすることにより、本発明の光分
散補償器は、2次の分散補償に加えて、3次の分散補償
を行うことができるように構成することができる。
【0056】本発明のの光分散補償器の例は、前記第1
の光学部品の反射体の多層膜を構成する各反射層の、入
射光の中心波長に対する反射率が、前記多層膜の厚み方
向において、入射面側から順に大きくなっているように
各反射層が構成されていることを特徴としており、前記
第1の光学部品の反射体の多層膜を構成する光透過層と
それを挟んで形成されている両側の反射層とで、入射光
に対するキャビティが形成されている。
【0057】そして、本発明の光分散補償器の例では、
前記第1の光学部品の反射体の多層膜を構成する少なく
とも一層の光透過層の少なくとも一部の、光路長として
考えたときの膜厚が、入射面内方向において変化してい
る(面内の位置によって膜厚が異なること)。
【0058】本発明の光分散補償器の例は、前記第1の
光学部品の反射体が入射光の波長分散を補償することが
できる多層膜で構成されていることを特徴としている。
【0059】そして、本発明の光分散補償器の例は、対
向して配置されている前記第1の光学部品の反射体と前
記第2の光学部品の反射体とのなす角が1度以上30度
以下であることを特徴としている。
【0060】そして、本発明の光分散補償器の例は、入
射面内方向において膜厚が変化している光透過層が少な
くとも2層あることを特徴としており、入射面内方向に
おいて膜厚が変化している2層の光透過層の膜厚の変化
している方向が互いに異なる方向にすることにより、後
述のように分散補償のための群速度遅延時間−波長特性
曲線の選択の幅を広くすることができる。
【0061】そして、本発明の目的の達成を図るため、
前記の如き光学部品あるいは光分散補償器を用いた本発
明の光分散補償方法は、通信伝送路に光ファイバを用い
る光通信における信号光(可視光および非可視光のいず
れでもよい)の分散を補償する光分散補償方法であっ
て、前記光分散補償方法は、信号光の光路に少なくと
も、フィルタ層と光透過層と反射体とを有する第1の光
学部品と、前記第1の光学部品に対向して配置された少
なくとも1つの反射体を有する第2の光学部品とを配置
して、信号光の分散を補償する光分散補償方法であり、
前記第1の光学部品のフィルタ層は、特定の波長の入射
光を透過するがその他の波長の入射光は反射するという
性質を有しており、記第1の光学部品の反射体は、前記
光透過層を少なくとも1層挟んで前記フィルタ層と対向
するように配置されており、さらに、前記第1の光学部
品のフィルタ層は、その入射面における入射光の入射位
置によって該フィルタ層が透過光の波長が異なるように
構成されていることを特徴としている。
【0062】そして、本発明の特に好適な例は、入射光
に対する光路長として考えたときの該フィルタ層の厚み
方向において、該透過光に関する光学的性質が対称であ
るように構成されており、前記第1の光学部品の反射体
は、前記反射体への入射光の中心波長の光に対する反射
率が99.9%以上であり、さらに、前記第1の光学部
品を構成する反射体とフィルタ層はほぼ平行に配置され
ており、前記第2の光学部品の反射体と前記第1の光学
部品の反射体とは、前記第1の光学部品を構成している
前記フィルタ層の互いに反対側に、かつ、平行でなく配
置されていることを特徴としている。
【0063】本発明の光分散補償方法の例は、前記第1
の光学部品のフィルタ層が多層膜で構成されており、前
記フィルタ層を構成する多層膜は、前記多層膜の厚み方
向の一方の側からみて、少なくとも、HLの層を複数組
重ねて形成した第1の混成層を少なくとも1層と、LH
の層を複数組重ねて形成した第2の混成層を少なくとも
1層と、前記第1および第2の各混成層の間に層Lのみ
を偶数層重ねて形成したL単独層を少なくとも1層また
は前記第1および第2の各混成層の間に層Hのみを偶数
層重ねて形成したH単独層を少なくとも1層とを有する
ことを特徴としている。
【0064】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多層膜が、
膜の厚み方向の一方の側から順に、第1の混成層を1層
と、H単独層を1層と、第2の混成層を1層とで構成さ
れていることを特徴としている。
【0065】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多層膜が、
前記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、HLの層を
7層重ねて形成した第1の混成層と、層Hを2層重ねて
形成したH単独層と、LHの層を7層重ねて形成した第
2の混成層とを有するように構成することができ、LH
の層を7層重ねて形成した第2の混成層と、層Lを2層
重ねて形成したL単独層と、HLの層を7層重ねて形成
した第1の混成層とを有するように構成することもで
き、層Lを少なくとも1層と、HLの層を7層重ねて形
成した第1の混成層と、層Hを2層重ねて形成したH単
独層と、LHの層を7層重ねて形成した第2の混成層
と、層Lを少なくとも1層とを有するように構成するこ
ともでき、層Hを少なくとも1層と、LHの層を7層重
ねて形成した第2の混成層と、層Lを2層重ねて形成し
たL単独層と、HLの層を7層重ねて形成した第1の混
成層と、層Hを少なくとも1層とを有するように構成す
ることもできる。
【0066】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
前記第1の光学部品の反射体が、該反射体への入射光に
対する反射率が99、9%以上の反射鏡であることを特
徴としている。
【0067】また、本発明の光分散補償方法の例は、前
記第1の光学部品の反射体の少なくとも一部が多層膜で
構成されており、該反射体を構成する多層膜が、複数の
層Hと層Lの組み合わせ層で形成された反射層を少なく
とも3層と、前記反射層の間に形成されており層Hと層
Lのうちのいずれか一方を偶数層重ねて形成された光透
過層を少なくとも2層とで構成されていることを特徴と
している。
【0068】このようにすることにより、本発明の光分
散補償方法によれば、2次の分散補償に加えて、3次の
分散補償をも行うようにすることができる。
【0069】本発明の光分散補償方法の例は、前記第1
の光学部品の反射体の多層膜を構成する各反射層の、入
射光の中心波長に対する反射率が、前記多層膜の厚み方
向において、入射面側から順に大きくなっているように
各反射層が構成されていることを特徴としており、前記
第1の光学部品の反射体の多層膜を構成する光透過層と
それを挟んで形成されている両側の反射層とで、入射光
に対するキャビティが形成されている。
【0070】そして、本発明の光分散補償方法の例で
は、前記反射体の多層膜を構成する少なくとも一層の光
透過層の少なくとも一部の、光路長として考えたときの
膜厚が、入射面内方向において変化している。
【0071】本発明の光分散補償方法において、前記第
1の光学部品の反射体が入射光の波長分散を補償するこ
とができる多層膜で構成されていることを特徴としてい
る。
【0072】そして、本発明の光分散補償方法におい
て、対向して配置されている前記第1の光学部品の反射
体と前記第2の光学部品の反射体とのなす角が1度以上
30度以下であること特徴としている。
【0073】そして、本発明の光分散補償方法の例は、
入射面内方向において膜厚が変化している光透過層が少
なくとも2層あることを特徴としており、入射面内方向
において膜厚が変化している2層の光透過層の膜厚の変
化している方向が互いに異なる方向であるようにするこ
とにより、後述のように、分散補償のための群速度遅延
時間−波長特性曲線の選択(実現)の幅を広くすること
ができる。
【0074】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。なお、説明に用いる各図は
本発明を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状、配
置関係などを概略的に示してある。そして本発明の説明
の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあ
り、本発明の説明に用いる図は、必ずしも実施例などの
実物や記述と相似形でない場合もある。また、各図にお
いて、同様な構成成分については同一の番号を付けて示
し、重複する説明を省略することもある。
【0075】本発明を説明するにあたり、まず、本発明
に用いる大きな特徴を有する多層膜を用いた光分散補償
素子について説明する。
【0076】図1は光ファイバを伝送路に用いる通信に
おいて生じる3次の分散を光分散補償素子で補償する方
法を説明する図で、符号1101は伝送路を伝送させた
信号光の2次の分散を補償して残った3次の分散を示す
群速度遅延時間−波長特性曲線、1102は3次の分散
を補償することができる光分散補償素子の群速度遅延時
間−波長特性曲線で、1103は、曲線1101の分散
特性を有する信号光の分散を、曲線1102の分散特性
を有する分散補償素子に入射させて分散を補償したあと
の補償対象波長域λ1〜λ2の間の群速度遅延時間−波長
特性曲線で、縦軸は群速度遅延時間、横軸は波長であ
る。
【0077】図2〜図4は、本発明に用いる各光分散補
償素子(本発明では、前記の如く、単体の光分散補償素
子、複合型の光分散補償素子やそれを構成する各光分散
補償素子、そしてそれらのうちで、たとえば、入射面を
対向して配置される各光分散補償素子単体などを特に区
別を必要としないときは、それらをそれぞれ光分散補償
素子と称することもあり、特に、前記入射面を対向して
配置されている各光分散補償素子単体を区別して述べる
必要があるときは、光分散補償素子単体と称することも
ある。)を構成する分散補償を行うことが出来る素子の
例を説明する図で、図2は後述の多層膜の断面図、図3
は膜厚を変化させた多層膜の斜視図、図4は多層膜の群
速度遅延時間−波長特性曲線である。
【0078】図2は本発明に用いる3次の光分散補償素
子の例として用いる多層膜の断面をモデル的に説明する
図である。図2において、符号100は本発明に用いる
光分散補償素子の例としての多層膜、101は入射光の
方向を示す矢印、102は出射光の方向を示す矢印、1
03、104は反射率が100%未満の反射層(以下、
反射膜あるいは光反射層ともいう)、105は反射率が
98〜100%の反射層、108、109は光透過層
(以下、単に透過層ともいう)、111、112はキャ
ビティである。また、符号107は基板で、たとえば、
BK―7ガラス(ドイツ、ショット社の商品名)を使用
している。
【0079】図2の各反射層103、104、105の
各反射率をR(103)、R(104)、R(105)
とすると、それらは、R(103)≦R(104)≦R
(105)の関係にある。各反射層の反射率を、少なく
とも光透過層を挟んで隣り合う反射層間において互いに
異なるように設定することが量産上好ましい。すなわ
ち、入射光が入射する側から多層膜の厚み方向(すなわ
ち、基板107の方向)に向かって、入射光の中心波長
λに対する各反射層の反射率が次第に大きくなるように
形成する。そして、好ましい例として、各反射層の前記
波長λの光に対する反射率を、60%≦R(103)≦
77%、96%≦R(104)≦99.8%、98%≦
R(105)の範囲にし、前記反射率R(103)、R
(104)、R(105)の大小関係を満たすように構
成することにより、後述の図4,図5に示すような群速
度遅延時間−波長特性曲線を得ることができる。そし
て、R(103)<R(104)<R(105)にする
ことがより好ましく、R(105)を100%に近づけ
るか100%にすることがより好ましく、本発明に用い
る光分散補償素子の性能を一層高めることができる。
【0080】そして、本発明に用いる光分散補償素子を
より製造し易くするために、隣り合う各反射層間の光路
長として考えたときの間隔がそれぞれ異なるように各反
射層の形成条件を選ぶことが好ましく、その結果、各反
射層の反射率の設計条件をゆるめることができ、膜厚が
波長λの4分の1の単位膜の組み合わせ(すなわち、λ
/4の整数倍の膜厚の膜)で本発明に用いる2次や3次
の光分散補償素子に用いる多層膜を形成することがで
き、その結果、特に、信頼性が高く、量産性の優れた光
分散補償素子を安価に提供することができる。
【0081】なお、前記多層膜の単位膜の膜厚が波長λ
の4分の1であると記載したが、これは、前記の如く、
量産における膜の形成で許容される誤差の範囲内におい
てλ/4という意味であり、具体的には、λ/4±10%
(ただし、これは、すべての膜の膜厚が同時に±10%
内の誤差の大きな方向に変動しても良いという意味では
なく、いくつかの膜の膜厚が±10%内で誤差が大きな
方向に変動しても他の多くの膜は±1%以内の変動であ
るとか、互いに特性に及ぼす悪い影響を相殺するとか、
などを含み、本発明の主旨を損なわない範囲での意味で
あり、また、仕様によっては、後述の如くさらに狭い誤
差範囲を意味する場合もある。)において本発明でいう
λ/4の膜厚を意味しており、λ/4±1%の膜厚をλ
/4の膜厚として実施したときに、本発明は特に大きな
効果を発する。特に、上記単位膜の厚みをλ/4±0.
5%(この場合のλ/4は誤差無しのλ/4の意味)に
することにより、量産性を損なわずに、バラツキが少な
く、信頼性の高い多層膜を形成することができ、目的に
合った優れた特性を有する光分散補償素子を安価に提供
することができる。
【0082】また、本発明に用いる多層膜が、膜厚がλ
/4の単位膜を積層して形成すると説明している部分が
あるが、これは、1つの単位膜を形成してから次の単位
膜を形成するという方法を繰り返して多層膜を形成する
こともできるが、これに限らず、一般的にはλ/4の整
数倍の膜厚の膜を、時間的に連続して形成することが多
く、このような多層膜も当然のことながら本発明に用い
る、たとえば、膜厚がλ/4の整数倍である積層膜から
成る多層膜に含まれるものである。そして、前記反射層
と前記透過層を連続的に形成する膜形成工程を用いても
本発明に用いる多層膜のいくつかを形成することができ
る。
【0083】図3は、図2の多層膜100の入射面にほ
ぼ平行な方向(以下、入射面内方向ともいう)におい
て、前記多層膜100の膜厚を変化させた例を説明する
図である。
【0084】図3において、符号200は本発明に用い
る光分散補償素子の一例としての多層膜、201は第1
の反射層、202は第2の反射層、203は第3の反射
層、205は基板、206は第1の光透過層、207は
第2の光透過層、211は第1のキャビティ、212は
第2のキャビティ、220は光入射面、230は入射光
の方向を示す矢印、240は出射光の方向を示す矢印、
250は第1の膜厚変化方向を示す矢印、260は第2
の膜厚変化方向を示す矢印、270,271は入射光の
入射位置を移動させる方向を示す矢印である。
【0085】図3において、たとえば、BK−7ガラス
などから成る基板205の上に、第3の反射層203,
第2の光透過層207、第2の反射層202、第1の光
透過層206、第1の反射層201が、順次形成されて
いる。
【0086】第1の光透過層206の入射面内方向にお
ける厚み(膜厚、以下同様)が図3の矢印250で示す
方向に変化するように(すなわち、矢印250で示す方
向の位置によって第1の光透過層206の膜厚が異なる
ように)、そして、第2の光透過層207の入射面内方
向における厚みが矢印260で示す方向に変化するよう
に、前記多層膜を形成する。第1から第3の反射層の厚
みと構成は、入射光の中心波長λに対する、第1、第
2、第3の各反射層の反射率をそれぞれR(201)、
R(202)、R(203)とするとき、前記反射率R
(103)、R(104)、R(105)の大小関係と
同様の条件、すなわち、R(201)≦R(202)≦
R(203)等、を満たすような膜厚構成になるように
形成する。
【0087】なお、前記多層膜を、入射光を透過できる
適切な基板の上に、図3の第1の反射層201を形成
し、その上に第1の透過層206,第2の反射層20
2,第2の透過層207,第3の反射層203の順にな
るように形成し、各反射層の反射率はR(201)≦R
(202)≦R(203)になるように構成しても本発
明に用いる光分散補償素子としての効果を発揮すること
ができる。この場合、前記多層膜への入射光は、前記基
板側から入射される。
【0088】図4は、本発明に用いる光分散補償素子の
例としての多層膜200の入射面220において、図3
の矢印230の方向から入射光を入射し、矢印240の
方向に出射光を得るようにし、入射光の入射位置を後述
のように図3の矢印270あるいは271の方向に移動
した時の、群速度遅延時間−波長特性曲線の変化する様
子を説明するものである。
【0089】図4は、図3の入射位置280〜282に
中心波長λの入射光を入射させたときの群速度遅延時間
−波長特性曲線を示し、縦軸は群速度遅延時間、横軸は
波長である。
【0090】図3の反射層201〜203および光透過
層206と207の各矢印250と260で示す方向に
膜厚を変化させる条件を適切に選ぶことによって、前記
入射光の入射面220における入射位置を矢印270で
示す方向に移動させたとき、群速度遅延時間−波長特性
曲線の形状をほぼ同様の形に維持しつつ、群速度遅延時
間−波長特性曲線の帯域中心波長λ0(たとえば、図4
のほぼ左右対称の形状の群速度遅延時間−波長特性曲線
2801における極値を与える波長)が変化し、そし
て、その各位置から矢印271で示す方向に前記入射位
置を移動させたとき、前記波長λ0はほぼ同じ値で、群
速度遅延時間−波長特性曲線の形状を、図4の曲線28
11、2812のように変化させることができる。図4
の各曲線は、図3の矢印250と260の方向へそれぞ
れ各当該膜の膜厚を単調に増大するように形成した時の
ものである。
【0091】曲線2801、2811,2812におけ
る帯域中心波長λ0は、分散補償の目的によって、たと
えば図4のグラフの適切な波長のところに設定するが、
たとえば、図4に示した曲線の波長の範囲のほぼ中央値
にとってもよく、分散補償の目的に応じて適宜定めても
良い。また、曲線2801から2812、曲線2801
から2811、曲線2811から2812の間のそれぞ
れの極値波長など曲線の各特徴点の波長や曲線の形など
の対応関係をあらかじめ調べておくとよい。
【0092】このようにして、たとえば、まず、分散補
償すべき入射光の中心波長λに帯域中心波長λ0を一致
させるように、入射光の入射位置を矢印270の方向に
移動して決め、次に分散補償すべき補償の内容、すなわ
ち、入射光の分散状況に応じて、分散補償に用いる群速
度遅延時間−波長特性曲線の形状を、たとえば図4の各
曲線などから選択し、それに応じて、図3の矢印271
で示す方向に前記入射位置を移動して、たとえば、符号
280〜282で示す各点などのように入射位置を選択
することにより、信号光に求められる分散補償を効果的
に行うことができる。
【0093】図4の群速度遅延時間−波長特性曲線の形
状からも明らかなように、本発明に用いる光分散補償素
子をそのまま用いても、たとえば、曲線2801を用い
て3次分散補償を行うことができ、曲線2811または
2812の比較的直線成分に近い部分を用いて、2次の
微妙な分散補償を行うことができる。
【0094】以上、図2〜図4を用いて説明したのは、
本発明に用いる分散補償素子の基本ともいえる「分散補
償を行うことが出来る素子」であるが、この「分散補償
を行うことが出来る素子」を用いれば、3次の分散や2
次の分散をある程度補償することが出来ることは、図1
と図4の各曲線の説明から明白である。また、上記説明
から明らかなように、前記「分散補償を行うことが出来
る素子」自体も、本発明に用いる光分散補償素子となり
得るものである。
【0095】しかし、「分散補償を行うことが出来る素
子」単独で補償できる分散補償の波長帯域幅は、波長が
1.55μm近傍の信号光について、たとえば、1.5
nm前後、群速度遅延時間の極値の大きさは3〜6ps
(ピコ秒)位にしたり、多層膜の構成条件を変えて、帯
域幅約0.5〜3nm、群速度遅延時間のピーク値が2
〜10ps程度の群速度遅延時間−波長特性曲線を実現
することが出来る。しかし、多数チャンネルの光通信に
対応するために分散補償の波長帯域幅を10nmとか3
0nmのように広くすると、前記群速度遅延時間のピー
ク値は極めて小さな値となり、分散補償を十分に行うこ
とが出来る程度の群速度遅延時間を得ることは難しい。
【0096】次に群速度遅延時間ー波長特性曲線の改善
について説明する。
【0097】図5は、たとえば、前記のごとき分散補償
を行うことが出来る素子を複数個用いて群速度遅延時間
−波長特性を改善する方法を説明する図であり、図5
(A)は本発明に用いる分散補償素子を構成する分散補
償を行うことが出来る素子が1個の場合の群速度遅延時
間−波長特性を、図5(B)は群速度遅延時間−波長特
性曲線の形がほぼ同じで、群速度遅延時間−波長特性曲
線のピーク値(以下、極値ともいう)を与える波長(以
下、極値波長ともいう)が異なる分散補償を行うことが
出来る素子を入射光の光路に沿って2個直列に接続した
(以下、入射光の光路に沿って2個直列に接続したこと
を、単に、2個直列に接続したともいう。以下、3個直
列、4個直列などの場合も同様。)本発明に用いる光分
散補償素子の群速度遅延時間−波長特性を、図5(C)
は群速度遅延時間−波長特性曲線の形がほぼ同じで極値
波長が異なる分散補償を行うことが出来る素子を3個直
列に接続した本発明に用いる光分散補償素子の群速度遅
延時間−波長特性を、図5(D)は直列に接続する分散
補償を行うことが出来る素子3個のうちの1個が他の2
個と群速度遅延時間−波長特性曲線の形も極値波長も異
なる分散補償を行うことが出来る図示のような特性の素
子を3個直列に接続した本発明に用いる光分散補償素子
の群速度遅延時間−波長特性を、それぞれ示すグラフで
あり、いずれも縦軸が群速度遅延時間、横軸が波長であ
る。そして、たとえば図5(A)から(D)に示したよ
うな特性を有する光分散補償素子を用いて、これに限ら
れないが、たとえば、図示しないが、2つの光分散補償
素子の入射面を対向させて配置して、前記入射面を対向
させて配置した2つの光分散補償素子(すなわち、各光
分散補償素子単体)の間で信号光を複数回反射させなが
ら進行させて分散補償を行うようにした複合型の光分散
補償素子を構成して、それを光伝送路の中の適切なとこ
ろ、たとえば、光ファイバに直列に接続させたり、伝送
路に設けた増幅器、受信器、波長分波器、中継局の各種
装置等の信号光の経路中に配置して信号光の分散を補償
することができる。
【0098】図5において、符号301〜309は本発
明に用いる分散補償素子を構成する分散補償を行うこと
が出来る素子1個の各群速度遅延時間−波長特性曲線、
310は群速度遅延時間−波長特性曲線の形がほぼ同じ
で極値波長が異なる分散補償を行うことが出来る素子を
2個直列に接続した場合の群速度遅延時間−波長特性曲
線、311は群速度遅延時間−波長特性曲線の形がほぼ
同じで極値波長が異なる分散補償を行うことが出来る素
子を3個直列に接続した場合の群速度遅延時間−波長特
性曲線、312は直列に接続する分散補償を行うことが
出来る素子3個のうちの1個が他の2個と群速度遅延時
間−波長特性曲線の形も極値波長も異なる分散補償を行
うことが出来る図示のような特性の素子を3個直列に接
続した場合の群速度遅延時間−波長特性曲線である。図
5(A)で符号aは分散補償対象波長帯域の帯域幅、b
は群速度遅延時間の極値の大きさ(以下、単に、極値と
もいう)である。曲線302〜307および309の分
散補償対象波長域の帯域幅と群速度遅延時間の極値がほ
ぼ同じで、曲線308は曲線307や309よりも分散
補償対象波長域の帯域幅が狭く群速度遅延時間の極値が
大きい群速度遅延時間−波長特性曲線である。なお、上
記曲線301〜309の極値波長は、図示の如く、それ
ぞれ異なっている。
【0099】図5(B)と(C)において、群速度遅延
時間−波長特性曲線310の群速度遅延時間の極値は、
分散補償を行うことが出来る素子1個の場合の1.6
倍、分散補償対象波長帯域の帯域幅は約1.8倍になっ
ており、群速度遅延時間−波長特性曲線311の群速度
遅延時間の極値は分散補償を行うことが出来る素子1個
の場合の約2.3倍、分散補償対象波長の帯域幅は分散
補償を行うことが出来る素子1個の場合の約2.5倍に
なっている。図5(D)においては、群速度遅延時間−
波長特性曲線312の曲線の群速度遅延時間の極値が分
散補償を行うことが出来る素子307と309の各1個
の場合の約3倍、分散補償対象波長帯域の帯域幅は分散
補償を行うことが出来る素子307と309の各1個の
場合の約2.3倍になっている。
【0100】図2〜図4において説明したような多層膜
を用いた分散補償を行うことが出来る素子の群速度遅延
時間−波長特性曲線の群速度遅延時間の極値と分散補償
対象波長帯域の帯域幅は、前記多層膜の各反射層と各光
透過層の構成条件によって変化し、たとえば、図5
(D)の曲線307のような分散補償対象波長帯域の帯
域幅は比較的広いが群速度遅延時間の極値があまり大き
くない群速度遅延時間−波長特性曲線と曲線308のよ
うに分散補償対象波長帯域の帯域幅は狭いが群速度遅延
時間の極値は大きい群速度遅延時間−波長特性曲線を組
み合わせるなどにより、種々の特性を有する分散補償を
行うことが出来る素子を実現することが出来る。
【0101】多層膜として、入射面から膜の厚み方向
に、反射層に挟まれた光透過層(キャビティ、すなわち
入射光に対する共振器を形成している。)が2つ、すな
わち2キャビティの多層膜を例にとって説明したが、本
発明に用いる分散補償素子ではこれに限定されず、3キ
ャビティ、4キャビティなど種々の構成の多層膜を用い
ることを可能にするものである。
【0102】また、図4における群速度遅延時間−波長
特性曲線や、図5(D)における群速度遅延時間−波長
特性曲線など、直列に接続して用いる分散補償を行うこ
とが出来る素子の群速度遅延時間−波長特性を適宜工夫
して選択することにより、3次の分散のみならず分散補
償用のファイバで補償して残った2次の微細な分散をも
補償することが出来る。
【0103】また、通信伝送路の分散補償をより効果的
に行うには、光分散補償素子の群速度遅延時間−波長特
性曲線を利用目的に最も適したものにすることが望まし
い。そのための1つの方法として、分散補償を行うこと
が出来る素子の群速度遅延時間−波長特性を調整できる
手段を有する方法がある。
【0104】その1つの方法として、図3を用いて説明
したような、多層膜の光透過層の膜厚を入射面内方向に
おいて変化させ、分散補償を行うことが出来る素子にお
ける入射光の入射位置を変えて、分散補償を行うことが
出来る素子の群速度遅延時間−波長特性を変えることが
あげられる。この入射光の入射位置を変更する手段は、
たとえば、入射光の位置に対して、多層膜200あるい
は入射光の入射位置そのものの少なくとも一方を移動さ
せる手段がある。前記多層膜または入射光の位置を移動
させる手段としては、光分散補償素子の使用される事
情、コストあるいは特性など、事情によって種々選択す
ることができる。たとえば、コスト上あるいは装置の事
情から、ネジなどの手動的手段により行う方法を用いる
ことができ、また、正確に調整するため、あるいは手動
で調整することができない時にも調整することができる
ようにするためには、たとえば電磁的なステップモータ
や連続駆動モータを用いることが効果的であり、また、
PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などを用いた圧電モー
ターを使用することも効果的である。また、これらの方
法と組み合わせることもできるプリズムや二芯コリメー
タなどを用いたり、光導波路を利用するなどの光学的手
段によって入射位置を選択することにより、容易に、正
確に入射位置を選択することができる。
【0105】また、前記多層膜の少なくとも1つのキャ
ビティを、たとえばエア(空気)ギャップキャビティに
置きかえて、エアギャップを可変にすることにより、群
速度遅延時間−波長特性を変えることができる。
【0106】群速度遅延時間ー波長特性を調整する方法
の他の例は、図5を用いて説明したような複数の分散補
償を行うことができる素子を直列に接続して任意の特性
曲線を実現する方法である。
【0107】本発明に使用する光分散補償素子に用いる
ことができる前記分散補償を行うことが出来る素子を構
成する多層膜の各層は、たとえば、厚みが4分の1波長
のSiO2のイオンアシスト蒸着で作成した膜(以下、
イオンアシスト膜ともいう)で形成された層Lと、厚み
が4分の1波長のTa2O5のイオンアシスト膜で形成さ
れた層Hとを組み合わせて構成されている。前記SiO
2のイオンアシスト膜(層L)1層とTa2O5のイオン
アシスト膜(層H)1層の組みあわせ層でLHの層1セ
ットと称し、たとえば、「LHの層5セット積層して」
とは、「層L・層H・層L・層H・層L・層H・層L・
層H・層L・層Hの順に各層をそれぞれ1層ずつ重ねて
形成して」ということを意味する。
【0108】同様に、前記LLの層は、厚みが4分の1
波長のSiO2のイオンアシスト膜で構成されている層
Lを2層重ねて形成した層をLLの層1セットと称す。
したがって、たとえば、「LLの層を3セット積層し
て」とは、「層Lを6層重ねて形成して」を意味する。
前記HHの層に関しても同様である。
【0109】なお、層Hを形成する膜の組成として、誘
電体の例を示したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、Ta2O5と同様の誘電体材料としてはTa2O5
の他に、TiO2、Nb2O5などを用いることができ、
さらに、誘電体材料の他に、SiやGeを用いて層Hを
形成することもできる。また、層Lの組成としてSiO
2の例を示したが、SiO2は安価にしかも信頼性高く層
Lを形成できる利点があるが、本発明に使用する分散補
償素子はこれに限定されるものではなく、層Hの屈折率
よりも屈折率が低くなる材質によって層Lを形成すれ
ば、前記効果を発揮する分散補償を行うことができる素
子を実現することができる。
【0110】また、層L、層Hをそれぞれ1種類の材質
により形成する例を説明したが、必ずしもこれに限定さ
れず、複数種類の材料で形成したり、少なくとも1つの
層を他の同様の作用の層とは異なる材料(たとえば、屈
折率の少し異なる材料)で形成することもできる。さら
に、層Lと層Hのほかに、適当な第3の層を設けること
があってもよい。
【0111】また、前記の例では、多層膜を構成する層
Lと層Hをイオンアシスト蒸着で形成したが、本発明に
使用する分散補償素子はこれに限定されるものではな
く、通常の蒸着、スパッタリング、イオンプレーティン
グその他の方法で形成した多層膜を用いても本発明は大
きな効果を発揮するものである。
【0112】なお、上記の多層膜の層L、層Hの組成や
形成方法は、本発明のフィルタ層の形成に用いることが
できる。
【0113】以上の説明で、多層膜を用いた光分散補償
素子を用いれば、光ファイバを伝送させることにより信
号光に生じる分散など光通信の高速・長距離伝送を実現
する上で大きな問題になる3次および2次の分散を補償
できることが明示された。
【0114】前記の本発明に用いる多層膜を用いた光分
散補償素子の大きな特徴は、種々の形の群速度遅延時間
ー波長特性曲線を比較的容易に実現することができ、し
かも、3次の分散補償のみならず、微細な2次の分散補
償も可能なような群速度遅延時間ー波長特性曲線をも実
現できることである。
【0115】そして、本発明に用いる多層膜を用いた光
分散補償素子は、分散補償を行うときの挿入損失がきわ
めて小さいという大きな利点を有している。
【0116】その挿入損失は、3次の分散を補償しよう
と種々の試みが行われたが実用化は難しいとされている
ファイバーグレーティングの挿入損失の10分の1を大
きく下まわるものであり、さらに、前記分散補償を行う
ことができる素子を複数個直列に接続するときの損失
も、たとえば、一対の素子の入射面を対向させて配置
し、その間で信号光を必要回数反射させるなどにより、
ファイバコリメータの挿入を最小限に押さえることがで
きるなど、従来の分散補償では期待できなかったほど小
さな挿入損失に押さえることができる。
【0117】本発明を正確に説明するためには、本発明
に使用する光分散補償素子の特徴の理解が必要であるの
で、図1〜図5を用いて説明してきた。
【0118】次に、前記の如き特徴的な光分散補償素子
を用いた本発明の光通信方法とそこに用いられている分
散補償方法を用いた光通信装置について詳細に説明す
る。
【0119】光通信においては、たとえば10nmとか
30nmといった広い波長域の信号波を合波して送信
し、着信側ではその信号光を波長分波器によって適宜分
波して、より狭い波長域の信号光にする。
【0120】以上、本発明に用いる光分散補償素子に関
して説明したが、本発明に用いる多層膜を用いた光分散
補償素子は、従来のファイバーグレーティングやエタロ
ンを用いた光分散補償素子の技術思想とは違い、そし
て、伝送路のファイバに対する分散補償ファイバとも異
なる、新規な技術思想に基ずくものであるため、その理
解を深めるために、やや詳しく説明した。
【0121】次に、このような多層膜素子を用いた本発
明の光学部品と、それを用いた光分散補償器ならびに光
分散補償方法について説明する。
【0122】図6は本発明の光学部品の断面図である
が、図中の線の混乱を避けるため、断面図を表す斜線を
施していない。
【0123】図6で、符号150は光学部品、151は
基板で、BK−7ガラス(ドイツ国、ショット社の商品
名)を用いている。符号152はフィルタ層、153は
反射体、154は入射光の光学部品150への入射位
置、155は入射光の進行方向、156は光学部品が図
7を用いて後述する光分散補償器の構成要素などに用い
られて出射光がある場合の出射光の進行方向、159〜
179は光路である。入射位置154には、反射体15
3が形成されておらず、図示していないが、反射防止膜
を形成してあり、基板面での入射光の散乱を防いでい
る。
【0124】図6で、矢印155の方向に光路159を
進行してきた入射光は、光学部品150の入射位置15
4から基板151に入射して光路160を通りフィルタ
層152に達する。
【0125】ここで、基板151は光学的に等方性であ
り、フィルタ層152は光の入射位置によって、透過す
る光の波長が異なるように形成されている。
【0126】光路160からフィルタ層152に入射し
た光の透過光は光路161へ進行し、反射光は光路16
2へ進行して反射体153で反射されて光路163を進
行してフィルタ層152に入射し、そこでの透過光は光
路164へ進行し、反射光は光路165へ進行して反射
体153で反射されて光路166を進行してフィルタ層
152に入射し、透過光と反射光に分離され、以下同様
のことを光路178まで繰り返し、透過光が光路179
へと進行する。
【0127】フィルタ層152を透過して、光路16
1、164、167、170、173、176、179
へと進行した各光の波長は異なる。
【0128】フィルタ層152の一例は、基板151の
上にHLの層を7層形成した第1の混成層を形成し、そ
の上に層Hを2層形成したH単独層を形成し、その上に
LHの層を7層形成した第2の混成層を形成してフィル
タ層と、本発明の光学部品の第1の実施例を造った。
【0129】フィルタ層152の他の実施例として、基
板151の上にLHの層を7層形成した第2の混成層を
形成し、その上に層Lを2層形成したL単独層を形成
し、その上にHLの層を7層形成した第1の混成層を形
成してフィルタ層とし、本発明の光学部品の第2の実施
例を造った。
【0130】フィルタ層152のさらに他の実施例とし
て、基板151の上に層Lを1層形成し、その上に前記
第1の実施例のフィルタ層を形成し、その上に層Lを1
層形成してフィルタ層として、本発明の光学部品の第3
の実施例を造った。
【0131】フィルタ層152のさらに他の実施例とし
て、基板151の上に層Hを1層形成し、その上に前記
第2の実施例のフィルタ層を形成し、その上に層Hを1
層形成してフィルタ層として本発明の光学部品の第4の
実施例を造った。
【0132】前記の如く形成した本発明の光学部品の第
1〜第4の実施例におけるフィルタ層152は、入射光
の透過光の光路に沿って、フィルタ層の厚みの中心を対
称の中心として、フィルタ層の基板151の側とフィル
タ層の透過光出射側の表面側とで、透過光に対する光学
的性質としての屈折率の分布が対称となるように形成さ
れており、光路161、164、167、170、17
3、176、179から出射した光と同じ波長の光が前
記各光路と同じ光路を通ってフィルタ層152に入射し
た場合、それぞれ光路178〜160の当該光路を進行
して光路160から159へと矢印156の方向へ出射
するように構成されている。
【0133】また、反射体153としては、当該入射位
置への入射光の中心波長に対する反射率が99.9%以
上、望ましくは100%の反射鏡で構成されたものを反
射体153の第1の例として用いて本発明の光学部品を
構成した。
【0134】また、反射体153の他の例として、反射
体153を多層膜で構成し、この多層膜として、図1〜
図5を用いて説明した光分散補償素子としての多層膜を
用いた。
【0135】基板151のフィルタ層152が形成され
る面と反射体153が形成される面は平行であり、フィ
ルタ層152と反射体153は平行に配置されている。
【0136】図7は、図6を用いて説明した本発明の光
学部品を用いて構成した本発明の光分散補償器を説明す
る断面図である。
【0137】図7は断面図であるが、図6と同様に、光
路や引出し線の各線分と斜線の混乱を避けるため、断面
図を表す斜線は省略して示してある。
【0138】図7において、符号195は本発明の光分
散補償器、190は第2の光学部品、191は第2の光
学部品195の基板、192は第2の光学部品195の
反射体である。
【0139】符号150aは図6で説明した光学部品1
50と同じ光学部品を用いた第1の光学部品である。
【0140】図7で、光路159を進行して矢印155
の方向から入射位置154に入射した光は、図6で説明
したように、各位置でフィルタ層152を透過した当該
波長の光が光路161、164、167、170、17
3、176、179から出射し、第2の光学部品190
の反射体192に入射して反射される。
【0141】ここで、反射体192は、第1の光学部品
150aのフィルタ層152および反射体153と1度
〜30度の角度をなすように配置されており、入射位置
154と同じところに出射位置をとることができるとと
もに、各光路161、164、167、170、17
3、176、179の必要な光路に垂直になるように配
置されている。
【0142】反射体192と反射体153の角度を変え
ることにより、分散補償特性を制御することができる。
【0143】次に、このように構成した本発明の光学部
品を用いた本発明の光分散補償器における分散補償につ
いて説明する。
【0144】図7の矢印155の方向から第1の光学部
品150aに入射して各光路を進行した光は、波長に応
じて上記の説明のように各光路161〜179をそれぞ
れ進行するが、上記説明から明らかなようにその波長毎
の光路長が異なっている。
【0145】そのため、光路159から矢印155の方
向に進行して光分散補償器195の第1の光学部品15
0aに入射した信号光は、第1の光学部品150aと第
2の光学部品190によって波長に応じた光路差を与え
られ、第1の光学部品150a内の光路160から光路
159へと矢印156の方向に出射したときには、入射
したときの信号光に比較して分散が生じている。この出
射光に生じた分散が、入射光に生じている分散と逆の分
散になるようにすることによって、光分散補償器195
は入射する信号光の分散補償を行うことできる。光分散
補償器195は、第1の光学部品150aのフィルタ層
152を透過する光の波長が、光路161、164,1
67,170,173,176,179の順に短くなる
ようにフィルタ層152の膜厚を入射面内方向において
変化させて形成しておけば、波長が1.4μm〜1.8
μmの信号光に対して、SMFを伝送路に用いた場合に
信号光に生じる分散の補償に用いることができる。 ま
た、フィルタ層152の透過光の波長が光路161,1
64,167,170,173,176,179の順に
長くなるようにフィルタ層152の膜厚を入射面内方向
において変化させておけば、光分散補償器195を、S
MFとは逆の傾向の分散を信号光に生じるさせる伝送路
の分散補償に用いることができる。
【0146】ここで、フィルタ層152の膜厚を入射面
内方向において変化させて構成して入射光に生じさせる
分散は、図7で説明した光分散補償器195内を進行す
る信号光の各波長成分間の光路差によるものであり、2
次の分散補償に用いると効果的である。
【0147】次に、第1の光学部品150aの反射体1
53を、図1〜図5を用いて説明した光分散補償素子の
ような多層膜を適切な用い方をして形成した場合、その
多層膜の構成の仕方によって、本発明の光分散補償器1
95を用いて3次の分散や2次の分散を補償することが
できる。
【0148】本発明の光分散補償方法は、上記の如く、
たとえば光分散補償器195として構成されているもの
を通信経路に用いて信号光の分散を補償することもでき
るが、これに限られず、前記光学部品150を用いて、
第2の光学部品の反射体192に相当するものを適宜用
意し、分散補償器を構成して分散補償ができる方法であ
る。
【0149】なお、本発明においては、本発明の光学部
品や光分散補償器に信号光を入力もしくは出力するとき
の光結合のときにはコリメータを用いるが、反射体間の
光の往復光路には、従来のように、必ずしもレンズを用
いなくてもよく、本発明の光分散補償器を信号光の光路
に挿入したことによる挿入損失は、従来では考えられな
いほどきわめて小さなものである。
【0150】本発明の光学部品およびそれを用いた光分
散補償器ならびに光分散補償方法は、上記の如く、光通
信における2次の分散補償に用いることができ、構成の
仕方によっては3次の分散補償も同時に行うのに用いる
ことができるものであるが、本発明の光学部品の用途は
これに限定されるものではなく、波長分波器などにも用
いることができる。
【0151】本発明の光学部品は、小型であり、その実
装は種々の形態をとり得ることが上記の説明から明らか
であり、取り扱いやすい形態で実施することができるも
のである。
【0152】なお、本発明の光学部品におけるBK−7
ガラスを用いた基板は、光透過層として用いたものであ
るが、BK−7ガラスに限定されるものではなく、特に
好ましくは、光学的に等方性のガラスを用いることがで
きる。
【0153】
【発明の効果】以上、本発明を詳細に説明したが、本発
明は、光通信における波長分散の補償に用いることがで
きる小型で、挿入損失がきわめて小さく、取り扱いやす
く、安価な光学部品およびそれを用いた光分散補償器な
らびに光分散補償方法を提供するものであり、2次およ
び3次の分散を補償し、高速・長距離通信における制約
を大幅に緩和することができ、光通信の利用範囲を飛躍
的に拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】3次の分散補償を説明する図である。
【図2】本発明に用いる光分散補償素子を構成する多層
膜の例の断面図である。
【図3】本発明に用いる光分散補償素子を構成する多層
膜の例の斜視図である。
【図4】本発明に用いる光分散補償素子を構成する多層
膜の群速度遅延時間−波長特性曲線の例である。
【図5】本発明に用いる分散補償を行うことが出来る素
子を複数個用いて群速度遅延時間−波長特性を改善する
方法を説明する図である。
【図6】本発明の光学部品を説明する図である。
【図7】本発明の光分散補償器を説明する図である。
【図8】2次と3次の波長分散の補償方法を説明する図
である。
【図9】従来の光ファイバの波長分散−波長特性を示す
グラフである。
【符号の説明】
301〜312,1101,1102,1103,28
01,2811,2812:群速度遅延時間−波長特性
曲線 522、531:SMF 100,200:多層膜 101,155,230:入射光の方向を示す矢印 102,156,240:出射光の方向を示す矢印 103,104,105,201,202,203:反
射層 108,109,206,207:光透過層 107,151,191,205:基板 111,112,211,212:キャビティ 150:光学部品 150a:第1の光学部品 152:フィルタ層 153,192:反射体 159〜179:光路 190:第2の光学部品 195:光分散補償器 220:光入射面 250,260:膜厚変化方向を示す矢印 270,271:入射光の入射位置を移動させる方向 280,281,282:入射位置 501,502,503,504,511,512,5
13,514:信号光の特性を示すグラフ 520,530:伝送路 521:分散補償ファイバ 524,534:送信器 525,535:受信器 601:SMFの波長分散−波長特性曲線 602:分散補償ファイバの波長分散−波長特性曲線 603:DSFの波長分散−波長特性曲線
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04B 10/18 (72)発明者 田中 佑一 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 東 伸 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 古城 健司 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 時田 宏典 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 (72)発明者 矢口 寛 埼玉県戸田市新曽南3丁目1番23号 株式 会社応用光電研究室内 Fターム(参考) 2H037 BA00 2H048 FA05 FA07 FA09 FA22 FA24 GA07 GA09 GA13 GA22 GA34 GA51 GA60 GA62 5K002 CA01 FA01

Claims (45)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信伝送路に光ファイバを用いる光通信
    に用いることができる光学部品であって、光通信に使用
    することができる光(可視光および非可視光のいずれで
    もよい)を入射光とするとき、前記光学部品が、特定の
    波長の入射光を透過するがその他の波長の入射光は反射
    するという性質を有するフィルタ層と、少なくとも1層
    の光透過層と、前記光透過層を少なくとも1層挟んで前
    記フィルタ層と対向するように配置された反射体と、を
    有しており、さらに、前記フィルタ層は、その入射面に
    おける入射光の入射位置を変えることによって透過光の
    波長が異なるように構成されているとともに、入射光に
    対する光路長(以下、単に、光路長ともいう)として考
    えたときの該フィルタ層の厚み方向において、該透過光
    に関する光学的性質が対称であるように構成されてお
    り、前記反射体は、前記反射体への入射光の中心波長の
    光に対する反射率が99.9%以上であり、前記反射体
    と前記フィルタ層はほぼ平行に配置されていることを特
    徴とする光学部品。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学部品において、前
    記フィルタ層が多層膜で構成されており、前記フィルタ
    層を構成する多層膜は、前記多層膜の厚み方向の一方の
    側からみて、少なくとも、光路長として考えたときの膜
    厚が前記透過光の波長λの4分の1(以下、単に、λ/
    4の膜厚ともいう)で屈折率が比較的高い層(以下、層
    Hともいう)を1層とλ/4の膜厚で屈折率が比較的低
    い層(以下、層Lともいう)を1層とをこの順に重ねて
    形成した層(以下、HLの層ともいう)を複数組重ねて
    形成した第1の混成層を少なくとも1層と、層Lを1層
    と層Hを1層とをこの順に重ねて形成した層(以下、L
    Hの層ともいう)を複数組重ねて形成した第2の混成層
    を少なくとも1層と、前記第1および第2の各混成層の
    間に層Lのみを偶数層重ねて形成した単独層(以下、L
    単独層ともいう)を少なくとも1層または前記第1およ
    び第2の各混成層の間に層Hのみを偶数層重ねて形成し
    た単独層(以下、H単独層ともいう)を少なくとも1層
    とを有することを特徴とする光学部品。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の光学部品において、前
    記フィルタ層を構成する多層膜が、膜の厚み方向の一方
    の側から順に、第1の混成層を1層と、H単独層を1層
    と、第2の混成層を1層とで構成されていることを特徴
    とする光学部品。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光学部品において、前
    記フィルタ層を構成する多層膜が、その厚み方向の一方
    の側から順に、HLの層を7層重ねて形成した第1の混
    成層と、層Hを2層重ねて形成したH単独層と、LHの
    層を7層重ねて形成した第2の混成層とを有することを
    特徴とする光学部品。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の光学部品において、前
    記フィルタ層を構成する多層膜が、その厚み方向の一方
    の側から順に、LHの層を7層重ねて形成した第2の混
    成層と、層Lを2層重ねて形成したL単独層と、HLの
    層を7層重ねて形成した第1の混成層とを有することを
    特徴とする光学部品。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の光学部品において、前
    記フィルタ層を構成する多層膜が、その厚み方向の一方
    の側から順に、層Lを少なくとも1層と、HLの層を7
    層重ねて形成した第1の混成層と、層Hを2層重ねて形
    成したH単独層と、LHの層を7層重ねて形成した第2
    の混成層と、層Lを少なくとも1層とを有することを特
    徴とする光学部品。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の光学部品において、前
    記フィルタ層を構成する多層膜が、その厚み方向の一方
    の側から順に、層Hを少なくとも1層と、LHの層を7
    層重ねて形成した第2の混成層と、層Lを2層重ねて形
    成したL単独層と、HLの層を7層重ねて形成した第1
    の混成層と、層Hを少なくとも1層とを有することを特
    徴とする光学部品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光
    学部品において、前記反射体が、前記反射体への入射光
    に対する反射率が99、9%以上の反射鏡であることを
    特徴とする光学部品。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光
    学部品において、前記反射体の少なくとも一部が多層膜
    で構成されており、前記反射体を構成する多層膜が、複
    数の層Hと層Lの組み合わせ層で形成された反射層を少
    なくとも3層と、前記反射層の間に形成されており層H
    と層Lのうちのいずれか一方を偶数層重ねて形成された
    光透過層を少なくとも2層で構成されていることを特徴
    とする光学部品。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の光学部品において、
    前記反射体の多層膜を構成する各反射層の、入射光の中
    心波長に対する反射率が、前記多層膜の厚み方向におい
    て、入射面側から順に大きくなっているように各反射層
    が構成されていることを特徴とする光学部品。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の光学部品におい
    て、前記反射体の多層膜を構成する光透過層とそれを挟
    んで形成されている両側の反射層とで、入射光に対する
    キャビティが形成されていることを特徴とする光学部
    品。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11のいずれか1項に記載
    の光学部品において、前記反射体の多層膜を構成する少
    なくとも一層の光透過層の少なくとも一部の、光路長と
    して考えたときの膜厚が、前記反射体の入射面に平行な
    方向(以下、入射面内方向ともいう)において変化して
    いることを特徴とする光学部品。
  13. 【請求項13】 請求項9〜12のいずれか1項に記載
    の光学部品において、前記反射体が入射光の波長分散を
    補償することができる多層膜で構成されていることを特
    徴とする光学部品。
  14. 【請求項14】 通信伝送路に光ファイバを用いる光通
    信に用いて信号光(可視光および非可視光のいずれでも
    よい)の波長分散(以下、単に、分散ともいう)を補償
    することができる光分散補償器であって、前記光分散補
    償器は、少なくとも、フィルタ層と光透過層と反射体と
    を有する第1の光学部品と、前記第1の光学部品に対向
    して配置された少なくとも1つの反射体を有する第2の
    光学部品とを有しており、前記第1の光学部品のフィル
    タ層は、特定の波長の入射光を透過するがその他の波長
    の入射光は反射するという性質を有しており、前記第1
    の光学部品の反射体は、前記光透過層を少なくとも1層
    挟んで前記フィルタ層と対向するように配置されてお
    り、さらに、前記第1の光学部品のフィルタ層は、その
    入射面における入射光の入射位置を変えることによって
    透過光の波長が異なるように構成されているとともに、
    入射光に対する光路長(以下、単に、光路長ともいう)
    として考えたときの該フィルタ層の厚み方向において、
    該透過光に関する光学的性質が対称であるように構成さ
    れており、前記第1の光学部品の反射体は、前記反射体
    への入射光の中心波長の光に対する反射率が99.9%
    以上であり、さらに、前記第1の光学部品を構成する反
    射体とフィルタ層はほぼ平行に配置されており、前記第
    2の光学部品の反射体と前記第1の光学部品の反射体と
    は、前記第1の光学部品の前記フィルタ層の互いに反対
    側に、かつ、平行でなく配置されていることを特徴とす
    る光分散補償器。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の光分散補償器にお
    いて、前記第1の光学部品のフィルタ層が多層膜で構成
    されており、前記フィルタ層を構成する多層膜は、前記
    多層膜の厚み方向の一方の側からみて、少なくとも、光
    路長として考えたときの膜厚が前記透過光の波長λの4
    分の1(以下、単に、λ/4の膜厚ともいう)で屈折率
    が比較的高い層(以下、層Hともいう)を1層とλ/4
    の膜厚で屈折率が比較的低い層(以下、層Lともいう)
    を1層とをこの順に重ねて形成した層(以下、HLの層
    ともいう)を複数組重ねて形成した第1の混成層を少な
    くとも1層と、層Lを1層と層Hを1層とをこの順に重
    ねて形成した層(以下、LHの層ともいう)を複数組重
    ねて形成した第2の混成層を少なくとも1層と、前記第
    1および第2の各混成層の間に層Lのみを偶数層重ねて
    形成した単独層(以下、L単独層ともいう)を少なくと
    も1層または前記第1および第2の各混成層の間に層H
    のみを偶数層重ねて形成した単独層(以下、H単独層と
    もいう)を少なくとも1層とを有することを特徴とする
    光分散補償器。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の光分散補償器にお
    いて、前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多層
    膜が、膜の厚み方向の一方の側から順に、第1の混成層
    を1層と、H単独層を1層と、第2の混成層を1層とで
    構成されていることを特徴とする光分散補償器。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の光分散補償器にお
    いて、前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多層
    膜が、その厚み方向の一方の側から順に、HLの層を7
    層重ねて形成した第1の混成層と、層Hを2層重ねて形
    成したH単独層と、LHの層を7層重ねて形成した第2
    の混成層とを有することを特徴とする光分散補償器。
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の光分散補償器にお
    いて、前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多層
    膜が、その厚み方向の一方の側から順に、LHの層を7
    層重ねて形成した第2の混成層と、層Lを2層重ねて形
    成したL単独層と、HLの層を7層重ねて形成した第1
    の混成層とを有することを特徴とする光分散補償器。
  19. 【請求項19】 請求項16に記載の光分散補償器にお
    いて、前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多層
    膜が、前記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、層L
    を少なくとも1層と、HLの層を7層重ねて形成した第
    1の混成層と、層Hを2層重ねて形成したH単独層と、
    LHの層を7層重ねて形成した第2の混成層と、層Lを
    少なくとも1層とを有することを特徴とする光分散補償
    器。
  20. 【請求項20】 請求項16に記載の光分散補償器にお
    いて、前記フィルタ層を構成する多層膜が、前記多層膜
    の厚み方向の一方の側から順に、層Hを少なくとも1層
    と、LHの層を7層重ねて形成した第2の混成層と、層
    Lを2層重ねて形成したL単独層と、HLの層を7層重
    ねて形成した第1の混成層と、層Hを少なくとも1層と
    を有することを特徴とする光分散補償器。
  21. 【請求項21】 請求項14〜20のいずれか1項に記
    載の光分散補償器において、前記第1の光学部品の反射
    体が、該反射体への入射光に対する反射率が99、9%
    以上の反射鏡であることを特徴とする光分散補償器。
  22. 【請求項22】 請求項14〜20のいずれか1項に記
    載の光分散補償器において、前記第1の光学部品の反射
    体の少なくとも一部が多層膜で構成されており、該反射
    体を構成する多層膜が、複数の層Hと層Lの組み合わせ
    層で形成された反射層を少なくとも3層と、前記反射層
    の間に形成されており層Hと層Lのいずれか一方を偶数
    層重ねて形成された光透過層を少なくとも2層で構成さ
    れていることを特徴とする光分散補償器。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の光分散補償器にお
    いて、前記第1の光学部品の反射体の多層膜を構成する
    各反射層の、入射光の中心波長に対する反射率が、前記
    多層膜の厚み方向において、入射面側から順に大きくな
    っているように各反射層が構成されていることを特徴と
    する光分散補償器。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の光分散補償器にお
    いて、前記第1の光学部品の反射体の多層膜を構成する
    光透過層とそれを挟んで形成されている両側の反射層と
    で、入射光に対するキャビティが形成されていることを
    特徴とする光分散補償器。
  25. 【請求項25】 請求項22〜24のいずれか1項に記
    載の光分散補償器において、前記第1の光学部品の反射
    体の多層膜を構成する少なくとも一層の光透過層の少な
    くとも一部の、光路長として考えたときの膜厚が、前記
    反射体の入射面に平行な方向(以下、入射面内方向とも
    いう)において変化していること(位置によって膜厚が
    異なること)を特徴とする光分散補償器。
  26. 【請求項26】 請求項22〜25のいずれか1項に記
    載の光分散補償器において、前記第1の光学部品の反射
    体が入射光の波長分散を補償することができる多層膜で
    構成されていることを特徴とする光分散補償器。
  27. 【請求項27】 請求項14〜26のいずれか1項に記
    載の光分散補償器において、対向して配置されている前
    記第1の光学部品の反射体と前記第2の光学部品の反射
    体とのなす角が1度以上30度以下であることを特徴と
    する光分散補償器。
  28. 【請求項28】 請求項25に記載の光分散補償器にお
    いて、前記反射体の入射面内方向において膜厚が変化し
    ている光透過層が少なくとも2層あることを特徴とする
    光分散補償器。
  29. 【請求項29】 請求項28に記載の光分散補償器にお
    いて、入射面内方向において膜厚が変化している2層の
    光透過層の膜厚の変化している方向が互いに異なる方向
    であることを特徴とする光分散補償器。
  30. 【請求項30】 通信伝送路に光ファイバを用いる光通
    信における信号光(可視光および非可視光のいずれでも
    よい)の波長分散(以下、単に、分散ともいう)を補償
    する光分散補償方法であって、前記光分散補償方法は、
    信号光の光路に少なくとも、フィルタ層と光透過層と反
    射体とを有する第1の光学部品と、前記第1の光学部品
    に対向して配置された少なくとも1つの反射体を有する
    第2の光学部品とを配置して、信号光の分散を補償する
    光分散補償方法であり、前記第1の光学部品のフィルタ
    層は、特定の波長の入射光を透過するがその他の波長の
    入射光は反射するという性質を有しており、前記第1の
    光学部品の反射体は、前記光透過層を少なくとも1層挟
    んで前記フィルタ層と対向するように配置されており、
    さらに、前記第1の光学部品のフィルタ層は、その入射
    面における入射光の入射位置によって該フィルタ層が透
    過光の波長が異なるように構成されているとともに、入
    射光に対する光路長(以下、単に、光路長ともいう)と
    して考えたときの該フィルタ層の厚み方向において、該
    透過光に関する光学的性質が対称であるように構成され
    ており、前記第1の光学部品の反射体は、前記反射体へ
    の入射光の中心波長の光に対する反射率が99.9%以
    上であり、さらに、前記第1の光学部品を構成する反射
    体とフィルタ層はほぼ平行に配置されており、前記第2
    の光学部品の反射体と前記第1の光学部品の反射体と
    は、前記第1の光学部品を構成している前記フィルタ層
    の互いに反対側に、かつ、平行でなく配置されているこ
    とを特徴とする光分散補償方法。
  31. 【請求項31】 請求項30に記載の光分散補償方法に
    おいて、前記第1の光学部品のフィルタ層が多層膜で構
    成されており、前記フィルタ層を構成する多層膜は、前
    記多層膜の厚み方向の一方の側からみて、少なくとも、
    光路長として考えたときの膜厚が前記透過光の波長λの
    4分の1(以下、単に、λ/4の膜厚ともいう)で屈折
    率が比較的高い層(以下、層Hともいう)を1層とλ/
    4の膜厚で屈折率が比較的低い層(以下、層Lともい
    う)を1層とをこの順に重ねて形成した層(以下、HL
    の層ともいう)を複数組重ねて形成した第1の混成層を
    少なくとも1層と、層Lを1層と層Hを1層とをこの順
    に重ねて形成した層(以下、LHの層ともいう)を複数
    組重ねて形成した第2の混成層を少なくとも1層と、前
    記第1および第2の各混成層の間に層Lのみを偶数層重
    ねて形成した単独層(以下、L単独層ともいう)を少な
    くとも1層または前記第1および第2の各混成層の間に
    層Hのみを偶数層重ねて形成した単独層(以下、H単独
    層ともいう)を少なくとも1層とを有することを特徴と
    する光分散補償方法。
  32. 【請求項32】 請求項31に記載の光分散補償方法に
    おいて、前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多
    層膜が、膜の厚み方向の一方の側から順に、第1の混成
    層を1層と、H単独層を1層と、第2の混成層を1層と
    で構成されていることを特徴とする光分散補償方法。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の光分散補償方法に
    おいて、前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多
    層膜が、前記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、H
    Lの層を7層重ねて形成した第1の混成層と、層Hを2
    層重ねて形成したH単独層と、LHの層を7層重ねて形
    成した第2の混成層とを有することを特徴とする光分散
    補償方法。
  34. 【請求項34】 請求項32に記載の光分散補償方法に
    おいて、前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多
    層膜が、前記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、L
    Hの層を7層重ねて形成した第2の混成層と、層Lを2
    層重ねて形成したL単独層と、HLの層を7層重ねて形
    成した第1の混成層とを有することを特徴とする光分散
    補償方法。
  35. 【請求項35】 請求項32に記載の光分散補償方法に
    おいて、前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多
    層膜が、前記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、層
    Lを少なくとも1層と、HLの層を7層重ねて形成した
    第1の混成層と、層Hを2層重ねて形成したH単独層
    と、LHの層を7層重ねて形成した第2の混成層と、層
    Lを少なくとも1層とを有することを特徴とする光分散
    補償方法。
  36. 【請求項36】 請求項32に記載の光分散補償方法に
    おいて、前記第1の光学部品のフィルタ層を構成する多
    層膜が、前記多層膜の厚み方向の一方の側から順に、層
    Hを少なくとも1層と、LHの層を7層重ねて形成した
    第2の混成層と、層Lを2層重ねて形成したL単独層
    と、HLの層を7層重ねて形成した第1の混成層と、層
    Hを少なくとも1層とを有することを特徴とする光分散
    補償方法。
  37. 【請求項37】 請求項30〜36のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、前記第1の光学部品の反
    射体が、該反射体への入射光に対する反射率が99、9
    %以上の反射鏡であることを特徴とする光分散補償方
    法。
  38. 【請求項38】 請求項30〜36のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、前記第1の光学部品の反
    射体の少なくとも一部が多層膜で構成されており、該反
    射体を構成する多層膜が、複数の層Hと層Lの組み合わ
    せ層で形成された反射層を少なくとも3層と、前記反射
    層の間に形成されており層Hと層Lのうちのいずれか一
    方を偶数層重ねて形成された光透過層を少なくとも2層
    とで構成されていることを特徴とする光分散補償方法。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載の光分散補償方法に
    おいて、前記第1の光学部品の反射体の多層膜を構成す
    る各反射層の、入射光の中心波長に対する反射率が、前
    記多層膜の厚み方向において、入射面側から順に大きく
    なっているように各反射層が構成されていることを特徴
    とする光分散補償方法。
  40. 【請求項40】 請求項39に記載の光分散補償方法に
    おいて、前記第1の光学部品の反射体の多層膜を構成す
    る光透過層とそれを挟んで形成されている両側の反射層
    とで、入射光に対するキャビティが形成されていること
    を特徴とする光分散補償方法。
  41. 【請求項41】 請求項38〜40のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、前記反射体の多層膜を構
    成する少なくとも一層の光透過層の少なくとも一部の、
    光路長として考えたときの膜厚が、前記反射体の入射面
    に平行な方向(以下、入射面内方向ともいう)において
    変化していることを特徴とする光分散補償方法。
  42. 【請求項42】 請求項38〜41のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、前記第1の光学部品の反
    射体が入射光の波長分散を補償することができる多層膜
    で構成されていることを特徴とする光分散補償方法。
  43. 【請求項43】 請求項30〜42のいずれか1項に記
    載の光分散補償方法において、対向して配置されている
    前記第1の光学部品の反射体と前記第2の光学部品の反
    射体とのなす角が1度以上30度以下であること特徴と
    する光分散補償方法。
  44. 【請求項44】 請求項41に記載の光分散補償方法に
    おいて、入射面内方向において膜厚が変化している光透
    過層が少なくとも2層あることを特徴とする光分散補償
    方法。
  45. 【請求項45】 請求項44に記載の光分散補償方法に
    おいて、入射面内方向において膜厚が変化している2層
    の光透過層の膜厚の変化している方向が互いに異なる方
    向であることを特徴とする光分散補方法。
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