JPH1132390A - スピーカの構造 - Google Patents

スピーカの構造

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JPH1132390A
JPH1132390A JP19930297A JP19930297A JPH1132390A JP H1132390 A JPH1132390 A JP H1132390A JP 19930297 A JP19930297 A JP 19930297A JP 19930297 A JP19930297 A JP 19930297A JP H1132390 A JPH1132390 A JP H1132390A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反発磁気回路型の振動板直結型スピーカにおい
て、より軽量化、薄型化のためにボイスコイル下端部或
いは下端部近傍にダンパ内径部を配置しても充分に接着
強度を確保でき、振動系の大振幅時においてもダンパ剥
がれが生じないスピーカを提供すること。 【解決手段】2個のマグネットM1,M2を同極同士が
対向するように配置して両マグネット間に介在せしめた
磁性材からなるセンタープレートPの外周に反発磁束に
よる磁界が形成されるようにし、該磁界内にボイスコイ
ル1を配置してなる反発磁気回路型スピーカにおいて、
ボイスコイルを支持するダンパ2の内径部にはボイスコ
イル1の下端縁1bに固定するための平端部21bを設
けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2個のマグネット
を同極同士が対向するように配置すると共に両マグネッ
ト間に介在せしめた磁性材からなるセンタープレートの
外周に反発磁束による磁界が形成されるようにし、該磁
界内にボイスコイルを配置してなる反発磁気回路型スピ
ーカの構造に係り、特に振動板及びダンパの内径部をボ
イスコイルに直接接合したスピーカの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、図10に示すように、リング
状をなした2個のマグネットM1,M2を同極同士が対
向するように配置して両マグネット間に介在せしめた磁
性材からなるセンタープレートPの外周に反発磁束によ
る磁界が形成されるようにし(一般に反発磁気回路と称
されている)、該磁界内にボイスコイル1を配置してな
る反発磁気回路型スピーカがある。
【0003】我々もこの種の反発磁気回路型スピーカを
各種提案し、また、スピーカの薄型化及び軽量化をより
可能にするために、振動板D及びダンパ2の内径部をボ
イスコイル1に直接接合した振動板直結型スピーカも先
に提案した。
【0004】この図10に示す振動板直結型スピーカの
構造上の特徴は、図9に示す一般的な磁気ギャップGを
有するスピーカではボイスコイルボビン12を介して振
動板Dを駆動するのに対し、ボイスコイルボビンを介さ
ないで、或いはボイスコイルボビンを介したとしても、
ボイスコイル1に極めて近い位置に振動板Dのネック部
を配置することが可能であることから、ボイスコイル1
から振動板Dへの伝搬効率が図9に示すスピーカよりも
遥かに効率的で、しかも磁気ギャップGがない構造であ
ることから、薄型化、軽量化に適した構造である。
【0005】また、図9に示す一般的なスピーカ用の磁
気回路は、軟鉄等の磁性材からなるトッププレートP及
びヨークY等によりマグネットMの磁気を磁気ギャップ
Gに集める閉回路構成であるため、磁気ギャップG内に
発生した磁束の向きは1方向である。
【0006】これに対し、図10に示す振動板直結型ス
ピーカ用の磁気回路(反発磁気回路)は基本的にオープ
ン回路であるため、図11で示すように、マグネットM
1、M2のN極より発生した殆どの磁気はセンタープレ
ートP中を図で示すところの左右に向かって流れ、セン
タープレートPを通過後更に上下方向、即ち、各々のマ
グネットM1、M2の頂部にあるS極に向かって流れる
ため、磁束の向きはプレート近傍と逆の左側となって図
11のようにセンタープレートPを中心に上下方向で対
称な磁束分布を形成するものである。
【0007】図9に示す一般的な磁気ギャップGを有す
るスピーカの場合は、該磁気ギャップGの中にボイスコ
イル1を配置する形式であるから、ボイスコイル1を駆
動する磁束の向きが常に一定であるが、図10に示す反
発磁気回路型スピーカ、特に振動板直結型スピーカの場
合は、磁気回路がオープン回路でしかも磁気ギャップを
形成しない構造であるため、磁気回路周辺、即ち、ボイ
スコイル1が振幅する方向に二つの磁界が発生し、セン
タープレートPの外周部近傍にボイスコイル1を駆動す
る磁束がプラス側に向いたプラス磁界が発生すると共
に、磁束がマイナス側に向いたマイナス磁界がマグネッ
トM1、M2の厚さ方向の中間点近傍から発生する。
【0008】従って、反発磁気回路型スピーカの場合に
は、前記マイナス磁界の存在を考慮に入れる必要があ
り、我々はボイスコイル1が不必要にマイナス磁界の影
響を受けないようにマグネットM1、M2の寸法及びボ
イスコイル1の巻巾寸法等を最適化して、実用に充分耐
え得るスピーカをすでに提案している。
【0009】このような振動板直結型スピーカはボイス
コイル1の振幅範囲内にマイナス磁界を有し易いスピー
カ構造であるから、振動系が中振幅或いは小振幅で済む
スピーカ、例えば、中高音用等のスピーカに適した磁気
回路構造であって、振動系が大振幅するスピーカ、例え
ば、低音用、特に小口径の低音用スピーカ等にはあまり
適さない磁気回路構造とされている。
【0010】しかし、振動板直結型スピーカの利点、即
ち、軽量化、薄型化等が可能な利点を活かし、限られた
条件内、つまり限られたプラス磁界内にて可能な限り振
動系を振幅せしめ、低音域の再生範囲をより一層広げる
方法が望まれる。このための有効な手段として、効率を
損なわない範囲内でボイスコイル1の巻巾寸法を極力小
さくし、ボイスコイル1の振幅時にマイナス磁界に及ぶ
ことを可能な限り避ける方法が考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ボイスコイ
ル1の巻巾寸法を小さくすると、ボイスコイル1の外周
部1Lの上下方向の寸法が小さくなる結果、ボイスコイ
ル1の外周部1Lにおける振動板Dのネック部との接着
部分の寸法比率が大きくなり、ダンパ2の内径部21を
ボイスコイル1に接合するにはボイスコイル1の外周部
1Lの下端部1b近傍にしか接合できないこととなり、
ダンパ内径部21のボイスコイル外周部1Lへの確実な
接合が事実上困難となる。
【0012】ボイスコイル1の外周部1Lにダンパ2を
装着する場合、ダンパ内径部をボイスコイル外周部1L
に挿入した後、ダンパ内径部とボイスコイル外周部1L
との接触部(全周)に接着剤hを塗布し、該接触部を接
着してボイスコイル1とダンパ2を装着する方法が最も
一般的な方法であるが、ダンパ内径部がボイスコイル外
周部1Lの下端部1b近傍に設定すると、ダンパ2の装
着作業においてダンパ内径部がボイスコイル外周部1L
から脱落しやすくなり、装着時の作業性が悪くなるばか
りでなく、従来のように、ダンパ内径部をボイスコイル
外周部1Lの適切な位置に配置したものと比較して接着
面積が約50%程度と少なくなる欠点を有する。
【0013】これを詳説すると、ダンパ内径部をボイス
コイル外周部1Lの適切な位置に配置して接着剤を塗布
した場合、接着剤hの塗布状態はダンパ内径部の片面
(上面)とボイスコイル外周部1Lを覆った状態とな
り、しかも接着剤hがダンパ内径部及びボイスコイル外
周部1Lの接触部における隙間、並びにダンパ2の基材
である織布の織り目から染み出し、該染み出した接着剤
hがダンパ内径部の裏面側及びボイスコイル外周部1L
を接着し、該接着剤hが硬化すると図10に示すような
断面形状となり、ダンパ内径部はダンパ2の基材の表面
及び裏面を確実にボイスコイル外周部1Lに接着せしめ
ることができる。
【0014】一方、ダンパ内径部をボイスコイル下端部
1b或いは下端部1b近傍に配置した場合における接着
剤の塗布状態は、ダンパ内径部の上面側は図10と同様
にダンパ内径部の片面(上面)及びボイスコイル外周部
1Lを覆った状態となるが、ダンパ内径部の隙間、並び
にダンパ2の基材である織布の織り目等から裏面側に染
み出した接着剤は垂れ下がって硬化後には図12で示す
ような断面形状となり、主としてダンパ内径部の片面
(上面)とボイスコイル外周部1Lを接着した構造とな
り、ダンパ内径部を適切に配置したものと比較して、接
着剤hと非接着物であるボイスコイル外周部1L及びダ
ンパ内径部との接着面積が少ない構造となる。
【0015】接着面積が少ないと、大入力時(振動系の
大振幅時)において、接着されたダンパ内径部が該接着
部(ボイスコイル外周部1L)より剥離する、いわゆる
ダンパ剥れの事象が多発し、スピーカの性能に重大な欠
点を与える。
【0016】そこで、本発明の目的は、反発磁気回路型
の振動板直結型スピーカにおいて、より軽量化、薄型化
のためにボイスコイル下端部或いは下端部近傍にダンパ
内径部を配置しても充分に接着強度を確保でき、振動系
の大振幅時においてもダンパ剥がれが生じないスピーカ
を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のスピーカの構造
は、請求項1記載のものにおいては、2個のマグネット
を同極同士が対向するように配置して両マグネット間に
介在せしめた磁性材からなるセンタープレートの外周に
反発磁束による磁界が形成されるようにし、該磁界内に
ボイスコイルを配置してなる反発磁気回路型スピーカに
おいて、ボイスコイルを支持するダンパの内径部にはボ
イスコイルの下端縁に固定するための平端部が設けられ
ていて該平端部とボイスコイルの下端縁とが接着固定さ
れていることを特徴とする。
【0018】これにより、ダンパ内径部をボイスコイル
下端部或いは下端部近傍に配置しても充分に接着強度が
確保され、振動系の大振幅時においてもダンパ剥がれが
生じないから、スピーカをより軽量化、薄型化すること
ができる。
【0019】請求項2記載のものにおいては、前記平端
部と最終内側側の波形のコルゲーションとの間にボイス
コイルの外周に当接する垂直部が設けられ、該垂直部と
ボイスコイルの外周部及び前記平端部とボイスコイルの
下端縁とがそれぞれ接着固定されていることを特徴とす
る。
【0020】これにより、ダンパ内径部をボイスコイル
下端部或いは下端部近傍に配置して接着する際により接
着強度を高めることができる。
【0021】請求項3記載のものにおいては、ボイスコ
イルがボビンレス構造であることを特徴とする。
【0022】前記のようなダンパ内径部とボイスコイル
の下端部との接着強度の確保及び向上の効果は、ボイス
コイルがボビンレスである場合に特に発揮できる。
【0023】請求項4記載のものにおいては、ダンパが
平編錦糸線を装着して導電部を設けた導電ダンパである
ことを特徴とする。
【0024】平編錦糸線をダンパに縫着してボイスコイ
ルへの信号入力用の導電部とした導電ダンパは我々が先
に提案すると共にこれを実施して、薄型化、配線構造の
簡略化等において優れた効果を発揮しているが、請求項
4記載のものにおいてはこのような導電ダンパの内径部
をボイスコイルの下端部に接着固定する構造においても
極めて有利である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に係るスピーカの構造の実
施例を図1〜図8に基づいて説明するが、図10〜図1
2に基づいて説明した従来のものと同一の構成部分につ
いては同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0026】反発磁気回路は、図6に示すように、リン
グ状の2つのマグネットM1,M2を同極同士が対向す
るように配置して両マグネット間に磁性材からなるリン
グ状のセンタープレートPを挟持し、非磁性材からなる
ホルダーHLで保持して構成される。
【0027】前記のようにして構成された反発磁気回路
のセンタープレートPの外周には反発磁束による磁界が
形成されるから、該磁界内にボイスコイル1を配置する
と共に該ボイスコイル1に振動板Dの内径部及びダンパ
2の内径部を接合して反発磁気回路型で且つ振動板直結
型のスピーカが構成される。
【0028】図7及び図8に示すように、ダンパ2は波
形のコルゲーション2cを有するものであり、該ダンパ
2の内径部21にはボイスコイル1の下端縁1bに固定
するための平端部21bを設けて該平端部21bとボイ
スコイル1の下端縁1bとを接着剤hで接着固定する。
図7に示すものにおいては、前記平端部21bとダンパ
2の最内周のコルゲーション2cとの間にボイスコイル
1の下部外周に当接する垂直部21Lが設けられ、該垂
直部21Lとボイスコイル1の下部外周も接着剤hで接
着固定される。
【0029】
【実施例】反発磁気回路を構成するマグネットM1,M
2は、外径29mm、内径12mm、厚さ8mmで、最
大エネルギー積30MGeのネオジウムマグネットを使
用し、センタープレートPは、一般的に使用されている
S10Cと称されている鉄材をプレス加工及び切削加工
して、外径30mm、内径11.78mm、厚さ5mm
のものを得、更にクロメート処理と称されている亜鉛メ
ッキを施した。
【0030】ボイスコイル1は、線材の直径が0.35
mmの銅クラッドアルミ線と称されているものに、絶縁
材としてポリエステルをコートし、更に接着層として、
通称SVワニスと称されている耐熱ワニスをコートし、
最大直径が0.395mmのコイル線材を、内径30.
4mm、巻巾約8.7mm、総巻き数133ターン、1
層目22ターン、巻き層数6、仕上がり外径約35.2
mm、直流抵抗3.4Ωのボビンレス構造のボイスコイ
ルを作製した。また、コイル外周部には絶縁層として厚
さ約8μのポリイミドフィルムを貼り付け、該ポリイミ
ドフィルムの表面には、図1に示すように、厚さ約8
μ、長辺が約10mm、短辺が約8mmの短冊状の銅箔
をピッチ約21mmで2カ所に貼り付け、更に各々の銅
箔にコイル線の端部を半田付けして接続配線し、該銅箔
を入力用電極11とした。
【0031】ダンパ2は、従来の一般のダンパと同様
に、コーネックスと呼ばれる織布を、フェノール樹脂原
液をメタノールで希釈して比重0.925に設定したフ
ェノール樹脂溶液にデッピングしてフェノール樹脂を含
浸させ、メタノール溶剤を揮発させて樹脂タック性を除
いた後、所定の幅に切断してダンパ成型用の基布を作製
した。
【0032】この基布に平編錦糸線3を該基布の中心線
に対して2本平行で且つピッチ寸法を21.2mmで縫
い付ける。平編錦糸線3は、200デニールのパラ系ア
ラミド繊維を中心糸とし、該中心糸に幅0.32mm、
厚さ0.027mmの錫合金銅箔を22回/cmで1層
に巻き付けてなる錦糸線を13本集め、編組ピッチ約2
7.45mm/回で仕上がり幅約3mmの平網状に編ん
で構成される。この平編錦糸線3を縫着した織布を従来
と同様に織布の中心線を基準にして熱プレス成型加工し
て波形のコルゲーション2cを一体成型し、不要な部分
をトリミング加工で除去して、図2のように、平編錦糸
線3をコルゲーション2cに沿った状態で装着した導電
ダンパ2Wを得た。
【0033】導電ダンパ2Wの断面形状は、コイル装着
用の穴、即ちダンパ内径部21の直径が30.8mmで
あり、該内径部21から外周方向に向かって幅約2.2
mmの平坦部21bが設けられる。この平坦部21bの
端部から半径0.9mmの曲率で上方に向かって高さ約
0.9mmの垂直部21Lが設けられ、該垂直部21L
の端部から前記波形のコルゲーション2cが設けられて
いる。従って、前記平端部21bと最内周のコルゲーシ
ョン2cとの間に垂直部21Lが形成されることにな
る。
【0034】コルゲーション2cの頂部から底部までの
深さは1.8mm、ピッチは約3mmであり、9個のコ
ルゲーションを有し、該コルゲーション2cの最大外周
部の径は約91mmで該外周部から外側に幅約3mmの
平坦な貼り代部が形成され、更に該貼り代部の外側に斜
めの立上がり部及び該立上がり部から水平方向に延出す
る2カ所の舌辺部が設けられ、該舌辺部に前記平編錦糸
線3が及んでいる。
【0035】前記のようにして構成された導電ダンパ2
Wは樹脂製の端子リングRに取り付けられる。この端子
リングRは、内径約91mm、外径98mm、厚さ約4
mmのリング形状をなし、外周に高さ約2.5mm、幅
約2mmの立上がり部が設けられ、該立上がり部から水
平方向に延出する舌辺部を一体成型した構成であって、
前記内径部から幅約4mmの平坦部が設けられていて前
記導電ダンパ2Wの貼り代部を接着剤hで貼着するよう
になっている。
【0036】導電ダンパ2Wの貼り代部の貼着に際して
は、導電ダンパ2Wの舌辺部を端子リングRの舌辺部に
配置して接着する。これにより導電ダンパの舌辺部に及
んでいる平編錦糸線3の端部が端子リングRの舌辺部の
所定位置に位置するから、入力用端子ラグ3aをカシメ
止めする。
【0037】ボイスコイル1を前記のようにして端子が
設けられたダンパ2の内径部21に装着する。装着に際
しては、図示しないが組立治具を用い、該治具のダンパ
装着部にダンパを設置し、ボイスコイル1の内径を治具
のコイル装着部に設置する。このとき、図4に示すよう
に、ボイスコイルの外周部1Lに設けた入力用電極11
をダンパ2の内径部21に及んだ平編錦糸線3の端部に
合わせて配置し、ダンパ2の平坦部21bがボイスコイ
ル1の下端縁1bに接触し、垂直部21Lに及んだ平編
錦糸線3と前記入力用電極11も接触する。この接触部
を図5に示すように半田付けし、導通チェックをした
後、該半田付け部sを覆うように、しかもボイスコイル
1の外周部1Lに沿って接着剤hを紐状に均一に1周塗
布する。接着剤は通常一般的に使用されている2液混合
型のアクリル系接着剤であり、塗布量は約0.35gで
ある。
【0038】接着剤hの硬化(常温下においては概ね2
0分程)後、ダンパ2を組立治具から外し、図5に示す
ような端子付きのダンパ2を得る。これを図6に示すよ
うに、通常一般的に6×9インチと称されている楕円形
状の振動板Dを有する振動板直結型の反発磁気回路型ス
ピーカとして組み立てた。
【0039】
【比較例】前記のようにして組み立てた反発磁気回路型
スピーカ(以下、「実施例スピーカ」という)を6組用
意し、これと比較するために、図12に示す従来の反発
磁気回路型スピーカとほぼ同様の構成のスピーカ(以
下、「比較例スピーカ」という)を6組組み立てた。図
12のものと異なる構成はボイスコイルボビン12がな
いボビンレスボイスコイルを使用したことである。
【0040】実施例スピーカ6組と比較例スピーカ6組
を使用して比較したところ、20W入力時(100時
間)には双方共に6台全て異常は認められなかった。次
に、40W(100時間)入力時において実施例スピー
カは6台全て異常は認められなかったが、比較例スピー
カは6台中1台にダンパ剥がれが認められ、更に50W
入力時(100時間)において実施例スピーカは6台全
て異常は認められなかったが、比較例スピーカは残り5
台中の2台にダンパ剥がれが認められた。
【0041】また、60W入力で数時間後の状況につい
て観察したところ、実施例スピーカは6台全て異常は認
められなかったが、比較例スピーカは残り3台中の1台
にダンパ剥がれが認められた。
【0042】図7に示すものおいては、ダンパ2の内径
部21における平坦部21bと最内周側のコルゲーショ
ン2cとの間に垂直部21Lを設けたが、ボイスコイル
1の巻き層数が4層以上のボイスコイルの場合は、図8
に示すように、平坦部21bを設けただけでも充分に接
着面積を得ることが可能であり、これによっても従来の
一般的なボイスコイル外周部1Lとダンパ内径部との装
着構造よりも有効であることは明らかである。
【0043】
【発明の効果】本発明のスピーカの構造によれば、請求
項1記載のものにおいては、反発磁気回路型スピーカで
あって振動板直結型のものにおいて、ダンパ内径部をボ
イスコイル下端部或は下端部近傍に配置しても充分に接
着強度を得ることができ、振動系の大振幅時においても
ダンパ剥れは生じないから、スピーカをより軽量化、薄
型化することができる。
【0044】請求項2記載のものにおいては、ダンパ内
径部をボイスコイル下端部或は下端部近傍に配置して接
着する際により接着強度を高めることができる。
【0045】前記のようなダンパ内径部とボイスコイル
の下端部との接着強度の確保及び接着強度の向上の効果
は、ボイスコイルがボビンレスである場合に特に発揮で
きる。
【0046】請求項4記載のものにおいては、ダンパと
して導電ダンパを使用するスピーカにおいても極めて有
効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカの構造の実施例に使用される
ボイスコイルの斜視図。
【図2】本発明のスピーカの構造の実施例に使用される
ダンパの斜視図。
【図3】ボイスコイルとダンパと組立リングの組立て前
の状態を示す斜視図。
【図4】組立リングに装着したダンパにボイスコイルを
装着する前の状態を示す斜視図。
【図5】ボイスコイルとダンパと組立リングの組立状態
を示す斜視図。
【図6】本発明のスピーカの構造を示す半截断面図。
【図7】本発明のスピーカの構造の要部を示す拡大断面
図。
【図8】本発明のスピーカの構造の他の構成例を示す要
部の拡大断面図。
【図9】従来の一般的な外磁型磁気回路によるスピーカ
の磁気分布を示す局部断面図。
【図10】従来の反発磁気回路型スピーカの要部を示す
拡大断面図。
【図11】従来の反発磁気回路型スピーカの磁気分布を
示す局部断面図。
【図12】ダンパ内径部をボイスコイル下端部近傍に配
置して接着した場合の不具合を説明するための局部拡大
断面図。
【符号の説明】
1 ボイスコイル 1L ボイスコイル外周部 1b ボイスコイル下端縁 2 ダンパ 21 ダンパの内径部 21L 垂直部 21b 平坦部 2W 導電ダンパ 2c コルゲーション 3 平編錦糸線 D 振動板 M1 マグネット M2 マグネット P センタープレート R 組立リング h 接着剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2個のマグネットを同極同士が対向する
    ように配置して両マグネット間に介在せしめた磁性材か
    らなるセンタープレートの外周に反発磁束による磁界が
    形成されるようにし、該磁界内にボイスコイルを配置し
    てなる反発磁気回路型スピーカにおいて、ボイスコイル
    を支持するダンパの内径部にはボイスコイルの下端縁に
    固定するための平端部が設けられていて該平端部とボイ
    スコイルの下端縁とが接着固定されていることを特徴と
    するスピーカの構造。
  2. 【請求項2】 平端部とダンパの最終内側側の波形のコ
    ルゲーションとの間にボイスコイルの下部外周に当接す
    る垂直部が設けられ、該垂直部とボイスコイルの外周部
    及び前記平端部とボイスコイルの下端縁とがそれぞれ接
    着固定されていることを特徴とする請求項1記載のスピ
    ーカの構造。
  3. 【請求項3】 ボイスコイルがボビンレス構造であるこ
    とを特徴とする請求項1、2記載のスピーカの構造。
  4. 【請求項4】 ダンパが平編錦糸線を装着して導電部を
    設けた導電ダンパであることを特徴とする請求項1、
    2、3記載のスピーカの構造。
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