JPH11323522A - 外観に優れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

外観に優れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板

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JPH11323522A JP13550098A JP13550098A JPH11323522A JP H11323522 A JPH11323522 A JP H11323522A JP 13550098 A JP13550098 A JP 13550098A JP 13550098 A JP13550098 A JP 13550098A JP H11323522 A JPH11323522 A JP H11323522A
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善継 鈴木
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洋一 飛山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観に優れた溶融亜鉛めっき鋼板および合金
化処理溶融亜鉛めっき鋼板の提供。 【解決手段】 式(1) で定義される素地鋼板の面強度の
差の絶対値:|Δ|が 3.0以下、素地鋼板の(110) 面の
強度:(110) S が0.5 以下、素地鋼板の面強度比: (22
2)S /〔{ (200)S 2 〕が3.0 以下、かつ、めっき層
中のAl、Znの含有量が式(2) の関係を満足する外観に優
れた溶融亜鉛めっき鋼板、および合金化処理溶融亜鉛め
っき鋼板。|Δ|=|(222) S −(222)1/4|…(1) 、[A
l(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2) ]≧0.03…(2) 、前記
中、(110) S 、(222) S 、(200) S ;素地鋼板表層の、
板面に対して垂直方向における、フェライトの(110)
面、(222) 面、(200) 面のX線回折積分強度、(22
2)1/4;素地鋼板板厚の1/4 の深さの、板面に対して垂
直方向における、フェライトの(222) 面のX線回折積分
強度を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外観に優れた溶融
亜鉛めっき鋼板および合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、溶融亜鉛めっき鋼板、電気めっき
鋼板などの表面処理鋼板の利用範囲が益々広がってお
り、そのため、表面処理鋼板表面の外観の美麗性、表面
の均一性に対する要求が益々厳しくなっている。これに
対して、連続めっきラインにおいて、鋼帯に溶融亜鉛め
っきを施す際に、最終めっき製品の鋼板表面に、使用す
る熱間圧延鋼板(以下熱延板とも記す)の品質に起因す
る、めっきムラ、合金化ムラ、筋状の欠陥などが発生す
ることが多い。
【0003】これらの欠陥の発生を抑制するために、従
来は、表面が美麗で凹凸欠陥や歪み、化学組成などのム
ラが無く、外観の均一な熱延板を、めっき素材として用
いることが不可欠であった。すなわち、例えば、主とし
て熱間圧延時に生成する凹凸状の欠陥が熱延板に存在す
れば、熱延後に黒皮除去や冷間圧延を行っても、凹凸状
の欠陥が残存し、溶融めっき時、加熱合金化時にもその
凹凸状欠陥に起因するめっき付着量のムラ、合金化ムラ
が発生する。
【0004】また、局所的な歪みが熱延板に存在すれ
ば、同様にその後の黒皮酸洗除去や冷間圧延後にも残存
し、溶融めっき時に、該歪みによる鉄の拡散量差に基づ
くめっき付着量のムラ(:めっきムラ)、あるいは合金
化処理を施したときには合金化速度差によって、合金化
ムラが生じる。さらに、熱延後の鋼表面に偏析などによ
る化学組成の分布の不均一性、特に、易酸化性元素の分
布の不均一性が存在していれば、その後の黒皮酸洗除去
や冷間圧延後にも残存し、溶融めっきの方法を問わず、
該化学組成の表面濃度の分布に基づき、めっきムラ、め
っき後の合金化ムラを生じ、上記と同様に外観ムラが生
じる。
【0005】上記した現象は、熱延板に起因する欠陥が
冷間圧延後もそのままめっき原板(:めっき鋼板の素地
鋼板、地鉄)に残り、また溶融亜鉛めっき時に、亜鉛が
該原板と直接合金化反応を行い、その結果、原板の表面
状態の影響を著しく受けるためである。したがって、凹
凸歪み、化学組成の分布の不均一性などの表面欠陥を有
する熱延板を利用する場合、外観に優れた溶融亜鉛めっ
き鋼板、合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板(以下、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板とも記す)を得ることは不可能であ
った。
【0006】これに対して、特開平8−277457号公報で
は、鋼板表層部の金属組織の粒径と形状を調整した外観
性の良好な合金化溶融亜鉛めっき鋼板が開示されてい
る。しかしながら、いかに上記した金属組織、形状を有
するめっき原板を用いても、めっき原板の表面に凹凸欠
陥などがあれば、該欠陥に起因する溶融亜鉛めっき後の
欠陥を消すことはできない。
【0007】すなわち、熱延板に凹凸欠陥がある場合、
外観に優れた溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の素地となる冷延鋼板を得ることはできない。一
方、特許第2600528 号公報に、めっき密着性に優れた合
金化溶融亜鉛めっき鋼板として、鋼板表層および内部の
フェライトの面強度比を、それぞれ(222)/(200) ≦ 3.
8、(222)/(200) ≧12と規定しためっき鋼板が開示され
ている。
【0008】しかしながら、凹凸欠陥部の表面積は大き
いため、この部分の合金化速度が過剰に高速化する。し
たがって、従来の条件でめっき、合金化処理を施したの
では、局所的な合金化速度の差が生じ、美麗でかつ表面
が均一な外観の溶融亜鉛めっき鋼板を得るためには局所
的な合金化反応の異常進行を防ぐ必要がある。
【0009】このためには、全体的に合金化反応を適度
に抑制する必要があり、上記した従来技術のように、単
に鋼板表層および内部の集合組織を制御する方法では、
めっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板は得ら
れても、美麗で表面が均一な外観の溶融亜鉛めっき鋼板
を得ることはできなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、外観に優れた溶融亜鉛めっき
鋼板および合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、下記式
(1) で定義される素地鋼板の面強度の差の絶対値:|Δ
|が 3.0以下で、かつ、下記で定義される素地鋼板の(1
10) 面の強度:(110) Sが0.5 以下で、かつ、下記で定
義される素地鋼板の面強度比: (222)S /〔{ (20
0)S 2 〕が3.0 以下で、かつ、めっき層中のAlおよび
Znの含有量が下記式(2) の関係を満足することを特徴と
する外観に優れた溶融亜鉛めっき鋼板である。
【0012】 素地鋼板の面強度の差の絶対値:|Δ|=|(222) S −(222)1/4|………(1) [Al(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2) ]≧0.03……………(2) 上記式(1) 中、 (222) S ;めっき層直下の素地鋼板表層の、板面に対し
て垂直方向における、フェライトの(222) 面のX線回折
積分強度 (222)1/4;めっき層直下の素地鋼板表面から素地鋼板板
厚の1/4 の深さの、板面に対して垂直方向における、フ
ェライトの(222) 面のX線回折積分強度 上記中、 素地鋼板の(110) 面の強度:(110) S ;めっき層直下の
素地鋼板表層の、板面に対して垂直方向における、フェ
ライトの(110) 面のX線回折積分強度 素地鋼板の面強度比: (222)S /〔{ (200)S 2 〕;
めっき層直下の素地鋼板表層の、板面に対して垂直方向
における、フェライトの(222) 面のX線回折積分強度と
フェライトの(200) 面のX線回折積分強度の二乗との比 上記式(2) 中、 Al(g/m2);めっき被覆単位面積当たりのめっき層中のAl
含有量(g/m2) Zn(g/m2);めっき被覆単位面積当たりのめっき層中のZn
含有量(g/m2) を示す。
【0013】第2の発明は、下記式(1) で定義される素
地鋼板の面強度の差の絶対値:|Δ|が 3.0以下で、か
つ、下記で定義される素地鋼板の(110) 面の強度:(11
0) Sが0.5 以下で、かつ、下記で定義される素地鋼板の
面強度比: (222)S /〔{ (200)S 2 〕が3.0 以下
で、かつ、めっき層中のAl、ZnおよびFeの含有量が下記
式(2) 、(3) の関係を満足することを特徴とする外観に
優れた合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板である。
【0014】 素地鋼板の面強度の差の絶対値:|Δ|=|(222) S −(222)1/4|………(1) [Al(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2) ]≧0.03……………(2) 14≧〔Fe/(Fe+Al+Zn) 〕×100 ≧7…………………(3) 上記式(1) 中、 (222) S ;めっき層直下の素地鋼板表層の、板面に対し
て垂直方向における、フェライトの(222) 面のX線回折
積分強度 (222)1/4;めっき層直下の素地鋼板表面から素地鋼板板
厚の1/4 の深さの、板面に対して垂直方向における、フ
ェライトの(222) 面のX線回折積分強度 上記中、 素地鋼板の(110) 面の強度:(110) S ;めっき層直下の
素地鋼板表層の、板面に対して垂直方向における、フェ
ライトの(110) 面のX線回折積分強度 素地鋼板の面強度比: (222)S /〔{ (200)S 2 〕;
めっき層直下の素地鋼板表層の、板面に対して垂直方向
における、フェライトの(222) 面のX線回折積分強度と
フェライトの(200) 面のX線回折積分強度の二乗との比 上記式(2) 中、 Al(g/m2);めっき被覆単位面積当たりのめっき層中のAl
含有量(g/m2) Zn(g/m2);めっき被覆単位面積当たりのめっき層中のZn
含有量(g/m2) 上記式(3) 中、 Fe、Al、Zn;めっき層中のFe、AlおよびZnの含有量(wt
%) を示す。
【0015】なお、前記した第1の発明、第2の発明に
おけるフェライトの(222) 面などの面強度は、対称反射
X線回折法により測定した、試料面に平行な(222) 面密
度(ランダム配向試料の同一面密度に対する比)などを
示し、常法による測定結果を用いる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは、外観に優れた溶融亜鉛めっき鋼
板、合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板(:合金化溶融亜鉛
めっき鋼板)を提供することを目的として、鋭意検討し
た結果、下記の知見(A) 、(B) を得た。
【0017】(A) 溶融亜鉛めっき鋼板:下記式(1) で定
義される素地鋼板の面強度の差の絶対値:|Δ|が 3.0
以下で、かつ下記で定義される素地鋼板の(110) 面の強
度:(110) S が0.5 以下で、かつ、下記で定義される素
地鋼板の面強度比: (222)S /〔{ (200)S 2 〕が3.
0 以下で、かつ、めっき層中のAlおよびZnの含有量(付
着量)が下記式(2) の関係を満足する溶融亜鉛めっき鋼
板には、前記した外観ムラ(めっきムラ)などの欠陥が
全く見られない。
【0018】 素地鋼板の面強度の差の絶対値:|Δ|=|(222) S −(222)1/4|………(1) [Al(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2) ]≧0.03……………(2) 上記式(1) 中、 (222) S ;めっき層直下の素地鋼板表層の、板面に対し
て垂直方向における、フェライトの(222) 面のX線回折
積分強度 (222)1/4;めっき層直下の素地鋼板表面から素地鋼板板
厚の1/4 の深さの、板面に対して垂直方向における、フ
ェライトの(222) 面のX線回折積分強度 上記中、 素地鋼板の(110) 面の強度:(110) S ;めっき層直下の
素地鋼板表層の、板面に対して垂直方向における、フェ
ライトの(110) 面のX線回折積分強度 素地鋼板の面強度比: (222)S /〔{ (200)S 2 〕;
めっき層直下の素地鋼板表層の、板面に対して垂直方向
における、フェライトの(222) 面のX線回折積分強度と
フェライトの(200) 面のX線回折積分強度の二乗との比 (B) 合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板:前記(A) における
4つの条件を満足すると共に、めっき層中のFe、Alおよ
びZnの含有量(wt%)が下記式(3) を満足する合金化処
理溶融亜鉛めっき鋼板には、前記した斑点状や筋状の合
金化ムラなどの欠陥が全く見られない。
【0019】 14≧〔Fe/(Fe+Al+Zn) 〕×100 ≧7…………………(3) 一方、前記した式(1) で定義される素地鋼板の面強度
の差の絶対値:|Δ|が 3.0を超える場合、前記で定
義される素地鋼板の(110) 面の強度:(110) Sが0.5 を
超える場合、前記で定義される素地鋼板の面強度比:
(222)S /〔{(200)S 2 〕が3.0 を超える場合、
めっき層中のAlおよびZnの含有量(付着量)が前記した
式(2) の関係を満足しない場合、溶融亜鉛めっき鋼板に
は、前記した欠陥が極めて発生し易い。
【0020】また、前記した式(1) で定義される素地
鋼板の面強度の差の絶対値:|Δ|が 3.0を超える場
合、前記で定義される素地鋼板の(110) 面の強度:(1
10) Sが0.5 を超える場合、前記で定義される素地鋼
板の面強度比: (222)S /〔{(200)S 2 〕が3.0 を
超える場合、めっき層中のAlおよびZnの含有量(付着
量)が前記した式(2) の関係を満足しない場合、めっ
き層中のFe、AlおよびZnの含有量(wt%)が前記した式
(3) の関係を満足しない場合、合金化処理溶融亜鉛めっ
き鋼板には、前記した欠陥が極めて発生し易い。
【0021】なお、前記したフェライトの(222) 面など
の面強度は、対称反射X線回折法により測定した、試料
面に平行な(222) 面密度(ランダム配向試料の同一面密
度に対する比)などを示し、常法による測定結果を用い
た。上記した事実は、下記の作用、効果によるものと推
定される。 (I) 素地鋼板の面強度比: (222)S /〔{ (20
0)S 2 〕の規定に伴う作用、効果:以下、本発明にお
いて、前記で定義した素地鋼板の面強度比(=素地鋼板
表層部のフェライトの面強度比): (222)S /〔{ (20
0)S 2 〕を3.0 以下と規定した理由について述べる。
【0022】フェライトの(200) 面〔以下単に(200) 面
とも記す〕は、亜鉛との合金化反応が極めて良好であ
り、加熱合金化処理を施さない場合でも、(200) 面の強
度が大きいと、溶融亜鉛めっきにおいて生成する僅かな
鉄−亜鉛合金相が極めて均一に生成する。さらに、フェ
ライトの(200) 面は、Alとの反応性も極めて良好である
と考えられ、素地鋼板表層部の(200) 面の強度が大で、
めっき浴中にAlが添加されている場合、溶融亜鉛めっき
時に生成するFe−Al初期合金相が十分生成する。
【0023】Fe−Al初期合金相が十分生成すると、亜鉛
と地鉄との合金化反応が適度に抑制され、局所的な過度
の合金相の異常発生が抑えられる。この結果、めっき鋼
板にめっきムラ、白斑点状の欠陥、筋状欠陥をもたらす
原板形状、化学組成の不均一性、歪みムラなどが、めっ
き前の地鉄に存在していても、素地鋼板表層部の(200)
面強度の二乗である{(200) S 2 の値が大きいと、(2
00) 面のFe−Zn合金化反応およびFe−Al合金化反応に対
する相乗効果によって、全体的な反応性が良好となり、
外観ムラの発生が抑制されると考えられる。
【0024】本発明者らは、上記した素地鋼板表層部の
(200) 面強度と溶融亜鉛めっき鋼板の外観との関係につ
いて調査した結果、溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層直下
の素地鋼板表層部のフェライトの面強度比: (222)/
{ (200)}2 (: (222)S /〔{ (200)S 2 〕)が小
さい、すなわち、冷延鋼板で最も強度が高い(222) 面の
強度比(:標準試料に対する強度比)に対して相対的に
(200) 面の強度比(:標準試料に対する強度比)の二乗
の値が大きいと、前記した欠陥の発生が抑制され、極め
て美麗な外観を有する溶融亜鉛めっき鋼板が得られるこ
とを見出した。
【0025】また、上記した面強度比: (222)S
〔{ (200)S 2 〕と溶融亜鉛めっき鋼板、合金化処理
溶融亜鉛めっき鋼板の外観との関係について、種々の製
造条件下において調査した結果、前記した第1の発明、
第2の発明に示すように、めっき層直下の素地鋼板表層
の、板面に対して垂直方向におけるフェライトの面強度
比: (222)S /〔{ (200)S 2 〕の値が3.0 以下の場
合、美麗な外観を有する溶融亜鉛めっき鋼、合金化処理
溶融亜鉛めっき鋼板が得られることを見出した。
【0026】上記した面強度比が 3.0を超えると、美麗
な外観を得ることができない。さらに、本発明において
は、上記した素地鋼板の面強度比: (222)S /〔{ (20
0)S 2 〕は、0.2 以上であることが、より好ましい。
これは、上記した面強度比が0.2 未満の場合、面強度比
の低下に伴うめっき鋼板表面の外観の美麗さの向上効果
が実用面で飽和すると共に、圧延条件など集合組織の制
御のための製造条件が厳しくなり経済的でないためであ
る。
【0027】(II)素地鋼板表層部のフェライトの(110)
面の強度:(110) S の規定に伴う作用、効果:次に、本
発明において、素地鋼板表層部のフェライトの(110) 面
の強度:(110) S を0.5 以下と規定した理由について述
べる。本発明者らの検討結果によれば、美麗な外観を有
する溶融亜鉛めっき鋼板、合金化処理溶融亜鉛めっき鋼
板を得るためには、前記した面方位の規定だけでなく、
素地鋼板表層部のフェライトの(110) 面の強度の上限も
規定する必要があることが分かった。
【0028】フェライトの(110) 面は原子間距離が大き
いため、合金化時の活性化エネルギーが極端に小さく、
異常にZnと反応し、このような異常反応を示すフェライ
ト方位が存在すると、Fe−Al合金相を十分に生成させて
も、溶融亜鉛めっき時および加熱合金化時に反応が進行
しすぎて、原板に起因する反応速度の局所差を抑制する
効果が無いだけでなくさらに拡大し、かえって外観を損
なう。
【0029】したがって、(110) 面強度が余り大きくな
ってはならず、めっき層直下の素地鋼板表層部のフェラ
イトの面強度比: (222)S /〔{ (200)S 2 〕だけで
なく、めっき層直下の素地鋼板表層部のフェライトの(1
10) 面の強度:(110) S も適切に制御する必要がある。
上記した素地鋼板表層部のフェライトの(110) 面の強
度:(110) S は、後記する実施例に基づいて、 0.5以下
と規定した。
【0030】(110) S が 0.5を超えると、外観が劣化す
る。なお、本発明においては、上記した素地鋼板表層部
のフェライトの(110) 面の強度:(110) S の下限は特に
限定されるものではない。 (III) 素地鋼板表層部および素地鋼板内部のフェライト
の面強度の差の絶対値:|Δ|=|(222) S −(222)1/4
|の規定に伴う作用、効果:溶融亜鉛めっき鋼板、合金
化処理溶融亜鉛めっき鋼板には良好な加工性も要求され
るため、異方性の少ない(222) 面強度も必要であり、鋼
板表層部と内部とでこの値の差が大きいと、加工成形性
が劣り、鋼板全体の加工性が劣化する。
【0031】そのため、素地鋼板表層の(222) 面の強度
と素地鋼板内部の(222) 面の強度との値の差の絶対値は
可能な限り小さくする必要がある。このため、本発明に
おいては、後記する実施例に基づいて、素地鋼板表層部
および素地鋼板表面から素地鋼板板厚の1/4 の深さにお
ける地鉄のフェライトの(222) 面の強度の差の絶対値:
|Δ|=|(222) S −(222)1/4|を 3.0以下と規定し
た。
【0032】(IV)めっき層中のAlおよびZnのめっき被覆
単位面積当たりの含有量の規定に伴う作用、効果:次
に、本発明において、めっき層中のAlおよびZnのめっき
被覆単位面積当たりの含有量が下記式(2) の関係を満足
するように規定した理由について述べる。 [Al(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2) ]≧0.03……(2) 均一で美麗な外観を得るためには、前記した集合組織の
制御だけでは不十分で、前記した集合組織を有する素地
鋼板に対して、最適な組成を有するめっき層を形成する
必要がある。
【0033】すなわち、めっき浴中に溶解Alが十分存在
する条件下で、めっき直後に初期Fe-Al 合金相を十分に
生成させることによって、局所的で異常な合金相の成長
を抑制する必要がある。本発明者らは、上記しためっき
層の最適な組成について鋭意検討した結果、後記する実
施例に示されるように、めっき層中のAlおよびZnのめっ
き被覆単位面積当たりの含有量を、[Al(g/m2)]−0.0012
×[Zn(g/m2) ]≧0.03の関係を満足するように規定する
ことによって、初期Fe-Al 合金相の作用により、局所的
で異常な合金相の成長が抑制され、美麗な外観を有する
溶融亜鉛めっき鋼板、合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板が
得られることを見出した。
【0034】実際にめっき層中に含まれるAlの量αか
ら、めっき浴中のAl濃度およびめっき付着量の両者から
推定されるめっき層のAlの量βを差し引いた値が、上記
した初期Fe-Al 合金相の生成量に相当すると考えられ
る。上記した{[Al(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2) ]}の
値が0.03未満で、初期Fe-Al 合金相の生成量が少なすぎ
ると、極めて速いFe-Zn 合金化反応を抑制出来ず、その
結果、局所的で異常な合金相の成長が生じ、美麗な外観
を有する溶融亜鉛めっき鋼板を製造することができな
い。
【0035】なお、通常のめっき浴温:470 〜490 ℃で
は、めっき浴中のAl溶解量は約0.12wt%であり、{[Al
(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2)]}は、めっき浴組成に対
応するAl量以上にめっき層中に取り込まれたAlの量を意
味し、この値を規定することは、Fe-Al 初期合金相の量
を規定することと同一の内容を示す。本発明において
は、溶融亜鉛めっき鋼板および合金化処理溶融亜鉛めっ
き鋼板のいずれにおいても、めっき層中のAlおよびZnの
めっき被覆単位面積当たりの含有量が、下記式(4) を満
足することが、より好ましい。
【0036】 0.15≧[Al(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2) ]≧0.03………(4) これは、{[Al(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2) ]}の値が
0.15を超えるようにFe-Al 初期合金相の量を増加しても
Fe-Al 初期合金相増加に伴う効果が実用面で飽和すると
共に、Alの使用量が増し不経済である。また、合金化処
理溶融亜鉛めっき鋼板の場合、{[Al(g/m2)]−0.0012×
[Zn(g/m2) ]}の値が0.15を超えると、初期Fe-Al 合金
相の生成量が過剰となり、加熱合金化処理時に合金化反
応が速やかに進行せずに焼けムラ状の外観不良を引き起
こす。
【0037】上記した最適な組成を有するめっき層を形
成するためには、溶融亜鉛めっき時のめっき浴は、Alが
0.08重量%以上、0.20重量%以下、残部Znおよび不可避
的不純物からなる組成のめっき浴を用いることが好まし
い。浴中Al濃度が0.08重量%未満の場合、初期Fe-Al 合
金相が十分に生成しないため、極めて速いFe-Zn 合金化
反応を抑制出来ず、その結果、局所的で異常な合金相の
成長が生じ、美麗な外観を有する溶融亜鉛めっき鋼板を
製造することができない。
【0038】一方、合金化処理を施さない溶融亜鉛めっ
き鋼板の場合、浴中Al濃度が0.20重量%より高いと、Al
の使用量が増し不経済である。また、加熱合金化処理を
施す合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合、浴中Al濃度が0.
20重量%より高いと、初期Fe-Al 合金相の生成量が過剰
となり、その後の加熱合金化処理時に合金化反応が速や
かに進行せずに焼けムラ状の外観不良を引き起こす。
【0039】(IIV) 合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板にお
ける、めっき層中のFe、AlおよびZnの含有量の規定に伴
う作用、効果:次に、本発明において、合金化処理後の
めっき層中のFe、Al、Znの含有量が下記式(3) を満足す
るように規定した理由について述べる。 14≧〔Fe/(Fe+Al+Zn) 〕×100 ≧7………(3) (上記式(3) 中のFe、Al、Znは、めっき層中のFe、Al、
Znの含有量(wt%)を示す。) すなわち、合金化処理後のめっき層中のFe、Al、Znの含
有量において、{〔Fe/(Fe+Al+Zn) 〕×100 }の値が
7未満の場合、合金化しない未合金相が残存し、加工時
の耐フレーキング性(:耐めっき剥離性)に劣るだけで
なく、焼けムラ状の外観不良を引き起こす。
【0040】また、逆に、{〔Fe/(Fe+Al+Zn) 〕×10
0 }の値が14を超えると、加工時のめっき密着性が劣
る。したがって、{〔Fe/(Fe+Al+Zn) 〕×100 }の値
は、7以上、14以下でなければならない。{〔Fe/(Fe+
Al+Zn) 〕×100 }の値は、より好ましくは8以上、11
以下である。
【0041】〔本発明の溶融亜鉛めっき鋼板、合金化処
理溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:〕次に、本発明の溶
融亜鉛めっき鋼板、合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法について述べる。本発明の溶融亜鉛めっき鋼板、
合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板の素地鋼板(:地鉄)と
しては、いわゆる極低炭素鋼、低炭素鋼など一般的に溶
融亜鉛めっき原板用に用いられる鋼板のいずれも使用す
ることが可能であり、素地鋼板の組成は特に限定される
ものではない。
【0042】これは、めっき鋼板の外観を良好とするた
めには、素地鋼板の集合組織の設定およびめっき層の組
成の設定が最も重要であり、鋼種による差異は、基本的
にほとんど無いためである。前記した特徴を有する素地
鋼板、すなわち前記した面強度を有する鋼板を得る方法
は特に限定されないが、該素地鋼板は、例えば、冷間圧
延を行う際に、被圧延鋼板表層部に大きな剪断変形を引
き起こす冷間圧延方法を採用することによって得られ
る。
【0043】すなわち、例えば高粗度ショットダルロー
ルや高粗度スクラッチダルロールなどの、表層部が凹凸
形状を有するロールを用いて、被圧延原板表層部にメタ
ルフローを積極的に引き起こさせるような方法を採用す
ることによって、前記した集合組織を有する地鉄表層を
得ることができる。その場合には、圧延方法は特に制限
されず、通常の圧延方法だけではなく収束圧延などの他
の圧延方法でもよい。
【0044】表層部が凹凸形状を有するロールを用いて
圧延を行うことによって、被圧延原板表層部に顕著な剪
断歪みが生じ、冷間圧延後の焼鈍によって、(222) 面方
位に比較して、(200) 面方位が発達し易くなる。そのた
め、めっき層直下の素地鋼板表層部の面強度比: (222)
S /〔{ (200) S 2 〕を小さくすることができる。
【0045】ただし、剪断歪みが大きすぎると、素地鋼
板表層部のフェライトの(110) 面の強度が大きくなり、
前記したように逆に外観が劣化する。そのため、剪断歪
みは過剰に大きくしてはならない。一方、地鉄内部の集
合組織は圧下率による影響を受け、素地鋼板表層部のフ
ェライトの(222) 面の面強度と素地鋼板表面より板厚の
1/4 の深さのフェライトの(222) 面の面強度との差の絶
対値:|Δ|=|(222) S −(222)1/4|は、圧下率によ
って制御することができる。
【0046】図2に、前記した集合組織を得るための一
例として、高粗度ワークロールによる冷間圧延方法を示
す。なお、図2において、1は熱間圧延鋼板、2は冷間
圧延鋼板、3は高粗度ワークロール、4a、4b、4cはブラ
イトワークロール、5はダル加工ワークロール、10は焼
鈍炉、11は溶融亜鉛めっき設備、12は合金化炉、Fは冷
間圧延鋼板の通板方向、fは熱間圧延鋼板の通板方向を
示す。
【0047】図2に示す冷間圧延設備は、全部で5スタ
ンドで、第1スタンドに高粗度ワークロール3を、第2
〜4スタンドにブライトワークロール4a、4b、4cを、最
終スタンドである第5スタンドにダル加工ワークロール
5を配置している。なお、図2に示す冷間圧延設備にお
いては、第5スタンドにおけるダル加工ワークロールに
代えてブライトワークロールを用いてもよい。
【0048】本発明に係る集合組織を有する鋼板表面を
得るための高粗度ワークロール3としては、ショットダ
ル加工ロールでもスクラッチダル加工ロールのいずれで
もよい。これは、該ロールの表面粗さが粗ければ冷延後
の鋼板表面に十分な剪断歪みを付与することが出来るか
らである。
【0049】上記した冷間圧延設備を用いて、酸洗後の
熱間圧延鋼板を、高粗度ワークロールの表面粗さおよび
各スタンドにおける圧下率配分を変えて種々の条件下で
冷間圧延した。得られた冷間圧延鋼板を連続焼鈍後、溶
融亜鉛めっきを施した。次に、得られた溶融亜鉛めっき
鋼板のめっき層を剥離し、めっき層直下(:地鉄表層)
の鋼板の集合組織をX線回折法で測定した。
【0050】また、同一試料について地鉄の表面から鋼
板板厚(t)の1/4 を研削除去し、地鉄表面から鋼板板
厚(t)の1/4 の深さの地鉄の集合組織をX線回折法で
測定した。さらに、めっき層中のAl含有量およびめっき
付着量から、めっき被覆単位面積当たりのめっき層中の
Al、Znの含有量を求めた。
【0051】この結果、めっき層直下の素地鋼板表層部
(:地鉄表層)の面強度比: (222) S /〔{ (200)S
2 〕の値が3.0 以下で、素地鋼板の面強度の差の絶対
値:|Δ|=|(222) S −(222)1/4|が 3.0以下、素地
鋼板表層部の(110) 面の強度:(110) S が0.5 以下で、
かつ、めっき層中のAlおよびZnの含有量(付着量)が、
[Al(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2)]≧0.03の関係を満足す
る場合、めっき原板に、めっき後のめっきムラ、白斑点
状の欠陥、筋状欠陥をもたらす原板形状、原板組成や歪
みムラなどが存在していても、極めて美麗な外観を有す
る溶融亜鉛めっき鋼板が得られた。
【0052】また、前記と同様の方法で得られた溶融亜
鉛めっき鋼板を、さらに加熱合金化して合金化処理溶融
亜鉛めっき鋼板を得、前記と同様の方法で評価した。そ
の結果、素地鋼板の面強度、めっき層中のAlおよびZnの
含有量(付着量)が、上記した4つの条件のいずれをも
満足し、さらに、めっき層中のFe、Al、Znの含有量(wt
%)が、14≧〔Fe/(Fe+Al+Zn) 〕×100 ≧7の関係を
満足する場合、めっき原板に、めっき後のめっきムラ、
白斑点状の欠陥、筋状欠陥をもたらす原板形状、原板組
成や歪みムラなどが存在していても、極めて美麗な外観
を有する合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板が得られた。
【0053】一方、上記した4つの条件のいずれかが満
足されない溶融亜鉛めっき鋼板の場合、および、上記し
た5つの条件のいずれかが満足されない合金化処理溶融
亜鉛めっき鋼板の場合、めっき後の外観性が優れず、め
っきムラ、白斑点状の欠陥、筋状欠陥が多発するか、も
しくは、良好な加工性が得られなかった。上記した本発
明に係る素地鋼板の集合組織を冷間圧延で得るための冷
間圧延条件としては、高粗度ワークロールのロール表面
の算術平均粗さ:Raが0.5 μm以上、10μm 以下で、
高粗度ワークロールにおける圧下率が2%以上、70%以
下、全圧下率が75%以上、85%以下であることが好まし
い。
【0054】なお、上記したロール表面の算術平均粗
さ:Raは、JIS B 0601-1994 で規定された算術平均粗
さである。本発明に係る集合組織の測定用試料の調製時
のめっき剥離方法としては、塩酸などの酸や、アルカリ
性水溶液による剥離方法、非水溶媒中にて電気化学的に
溶解、除去する方法などを用いることができる。
【0055】例えば、20wt%水酸化ナトリウム水溶液、
10wt%トリエタノールアミン水溶液および水を、各々
2:1:2の割合で混合させた水溶液中に35wt%過酸化
水素水を添加した水溶液でめっき層を除去する方法が例
示される。上記した方法でめっき鋼板表面のめっき層を
除去した後、めっき層直下の素地鋼板表層部(:地鉄表
層部)のフェライトの(110) 面、(222) 面、(200) 面
を、板面に対して垂直方向からX線回折法で測定するこ
とによって、素地鋼板表層部の(110) 面の強度:(110)
S および素地鋼板表層部の面強度比: (222)S /〔{(2
00)S 2 〕を測定することが出来る。
【0056】さらに、好ましくは上記した表層部の面強
度を測定した後の試料について、地鉄の表面から鋼板板
厚の1/4 を研削除去し、該深さの地鉄のフェライトの(2
22)面を、板面に対して垂直方向からX線回折法で測定
することによって、地鉄表面から鋼板板厚の1/4 の深さ
の面強度:(222)1/4 を測定することが出来る。
【0057】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的
に説明する。前記した図2に示す冷間圧延設備を用い
て、各スタンドの圧下率配分と高粗度ワークロールの表
面粗さを種々変えて冷延鋼板を製造した。鋼としては、
表1に示す組成の深絞り用の極低炭素鋼を用いた。
【0058】表2に、冷間圧延の条件を示す。なお、表
2中のロール表面の算術平均粗さ:Raは、JIS B 0601
-1994 で規定された算術平均粗さである。得られた冷延
鋼板を連続焼鈍後、連続溶融亜鉛めっきを施し、引き続
き加熱炉に通板し加熱合金化処理し、得られた合金化処
理溶融亜鉛めっき鋼板を、後記する評価方法で評価し
た。
【0059】なお、一部の溶融亜鉛めっき鋼板について
は合金化処理を行わず、溶融亜鉛めっき鋼板を、後記す
る評価方法で評価した。溶融亜鉛めっき、合金化処理の
条件は、下記のとおりである。 〔溶融亜鉛めっき浴:〕 Al:0.07〜0.22重量% 浴温:480 ℃ 〔合金化炉:〕 鋼板板温:490 ℃ 〔合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板
の評価方法:〕 (めっき表面の外観:)目視観察で、めっきムラ、白斑
点状の欠陥、筋状のムラが見えるか否かによって、下記
基準で評価した。
【0060】 ○:外観不良無し(:欠陥、ムラなどが全く存在しな
い。) ×:欠陥、ムラなどが目視で分かる。 (集合組織の測定:)めっき層をアルカリ性水溶液〔;
20wt%NaOH水溶液:10wt%トリエタノールアミン水溶
液:水(重量比)=2:1:2〕で除去した後、めっき
層直下の集合組織をX線回折法で測定した後、同一試料
について、さらに表層から素地鋼板板厚の1/4 の厚さの
部分を研削除去し、再度、集合組織をX線回折法で測定
した。
【0061】表3に、合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板、
溶融亜鉛めっき鋼板の素地鋼板(地鉄)の集合組織、め
っき層の組成および該めっき鋼板の外観の測定結果を示
す。表3に示されるように、素地鋼板の集合組織および
めっき層中のAl、Zn、Feの含有量が本発明の条件を満足
する合金化処理溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼
板は、外観が極めて良好であった。
【0062】一方、素地鋼板の集合組織、めっき層中の
Al、Zn、Feの含有量が本発明の条件を満足しないめっき
鋼板は、いずれも外観が劣った。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、外
観に優れた美麗な溶融亜鉛めっき鋼板および合金化処理
溶融亜鉛めっき鋼板を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る素地鋼板の集合組織を得るための
冷間圧延方法の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱間圧延鋼板(鋼帯) 2 冷間圧延鋼板(鋼帯) 3 高粗度ワークロール 4a、4b、4c ブライトワークロール 5 ダル加工ワークロール(もしくはブライトワークロ
ール) 10 焼鈍炉 11 溶融亜鉛めっき設備 12 合金化炉 F 冷間圧延鋼板の通板方向 f 熱間圧延鋼板の通板方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) で定義される素地鋼板の面強
    度の差の絶対値:|Δ|が 3.0以下で、かつ、下記で定
    義される素地鋼板の(110) 面の強度:(110) S が0.5 以
    下で、かつ、下記で定義される素地鋼板の面強度比:
    (222)S /〔{(200)S 2 〕が3.0 以下で、かつ、めっ
    き層中のAlおよびZnの含有量が下記式(2) の関係を満足
    することを特徴とする外観に優れた溶融亜鉛めっき鋼
    板。 記 素地鋼板の面強度の差の絶対値:|Δ|=|(222) S −(222)1/4|………(1) [Al(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2) ]≧0.03……………(2) 上記式(1) 中、 (222) S ;めっき層直下の素地鋼板表層の、板面に対し
    て垂直方向における、フェライトの(222) 面のX線回折
    積分強度 (222)1/4;めっき層直下の素地鋼板表面から素地鋼板板
    厚の1/4 の深さの、板面に対して垂直方向における、フ
    ェライトの(222) 面のX線回折積分強度 上記中、 素地鋼板の(110) 面の強度:(110) S ;めっき層直下の
    素地鋼板表層の、板面に対して垂直方向における、フェ
    ライトの(110) 面のX線回折積分強度 素地鋼板の面強度比: (222)S /〔{ (200)S 2 〕;
    めっき層直下の素地鋼板表層の、板面に対して垂直方向
    における、フェライトの(222) 面のX線回折積分強度と
    フェライトの(200) 面のX線回折積分強度の二乗との比 上記式(2) 中、 Al(g/m2);めっき被覆単位面積当たりのめっき層中のAl
    含有量(g/m2) Zn(g/m2);めっき被覆単位面積当たりのめっき層中のZn
    含有量(g/m2) を示す。
  2. 【請求項2】 下記式(1) で定義される素地鋼板の面強
    度の差の絶対値:|Δ|が 3.0以下で、かつ、下記で定
    義される素地鋼板の(110) 面の強度:(110) S が0.5 以
    下で、かつ、下記で定義される素地鋼板の面強度比:
    (222)S /〔{(200)S 2 〕が3.0 以下で、かつ、めっ
    き層中のAl、ZnおよびFeの含有量が下記式(2) 、(3) の
    関係を満足することを特徴とする外観に優れた合金化処
    理溶融亜鉛めっき鋼板。 記 素地鋼板の面強度の差の絶対値:|Δ|=|(222) S −(222)1/4|………(1) [Al(g/m2)]−0.0012×[Zn(g/m2) ]≧0.03……………(2) 14≧〔Fe/(Fe+Al+Zn) 〕×100 ≧7…………………(3) 上記式(1) 中、 (222) S ;めっき層直下の素地鋼板表層の、板面に対し
    て垂直方向における、フェライトの(222) 面のX線回折
    積分強度 (222)1/4;めっき層直下の素地鋼板表面から素地鋼板板
    厚の1/4 の深さの、板面に対して垂直方向における、フ
    ェライトの(222) 面のX線回折積分強度 上記中、 素地鋼板の(110) 面の強度:(110) S ;めっき層直下の
    素地鋼板表層の、板面に対して垂直方向における、フェ
    ライトの(110) 面のX線回折積分強度 素地鋼板の面強度比: (222)S /〔{ (200)S 2 〕;
    めっき層直下の素地鋼板表層の、板面に対して垂直方向
    における、フェライトの(222) 面のX線回折積分強度と
    フェライトの(200) 面のX線回折積分強度の二乗との比 上記式(2) 中、 Al(g/m2);めっき被覆単位面積当たりのめっき層中のAl
    含有量(g/m2) Zn(g/m2);めっき被覆単位面積当たりのめっき層中のZn
    含有量(g/m2) 上記式(3) 中、 Fe、Al、Zn;めっき層中のFe、AlおよびZnの含有量(wt
    %) を示す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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