JPH11322836A - (メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子中の残存単量体の低減方法およびそれにより得られる(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子中の残存単量体の低減方法およびそれにより得られる(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子

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JPH11322836A
JPH11322836A JP13535898A JP13535898A JPH11322836A JP H11322836 A JPH11322836 A JP H11322836A JP 13535898 A JP13535898 A JP 13535898A JP 13535898 A JP13535898 A JP 13535898A JP H11322836 A JPH11322836 A JP H11322836A
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Noboru Shinto
昇 新堂
Itaru Sakuma
到 佐久間
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (メタ)アクリル酸エステル系の樹脂粒子中
に残存する未反応の(メタ)アクリル酸エステル系単量
体の含有量を低減させる。 【解決手段】 樹脂粒子径が0.1〜100μmである
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主成分とした樹
脂粒子を、50℃以上であって該樹脂粒子の熱分解開始
温度より10℃低い温度以下の条件下で、アルカリ性水
性媒体中で処理することにより、該樹脂粒子中に残存す
る(メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量を低減
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、化粧品の滑り性
付与剤、トナー、塗料用艶消し剤、プラスチックフイル
ムのアンチブロッキング剤として利用される(メタ)ア
クリル酸エステル系樹脂粒子に関するものであり、具体
的には、その樹脂粒子中に残存する未反応の単量体を水
性媒体中で除去する方法およびその方法により得られる
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子に関する。
【0002】なお、この発明の(メタ)アクリル酸と
は、アクリル酸またはメタアクリル酸の両方のことをい
う。
【0003】
【従来の技術】一般に、(メタ)アクリル酸エステルを
主成分とするポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アク
リル酸エステル系樹脂を得る方法としては、水系懸濁重
合が行われているが、ここで生成する樹脂中には、通常
1重量%以上の未反応の単量体が残存している。この未
反応の単量体は、樹脂を加工する際に、樹脂を着色させ
て物性を低下させたり、臭気を発生して作業環境を悪化
させたりしていた。また、化粧品や食品包装材料として
用いられた場合には、化粧品や食品に移った臭気や安全
性の点からも問題となっていた。
【0004】この未反応の単量体を低減させる方法とし
て、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂を水性スラリー
の水蒸気蒸留に付す方法(特開昭60−44505
号)、樹脂を乾燥するなどの方法が採られているが、こ
れらの方法では十分に単量体を減少することができな
い。また、懸濁重合時にアルカリ性化合物を添加して
(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の熱変形温度以上の
温度で処理することにより、未反応の単量体を加水分解
する方法も提案されている(特公昭47−50788)
が、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の場合は、一般
的に高温では熱分解しやすいため、高温下で処理すると
逆に単量体が増加する傾向が見られ、20ppm程度に
まで単量体を減らすことは非常に困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、(メタ)
アクリル酸エステル系の樹脂粒子中に残存する未反応の
単量体の含有量を大幅に低減し、高度に精製された樹脂
粒子およびその製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、次の方法により樹
脂粒子中に残存する未反応の単量体を著しく減少させる
方法を見いだし、この発明を完成した。すなわち、この
発明は、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子をアル
カリ性水性媒体中に懸濁させ、この懸濁液を所定温度で
加温処理することにより、前記樹脂粒子中に残存する未
反応の単量体を効果的に低減する方法およびその方法に
より得られる(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子に
関するものである。
【0007】この発明によれば、例えば分散安定剤を含
む水性媒体中で(メタ)アクリル酸エステル系単量体と
重合開始剤とを加え、加温して重合を完了させた後、重
合時の懸濁剤を除去することなく、あるいは分散安定剤
を含む水性媒体中に(メタ)アクリル酸エステル系樹脂
粒子を分散させアルカリ水溶液で処理することによっ
て、樹脂粒子中に残存する未反応の単量体を短時間で低
減させることができ、さらには残存単量体の含有量が極
めて少ない樹脂粒子を提供することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明について詳細に説
明する。この発明における(メタ)アクリル酸エステル
系単量体としては、特に限定されないが、例えばアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル等のアクリル酸エステル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル等のメタアクリル酸系エステルなどが挙げられ
る。これらの単量体は単独で、または複数種を組み合わ
せて用いることができる。
【0009】この発明では、(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体と共重合可能な単量体、例えばスチレン、p
−メチルスチレン、αーメチルスチレン、酢酸ビニル、
アクリルニトリル等のビニル基を有する他の単量体を一
種以上併用してもよい。また、この発明における(メ
タ)アクリル酸エステル系樹脂粒子は、架橋されていて
も、されていなくてもよい。
【0010】架橋された樹脂粒子を得ようとする場合に
は、ビニル基を複数個有する架橋性単量体を併用すれば
よい。このような架橋性単量体としては、トリアクリル
酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸エチレング
リコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメ
タクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸デ
カエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタデカエチ
レングリコール、ジメタクリル酸ペンタコンタヘクタエ
チレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、
メタクリル酸アリル、トリメタクリル酸トリメチロール
プロパン、テトラメタクリル酸ペンタエリストール、ジ
メタクリル酸フタル酸ジエチレングリコール等の(メ
タ)アクリル酸系単量体、ジビニルベンゼン、ジビニル
ナフタレンおよびこれらの誘導体である芳香族ジビニル
化合物等が挙げられ、これらを複数種組み合わせて用い
ることもできる。
【0011】(メタ)アクリル酸エステル系樹脂の製造
方法は、特に限定されないが、懸濁重合、乳化重合、シ
ード重合、塊重合、溶液重合等の方法を用いることがで
きる。懸濁重合および乳化重合は、通常、分散安定剤を
含む水性媒体中で行われるが、ソープフリーの懸濁重合
や乳化重合も適用できる。分散安定剤としては、リン酸
カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難水溶性無機
塩、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドン等の水溶性高分子、オレイン酸ナトリウ
ム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ア
ルキルリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ラ
ウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート
等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウ
ムクロライドのような第四級アンモニウム塩等のカチオ
ン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル等
のノニオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサ
イドのような両性界面活性剤等が挙げられる。
【0012】これらの分散安定剤は、単独でまたは2種
以上を組み合わせて使用してもよい。懸濁重合および乳
化重合に際して用いられる重合開始剤としては、特に限
定されないが、懸濁重合用の重合開始剤としては、例え
ば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタ
ノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチ
ルハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始
剤が挙げられる。
【0013】また、乳化重合で使用される重合開始剤と
しては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等
の過硫酸塩類、ベンゾイルハイドロパーオキサイド等の
有機化酸化物、4、4’ーアゾビス(4ーシアノペンタ
酸)等のアゾ系化合物、過硫酸カリウム、チオ硫酸ナト
リウム等のレドックス系重合開始剤が挙げられる。この
発明における樹脂粒子の大きさは、単量体の低減効果が
顕著であるという点で、平均粒子径0.1〜100μm
が好ましい。0.1μm未満では、アルカリ処理する段
階で樹脂粒子の凝集が激しく、樹脂粒子を取り出すこと
ができない。また、100μmを超えると単量体を減少
させる効果が低下する。
【0014】樹脂粒子の粒子径は、分散安定剤の組成や
その使用量、重合時の攪拌速度、シード乳化重合のシー
ド粒径、シード使用比率、シード重合の繰り返し回数等
の諸条件を適宜調節することにより、調整することがで
きる。この発明の方法によれば、懸濁重合、乳化重合、
塊重合、溶液重合などにより得られた樹脂の微粒子を一
旦単離したのち、分散安定剤を含有する水性媒体中に分
散させ、この系に水溶性アルカリ化合物を加えて処理す
ることにより、樹脂中に残存する単量体の量を低減させ
ることができるが、懸濁重合、乳化重合等に引き続い
て、同じ水性媒体中に水溶性アルカリ化合物を添加して
処理する方法がより効率的である。
【0015】後者の場合、重合率が99%程度以上にな
ったときに、水溶性アルカリ化合物を添加すれば、少な
い量で処理が可能であるという点で好ましい。この発明
で使用される水溶性アルカリ化合物としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の
アルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水
酸化物、ピロリン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウ
ム等のアルカリ性化合物、ナトリウムメトキシド、ナト
リウムブチルメトキシド等のアルカリ金属のアルコキシ
ドなどが挙げられ、これらの中で安価でありしかも処理
能力が強力であるという点から水酸化ナトリウムおよび
水酸化カリウムが特に好ましい。
【0016】水溶性アルカリ化合物の添加量は、水性媒
体100重量部に対して0.1〜10重量部とするのが
好ましく、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。
この添加量が0.1重量部未満では残存する単量体の低
減量が十分でなく、逆に10重量部を超える場合は、そ
れ以上添加してもさらなる効果を望めない。この発明に
おいてアルカリ性水性媒体で処理する際の温度は、加水
分解反応を円滑に行わせるためには一般に高温が好まし
いが、この発明では約50℃以上であって、樹脂粒子の
熱分解開始温度を超えない温度の範囲が好ましい。より
好ましくは、70℃以上であって、樹脂粒子の熱分解開
始温度より10℃低い温度までである。さらにより好ま
しくは、70℃以上であって、樹脂粒子の熱分解開始温
度より20℃低い温度までである。
【0017】処理温度が樹脂粒子の熱分解開始温度を超
えると、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂成分が分解
してしまい、逆に単量体を減少させる効果が低下するの
で好ましくない。また50℃未満では、樹脂粒子中に残
存する単量体を減少させるのに長時間を要するため好ま
しくない。なお、ここでいう熱分解開始温度とは、ガス
クロマトグラフ法にてインジェクション部をあらかじめ
所定温度に加温しておき、試料を注入したとき、熱分解
反応が進行し単量体が検出されるときの温度をいう。測
定条件は以下の通りである。
【0018】(試料の作成)樹脂粒子1gに溶剤25m
lと内部標準液1mlを加え、12時間以上放置し、液
相部を測定試料とする。 (測定条件) 使用装置:島津製作所製 ガスクロマトグラフィ GC−14A カラム充填剤 :液相 PEG−20M 担体 Chromosorb W 検出器 :FID キャリアーガス:窒素 カラム温度 105℃ アルカリ性水性媒体中での処理時間は、水溶性アルカリ
化合物を添加する時期あるいは処理温度にもよるが、通
常0.2〜5時間程度で十分である。
【0019】処理時間が0.2時間より短いと単量体を
減少させる効果が得られ難く、また逆に5時間より長い
場合は、それ以上の効果が望めないばかりか、生産効率
の面でも好ましくない。なお、この発明の方法により樹
脂粒子中に残存する単量体が減少するメカニズムは、以
下のように推定される。
【0020】樹脂中に残存する単量体は、懸濁重合ある
いは乳化重合などを行った水性媒体中に含まれる単量体
と平衡状態になっているか、あるいは樹脂粒子を水性媒
体中に分散させたときに単量体が平衡状態になっている
と考えられる。この水性媒体中に含まれる単量体をアル
カリ化合物で加水分解すると、樹脂中に残存する単量体
が水性媒体中の単量体との平衡状態を維持すべく水中に
溶出される。溶出した単量体は、水性媒体中で引き続き
アルカリ化合物により加水分解される。その結果、樹脂
粒子中に残存する単量体が連続的に減少するものと考え
られる。この場合、水性媒体の温度を上昇させると、樹
脂粒子からの単量体の溶出が促進されるとともに、単量
体の加水分解反応も促進されると考えられる。
【0021】
【実施例】以下、この発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、これらの実施例はこの発明を何ら限定す
るものではない。
【0022】 (実施例1) 油相 メタクリル酸メチル 100重量部 過酸化ベンゾイル 0.4重量部 水相 脱イオン水 200重量部 複分解ピロリン酸カルシウム 60重量部 ラウリル硫酸ナトリウム 1重量部
【0023】特殊機化製卓上型TKホモミキサー(回転数
6000rpm )により上記の油相を水相に分散させた
後、攪拌機、温度計を備えた重合器にこの分散液を入
れ、70℃で3時間攪拌を続けて懸濁重合を完了した。
この懸濁液の一部をサンプリングして、乾燥後の微粒子
中に残った単量体の含有率を測定したところ、メタクリ
ル酸メチルは1900ppmであった。
【0024】次に、重合後の懸濁液100重量部に対し
て水酸化ナトリウムを3重量部加え、100℃で3時間
攪拌を続けた後、冷却した。冷却後、塩酸で分散剤を分
解した後、この懸濁液を濾過、洗浄、乾燥して微粒子を
得た。微粒子中に残存する単量体の含有率を測定したと
ころ、メタクリル酸メチルは検出されなかった(検出限
界20ppm)。また、このときの微粒子の平均粒子径
は8μmであり、この樹脂の熱分解開始温度は120℃
であった。
【0025】(比較例1)水酸化ナトリウムを添加しな
かった以外は、実施例1と同様に処理した。得られた微
粒子中に残存する単量体の含有率を測定したところ、メ
タクリル酸メチルは1900ppmであり、ほとんど変
わらなかった。
【0026】 (実施例2) 油相 メタクリル酸エチル 95重量部 ジビニルベンゼン(純度82%) 5重量部 過酸化ラウロイル 1重量部 水相 脱イオン水 300重量部 ポリビニルアルコール 6重量部
【0027】ホモミキサーにより上記の油相を水相に分
散させた後、攪拌機、温度計を備えた重合器にこの分散
液を入れ、60℃で5時間攪拌を続けて懸濁重合を完了
した。この懸濁液の一部をサンプリングして、乾燥後の
微粒子中に残った単量体の含有率を測定したところ、メ
タクリル酸エチルは6200ppmであった。このとき
の微粒子の平均粒子径は8μmであり、熱分解開始温度
は120℃であった。
【0028】次に、重合後の懸濁液100重量部に対し
て水酸化カリウム1重量部を加え、90℃で5時間攪拌
を続けた後、冷却した。この懸濁液を濾過、洗浄、乾燥
して平均粒子径8μmの微粒子を得た。微粒子中に残存
する単量体の含有率を測定したところ、メタクリル酸エ
チルは検出されなかった。
【0029】 (実施例3) 架橋PMMA微粒子 100重量部 積水化成品工業社製 テクポリマー MBX−8 〔平均粒子径 8μm、(未反応メタクリル酸メチル量 40 00ppm) 熱分解開始温度 120℃〕 水相 脱イオン水 300重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.06重量部 水酸化ナトリウム 0.9重量部
【0030】上記の樹脂粒子を水相に均一に分散させた
後、攪拌機、温度計を備えた重合器にこの分散液を入
れ、90℃で8時間攪拌を続けて処理を完了した。冷却
後、この懸濁液を濾過、洗浄、乾燥して平均粒子径8μ
mの微粒子を得た。微粒子中に残存する単量体の含有率
を測定したところ、メタクリル酸メチルは検出されなか
った。
【0031】 (比較例2) PMMA微粒子 100重量部 積水化成品工業社製 テクポリマー MB−8 〔平均粒子径 8μm、(未反応メタクリル酸メチル量 4000 ppm) 熱分解開始温度 120℃〕 水相 脱イオン水 300重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.06重量部 水酸化ナトリウム 0.9重量部
【0032】上記の樹脂粒子を水相に均一に分散させた
後、攪拌機、温度計を備えた重合器にこの分散液を入
れ、120℃で8時間攪拌を続けて処理を完了した。冷
却後、この懸濁液を濾過、洗浄、乾燥したが、微粒子は
得られず、熱により合着した樹脂の塊状物が得られた。
樹脂中に残存する単量体の含有率を測定したところ、メ
タクリル酸メチルは150ppmであった。
【0033】(比較例3)処理温度を40℃にした以外
は、比較例2と同様にした。得られた微粒子中に残存す
る単量体の含有率を測定したところ、メタクリル酸メチ
ルは3000ppmであった。
【0034】 (実施例4) 油相 メタクリル酸メチル 95重量部 エチレングリコールジメタクリレート 5重量部 過酸化ベンゾイル 0.4重量部 水相 脱イオン水 200重量部 複分解ピロリン酸カルシウム 60重量部 ラウリル硫酸ナトリウム 1重量部
【0035】ホモミキサーにより上記の油相を水相に分
散させた後、攪拌機、温度計を備えた重合器にこの分散
液を入れ、70℃で3時間攪拌を続けて懸濁重合を完了
した。この懸濁液の一部をサンプリングして、乾燥後の
微粒子中に残った単量体の含有率を測定したところ、メ
タクリル酸メチルは3900ppmであった。このとき
の微粒子の平均粒子径は8μmであり、この樹脂の熱分
解開始温度は120℃であった。
【0036】次に、重合後の懸濁液100重量部に対し
て水酸化ナトリウムを4重量部加え、105℃で3時間
攪拌を続けた後、冷却した。冷却後、塩酸で分散剤を分
解した後、この懸濁液を濾過、洗浄、乾燥して微粒子を
得た。微粒子中に残存する単量体の含有率を測定したと
ころ、メタクリル酸メチルは検出されなかった。
【0037】 (比較例4) 油相 メタクリル酸メチル 100重量部 過酸化ベンゾイル 0.4重量部 水相 脱イオン水 200重量部 複分解ピロリン酸カルシウム 3重量部 ラウリル硫酸ナトリウム 0.04重量部
【0038】上記の油相を水相中に分散させ、攪拌機、
温度計を備えた重合器にこの分散液を入れ、攪拌翼の回
転数200rpm の条件下で、70℃で3時間攪拌を続け
て懸濁重合を完了した。この懸濁液の一部をサンプリン
グして、乾燥後の微粒子中に残った単量体の含有率を測
定したところ、メタクリル酸メチルは0.19%であっ
た。このときの微粒子の平均粒子径は120μmであ
り、この樹脂の熱分解開始温度は120℃であった。
【0039】次に、重合後の懸濁液100重量部に対し
て水酸化ナトリウムを3重量部加え、100℃で9時間
攪拌を続けた後、冷却した。冷却後、塩酸で分散剤を分
解した後、この懸濁液を濾過、洗浄、乾燥して微粒子を
得た。微粒子中に残存する単量体の含有率を測定したと
ころ、メタクリル酸メチル単量体は、300ppmであ
った。
【0040】 (実施例5) PMMA微粒子 100重量部 積水化成品工業社製 テクポリマー MB−05 〔平均粒子径 0.5μm(未反応メタクリル酸メチル量200p pm) 熱分解開始温度 120℃〕 水相 脱イオン水 300重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.06重量部 水酸化ナトリウム 0.9重量部
【0041】上記の樹脂粒子を水相に均一に分散させた
後、攪拌機、温度計を備えた重合器にこの分散液を入
れ、100℃で8時間攪拌を続けて処理を完了した。冷
却後、この懸濁液を遠心分離、洗浄、乾燥した。樹脂中
に残存する単量体の含有率を測定したところ、メタクリ
ル酸メチルは検出されなかった。
【0042】 (比較例5) PMMA微粒子(平均粒子径0.07μm) 100重量部 〔未反応メタクリル酸メチル量:100ppm 熱分解開始温度 120℃〕 水相 脱イオン水 300重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.06重量部 水酸化ナトリウム 0.9重量部
【0043】上記の樹脂粒子を水相に均一に分散させた
後、攪拌機、温度計を備えた重合器にこの分散液を入
れ、100℃で8時間攪拌を続けて処理を完了したが、
凝集が多発し、樹脂の塊状物しか得られなかった。
【0044】
【発明の効果】この発明の方法によれば、(メタ)アク
リル酸エステルを主成分とする樹脂粒子を水性媒体中に
分散させ、その分散液を所定の温度にてアルカリ化合物
で処理することにより、樹脂粒子中に残存する未反応の
単量体の量を低減させることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂粒子径が0.1〜100μmである
    (メタ)アクリル酸エステル系単量体を主成分とした樹
    脂粒子を、50℃以上であって該樹脂粒子の熱分解開始
    温度より10℃低い温度以下の条件下で、アルカリ性水
    性媒体中で処理することを特徴とする、前記樹脂粒子中
    に残存する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を低減
    する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法により得られ、残存する
    (メタ)アクリル酸エステル系単量体の含有量が20p
    pm以下であることを特徴とする(メタ)アクリル酸エ
    ステル系樹脂粒子。
JP13535898A 1998-05-18 1998-05-18 (メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子中の残存単量体の低減方法およびそれにより得られる(メタ)アクリル酸エステル系樹脂粒子 Pending JPH11322836A (ja)

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JP2017137505A (ja) * 2017-04-28 2017-08-10 積水化成品工業株式会社 アクリル系樹脂粒子及びこれを用いた外用剤

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