JPH11322313A - 多孔質粒子及び合成樹脂組成物 - Google Patents

多孔質粒子及び合成樹脂組成物

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JPH11322313A
JPH11322313A JP15071298A JP15071298A JPH11322313A JP H11322313 A JPH11322313 A JP H11322313A JP 15071298 A JP15071298 A JP 15071298A JP 15071298 A JP15071298 A JP 15071298A JP H11322313 A JPH11322313 A JP H11322313A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧下で長期保存しても、粒子の分散性が低
下せず、透明性に優れ、耐スクラッチ性及び耐ブロッキ
ング性に優れた合成樹脂組成物を与える多孔質粒子を提
供する。 【解決手段】 少なくとも表面組成が花弁状多孔質構造
を有しCa/Pの原子比が33.3以下であるリン酸カル
シウム系化合物からなる粒子を、脂肪酸、脂肪酸の金属
塩、脂肪酸のアンモニウム塩、及び脂肪酸エステルから
なる群より選ばれた少なくとも1種の界面活性剤で表面
コーティングしてなり、該表面コーティングした粒子が
特定の形態を満足することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質粒子及び該
粒子を配合してなる合成樹脂組成物に関し、更に詳しく
は、加圧下で長期保存しても、粒子の分散性の低下が少
なく、合成樹脂中においても優れた分散性を有する多孔
質粒子、及び該粒子を配合することにより、より高い透
明性と優れた耐スクラッチ性能及びブロッキング防止能
を有する合成樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ポリオレフィンは、各種用途の
工業製品として広く利用されており、特にポリプロピレ
ンフィルム等のポリオレフィンフィルムは各種の包装用
材料として最も汎用されているものである。この種のポ
リオレフィンフィルムは周知のように粘着性があるため
ブロッキングを起こし易く、そのためにフィルムの製造
及び更にその高次加工における作業性を損なうのみなら
ず、そのフィルムを使用して例えば梱包や包装する場合
には袋の口開き不良などのトラブルを生じ易い。従っ
て、通常この種のフィルムは耐ブロッキング処理がなさ
れており、ブロッキング防止剤としては微粉末珪酸、ゼ
オライト、炭酸カルシウム、あるいはカオリンクレーが
代表的に知られ、かつ使用されている。
【0003】一方、ポリオレフィンフィルムの品質特性
として透明性の優れていること、及び良好な耐スクラッ
チ性(例えば、フィルム相互の接触によるフィルム表面
の傷付きにくさ)が要求されるが、この透明性、耐スク
ラッチ性、耐ブロッキング性とは相矛盾する品質特性で
あり、ポリオレフィンフィルムの耐ブロッキング性を良
好化せしめるために多量のブロッキング防止剤を使用す
ると、使用量の増加にともないポリオレフィンフィルム
の耐スクラッチ性及び透明性が低下するという関係にあ
って、これら耐ブロッキング性、耐スクラッチ性及び透
明性を共に満足しうるための改質用添加剤としては、従
来の無機粉末はいずれも不満足なものであった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な事情に鑑み、国際公開番号WO97/03119号及
び未公開の特願平8−357888号において、ポリオ
レフィンに代表される合成樹脂、特にそのフィルムに良
好な耐ブロッキング性、耐スクラッチ性と良好な透明性
を付与し、且つ合成樹脂との親和性が良好な合成樹脂添
加剤、及び該添加剤を配合する合成樹脂組成物に関し鋭
意検討を重ねた結果、花弁状多孔質ヒドロキシアパタイ
トからなる粒子又は花弁状ヒドロキシアパタイトで被覆
された粒子が所期の目的の合成樹脂添加剤としての機能
を有していること、さらに該合成樹脂添加剤を配合して
なる合成樹脂組成物が所期の目的を満足するものである
ことを見いだした。
【0005】本発明者等は、さらに鋭意研究の結果、粒
子表面組成が花弁状多孔質構造を有するヒドロキシアパ
タイトからなる粒子を特定の界面活性剤で表面コーティ
ングされるとともに特定の形態を有する粒子が、長期間
加圧下で保管しても優れた分散性を有し、より透明性の
高い合成樹脂組成物を提供することを見いだし、本発明
を完成した。
【0006】すなわち、本発明の第1は、少なくとも表
面組成が花弁状多孔質構造を有しCa/Pの原子比が3
3.3以下であるリン酸カルシウム系化合物からなる粒
子を、脂肪酸、脂肪酸の金属塩、脂肪酸のアンモニウム
塩、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれた少なく
とも1種の界面活性剤で下記式(i)に示す表面処理量
で表面コーティングしてなり、該表面コーティングした
粒子が下記の式(a)〜(h)を満足することを特徴と
する多孔質粒子を内容とする。 (a)0.1≦dx1 ≦10 (b)1≦α1 ≦2.0 但し α1 =d1 50/d
x1 (c)0≦β1 ≦1.7 但し β1 =(d1 90−
1 10)/d1 50 (d)0.01≦D≦1 (e)50≦Sw≦400 (f)0.1≦dx2 ≦10 (g)1≦α2 ≦2.0 但し α2 =d2 50/d
2 (h)0≦β2 ≦2.0 但し β2 =(d2 90−
2 10)/d2 50 (i)1≦M≦40 但し、 dx1 :電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子
径(μm) α1 :分散係数 d1 50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布
計により測定した粒子の50%平均粒子径(μm)。但
し、溶媒はメタノールで測定。 β1 :シャープネス d1 90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布
計により測定した粒子のふるい通過側累計90%粒子径
(μm) d1 10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布
計により測定した粒子のふるい通過側累計10%粒子径
(μm) D:水銀圧入法により測定した細孔分布により求めた粒
子の平均細孔径(μm) Sw:窒素吸着法によるBET比表面積(m2/g) dx2 :下記の加圧テスト後に電子顕微鏡写真により測
定した粒子の平均粒子径(μm) α2 :下記の加圧テスト後の分散係数 d2 50:島津SALD−2000A乾式粒度分布計に
より測定した加圧テスト後の粒子の50%平均粒子径
(μm) β2 :下記の加圧テスト後のシャープネス d2 90:島津SALD−2000A乾式粒度分布計に
より測定した加圧テスト後の粒子のふるい通過側累計9
0%粒子径(μm) d2 10:島津SALD−2000A乾式粒度分布計に
より測定した加圧テスト後の粒子のふるい通過側累計1
0%粒子径(μm) M:界面活性剤の表面処理量(重量%) 加圧テスト:紙袋にパウダーを入れ、2kg/cm2 の圧力
をかけて30日間放置する。
【0007】本発明の第2は、上記多孔質粒子を配合し
てなることを特徴とする合成樹脂組成物を内容とする。
【0008】本発明の多孔質粒子の最も重要な特徴は、
少なくとも表面組成が花弁状多孔質構造を有するリン酸
カルシウム系化合物からなる粒子を、脂肪酸、その金属
塩、そのアンモニウム塩、及び脂肪酸エステルからなる
群より選ばれた1種又は2種以上の界面活性剤で表面コ
ーティングしてなるとともに、特定の形態を有すること
を特徴とする多孔質粒子であることにある。本発明の多
孔質粒子の花弁状多孔質構造とは、電子顕微鏡写真によ
り観察されるバラの花の花弁状構造を指称する。本発明
の多孔質粒子におけるリン酸カルシウム系化合物に占め
るCa/Pの原子比は、33.3以下であり、充分な自己
崩壊性を有し且つ充分な耐スクラッチ性を有する合成樹
脂組成物を得るという観点から、5.56以下が好まし
く、3.33以下がさらに好ましく、1.85以下が最
も好ましい。Ca/Pの原子比が33.3を超えると十分
な自己崩壊性が得られなくなる傾向にあり、また下限
は、粒子の安定性を維持するという観点から1.60程
度が好ましい。また、基体として用いた粒子がすべてリ
ン酸カルシウム系化合物に変化して基体としての粒子が
本発明の粒子中に存在せず、粒子の100%(Ca/Pの
原子比は1〜1.67)が花弁状多孔質リン酸カルシウ
ム系化合物に変化しても何ら問題はない。
【0009】本発明の多孔質粒子を構成する花弁状多孔
質リン酸カルシウム系化合物には特に制限はないが、粒
子の安定性を十分に保持するという観点から、50重量
%以上がヒドロキシアパタイトであることが好ましい。
50重量%未満の場合、ヒドロキシアパタイト以外のリ
ン酸カルシウム系化合物が多くなるため粒子の安定性が
低くなり、目的とする良好な多孔質粒子が得られにくい
傾向がある。
【0010】本発明の多孔質粒子の基体を構成するもの
として特に制限はないが、無機物、有機物共に使用可能
であり、好ましい基体としては、タルク、カオリン、雲
母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、二酸化チ
タン、硫酸バリウム、燐酸カルシウム、ヒドロキシアパ
タイト等の白色顔料が挙げられ、中でも炭酸カルシウム
が最も好ましい。
【0011】本発明の多孔質粒子は、例えば基体として
の炭酸カルシウムの水懸濁液と燐酸の希釈水溶液をCa
/Pの原子比率が3.33以下となる割合で水中で下記
の混合条件で混合反応させた後、更に下記の熟成条件で
熟成してリン酸カルシウム系化合物粒子の水スラリーを
得、次いで脂肪酸、脂肪酸の金属塩、脂肪酸のアンモニ
ウム塩、脂肪酸エステルから選ばれた少なくとも1種の
界面活性剤を添加、攪拌して、表面コーティングした
後、脱水を行うか又は脱水せずに700℃以下の乾燥雰
囲気下で乾燥後、解砕仕上げを行うことにより製造する
ことができる。また、界面活性剤は解砕仕上げを行った
パウダーに添加し、乾式法で表面コーティングして製造
することもできる。
【0012】混合条件: 炭酸カルシウムの水懸濁液固形分濃度 1〜15重量% 燐酸の希釈水溶液濃度 1〜50重量% 撹拌羽根の周速 0.5〜50m/秒 混合時間 0.1〜150時間 水懸濁液温度 0〜80℃ 水懸濁液pH 5〜9
【0013】熟成条件: Ca濃度 0.4〜5重量% 熟成時間 0.1〜100時間 水懸濁液温度 20〜80℃ 水懸濁液pH 6〜9 撹拌羽根の周速 0.5〜50m/秒
【0014】本発明の多孔質粒子は、上記したように、
少なくとも表面組成が花弁状多孔質構造を有するリン酸
カルシウム系化合物でCa/Pの原子比が33.3以下の
粒子を、脂肪酸、その金属塩、そのアンモニウム塩、及
び脂肪酸エステルから選ばれた1種又は2種以上の界面
活性剤で下記式(i)で表される表面処理量で表面コー
ティングするとともに、下記の式(a)〜(h)を満足
する粒子である。
【0015】本発明に用いられる界面活性剤において、
脂肪酸とは、C=8以上のラウリン酸(C=12)、ミ
リスチン酸(C=14)、パルミチン酸(C=16)、
ステアリン酸(C=18)等が挙げられる。それら脂肪
酸の金属塩としては、Na、K、Li等のアルカリ金
属、Al、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn等が挙
げられる。脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリ
ン酸ステアレート、ステアリン酸ラウレート、パルチミ
ン酸ステアレート、パルチミン酸ラウレート等が挙げら
れ、また一価のアルコールから生成されるエステルのみ
ならず、グリセリン等の多価アルコールから生成する脂
肪酸エステルも使用可能である。これらは1種又は2種
以上組み合わせて用いられる。また、不飽和度の高いも
のや純度の低いものであっても、同様の表面処理効果は
得られるものの、表面処理剤自体の色がパウダーの白色
度に悪影響を与える場合があるので、合成樹脂組成物の
着色を好まない用途では、表面処理量はできるだけ低く
抑える必要がある。
【0016】界面活性剤の表面処理量M(%)は、1≦
M≦40であり、より好ましくは、5≦M≦30であ
る。1未満の場合は、比表面積に対する表面処理面積が
不完全で、良好な分散性が得られないことから充分な透
明性が得られず、また、40を越える場合は、表面処理
面積が過剰になり、比表面積の低下や、表面処理剤がバ
インダーとなり凝集による粗大粒子が発生する。
【0017】表面処理方法については常法でなんら問題
ない。例えば、多孔質粒子は通常水スラリーの状態で製
造するため、水スラリー中又は含水ケーキで表面処理す
るのが好ましい。脂肪酸エステルは一般に疎水性である
が、スラリー中に加え攪拌するか、含水ケーキ中に混練
すると、水スラリー中又は含水ケーキ中の多孔質粒子と
十分に吸着結合する。また、乾式法で行ってもなんら問
題はない。
【0018】上記の如くして表面コーティングされた多
孔質粒子は、特定の形態を有することが必要である。即
ち、本発明の多孔質粒子のdx1 及びdx2 は、0.1
≦dx1 及びdx2≦10(μm)であり、より好まし
くは、0.2≦dx1 及びdx2 ≦8(μm)、さらに
好ましくは、0.2≦dx1 及びdx2 ≦5(μm)で
ある。dx1 、dx2 が0.1μm未満の場合、合成樹
脂中での分散が容易でないばかりでなく、例えば合成樹
脂繊維、フィルムに使用した場合、充分なブロッキング
防止効果が発揮できない。またdx1 、dx2 が10μ
mを超える場合、合成樹脂の透明性を損なうことになる
ばかりではなく、例えばフィルムに使用した場合、粗大
突起の一因となる。
【0019】また、本発明の多孔質粒子のα1 、β
1 は、1≦α1 ≦2.0,0≦β1 ≦1.7であり、好
ましくは1≦α1 ≦1.5,0≦β1 ≦1.0である。
また、本発明の多孔質粒子の加圧テストと後のα2 、β
2 は、1≦α2 ≦2.0,0≦β2 ≦2.0であり、好
ましくは1≦α2 ≦1.5,0≦β2 ≦1.0である。
α1 、α2 が2.0を超える場合、合成樹脂成形物の性
能の設計の観点から好ましくなく、例えばフィルム分野
においては、このような添加剤によって得られるフィル
ム表面の凹凸の大きさも不均一となり、充分な耐ブロッ
キング性を有するフィルムが得られない。また、オーデ
ィオ、ビデオ用等の磁気テープ等のより高度の物性を要
求される分野においては、1.5以下が好ましい。また
α1 、α2 が1未満の場合、粒子の凝集が起こり、不均
一になる。本発明の多孔質粒子の粒度構成に関する関数
であるβ1 が1.7を、β2 が2.0を超える場合、粒
度分布幅がブロードになり、合成樹脂組成物にとって不
必要な微小粒子及びフィルム等合成樹脂成形物表面の粗
大突起の原因となる粗大粒子の含有率が多くなるため、
充分な耐ブロッキング性と良好な透明性を有する合成樹
脂フィルム等の合成樹脂組成物は得られなくなる。
【0020】また、本発明の多孔質粒子は、自己崩壊性
を有し且つ充分な耐スクラッチ性を有すると共に、少量
添加で良好なブロッキング性を有する合成樹脂組成物を
得るためには、該粒子のDは、0.01≦D≦1(μ
m)である必要がある。
【0021】更に、本発明の多孔質粒子のSwは、50
≦Sw≦400であり、好ましくは100≦Sw≦35
0である。Swが50未満の場合、合成樹脂との親和性
が充分でないため、合成樹脂の透明性を阻害したり、フ
ィルム及び繊維等に用いて添加剤の脱落が発生し、さら
に添加剤の自己崩壊性が充分でないため、耐スクラッチ
性の良好な合成樹脂組成物が得られない。またSwが4
00を超える場合、添加剤の自己崩壊性が強すぎること
になり、フィルム、繊維等に用いた場合、耐スクラッチ
性は良好である反面、良好な耐ブロッキングのある合成
樹脂組成物は得られない。
【0022】本発明の合成樹脂組成物に適用できる合成
樹脂及び合成樹脂成形品の種類としては特に制限は無
く、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸
エステル、ポリアクリル酸アミド、ポリエステル、ポリ
アクリロニトリル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン等が例示でき、熱硬化性樹脂としては、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、アルキド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン
樹脂、ケイ素樹脂等が例示できる。これらの中でも特に
ポリオレフィンや飽和ポリエステルのフィルム組成物及
び繊維組成物に好適である。
【0023】ポリオレフィンとしては透明かつ結晶性の
自己支持性フィルム形成能を有する物であれば、特に限
定されるものではないが、例えば炭素数2〜12程度の
α−オレフィンの結晶性単独重合体あるいは2種以上の
結晶性共重合体、具体的にはポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−プロ
ピレンランダムまたはブロック共重合体、エチレン−プ
ロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘ
キセン共重合体などを挙げることができる。中でも、ポ
リプロピレンやプロピレン過半重量のプロピレンと他の
α−オレフィンとの重合体が好ましく、特にエチレン含
量が0〜6重量%のプロピレン重合体が良い。
【0024】また、これらのポリオレフィンは結晶性で
あり、アイソタクティックインデックス(II)が通常
40以上、中でも60以上、特に90以上のものが適す
る。更に、成形できる物である限り用いられるが、通常
はメルトフローレート(MFR)が0.01〜100g
/10分、中でも0.1〜50g/10分、0.5〜1
0g/10分のものが好ましい。
【0025】本発明の合成樹脂組成物に配合される他の
成分については特に制限はないが、ポリオレフィン等の
合成樹脂に使用される他の添加剤、例えば顔料、染料、
紫外線吸収剤、各種安定剤、酸化防止剤、遮光剤(例え
ばカーボンブラック、二酸化チタン等)、加工助剤、帯
電防止剤、抗菌剤、脱臭剤、農薬、香料等各種添加剤の
1種又は2種以上と併用できることはもちろん、高い比
表面積と空隙率を持ち、優れた吸着、担持性能があるこ
とから、これら各種添加剤を吸着又は担持させて使用す
ることもできる。
【0026】例えば、抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等
の無機系抗菌剤や、塩化ベンザルコニウム、塩化セチル
ピリジニウム等の第4アンモニウム系、エタノール、イ
ソプロパノール等のアルコール系、ホルマリン、グリオ
キザール等のアルデヒド系、クレゾール、キシレノール
等のフェノール系、ソルビン酸、安息香酸等のカルボン
酸系、クロルヘキシジン、n−ドデシルグアニジンアセ
テート等のグアニジン系、2−メルカプトベンゾチアゾ
ール、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン等の
チアゾール系等が挙げられる。
【0027】脱臭剤としては、タンニン酸、ショウ脳
油、テレピン油等、農薬としては、ジメチルフタレー
ト、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、インダロ
ン、ジメチルカーバイト、イルガビリン、PCP剤(ペ
ンタクロルフェノール)、MEP剤(ジメチルチオホス
フェート)、ECP剤(ジエチルジクロルフェニルチオ
ホスフェート)等、紫外線吸収剤としては、2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン、フェニルサリシレート、2
−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)−ベ
ンゾトリアゾール、2−エチルヘキシル−2−シアノ−
3,3−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0028】染料としては、アゾ染料、アントラキノン
染料をはじめ、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェ
ニルメタン染料等、香料としては、じゃ香、アビエス
油、ベルガモット油、ボロアーズ油、ローズウッド油、
ローズマリー油、オレンジフラワー油等の天然香料、ア
セト酢酸エチル、アネトール、アミルシナミックアルデ
ヒド、イソ吉草酸エチル、イソアミルアセテート等の合
成香料、ローズ系、ジャスミン系、リラ系等の調合香料
等が挙げられる。
【0029】これらの添加量は特に制限はないが、本発
明の合成樹脂組成物に配合される粒子に対し、0.00
01〜100重量%が好ましい。添加量が0.0001
重量%未満では添加効果が不十分であり、また100重
量%を超えると粒子の分散性を低下させる傾向にある。
【0030】必要に応じ、他の組成のブロッキング防止
剤、例えば合成球状シリカ、β,γ−アルミナ、珪酸ア
ルミニウム、合成ゼオライト、酸化チタン、カオリン、
クレー、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無
機粒子、花弁状構造を有しない非晶質リン酸カルシウム
〔略号ACP、化学式Ca3 (PO4 2 ・nH
2 O〕、フッ素アパタイト〔略号FAP、化学式Ca10
(PO4 6 2 〕、塩素アパタイト〔略号CAP、化
学式Ca10(PO4 6 Cl2 〕、ヒドロキシアパタイ
ト〔略号HAP、化学式Ca10(PO4 6 (O
H)2 〕、リン酸八カルシウム〔略号OCP、化学式C
8 2 (PO4 6 ・5H2 O〕、リン酸三カルシウ
ム〔略号TCP、化学式Ca3 (PO4 2 〕、リン酸
水素カルシウム(略号DCP、化学式CaHPO4 )、
リン酸水素カルシウム二水和物(略号DCPD、化学式
CaHPO4 ・2H2 O)等を目的に応じて1種又は2
種以上配合しても差し支えない。更に、シリコーン樹脂
粒子、架橋アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート粒
子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリスチレン粒子、テ
フロン粒子、ポリイミド粒子等の有機高分子粒子等を併
用しても差し支えない。これらの添加量については特に
制限はないが、通常0.01〜3重量部未満が好まし
い。
【0031】本発明の合成樹脂組成物に配合される多孔
質粒子は、粒子の分散性,安定性等をさらに高めるため
に、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤
等のカップリング剤、有機酸、例えばアクリル酸,シュ
ウ酸,クエン酸等の有機酸,酒石酸、フッ酸等の無機
酸、それらのポリマー,それらの塩,又はそれらのエス
テル類等の表面処理剤、界面活性剤やヘキサメタリン酸
ソーダ、ピロリン酸、ピロリン酸ソーダ、トリポリリン
酸、トリポリリン酸ソーダ、トリメタリン酸、ハイポリ
リン酸等の縮合リン酸塩及びその塩を常法に従い1種又
は2種以上併用して表面処理しても差し支えない。
【0032】本発明の多孔質粒子は、その花弁状構造が
自己崩壊性(外部から応力が粒子に作用した場合、粒子
の一部が破壊又は崩壊変形することにより、外部からの
応力を粒子自身が自己吸収又は自己分散し、その結果、
粒子外部に対する粒子からの反発力が低下する性質)を
有しているため、例えば合成樹脂フィルムに本発明の多
孔質粒子を多量に添加した場合においても、フィルム相
互の接触の際、フィルム表面に存在する花弁状構造の粒
子が自己崩壊するため、フィルム相互の接触により発生
する応力を大きく軽減させることができる。従って、自
己崩壊性を有しない他の粒子を用いた場合と比較して、
フィルムの表面がお互いに損傷する度合いは著しく低下
し、その結果、良好な耐スクラッチ性を有する合成樹脂
フィルムを得ることができる。
【0033】本発明の多孔質粒子は、特定の界面活性剤
でコーティングされるとともに特定の形態を有するた
め、国際公開番号WO97/03119号における花弁
状多孔質ヒドロキシアパタイト被覆粒子、及び特願平8
−357888号における合成樹脂組成物に配合された
粒子と比較した場合、樹脂中への分散性が向上し、良好
なブロッキング性能と耐スクラッチ性を維持し、より優
れた透明性を有する。従って、樹脂中への分散むらが極
めて低減されるため、より安定した品質の合成樹脂組成
物が得られると共に、混練時のハンドリング性能を高め
ることが可能となる。
【0034】さらにまた、本発明の多孔質粒子は、その
比表面積が非常に大きい花弁状構造のリン酸カルシウム
系化合物の表面組成を有することから、合成樹脂と良好
な親和性を有し、このため、透明性に優れた合成樹脂を
調製することが可能であり、さらに例えばフィルム等の
ブロッキング防止剤として使用しても、添加剤粒子のフ
ィルムからの脱落が極めて少ない合成樹脂フィルムを得
ることが可能となる。
【0035】本発明の多孔質粒子は、多孔質構造である
ことから粒子の見掛け比重が低く、従来の添加剤が十分
に耐ブロッキング性を有するのに必要とする添加量と同
体積分添加した場合、その時の添加重量は従来の添加剤
と比べ小さくなり、少量添加で優れた耐ブロッキング性
を付与させることが可能である。更に該粒子は優れた粒
子径の均一性を有することから、樹脂内に埋没し、ブロ
ッキング性に関与しない粒子の割合が極めて少ないた
め、より少量添加で優れたブロッキング性を有する合成
樹脂組成物が得られる。また、少量添加で良好なブロッ
キング性が得られることにより、より透明性を向上させ
ることが可能である。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0037】参考例:リン酸カルシウム系化合物粒子の
調製 炭酸カルシウムの水懸濁液とリン酸の希釈水溶液を表
1,表2に記載の混合条件で混合反応させた後、表1,
表2に記載の熟成条件で熟成を行い、A〜G粒子の水ス
ラリーを調製した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】実施例1〜8 A〜D粒子の水スラリーに、界面活性剤としてステアリ
ン酸カリウムを該水スラリー固形分に対してそれぞれ1
5重量%及び5重量%添加し、20分間攪拌した後、脱
水、水洗、乾燥、解砕を行い、実施例1〜8の多孔質粒
子を得た。これらの粉体物性を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】実施例9〜16 界面活性剤としてステアリン酸ステアレートを用いる以
外は、実施例1〜8と同様に操作し、実施例9〜16の
多孔質粒子を得た。これらの粉体物性を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】比較例1〜7 A〜G粒子の水スラリーに、界面活性剤としてステアリ
ン酸カリウムを表5に示すように45重量%、15重量
%及び0.5重量%添加する以外は、実施例1〜8と同
様に操作し、比較例1〜7の多孔質粒子を得た。これら
の粉体物性を表5に示す。
【0045】
【表5】
【0046】比較例8〜14 界面活性剤としてステアリン酸ステアレートを用いる以
外は、比較例1〜7と同様に行い、比較例8〜14の多
孔質粒子を得た。これらの粉体物性を表6に示す。
【0047】
【表6】
【0048】粒子表面を比較するために、実施例1の多
孔質粒子Aと市販のヒドロキシアパタイト(商品名:リ
ン酸三カルシウム、米山化学工業株式会社製)の粒子構
造を示す電子顕微鏡写真をそれぞれ図1(1000
倍)、図2(10000倍)及び図3(1000倍)、
図4(10000倍)に示す。図1、図2より、A粒子
は花弁状多孔質構造を有しており、また図3、図4よ
り、市販のヒドロキシアパタイトは微細な粒子の凝集物
であり、花弁状多孔質構造を有するものではない。得ら
れた多孔質粒子は、加圧テストを行い、以下の実施例1
7〜32及び比較例15〜28に使用した。加圧テスト
後の粉体物性を表3〜6に示す。
【0049】実施例17〜32 比較例15〜32 実施例17〜32は、実施例1〜16の粒子、比較例1
5〜28は、比較例1〜14の粒子、比較例29は市販
のヒドロキシアパタイト(商品名:リン酸三カルシウ
ム、米山化学工業株式会社製)、比較例30は市販のA
型ゼオライト(商品名:合成A型ゼオライト、水澤化学
株式会社製)、比較例31は市販の合成シリカ(商品
名:アエロジル#130、日本アエロジル株式会社製)
を、又比較例32は粒子を添加しないブランクとして下
記の要領でポリプロピレン組成物を調製し、該組成物か
ら未延伸ポリプロピレンフィルムを得、その品質を評価
した。結果を表7及び表8に示す。
【0050】ポリプロピレンフィルムの製造 メルトフローレートが1.9g/10分であるポリプロ
ピレン樹脂100重量部に酸化防止剤として2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール 0.10重量部、イル
ガノックス1010(チバガイギー社の登録商標)0.
02重量部、塩酸キャッチ剤としてステアリン酸カルシ
ウム0.05重量部、及び本発明にかかる合成樹脂用添
加剤を添加し、スーパーミキサーで混合後押し出し機で
ペレット化した。このペレットを40mmφTダイにて樹
脂温度240℃で溶融押し出しを行い、厚み40μmの
未延伸フィルムを得た。フィルムの一面には、コロナ放
電処理を施した。
【0051】これらの未延伸フィルムについて、透明
性、耐ブロッキング性及び耐スクラッチ性を測定した。
透明性はASTM−D−1003に準拠して、フィルム
を4枚重ねて測定した。ブロッキング性は、2枚のフィ
ルムの接触面積が10cm2 となるように重ねて2枚のガ
ラス板の間に置き、50g/cm2 の荷重をかけて40℃
の雰囲気中に7日間放置後、ショッパー型試験機を用い
て、引っ張り速度500mm/分にて引き剥して、その最
大荷重を読みとって評価した。この値が小さい程、耐ブ
ロッキング性が良好である。耐スクラッチ性は、ガラス
板上に二軸延伸フィルム1枚を固定し、他方接触面積が
50cm2 の箱型の固定具にフィルムを固定し、加重を4
kg掛けて、ガラス板上のフィルムを6回擦り、擦る前後
の透明性で評価した。この値が小さいほどスクラッチ性
が良好である。
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【発明の効果】叙上の通り、本発明の多孔質粒子は、優
れた透明性と共に、耐スクラッチ性と良好なブロッキン
グ防止機能を有する合成樹脂組成物を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(10
00倍)である。
【図2】A粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(10
000倍)である。
【図3】市販のヒドロキシアパタイト粒子の粒子構造を
示す電子顕微鏡写真(1000倍)である。
【図4】市販のヒドロキシアパタイト粒子の粒子構造を
示す電子顕微鏡写真(10000倍)である。
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】また、本発明の多孔質粒子のα1 、β
1 は、1≦α1 ≦2.0,0≦β1 ≦1.7であり、好
ましくは1≦α1 ≦1.5,0≦β1 ≦1.0である。
また、本発明の多孔質粒子の加圧テスト後のα2 、β2
は、1≦α2 ≦2.0,0≦β2 ≦2.0であり、好ま
しくは1≦α2 ≦1.5,0≦β2 ≦1.0である。α
1 、α2 が2.0を超える場合、合成樹脂成形物の性能
の設計の観点から好ましくなく、例えばフィルム分野に
おいては、このような添加剤によって得られるフィルム
表面の凹凸の大きさも不均一となり、充分な耐ブロッキ
ング性を有するフィルムが得られない。また、オーディ
オ、ビデオ用等の磁気テープ等のより高度の物性を要求
される分野においては、1.5以下が好ましい。またα
1 、α 2 が1未満の場合、粒子の凝集が起こり、不均一
になる。本発明の多孔質粒子の粒度構成に関する関数で
あるβ1 が1.7を、β2 が2.0を超える場合、粒度
分布幅がブロードになり、合成樹脂組成物にとって不必
要な微小粒子及びフィルム等合成樹脂成形物表面の粗大
突起の原因となる粗大粒子の含有率が多くなるため、充
分な耐ブロッキング性と良好な透明性を有する合成樹脂
フィルム等の合成樹脂組成物は得られなくなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、本発明の多孔質粒子は、自己崩壊性
を有し且つ充分な耐スクラッチ性を有すると共に、少量
添加で良好な耐ブロッキング性を有する合成樹脂組成物
を得るためには、該粒子のDは、0.01≦D≦1(μ
m)である必要がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】本発明の多孔質粒子は、多孔質構造である
ことから粒子の見掛け比重が低く、従来の添加剤が十分
に耐ブロッキング性を有するのに必要とする添加量と同
体積分添加した場合、その時の添加重量は従来の添加剤
と比べ小さくなり、少量添加で優れた耐ブロッキング性
を付与させることが可能である。更に該粒子は優れた粒
子径の均一性を有することから、樹脂内に埋没し、耐ブ
ロッキング性に関与しない粒子の割合が極めて少ないた
め、より少量添加で優れた耐ブロッキング性を有する合
成樹脂組成物が得られる。また、少量添加で良好な耐ブ
ロッキング性が得られることにより、より透明性を向上
させることが可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】
【表7】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【表8】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】
【表7】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【表8】

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面組成が花弁状多孔質構造
    を有しCa/Pの原子比が33.3以下であるリン酸カル
    シウム系化合物からなる粒子を、脂肪酸、脂肪酸の金属
    塩、脂肪酸のアンモニウム塩、及び脂肪酸エステルから
    なる群より選ばれた少なくとも1種の界面活性剤で下記
    式(i)に示す表面処理量で表面コーティングしてな
    り、該表面コーティングした粒子が下記の式(a)〜
    (h)を満足することを特徴とする多孔質粒子。 (a)0.1≦dx1 ≦10 (b)1≦α1 ≦2.0 但し α1 =d1 50/d
    x1 (c)0≦β1 ≦1.7 但し β1 =(d1 90−
    1 10)/d1 50 (d)0.01≦D≦1 (e)50≦Sw≦400 (f)0.1≦dx2 ≦10 (g)1≦α2 ≦2.0 但し α2 =d2 50/d
    2 (h)0≦β2 ≦2.0 但し β2 =(d2 90−
    2 10)/d2 50 (i)1≦M≦40 但し、 dx1 :電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子
    径(μm) α1 :分散係数 d1 50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布
    計により測定した粒子の50%平均粒子径(μm)。但
    し、溶媒はメタノールで測定。 β1 :シャープネス d1 90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布
    計により測定した粒子のふるい通過側累計90%粒子径
    (μm) d1 10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布
    計により測定した粒子のふるい通過側累計10%粒子径
    (μm) D:水銀圧入法により測定した細孔分布により求めた粒
    子の平均細孔径(μm) Sw:窒素吸着法によるBET比表面積(m2/g) dx2 :下記の加圧テスト後に電子顕微鏡写真により測
    定した粒子の平均粒子径(μm) α2 :下記の加圧テスト後の分散係数 d2 50:島津SALD−2000A乾式粒度分布計に
    より測定した加圧テスト後の粒子の50%平均粒子径
    (μm) β2 :下記の加圧テスト後のシャープネス d2 90:島津SALD−2000A乾式粒度分布計に
    より測定した加圧テスト後の粒子のふるい通過側累計9
    0%粒子径(μm) d2 10:島津SALD−2000A乾式粒度分布計に
    より測定した加圧テスト後の粒子のふるい通過側累計1
    0%粒子径(μm) M:界面活性剤の表面処理量(重量%) 加圧テスト:紙袋にパウダーを入れ、2kg/cm2 の圧力
    をかけて30日間放置する。
  2. 【請求項2】 平均粒子径dx1 が下記の式(j)を満
    足する請求項1記載の多孔質粒子。 (j)0.2≦dx1 ≦8(μm)
  3. 【請求項3】 平均粒子径dx1 が下記の式(k)を満
    足する請求項2記載の多孔質粒子。 (k)0.2≦dx1 ≦5(μm)
  4. 【請求項4】 分散係数α1 及びシャープネスβ1 が下
    記の式(l)及び(m)を同時に満足する請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の多孔質粒子。 (l)1≦α1 ≦1.5 (m)0≦β1 ≦1.0
  5. 【請求項5】 BET比表面積Swが下記の式(n)を
    満足する請求項1〜4のいずれか1項に記載の多孔質粒
    子。 (n)100≦Sw≦350
  6. 【請求項6】 界面活性剤の表面処理量Mが、下記の式
    (o)を満足する請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    多孔質粒子。 (o)5≦M≦30
  7. 【請求項7】 加圧テスト後の平均粒子径dx2 が下記
    の式(p)を満足する請求項1〜6のいずれか1項に記
    載の多孔質粒子。 (p)0.2≦dx2 ≦8(μm)
  8. 【請求項8】 加圧テスト後の平均粒子径dx2 が下記
    の式(q)を満足する請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の多孔質粒子。 (q)0.2≦dx2 ≦5(μm)
  9. 【請求項9】 加圧テスト後の分散係数α2 及びシャー
    プネスβ2 が下記の式(r)及び(s)を同時に満足す
    る請求項1〜8のいずれか1項に記載の多孔質粒子。 (r)1≦α2 ≦1.5 (s)0≦β2 ≦1.0
  10. 【請求項10】 粒子重量に占めるCa/Pの原子比が
    5.56以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載
    の多孔質粒子。
  11. 【請求項11】 粒子重量に占めるCa/Pの原子比が
    3.33以下である請求項1〜10のいずれか1項に記
    載の多孔質粒子。
  12. 【請求項12】 粒子重量に占めるCa/Pの原子比が
    1.85以下である請求項1〜11のいずれか1項に記
    載の多孔質粒子。
  13. 【請求項13】 リン酸カルシウム系化合物が、化学式
    Ca10(PO4 6・(OH)2 のヒドロキシアパタイ
    トである請求項1〜12のいずれか1項に記載の多孔質
    粒子。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の多孔質粒子を配合してなることを特徴とする合成樹脂
    組成物。
  15. 【請求項15】 合成樹脂組成物が合成樹脂フィルムで
    ある、請求項14記載の合成樹脂組成物。
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