JP2004189868A - 熱可塑性樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び成形体 Download PDF

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Shigeo Takiyama
成生 瀧山
Nariatsu Uto
成敦 宇都
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Abstract

【課題】発色性、透明性が良好で、フローマークが抑制された外観の良好な成形体を与える熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)0.01≦dx≦30(電子顕微鏡写真により測定した平均粒子径 μm)及び(b)2.5≦V≦30(JISK5101−91 20.1 顔料試験方法の静置法による見掛け比容 ml/g)を満足する無機多孔質粒子を熱可塑性樹脂に配合してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の粒度内容を有する無機多孔質粒子を配合してなる熱可塑性樹脂組成物及び成形体に関し、更に詳しくは、少量添加で高い透明性と、着色顔料の分散性向上による高い発色性を有し、また2種以上の樹脂を配合する場合において、特定の粒度内容を有する無機多孔質粒子が樹脂中で均一に分散することにより、樹脂同士の流動性が向上し、成形時に発生するフローマークが抑制され、優れた外観を有する成形体を与える熱可塑性樹脂組成物及びフローマークが抑制され、優れた外観を有する成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂、中でもスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などは、優れた機械的物性や透明性等を有することから、OA機器、家電材料などあらゆる産業分野にその用途が広がっている。これらの樹脂は、成形時の加工性の向上や、成形品の表面光沢の改善のために滑剤を添加したり、また、発色性を向上させるために、着色剤と共に着色分散助剤を添加することが一般に行われている。
【0003】
これらの滑剤及び着色分散助剤としては、スチレン系樹脂では、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等、ステアリン酸金属セッケンなどの脂肪酸塩、またポリカーボネート系樹脂では、脂肪酸エステル類が一般的である。しかしながら、脂肪酸塩の場合は粒子径が大きく、また分散性も十分でないため樹脂内で均一に分散せず、また、脂肪酸エステル類は液状で添加されるが、樹脂との相溶性が不十分なため均一に分散できないため、透明性の低下や、滑剤及び着色助剤として十分な効果が得られない問題がある。また、2種以上の樹脂を配合する場合、例えば、ABS樹脂/ポリカーボネートの場合においては、樹脂同士の分散が不均一になりやすく、射出成形においてフローマークが発生する問題があるが、従来の滑剤では分散性が不十分であるため解決は困難である。
【0004】
従来、AS樹脂又はABS樹脂に着色剤及び着色分散助剤を均一に分散させたカラーコンセントレート組成物の溶融粘度と着色されるゴム変性熱可塑性樹脂の溶融粘度との関係を一定に保つことにより着色成形品の色ムラを改良する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、カラーコンセントレート組成物の溶融粘度とゴム変性熱可塑性樹脂の溶融粘度とを一定の関係に保つことは必ずしも容易ではなく、工業的に有利な方法とは言い難い。
【0005】
【特許文献1】
特開昭56−47435号公報
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、特定の粒度内容を有する無機多孔質粒子を配合することにより、少量添加で透明性、発色性に優れ、フローマークがほとんど発生しない成形体を与える熱可塑性樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明の第1は、下記の式(a)及び(b)を満足する無機多孔質粒子を配合してなる熱可塑性樹脂組成物を内容とする。
(a)0.01≦dx≦30
(b)2.5≦V≦30
但し、
dx:電子顕微鏡写真により測定した平均粒子径(μm)
V :JISK5101−91 20.1 顔料試験方法の静置法による見掛け比容(ml/g)
【0008】
本発明の第2は、上記組成物を成形してなることを特徴とする熱可塑性成形体を内容とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の最も重要な特徴は、特定の粒度内容を有する無機多孔質粒子を配合することにより、少量添加で高い透明性と、着色顔料の分散性向上による高い発色性を有し、また2種以上の樹脂を配合する場合において、特定の粒度内容を有する無機多孔質粒子が樹脂中で均一に分散することにより、樹脂同士の分散性が向上し、成形時に発生するフローマークが抑制され、優れた外観を有する成形体を提供することである。
【0010】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合される無機多孔質粒子の平均粒径dxは、0.01≦dx≦30(μm)であり、好ましくは、0.05≦dx≦20(μm)、より好ましくは、0.1≦dx≦10(μm)である。dxが0.01μm未満の場合、粒子の凝集が強く、樹脂中への分散性を低下させ、また、dxが30μmを超える場合、粒子が大きいため、透明性と発色性が低下する。
平均粒子径dxは電子顕微鏡写真により測定した平均粒子径(μm)で、具体的には、走査型電子顕微鏡を用いて、異なった視野から約1000個の単粒子と認めることができる粒子のみを計測した。測定粒子径は定方向径について測定し、このようにして得られた粒子径から求めた個数平均径である。但し、一次粒子が針状・柱状ないし不定形の場合は、一つの一次粒子の最長径と最短径の積の平方根をdxとする。
【0011】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合される無機多孔質粒子の見掛け比容Vは、2.5≦V≦30(ml/g)であり、好ましくは、3≦V≦20(ml/g)であり、より好ましくは、8≦V≦20(ml/g)である。Vが30を超える場合、樹脂と混合しにくく、分散性の低下の原因となり、粉塵等のハンドリング面での問題があり、また、Vが2.5未満の場合は、樹脂中に存在する粒子個数が少なくなり、少量添加では充分な効果が得られない。
見掛け比容Vは、JISK5101−91 20.1 顔料試験方法の静置法により求められる。
【0012】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合される無機多孔質粒子の分散係数αはd50/dxで求められ、特に限定はないが、1≦α≦3が好ましく、より好ましくは、1≦α≦2である。αが3を超える場合、又は、αが1未満の場合、粒子の凝集が起こり、粒子径が不均一になるので、粒子が樹脂中に均一に分散しない傾向にある。
dxは上記した方法で求めた平均粒子径(μm)であり、d50は島津SALD−2000A乾式粒度分布計により測定した無機多孔質粒子の50%平均粒子径(μm)である。
【0013】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合される無機多孔質粒子のシャープネスβは(d90−d10)/d50で求められ、特に限定はないが、0≦β≦3が好ましく、より好ましくは、0≦β≦2である。βが3を超える場合、粒度分布がブロードになり、微小粒子及び粗大粒子の含有率が多くなるため、樹脂中に均一に分散しない傾向にある。
d90は島津SALD−2000A乾式粒度分布計により測定した無機多孔質粒子のふるい通過側累計90%粒子径(μm)、d10は島津SALD−2000A乾式粒度分布計により測定した無機多孔質粒子のふるい通過側累計10%粒子径(μm)である。
【0014】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合される無機多孔質粒子の組成は、特に限定はないが、粒子径の調整が容易で、優れた分散性、均一性を有するリン酸カルシウム系化合物または珪酸カルシウム等が好ましく、これらは単独で又は必要に応じ2種以上組み合わせて用いられる。例えば、花弁状多孔質構造を有するリン酸カルシウム系化合物や、特公昭60−29643の多孔質構造を有する珪酸カルシウム等が挙げられ、樹脂との親和性が高いという観点から、リン酸カルシウム系化合物が更に好ましい。リン酸カルシウム系化合物のCa/Pの原子比は、花弁状多孔質構造による見掛け比容の高さという観点から、5.56以下が好ましく、3.33以下がさらに好ましい。また、粒子の安定性という観点から、リン酸カルシウム系化合物が、化学式Ca10(PO4 6 ・(OH)2 で表されるヒドロキシアパタイトであることが好ましい。
【0015】
上記の如きリン酸カルシウム系化合物は、例えば、後記する表1に記載の混合条件により得られるが、請求項1〜7に記載の式(a)〜(j)で表される平均粒子径dx、見掛け比容V、分散係数α、シャープネスβをコントロールする際に、特に大きく影響する混合・熟成条件としては、混合、熟成時の攪拌羽根周速、Ca/Pの原子比である。攪拌羽根周速が低すぎた場合、混合、熟成時に凝集が起こり、平均粒子径dxが大きくなりすぎたり、分散係数α、シャープネスβにも悪影響を及ぼし、一方、攪拌羽根周速が高すぎる場合、攪拌力によって水懸濁液温度が急激に上昇してしまい、反応系の温度コントロールが困難になるだけでなく、製造コストにも大きく影響する。また、Ca/Pの原子比が高すぎた場合、粒子に占める多孔質構造を有するリン酸カルシウム系化合物の割合が小さくなるため見掛け比容Vが低下してしまい、一方、Ca/Pの原子比が低すぎた場合、リン酸カルシウム系化合物粒子自体が形成できなくなる傾向にある。これらの条件に注意さえすれば、上記(a)〜(j)に記載の要件を満足するリン酸カルシウム系化合物は容易に製造することができる。
【0016】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合される無機多孔質粒子は、分散性や安定性の向上のために、表面処理剤で表面コーティングすることができる。表面処理剤は特に限定はないが、粉体としての分散性と、樹脂内での分散性を向上させ、またpHを調整するという観点から、脂肪酸及びそのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、脂肪酸エステルから選ばれた1種又は2種以上の界面活性剤を表面コーティングしたものが好ましい。また、その表面処理量も特に限定はないが、粒子表面を均一にコーティングするという観点から、粒子に対して0.1〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がさらに好ましい。
【0017】
また、粒子の分散性,安定性等をさらに高めるために、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤、有機酸、例えば,樹脂酸,アクリル酸等のα、βモノエチレン性不飽和カルボン酸及び、そのエステル類,シュウ酸,クエン酸、酒石酸等の有機酸、フッ酸等の無機酸、それらの重合物及び共重合物,それらの塩,又はヘキサメタリン酸ソーダ、ピロリン酸、ピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸、トリポリリン酸ソーダ、トリメタリン酸、ハイポリリン酸等の縮合リン酸及びその塩等を、常法に従い添加又は表面処理してもさしつかえない。処理量は、0.01〜50重量%が好ましい。0.01重量%未満では処理効果が充分でなく、一方、50重量%を超えると、凝集の原因となり、機械的物性が低下する傾向にある。
【0018】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合される無機多孔質粒子のpHは特に制限はないが、あらゆる樹脂に問題なく使用できるという観点から、pH5〜11が好ましく、pH5〜9がより好ましい。またこのpH範囲の中でも、使用する樹脂によっては、さらに好ましい範囲があり、例えば、ポリカーボネート、もしくは他の樹脂とポリカーボネートを配合した樹脂の場合は、アルカリによるポリカーボネートの加水分解による樹脂劣化を防ぐため、pH5〜7の無機多孔質粒子が好ましい。
【0019】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合される無機多孔質粒子の配合量は、特に限定はないが、十分な透明性、発色性を有し、フローマークの発生を抑えるという観点から、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましく、0.05〜3重量部がさらに好ましい。
【0020】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物に配合される他の成分としては、特に制限はないが、必要に応じて合成シリカ等の無機粒子を目的に応じて1種又は2種以上配合してもさしつかえない。リン酸カルシウム系化合物では、花弁状構造を有しない非晶質リン酸カルシウム(略号ACP、化学式Ca3 (PO4 2 ・nH2 O)、フッ素アパタイト(略号FAP、化学式Ca10(PO4 6 2 )、塩素アパタイト(略号CAP、化学式Ca10(PO4 6 Cl2 )、ヒドロキシアパタイト(略号HAP、化学式Ca10(PO4 6 (OH)2 )、リン酸八カルシウム(略号OCP、化学式Ca8 2 (PO4 6 ・5H2 O)、リン酸三カルシウム(略号TCP、化学式Ca3 (PO4 2 )、リン酸水素カルシウム(略号DCP、化学式CaHPO4 )、リン酸水素カルシウム二水和物(略号DCPD、化学式CaHPO4 ・2H2 O)等の本発明の花弁状多孔質基材と異なる、花弁状構造を有しないリン酸カルシウム系化合物を目的に応じて1種又は2種以上配合してもさしつかえない。
【0021】
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、機械的強度、耐熱性、寸法安定性、電気的性質等の性能を付加する目的で、一般的に使用される無機充填剤を配合してもかまわない。例えば、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維等の繊維状充填剤や、カーボンブラック、グラファイト、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ガラス紛、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の粒状充填剤が挙げられ、目的に応じて1種又は2種以上組み合わせて用いられる。無機充填剤の配合量は、熱可塑性樹脂組成物中0〜80重量%が好ましい。80重量%を超えると成形性が低下する傾向にある。
【0022】
本発明の熱可塑性樹脂組成物には、一般に熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される公知の物質、例えば、酸化防止剤、難燃剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤等も要求物性に応じ適宜添加してもかまわない。
【0023】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる熱可塑性樹脂は、特に制限はなく、通常の熱可塑性樹脂を用いることができる。具体例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の汎用プラスチック、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等のエンジニアリングプラスチック等を挙げることができる。OA機器、家電材料、パソコンのハウジング、自動二輪車のカウリング等の自動車用部品、照明やディスプレイ用のカバー類など、優れた外観を必要とされる用途に主に使用されるという観点から、スチレン系樹脂又はポリカーボネート系樹脂が好ましく、スチレン系樹脂が、ゴム変性ポリスチレン系樹脂であればより好ましい。また、これらは、1種または2種以上使用しても問題ない。
【0024】
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形方法は、特に制限はないが、射出成形、押出成形、ブロー成形等、通常の方法で成形することができるが、特に射出成形による方法が簡便であり好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形体は、発色性、フローマーク、透明性、色むら等のいずれの点においても優れ、極めて良好な外観を有する。
【0025】
【実施例】
以下に本発明を実施例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。
【0026】
参考例(熱可塑性樹脂組成物に配合される粒子の調製)
比重1.055で温度が8℃の石灰乳(水酸化カルシウムの水懸濁液)7000リッターに、炭酸ガス濃度27重量%の炉ガスを24m3 の流速で導通しpH9まで炭酸化反応を行い、その後40〜50℃で5時間撹拌して熟成を行うことにより粒子間のアルカリを溶出させpH10.8として分散させ、電子顕微鏡写真より測定した平均粒子径0.05μmで、粒度分布測定器(島津製作所製SA−CP3)により測定した平均粒子径が0.48μmである炭酸カルシウムの水懸濁液分散体を調製した。
【0027】
この炭酸カルシウムの水懸濁液とリン酸の希釈水溶液を表1に記載の混合条件で混合反応させた後、常法で表面処理、脱水、乾燥後、解砕を行い、粒子D1〜D7を得た。
得られた粒子D1〜D7、及び、粒子D8として市販の珪酸カルシウム(商品名:フローライト、トクヤマ製)、粒子D9として市販のヒドロキシアパタイト(商品名:リン酸三カルシウム、太平化学産業製)、粒子D10として市販の炭酸カルシウム(商品名:重質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム製)、粒子D11として市販のステアリン酸カルシウム(商品名:カルシウムステアレートGF-200、日本油脂製)の粉体物性を表2に示す。
【0028】
【表1】
Figure 2004189868
【0029】
【表2】
Figure 2004189868
【0030】
また、粒子表面を比較するために、粒子D1と粒子D9の市販のヒドロキシアパタイトの粒子構造を示す電子顕微鏡写真(10000倍)をそれぞれ図1、図2に示す。図1、図2より、D1粒子は花弁状多孔質構造を有していることが確認できる。粒子D9の市販のヒドロキシアパタイトは微細な粒子の凝集物であり、多孔質構造を有するものではない。
【0031】
実施例1〜6、比較例1〜11
表3,表4に示す配合割合で熱可塑性樹脂組成物を作成し、230〜250℃の温度条件下で2軸押出機を用い溶融混練しペレット化した。得られたペレットを、230℃の温度条件下で射出成形により評価サンプルを得た。評価結果を表3,表4に示す。
熱可塑性樹脂は、ABS樹脂(商品名:テクノABS、テクノポリマー製)、ポリカーボネート樹脂(商品名:タフロンFN2200、出光石油化学製)を使用した。また他の添加剤としては、脂肪酸エステル(商品名:ユニスターH−476、日本油脂製)を使用した。
【0032】
(評価方法)
成形品の外観を目視にて観察した。発色性、フローマーク、透明性、色むら(顔料の不均一性)、分散性(顔料の凝集度)を下記の基準により評価した。
◎:非常に良好である。
○:良好である。
△:やや不良である。
×:不良である。
【0033】
【表3】
Figure 2004189868
【0034】
【表4】
Figure 2004189868
【0035】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、発色性、透明性が良好で、フローマークがない等、外観に優れた成形体を提供することができ、OA製品、家電製品のハウジング材料、自動二輪車のカウリング等の自動車用材料、照明やディスプレイ用のカバー等の用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】粒子D1の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】粒子D9の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。

Claims (24)

  1. 下記の式(a)及び(b)を満足する無機多孔質粒子を熱可塑性樹脂に配合してなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
    (a)0.01≦dx≦30
    (b)2.5≦V≦30
    但し、
    dx:電子顕微鏡写真により測定した平均粒子径(μm)
    V :JISK5101−91 20.1 顔料試験方法の静置法による見掛け比容(ml/g)
  2. 無機多孔質粒子が下記の式(c)を満足する請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (c)0.05≦dx≦20(μm)
  3. 無機多孔質粒子が下記の式(d)を満足する請求項2記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (d)0.1≦dx≦10(μm)
  4. 無機多孔質粒子が下記の式(e)を満足する請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (e)3≦V≦20
  5. 無機多孔質粒子が下記の式(f)を満足する請求項4記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (f)8≦V≦20
  6. 無機多孔質粒子が下記の式(g)及び(h)を満足する請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (g)1≦α≦3 但し α=d50/dx
    (h)0≦β≦3 但し β=(d90−d10)/d50
    α :分散係数
    dx :電子顕微鏡写真により測定した平均粒子径(μm)
    d50:島津SALD−2000A乾式粒度分布計により測定した無機多孔質粒子の50%平均粒子径(μm)
    β :シャープネス
    d90:島津SALD−2000A乾式粒度分布計により測定した無機多孔質粒子のふるい通過側累計90%粒子径(μm)
    d10:島津SALD−2000A乾式粒度分布計により測定した無機多孔質粒子のふるい通過側累計10%粒子径(μm)
  7. 無機多孔質粒子が下記の式(i)及び(j)を満足する請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (i)1≦α≦2
    (j)0≦β≦2
  8. 無機多孔質粒子がリン酸カルシウム系化合物及び/又は珪酸カルシウム系化合物である請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 無機多孔質粒子がリン酸カルシウム系化合物である請求項8記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. リン酸カルシウム系化合物のCa/Pの原子比が5.56以下である請求項8又は9記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. リン酸カルシウム系化合物のCa/Pの原子比が3.33以下である請求項10記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. リン酸カルシウム系化合物が化学式Ca10(PO4 6 ・(OH)2 で表されるヒドロキシアパタイトである請求項8〜11のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  13. 無機多孔質粒子が脂肪酸、脂肪酸の金属塩、脂肪酸のアンモニウム塩、脂肪酸エステルから選ばれた少なくとも1種の界面活性剤で表面コーティングされたものである請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. 界面活性剤の表面コーティング量が、無機多孔質粒子に対して0.1〜40重量%である請求項13記載の熱可塑性樹脂組成物。
  15. 界面活性剤の表面コーティング量が、無機多孔質粒子に対して5〜30重量%である請求項14記載の熱可塑性樹脂組成物。
  16. 無機多孔質粒子のpHが5〜11である請求項1〜15のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  17. 無機多孔質粒子のpHが5〜9である請求項16記載の熱可塑性樹脂組成物。
  18. 無機多孔質粒子のpHが5〜7である請求項17記載の熱可塑性樹脂組成物。
  19. 無機多孔質粒子を熱可塑性樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部配合してなる請求項1〜18のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  20. 無機多孔質粒子を熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部配合してなる請求項19記載の熱可塑性樹脂組成物。
  21. 無機多孔質粒子を熱可塑性樹脂100重量部に対して0.05〜3重量部配合してなる請求項20記載の熱可塑性樹脂組成物。
  22. 熱可塑性樹脂がスチレン系樹脂及び/又はポリカーボネート系樹脂である請求項1〜21記載の熱可塑性樹脂組成物。
  23. スチレン系樹脂がゴム変性ポリスチレン系樹脂である請求項22記載の熱可塑性樹脂組成物。
  24. 請求項1〜23のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなることを特徴とする熱可塑性成形体。
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