JPH11322111A - 紙葉類搬送装置 - Google Patents

紙葉類搬送装置

Info

Publication number
JPH11322111A
JPH11322111A JP13631398A JP13631398A JPH11322111A JP H11322111 A JPH11322111 A JP H11322111A JP 13631398 A JP13631398 A JP 13631398A JP 13631398 A JP13631398 A JP 13631398A JP H11322111 A JPH11322111 A JP H11322111A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
charging
paper sheet
belt
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13631398A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Ishidate
健夫 石立
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP13631398A priority Critical patent/JPH11322111A/ja
Publication of JPH11322111A publication Critical patent/JPH11322111A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)
  • Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2000〜3000mm/s程度の高速度で
紙葉類を搬送し、ジャムの除去を容易に行える紙葉類搬
送装置を提供しようとする課題があった。 【解決手段】 電極に接続され帯電するプーリ8と、こ
のプーリ8に対向して配置したプーリ10と、前記プー
リ8およびプーリ10に巻回したベルト12と、前記プ
ーリ8側に位置して前記ベルト12に接触し、電極に接
続されて帯電するゴムローラ2とを有し、前記プーリ8
と前記ゴムローラ2とに電位差を生じさせ、この電位差
が生じている間に、前記ベルト12を搬送方向に回転さ
せて前記ベルト12と前記ゴムローラ2との間に紙葉類
50を通して紙葉類50を誘電分極させ、ベルト12に
紙葉類50を静電吸着させ、ベルト12に紙葉類50を
載せて搬送するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙葉類搬送装置に
関し、特に、銀行、証券会社、郵便局等の金融機関や市
役所等の公的機関やコンビニエンスストア等の銀行出先
機関に設置される端末装置に内蔵され、静電気を利用し
て各種紙葉類、例えば、紙幣や振込用紙を搬送する紙葉
類搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図24は従来の紙葉類搬送装置の斜視
図、図25および図26は要部説明図、図27は従来例
を示す側断面図である。101は、前段搬送路Aから後
段搬送路B,C,Dに紙葉類を搬送するための従来の搬
送路の一例を示している。
【0003】図24,27で、103,105,10
8,110,114,117,121,112,123
は、シャフトであり、102,104,107,10
9,115,118,120,122は搬送プーリであ
り、前記シャフトにここでは3個ずつ図示せぬピンで固
定されている。106,110,119,124は、搬
送ベルトであり、112は、搬送ローラで、摩擦係数の
高いゴムローラにて形成されている。
【0004】126,128は、シャフトであり、12
5,127は、紙葉類が搬送される搬送路の方向を切り
替えを行うための搬送方向切替え器であり、図示せぬ外
部のアクチュエータ、例えば、ソレノイド(電磁マグネ
ット)により、搬送方向切替え器125については、ア
方向、イ方向に、搬送方向切替え器127については、
ウ方向、エ方向に切り替わるようになっている。
【0005】また、図10に示すように、搬送ベルト1
06L,106M,106Rは、シャフト103,10
5間に、搬送プーリ102Lと105L、102Mと1
05M、102Rと105Rを介して所定の伸張率のテ
ンションをもたせた形で取り付けられている。以下同様
にして、搬送ベルト111L,111M,111Rは、
シャフト108,110間に搬送プーリ107Lと10
9L、107Mと109M、107Rと109Rを介し
て所定の伸張率のテンションをもたせた形で取り付けら
れている。
【0006】搬送ベルト119L,119M,119R
は、シャフト114,117間に搬送プーリ115Lと
118L、115Mと118M、115Rと118Rを
介して所定の伸張率のテンションをもたせた形で取り付
けられている。搬送ベルト124L,124M,124
Rは、シャフト121と123間に搬送プーリ120L
と122L、120Mと122M、120Rと122R
を介して所定の伸張率のテンションをもたせた形で取り
付けられている。
【0007】また、各シャフト103,105,10
8,110,113,114,117,121,123
の両側には、サイド・フレーム151L,151Rに対
して、ラジアルボールベアリングを介して高速回転可能
な状態で取り付けられている。すなわち、シャフト10
3は、ベアリング130L,130Rを、シャフト10
5はベアリング131L,131Rを、シャフト108
は、ベアリング133L,133Rを、シャフト110
は、ベアリング135L,135Rを、シャフト113
は、ベアリング137L,137Rを、シャフト114
は、ベアリング129L,129Rを、シャフト117
は、ベアリング132L,132Rを、シャフト121
は、ベアリング134L,134Rを、シャフト123
はベアリング138L,138Rを介してフレーム15
1L,151Rに各々回転可能な形で取り付けられてい
る。
【0008】ここで、各シャフトの端は、図25,26
の詳細図に示すように、わずかに突き出しており、シャ
フト123端から内側にミゾ部が切ってあり、このミゾ
部にEリング152が嵌まり込み、ベアリング部は、外
側にフランジを有するベアリングで、両サイドフレーム
151L,151Rの外側から嵌め込んだ後、シャフト
123のミゾ部にEリング(スナップ・リング)152
によりスライドしないように固定されている。ここで
は、シャフト123についてのみ説明したが、他の各シ
ャフト103,105,108,110,113,11
4,117,121についても同様な締結方法によりサ
イドフレーム151L,151Rに固定されている。
【0009】また、シャフト126,128について
は、サイドフレーム151L,151Rに対して、回動
レベルの動作であるため、含油軸受ないしは、プラスチ
ック製のブッシュが使用されている。なお、サイドフレ
ーム151L,151Rは、図示せぬ構造部材により開
いたり、閉じたりしないように、しっかりと固定されて
いる。
【0010】駆動は、図示せぬモータより外部より与え
られており、ここでは、シャフト117、シャフト12
3,113に対して、図示しない伝達ベルトないしは、
ギアにより回転動力を加えるようになっている。つぎ
に、以上の構成をもとに、従来例の動作について説明す
る。前段搬送路Aから搬送路101に送り込まれた紙葉
類150は、図示せぬモータによりa方向にシャフト群
117,123,113が回転することにより、プーリ
群118,122を介してベルト119,124がb方
向に移動し、回転する。さらに、これと同期して、プー
リ115,120およびシャフト114,121が回転
する。また、搬送ベルト119,124がb方向に移動
すると、これに対向して、あるオーバラップ量をもたせ
て配置された搬送ベルト106,111に対して、摩擦
力によって動力を伝達し、さらに、ベルト119および
124を巻き付けているプーリ102,104と10
7,109さらに前記プーリ102,104,107,
109が固定されているシャフト103,105と10
8,110に動力が伝わり、回転する。これにより前段
搬送路Aより進入した紙葉類150は、b方向に搬送ベ
ルト群106と119、111と124にクランプされ
て搬送路101内のEに送られる。このとき、搬送方向
切替え器125がア方向にあればF方向へと紙葉類15
0は送り込まれ、イ方向にあれば、後段搬送路Cへと送
出される。ア方向で紙葉類150がF方向に送られた
後、同様に、搬送方向切替え器127がウ方向にあれ
ば、紙葉類150は、後段搬送路Bへと送り出される。
搬送方向切替え器128がエ方向にあれば、紙葉類15
0は、後段搬送路Dへと送出される。
【0011】以上が従来例の動作の説明である。また、
図24で従来例では、紙葉類150が何らかの障害によ
り、図24の150の位置に停止したとすると、従来例
では、図示せぬ手廻しノブにより搬送系101の−シャ
フトで基本的には、外部より動力を供給されているシャ
フトに対して、マニュアルにより駆動力を与えて紙葉類
150を取り出せる後段ないしは前段の搬送路分割位置
まで移動させて、除去するか、搬送ベルト106,11
9,111,124の隙間から外に紙葉類150をつま
み出して除去するか、あるいは、搬送ベルト106,1
19のいずれか一つと、搬送ベルト111,124のい
ずれか一つが、オープンするような構造にしたような図
示しない開閉機構を設けて搬送路を開いて紙葉類150
を直接取り除くようにしていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の装置では、紙葉類を搬送中にジャム等が発生した際
に外からベルトに挟まれた紙葉類を容易に取り出すこと
ができないといった問題があった。また、図27に示す
ように、ガイド150を矢印α方向に開き、搬送路内の
紙葉類を取り出すようにしたとしても、部品数が増加
し、全搬送路をオープン可能な構造とすると高コストに
なるといった問題があった。なお、ガイドがある場合に
は、開閉しないと取り出すことはできない。
【0013】さらに、前例のようにベルトにクランプさ
れた構造において、ベルト間に挟まった紙葉類を無理や
り取り出そうとすると、破れが発生したり、しわになっ
たり、ちぎれてしまうといった問題があり、仮に、紙葉
類が取り出せたとしてもベルトがプーリから外れてしま
うといった問題があった。また、上下のベルトをオーバ
ラップさせ、ベルト対ベルトの摩擦力によりフィードし
ていたため、摩擦や伸縮による損失負荷トルクが大き
く、紙葉類が搬送されると搬送速度変動を発生する原因
となっていた。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の紙葉類搬送装置
は、電極に接続され帯電する帯電搬送ローラと、この帯
電搬送ローラに対向して配置した搬送ローラと、前記帯
電搬送ローラおよび搬送ローラに巻回した帯電搬送ベル
トと、前記帯電搬送ローラ側に位置して前記帯電搬送ベ
ルトに接触し、電極に接続されて帯電する帯電ローラと
を有し、前記帯電搬送ローラと前記帯電ローラとに電位
差を生じさせ、この電位差が生じている間に、前記帯電
搬送ベルトを搬送方向に回転させて前記帯電搬送ベルト
と前記帯電ローラとの間に紙葉類を通して紙葉類を誘電
分極させ、帯電搬送ベルトに紙葉類を静電吸着させ、帯
電搬送ベルトに紙葉類を載せて搬送するようにした。
【0015】なお、帯電搬送ベルトが短冊状に搬送方向
に分割され、該短冊状の帯電搬送ベルト間に紙葉類の搬
送方向を切り替えるための絶縁性の切り替え装置を入れ
子状に配置するようにしてもよい。帯電搬送ローラと帯
電搬送ベルトの両端よりも外側または終端に紙葉類の帯
電を除去する除電装置を設けるのが好ましい。
【0016】帯電搬送ローラに印加する電圧を+の高電
圧とし、帯電ローラを0Vにしてもよい。帯電搬送ロー
ラに印加する電圧を−の高電圧とし、帯電ローラを0V
にしてもよい。帯電搬送ローラに印加する電圧を0Vと
し、帯電ローラを+の高電圧にしてもよい。帯電搬送ロ
ーラに印加する電圧を0Vとし、帯電ローラを−の高電
圧にしてもよい。
【0017】また、帯電搬送ベルトの表面抵抗値を10
8 オーダΩ以下とするのが好ましい。帯電ローラの体積
抵抗値を108 オーダΩ以下とするのが好ましい。前記
除電装置は、搬送ローラも帯電材料とし、この搬送ロー
ラの上方に帯電搬送ベルトに接触させて第2の帯電ロー
ラを配置し、帯電ローラに電圧を印加することで紙葉類
の帯電を除去するようにしてもよい。なお、搬送ローラ
と第2の帯電ローラに対して、接地、残留電荷打ち消し
相当の逆電圧を印加するのが好ましい。搬送ローラと第
2の帯電ローラに対して、残留電荷打ち消し相当の交流
電圧を印加してもよい。
【0018】さらにまた、帯電搬送ローラと帯電搬送ベ
ルトと帯電ローラとに生じている電荷を放電するショー
トカット機構を設け、筐体のキャビネットの開閉に連動
して電荷を放電させるようにするのが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。なお、これによりこの発明が限
定されるものではない。 第1の実施の形態 図1に本発明の第1の実施の形態を示す側断面図、図2
に第1の実施の形態を示す斜視図を示す。まず、図1を
基に説明する。図1において、1は前段搬送路Aから後
段搬送路Bへと連絡する搬送路である。30は前記搬送
路1を構成するための構造体フレームであり、コの字型
になっており、図2に示すように、手前側のフレーム部
30L、向側のフレーム部30Rからなる。3,5,
7,9,11はシャフトであり、抵抗値が小さい、例え
ば、1Ω以下の導電性材料の鉄系の金属材料、導電性メ
ッキを施したプラスチック製材料またはその他の導電性
材料により構成してある。
【0020】3aはローラであり、抵抗値が小さい、例
えば、1Ω以下の導電性材料のアルミニウムの金属材
料、導電性メッキを施したプラスチック製材料またはそ
の他の導電性材料により構成してある。2は導電性のゴ
ムローラであり、ローラ3aの外周に完全密着状態で被
せてある。このゴムローラ2の材料は、接触面積を安定
して確保するためにゴム硬度の小さく、また、体積抵抗
値が108 オーダΩ以下の抵抗値のゴム材料を使用す
る。
【0021】8はプーリであり、抵抗値の小さい、例え
ば、1Ω以下の導電性材料のアルミニウムの金属材料、
導電性メッキを施したプラスチック製材料またはその他
の導電性材料により構成し、ベルト外れ防止のためのク
ラウニングを施してあり、図2に示すように、手前側か
ら8L,8M,8Rとする。10はプーリであり、抵抗
値の小さい、例えば、1Ω以下の導電性材料のアルミニ
ウムの金属材料、導電性メッキを施したプラスチック製
材料またはその他の導電性材料により構成し、プーリ8
と同様にベルト外れ防止のためのクラウニングを施して
あり、図2に示すように、手前側から10L,10M,
10Rとする。12は絶縁性のベルトであり、表面抵抗
値108 オーダΩ以下の抵抗値のゴム材料を使用してあ
り、しかも、面精度を研摩面クラス以上の面精度で摩擦
係数0.5以上の高摩擦部材で形成してある。また、同
様に、前記プーリ8,10とローラ3aのベルト12の
接触面およびゴムローラ2の接触面は、面精度を研摩面
クラス以上の面精度で形成している。これにより、高速
搬送に耐えうる摩擦力を得ることができる。
【0022】前記ベルト12は、プーリ8とプーリ10
の間で所定のテンションをもたせて張られている。1
3,14は搬送方向切替え器であり、例えば、絶縁性プ
ラスチックにより構成し、図2に示すように、手前から
13a,13b,13c,13dまたは14a,14
b,14c,14dとする。15,16はシャフトであ
り、図1中、前記搬送方向切替え器13,14を、ア方
向、イ方向、または、ウ方向、エ方向に、それぞれ外部
の図示しない電磁マグネット等により回動するようにな
っている。
【0023】4,6はローラであり、抵抗値の小さい、
例えば、1Ω以下の導電性材料、導電性メッキを施した
プラスチック製材料またはその他の導電性材料により構
成し、円筒形状にしてあり、それぞれの表面の面精度
は、研摩面クラス以上の面精度で摩擦係数0.5以上の
高摩擦部材で形成してある。ここで、シャフト3および
ローラ3aは、導電性状態を確保した形でピンないし
は、一体成形により固定されている。同様に、シャフト
9およびプーリ8、シャフト5およびローラ4、シャフ
ト7およびローラ6、シャフト11およびプーリ10に
ついても、導電性状態を確保した形でピンないしは、一
体成形により固定してある。
【0024】次に、図2の斜視図に現れる構成要素を主
に説明する。なお、図3はブッシュの断面図、図4は、
である。図2に示すように、本実施の形態では、ベルト
を3本使用している。シャフト3には、ローラ2L,2
M,2Rが設けられ、その外周にゴムローラ2L,2
M,2Rを嵌め込み、このシャフト3の両側には、絶縁
材料からなるブッシュ32L,32Rが両サイドから嵌
め込まれている。ブッシュ32Lは、図3に示すよう
に、フランジ部32Laでサイドフレーム30Lに突き
当てられている。さらに、図3に示すように、前記ブッ
シュ32Lの埋め込み32Lbには、ベアリング17L
がシャフト3を同軸として埋め込んであり、両サイドは
シャフト3に設けられたスナップリング37用ミゾに対
してスナップリング37を嵌め込みスラスト方向を固定
するようになっている。ブッシュ32Rもブッシュ32
Lと同様に、フランジ部でサイドフレーム30Rに突き
当てられ、埋め込み部には、ベアリング17Rがシャフ
ト3を同軸として埋め込んである。
【0025】同様にして、シャフト9には、プーリ8
L,8M,8Rが設けられ、このシャフト9の両側に
も、絶縁材料からなるブッシュ33L,33Rが両サイ
ドから嵌め込まれており、さらに、前記ブッシュ33
L,33Rには、ベアリング20L,20Rが、シャフ
ト9を同軸として埋め込まれており、両サイドは、図示
しないシャフト9に設けられたスナップリング用ミゾに
対してスナップリング37を嵌め込みスラスト方向を固
定するようになっている。
【0026】シャフト15,16には、ベルト12L,
12M,12Rをまたいだ形で、搬送方向切替え器13
a,13b,13c,13dおよび14a,14b,1
4c,14dがピンないしは、一体成形により固定され
ている。しかも、シャフトの両端には、絶縁材料のブッ
シュ31La,31Ra,31Lb,31Rbがサイド
フレーム30L,30Rの両サイド側から嵌め込まれて
いる。
【0027】また、シャフト5,7には、ローラ4L,
4M,4Rおよび6L,6M,6Rが設けられ、このシ
ャフト5の両側にも、絶縁材料のブッシュ34L,34
R,35L,35Rが両サイドから嵌め込まれており、
さらに、前記ブッシュ34L,34R,35L,35R
には、ベアリング18L,18R,19L,19Rがシ
ャフト5,7を同軸として埋め込まれており、両サイド
は、図示しないシャフト5,7に設けられたスナップリ
ング用ミゾに対してスナップリング37を嵌め込みスラ
スト方向を固定している。
【0028】シャフト11には、プーリ10L,10
M,10Rが設けられ、このシャフト11の両側にも、
絶縁材料のブッシュ36L,36Rが両サイドから嵌め
込まれており、さらに、前記ブッシュ36L,36Rに
は、ベアリング21L,21Rがシャフト11を同軸と
して埋め込まれおり、両サイドには、図示しないシャフ
ト11に設けられたスナップリング用ミゾに対してスナ
ップリング37を嵌め込みスラスト方向に固定してい
る。
【0029】200,201は端子台であり、ねじ25
によりサイドフレーム30Lに取り付けられ、外部電源
をシャフト8,3に接続するためのもので、絶縁体で形
成されている。この端子台200,201は、銅やステ
ンレス等の導電性金属薄板による板バネ電極200a,
201aでシャフト8,3の端面に接続している。ま
た、端子台200,201は、ねじ38を介して、電源
コード23および24を前記板バネ電極200a,20
1aに導電状態で接続している。ただし、電源コード2
3は、シールド線構造となっており、芯部にV0 Vの高
圧電源を印加し、外周シールド線部は、0Vのアースに
接続され、外部に電流がリーク(漏洩)しにくい構造と
なっている。シールド線部40は、圧着端子によりフレ
ーム30にねじ39に固定されている。また、シャフト
3の端面に接している方の板ばね電極201aから伸び
た接続コード24は、一芯コードであり、フレーム30
にねじ39を介して固定接続されている。26は高圧電
源接続用コネクタであり、図示しない高圧電源に接続し
ている。 なお、ここでは、高圧電源に接続する板バネ
電極200a,201aが露出した形となっているが、
実際には、安全のため絶縁シールドないしは、アース電
位でシールドするための図示せぬカバーが取り付けるの
が好ましい。
【0030】駆動源は、図示せぬモータから外部より与
えられる。ここでは、シャフト11および5,7に対し
て、図示しない伝達ベルトやギアにより回転動力を伝達
するようになっている。以上が、本発明の第1の実施の
形態の構成の説明である。次に、動作を説明する。
【0031】まず、前段搬送路Aから搬送路1に送り込
まれた紙葉類50は、図示せぬモータによりa方向にシ
ャフト11,5,7が回転することにより、プーリ10
は、ベルト12を介してプーリ8、シャフト9を回転さ
せる。このとき、ベルト12に接したゴムローラ2は、
ベルト12とゴムローラ2間の摩擦力により回転し、こ
のゴムローラ2と一体のローラ3aおよびシャフト3を
回転させる。
【0032】このとき、板バネ電極200aには、高圧
のV0 (V)の電圧が印加されており、端子201aに
は、0Vの電圧、すなわち、接地されている。このと
き、紙葉類50が前段搬送路Aから進入してきて、ゴム
ローラ2とプーリ8の間に入り込むと、図1に示すよう
に、紙葉類50は、V0 が+電位であれば、ベルト12
上面は、+に分極され、紙葉類下面は、−、紙葉類上面
は+にそれぞれ分極される。このゴムローラ2とプーリ
8の間を通過した紙葉類50は、ベルト上面の+電荷と
紙葉類下面の−電荷がお互いに吸引しあい、吸着状態で
次の部位へと送られていく。
【0033】なお、ここでは、シャフト9に対して、+
0 (V)の高圧電圧を使用するとしたが、−V
0 (V)の−電位でもよい。ただし、この場合の紙葉類
30とベルト12の吸着面電位は、極性が反対となる。
また、シャフト3側に+V0 (V)または−V0 (V)
を印加し、シャフト9側を0Vとしてもよい。次に、紙
葉類50がベルト12に対して吸着した状態でEの部位
に送られてきて、搬送方向切替え器13がア方向に位置
すれば、紙葉類50は図中Fへと送られていき、イ方向
に位置すれば、紙葉類50はローラ5に接触しながら、
後段搬送路Cへと送出される。ア方向で紙葉類50がF
方向に送られた後、同様に、搬送方向切替え器14がウ
方向にあれば、紙葉類50は後段搬送路Bへと送り出さ
れる。搬送方向切替え器14がエ方向にあれば、紙葉類
50は後段搬送路Dへと送出される。
【0034】以上が本実施の形態の静電気による媒体搬
送動作である。上記構成および動作の使用類搬送装置で
は、例えば、紙葉類50が何らかの障害により図2に示
す位置に停止したしても、本実施の形態では、ベルト1
2上に紙葉類が載っているだけで、その上方には十分な
空間が存在するため、紙葉類を取り除くことが容易にで
きる。
【0035】次に、本実施の形態の静電気帯電原理につ
いて説明する。図5に第1の実施の形態における静電気
帯電原理の説明図を示す。シャフト9には、電圧+V0
(V)を前述に示すように印加し、シャフト9の周囲に
は表面抵抗値R1 (Ω)のベルト12を懸け、このベル
ト12上に距離x 0 離れた位置に体積抵抗値R2 (Ω)
のゴムローラ2をプーリ22とシャフト3に密着状態で
嵌め込んである。シャフト3は、0(V)のアース電位
に接地してある。また、寸法および物性値としては、搬
送に使用される紙葉類50の進行方向の長さをw
(m)、進行方向に垂直な方向の奥行きをL(m)、厚
さをδ(m)、紙葉類固有の静電容量をC(F)、紙葉
類の表面抵抗値をR3 (Ω)、紙葉類の比誘電率をεr
となるようにした。また、ベルト12の幅をb(m)、
ベルトの本数をn(本)とし、プーリ10の回転による
ベルト12の移動回転量、すなわち、紙葉類50の搬送
速度をv(m/s)とし、ベルト12とゴムローラ2の
接触幅(ニップ)をΔx(m)とし、t秒後の紙葉類の
位置をx(t)(m)とする。なお、その他の物理量と
して、真空の誘電率をε0 (8.855 ×10-12 F/m)、
紙葉類50に本実施の形態の搬送路1へ進入する以前よ
り潜在的に帯電した電荷量をq0 (C)とすると、この
搬送系において、プーリ8とローラ22の間を紙葉類5
0が通過した後に、ベルト12で紙葉類50が分極さ
れ、電荷が蓄積、すなわち、帯電され、ベルト12上面
の分極により発生した+電荷と紙葉類50の下面側によ
り発生した−電荷がお互いに吸引し合って、ベルト12
が紙葉類50を静電吸着して搬送することになる。
【0036】このときの吸着力Fは、ニップ部Δx部分
の電荷チャージ、電荷自然放電の考え方より、紙葉類5
0のゴムローラ2部通過開始t=0(s)から通過終了
時t=W/v(s)電荷チャージと電荷自然放電状態の
混在領域とt=W/v(s)以降の絶縁ホールド状態
(ここでは、電荷の空中放電は考慮しない)、すなわ
ち、ベルト12と紙葉類50は吸着力を保持するという
状態において、t=W/v(s)におけるベルト12と
紙葉類50の吸着力Fは、以下の式で与えられる。
【0037】
【数1】
【0038】ここで、ηは、各種ベルトの表面状態や表
面あらさや温度変化による等のばらつきを考慮した補正
パラメータで効率を示す。また、静電容量Cは、C=ε
r ・ε0 n・b・Δt/δ(F)、Δt=W/nvで表
現され、Tは高電圧回路における分極による電荷チャー
ジ速度を表す電気的時定数であり、最大電荷チャージ量
の63.2%に到達するのに要する時間を示す。すなわ
ち、T=C(R1 +R2 )で表される。
【0039】以下、この式により特性を図6〜図13の
静電気による吸着力を示す特性図を用いて説明する。こ
こでは、紙葉類50の潜在電荷量q0 を0とする。 (a)図6に、帯電ベルトの抵抗値と帯電ローラの抵抗
値のオーダが近い場合の特性図を示す。本実施の形態の
構成において説明したベルト12の抵抗値とローラ2の
抵抗値のオーダが近い場合の吸着力の特性である。x軸
は搬送速度vを示し、z軸は対紙葉類50長さL内の総
ベルト幅nbを示し、y軸は吸着力Fを示している。こ
こで、特徴として発生する現象として、各ベルトの総幅
に対して幅が増加すると、吸着力の搬送速度に対するピ
ーク値は、総ベルト幅が広くなるにつれて搬送速度v1
<v2 <v3 <v4 <v5 <v6 といったように速くな
る方向にシフトしていることである。任意の総ベルト幅
nbにおける吸着力F変化について搬送速度との関係を
物理的に説明すると、まず、低速領域においては、ニッ
プ部Δxに対する電荷チャージ速度は十分最大に到達し
ているが、通過時間が遅くなるため、ローラ2から電荷
の流出(放電)が起こり、媒体通過t=W/v(s)後
に、残留する電荷量が低下するためである。また、高速
領域では、ここでは、2〜3(m/s)程度の高速搬送
を意味しており、このときは、電荷の蓄積は、ニップに
対して不十分となるが、通過後は、保持するため、帯電
量が比較的大きく残存することで吸着力の低下を防いで
いる。吸着力のピークを有する搬送速度とは、電荷チャ
ージと放電のバランスと通過時間のサドルポイントを意
味しており、このとき最大吸着力を示すことになる。
【0040】(b)図7に、帯電ベルトの抵抗値を減ら
した場合の特性図を示す。ベルト12の抵抗値のオーダ
を減らした場合には、ゴムローラ2とのバランスがくず
れ、抵抗値の大きいゴムローラ2に依存した挙動を示す
ことになる。したがって、図に示すように、(a)と同
様、搬送速度に対する吸着力のピークシフトは、総ベル
ト幅nbが大きくなると、v1 ’<v2 ’<v3 ’<v
4 ’<v5 ’<v6 ’といったように速くなる方向にシ
フトする。これは、(a)と同じく接触ベルト幅が大き
くなるため、抵抗値がそれぞれ幅比で減少するためであ
る。
【0041】(c)図8に、帯電ベルトの抵抗値を増や
した場合の特性図を示す。これは、ベルト12抵抗値の
オーダを増加させた場合であり、このとき、特性図に示
すように、搬送速度が低いときには、吸着力はピークを
示すが、搬送速度が大きくなると、チャージ時定数が大
きいため吸着力は、急速に低下する。但し、吸着力の最
大値は、抵抗値オーダが(a)の条件のときと比較して
かなり小さくなる。したがって、この場合では、低速で
は使用できても高速搬送には不向きである。
【0042】(d)図9に、帯電ベルトの抵抗値をさら
に大きくした場合の特性図を示す。これは、(c)より
ベルト12の抵抗値を増加させた場合であり、このとき
特性図に示すように、搬送ベルト12の抵抗値を大きく
するとさらに吸着力は低速方向へとシフトし、高速搬送
の吸着力は限りなく0に近づく。 (e)図10に、帯電ローラの抵抗値を減らした場合の
特性図を示す。これは、逆にローラ2の抵抗値を減らし
た場合であり、このとき、電荷チャージ速度が増加し、
逆に放電に要する電気的時定数は小さくなるが、通過時
の電荷蓄積量は増加し、図のように高速搬送領域におい
ても吸着力は、保持される。したがって、高速搬送向き
の場合である。
【0043】(f)図11に、帯電ローラの抵抗値を増
やした場合の特性図を示す。これは、ローラ2の抵抗値
のオーダを増した場合であり、このとき、ベルト12の
抵抗値のオーダを増した場合と同じく、低速領域側にシ
フトし、中高速搬送領域においては、吸着力Fは、限り
なく0に近づいている。ここで、低速搬送領域を0〜1
00mm/s程度、中速領域100〜1000mm/
s、高速領域1000〜3000mm/sとしている。
これ以上は、紙葉類搬送としては、超高速領域であり、
吸着力に対向する力として揚力が紙葉類搬送に作用す
る。紙葉類に対する揚力は、紙葉類の搬送速度が約40
00mm/s以上で現れる。
【0044】(g)図12に、紙葉類の表面抵抗値が下
がった場合の特性図を示す。これは、不可抗力としての
紙葉類50の状態について、その表面抵抗値のオーダが
低下した場合である。すなわち、温度条件にたとえるな
ら温度が上昇した場合であり、あるいは、表面に導電性
カーボンが全域についた状態を意味する。このとき、図
に示すように、中高速搬送領域においては、吸着力は、
低下していないが、低速領域においては、分極による電
荷チャージと放電バランスが劣化し、吸着力は低下す
る。
【0045】(h)図13に、紙葉類の比誘電率がが下
がった場合の特性図を示す。これは、紙葉類50の比誘
電率が下がった場合であり、この場合(a)と比較して
比誘電率の比の分だけ吸着力は低下する。しかし、放電
の電気的時定数が、小さくなるため放電速度は速くな
り、図に示すような中高速ではなだらかな曲線を描く特
性になる。
【0046】以上をまとめると、吸着力は、電圧V0
基本的には比例して増加する。また、吸着力は、紙葉類
の厚さδの2乗に反比例する。また、吸着力を与える電
荷チャージ速度は、ベルト12と紙葉類50とローラ2
により構成される高電圧回路の分極速度を示す電気的時
定数Tにより決定される。また、吸着力は、紙葉類の比
誘電率にほぼ比例し、ベルト12の紙葉類50に接触す
る総幅に比例する。但し、紙葉類50とベルト12の接
触幅は、最大で紙葉類50の長さL以上にはならない。
吸着力の式は、接触総ベルト幅nbがL以下において成
立し、印加電圧V0 については、高電圧回路で絶縁破壊
現象が発生する状態以下で成立する。
【0047】なお、ここでは、接触面(ニップ)をΔx
としたが、ゴムローラ2にベルト12を巻き付けてニッ
プ面を大きくして、分極時間を稼ぐことにより吸着力を
上げることも可能である。上記第1の実施の形態による
と、紙葉類を搬送ベルトに静電気により吸着して搬送す
るようにしたので、ガイドを設ける必要がなくなって搬
送路が常にオープン状態となり、ジャム等が発生しても
外から直接にベルトに吸着した紙葉類を容易に取り出す
ことができる効果が得られ、その際、ベルト上に吸着し
た紙葉類をいためることもなく、また、搬送ベルトが外
れることもなく容易に紙葉類を取り出せるといった高メ
インテナンス性が期待できる。しかも、搬送力が搬送ベ
ルトの静電気によるものであるため、搬送両端に2個所
プーリを設け、電極を接続するといった簡単な構造とす
ることができ、部品数を大幅に減らすことができ、しか
も、低コスト化できるという効果が期待される。
【0048】また、搬送ベルト12の表面抵抗値を10
8 オーダΩ以下と、対向するゴムローラ2の体積抵抗値
を108 オーダΩ以下としたので、紙葉類を100mm
/s以上の搬送速度に対して静電気による吸着力を最大
限に引き出し、約2000〜3000mm/sの高速搬
送領域においても、紙葉類を吸着して搬送することがで
きる。
【0049】さらに、ベルト12に対してのみ動力を印
加することになるので、従来のようなベルトクランプ方
式と比較してベルトの摩擦負荷トルクや伸縮負荷の損失
を受けることなく、1/2程度のトルクダウンを可能と
し、駆動させるための動力を1/2程度に下げることに
もなる。すなわち、消費電力は1/2程度に低減させる
ことが可能となる。ここで、静電吸着に使用される電力
は、たかだか数mW程度であり、動力の消費電力1/2
程度に対しては、数万分の1以下のレベルでしか影響し
ない。すなわち、省エネの効果が期待される。
【0050】また、ベルト12を短冊状に分割し、その
間に絶縁性の搬送方向切替え器を設けたので、従来より
簡単な構造で、容易に搬送方向を切り替えることができ
る。 第2の実施の形態 以下、上記第1の実施の形態と異なる内容についてのみ
説明する。本実施の形態における紙葉類50を後段搬送
路D方向へと送出する際に、紙葉類を除電する方法であ
る。以下(a),(b),(c)の3通りの方法を説明
する。
【0051】(a)図14に第2の実施の形態の紙葉類
の除電方法の説明図、図15に導電体接触による除電方
法の電荷量の変位図を示す。これは、シャフト7の電位
を図示せぬ電極をシャフト7の端面に接触させて、ここ
からフレーム0Vとして、紙葉類50がD方向に放出さ
れる際にプーリ8とゴムローラ2間で分極された紙葉類
50面と同一面を導電体のローラ6L,6M,6Rに接
触させ、表面に帯電している電荷を逃すものである。こ
のときの紙葉類50の電荷量の変化は、図15に示すよ
うに、ローラ6L,6M,6Rとの接触と同時に徐々に
減少している。
【0052】(b)図16に第2の実施の形態の紙葉類
の除電方法の説明図、図17に逆電位印加による除電方
法の電荷量の変位図を示す。これは、シャフト7の電位
を図示せぬ電極をシャフト7の端面に接触させて、この
図示せぬ電極には電源より、プーリ8とゴムローラ2間
で分極させたときに帯電した電荷量が搬送端からローラ
6位置へ送られてきた際に残留する電荷量分だけを打ち
消し合うだけの逆電圧レベルにするようにして紙葉類5
0上の電荷を強制的に消去するものである。なお、逆電
圧レベルにするには、上記第1の実施の形態において潜
在電荷量q0 に対する式の第1項を第2項で相殺するよ
うにすればよい。このときの紙葉類50の電荷量の変化
は、図17に示すように、ローラ6L,6M,6Rとの
接触と同時に急激に減少している。
【0053】(c)図18に第2の実施の形態の紙葉類
の除電方法の説明図、図19に交流電圧印加による除電
方法の電荷量の変位図を示す。これは、シャフト7の電
位を図示せぬ電極をシャフト7の端面に接触させて、こ
の図示せぬ電極には、電源より、プーリ8とゴムローラ
2間で分極させたときに帯電した電荷量が搬送端からロ
ーラ6位置へ送られてきた際に残留する電荷量分の交流
電圧を印加するようにして交流電位を維持させることに
より、紙葉類表面電位を強制的に相殺するものである。
このときの紙葉類50の電荷量の変化は、図19に示す
ように、ローラ6L,6M,6Rとの接触と同時に振動
減衰している。
【0054】以上は、D方向についての説明であった
が、図1のB方向、C方向にも適用可能である。次に各
場合の動作を説明する。まず、(a)から説明する。ベ
ルト12により静電気で、吸着した紙葉類50は、図1
に示す搬送方向切替え器14により後段搬送路D方向へ
と送出されると、紙葉類50のプーリ8とローラ2の間
で分極して蓄えられた電荷は、同幅位置に設けられた導
電ローラ6L,6M,6Rにより、シャフト7を介し、
外部のアースないしは、接地されたフレームへと放出さ
れる。これは、紙葉類50が完全にローラ6L,6M,
6Rを通過するまで続けられる。
【0055】次に、(b)について説明する。ベルト1
2により静電気で吸着した紙葉類50は、図1に示す搬
送方向切替え器14により後段搬送路D方向へと送出さ
れると、紙葉類50のプーリ8とローラ2の間で分極に
より蓄えられた電荷は、同幅位置に設けられた導電ロー
ラ6L,6M,6Rにより、シャフト7を介し、外部か
ら供給される紙葉類50の残留電荷量分の逆電位の電圧
により、打ち消し合い紙葉類50がD方向へ通過する際
に、強制的に消去される。
【0056】さらに、(c)についても同様に説明す
る。ベルト12により静電気で吸着した紙葉類50は、
図1に示す搬送方向切替え器14により後段搬送路D方
向へと送出されると、紙葉類50のプーリ8とローラ2
の間で分極により蓄えられた電荷は、同幅位置に設けら
れた導電ローラ6L,6M,6Rにより、シャフト7を
介し、外部から供給される紙葉類50の残留電荷量分の
交流電圧を印加することで、紙葉類の表面の電荷を強制
除去される。以上が第2の実施の形態の動作の説明であ
る。
【0057】上記第2の実施の形態によると、(a)紙
葉類分極面を接地するように同一幅部に研摩面以上の導
電ローラを使用したり、(b)紙葉類分極面に対して、
紙葉類通過端において残留電荷を打ち消すために必要な
逆電位を同一幅部に研摩面以上の導電ローラ接触部に印
加して、強制除去したり、(c)紙葉類分極面に対し
て、紙葉類通過端において残留電荷を打ち消すために必
要な電圧レベルの交流電圧を同一幅部に研摩面以上の導
電ローラ接触部に印加して残留電荷を打ち消し合うよう
にしたので、除電効果を得ることができ、安心して紙葉
類を後段に送出することが可能となる効果が期待でき
る。したがって、後段搬送路でジャム等が発生したとき
には、既に除電してあるため、操作員が紙葉類を除去し
ても感電を防止し、安心して使用できる装置を提供する
という安全性向上の効果が期待できる。
【0058】第3の実施の形態 図20に、第3の実施の形態における静電気安全機構の
説明図を示す。この図は、上記第1の実施の形態で使用
した図2の斜視図に、静電気安全機構を備えたものであ
る。特に、電源OFF時に電源電圧がコンデンサによる
放電時間がかかるが、その電圧を高速に低下させるため
の一例である。図21に、静電気安全機構の要部斜視図
を示す。
【0059】図20または図21において、28は電磁
マグネットであり、28aはソレノイドコアを示す。4
3は圧縮コイルスプリングであり、42はリンク29と
ソレノイドコア28aを回動可能な状態で固定するピン
である。44はシャフト8’とシャフト3’を接触させ
るためのレバーであり、リンク29とピン41により回
動可能な状態で固定されている。レバー44は孔44a
をシャフト3’に図示せぬベアリング等の軸受により回
動可能な状態でスラスト方向を固定されている。
【0060】なお、レバー44は、抵抗値が限りなく0
に近い導電体からなり、電磁マグネット28がソレノイ
ドコア28aを吸引してイ方向にあるときは、レバー4
4はエ方向に動き、シャフト8’とは接触を断ち、電磁
マグネット28がソレノイドコア28aを解放し、圧縮
コイルスプリング43によりア方向にあるときレバー4
4はウ方向に動き、シャフト8’と接触する。
【0061】以上が構成の説明である。以下、上記第1
の実施の形態と異なる動作についてのみ説明する。次
に、静電気安全機構についての動作について説明する。
なお、図22に安全装置のない場合の電圧の変位図、図
23に本実施の形態の安全装置のある場合の電圧の変位
図を示す。
【0062】図示せぬ本実施の形態を内蔵する装置のキ
ャビネットが閉じられると、図示せぬ制御装置により、
電磁マグネット28のソレノイドコア28aは、圧縮コ
イルスプリング43に逆らって、イ方向に吸引される。
すると、ピン42を介してリンク29がイ方向に移動
し、リンク29のピン41を介してレバー44がエ方向
へと回転し、シャフト3’とシャフト8’の導通は、解
除され、絶縁される。この後、高圧電圧が印加され、静
電気による吸着搬送が可能となる。
【0063】次に、何らかの障害が発生し、ギャビネッ
トをオープンすると、ハード的に高圧電源がOFFにな
るようにしておくと、マグネット28の吸引が解除さ
れ、前記と逆にリンク29がア方向へと移動し、レバー
44がウ方向に回転する。すると、レバー44はシャフ
ト8’に接触し、シャフト3’とシャフト8’はレバー
44を介して導通状態すなわち、ショートカットされ、
電源のコンデンサに蓄えられた電荷は、図23のよう
に、急速にTs時間で放電される。なお、この機構がな
いときの電圧の低下カーブは、図22のようなカーブを
描いて低下する。このため、静電気安全機構がある場合
には、ない場合に比べて電圧の低下時間を短くすること
ができる。
【0064】また、電源断時は、電磁マグネット28が
電源OFFとなるため、圧縮コイルスプリング43によ
り、リンク29はア方向へと移動し、レバー44は、シ
ャフト8’に接触するウ方向に移動する。すると、前述
同様、急速に電圧が低下し、人が触る段階では、安全電
圧Vs以下となる。以上が第3の実施の形態の動作の説
明である。
【0065】上記第3の実施の形態によると、電磁ソレ
ノイドによる高圧電圧の強制放電機構を設けたので、操
作員がキャビネットを開閉して内部の紙葉類を除去した
り、内部のメインテナンスを行う際に、確実に放電さ
れ、人体に安全な電圧Vs以下に低下させ、感電を防止
し、安心して使用できる装置を提供するという安全性向
上の効果が期待できる。
【0066】上記第1の実施の形態では、幅bのベルト
12を3本使用した実施の形態を説明したが、1本の幅
広ベルトであっても、2本であっても、n本のベルトを
使用した場合でもよい。また、上記第1の実施の形態で
は、単に紙葉類をベルトに静電気により吸着して搬送す
るだけの用途の装置として説明したが、非ベルト側に光
学センサや各種磁気センサを使用し、紙葉類の代わりに
磁気カード、ICカード、プリペイドカードや各種切
符、証書、紙幣、有価証券、OCR用紙、振込用紙、封
筒、手紙、はがき等を使用し、一方向からの読み取りの
安定搬送手段として使用することも可能である。
【0067】上記第2の実施の形態では、後段搬送路
B,C,Dの手前の搬送路1のローラないしはプーリで
除電を行った例であったが、後段B,C,Dの搬送路で
除電を行ったとしても同様である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明の紙葉類搬送
装置によると、紙葉類を搬送ベルトに静電気により吸着
して搬送するようにしたので、ガイドを設ける必要がな
くなって搬送路が常にオープン状態となり、ジャム等が
発生しても外から直接にベルトに吸着した紙葉類を容易
に取り出すことができる効果が得られ、その際、ベルト
上に吸着した紙葉類をいためることもなく、また、搬送
ベルトが外れることもなく容易に紙葉類を取り出せると
いった高メインテナンス性が期待できる。しかも、搬送
力が搬送ベルトの静電気によるものであるため、搬送両
端に2個所プーリを設け、電極を接続するといった簡単
な構造とすることができ、部品数を大幅に減らすことが
でき、しかも、低コスト化できるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す側断面図
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す斜視図
【図3】ブッシュの説明図
【図4】スナップリングの説明図
【図5】第1の実施の形態における静電気帯電原理の説
明図
【図6】帯電ベルトの抵抗値と帯電ローラの抵抗値のオ
ーダが近い場合の特性図
【図7】帯電ベルトの抵抗値を減らした場合の特性図
【図8】帯電ベルトの抵抗値を増やした場合の特性図
【図9】帯電ベルトの抵抗値をさらに大きくした場合の
特性図
【図10】帯電ローラの抵抗値を減らした場合の特性図
【図11】帯電ローラの抵抗値を増やした場合の特性図
【図12】紙葉類の表面抵抗値が下がった場合の特性図
【図13】紙葉類の比誘電率が下がった場合の特性図
【図14】第2の実施の形態の紙葉類の除電方法の説明
【図15】導電体接触による除電方法の電荷量の変位図
【図16】第2の実施の形態の紙葉類の除電方法の説明
【図17】逆電位印加による除電方法の電荷量の変位図
【図18】第2の実施の形態の紙葉類の除電方法の説明
【図19】交流電圧印加による除電方法の電荷量の変位
【図20】第3の実施の形態における静電気安全機構の
説明図
【図21】静電気安全機構の要部斜視図
【図22】静電気安全機構のない場合の電圧の変位図
【図23】静電気安全機構のある場合の電圧の変位図
【図24】従来例を示す斜視図
【図25】従来の要部説明図
【図26】従来の要部説明図
【図27】従来例を示す側断面図
【符号の説明】
1 搬送路 2 ゴムローラ 4,6 ローラ 3,5,7,9,11 シャフト 3a ローラ 8 プーリ 10 プーリ 12 ベルト 13,14 搬送方向切替え器 15,16 シャフト 30 構造体フレーム

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極に接続され帯電する帯電搬送ローラ
    と、この帯電搬送ローラに対向して配置した搬送ローラ
    と、前記帯電搬送ローラおよび搬送ローラに巻回した帯
    電搬送ベルトと、前記帯電搬送ローラ側に位置して前記
    帯電搬送ベルトに接触し、電極に接続されて帯電する帯
    電ローラとを有し、 前記帯電搬送ローラと前記帯電ローラとに電位差を生じ
    させ、 この電位差が生じている間に、前記帯電搬送ベルトを搬
    送方向に回転させて前記帯電搬送ベルトと前記帯電ロー
    ラとの間に紙葉類を通して紙葉類を誘電分極させ、帯電
    搬送ベルトに紙葉類を静電吸着させ、帯電搬送ベルトに
    紙葉類を載せて搬送するようにしたことを特徴とする紙
    葉類搬送装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、帯電搬送ベルトが短
    冊状に搬送方向に分割され、該短冊状の帯電搬送ベルト
    間に紙葉類の搬送方向を切り替えるための絶縁性の切り
    替え装置を入れ子状に配置したことを特徴とする紙葉類
    搬送装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、帯電搬送ローラと帯
    電搬送ベルトの両端よりも外側または終端に紙葉類の帯
    電を除去する除電装置を設けたことを特徴とする紙葉類
    搬送装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、帯電搬送ローラに印
    加する電圧を+の高電圧とし、帯電ローラを0Vにした
    ことを特徴とする紙葉類搬送装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、帯電搬送ローラに印
    加する電圧を−の高電圧とし、帯電ローラを0Vにした
    ことを特徴とする紙葉類搬送装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、帯電搬送ローラに印
    加する電圧を0Vとし、帯電ローラを+の高電圧にした
    ことを特徴とする紙葉類搬送装置。
  7. 【請求項7】 帯電搬送ローラに印加する電圧を0Vと
    し、帯電ローラを−の高電圧にしたことを特徴とする紙
    葉類搬送装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、帯電搬送ベルトの表
    面抵抗値を108 オーダΩ以下としたことを特徴とする
    紙葉類搬送装置。
  9. 【請求項9】 請求項1において、帯電ローラの体積抵
    抗値を108 オーダΩ以下としたことを特徴とする紙葉
    類搬送装置。
  10. 【請求項10】 請求項3において、除電装置は、搬送
    ローラも帯電材料とし、この搬送ローラの上方に帯電搬
    送ベルトに接触させて第2の帯電ローラを配置し、帯電
    ローラに電圧を印加することで紙葉類の帯電を除去する
    ようにしたことを特徴とする紙葉類搬送装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、搬送ローラと第
    2の帯電ローラに対して、接地、残留電荷打ち消し相当
    の逆電圧を印加したことを特徴とする紙葉類搬送装置。
  12. 【請求項12】 請求項10において、搬送ローラと第
    2の帯電ローラに対して、残留電荷打ち消し相当の交流
    電圧を印加したことを特徴とする紙葉類搬送装置。
  13. 【請求項13】 請求項1において、帯電搬送ローラと
    帯電搬送ベルトと帯電ローラとに生じている電荷を放電
    するショートカット機構を設け、筐体のキャビネットの
    開閉に連動して電荷を放電させるようにしたことを特徴
    とする紙葉類搬送装置。
JP13631398A 1998-05-19 1998-05-19 紙葉類搬送装置 Pending JPH11322111A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13631398A JPH11322111A (ja) 1998-05-19 1998-05-19 紙葉類搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13631398A JPH11322111A (ja) 1998-05-19 1998-05-19 紙葉類搬送装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11322111A true JPH11322111A (ja) 1999-11-24

Family

ID=15172292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13631398A Pending JPH11322111A (ja) 1998-05-19 1998-05-19 紙葉類搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11322111A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102467769A (zh) * 2010-11-16 2012-05-23 日立欧姆龙金融系统有限公司 卡处理组件和自动交易处理装置
CN109031458A (zh) * 2018-07-10 2018-12-18 朱秋虹 疏散防拥堵安检机

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102467769A (zh) * 2010-11-16 2012-05-23 日立欧姆龙金融系统有限公司 卡处理组件和自动交易处理装置
KR101248138B1 (ko) * 2010-11-16 2013-03-28 히타치 오므론 터미널 솔루션즈 가부시키가이샤 카드 처리 유닛 및 자동 거래 처리 장치
CN103544766A (zh) * 2010-11-16 2014-01-29 日立欧姆龙金融系统有限公司 卡处理组件
CN109031458A (zh) * 2018-07-10 2018-12-18 朱秋虹 疏散防拥堵安检机
CN109031458B (zh) * 2018-07-10 2020-10-27 浙江田钰机械制造有限公司 疏散防拥堵安检机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1038923A (en) Belt transfer system
JPH04251041A (ja) 給紙装置
JPS6181348A (ja) シートを揃える装置
US4526357A (en) Electro-static sheet feeding method and apparatus
JPH11322111A (ja) 紙葉類搬送装置
JP4591579B2 (ja) シート案内装置
JPH0640583A (ja) 画像形成装置用給紙分離装置
JP2004099280A (ja) 用紙搬送装置
EP0737901A3 (en) Image forming apparatus
JP2667157B2 (ja) 転写・搬送装置
JPS5876849A (ja) 転写紙のベルト搬送装置
US4373714A (en) Transfer device
JPS61243745A (ja) 用紙収納装置の静電気除去装置
JP2729091B2 (ja) シート搬送装置
JP2667159B2 (ja) 転写・搬送装置
JPH0245232Y2 (ja)
JP2022102414A (ja) 画像読取装置
JPH019961Y2 (ja)
JPH0293570A (ja) 画像形成装置
JPH0362625B2 (ja)
JPH1124417A (ja) 画像形成装置
JPS6047559A (ja) 原稿読み取り装置
JPH06171755A (ja) 静電吸着ベルトコンベア
JPH021308B2 (ja)
JPH0485230A (ja) 転写紙の搬送装置