JPH11321666A - 自動車のステアリング用ダストシール - Google Patents
自動車のステアリング用ダストシールInfo
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- JPH11321666A JPH11321666A JP14843998A JP14843998A JPH11321666A JP H11321666 A JPH11321666 A JP H11321666A JP 14843998 A JP14843998 A JP 14843998A JP 14843998 A JP14843998 A JP 14843998A JP H11321666 A JPH11321666 A JP H11321666A
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- Japan
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- hole
- flange
- rubber
- steering
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コラムホールとステアリングギヤボック
スとの大きな位置関係変化を許容し、ステアリング機構
の円滑な組立を可能ならしめると共に長寿命のステアリ
ング用ダストシールを提供する。 【解決手段】 自動車のエンジンルームと車室との間を
仕切るダッシュパネルに形成された、ステアリングシャ
フトを挿通するためのコラムホールを、該ステアリング
シャフトが挿通した状態で覆うためのステアリング用ダ
ストシールであって、該ステアリングシャフトを通すた
めの穴を有し、該穴が、それを取り囲むゴム製の厚肉の
リング部によって規定されており、該リング部が、その
外周に連なるゴム製の蛇腹部分を介してゴム製のダスト
シール本体に連なっており、該ダストシール本体は、該
コラムホールの周囲において該ダッシュパネルに当接す
るためのフランジを備えるものである、ダストシール。
スとの大きな位置関係変化を許容し、ステアリング機構
の円滑な組立を可能ならしめると共に長寿命のステアリ
ング用ダストシールを提供する。 【解決手段】 自動車のエンジンルームと車室との間を
仕切るダッシュパネルに形成された、ステアリングシャ
フトを挿通するためのコラムホールを、該ステアリング
シャフトが挿通した状態で覆うためのステアリング用ダ
ストシールであって、該ステアリングシャフトを通すた
めの穴を有し、該穴が、それを取り囲むゴム製の厚肉の
リング部によって規定されており、該リング部が、その
外周に連なるゴム製の蛇腹部分を介してゴム製のダスト
シール本体に連なっており、該ダストシール本体は、該
コラムホールの周囲において該ダッシュパネルに当接す
るためのフランジを備えるものである、ダストシール。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
ルームと車室との間を仕切るダッシュパネルに形成され
た、ステアリングシャフトを挿通するためのコラムホー
ルを覆うためのステアリング用ダストシールに関する。
ルームと車室との間を仕切るダッシュパネルに形成され
た、ステアリングシャフトを挿通するためのコラムホー
ルを覆うためのステアリング用ダストシールに関する。
【0002】
【従来の技術】図6に、ステアリング機構の概略図を示
す。図6を参照して、図6は、自動車の直進方向に沿っ
た鉛直面によって自動車を切断したところを示す切断部
分概略図である。図中左方が自動車の前方となり、図中
右方が自動車の後方となる。自動車のエンジンルーム1
00と車室200との間がダッシュパネル300によっ
て仕切られている。車室200内にはステアリングホイ
ール401が配置されており、ステアリングホイール4
01にはその回動運動を伝達するための第一のステアリ
ングシャフト403が取り付けられている。第一のステ
アリングシャフト403は、ステアリングコラム404
の内部を貫通しており、ステアリングコラム404に対
して回動可能に支持されている(ステアリングコラム4
04内部に設けられたベアリング等を介して支持されて
いる)。なお、ステアリングコラム404は、車体へ取
付具(いずれも図示せず)等によって取り付けられてお
り、第一のステアリングシャフト403はその中心軸を
中心として回動可能に所定位置で支持されている。第一
のステアリングシャフト403は、第一の自在継手40
5、第二のステアリングシャフト407、そして第二の
自在継手409を介してステアリングギヤボックス41
1内のステアリングギヤ(図示せず)に連結されてい
る。第二のステアリングシャフト407はダッシュパネ
ル300に形成されたコラムホール302に挿通されて
いる。ステアリングギヤ(図示せず)が回転されること
で操舵輪(通常、前輪)のきれ角(進行方向に対する角
度)を変化させることができる。このためステアリング
ホイール401を車室200において回動させることに
よって、自動車の進行方向を変化させることができる。
す。図6を参照して、図6は、自動車の直進方向に沿っ
た鉛直面によって自動車を切断したところを示す切断部
分概略図である。図中左方が自動車の前方となり、図中
右方が自動車の後方となる。自動車のエンジンルーム1
00と車室200との間がダッシュパネル300によっ
て仕切られている。車室200内にはステアリングホイ
ール401が配置されており、ステアリングホイール4
01にはその回動運動を伝達するための第一のステアリ
ングシャフト403が取り付けられている。第一のステ
アリングシャフト403は、ステアリングコラム404
の内部を貫通しており、ステアリングコラム404に対
して回動可能に支持されている(ステアリングコラム4
04内部に設けられたベアリング等を介して支持されて
いる)。なお、ステアリングコラム404は、車体へ取
付具(いずれも図示せず)等によって取り付けられてお
り、第一のステアリングシャフト403はその中心軸を
中心として回動可能に所定位置で支持されている。第一
のステアリングシャフト403は、第一の自在継手40
5、第二のステアリングシャフト407、そして第二の
自在継手409を介してステアリングギヤボックス41
1内のステアリングギヤ(図示せず)に連結されてい
る。第二のステアリングシャフト407はダッシュパネ
ル300に形成されたコラムホール302に挿通されて
いる。ステアリングギヤ(図示せず)が回転されること
で操舵輪(通常、前輪)のきれ角(進行方向に対する角
度)を変化させることができる。このためステアリング
ホイール401を車室200において回動させることに
よって、自動車の進行方向を変化させることができる。
【0003】このようにダッシュパネル300に形成さ
れたコラムホール302は必要不可欠なものであるが、
このコラムホール302によってエンジンルーム100
と車室200とが連通された状態ではエンジンルーム1
00から車室200へ雨水、粉塵、騒音、そして熱気や
寒気を含む外気等が侵入し、車室200の快適性を著し
く害する。これを防止するため、図6に示すようにコラ
ムホール302を覆うためのダストシール501が取り
付けられている。ダストシール501は、ステアリング
ギヤボックス411が密接して貫通する穴を有し、ダス
トシール501とステアリングギヤボックス411とが
確実に取り付けられるように金属製バンド(取付部材)
413によって該穴の周囲が締めつけられている。ダス
トシール501は、コラムホール302とステアリング
ギヤボックス411との位置関係がある程度の範囲で変
化しても許容しうるように柔軟性を有するゴム材料によ
って形成されている。
れたコラムホール302は必要不可欠なものであるが、
このコラムホール302によってエンジンルーム100
と車室200とが連通された状態ではエンジンルーム1
00から車室200へ雨水、粉塵、騒音、そして熱気や
寒気を含む外気等が侵入し、車室200の快適性を著し
く害する。これを防止するため、図6に示すようにコラ
ムホール302を覆うためのダストシール501が取り
付けられている。ダストシール501は、ステアリング
ギヤボックス411が密接して貫通する穴を有し、ダス
トシール501とステアリングギヤボックス411とが
確実に取り付けられるように金属製バンド(取付部材)
413によって該穴の周囲が締めつけられている。ダス
トシール501は、コラムホール302とステアリング
ギヤボックス411との位置関係がある程度の範囲で変
化しても許容しうるように柔軟性を有するゴム材料によ
って形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来のダストシールにおいては、コラムホールとステア
リングギヤボックスとの許容し得る位置関係変化が小さ
く、図6に示すようなステアリング機構を組み立てる際
に円滑な組み立てが行えなかったり(組み込み作業にお
ける寸法のばらつきや部品寸法のばらつきを十分吸収で
きない。)、寸法のばらつきを十分吸収できないために
ダストシールの、ステアリングギヤボックスとの密接部
分に歪みを生じ該部分からの水分侵入が発生したり、そ
して組み立て後にダストシールに応力が集中してダスト
シールの寿命が短くなる等の問題があった。そこで本発
明は、コラムホールとステアリングギヤボックスとの大
きな位置関係変化を許容し得るダストシールを提供する
ことを目的とする。
従来のダストシールにおいては、コラムホールとステア
リングギヤボックスとの許容し得る位置関係変化が小さ
く、図6に示すようなステアリング機構を組み立てる際
に円滑な組み立てが行えなかったり(組み込み作業にお
ける寸法のばらつきや部品寸法のばらつきを十分吸収で
きない。)、寸法のばらつきを十分吸収できないために
ダストシールの、ステアリングギヤボックスとの密接部
分に歪みを生じ該部分からの水分侵入が発生したり、そ
して組み立て後にダストシールに応力が集中してダスト
シールの寿命が短くなる等の問題があった。そこで本発
明は、コラムホールとステアリングギヤボックスとの大
きな位置関係変化を許容し得るダストシールを提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のダストシールにおいては、ステアリングギ
ヤボックスが密接して貫通する穴を規定するゴム製のリ
ング部が、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分を介して
ゴム製のダストシール本体に連なっている。こうするこ
とでリング部の動きが蛇腹部分の伸縮によって吸収され
るので、コラムホールとステアリングギヤボックスとの
大きな位置関係変化を許容し、ステアリング機構の円滑
な組み立て、ダストシールの、ステアリングギヤボック
スとの密接部分からの水分侵入防止、そしてダストシー
ルへの応力集中による低寿命化防止を可能ならしめる。
即ち、本発明は、自動車のエンジンルームと車室との間
を仕切るダッシュパネルに形成された、ステアリングシ
ャフトを挿通するためのコラムホールを覆うためのステ
アリング用ダストシールであって、該ステアリングシャ
フトの先端に取り付けられたステアリングギヤボックス
が密接して貫通する穴を有し、該穴が、それを取り囲む
ゴム製の厚肉のリング部によって規定されており、該リ
ング部が、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分を介して
ゴム製のダストシール本体に連なっており、該ダストシ
ール本体は、該コラムホールの周囲において該ダッシュ
パネルに当接するためのフランジを備えるものである、
ダストシールである。
に、本発明のダストシールにおいては、ステアリングギ
ヤボックスが密接して貫通する穴を規定するゴム製のリ
ング部が、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分を介して
ゴム製のダストシール本体に連なっている。こうするこ
とでリング部の動きが蛇腹部分の伸縮によって吸収され
るので、コラムホールとステアリングギヤボックスとの
大きな位置関係変化を許容し、ステアリング機構の円滑
な組み立て、ダストシールの、ステアリングギヤボック
スとの密接部分からの水分侵入防止、そしてダストシー
ルへの応力集中による低寿命化防止を可能ならしめる。
即ち、本発明は、自動車のエンジンルームと車室との間
を仕切るダッシュパネルに形成された、ステアリングシ
ャフトを挿通するためのコラムホールを覆うためのステ
アリング用ダストシールであって、該ステアリングシャ
フトの先端に取り付けられたステアリングギヤボックス
が密接して貫通する穴を有し、該穴が、それを取り囲む
ゴム製の厚肉のリング部によって規定されており、該リ
ング部が、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分を介して
ゴム製のダストシール本体に連なっており、該ダストシ
ール本体は、該コラムホールの周囲において該ダッシュ
パネルに当接するためのフランジを備えるものである、
ダストシールである。
【0006】本発明のダストシール(以下、「本ダスト
シール」という。)は、自動車のエンジンルームと車室
との間を仕切るダッシュパネルに形成された、ステアリ
ングシャフトを挿通するためのコラムホールを覆うため
のステアリング用ダストシールである。前述のように、
エンジンルームと車室との間を仕切るダッシュパネルに
形成されたコラムホールは、ステアリングシャフトをダ
ッシュパネルに貫通させるために必要不可欠なものであ
るが、このコラムホールによってエンジンルームと車室
とが連通された状態ではエンジンルームから車室へ雨
水、粉塵、騒音、そして熱気や寒気を含む外気等が侵入
し、車室の快適性を著しく害する。これを防止するため
に、コラムホールを覆うためのステアリング用ダストシ
ールを取り付ける。なお、本発明にいう「ステアリング
シャフト」とは、ステアリングホイールの回動運動をス
テアリングギヤボックスへ伝達する棒状部材をいい、必
ずしも一体のものであることを要さず、例えば複数の棒
状部材を自在継手や歯車によって連結したものをも含む
(例えば、図6においては、第一のステアリングシャフ
ト403と第二のステアリングシャフト407のいずれ
も本発明にいう「ステアリングシャフト」に該当す
る。)。
シール」という。)は、自動車のエンジンルームと車室
との間を仕切るダッシュパネルに形成された、ステアリ
ングシャフトを挿通するためのコラムホールを覆うため
のステアリング用ダストシールである。前述のように、
エンジンルームと車室との間を仕切るダッシュパネルに
形成されたコラムホールは、ステアリングシャフトをダ
ッシュパネルに貫通させるために必要不可欠なものであ
るが、このコラムホールによってエンジンルームと車室
とが連通された状態ではエンジンルームから車室へ雨
水、粉塵、騒音、そして熱気や寒気を含む外気等が侵入
し、車室の快適性を著しく害する。これを防止するため
に、コラムホールを覆うためのステアリング用ダストシ
ールを取り付ける。なお、本発明にいう「ステアリング
シャフト」とは、ステアリングホイールの回動運動をス
テアリングギヤボックスへ伝達する棒状部材をいい、必
ずしも一体のものであることを要さず、例えば複数の棒
状部材を自在継手や歯車によって連結したものをも含む
(例えば、図6においては、第一のステアリングシャフ
ト403と第二のステアリングシャフト407のいずれ
も本発明にいう「ステアリングシャフト」に該当す
る。)。
【0007】本ダストシールは、ステアリングシャフト
の先端に取り付けられたステアリングギヤボックスが密
接して貫通する穴を有する。穴は、ステアリングギヤボ
ックスが密接して貫通する形状及び大きさを有すること
が望ましい。ステアリングギヤボックスとダストシール
との間に隙間を生じると該隙間を経由してエンジンルー
ムから車室へと雨水、粉塵、騒音、そして熱気や寒気を
含む外気等が侵入し、車室の快適性を害するので好まし
くない。このためステアリングギヤボックスと本ダスト
シールとが液密的及び気密的に密接する形状及び大きさ
を該穴が有することが望ましい。
の先端に取り付けられたステアリングギヤボックスが密
接して貫通する穴を有する。穴は、ステアリングギヤボ
ックスが密接して貫通する形状及び大きさを有すること
が望ましい。ステアリングギヤボックスとダストシール
との間に隙間を生じると該隙間を経由してエンジンルー
ムから車室へと雨水、粉塵、騒音、そして熱気や寒気を
含む外気等が侵入し、車室の快適性を害するので好まし
くない。このためステアリングギヤボックスと本ダスト
シールとが液密的及び気密的に密接する形状及び大きさ
を該穴が有することが望ましい。
【0008】該穴は、それを取り囲むゴム製の厚肉のリ
ング部によって規定されている。ゴム製の厚肉によって
形成されたリング部は十分な弾力及び強度を有するの
で、該穴にステアリングギヤボックスを組み付ける際
や、自動車の走行時の、コラムホールとステアリングギ
ヤボックスとの位置関係変化の際のリング部へ加わる応
力に十分耐えることができる。また、該穴が、ステアリ
ングギヤボックスの外形よりもやや小さくなるようにリ
ング部を形成すれば、組み付けられたステアリングギヤ
ボックスをリング部が外側から弾力を伴って締め付ける
ので、ステアリングギヤボックスとリング部とが液密的
及び気密的に密接するので好ましい。
ング部によって規定されている。ゴム製の厚肉によって
形成されたリング部は十分な弾力及び強度を有するの
で、該穴にステアリングギヤボックスを組み付ける際
や、自動車の走行時の、コラムホールとステアリングギ
ヤボックスとの位置関係変化の際のリング部へ加わる応
力に十分耐えることができる。また、該穴が、ステアリ
ングギヤボックスの外形よりもやや小さくなるようにリ
ング部を形成すれば、組み付けられたステアリングギヤ
ボックスをリング部が外側から弾力を伴って締め付ける
ので、ステアリングギヤボックスとリング部とが液密的
及び気密的に密接するので好ましい。
【0009】該リング部は、その外周に連なるゴム製の
蛇腹部分を介してゴム製のダストシール本体に連なって
いる。リング部を取り囲むように該蛇腹部分が形成され
ており、リング部の外周と蛇腹部分の内周とがつながっ
ている。さらに、蛇腹部分の外周はダストシール本体に
つながっており、このためリング部とダストシール本体
との間に蛇腹部分が介在している。蛇腹部分はゴムによ
って形成されており、ステアリングギヤボックスによっ
てリング部へと加えられた力は蛇腹部分の伸縮によって
吸収される。蛇腹部分はいずれの構造を有してもよい
が、同心円状に形成されてもよい。ここに「同心円状」
とは、蛇腹の山部と谷部とがリング部の中心軸に対して
ほぼ同心円になり、互いに隣接する山部と谷部との複数
の中間部分がリング部中心軸に対して垂直な同一面にほ
ぼ含まれる状態(例えば、水面に投石した場合に生じ
る、水面に拡がる波の山部と谷部のような状態)をい
い、蛇腹中心部(リング部に近い部分をいう)が蛇腹周
辺部(リング部から遠い部分をいう)に対して突出した
又は引っ込んだ状態の、いわゆるタケノコ先端部分に類
似した形状や円錐形状等になっていないことをいう。同
心円状の蛇腹部分とすることは、ステアリングギヤボッ
クスの、リング部中心軸に対して平行方向(例えば、上
記の水面の波の山部と谷部が本発明の蛇腹部分と仮定す
れば、鉛直方向)への許容し得る変位が大きくなると共
に、蛇腹中心部が突出した形状(タケノコ形状)の蛇腹
部分に比して本ダストシールをコンパクトに形成するこ
とができるので好ましい。
蛇腹部分を介してゴム製のダストシール本体に連なって
いる。リング部を取り囲むように該蛇腹部分が形成され
ており、リング部の外周と蛇腹部分の内周とがつながっ
ている。さらに、蛇腹部分の外周はダストシール本体に
つながっており、このためリング部とダストシール本体
との間に蛇腹部分が介在している。蛇腹部分はゴムによ
って形成されており、ステアリングギヤボックスによっ
てリング部へと加えられた力は蛇腹部分の伸縮によって
吸収される。蛇腹部分はいずれの構造を有してもよい
が、同心円状に形成されてもよい。ここに「同心円状」
とは、蛇腹の山部と谷部とがリング部の中心軸に対して
ほぼ同心円になり、互いに隣接する山部と谷部との複数
の中間部分がリング部中心軸に対して垂直な同一面にほ
ぼ含まれる状態(例えば、水面に投石した場合に生じ
る、水面に拡がる波の山部と谷部のような状態)をい
い、蛇腹中心部(リング部に近い部分をいう)が蛇腹周
辺部(リング部から遠い部分をいう)に対して突出した
又は引っ込んだ状態の、いわゆるタケノコ先端部分に類
似した形状や円錐形状等になっていないことをいう。同
心円状の蛇腹部分とすることは、ステアリングギヤボッ
クスの、リング部中心軸に対して平行方向(例えば、上
記の水面の波の山部と谷部が本発明の蛇腹部分と仮定す
れば、鉛直方向)への許容し得る変位が大きくなると共
に、蛇腹中心部が突出した形状(タケノコ形状)の蛇腹
部分に比して本ダストシールをコンパクトに形成するこ
とができるので好ましい。
【0010】ダストシール本体は、コラムホールの周囲
においてダッシュパネルに当接するためのフランジを備
える。フランジは本ダストシールをダッシュパネルに取
付けるためのものであり、コラムホールの周囲の、ダッ
シュパネルの部分に当接する。フランジとダッシュパネ
ルとの当接面は、必ずしもコラムホール全周にわたって
連続する必要はないが、本ダストシールを十分な強度で
取付け、又はダッシュパネルと本ダストシールとの間の
液密性及び気密性を高めるためには、コラムホール全周
にわたって連続することが好ましい。また、ダッシュパ
ネルと本ダストシールとの間の液密性及び気密性を高め
るためには、フランジはダッシュパネルに液密的及び気
密的に当接することが好ましい。これはフランジがゴム
製で、通常ダッシュパネルが金属製であるので、ダッシ
ュパネルにフランジが密接するようにフランジが形成さ
れればよい(例えば、ダッシュパネルが平板状であれば
平板に密接するようなフランジにすればよい。)。
においてダッシュパネルに当接するためのフランジを備
える。フランジは本ダストシールをダッシュパネルに取
付けるためのものであり、コラムホールの周囲の、ダッ
シュパネルの部分に当接する。フランジとダッシュパネ
ルとの当接面は、必ずしもコラムホール全周にわたって
連続する必要はないが、本ダストシールを十分な強度で
取付け、又はダッシュパネルと本ダストシールとの間の
液密性及び気密性を高めるためには、コラムホール全周
にわたって連続することが好ましい。また、ダッシュパ
ネルと本ダストシールとの間の液密性及び気密性を高め
るためには、フランジはダッシュパネルに液密的及び気
密的に当接することが好ましい。これはフランジがゴム
製で、通常ダッシュパネルが金属製であるので、ダッシ
ュパネルにフランジが密接するようにフランジが形成さ
れればよい(例えば、ダッシュパネルが平板状であれば
平板に密接するようなフランジにすればよい。)。
【0011】ダストシール本体を裏打ちする金属製の裏
打ちをさらに備えるようにしてもよい。ダストシール本
体は柔軟なゴムによって形成されているので防水性や防
塵性は有するものの、エンジンルームからの騒音の遮音
能力が小さく、それのみでは車室内の十分な快適性を提
供することができない場合がある。この場合、遮音性に
優れた金属製の裏打ちをダストシール本体の内側に設け
ることで、ダストシールに十分な遮音能力を持たせ、エ
ンジンルームから車室への騒音の侵入を大幅に減少させ
ることができる。裏打ちを形成する金属材料はいかなる
ものであってもよく、例えば、鋼材(ステンレス鋼を含
む)、銅、アルミニウム及びこれらの合金等を使用する
ことができ、中でも鋼材は安価であると共に高い遮音性
を有するので好ましい。
打ちをさらに備えるようにしてもよい。ダストシール本
体は柔軟なゴムによって形成されているので防水性や防
塵性は有するものの、エンジンルームからの騒音の遮音
能力が小さく、それのみでは車室内の十分な快適性を提
供することができない場合がある。この場合、遮音性に
優れた金属製の裏打ちをダストシール本体の内側に設け
ることで、ダストシールに十分な遮音能力を持たせ、エ
ンジンルームから車室への騒音の侵入を大幅に減少させ
ることができる。裏打ちを形成する金属材料はいかなる
ものであってもよく、例えば、鋼材(ステンレス鋼を含
む)、銅、アルミニウム及びこれらの合金等を使用する
ことができ、中でも鋼材は安価であると共に高い遮音性
を有するので好ましい。
【0012】ダストシール本体とそれを裏打ちする裏打
ちとは、両者がぴったり密接(ダストシール本体の内面
と裏打ちの外面とが密接)していてもよいが、両者の間
に隙間が形成されていてもよい。両者の間に隙間が形成
されていると、両者の間で騒音や振動が直接伝達され
ず、さらに該隙間に存在する空気層によって騒音や振動
が減衰されるので、本ダストシールの遮音性を一層向上
させることができ、車室への騒音侵入を一層低減するこ
とができるので好ましい。隙間(ダストシール本体と裏
打ちとの距離)はあまり小さいと遮音性の向上が小さく
なり逆にあまり大きいとダストシールが大きくなるので
それらを満足する範囲とすることが好ましく、通常、
0.3mm〜10mmの範囲とされればよく、とりわけ
0.5mm〜5mmとされるのが好ましい。なお、該隙
間にスポンジ等の遮音性を有する材料を充填してもよ
い。
ちとは、両者がぴったり密接(ダストシール本体の内面
と裏打ちの外面とが密接)していてもよいが、両者の間
に隙間が形成されていてもよい。両者の間に隙間が形成
されていると、両者の間で騒音や振動が直接伝達され
ず、さらに該隙間に存在する空気層によって騒音や振動
が減衰されるので、本ダストシールの遮音性を一層向上
させることができ、車室への騒音侵入を一層低減するこ
とができるので好ましい。隙間(ダストシール本体と裏
打ちとの距離)はあまり小さいと遮音性の向上が小さく
なり逆にあまり大きいとダストシールが大きくなるので
それらを満足する範囲とすることが好ましく、通常、
0.3mm〜10mmの範囲とされればよく、とりわけ
0.5mm〜5mmとされるのが好ましい。なお、該隙
間にスポンジ等の遮音性を有する材料を充填してもよ
い。
【0013】ダストシール本体が有するフランジに貫通
孔を設け、該貫通孔に取付部材(例えばボルト)を貫装
させてダッシュパネルに該フランジを取り付ける場合、
該フランジの一部にのみ力が作用すると、該フランジは
柔軟性を有するゴム製であるので、該一部近傍が伸縮す
ることで十分な固定ができなかったり、該一部近傍が裂
ける等して破損する可能性がある。これを防止するため
には取付部材の貫通孔を設けた金属製の板状部材(リテ
イナー)とダッシュパネルとの間に該フランジを挟み込
むようにして、取付部材を貫通孔(該フランジに形成さ
れたものと板状部材(リテイナー)に形成されたものの
両方)に貫通させて取り付ければよい。こうすることで
取付部材による取付力は板状部材(リテイナー)を介し
て板状部材(リテイナー)と該フランジとが接する範囲
に分散されて該フランジに伝達されるので、上記の問題
を有効に回避することができる。板状部材(リテイナ
ー)は別個の部品として形成してもよいが、部品点数の
減少や組立工数の削減の観点からは前記裏打ちと一体的
に形成してもよい。また、一体形成することで、裏打ち
が板状部材(リテイナー)によって強固かつ確実に固定
されるので、この点からも好ましい。即ち、裏打ちと一
体形成された板状部材(リテイナー)は裏打ちのフラン
ジ部分となるのでこれを金属フランジ部分とすると、ダ
ストシール本体のフランジの両面のうちダッシュパネル
よりも遠方に位置する面に面するように配置された金属
フランジ部分であって、フランジを該ダッシュパネルに
取り付ける取付部材を貫装するためのフランジに形成さ
れた貫通孔を取り囲むように形成された金属フランジ部
分を、該裏打ちが有してもよい。
孔を設け、該貫通孔に取付部材(例えばボルト)を貫装
させてダッシュパネルに該フランジを取り付ける場合、
該フランジの一部にのみ力が作用すると、該フランジは
柔軟性を有するゴム製であるので、該一部近傍が伸縮す
ることで十分な固定ができなかったり、該一部近傍が裂
ける等して破損する可能性がある。これを防止するため
には取付部材の貫通孔を設けた金属製の板状部材(リテ
イナー)とダッシュパネルとの間に該フランジを挟み込
むようにして、取付部材を貫通孔(該フランジに形成さ
れたものと板状部材(リテイナー)に形成されたものの
両方)に貫通させて取り付ければよい。こうすることで
取付部材による取付力は板状部材(リテイナー)を介し
て板状部材(リテイナー)と該フランジとが接する範囲
に分散されて該フランジに伝達されるので、上記の問題
を有効に回避することができる。板状部材(リテイナ
ー)は別個の部品として形成してもよいが、部品点数の
減少や組立工数の削減の観点からは前記裏打ちと一体的
に形成してもよい。また、一体形成することで、裏打ち
が板状部材(リテイナー)によって強固かつ確実に固定
されるので、この点からも好ましい。即ち、裏打ちと一
体形成された板状部材(リテイナー)は裏打ちのフラン
ジ部分となるのでこれを金属フランジ部分とすると、ダ
ストシール本体のフランジの両面のうちダッシュパネル
よりも遠方に位置する面に面するように配置された金属
フランジ部分であって、フランジを該ダッシュパネルに
取り付ける取付部材を貫装するためのフランジに形成さ
れた貫通孔を取り囲むように形成された金属フランジ部
分を、該裏打ちが有してもよい。
【0014】ダストシール本体を覆う金属製のカバーを
さらに備えるようにしてもよい。ダストシール本体は柔
軟なゴムによって形成されているので防水性や防塵性は
有するものの、エンジンルームからの騒音の遮音能力が
小さく、それのみでは車室内の十分な快適性を提供する
ことができない場合がある。この場合、遮音性に優れた
金属製のカバーをダストシール本体の外側に設けること
で、ダストシールに十分な遮音能力を持たせ、エンジン
ルームから車室への騒音の侵入を大幅に減少させること
ができる。カバーを形成する金属材料はいかなるもので
あってもよく、例えば、鋼材(ステンレス鋼を含む)、
銅、アルミニウム及びこれらの合金等を使用することが
でき、中でも鋼材は安価であると共に高い遮音性を有す
るので好ましい。
さらに備えるようにしてもよい。ダストシール本体は柔
軟なゴムによって形成されているので防水性や防塵性は
有するものの、エンジンルームからの騒音の遮音能力が
小さく、それのみでは車室内の十分な快適性を提供する
ことができない場合がある。この場合、遮音性に優れた
金属製のカバーをダストシール本体の外側に設けること
で、ダストシールに十分な遮音能力を持たせ、エンジン
ルームから車室への騒音の侵入を大幅に減少させること
ができる。カバーを形成する金属材料はいかなるもので
あってもよく、例えば、鋼材(ステンレス鋼を含む)、
銅、アルミニウム及びこれらの合金等を使用することが
でき、中でも鋼材は安価であると共に高い遮音性を有す
るので好ましい。
【0015】ダストシール本体とそれを覆うカバーと
は、両者がぴったり密接(ダストシール本体の外面とカ
バーの内面とが密接)していてもよいが、両者の間に隙
間が形成されていてもよい。両者の間に隙間が形成され
ていると、両者の間で騒音や振動が直接伝達されず、さ
らに該隙間に存在する空気層によって騒音や振動が減衰
されるので、本ダストシールの遮音性を一層向上させる
ことができ、車室への騒音侵入を一層低減することがで
きるので好ましい。隙間(ダストシール本体とカバーと
の距離)はあまり小さいと遮音性の向上が小さくなり逆
にあまり大きいとダストシールが大きくなるのでそれら
を満足する範囲とすることが好ましく、通常、0.3m
m〜10mmの範囲とされればよく、とりわけ0.5m
m〜5mmとされるのが好ましい。なお、該隙間にスポ
ンジ等の遮音性を有する材料を充填してもよい。
は、両者がぴったり密接(ダストシール本体の外面とカ
バーの内面とが密接)していてもよいが、両者の間に隙
間が形成されていてもよい。両者の間に隙間が形成され
ていると、両者の間で騒音や振動が直接伝達されず、さ
らに該隙間に存在する空気層によって騒音や振動が減衰
されるので、本ダストシールの遮音性を一層向上させる
ことができ、車室への騒音侵入を一層低減することがで
きるので好ましい。隙間(ダストシール本体とカバーと
の距離)はあまり小さいと遮音性の向上が小さくなり逆
にあまり大きいとダストシールが大きくなるのでそれら
を満足する範囲とすることが好ましく、通常、0.3m
m〜10mmの範囲とされればよく、とりわけ0.5m
m〜5mmとされるのが好ましい。なお、該隙間にスポ
ンジ等の遮音性を有する材料を充填してもよい。
【0016】ダストシール本体が有するフランジをダッ
シュパネルに取り付ける場合に好ましくは使用される金
属製の板状部材(リテイナー)は、前記カバーと一体的
に形成してもよい。一体形成することで、フランジの伸
縮や破損を防止できることに加えて、カバーが板状部材
(リテイナー)によって強固かつ確実に固定されるので
好ましい。即ち、カバーと一体形成された板状部材(リ
テイナー)はカバーのフランジ部分となるのでこれを金
属フランジ部分とすると、ダストシール本体のフランジ
の両面のうちダッシュパネルよりも遠方に位置する面に
面するように配置された金属フランジ部分であって、フ
ランジをダッシュパネルに取り付ける取付部材を貫装す
るためのフランジに形成された貫通孔を取り囲むように
形成された金属フランジ部分を、該カバーが有してもよ
い。
シュパネルに取り付ける場合に好ましくは使用される金
属製の板状部材(リテイナー)は、前記カバーと一体的
に形成してもよい。一体形成することで、フランジの伸
縮や破損を防止できることに加えて、カバーが板状部材
(リテイナー)によって強固かつ確実に固定されるので
好ましい。即ち、カバーと一体形成された板状部材(リ
テイナー)はカバーのフランジ部分となるのでこれを金
属フランジ部分とすると、ダストシール本体のフランジ
の両面のうちダッシュパネルよりも遠方に位置する面に
面するように配置された金属フランジ部分であって、フ
ランジをダッシュパネルに取り付ける取付部材を貫装す
るためのフランジに形成された貫通孔を取り囲むように
形成された金属フランジ部分を、該カバーが有してもよ
い。
【0017】本ダストシールの内側及び/又は外側に、
前記穴を取り囲んで取り付けられた柔軟性を有する遮音
材をさらに備えるようにしてもよい。本ダストシールが
有する、ステアリングギヤボックスが密接して貫通する
前記穴の周囲は、コラムホールとステアリングギヤボッ
クスとの位置関係変化を許容するため、前記裏打ちや前
記カバーを配置することができない(金属製の裏打ちや
カバーを該穴の周囲にまで配置するとこれらとステアリ
ングギヤボックスとが干渉する。)。このため該穴の周
囲を経由してエンジンルームから車室へと騒音が侵入す
るので、該穴の周囲には、コラムホールとステアリング
ギヤボックスとの位置関係変化を許容する柔軟性を有す
る遮音材を配置することが好ましい。柔軟性を有する遮
音材は、内部に空泡を有するスポンジ状のものや柔軟な
ゴム等を使用することができるが、安価、軽量、遮音性
及び耐久性等を考慮するとスポンジを使用することが好
ましく、とりわけEPDM(エチレン−プロピレン−非
共役ジエン三元共重合体エラストマー)ゴムによって形
成されたスポンジは柔軟性や形状回復力(力を加えられ
て変形された後、該力を取り除かれたとき該変形が消失
する速度や程度をいう)に極めて優れているので好まし
い。遮音材は該穴を取り囲むように取り付けられ、本ダ
ストシールの内側に取り付けられても、外側に取り付け
られても、そして内側と外側との両方に取り付けられて
もよい。
前記穴を取り囲んで取り付けられた柔軟性を有する遮音
材をさらに備えるようにしてもよい。本ダストシールが
有する、ステアリングギヤボックスが密接して貫通する
前記穴の周囲は、コラムホールとステアリングギヤボッ
クスとの位置関係変化を許容するため、前記裏打ちや前
記カバーを配置することができない(金属製の裏打ちや
カバーを該穴の周囲にまで配置するとこれらとステアリ
ングギヤボックスとが干渉する。)。このため該穴の周
囲を経由してエンジンルームから車室へと騒音が侵入す
るので、該穴の周囲には、コラムホールとステアリング
ギヤボックスとの位置関係変化を許容する柔軟性を有す
る遮音材を配置することが好ましい。柔軟性を有する遮
音材は、内部に空泡を有するスポンジ状のものや柔軟な
ゴム等を使用することができるが、安価、軽量、遮音性
及び耐久性等を考慮するとスポンジを使用することが好
ましく、とりわけEPDM(エチレン−プロピレン−非
共役ジエン三元共重合体エラストマー)ゴムによって形
成されたスポンジは柔軟性や形状回復力(力を加えられ
て変形された後、該力を取り除かれたとき該変形が消失
する速度や程度をいう)に極めて優れているので好まし
い。遮音材は該穴を取り囲むように取り付けられ、本ダ
ストシールの内側に取り付けられても、外側に取り付け
られても、そして内側と外側との両方に取り付けられて
もよい。
【0018】該穴の周囲のうち、前記リング部は厚肉の
ゴムによって形成されているので比較的遮音性が良い
が、前記蛇腹部分は十分な柔軟性を持たせるため薄肉と
される場合が多く遮音性が劣る。従って、遮音材は該蛇
腹部分を覆うように取り付けられることが好ましい。
ゴムによって形成されているので比較的遮音性が良い
が、前記蛇腹部分は十分な柔軟性を持たせるため薄肉と
される場合が多く遮音性が劣る。従って、遮音材は該蛇
腹部分を覆うように取り付けられることが好ましい。
【0019】本ダストシールとステアリングギヤボック
スとを円滑に組み付けるには、本ダストシールの該リン
グ部の少なくとも該穴の内周面が摺動性を有することが
好ましい。即ち、該内周面がステアリングギヤボックス
との間で摺動性を有することで、両者を組み付ける際、
本ダストシールに対してステアリングギヤボックスを自
由に摺動させ移動させることができ、両者を迅速及び容
易に所定位置に組み付けることができる。該内周面に摺
動性を付与するには該内周面に潤滑油やグリス等の油脂
類を塗布してもよいが、油脂類を別途用意すると共に塗
布作業を要すること等の問題がある。このため容易かつ
確実に摺動性を付与するには、本ダストシールのうち少
なくとも該内周面を、自己摺動性を付与する添加剤を添
加したゴム材料によって形成することが好ましい。こう
することで該内周面に油脂類を塗布することなく、確実
容易に該内周面に摺動性を付与し、本ダストシールとス
テアリングギヤボックスとを円滑に組み付けることを可
能にする。
スとを円滑に組み付けるには、本ダストシールの該リン
グ部の少なくとも該穴の内周面が摺動性を有することが
好ましい。即ち、該内周面がステアリングギヤボックス
との間で摺動性を有することで、両者を組み付ける際、
本ダストシールに対してステアリングギヤボックスを自
由に摺動させ移動させることができ、両者を迅速及び容
易に所定位置に組み付けることができる。該内周面に摺
動性を付与するには該内周面に潤滑油やグリス等の油脂
類を塗布してもよいが、油脂類を別途用意すると共に塗
布作業を要すること等の問題がある。このため容易かつ
確実に摺動性を付与するには、本ダストシールのうち少
なくとも該内周面を、自己摺動性を付与する添加剤を添
加したゴム材料によって形成することが好ましい。こう
することで該内周面に油脂類を塗布することなく、確実
容易に該内周面に摺動性を付与し、本ダストシールとス
テアリングギヤボックスとを円滑に組み付けることを可
能にする。
【0020】自己摺動性を付与する添加剤としては、ゴ
ムに添加した際にゴムを変質させたりゴム中にうまく分
散しないものでなければ種々のものを使用することがで
きるが、例えば、四フッ化エチレン樹脂、シリコン及び
脂肪酸アミド等を例示することができる。とりわけ、脂
肪酸アミド及びシリコンはゴム中に添加した際に安定で
高摺動性を付与すると共に、これらが添加されたゴム材
料の物性低下が小さいことから好ましい。さらに、脂肪
酸アミドのうちのオレイン酸アミドを使用することが一
層好ましく、オレイン酸アミドを添加されたゴム材料は
極めて安定性が高く高摺動性を有しさらにゴム材料の物
性低下が小さい。該添加剤の添加量(該添加剤とゴム材
料とを含んだ全体材料に対する該添加剤の重量割合)
は、あまり少ないと十分な摺動性が得られずまたあまり
多いと材料の物性低下が大きくなるので、これら条件を
両立する範囲とされることが望ましく、通常、2%〜3
0%の範囲とされることが好ましい。例えば、該添加剤
としてオレイン酸アミドを使用した場合であれば、添加
量を5%〜15%の範囲とすればよく、さらに好ましく
は7%〜11%の範囲とする。
ムに添加した際にゴムを変質させたりゴム中にうまく分
散しないものでなければ種々のものを使用することがで
きるが、例えば、四フッ化エチレン樹脂、シリコン及び
脂肪酸アミド等を例示することができる。とりわけ、脂
肪酸アミド及びシリコンはゴム中に添加した際に安定で
高摺動性を付与すると共に、これらが添加されたゴム材
料の物性低下が小さいことから好ましい。さらに、脂肪
酸アミドのうちのオレイン酸アミドを使用することが一
層好ましく、オレイン酸アミドを添加されたゴム材料は
極めて安定性が高く高摺動性を有しさらにゴム材料の物
性低下が小さい。該添加剤の添加量(該添加剤とゴム材
料とを含んだ全体材料に対する該添加剤の重量割合)
は、あまり少ないと十分な摺動性が得られずまたあまり
多いと材料の物性低下が大きくなるので、これら条件を
両立する範囲とされることが望ましく、通常、2%〜3
0%の範囲とされることが好ましい。例えば、該添加剤
としてオレイン酸アミドを使用した場合であれば、添加
量を5%〜15%の範囲とすればよく、さらに好ましく
は7%〜11%の範囲とする。
【0021】ステアリングギヤボックスと嵌合する環状
突起及び/又は環状溝を、該リング部が該穴の内周に備
えるようにしてもよい。こうすることでリング部とステ
アリングギヤボックスとの取付を環状突起及び/又は環
状溝が行うことから、格別の取付部品(例えば、リング
部を外側から締めつける金属製バンド)を要することな
く確実及び容易に両者を取り付けることができる。これ
は取付部品を必要としないことから部品点数を減少させ
ることで、部品コスト及び組立作業コストの両コストを
削減することができる。なお、該内周に環状突起を備え
る場合にはステアリングギヤボックスの対応する位置に
該環状突起と嵌合する環状溝が形成され、該内周に環状
溝を備える場合にはステアリングギヤボックスの対応す
る位置に該環状溝と嵌合する環状突起が形成される。ま
た、該穴の内周は、環状突起と環状溝とのいずれか一方
のみを備えても、両方を備えてもよい。さらに、該穴の
内周が備える環状突起と環状溝とは単数であっても複数
であってもよい。
突起及び/又は環状溝を、該リング部が該穴の内周に備
えるようにしてもよい。こうすることでリング部とステ
アリングギヤボックスとの取付を環状突起及び/又は環
状溝が行うことから、格別の取付部品(例えば、リング
部を外側から締めつける金属製バンド)を要することな
く確実及び容易に両者を取り付けることができる。これ
は取付部品を必要としないことから部品点数を減少させ
ることで、部品コスト及び組立作業コストの両コストを
削減することができる。なお、該内周に環状突起を備え
る場合にはステアリングギヤボックスの対応する位置に
該環状突起と嵌合する環状溝が形成され、該内周に環状
溝を備える場合にはステアリングギヤボックスの対応す
る位置に該環状溝と嵌合する環状突起が形成される。ま
た、該穴の内周は、環状突起と環状溝とのいずれか一方
のみを備えても、両方を備えてもよい。さらに、該穴の
内周が備える環状突起と環状溝とは単数であっても複数
であってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基
づき図面を参照して詳述するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
づき図面を参照して詳述するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0023】図1は、一実施例の本ダストシールの上面
図である。図1を参照して、ダストシール11は、ステ
アリングギヤボックス(図示せず)が密接して貫通する
穴13を有する。穴13は、それを取り囲むゴム製の厚
肉のリング部15によって規定されている。リング部1
5は、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分17を介して
ゴム製のダストシール本体19に連なっている。ダスト
シール本体19は、コラムホール(図示せず)の周囲に
おいてダッシュパネル(図示せず)に当接するためのフ
ランジ21を備えている。ダストシール11は、ダスト
シール本体19を裏打ちする金属製の裏打ち(金属フラ
ンジ部分43のみしか図1においては見えない)をさら
に備える。本実施例では金属製の裏打ち41を備えてい
るが、必ずしも裏打ちを備える必要はなく、またダスト
シール本体19を覆う金属製のカバーを備えてもよい。
フランジ21には、フランジ21をダッシュパネル(図
示せず)に取り付けるボルト(図示せず)を貫装するた
めの貫通孔27が複数形成されている。リング部15
の、穴13の内周面は、ゴム材料100重量部とオレイ
ン酸アミド10重量部とを混合した材料によって形成さ
れており、自己摺動性を有する。本実施例では自己摺動
性を付与する添加剤としてオレイン酸アミドを使用して
いるが、その他の添加剤例えばシリコンを使用しても、
また複数の添加剤を混合して使用してもよい。穴13の
内周は、ステアリングギヤボックス(図示せず)と嵌合
する環状突起23と環状溝25とを備えている。環状突
起23と環状溝25とは、穴13の内周に沿って連続し
て形成されており、ステアリングギヤボックスと嵌合す
るので、ステアリングギヤボックス(図示せず)とリン
グ部15とを固定する格別の部品を要さない。
図である。図1を参照して、ダストシール11は、ステ
アリングギヤボックス(図示せず)が密接して貫通する
穴13を有する。穴13は、それを取り囲むゴム製の厚
肉のリング部15によって規定されている。リング部1
5は、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分17を介して
ゴム製のダストシール本体19に連なっている。ダスト
シール本体19は、コラムホール(図示せず)の周囲に
おいてダッシュパネル(図示せず)に当接するためのフ
ランジ21を備えている。ダストシール11は、ダスト
シール本体19を裏打ちする金属製の裏打ち(金属フラ
ンジ部分43のみしか図1においては見えない)をさら
に備える。本実施例では金属製の裏打ち41を備えてい
るが、必ずしも裏打ちを備える必要はなく、またダスト
シール本体19を覆う金属製のカバーを備えてもよい。
フランジ21には、フランジ21をダッシュパネル(図
示せず)に取り付けるボルト(図示せず)を貫装するた
めの貫通孔27が複数形成されている。リング部15
の、穴13の内周面は、ゴム材料100重量部とオレイ
ン酸アミド10重量部とを混合した材料によって形成さ
れており、自己摺動性を有する。本実施例では自己摺動
性を付与する添加剤としてオレイン酸アミドを使用して
いるが、その他の添加剤例えばシリコンを使用しても、
また複数の添加剤を混合して使用してもよい。穴13の
内周は、ステアリングギヤボックス(図示せず)と嵌合
する環状突起23と環状溝25とを備えている。環状突
起23と環状溝25とは、穴13の内周に沿って連続し
て形成されており、ステアリングギヤボックスと嵌合す
るので、ステアリングギヤボックス(図示せず)とリン
グ部15とを固定する格別の部品を要さない。
【0024】図2は、図1に示された一実施例の本ダス
トシールの下面図である。図2を参照して、ダストシー
ル11は、ステアリングギヤボックス(図示せず)が密
接して貫通する穴13を有する。穴13は、それを取り
囲むゴム製の厚肉のリング部15によって規定されてい
る。リング部15は、その外周に連なるゴム製の蛇腹部
分17を介してゴム製のダストシール本体19(図2に
おいては裏打ち41に隠れて見えない。)に連なってい
る。なお、図2においては構造を理解しやすくするため
に、穴13を取り囲んで取り付けられた遮音目的のスポ
ンジを取り外した状態を示している。ダストシール11
は、ダストシール本体19を裏打ちする金属製の裏打ち
41をさらに備える。金属製の裏打ち41は金属フラン
ジ部分43を有する。金属フランジ部分43は、フラン
ジ21(図2においては金属フランジ部分43に隠れて
見えない。)の両面のうちダッシュパネル(図示せず)
よりも遠方に位置する面(本実施例では、図1において
フランジ21の図示された面の裏面)に面するように配
置され、フランジ21をダッシュパネル(図示せず)に
取り付けるボルト(図示せず)を貫装するための貫通孔
27(図2においては金属フランジ部分43に隠れて見
えない。)を取り囲むように形成されている。従って、
金属フランジ部分43は、貫通孔27に対応する位置に
開口45を有しており、貫通孔27と開口45との両方
を1本のボルトが貫通することができるようになってい
る。穴13の内周は、ステアリングギヤボックス(図示
せず)と嵌合する環状突起23と環状溝25とを備えて
おり、環状突起23と環状溝25とは、穴13の内周に
沿って連続して形成されている。
トシールの下面図である。図2を参照して、ダストシー
ル11は、ステアリングギヤボックス(図示せず)が密
接して貫通する穴13を有する。穴13は、それを取り
囲むゴム製の厚肉のリング部15によって規定されてい
る。リング部15は、その外周に連なるゴム製の蛇腹部
分17を介してゴム製のダストシール本体19(図2に
おいては裏打ち41に隠れて見えない。)に連なってい
る。なお、図2においては構造を理解しやすくするため
に、穴13を取り囲んで取り付けられた遮音目的のスポ
ンジを取り外した状態を示している。ダストシール11
は、ダストシール本体19を裏打ちする金属製の裏打ち
41をさらに備える。金属製の裏打ち41は金属フラン
ジ部分43を有する。金属フランジ部分43は、フラン
ジ21(図2においては金属フランジ部分43に隠れて
見えない。)の両面のうちダッシュパネル(図示せず)
よりも遠方に位置する面(本実施例では、図1において
フランジ21の図示された面の裏面)に面するように配
置され、フランジ21をダッシュパネル(図示せず)に
取り付けるボルト(図示せず)を貫装するための貫通孔
27(図2においては金属フランジ部分43に隠れて見
えない。)を取り囲むように形成されている。従って、
金属フランジ部分43は、貫通孔27に対応する位置に
開口45を有しており、貫通孔27と開口45との両方
を1本のボルトが貫通することができるようになってい
る。穴13の内周は、ステアリングギヤボックス(図示
せず)と嵌合する環状突起23と環状溝25とを備えて
おり、環状突起23と環状溝25とは、穴13の内周に
沿って連続して形成されている。
【0025】図3は、図2のA−A断面図である。図3
を参照して、ダストシール11は、ステアリングギヤボ
ックス(図示せず)が密接して貫通する穴13を有す
る。穴13は、それを取り囲むゴム製の厚肉のリング部
15によって規定されている。リング部15は、その外
周に連なるゴム製の蛇腹部分17を介してゴム製のダス
トシール本体19に連なっている。図3中において、リ
ング部15の中心軸に対して平行方向(図3では該中心
軸の延長線となっている)を線Xによって示し、該中心
軸に対して垂直方向を線Yによって示している。該中心
軸に対して平行方向をX方向とし、該中心軸に対して垂
直方向をY方向とする。また、線Xと線Yとを含む面に
対して垂直な方向のうち手前に向かう方向(図面に垂直
な手前方向)をZ方向とする。蛇腹部分17は同心円状
(蛇腹部分17を構成する山部と谷部とが該中心軸に対
して同心円になるように形成されており、互いに隣接す
る山部と谷部との複数の中間部分がリング部中心軸に対
して垂直な同一面(YZ平面に平行な面)にほぼ含ま
れ、蛇腹部分17の中心部分が周辺部分に比してX方向
に突出したり引っ込んだりしていない)に形成されてい
る。このためステアリングギヤボックス(図示せず)
の、リング部15の中心軸に対して平行方向(図3中、
X方向)への許容変位を大きくすると共に、ダストシー
ル11をコンパクトな形状にしている。ダストシール1
1の内側に、穴13を取り囲んで取り付けられたEPD
Mゴムによって形成されたスポンジ61が備えられてい
る。スポンジ61は、穴13の周りでドーナツ形状を有
しており、蛇腹部分17を覆うように取り付けられてい
る。スポンジ61は、エンジンルームから車室への騒音
侵入を効果的に低減する。ダストシール11の、音圧レ
ベルでみた透過損失値(オーバーオール値、25HZ〜
10KHZ、単位dB)が、スポンジ61を取り付けて
いない場合には34.5dBであったのに対し、スポン
ジ61を取り付けた場合には42.3dBとなった。従
って、両者間に約8dB弱の差が生じ、スポンジ61が
大きな遮音効果を有することがわかった。ダストシール
本体19は、コラムホール(図示せず)の周囲において
ダッシュパネル(図示せず)に当接するためのフランジ
21を備えている。ダストシール11は、ダストシール
本体19を裏打ちする金属製の裏打ち41をさらに備え
る。ダストシール本体19と裏打ち41との間に隙間5
1が形成されており、遮音性を高めている。金属製の裏
打ち41は金属フランジ部分43を有する。フランジ2
1と裏打ち41とを取り付けるための、金属フランジ部
分43の孔と嵌合する突起22がフランジ21に形成さ
れている(図中、突起22は金属フランジ部分43の孔
と嵌合している。)。穴13の内周は、ステアリングギ
ヤボックス(図示せず)と嵌合する環状突起23と環状
溝25とを備えている。
を参照して、ダストシール11は、ステアリングギヤボ
ックス(図示せず)が密接して貫通する穴13を有す
る。穴13は、それを取り囲むゴム製の厚肉のリング部
15によって規定されている。リング部15は、その外
周に連なるゴム製の蛇腹部分17を介してゴム製のダス
トシール本体19に連なっている。図3中において、リ
ング部15の中心軸に対して平行方向(図3では該中心
軸の延長線となっている)を線Xによって示し、該中心
軸に対して垂直方向を線Yによって示している。該中心
軸に対して平行方向をX方向とし、該中心軸に対して垂
直方向をY方向とする。また、線Xと線Yとを含む面に
対して垂直な方向のうち手前に向かう方向(図面に垂直
な手前方向)をZ方向とする。蛇腹部分17は同心円状
(蛇腹部分17を構成する山部と谷部とが該中心軸に対
して同心円になるように形成されており、互いに隣接す
る山部と谷部との複数の中間部分がリング部中心軸に対
して垂直な同一面(YZ平面に平行な面)にほぼ含ま
れ、蛇腹部分17の中心部分が周辺部分に比してX方向
に突出したり引っ込んだりしていない)に形成されてい
る。このためステアリングギヤボックス(図示せず)
の、リング部15の中心軸に対して平行方向(図3中、
X方向)への許容変位を大きくすると共に、ダストシー
ル11をコンパクトな形状にしている。ダストシール1
1の内側に、穴13を取り囲んで取り付けられたEPD
Mゴムによって形成されたスポンジ61が備えられてい
る。スポンジ61は、穴13の周りでドーナツ形状を有
しており、蛇腹部分17を覆うように取り付けられてい
る。スポンジ61は、エンジンルームから車室への騒音
侵入を効果的に低減する。ダストシール11の、音圧レ
ベルでみた透過損失値(オーバーオール値、25HZ〜
10KHZ、単位dB)が、スポンジ61を取り付けて
いない場合には34.5dBであったのに対し、スポン
ジ61を取り付けた場合には42.3dBとなった。従
って、両者間に約8dB弱の差が生じ、スポンジ61が
大きな遮音効果を有することがわかった。ダストシール
本体19は、コラムホール(図示せず)の周囲において
ダッシュパネル(図示せず)に当接するためのフランジ
21を備えている。ダストシール11は、ダストシール
本体19を裏打ちする金属製の裏打ち41をさらに備え
る。ダストシール本体19と裏打ち41との間に隙間5
1が形成されており、遮音性を高めている。金属製の裏
打ち41は金属フランジ部分43を有する。フランジ2
1と裏打ち41とを取り付けるための、金属フランジ部
分43の孔と嵌合する突起22がフランジ21に形成さ
れている(図中、突起22は金属フランジ部分43の孔
と嵌合している。)。穴13の内周は、ステアリングギ
ヤボックス(図示せず)と嵌合する環状突起23と環状
溝25とを備えている。
【0026】図4は、裏打ち41を取り除いたダストシ
ール11の部分拡大断面図である。図4の切断面は図3
の切断面と同一である(従って、図3のダストシール1
1の上端部分から裏打ち41を取り除いて示したものと
同一である)。図4を参照して、ダストシール11は穴
13を有し、穴13は、それを取り囲むゴム製の厚肉の
リング部15によって規定されている。リング部15
は、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分17を介してゴ
ム製のダストシール本体19に連なっている。蛇腹部分
17は、リング部15に近い方から、山部17a、谷部
17bそして山部17cからなっている。従って、本実
施例の蛇腹部分17は2個の山部(17a、17c)と
1個の谷部(17b)とによって構成されているが、蛇
腹部分を構成する山部及び谷部の個数は様々に変更され
てよい。リング部15の中心軸に対して平行方向を線X
によって示し、該中心軸に対して垂直方向を線Yによっ
て示している。該中心軸に対して平行方向をX方向と
し、該中心軸に対して垂直方向をY方向とする。また、
線Xと線Yとを含む面に対して垂直な方向のうち手前に
向かう方向(図面に垂直な手前方向)をZ方向とする。
蛇腹部分17は同心円状(山部17a、谷部17bそし
て山部17cのいずれもリング部15の中心軸を中心と
して同心円を形成し、互いに隣接する山部と谷部との複
数の中間部分(山部17aと谷部17bとの中間部分1
7dと、山部17cと谷部17bとの中間部分17e
と、の両方)がリング部中心軸に対して垂直な同一面
(YZ平面に平行な面)にほぼ含まれ、蛇腹部分17の
中心部分(例えば、山部17a)が周辺部分(例えば、
山部17c)に比してX方向に突出したり引っ込んだり
していない)に形成されている。このためステアリング
ギヤボックス(図示せず)の、リング部15の中心軸に
対して平行方向(図3中、X方向)への許容変位を大き
くすると共に、ダストシール11をコンパクトな形状に
している。ダストシール11の内側に、穴13を取り囲
んで取り付けられたスポンジ61が、蛇腹部分17を覆
うように取り付けられている。穴13の内周は、ステア
リングギヤボックス(図示せず)と嵌合する環状突起2
3と環状溝25とを備えている。
ール11の部分拡大断面図である。図4の切断面は図3
の切断面と同一である(従って、図3のダストシール1
1の上端部分から裏打ち41を取り除いて示したものと
同一である)。図4を参照して、ダストシール11は穴
13を有し、穴13は、それを取り囲むゴム製の厚肉の
リング部15によって規定されている。リング部15
は、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分17を介してゴ
ム製のダストシール本体19に連なっている。蛇腹部分
17は、リング部15に近い方から、山部17a、谷部
17bそして山部17cからなっている。従って、本実
施例の蛇腹部分17は2個の山部(17a、17c)と
1個の谷部(17b)とによって構成されているが、蛇
腹部分を構成する山部及び谷部の個数は様々に変更され
てよい。リング部15の中心軸に対して平行方向を線X
によって示し、該中心軸に対して垂直方向を線Yによっ
て示している。該中心軸に対して平行方向をX方向と
し、該中心軸に対して垂直方向をY方向とする。また、
線Xと線Yとを含む面に対して垂直な方向のうち手前に
向かう方向(図面に垂直な手前方向)をZ方向とする。
蛇腹部分17は同心円状(山部17a、谷部17bそし
て山部17cのいずれもリング部15の中心軸を中心と
して同心円を形成し、互いに隣接する山部と谷部との複
数の中間部分(山部17aと谷部17bとの中間部分1
7dと、山部17cと谷部17bとの中間部分17e
と、の両方)がリング部中心軸に対して垂直な同一面
(YZ平面に平行な面)にほぼ含まれ、蛇腹部分17の
中心部分(例えば、山部17a)が周辺部分(例えば、
山部17c)に比してX方向に突出したり引っ込んだり
していない)に形成されている。このためステアリング
ギヤボックス(図示せず)の、リング部15の中心軸に
対して平行方向(図3中、X方向)への許容変位を大き
くすると共に、ダストシール11をコンパクトな形状に
している。ダストシール11の内側に、穴13を取り囲
んで取り付けられたスポンジ61が、蛇腹部分17を覆
うように取り付けられている。穴13の内周は、ステア
リングギヤボックス(図示せず)と嵌合する環状突起2
3と環状溝25とを備えている。
【0027】図5は、リング部15の中心軸方向のうち
ダストシール11外側方向から穴13、リング部15及
び蛇腹部分17を見たところを示す部分正面図である。
図5を参照して、穴13の周囲には、それを規定するゴ
ム製の厚肉のリング部15が形成されている。リング部
15は、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分17を介し
てゴム製のダストシール本体19に連なっている。蛇腹
部分17は、リング部15に近い方から、山部17a、
谷部17bそして山部17cからなっている。本実施例
の蛇腹部分17は同心円状(山部17a、谷部17bそ
して山部17cのいずれもリング部15の中心を中心と
して同心円を形成し、山部17aと山部17cとが同一
平面に接するように形成されている。)に形成されてい
る。なお、山部17cは連続した環状になっていないが
(図中、逆C状になっている)、山部17aと同様に連
続した環状としてもよい。穴13の内周は、ステアリン
グギヤボックス(図示せず)と嵌合する環状突起23を
備えている(環状溝は見えない。)。
ダストシール11外側方向から穴13、リング部15及
び蛇腹部分17を見たところを示す部分正面図である。
図5を参照して、穴13の周囲には、それを規定するゴ
ム製の厚肉のリング部15が形成されている。リング部
15は、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分17を介し
てゴム製のダストシール本体19に連なっている。蛇腹
部分17は、リング部15に近い方から、山部17a、
谷部17bそして山部17cからなっている。本実施例
の蛇腹部分17は同心円状(山部17a、谷部17bそ
して山部17cのいずれもリング部15の中心を中心と
して同心円を形成し、山部17aと山部17cとが同一
平面に接するように形成されている。)に形成されてい
る。なお、山部17cは連続した環状になっていないが
(図中、逆C状になっている)、山部17aと同様に連
続した環状としてもよい。穴13の内周は、ステアリン
グギヤボックス(図示せず)と嵌合する環状突起23を
備えている(環状溝は見えない。)。
【0028】本発明は上記した実施例に限定されるもの
でないことは言うまでもなく、さらに、特許請求の範囲
と実質的に均等の範囲のものまで含む。
でないことは言うまでもなく、さらに、特許請求の範囲
と実質的に均等の範囲のものまで含む。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、ス
テアリングギヤボックスが密接して貫通する穴を規定す
るゴム製のリング部が、その外周に連なるゴム製の蛇腹
部分を介してゴム製のダストシール本体に連なることに
よって、リング部の動きが蛇腹部分の伸縮によって吸収
されるので、コラムホールとステアリングギヤボックス
との大きな位置関係変化を許容し、ステアリング機構の
円滑な組み立て、ダストシールの、ステアリングギヤボ
ックスとの密接部分からの水分侵入防止、そしてダスト
シールへの応力集中による低寿命化防止を可能ならしめ
る。
ので、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、ス
テアリングギヤボックスが密接して貫通する穴を規定す
るゴム製のリング部が、その外周に連なるゴム製の蛇腹
部分を介してゴム製のダストシール本体に連なることに
よって、リング部の動きが蛇腹部分の伸縮によって吸収
されるので、コラムホールとステアリングギヤボックス
との大きな位置関係変化を許容し、ステアリング機構の
円滑な組み立て、ダストシールの、ステアリングギヤボ
ックスとの密接部分からの水分侵入防止、そしてダスト
シールへの応力集中による低寿命化防止を可能ならしめ
る。
【図1】一実施例の本ダストシールの上面図である。
【図2】図1に示されたダストシールの下面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図1乃至図3に示されたダストシールから裏打
ちを取り除いたものの部分拡大断面図である。
ちを取り除いたものの部分拡大断面図である。
【図5】図1乃至図3に示されたダストシールの部分正
面図である。
面図である。
【図6】ステアリング機構の概略図である。
11、501 ダストシール 13 穴 15 リング部 17 蛇腹部分 17a、17c 山部 17b 谷部 17d、17e 山部と谷部との中間部分 19 ダストシール本体 21 フランジ 22 突起 23 環状突起 25 環状溝 27 貫通孔 41 裏打ち 43 金属フランジ部分 45 開口 51 隙間 61 スポンジ 100 エンジンルーム 200 車室 300 ダッシュパネル 302 コラムホール 401 ステアリングホイール 403 第一のステアリングシャフト 404 ステアリングコラム 405 第一の自在継手 407 第二のステアリングシャフト 409 第二の自在継手 411 ステアリングギヤボックス 413 金属製バンド(取付部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 英明 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 添田 敏美 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内 (72)発明者 小山 照夫 東京都大田区下丸子四丁目21番1号 三菱 自動車エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 藤原 晃也 岡山県倉敷市上富井58番地 丸五ゴム工業 株式会社内 (72)発明者 磯野 敏雄 岡山県倉敷市上富井58番地 丸五ゴム工業 株式会社内 (72)発明者 重 一善 岡山県倉敷市上富井58番地 丸五ゴム工業 株式会社内 (72)発明者 奥山 伸一 岡山県倉敷市上富井58番地 丸五ゴム工業 株式会社内
Claims (15)
- 【請求項1】自動車のエンジンルームと車室との間を仕
切るダッシュパネルに形成された、ステアリングシャフ
トを挿通するためのコラムホールを覆うためのステアリ
ング用ダストシールであって、 該ステアリングシャフトの先端に取り付けられたステア
リングギヤボックスが密接して貫通する穴を有し、 該穴が、それを取り囲むゴム製の厚肉のリング部によっ
て規定されており、 該リング部が、その外周に連なるゴム製の蛇腹部分を介
してゴム製のダストシール本体に連なっており、 該ダストシール本体は、該コラムホールの周囲において
該ダッシュパネルに当接するためのフランジを備えるも
のである、ダストシール。 - 【請求項2】該ダストシール本体を裏打ちする金属製の
裏打ちをさらに備えるものである、請求項1に記載のダ
ストシール。 - 【請求項3】該ダストシール本体と該裏打ちとの間に隙
間が形成されているものである、請求項2に記載のダス
トシール。 - 【請求項4】該フランジの両面のうち該ダッシュパネル
よりも遠方に位置する面に面するように配置された金属
フランジ部分であって、該フランジを該ダッシュパネル
に取り付ける取付部材を貫装するための該フランジに形
成された貫通孔を取り囲むように形成された金属フラン
ジ部分を、該裏打ちが有するものである、請求項2又は
3に記載のダストシール。 - 【請求項5】該ダストシール本体を覆う金属製のカバー
をさらに備えるものである、請求項1に記載のダストシ
ール。 - 【請求項6】該ダストシール本体と該カバーとの間に隙
間が形成されているものである、請求項5に記載のダス
トシール。 - 【請求項7】該フランジの両面のうち該ダッシュパネル
よりも遠方に位置する面に面するように配置された金属
フランジ部分であって、該フランジを該ダッシュパネル
に取り付ける取付部材を貫装するための該フランジに形
成された貫通孔を取り囲むように形成された金属フラン
ジ部分を、該カバーが有するものである、請求項5又は
6に記載のダストシール。 - 【請求項8】該ダストシールの内側及び/又は外側に、
該穴を取り囲んで取り付けられた柔軟性を有する遮音材
をさらに備えたものである、請求項1乃至7のいずれか
に記載のダストシール。 - 【請求項9】該遮音材が、内部に空泡を有するスポンジ
状である、請求項8に記載のダストシール。 - 【請求項10】該遮音材が該蛇腹部分を覆うように取り
付けられているものである、請求項8又は9に記載のダ
ストシール。 - 【請求項11】該蛇腹部分が同心円状に形成されたもの
である、請求項1乃至10のいずれかに記載のダストシ
ール。 - 【請求項12】該リング部の少なくとも該穴の内周面
が、自己摺動性を付与する添加剤を添加したゴム材料に
よって形成されているものである、請求項1乃至11の
いずれかに記載のダストシール。 - 【請求項13】該添加剤が脂肪酸アミド及び/又はシリ
コンである、請求項12に記載のダストシール。 - 【請求項14】該脂肪酸アミドがオレイン酸アミドであ
る、請求項13に記載のステアリング用ダストシール。 - 【請求項15】該ステアリングギヤボックスと嵌合する
環状突起及び/又は環状溝を該リング部が該穴の内周に
備えているものである、請求項1乃至14のいずれかに
記載のダストシール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14843998A JPH11321666A (ja) | 1998-05-12 | 1998-05-12 | 自動車のステアリング用ダストシール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14843998A JPH11321666A (ja) | 1998-05-12 | 1998-05-12 | 自動車のステアリング用ダストシール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11321666A true JPH11321666A (ja) | 1999-11-24 |
Family
ID=15452828
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14843998A Pending JPH11321666A (ja) | 1998-05-12 | 1998-05-12 | 自動車のステアリング用ダストシール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11321666A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001280510A (ja) * | 2000-03-28 | 2001-10-10 | Nok Corp | 密封構造 |
KR100391647B1 (ko) * | 2000-12-28 | 2003-07-12 | 현대자동차주식회사 | 차량용 더스트 커버 |
JP2006111189A (ja) * | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Honda Motor Co Ltd | ステアリングジョイントカバー |
JP2014024424A (ja) * | 2012-07-26 | 2014-02-06 | Inoac Corp | コラムホールカバー |
CN113978387A (zh) * | 2021-10-28 | 2022-01-28 | 诺博橡胶制品有限公司 | 转向轴防尘结构 |
-
1998
- 1998-05-12 JP JP14843998A patent/JPH11321666A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001280510A (ja) * | 2000-03-28 | 2001-10-10 | Nok Corp | 密封構造 |
KR100391647B1 (ko) * | 2000-12-28 | 2003-07-12 | 현대자동차주식회사 | 차량용 더스트 커버 |
JP2006111189A (ja) * | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Honda Motor Co Ltd | ステアリングジョイントカバー |
JP4516402B2 (ja) * | 2004-10-18 | 2010-08-04 | 本田技研工業株式会社 | ステアリングジョイントカバー |
JP2014024424A (ja) * | 2012-07-26 | 2014-02-06 | Inoac Corp | コラムホールカバー |
CN113978387A (zh) * | 2021-10-28 | 2022-01-28 | 诺博橡胶制品有限公司 | 转向轴防尘结构 |
CN113978387B (zh) * | 2021-10-28 | 2023-07-25 | 诺博橡胶制品有限公司 | 转向轴防尘结构 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20031209 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040108 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040219 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040317 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |