JPH11321301A - 車両用強化ガラス板 - Google Patents
車両用強化ガラス板Info
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- JPH11321301A JPH11321301A JP10132944A JP13294498A JPH11321301A JP H11321301 A JPH11321301 A JP H11321301A JP 10132944 A JP10132944 A JP 10132944A JP 13294498 A JP13294498 A JP 13294498A JP H11321301 A JPH11321301 A JP H11321301A
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Abstract
形成される強化ガラス板の端部を単に薄肉化するのでは
強度が十分に確保されないおそれがある。このような点
を踏まえ、強度が確保され、フラッシュサーフェス化に
利用できる段差を備えた強化ガラス板を提供する。 【解決手段】 薄肉部の厚さtと厚肉部との厚さTとの
差が0.5mm以上あり、薄肉部の厚さtが厚肉部の厚
さTの半分よりも大きい(t/T>1/2)段差部を、
ガラス板周縁部の少なくとも一部に形成し、このガラス
板を強化処理して車両用強化ガラス板とする。
Description
車用の強化ガラス板に関するものである。
空気抵抗の低減および風切音の解消のために、フラッシ
ュサーフェス化が図られている。フラッシュサーフェス
化は、車体の美観を整えるためにも好ましい。しかし、
車体と窓材とを面一的に配置すると、窓材の端部に装着
されるモールなどの取り付け部材により段差が発生す
る。そこで、このような段差を解消するために、端部に
加工を施した樹脂パネルが提案されている。
は、図8に示すように、端部に段差を設け、薄肉化され
た部分にリテーナ33を埋め込んだ樹脂製パネル31が
開示されている。モール32はリテーナ13の頭部を覆
うように、かつパネル31と面一となるように形成され
る。このパネル31は、リテーナ31および接着剤36
により車体35に取り付けられる。
図9に示すように、テーパー状に加工された端部を有す
る樹脂製パネルが開示されている。このパネル41にお
いても、端部を薄肉化することにより樹脂製パネル41
の表面とモール42の表面との段差が解消され、接着剤
46により車体45に取り付けられた状態では、車体も
含めた窓部全体の表面が面一的に構成されている。ま
た、このパネルでは、表面保護フィルム43とパネル4
1とを射出成形により一体として成形しやすいように、
端部がテーパー状に薄肉化されている。
は、図10に示すように、開閉機構を備えた自動車の窓
に適用される端部を屈曲させた樹脂製パネル51が開示
されている。このパネル51は、図示しないガイド機構
により格納位置から図10に示した閉鎖位置にまで案内
される。この樹脂パネル51も、ウェザーストリップ5
2と嵌合した状態で車体55と面一的な表面を構成する
ようにその端部が加工されている。
パネルは、表面に傷がつきやすい、透明感に欠けるとい
う問題を抱えている。一方、ガラス板は、表面硬度や透
明感では樹脂製パネルよりも優れている。しかし、上記
樹脂製パネルのように端部を制限なく加工すると、強度
上の問題が生じるおそれがある。ガラス板は脆性材料で
あるため、単板で車両の窓に使用される場合には強化処
理が施される。この強化処理は、通常、軟化点付近にま
で加熱したガラス板を急冷することにより行われる。こ
のような風冷強化と呼ばれる処理を施されたガラス板の
表層部分には圧縮応力層が発生し、内部には引っ張り応
力層が発生する。このようなガラス板の安全性は、表層
の圧縮応力により確保されている。従って、ガラス板の
端部を薄肉化する場合には、このような応力層に及ぼす
ガラス板端部の加工の影響を考慮する必要がある。
のであって、車両窓部のフラッシュサーフェス化に好適
であって窓材として必要な強度も確保された車両用強化
ガラス板を提供することを目的とする。
に、本発明の車両用強化ガラス板は、ガラス板の周縁部
の少なくとも一部において前記ガラス板の板厚を薄肉と
した段差部を含み、前記段差部において、薄肉部と厚肉
部との厚さの差が0.5mm以上あり、前記薄肉部の厚
さが前記厚肉部の厚さの半分よりも大きいことを特徴と
する。
とにより、車両窓部のフラッシュサーフェス化に好適で
あって窓材として必要な強度も確保された車両用強化ガ
ラス板を提供することができる。
には3.5mm〜6.0mmであることが好ましい。
を参照しながら説明する。図1は、本発明の車両用強化
ガラス板の一形態の端部近辺を示す断面図である。この
ガラス板1の端面部2は凸型の曲面形状を有している。
ラウンドエッジと呼ばれるこの端面形状は、自動車など
車両用ガラス板に採用されることが多い。この端面部2
は、加熱後に急冷されるときに破壊の端緒となる傷(ク
ラック)が存在しない程度に平滑に仕上げられている。
表面3は部分的に研削され、ガラス板の端部に段差5が
生じている。この端部において、厚さTのガラス板は厚
さτだけ研削されて厚さtへと薄肉化されている。
の形態の端部近辺の断面図である。このガラス板11
は、両方の主表面に段差5、6が設けられている点で、
ガラス板1と相違する。このように、ガラス板には、そ
の両方の主表面13、14に段差を設けても構わない。
この端部においても、厚さTのガラス板は厚さτおよび
τ’だけ研削されて厚さtへと薄肉化されている。
T、薄肉部の厚さt、研削厚さτおよびτ’は、それぞ
れ以下の条件を満たすように定められることが好まし
い。 3.5mm≦T≦6.0mm (1) t/T>1/2 (2) τ≧0.5mm (3) τ’≧0 (4)
度を保つために重要である。t/T≦1/2とすると薄
肉化された端部における強化ガラス板の強度が低下す
る。一方、上記式(3)の条件は、段差部の段差高さを
規定する。式(3)に示されているように、本発明の車
両用強化ガラスにおいては、0.5mm以上の段差が形
成されていることが好ましく、この段差が、車両窓部の
フラッシュサーフェス化のために利用される。
である。図3に示すように、端部の段差は、必ずしもガ
ラス板の周縁部全域に形成する必要はなく、周縁部の少
なくとも一部に形成されていればよい。図3に示した例
は、開閉可能なドアガラスとして用いられるガラス板で
ある。従って、このガラス板には、ガラス板開閉機構に
よりガラス板が上昇して窓が閉鎖されたときに、窓枠に
当接しないガラス端部(下端部)には段差5が形成され
ていない。もっとも、本発明の強化ガラス板は、開閉可
能な窓に限らず、ガラス板が閉鎖状態で固定された窓に
使用することもできる。このような場合、図4に示した
ように、ガラス板13の全周縁部に段差5を形成しても
よい。
方法の例について説明する。フロート法により平板状に
製造され、所定の形状に切断されたガラス板は、まず端
面部が研磨される。この研磨には、例えば図5に示した
ような円筒ホイール21を使用することができる。この
円筒ホイール21は、側面の研磨部23が凹面状に加工
されている。この研磨工程により、ガラス板1の端部
は、図1に示したようなラウンドエッジとされる。
辺領域が研磨される。この研磨には、上記と同様、側面
に研磨部を有する円筒ホイールを用いてもよいが、図6
に示したように回転面上に研磨部24を有するカップリ
ングホイール22を用いてもよい。このような研磨によ
りガラス板の端部の少なくとも一方の主表面に段差が形
成される。
磨に代えてベルトその他により主表面や端面部を研磨す
ることとしてもよい。
多くの場合、成形可能な温度にまで加熱され、所定の形
状を有する型に沿うように曲げ成形される。車両用ガラ
ス板には、デザイン上、空力特性上の理由から曲げガラ
スが採用されることが多いからである。ガラス板は、通
常、用いるガラスの軟化点付近の温度、例えばガラスの
歪み点以上軟化点以下の温度にまで加熱される。加熱さ
れ、必要に応じて曲げ成形されたガラス板には、冷却気
体が吹きつけられる。この急冷工程により、ガラス板の
表層には圧縮応力層が形成されて強化ガラスとなる。
板を製造することができる。この車両用強化ガラス板に
は、必要に応じてモールなどが取り付けられ、車両の窓
にはめ込まれる。この際、この段差部には、段差に対応
した形状を有するモールなどの部材がガラス板の表面と
面一となる表面を構成するようにはめ込まれる。自動車
のドアに多く採用される開閉自在とされたガラス窓で
は、段差部が形成された端部は剥き出しとし、閉鎖状態
でガラス板が当接する部分に段差部に対応した形状を有
するウェザーストリップなどの枠材を配置することが好
ましい。このようにすれば、フラッシュサーフェス化さ
れたガラス窓構造を実現できる。
上に説明した形態に限るものではない。例えばガラス板
の端面部の形状はラウンドエッジに限られない。ガラス
板の形状も、図3および図4に示した形状に限るもので
はない。ガラス板の主表面上に、銀ペースト、セラミッ
クその他の材料を印刷しても構わない。また、ガラス板
を用いる部位も、車両用窓であれば特に限られず、自動
車について例示すれば、サイドウィンドウ、ルーフウィ
ンドウ、バックウィンドウ、ウィンドシールドなどに用
いることができる。
明する。図1に示したような端部を有し、板厚比t/T
が異なる値となるように研削して強化したガラス板を、
上記に説明したような方法により作製した。なお、ガラ
ス板としては、緑色透明のソーダライムガラス板を用
い、板厚は、3.5mm、5mmまたは6mmとした。
このガラス板の薄肉化した端部について曲げ試験を実施
し、板厚比t/Tとガラス板の曲げ強度との関係を調査
した。各板厚のガラス板の端部を研削していない場合
(板厚比t/T=1)の割れ荷重に対する各ガラス板の
割れ荷重の比率を図7に示す。
てもt/T≦1/2の範囲で大きくガラス板の曲げ強度
が低下することがわかった。一方、t/T>1/2の範
囲では、端部を薄肉化しても端部を加工していない強化
ガラス板と実質的には遜色のない曲げ強度が得られるこ
とが確認された(具体的にはt/T=1の場合の平均強
度の80%以上の強度が確保された)。
板よりも破片が細かくしかも鋭利な形状とはならない。
このような破壊の形態は、事故時における人体の安全確
保の観点からは、重要な強化ガラス板の特性である。そ
こで、上記と同様に作製した各ガラス板について破砕試
験を実施した。破砕試験は、JIS R3212に記載
の方法により実施した。結果を表1にまとめて示す。
とおりとした。 面内(段差が形成されていない主表面内): ○:上記JISに定められている基準を満たす。 ×:上記JISに定められている基準を満たさない。 段差部:○:長辺30mm以上の細長破片がない。 △:長辺30mm以上の細長破片が10個未満存在する。 ×:長辺30mm以上の細長破片が10個以上存在する。
囲では、段差部から生じた破片が大きくなったが、t/
T>1/2の範囲では、段差部から生じた破片は十分に
小さくなった。
薄肉部と厚肉部との厚さの差が0.5mm以上あり、前
記薄肉部の厚さが前記厚肉部の厚さの半分よりも大きい
段差部を、ガラス板周縁部の少なくとも一部に形成する
ことにより、車両窓部のフラッシュサーフェス化に好適
であって窓材として必要な強度も確保された車両用強化
ガラス板とすることができる。
を示す断面図である。
付近を示す断面図である。
ある。
図である。
を示す図である。
を示す図である。
部と厚肉部の厚さの比t/Tとガラス板曲げ強度との関
係を示す図である。
ュサーフェス化された車両窓の例を示す図である。
ュサーフェス化された車両窓の例を示す別の図である。
シュサーフェス化され、開閉自在とされた車両窓の例を
示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ガラス板の周縁部の少なくとも一部にお
いて前記ガラス板の板厚を薄肉とした段差部を含み、前
記段差部において、薄肉部と厚肉部との厚さの差が0.
5mm以上あり、前記薄肉部の厚さが前記厚肉部の厚さ
の半分よりも大きいことを特徴とする車両用強化ガラス
板。 - 【請求項2】 前記ガラス板の厚さが3.5mm〜6.
0mmである請求項1に記載の車両用強化ガラス板。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP13294498A JP3865931B2 (ja) | 1998-05-15 | 1998-05-15 | 車両用強化ガラス板 |
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