JPH11320878A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH11320878A
JPH11320878A JP10135788A JP13578898A JPH11320878A JP H11320878 A JPH11320878 A JP H11320878A JP 10135788 A JP10135788 A JP 10135788A JP 13578898 A JP13578898 A JP 13578898A JP H11320878 A JPH11320878 A JP H11320878A
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JP
Japan
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diaphragm
nozzle
liquid chamber
jet head
pressurized liquid
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Application number
JP10135788A
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English (en)
Inventor
Atsushi Takaura
淳 高浦
Masanori Horiie
正紀 堀家
Yoichiro Miyaguchi
耀一郎 宮口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歩留まりが悪く、コストが高くなる。 【解決手段】 D31型圧電素子1をダイヤフラム振動
板2に接合し、ダイヤフラム振動板2とパッシベーショ
ン膜3とを接合し、このパッシベーション膜3と加圧液
室4を形成する隔壁部材5とを接合し、隔壁部材5に剛
体部材で形成した封止部材6を接合し、封止部材6には
加圧液室4に連通するノズル連通路7を形成し、更に封
止部材6の外面にノズル連通路7と軸が一致するノズル
孔9を形成したノズル形成部材8を接合した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ドに関し、特にD31圧電素子を用いるインクジェット
ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリンタ、ファクシミリ、複写
装置等に用いられるインクジェット記録装置の記録ヘッ
ドを構成するインクジェットヘッドとして、インク滴を
吐出する複数のノズルと、各ノズルに対応するインク液
室(「加圧室」或いは「加圧液室」ともいう。)と、こ
のインク液室内のインクを加圧する圧電素子等の電気機
械変換素子或いはヒータ等の電気熱変換素子などのエネ
ルギー発生手段を備え、エネルギー発生手段を記録信号
に応じて駆動することで所要のインク液室内のインクを
加圧してノズルからインク滴を噴射させるものである。
【0003】前者の圧電素子などの電気機械変換素子を
用いたインクジェットヘッドとしては、特公平7−57
545号公報に記載されているように、D33型の圧電
素子の積層体(積層型圧電素子)を用いて振動板を介し
てインク液室を加圧するようにしたもの、特開平9−3
00610号公報に記載されているように、D31型圧
電素子とD33型圧電素子とを併用してD33型圧電素
子の歪エネルギーの振動板への伝達効率を向上させよう
とするもの、特開平6−312505号公報や特開平7
−178902号公報に記載されているように、D31
型圧電素子を用いて振動板を介してインク液室を加圧す
るようにしたものなどが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した積層型圧電素
子を用いるインクジェットヘッドにあっては、圧電素子
の変位を効率的に振動板に伝達することができ、応答の
位相ずれも少ないため、印加電圧波形の適正化によって
振動板を高精度に駆動することができインク滴を安定的
に吐出することができるとともに、インク滴吐出量の制
御も可能であることから、印字ドットの多値化も容易に
行うことができる。
【0005】しかしながら、積層型圧電素子を用いる場
合、大きな変位を得るために多層化を図らなければなら
ないが、圧電素子の多層化には高精度の作製技術を必要
とする。特に、積層境界部に埋設する各電極間のリーク
によるショートを回避し、隣接する吐出チャンネル間の
溝加工などを歩留まりまり良く行うためにはコストがか
かる。最近のインクジェットヘッドは印字ドットの高密
度化が進んでいるため、チャンネル間隔が短くなり、積
層型圧電素子のチャンネル間溝加工精度の高精度化が要
求され、更にコストの増大を招いている。
【0006】他方、D31型圧電素子を用いるインクジ
ェットヘッドにおいても、圧電素子を積層化した構成が
採用されるようになっており、積層化に伴なう問題や高
密度化に対応する上での課題を残している。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、簡単な構成で低コスト化を図れ、高密度化にも対
応できるインクジェットヘッドを提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドは、電気機械変換
素子で振動板部材を介して加圧液室内のインクを加圧
し、この加圧液室に連通するノズルからインク滴を吐出
させるインク滴噴射手段を連続して並置したインクジェ
ットヘッドにおいて、D31型圧電素子をダイヤフラム
振動板に接合し、このダイヤフラム振動板とパッシベー
ション膜とを接合し、このパッシベーション膜と加圧液
室を形成する隔壁とを接合し、この隔壁に剛体部材で形
成した封止層を接合し、この封止層には前記加圧液室に
連通するノズル連通路を形成し、更にこの封止層の外面
に前記ノズル連通路と軸が一致するノズルを形成したノ
ズル形成部材を接合した構成とした。
【0009】請求項2のインクジェットヘッドは、電気
機械変換素子で振動板部材を介して加圧液室内のインク
を加圧し、この加圧液室に連通するノズルからインク滴
を吐出させるインク滴噴射手段を連続して並置したイン
クジェットヘッドにおいて、D31型圧電素子をダイヤ
フラム振動板に接合し、このダイヤフラム振動板とパッ
シベーション膜とを接合し、このパッシベーション膜と
加圧液室を形成する隔壁とを接合し、この隔壁に剛体部
材で形成した封止層を接合し、前記隔壁のうちの隣接配
置した加圧液室間の境界壁とならない部分には前記加圧
液室に連通するノズル連通路を形成し、更に前記隔壁の
外面に前記ノズル連通路と軸が一致するノズルを形成し
たノズル形成部材を接合した構成とした。
【0010】請求項3のインクジェットヘッドは、上記
請求項1又は2のインクジェットヘッドにおいて、イン
ク滴噴射手段のノズル列方向の全幅Wcに対して前記加
圧液室のノズル列方向の幅Weを略0.76Wcとし、
前記加圧液室のノズル列方向の幅Weに対して前記圧電
素子のノズル列方向の幅Wpを略0.7Weとし、前記
加圧液室のノズル列方向の幅Weに対して前記加圧液室
の高さHeを略0.52Weとした構成とした。
【0011】請求項4のインクジェットヘッドは、上記
請求項3のインクジェットヘッドにおいて、インク滴噴
射手段のノズル列方向の全幅Wcに対して前記ダイヤフ
ラム振動板の厚さTdを0.06W以下にした構成とし
た。
【0012】請求項5のインクジェットヘッドは、上記
請求項3又は4のインクジェットヘッドにおいて、イン
ク滴噴射手段のノズル列方向の全幅Wcに対して前記圧
電素子の厚さTpを0.08Wc以下にした構成とし
た。
【0013】請求項6のインクジェットヘッドは、上記
請求項3乃至5のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記ダイヤフラム振動板のヤング率Yが1000
0kg/mm2以下である構成とした。
【0014】請求項7のインクジェットヘッドは、上記
請求項3乃至6のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記ダイヤフラム振動板の前記圧電素子と接合し
ない領域の厚さを前記圧電素子と接合する領域の厚さT
dの1/2以下にした構成とした。
【0015】請求項8のインクジェットヘッドは、上記
請求項3乃至7のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記隔壁と封止層との間にパッシベーション層を
介在した構成とした。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態
に係るインクジェットヘッドのチャンネル方向の要部断
面図である。このインクジェットヘッドは、単層のD3
1型圧電素子1(第1層)の底面にダイヤフラム振動板
2(第2層)を接合している。D31型圧電素子1の上
面及び下面には図示しない電極板を設け、これらの電極
板間に記録信号に応じた電圧を印加することで、圧電素
子1が変形する。また、ダイヤフラム振動板2は圧電素
子1と接合する厚膜部分である接合部(以下「非切断領
域」と称する。)2aと薄膜のダイヤフラム部(以下
「切断領域」という。)2bとを有し、非切断領域2a
を圧電素子1に接着剤を介して接合している。
【0017】このダイヤフラム振動板2の底面にはパッ
シベーション膜3(第3層)を接着剤を介して接合して
いる。このパッシベーション膜3としてはポリイミドフ
ィルムを使用している。また、パッシベーション膜3の
膜厚は、1チャンネルの幅Wcを254μmとしたとき
に約10μmとした。
【0018】このパッシベーション膜3の下面には加圧
液室4を形成する剛性部材からなる隔壁部材5(第4
層)を接着剤を介して接合している。この隔壁部材5と
してはジルコニア(Zr)を使用した。また、隔壁部材
5の厚さはダイヤフラム振動板2の厚さよりも厚く、パ
ッシベーション膜3の厚さよりも厚くしている。
【0019】この隔壁部材5の下面には加圧液室4を封
止する封止部材6(第4層)を接着剤を介して接合し、
封止部材6には加圧液室4に連通するノズル連通路(ノ
ズル管)7を形成している。この封止部材6としてはS
US或いはジルコニア(Zr)を用いている。
【0020】この封止部材6の下面にはノズル形成部材
(ノズルプレート)8を接着剤を介して接合している。
このノズル形成部材8にはノズル孔(オリフィス)9を
形成している。このノズル形成部材8はノズル孔9と封
止部材6のノズル連通路7との軸を合わせて接合してい
る。また、ノズル孔9は、深さ方向の形状が少なくとも
出口側の径が入口側の径よりも小さく、また、ノズル孔
9の内壁の形状が軸対称で曲率を有する形状にしてい
る。
【0021】以上のように構成したこのインクジェット
ヘッドにおいては、単層のD31型圧電素子1の図示し
ない電極間に電圧を印加すると、圧電素子1は横方向に
収縮し、上下方向に膨張する。したがって、圧電素子1
に電圧を印加したときには圧電素子1が底面(下面)側
に凸状に変形して上面側が凹状に変形し、ダイヤフラム
振動板2もパッシベーション膜3を伴なって加圧液室4
側に変形する。これによって、加圧液室4内圧力が上昇
してノズル連通路7を介してノズル孔9からインク滴が
吐出される。
【0022】そして、圧電素子1への印加電圧をオフす
るとダイヤフラム振動板2及びパッシベーション膜3の
変形が回復して初期状態に戻るので、印加電圧のオンオ
フによりダイヤフラム振動板2を連続的に振動させるこ
とができ、ノズル孔9からインク滴を連続的に噴射する
ことができる。
【0023】ここで、ダイヤフラム振動板2と隔壁部材
5との間にパッシベーション膜3を介在させることによ
って加圧液室4内に充填されたインクの接合境界からの
漏洩を確実に防止することができる。前記のようにパッ
シベーション膜3としてポリイミドフィルムを使用する
ことで優れた接合密着性が得られる。また、隔壁部材5
として剛性の高い部材を用いることにより、ダイヤフラ
ム振動板2及びパッシベーション膜3の図中x方向の両
端を支持して変形させることができる。
【0024】また、封止部材6として高剛性の部材を用
いることで加圧液室4内部の圧力上昇時における液室4
の内壁及びノズル連通路7の変形を抑止して噴射特性の
安定化を図ることができる。しかも、加圧液室4の圧力
変動に対する隔壁部材5の変形も小さく、隣接する加圧
液室への相互干渉の影響を抑えることができる。
【0025】さらに、ノズル孔9は、深さ方向の形状が
少なくとも出口側の径が入口側の径よりも小さく、ノズ
ル孔9の内壁の形状が軸対称で曲率を有する形状するこ
とで、連続吐出時の安定性が向上した。
【0026】次に、図2は本発明の第2実施形態に係る
インクジェットヘッドのチャンネル方向の要部断面図、
図3は同インクジェットヘッドのチャンネル方向と直交
する方向の要部断面図である。
【0027】このインクジェットヘッドは、上記第1実
施形態と同様に単層のD31型圧電素子11の底面にダ
イヤフラム振動板12を接着剤を介して接合し、このダ
イヤフラム振動板12の底面にはポリイミドフィルムか
らなるパッシベーション膜13を接着剤を介して接合し
て、このパッシベーション膜13の下面には加圧液室1
4を形成するジルコニア等の剛性部材からなる隔壁部材
15を接着剤を介して接合し、この隔壁部材15の下面
には加圧液室14を封止するSUS或いはジルコニアな
どの高剛性部材からなる封止部材16を接着剤を介して
接合している。
【0028】そして、この隔壁部材15のうちのチャン
ネル間の境界とならない部分15a(図3参照)には加
圧液室14に連通するノズル連通路(ノズル管)17を
形成し、隔壁部材15の部分15aの外面にノズル孔
(オリフィス)19を形成したノズル形成部材(ノズル
プレート)18を接着剤を介して接合している。なお、
ノズル連通路17とノズル孔19との軸を一致させてい
ること、ノズル孔19の形状を深さ方向の形状が少なく
とも出口側の径が入口側の径よりも小さく、ノズル孔9
の内壁の形状が軸対称で曲率を有する形状にしているこ
とはなどは上記第1実施形態と同様である。
【0029】以上のように構成したこのインクジェット
ヘッドにおいても、上記第1実施形態のインクジェット
ヘッドと同様に、単層のD31型圧電素子11の図示し
ない電極間に電圧を印加すると、圧電素子11は横方向
に収縮し、上下方向に膨張する。したがって、圧電素子
11に電圧を印加したときには圧電素子11が底面(下
面)側に凸状に変形して上面側が凹状に変形し、ダイヤ
フラム振動板12もパッシベーション膜13を伴なって
加圧液室14側に変形する。これによって、加圧液室1
4内圧力が上昇してノズル連通路17を介してノズル孔
19からインク滴が吐出される。
【0030】そして、圧電素子11への印加電圧をオフ
するとダイヤフラム振動板12及びパッシベーション膜
13の変形が回復して初期状態に戻るので、印加電圧の
オンオフによりダイヤフラム振動板12を連続的に振動
させることができ、ノズル孔19からインク滴を連続的
に噴射することができる。
【0031】次に、図4以降を参照して、これら各イン
クジェットヘッドにおける各部の寸法の規定について説
明する。まず、図4を参照して、ここでは、次のから
の条件を充足するように各部を設定している。 インク滴噴射手段のノズル列方向の全幅Wcに対し
て加圧液室4のノズル列方向の幅Weを略0.76Wc
とする。 加圧液室4のノズル列方向の幅Weに対して圧電素
子1のノズル列方向の幅Wpを略0.7Weとする。 加圧液室4のノズル列方向の幅Weに対して加圧液
室4の高さHeを略0.52Weとする。
【0032】ここで、条件として、例えばノズルピッ
チ254μmに対応するヘッドの場合、ノズル列方向全
幅Wc=254μmとし、加圧液室のノズル列方向の幅
We=194μm以下とする。このとき、隣接する加圧
液室間の隔壁の厚さは、(254−194)/2*2=
60μmとなる。これにより、隣接加圧液室間隔壁が6
0μm以上となって十分な剛性が得られ、ヘッド駆動時
にチャンネル間相互干渉によって隣接チャンネルの噴射
安定性が低下することを防止できる。
【0033】また、条件において、例えばノズルピッ
チ254μmに対応するヘッドの場合、圧電素子のノズ
ル列方向の幅Wpを略136μmに設定する。圧電素子
のノズル列方向の幅Wpがこの値の近傍にあるとき、ダ
イヤフラム振動板2の変位効率が最も高くなることを確
認した。
【0034】さらに、条件において、同様にノズルピ
ッチが254μmに対応するヘッドの場合、加圧液室の
高さHeを略100μmに設定した。上記第1実施形態
では加圧液室4の幅をX軸方向、高さをZ軸方向にと
り、振動板変位に伴なう加圧液室4の容積変化量と吐出
インク滴量の関係等からY方向の長さを約3mmと定め
た。
【0035】以上のようにインク滴噴射手段のノズル列
方向の全幅Wc、加圧液室4のノズル列方向の幅We、
圧電素子1のノズル列方向の幅Wp、加圧液室4の高さ
Heを設定することによって、隔壁部材5による相互干
渉を防止して、しかもダイヤフラム振動板2の変位量を
大きくとることができ、適正なインク滴吐出量と噴射特
性を得ることができる。
【0036】次に、図5を参照して、ここでは、インク
滴噴射手段のノズル列方向の全幅Wcに対してダイヤフ
ラム振動板2の厚さTdを0.06Wc以下に設定して
いる。ダイヤフラム振動板2の厚さTdは変位量Δzと
相関関係があり、パラメータTdが上記の条件を充足す
ることによって、上記変位量Δzの値を大きくすること
ができることを解明した。例えばノズルピッチ254μ
mのヘッドの場合において、ダイヤフラム振動板2の厚
さTdを15μm以下とすることによって、ダイヤフラ
ム振動板2の変位効率が更に向上する。
【0037】次に、図6を参照して、ここでは、インク
滴噴射手段のノズル列方向の全幅Wcに対して圧電素子
1の厚さTpを0.08Wc以下に設定している。圧電
素子1の厚さTpはダイヤフラム振動板2の変位量Δz
と相関関係があり、パラメータTpが上記の条件を充足
することによって、上記変位量Δzの値を大きくするこ
とができることを解明した。例えばノズルピッチ254
μmのヘッドの場合において、圧電素子1の厚さTpを
20μm以下とすることによって、ダイヤフラム振動板
2の変位効率が更に向上する。
【0038】次に、ダイヤフラム振動板2のヤング率Y
について説明すると、ダイヤフラム振動板2のヤング率
Yを10000kg/mm2以下にする。ダイヤフラム
振動板2のヤング率Yは、ダイヤフラム振動板2の変位
量Δzと相関関係があり、パラメータYが上記の条件を
充足することによって、上記変位量Δzの値を大きくす
ることができる、つまり、圧電素子1への印加電圧に対
するダイヤフラム振動板2の変位効率を高くすることが
できる。例えばノズルピッチ254μmのヘッドの場合
において、ダイヤフラム振動板2のヤング率Yを100
00kg/mm2以下とすることによって、ダイヤフラ
ム振動板2の変位効率が更に向上する。
【0039】次に、図7を参照して、ここでは、ダイヤ
フラム振動板2の切断領域2の厚さTd2をダイヤフラ
ム振動板2の非切断領域2aの厚さTdの1/2以下に
設定している。すなわち、前記各実施形態のインクジェ
ットヘッドにおいて、第1層としてD31型圧電素子1
があり、第2層としてダイヤフラム振動板2がある。こ
のダイヤフラム振動板2はノズル列方向に連続して構成
している。ここで、ダイヤフラム振動板2の圧電素子1
と接合しない領域を深さ方向に切断し、その厚さTd2
を元の厚さTdよりも薄く構成する。この薄い部分の厚
さTd2を切断領域の厚さとする。
【0040】ダイヤフラム振動板2の切断領域の厚さT
d2は、ダイヤフラム振動板2の変位量Δzと相関関係
があり、パラメータTd2が上記の条件を充足すること
によって、上記変位量Δzの値を大きくすることができ
る、つまり、圧電素子1への印加電圧に対するダイヤフ
ラム振動板2の変位効率を高くすることができる。例え
ばノズルピッチ254μmのヘッドの場合において、ダ
イヤフラム振動板2の非切断領域の厚さTdを5μmと
し、切断領域の厚さTd2を2.5μm以下とすること
によって、ダイヤフラム振動板2の変位効率が更に向上
する。
【0041】次に、図8は本発明の第3実施形態に係る
インクジェットヘッドのチャンネル方向の要部断面図で
ある。このインクジェットヘッドは、前記第1実施形態
のインクジェットヘッドにおいて、隔壁部材5と封止部
材6との間にポリイミドフィルムからなるパッシベーシ
ョン層20をそれぞれ接着剤を介して接合している。
【0042】また、図9は本発明の第4実施形態に係る
インクジェットヘッドのチャンネル方向と直交する方向
の要部断面図である。このインクジェットヘッドは、前
記第2実施形態のインクジェットヘッドにおいて、隔壁
部材15と封止部材16との間にポリイミドフィルムか
らなるパッシベーション層20をそれぞれ接着剤を介し
て接合している。
【0043】このように、隔壁部材5、15と封止部材
6、16との間にパッシベーション層20を介装するこ
とにより、隔壁部材5、15と封止部材5、16とが異
なる部材であっても接合密着性が良好になり、層間から
のインクの漏洩を防止することができる。
【0044】この場合、インク滴噴射手段のノズル列方
向の全幅Wcに対して加圧液室のノズル列方向の幅We
を略0.76Wcとし、加圧液室のノズル列方向の幅W
eに対して前記圧電素子のノズル列方向の幅Wpを略
0.7Weとし、加圧液室のノズル列方向の幅Weに対
して加圧液室の高さHeを略0.52Weとし、インク
滴噴射手段のノズル列方向の全幅Wcに対してダイヤフ
ラム振動板の厚さTdを0.06W以下にし、インク滴
噴射手段のノズル列方向の全幅Wcに対して圧電素子の
厚さTpを0.08Wc以下にし、ダイヤフラム振動板
のヤング率Yが10000kg/mm2以下とし、ダイ
ヤフラム振動板の圧電素子と接合しない領域の厚さを圧
電素子と接合する領域の厚さTdの1/2以下にするこ
とで、最も大きなダイヤフラム振動板の変位効果を得る
ことができると共に、加圧液室からのインクの漏洩も防
止できる。
【0045】例えばノズルピッチ254μmのインクジ
ェットヘッドにおいて、以下の〜の構成とすること
によって、ダイヤフラム振動板2の変位効率は最も向上
した。 ダイヤフラム振動板2の非切断領域の厚さTdを1
5μm以下にする。 第1層D31型圧電素子1の厚さTpを20μm以
下にする。 ダイヤフラム振動板2のヤング率Yを10000k
g/mm2以下にする。 ダイヤフラム振動板2における非切断領域の厚さT
dを5μmとし、ダイヤフラム振動板の切断領域の厚さ
Td2を2.5μm以下とする。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッドによれば、電気機械変換素子で振動板部
材を介して加圧液室内のインクを加圧し、この加圧液室
に連通するノズルからインク滴を吐出させるインク滴噴
射手段を連続して並置したインクジェットヘッドにおい
て、D31型圧電素子をダイヤフラム振動板に接合し、
このダイヤフラム振動板とパッシベーション膜とを接合
し、このパッシベーション膜と加圧液室を形成する隔壁
とを接合し、この隔壁に剛体部材で形成した封止層を接
合し、この封止層には加圧液室に連通するノズル連通路
を形成し、更にこの封止層の外面にノズル連通路と軸が
一致するノズルを形成したノズル形成部材を接合した構
成としたので、構成が簡単になり、歩留まりが向上して
低コストで高密度化にも対応できるインクジェットヘッ
ドを得ることができる。
【0047】請求項2のインクジェットヘッドによれ
ば、電気機械変換素子で振動板部材を介して加圧液室内
のインクを加圧し、この加圧液室に連通するノズルから
インク滴を吐出させるインクジェットヘッドにおいて、
D31型圧電素子をダイヤフラム振動板に接合し、この
ダイヤフラム振動板とパッシベーション膜とを接合し、
このパッシベーション膜と加圧液室を形成する隔壁とを
接合し、この隔壁に剛体部材で形成した封止層を接合
し、隔壁のうちの隣接配置した加圧液室間の境界壁とな
らない部分には加圧液室に連通するノズル連通路を形成
し、更に隔壁の外面にノズル連通路と軸が一致するノズ
ルを形成したノズル形成部材を接合した構成としたの
で、構成が簡単になり、歩留まりが向上して低コストで
高密度化にも対応できるインクジェットヘッドを得るこ
とができる。
【0048】請求項3のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1又はインクジェットヘッドにおいて、
インク滴噴射手段のノズル列方向の全幅Wcに対して加
圧液室のノズル列方向の幅Weを略0.76Wcとし、
加圧液室のノズル列方向の幅Weに対して圧電素子のノ
ズル列方向の幅Wpを略0.7Weとし、加圧液室のノ
ズル列方向の幅Weに対して加圧液室の高さHeを略
0.52Weとした構成としたので、相互干渉を防止で
き、振動板の変位量を大きくとることができて適正なイ
ンク滴吐出量を確保することができる。
【0049】請求項4のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項3のインクジェットヘッドにおいて、イ
ンク滴噴射手段のノズル列方向の全幅Wcに対してダイ
ヤフラム振動板の厚さTdを0.06W以下にした構成
としたので、ダイヤフラム振動板の変位効率を向上する
ことができる。
【0050】請求項5のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項3又は4のインクジェットヘッドにおい
て、インク滴噴射手段のノズル列方向の全幅Wcに対し
て圧電素子の厚さTpを0.08Wc以下にした構成と
したので、ダイヤフラム振動板の変位効率を向上するこ
とができる。
【0051】請求項6のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項3乃至5のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、ダイヤフラム振動板のヤング率Yが10
000kg/mm2以下である構成としたので、ダイヤ
フラム振動板の変位効率を向上することができる。
【0052】請求項7のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項3乃至6のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、ダイヤフラム振動板の圧電素子と接合し
ない領域の厚さを圧電素子と接合する領域の厚さTdの
1/2以下にした構成としたので、ダイヤフラム振動板
の変位効率を向上することができる。
【0053】請求項8のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項3乃至7のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、隔壁と封止層との間にパッシベーション
層を介在した構成としたので、加圧液室境界の接合部か
らのインクの漏洩を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘ
ッドのチャンネル方向の要部断面図
【図2】本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘ
ッドのチャンネル方向の要部断面図
【図3】同インクジェットヘッドのチャンネル方向と直
交する方向の要部断面図
【図4】本発明に係るインクジェットヘッドの隔壁部材
及び圧電素子の寸法設定の説明に供する説明図
【図5】本発明に係るインクジェットヘッドのダイヤフ
ラム振動板の寸法設定の説明に供する説明図
【図6】本発明に係るインクジェットヘッドの圧電素子
の寸法設定の説明に供する説明図
【図7】本発明に係るインクジェットヘッドのダイヤフ
ラム振動板の寸法設定の説明に供する説明図
【図8】本発明の第3実施形態に係るインクジェットヘ
ッドのチャンネル方向の要部断面図
【図9】本発明の第4実施形態に係るインクジェットヘ
ッドのチャンネル方向と直交する方向の要部断面図
【符号の説明】
1、11…D31型圧電素子、2、12…ダイヤフラム
振動板、3、13…パッシベーション膜、4、14…加
圧液室、5、15…隔壁部材、6、16…封止部材、
7、17…ノズル連通路、8、18…ノズル形成部材、
9、19…ノズル孔、20…パッシベーション層。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気機械変換素子で振動板部材を介して
    加圧液室内のインクを加圧し、この加圧液室に連通する
    ノズルからインク滴を吐出させるインク滴噴射手段を連
    続して並置したインクジェットヘッドにおいて、D31
    型圧電素子をダイヤフラム振動板に接合し、このダイヤ
    フラム振動板とパッシベーション膜とを接合し、このパ
    ッシベーション膜と加圧液室を形成する隔壁とを接合
    し、この隔壁に剛体部材で形成した封止層を接合し、こ
    の封止層には前記加圧液室に連通するノズル連通路を形
    成し、更にこの封止層の外面に前記ノズル連通路と軸が
    一致するノズルを形成したノズル形成部材を接合したこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 電気機械変換素子で振動板部材を介して
    加圧液室内のインクを加圧し、この加圧液室に連通する
    ノズルからインク滴を吐出させるインク滴噴射手段を連
    続して並置したインクジェットヘッドにおいて、D31
    型圧電素子をダイヤフラム振動板に接合し、このダイヤ
    フラム振動板とパッシベーション膜とを接合し、このパ
    ッシベーション膜と加圧液室を形成する隔壁とを接合
    し、この隔壁に剛体部材で形成した封止層を接合し、前
    記隔壁のうちの隣接配置した加圧液室間の境界壁となら
    ない部分には前記加圧液室に連通するノズル連通路を形
    成し、更に前記隔壁の外面に前記ノズル連通路と軸が一
    致するノズルを形成したノズル形成部材を接合したこと
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のインクジェット
    ヘッドにおいて、インク滴噴射手段のノズル列方向の全
    幅Wcに対して前記加圧液室のノズル列方向の幅Weを
    略0.76Wcとし、前記加圧液室のノズル列方向の幅
    Weに対して前記圧電素子のノズル列方向の幅Wpを略
    0.7Weとし、前記加圧液室のノズル列方向の幅We
    に対して前記加圧液室の高さHeを略0.52Weとし
    たことを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のインクジェットヘッド
    において、インク滴噴射手段のノズル列方向の全幅Wc
    に対して前記ダイヤフラム振動板の厚さTdを0.06
    W以下にしたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載のインクジェット
    ヘッドにおいて、インク滴噴射手段のノズル列方向の全
    幅Wcに対して前記圧電素子の厚さTpを0.08Wc
    以下にしたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項3乃至5のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記ダイヤフラム振動板の
    ヤング率Yが10000kg/mm2以下であることを
    特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項3乃至6のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記ダイヤフラム振動板の
    前記圧電素子と接合しない領域の厚さを前記圧電素子と
    接合する領域の厚さTdの1/2以下にしたことを特徴
    とするインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項3乃至7のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記隔壁と封止層との間に
    パッシベーション層を介在したことを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006192893A (ja) * 2004-12-16 2006-07-27 Brother Ind Ltd 液体移送装置及びその製造方法
JP2014083797A (ja) * 2012-10-25 2014-05-12 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び圧電素子
US9662882B2 (en) 2014-02-12 2017-05-30 Seiko Epson Corporation Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus

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