JPH11254674A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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Publication number
JPH11254674A
JPH11254674A JP5655598A JP5655598A JPH11254674A JP H11254674 A JPH11254674 A JP H11254674A JP 5655598 A JP5655598 A JP 5655598A JP 5655598 A JP5655598 A JP 5655598A JP H11254674 A JPH11254674 A JP H11254674A
Authority
JP
Japan
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liquid chamber
pressurized liquid
nozzle
ink
jet head
Prior art date
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Pending
Application number
JP5655598A
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English (en)
Inventor
Masanori Horiie
正紀 堀家
Yoichiro Miyaguchi
耀一郎 宮口
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to JP5655598A priority Critical patent/JPH11254674A/ja
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで安定したヘッド特性のヘッドを得
られない。 【解決手段】 基板部材21と、基板部材21に設けた
加圧液室22の高さを決める加圧液室部材23と、加圧
液室部材23に設けられ、電圧を印加する電気機械変換
材料からなる駆動層26と電圧を印加しない電気機械変
換材料からなる非駆動層27とを積層したアクチュエー
タ手段25と、加圧液室22にインクを供給する共通イ
ンク流路34及び流体抵抗部35と、加圧液室22から
ノズル30にインクを供給するノズル連通流路36と、
ノズル30を形成したノズル形成部材31とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ドに関し、特に電気機械変換素子をアクチュエータ手段
に用いるインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、ファクシミリ、コピー機等の
画像形成装置として用いられるインクジェット記録装置
の記録ヘッドを構成するインクジェットヘッドとして、
加圧液室の壁面を構成するダイアフラム部を電気機械変
換材料を用いたアクチュエータ手段(エネルギー発生手
段)、例えば圧電素子で変形させて加圧液室内のインク
を加圧することによって、加圧液室に連通するノズル
(インク吐出口)からインク滴を吐出するようにしたも
のが知られている。
【0003】このようなインクジェットヘッドとして、
例えば特開平8−142324号公報に記載されている
ように、基板上に複数の積層型圧電素子を複数列列状に
接合すると共に、圧電素子の周囲に位置するフレーム部
材を接合してなるアクチュエータユニットと、ダイアフ
ラム部を有する振動板上に、圧電素子でダイアフラム部
を介して加圧される加圧液室及びこの液室にインクを供
給する共通液室を形成する液室隔壁部材を積層し、更に
この液室隔壁部材上にノズルを形成したノズルプレート
を積層した液室ユニットとを接合したものがある。
【0004】この場合、積層型圧電素子を複数の圧電素
子を形成する工法として、基板上に積層型圧電素子を接
合した被加工物に対し、ダイシングソーを用いて積層型
圧電素子にスリット加工を施すことで、複数の積層型圧
電素子に分割する方法が知られている(特開平3−73
347号公報参照)
【0005】また、例えば特開平5−29675号公報
に記載されているように酸化ジルコニアからなるセラミ
ック材で加圧液室部材やダイアフラム部を一体的に焼成
して形成したもの、或いは特開平6−143590号公
報に記載されているようにシリコン基板に金属部材の薄
膜をスパッタ等によって形成した後キャビティーをエッ
チングにより形成し、圧電素子を接着接合したものなど
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】先ず、積層型圧電素子
を用いるインクジェットヘッドにあっては、積層厚みが
例えば0.2mm以上になり、切断後の幅寸法よりも厚
さ(高さ)の方が大きくなることから、分割加工をする
ときに倒れが発生したり、圧電素子を接合する基板材質
の剛性等が要求されることなど、低コスト化が難しい。
【0007】また、酸化ジルコニアからなるセラミック
材で加圧液室及びダイアフラム部を一体に焼成するもの
にあっては、薄いダイアフラム部の変形等が発生して安
定したヘッド特性が得られ難い。さらに、シリコン基板
に金属部材の薄膜をスパッタ等によって形成した後キャ
ビティーをエッチングにより形成するものにあっては、
ノズル数が多くなるとヘッド寸法が大きくなると共に、
一様なヘッド特性を得ることが困難になり、歩留りが低
下する。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、低コストで製作でき、安定したヘッド特性が得ら
れるインクジェットヘッドを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドは、電気機械変換
材料を用いたアクチュエータ手段の変位で加圧液室内の
インクを加圧してインク吐出口からインク滴を吐出する
インクジェットヘッドにおいて、基板部材と、この基板
部材に設けた前記加圧液室の高さを決める加圧液室部材
と、この加圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気
機械変換材料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機
械変換材料からなる非駆動層とを積層した前記アクチュ
エータ手段と、前記加圧液室にインクを供給する共通イ
ンク流路及び流体抵抗部と、前記加圧液室からノズルに
インクを供給するノズル連通流路と、前記ノズルを形成
したノズル形成部材とを備えている構成とした。
【0010】請求項2のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、前記共通イ
ンク流路、流体抵抗部及びノズル連通流路を前記加圧液
室部材に設けている構成とした。
【0011】請求項3のインクジェットヘッドは、上記
請求項1のインクジェットヘッドにおいて、前記共通イ
ンク流路、流体抵抗部及びノズル連通流路を前記基板部
材に設けている構成とした。
【0012】請求項4のインクジェットヘッドは、上記
請求項1乃至3のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記ノズル形成部材を前記基板部材と加圧液室部
材の積層端面に設けている構成とした。
【0013】請求項5のインクジェットヘッドは、上記
請求項1乃至3のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、前記ノズル形成部材を前記基板部材に設けている
構成とした。
【0014】請求項6のインクジェットヘッドは、複数
のノズル列を有するマルチノズルインクジェットヘッド
において、基板部材と、この基板部材の両面に設けた加
圧液室の高さを決める2つの加圧液室部材と、各加圧液
室部材に設けられ、電圧を印加する電気機械変換材料か
らなる駆動層と電圧を印加しない電気機械変換材料から
なる非駆動層とを積層した前記アクチュエータ手段と、
前記加圧液室に連通するノズルを形成したノズル形成部
材とを備えている構成とした。
【0015】請求項7のインクジェットヘッドは、複数
のノズル列を有するマルチノズルインクジェットヘッド
において、基板部材と、この基板部材の片面に設けた加
圧液室の高さを決める加圧液室部材と、この加圧液室部
材に設けられ、電圧を印加する電気機械変換材料からな
る駆動層と電圧を印加しない電気機械変換材料からなる
非駆動層とを積層した前記アクチュエータ手段と、前記
加圧液室に連通するノズルを形成したノズル形成部材と
を備えた2つのユニットを有し、各ユニットの基板部材
同士を接合している構成とした。
【0016】請求項8のインクジェットヘッドは、複数
のノズル列を有するマルチノズルインクジェットヘッド
において、基板部材と、この基板部材の片面に設けた加
圧液室の高さを決める加圧液室部材と、この加圧液室部
材に設けられ、電圧を印加する電気機械変換材料からな
る駆動層と電圧を印加しない電気機械変換材料からなる
非駆動層とを積層した前記アクチュエータ手段と、前記
加圧液室に連通するノズルを形成したノズル形成部材と
を備えた複数のユニットを有し、各ユニットを同方向に
積み重ねている構成とした。
【0017】請求項9のインクジェットヘッドは、上記
請求項6乃至8のいずれかのインクジェットヘッドにお
いて、複数のノズル列が千鳥状に配置されている構成と
した。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るインクジ
ェットヘッドの基本構成を説明する模式的断面図であ
る。このインクジェットヘッドは、基板部材1上に加圧
液室2の高さ及び形状を決める加圧液室部材3を接合
し、この加圧液室部材3上に耐インク性を有するインク
バリア層となるパッシベーション層4を介して2層構造
の電気機械変換材料からなる圧電素子(PZT)を用い
たアクチュエータ手段5を各加圧液室2に対応して接合
配置している。
【0019】ここで、基板部材1としては1〜2mm厚
さの樹脂部材、或いは0.05〜1mm厚さの金属部材
を用いることが好ましく、金属部材としては特にSUS
材(例えばSUS304)を用いることが適している。
加圧液室部材3は複数の加圧液室2の高さ及び形状を決
められる部材であれば材質は特に限定されないが、金属
部材、特にSUS材が適している。金属部材を加圧液室
部材3に用いることで、例えば0.05mm〜0.2m
m厚さの金属板に対してエッチング加工を施して加圧液
室2を形成することで、100〜300dpiの高集積度
で高精度の加圧液室を容易に形成することができる。な
お、各加圧液室2には同図では図示しないノズル(吐出
口)を連通させている。
【0020】アクチュエータ手段5を構成する圧電素子
は駆動電圧を印加する層(駆動層)6と駆動電圧を印加
しない層(非駆動層)7とをそれぞれ1層ずつ積層した
2層構造とし、駆動層6と非駆動層7との間には内層電
極8を設け、駆動層6の外側には外部電極(外側電極)
9を設けている。この圧電素子は圧電素子材料間に例え
ばAgPdからなる内層電極8を挟んで一体焼成して形成
し、一体焼成後に外部電極9を印刷或いはスパッタ等の
薄膜処理によって形成している。そして、アクチュエー
タ手段5は圧電素子の非駆動層7側を加圧液室2側にし
て加圧液室部材3に接合している。
【0021】また、アクチュエータ手段5を構成する圧
電素子の厚さとしては、1層の厚さを5〜50μmの厚
さ、特に5〜20μmにすることで変位効率を高くする
ことができる。そして、駆動層6の厚さと非駆動層7の
厚さとの関係については、両者をほぼ同じ厚さにする
か、或いは駆動層6の厚さよりも非駆動層7の厚さを薄
くすることが好ましい。実験によれば、100〜200
dpiの液室配列密度において、駆動層6の厚さを10〜
20μm、ダイアフラム層となる非駆動層6の厚さを5
〜10μmにしたときに高い変位効率が得られた。この
場合、1層の厚さを20μm以上にするとき、駆動電圧
を低い値に維持するために1層を10μm以下の厚みの
多層構造にすることもできる。
【0022】さらに、このアクチュエータ手段5を構成
する圧電素子が加圧液室2内のインクに直接接触するこ
とを防止するため、非駆動層7と加圧液室部材3との間
にパッシベーション層4を介在させている。このパッシ
ベーション層4としては、2〜20μmの樹脂フィル
ム、特に透湿性の小さいアラミドフィルム等が適してい
る。この場合、アクチュエータ手段5を構成する圧電素
子を加圧液室部材3に接合するための接着層がパッシベ
ーション層4を兼ねる構成することもでき、このような
パッシベーションの目的を兼ねる接着層としては2〜1
0μmの厚さのポリイミド接着層、エポキシ接着層が適
している。
【0023】なお、各部の具体的な寸法については、こ
の例では、基板部材1の厚さa=1〜2mm、加圧液室
部材3の厚さb=0.1〜0.2mm、加圧液室2の幅
(液室配列方向の幅)c=0.154mm、加圧液室
2,2間の隔壁部3aの厚さd=0.1mm、アクチュ
エータ手段5(パッシベーション層4を含む)の厚さe
=0.05〜0.1mm、アクチュエータ手段5の液室
配列方向の幅f=0.214としている。
【0024】このように構成したインクジェットヘッド
においては、アクチュエータ手段5を構成している圧電
素子は2層構造をしているが、内層電極8と外部電極9
との間に駆動電圧を印加したときに実際に電界が印加さ
れるのは駆動層6のみであり、下側の非駆動層7は電極
8,9間への駆動電圧の印加による電界の印加それ自体
では変形を起こさない。そして、駆動層6に電界が印加
されると、駆動層6に面方向での縮みの変形が発生する
ので、非駆動層7との干渉でアクチュエータ手段5(圧
電素子)としてはユニモルフ変位が発生する。
【0025】すなわち、非駆動層7はダイアフラムとし
て機能するだけであるので、アクチュエータ手段5を構
成する圧電素子に駆動電圧を印加することによって、ア
クチュエータ手段5に加圧液室2側へ凸の変形が発生す
るので、加圧液室2内のインクが加圧されることにな
る。したがって、この加圧液室2に連通するノズルから
インク滴が吐出されることになる。
【0026】このように、電圧を印加する電気機械変換
材料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機械変換材
料からなる非駆動層とを積層してなるアクチュエータ手
段を備えたので、電圧を印加しない非駆動層をダイアフ
ラムとして機能させることができ、両方の剛性のバラン
スが得られ易くなり、効率の良いアクチュエータを備え
たインクジェットヘッドを得ることができ、安定したイ
ンク滴吐出を行うことができる。
【0027】この場合、アクチュエータ手段の駆動層と
非駆動層の厚さをほぼ同じにするか、或いは、非駆動層
の厚さを駆動層の厚さよりも薄くすることによって、ア
クチュエータとして機能する駆動層とダイアフラムとし
て機能する非駆動層の剛性がほぼ等しく、或いは非駆動
層(ダイアフラム層)側がやや小さくなり、電気機械変
換素子(アクチュエータ手段)による加圧液室内のイン
クに対する変位加圧の効率が最も良いマルチノズルヘッ
ドを実現することができる。
【0028】また、アクチュエータ手段の駆動層と非駆
動層とは内層電極を挟んで一体焼成されている構成にす
ることで、ダイアフラム部とアクチュエータ素子部とが
一体的に形成されるので、十分な性能で接合され、ばら
つきのない安定した効率の高いインクジェットヘッドを
得ることができる。アクチュエータ手段の最も外側の駆
動層の外側電極は焼成後に形成することによって、圧電
素子材料の高温焼成による電極の劣化等がなく、外側電
極の形成方法の選択が自由になり、信頼性、低コスト化
を図ることができる。
【0029】さらに、アクチュエータ手段の非駆動層を
加圧液室側に配置することによって、インクの浸透等に
対する信頼性が向上し、後述するようにFPC等の信号
印加手段との接合が容易になって、小型で低コストのイ
ンクジェットヘッドを実現することが可能になる。これ
に加えて、或いはこれに代えて、アクチュエータ手段の
加圧液室側表面には耐インク性を有するインクバリア層
を設けることによって、電気機械変換材料のインクへの
溶出やインクとの接液による電気機械変換材料の劣化を
確実に防止することができて、信頼性の高い高集積マル
チノズルヘッドを実現できる。
【0030】この場合、インクバリア層を樹脂材料で形
成することによって、薄層フィルムの使用が可能にな
り、電気機械変換素子(アクチュエータ手段)の変位を
効率的に加圧液室に伝達することができ、低コストで高
信頼性の高いマルチノズルヘッドを実現できる。また、
インクバリア層を接着剤層で形成することによって、電
気機械変換素子(アクチュエータ手段)と加圧液室部材
の接合機能を兼ねることになり、低コスト、高信頼性の
高集積マルチノズルヘッドを得られる。
【0031】次に、図2は本発明に係るインクジェット
ヘッドの基本構成の他の例を説明する模式的断面図であ
る。このインクジェットヘッドにおいては、複数のアク
チュエータ手段5の非駆動層7を一体にして共通化し、
この1つの非駆動層7に対して各加圧液室2に対応して
駆動層6及び内層電極8をそれぞれ独立して設けてい
る。なお、その他の構成は上記図1の基本構成と同様で
ある。このような構成にすることによって、複数のアク
チュエータ手段5の形成を簡単に行うことができる。
【0032】そこで、上述した各基本構成における複数
のアクチュエータ手段の形成工程について説明する。先
ず、図1の構成の場合には、図3(a)に示すように、
駆動層11及び非駆動層12を内層電極13を挟んで一
体焼成し、これに外側電極14を設けた1枚の圧電素子
部材15を形成し、この圧電素子部材15を非駆動層1
2を加圧液室側にして加圧液室部材3上にパッシベーシ
ョン層4を介して接合する。なお、内層電極13は圧電
素子部材15の端面から上面に引回して設けている。
【0033】そして、同図(b)に示すようにダイシン
グソー等のスリット加工装置を用いて圧電素子部材15
にスリット溝16を形成して分割し、このときパッシベ
ーション層4まで分割加工することで、同図(c)に示
すように非駆動層12まで分割された複数のアクチュエ
ータ手段5を形成することができる。
【0034】このように、加圧液室の高さを決める加圧
液室部材に駆動層と非駆動層とを有する複層構造の圧電
素子部材をインクバリア層を介して(或いは直接)接合
した後各加圧液室に対応して圧電素子部材を分割加工し
て、インクバリア層まで分割することで複数のアクチュ
エータ手段を形成することによって、各チャンネル間の
相互干渉がない高集積のマルチノズルヘッドを安定し
て、低コストで製造することが可能になる。
【0035】また、図2の構成の場合には、図4(a)
に示すように、駆動層11及び非駆動層12を内層電極
13を挟んで一体焼成し、これに外側電極14を設けた
1枚の圧電素子部材15を形成し、この圧電素子部材1
5を非駆動層12を加圧液室側にして加圧液室部材3上
にパッシベーション層4を介して接合する。
【0036】そして、同図(b)に示すようにダイシン
グソー等のスリット加工装置を用いて圧電素子部材15
にスリット溝16を形成して分割し、このとき非駆動層
12まで分割加工することで、同図(c)に示すように
非駆動層層12は分割されないで駆動層11のみが分割
された複数のアクチュエータ手段5を形成することがで
きる。
【0037】このように、加圧液室の高さを決める加圧
液室部材に駆動層と非駆動層とを有する複層構造の圧電
素子部材をインクバリア層を介して(或いは直接)接合
した後各加圧液室に対応して圧電素子を分割加工し、圧
電素子の途中(非駆動層)まで分割して複数のアクチュ
エータ手段を形成することによって、各チャンネル間の
相互干渉がなく、アクチュエータ手段と加圧液室部材の
接合の信頼性が高い、低コスト高集積のマルチノズルヘ
ッドを実現することが可能になる。
【0038】次に、図5は本発明の第1実施形態に係る
インクジェットヘッドの模式的断面図、図6は同ヘッド
の図5のA−A線に沿う断面平面図、図7は図6のB−
B線に沿う断面側面図、図8は同ヘッドの部分分解斜視
図である。このインクジェットヘッドは、基板部材21
上に加圧液室22の高さ及び形状を決める加圧液室部材
23を接合し、この加圧液室部材23上に耐インク性を
有するインクバリア層となるフィルム接合層24を介し
て2層構造の電気機械変換材料からなる圧電素子(PZ
T)を用いたアクチュエータ手段25を各加圧液室22
に対応して接合配置し、前面にノズル30を形成したノ
ズル形成部材であるノズルプレート31を接着接合して
いる。なお、基板部材21、加圧液室部材23等の材
質、寸法等については前述した図1の基本構成と同様で
ある。
【0039】ここで、基板部材21には図示しないイン
クカートリッジからのインク供給路に通じる共通インク
流路33を液室配列方向に形成している。また、加圧液
室部材23には、加圧液室22と、基板部材21の共通
インク流路33に連通する共通インク流路34と、共通
インク流路34から加圧液室22にインクを供給する流
体抵抗部35と、加圧液室22からノズル30に連通す
るノズル連通流路36とを形成している。
【0040】この加圧液室部材23による流体抵抗部3
5は、アクチュエータ手段25の変位によって加圧液室
22のインクが加圧された時に共通インク流路34側へ
インクが逆流してノズル30からのインク吐出効率が低
下することを防止するために、断面積が小さなインク流
路を形成する。例えば、最も小さい断面積は40×40
μm程度の流路として形成している。
【0041】また、加圧液室部材23に設ける流体抵抗
部35とノズル連通流路36の流路深さを等しく、例え
ば40〜60μmとすることで、1枚の加圧液室部材2
3をフォトリソを含む別々のエッチング工程で加圧液室
22及び共通インク流路34(これらは貫通穴であ
る。)とは別に形成することができる。
【0042】さらに、加圧液室部材23を積層構造とし
て、例えば加圧液室部材全体の厚さを120μmとした
場合、40μm厚さのSUS材に加圧液室及び共通イン
ク流路の一部を含む流体抵抗部35及びノズル連通流路
36を形成し、また80μm厚さのSUS材に加圧液室
及び共通インク流路の残りの部分を形成して、これら2
枚のSUS材を接合して1つの加圧液室部材とすること
もできる。
【0043】アクチュエータ手段25となる圧電素子は
駆動部26と非駆動部27とを内層電極28を挟んで一
体焼成し、駆動部26の外面に外部電極29を設けたも
のである。ここで内層電極28は先端側(ノズル吐出
側)で駆動層26の端面から上面(外部電極29を形成
する面)に引き回した構成としている。また、内層電極
28は液室長手方向では加圧液室22の長手方向長さ相
当分だけ形成しているので、アクチュエータ手段5を構
成する圧電素子全体では一部で駆動層26と非駆動層2
7とを直接一体化している(この部分では内層電極28
が存在しないことで駆動層26は実質的に非駆動部分と
なる。)。
【0044】そして、各加圧液室22に対応して圧電素
子を分割加工して複数のアクチュエータ手段25を形成
した後、FPC38を内層電極28及び外部電極29に
導電接合して、上面の外部電極29及び内層からの内層
電極28と導通を可能にし、基板部材21上に配設した
ドライバIC39に接続している。この導電接合は、半
田メッキパターンに加圧、加熱接合、或いは異方性導電
膜を介して加圧、加熱接合することで容易に可能であ
る。
【0045】また、基板部材21、加圧液室部材23及
びアクチュエータ手段25の接合は一般的な接合方法を
採用することができ、例えば、エポキシ等の接着剤を数
μmの厚さに塗布して接合する。さらに、ノズルプレー
ト31は、樹脂フィルムにエキシマレーザ加工でノズル
穴(穴径は例えば20〜35μm)を形成したもの、或
いは、Ni電鋳加工によって形成したものなどを用いる
ことができ、図8に示すように、加圧液室部材23のノ
ズル連通流路36に位置合わせして接着接合している。
【0046】このインクジェットヘッドにおいては、ア
クチュエータ手段25を構成している圧電素子は2層構
造をしているが、内層電極28と外部電極29との間に
ドライバIC39から駆動電圧を印加したときに実際に
電界が印加されるのは駆動層26のみであり、下側の非
駆動層27は電極28,29間への駆動電圧の印加によ
る電界の印加それ自体では変形を起こさない。そして、
駆動層26に電界が印加されると、駆動層26に面方向
での縮みの変形が発生するので、非駆動層27との干渉
でアクチュエータ手段25(圧電素子)としてはユニモ
ルフ変位が発生する。
【0047】すなわち、非駆動層27はダイアフラムと
して機能するだけであるので、アクチュエータ手段25
を構成する圧電素子に駆動電圧を印加することによっ
て、アクチュエータ手段25に加圧液室22側へ凸の変
形が発生するので、加圧液室22内のインクが加圧され
ることになる。したがって、この加圧液室22にノズル
連通流路36を介して連通するノズル30からインク滴
が吐出されることになる。このとき、加圧液室22から
共通インク流路34,33へ通じる流体抵抗部35方向
へもインクの流れが発生するが、流体抵抗部35によっ
て共通インク流路34,33側へのインクの流れを低減
し、インク吐出効率の低下を防いでいる。
【0048】その後、インク滴吐出の終了に伴い、加圧
液室22内のインク圧力が低減し、インクの流れの慣性
と駆動パルスの放電過程によって加圧液室22内に負圧
が発生してインク充填行程へ移行する。このとき、イン
クカートリッジから供給されたインクは共通インク流路
33に流入し、共通インク流路33から共通インク流路
34及び流体抵抗部35を経て加圧液室22内に充填さ
れる。そして、ノズル30の出口付近のインクメニスカ
ス面の振動が減衰し、表面張力によってノズル30の出
口付近に戻されて(リフィル)安定状態に至れば、次の
インク滴吐出動作に移行する。
【0049】このように、基板部材と、この基板部材に
設けた加圧液室の高さを決める加圧液室部材と、この加
圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気機械変換材
料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機械変換材料
からなる非駆動層とを積層したアクチュエータ手段と、
加圧液室にインクを供給する共通インク流路及び流体抵
抗部と、加圧液室からノズルにインクを供給するノズル
連通流路と、ノズルを形成したノズル形成部材とを備え
ることによって、安定してヘッド特性を有する高集積の
マルチノズルヘッドを低コストで製作することができ、
高速、高画質の画像を形成できる。
【0050】次に、図9は本発明の第2実施形態に係る
インクジェットヘッドの模式的断面図、図10は同ヘッ
ドの図9のC−C線に沿う断面平面図である。このイン
クジェットヘッドも、基板部材21上に加圧液室22の
高さ及び形状を決める加圧液室部材23を接合し、この
加圧液室部材23上に耐インク性を有するインクバリア
層となるフィルム接合層24を介して2層構造の電気機
械変換材料からなる圧電素子(PZT)を用いたアクチ
ュエータ手段25を各加圧液室22に対応して接合配置
し、前面にノズル30を形成したノズルプレート31を
接着接合している。
【0051】ここで、基板部材21には図示しないイン
クカートリッジからのインク供給路に通じる共通インク
流路33を液室配列方向に形成すると共に、共通インク
流路33から加圧液室22にインクを供給する流体抵抗
部35と、加圧液室22からノズル30に連通するノズ
ル連通流路36とを形成している。そして、加圧液室部
材23には加圧液室22のみを形成している。また、ノ
ズルプレート31のノズル30は、基板部材21のノズ
ル連通流路36に連通する位置に形成している。
【0052】このように構成することで、基板部材21
として1〜2mm厚さの樹脂部材を成型で加工して形成
する場合に、共通インク流路33と流体抵抗部35及び
ノズル連通流路36を同時に形成することができて、非
常に低コストのヘッドを実現することができる。また、
加圧液室部材23は加圧液室22だけの単純な穴加工を
行えばよくなり、1枚のSUS材のエッチング加工で形
成できることなって大幅にコストを削減することができ
る。
【0053】このように、加圧液室にインクを供給する
共通インク流路及び流体抵抗部と、加圧液室からノズル
にインクを供給するノズル連通流路を加圧液室部材に設
けることによって、精度を必要とするインク流路部すべ
てを特定の部材に設けることができ、使用する部材、製
造方法を限定し、その他の部材は低コストが可能な部
材、製造方法を選択することが可能になり、低コスト、
高精度、高信頼性のマルチノズルヘッドを実現すること
ができる。
【0054】また、ノズル形成部材を基板部材と加圧液
室部材の積層端面に設けることによって、ドット印写密
度の高いヘッドを簡単な構成で実現することができ、特
に、Y、M、C、K等のカラーインクを使用するために
複数個のヘッドを並べても小型のヘッド構成になり、記
録装置自体の幅を小さくすることができる。
【0055】次に、図11は本発明の第3実施形態に係
るインクジェットヘッドの模式的断面図、図12は同ヘ
ッドの図11のD−D線に沿う断面平面図である。この
インクジェットヘッドは、3層構造の基板部材40上に
加圧液室22の高さ及び形状を決める加圧液室部材23
を接合し、この加圧液室部材23上に耐インク性を有す
るインクバリア層となるフィルム接合層24を介して2
層構造の電気機械変換材料からなる圧電素子(PZT)
を用いたアクチュエータ手段25を各加圧液室22に対
応して接合配置し、基板部材41の下面にノズル30を
形成したノズルプレート31を接着接合している。
【0056】ここで、基板部材40は第1層41、第2
層42及び第3層43の基板部材を三層に積層して形成
したものであり、第1層41と第3層43とに挟まれた
第2層42に、図示しないインクカートリッジからのイ
ンク供給路に通じる共通インク流路33を液室配列方向
に形成し、第3層43に共通インク流路33から加圧液
室22にインクを供給する円形の流体抵抗部35を形成
し、更に、第3層43、第2層42及び第1層41を貫
通して加圧液室22からノズル30に連通するノズル連
通流路36を形成している。そして、加圧液室部材23
には加圧液室22のみを形成している。また、ノズルプ
レート31のノズル30は、基板部材21のノズル連通
流路36に連通する位置に形成している。
【0057】基板部材40としては例えばSUS材を積
層して形成することができ、この実施形態では第1層4
1として厚さ0.1mmのSUS材を、第2層42とし
て厚さ0.25mmのSUS材を、第3層43として厚
さ0.05mmのSUS材を積層して形成している。
【0058】このように構成することで、基板部材41
に共通インク流路33と流体抵抗部35及びノズル連通
流路36を形成することができて、非常に低コストのヘ
ッドを実現することができる。また、加圧液室部材23
は加圧液室22だけの単純な穴加工を行えばよくなり、
1枚のSUS材のエッチング加工で形成できることなっ
て大幅にコストを削減することができる。さらに、第1
層41表面にノズルプレート31を接合することができ
るので、組立が容易になる。
【0059】このように、加圧液室にインクを供給する
共通インク流路及び流体抵抗部と、加圧液室からノズル
にインクを供給するノズル連通流路を基板部材に設ける
ことによって、精度を必要とするインク流路部すべてを
特定の部材に設けることができ、使用する部材、製造方
法を限定し、その他の部材は低コストが可能な部材、製
造方法を選択することが可能になり、低コスト、高精
度、高信頼性のマルチノズルヘッドを実現することがで
きる。
【0060】また、ノズル形成部材を基板部材に設ける
ことによって、安定したヘッド特性を有する高集積マル
チノズルヘッドを低コストで実現することができ、特
に、ヘッドの重要部品であるノズル形成部材の組み付け
が容易になり、組み付け後の信頼性も向上する。
【0061】次に、図13は本発明の第4実施形態に係
るインクジェットヘッドの斜視図である。このインクジ
ェットヘッドは、1枚の基板部材21の両面に加圧液室
部材23,23を接合し、各加圧液室部材23,23に
アクチュエータ手段25を接合配置し、端面に各加圧液
室部材23,23に形成したノズル連通流路36に対応
してノズル30を形成したノズルプレート31を接合し
たものである。なお、液室構成等は上述した第1実施形
態と同様である。
【0062】この場合、一方の加圧液室部材23のノズ
ル連通流路36と他方の加圧液室部材23のノズル連通
流路36とは千鳥状になる位置に形成して、ノズルプレ
ート31の各列のノズル30を千鳥状に配列している。
これによって、第1実施形態に対して2倍の配列密度で
ノズルを配置することができる。例えば1列で150dp
Iの場合、この実施形態では300dpiの密度を得ること
ができる。なお、このような構成は第2実施形態のイン
クジェットヘッドにも適用することができ、この場合に
は基板部材21に千鳥状にノズル連通流路36を形成す
る。
【0063】このように、基板部材と、この基板部材の
両面に設けた加圧液室の高さを決める2つの加圧液室部
材と、各加圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気
機械変換材料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機
械変換材料からなる非駆動層とを積層したアクチュエー
タ手段と、加圧液室に連通するノズルを形成したノズル
形成部材とを備えることによって、安定したヘッド特性
を有する高集積のマルチノズルヘッドを低コストで得る
ことができる。
【0064】次に、図14は本発明の第5実施形態に係
るインクジェットヘッドの斜視図である。このインクジ
ェットヘッドは、上述した第1実施形態のインクジェッ
トヘッドと基本構成を同じにしたユニット51,51を
スペーサ部材52を対して二層(三層以上にすることも
できる。)に積層し、ノズルプレート31を積層端面に
接合したものである。なお、第2実施形態のインクジェ
ットヘッドと基本構成を同じにするユニットを積層する
こともできる。
【0065】この場合、一方のユニット51の加圧液室
部材23のノズル連通流路36と他方のユニット51の
加圧液室部材23のノズル連通流路36とは千鳥状にな
る位置に形成して、ノズルプレート31の各列のノズル
30を千鳥状に配列している。これによって、第1実施
形態に対して2倍の配列密度でノズルを配置することが
できる。例えば1層で150dpIの場合、この実施形態
では300dpiの密度を得ることができる。更に、例え
ば1層で150dpIの場合、4層構成にすれば600dpi
の印字密度を得ることができる。このとき、各層(ユニ
ット)の液室、流路及びノズル位置は1/600dpiだ
けずれた位置関係になる。
【0066】このように、基板部材と、この基板部材の
片面に設けた加圧液室の高さを決める加圧液室部材と、
この加圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気機械
変換材料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機械変
換材料からなる非駆動層とを積層したアクチュエータ手
段と、加圧液室に連通するノズルを形成したノズル形成
部材とを備えた複数のユニットを有し、各ユニットを同
方向に積み重ねて構成することによって、容易に印写ド
ット密度の高いヘッド特性の安定した高集積マルチノズ
ルヘッドを実現することができる。なお、この実施形態
では2層に積層しているが、3層以上を積層することも
できる。
【0067】次に、図15は本発明の第6実施形態に係
るインクジェットヘッドの斜視図である。このインクジ
ェットヘッドは、上述した第1実施形態のインクジェッ
トヘッドと基本構成を同じにしたユニット51,51の
基板部材21同士を接合し、ノズルプレート31を積層
端面に接合したものである。なお、第2実施形態のイン
クジェットヘッドと基本構成を同じにするユニットを積
層することもできる。
【0068】この場合、一方のユニット51の加圧液室
部材23のノズル連通流路36と他方のユニット51の
加圧液室部材23のノズル連通流路36とは千鳥状にな
る位置に形成して、ノズルプレート31の各列のノズル
30を千鳥状に配列している。これによって、第1実施
形態に対して2倍の配列密度でノズルを配置することが
できる。例えば1層で150dpIの場合、この実施形態
では300dpiの密度を得ることができる。
【0069】このように、基板部材と、この基板部材の
片面に設けた加圧液室の高さを決める加圧液室部材と、
この加圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気機械
変換材料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機械変
換材料からなる非駆動層とを積層したアクチュエータ手
段と、加圧液室に連通するノズルを形成したノズル形成
部材とを備えた2つのユニットを有し、各ユニットの基
板部材同士を接合して構成することによって、容易に印
写ドット密度の高いヘッド特性の安定した高集積マルチ
ノズルヘッドを実現することができる。なお、この基板
同士を接合したものをユニットとして第5実施形態のよ
うに複数個積み重ねることもできる。
【0070】なお、これらの第4乃至第6実施形態のよ
うに各ノズル列のノズルを千鳥状に配置することによっ
て印写ドット密度を高くすることができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッドによれば、基板部材と、この基板部材に
設けた加圧液室の高さを決める加圧液室部材と、この加
圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気機械変換材
料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機械変換材料
からなる非駆動層とを積層したアクチュエータ手段と、
加圧液室にインクを供給する共通インク流路及び流体抵
抗部と、加圧液室からノズルにインクを供給するノズル
連通流路と、ノズルを形成したノズル形成部材とを備え
たので、安定したヘッド特性が得られる高集積マルチノ
ズルインクジェットヘッドを低コストで製作することが
できる。
【0072】請求項2のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1のインクジェットヘッドにおいて、共
通インク流路、流体抵抗部及びノズル連通流路を加圧液
室部材に設けているので、精度を必要とするインク流路
を形成しない部材として低コストの部材、製造方法を選
定することができ、安定したヘッド特性が得られる高集
積マルチノズルインクジェットヘッドを低コストで製作
することができる。
【0073】請求項3のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1のインクジェットヘッドにおいて、共
通インク流路、流体抵抗部及びノズル連通流路を基板部
材に設けているので、精度を必要とするインク流路を形
成しない部材として低コストの部材、製造方法を選定す
ることができ、安定したヘッド特性が得られる高集積マ
ルチノズルインクジェットヘッドを低コストで製作する
ことができる。
【0074】請求項4のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1乃至3のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、ノズル形成部材を基板部材と加圧液室部
材の積層端面に設けているので、印写ドット密度の高い
ヘッドを簡単な構成で得ることができる。
【0075】請求項5のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項1乃至3のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、ノズル形成部材を基板部材に設けている
ので、ノズル形成部材の組み付けが容易になり、信頼性
も向上する。
【0076】請求項6のインクジェットヘッドによれ
ば、複数のノズル列を有するマルチノズルインクジェッ
トヘッドにおいて、基板部材と、この基板部材の両面に
設けた加圧液室の高さを決める2つの加圧液室部材と、
各加圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気機械変
換材料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機械変換
材料からなる非駆動層とを積層したアクチュエータ手段
と、加圧液室に連通するノズルを形成したノズル形成部
材とを備えているので、安定したヘッド特性を有する高
集積のマルチノズルヘッドを低コストで得ることができ
る。
【0077】請求項7のインクジェットヘッドによれ
ば、複数のノズル列を有するマルチノズルインクジェッ
トヘッドにおいて、基板部材と、この基板部材の片面に
設けた加圧液室の高さを決める加圧液室部材と、この加
圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気機械変換材
料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機械変換材料
からなる非駆動層とを積層したアクチュエータ手段と、
加圧液室に連通するノズルを形成したノズル形成部材と
を備えた2つのユニットを有し、各ユニットの基板部材
同士を接合している構成としたので、安定したヘッド特
性を有する高集積のマルチノズルヘッドを低コストで得
ることができる。
【0078】請求項8のインクジェットヘッドによれ
ば、複数のノズル列を有するマルチノズルインクジェッ
トヘッドにおいて、基板部材と、この基板部材の片面に
設けた加圧液室の高さを決める加圧液室部材と、この加
圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気機械変換材
料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機械変換材料
からなる非駆動層とを積層したアクチュエータ手段と、
加圧液室に連通するノズルを形成したノズル形成部材と
を備えた複数のユニットを有し、各ユニットを同方向に
積み重ねている構成としたので、安定したヘッド特性を
有する高集積のマルチノズルヘッドを低コストで得るこ
とができる。
【0079】請求項9のインクジェットヘッドによれ
ば、上記請求項6乃至8のいずれかのインクジェットヘ
ッドにおいて、複数のノズル列が千鳥状に配置されてい
る構成としたので、印写ドット密度を高くすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットヘッドの基本構成
を示す模式的断面図
【図2】本発明の係るインクジェットヘッドの基本構成
の他の例を示す模式的断面図
【図3】図1の基本構成に係るインクジェットヘッドの
製造工程の説明に供する斜視説明図
【図4】図2の基本構成に係るインクジェットヘッドの
製造工程の説明に供する斜視説明図
【図5】本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの模式的断面図
【図6】図5のA−A線に沿う断面平面図
【図7】図6のB−B線に沿う断面側面図
【図8】同ヘッドの部分分解斜視図
【図9】本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘ
ッドの模式的断面図
【図10】図9のC−C線に沿う断面平面図
【図11】本発明の第3実施形態に係るインクジェット
ヘッドの模式的断面図
【図12】図11のD−D線に沿う断面平面図
【図13】本発明の第4実施形態に係るインクジェット
ヘッドの斜視図
【図14】本発明の第5実施形態に係るインクジェット
ヘッドの斜視図
【図15】本発明の第6実施形態に係るインクジェット
ヘッドの斜視図
【符号の説明】
1…基板部材、2…加圧液室、3…加圧液室部材、4…
パッシベーション層、5…アクチュエータ手段、6…駆
動層、7…非駆動層、8…内層電極、9…外部電極、2
1…基板部材、22…加圧液室、23…加圧液室部材、
24…フィルム接合層、25…アクチュエータ手段、2
6…駆動層、27…非駆動層、28…内層電極、29…
外部電極、30…ノズル、31…ノズルプレート、33
…共通インク流路、34…共通インク流路、35…流体
抵抗部、36…ノズル連通流路、38…FPC、39…
ドライバIC、40…基板部材、41…第1層、42…
第2層、43…第3層。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気機械変換材料を用いたアクチュエー
    タ手段の変位で加圧液室内のインクを加圧してインク吐
    出口からインク滴を吐出するインクジェットヘッドにお
    いて、基板部材と、この基板部材に設けた前記加圧液室
    の高さを決める加圧液室部材と、この加圧液室部材に設
    けられ、電圧を印加する電気機械変換材料からなる駆動
    層と電圧を印加しない電気機械変換材料からなる非駆動
    層とを積層した前記アクチュエータ手段と、前記加圧液
    室にインクを供給する共通インク流路及び流体抵抗部
    と、前記加圧液室からノズルにインクを供給するノズル
    連通流路と、前記ノズルを形成したノズル形成部材とを
    備えたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記共通インク流路、流体抵抗部及びノズル
    連通流路を前記加圧液室部材に設けたことを特徴とする
    インクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    において、前記共通インク流路、流体抵抗部及びノズル
    連通流路を前記基板部材に設けたことを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記ノズル形成部材を前記
    基板部材と加圧液室部材の積層端面に設けたことを特徴
    とするインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、前記ノズル形成部材を前記
    基板部材に設けたことを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 複数のノズル列を有するマルチノズルイ
    ンクジェットヘッドにおいて、基板部材と、この基板部
    材の両面に設けた加圧液室の高さを決める2つの加圧液
    室部材と、各加圧液室部材に設けられ、電圧を印加する
    電気機械変換材料からなる駆動層と電圧を印加しない電
    気機械変換材料からなる非駆動層とを積層した前記アク
    チュエータ手段と、前記加圧液室に連通するノズルを形
    成したノズル形成部材とを備えたことを特徴とするイン
    クジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 複数のノズル列を有するマルチノズルイ
    ンクジェットヘッドにおいて、基板部材と、この基板部
    材の片面に設けた加圧液室の高さを決める加圧液室部材
    と、この加圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気
    機械変換材料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機
    械変換材料からなる非駆動層とを積層した前記アクチュ
    エータ手段と、前記加圧液室に連通するノズルを形成し
    たノズル形成部材とを備えた2つのユニットを有し、各
    ユニットの基板部材同士を接合したことを特徴とするイ
    ンクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 複数のノズル列を有するマルチノズルイ
    ンクジェットヘッドにおいて、基板部材と、この基板部
    材の片面に設けた加圧液室の高さを決める加圧液室部材
    と、この加圧液室部材に設けられ、電圧を印加する電気
    機械変換材料からなる駆動層と電圧を印加しない電気機
    械変換材料からなる非駆動層とを積層した前記アクチュ
    エータ手段と、前記加圧液室に連通するノズルを形成し
    たノズル形成部材とを備えた複数のユニットを有し、各
    ユニットを同方向に積み重ねたことを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項6乃至8のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッドにおいて、複数のノズル列が千鳥状に
    配置されていることを特徴とするインクジェットヘッ
    ド。
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