JPH11320791A - 多層構造シートおよびそれからなる成形品 - Google Patents

多層構造シートおよびそれからなる成形品

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JPH11320791A
JPH11320791A JP12992898A JP12992898A JPH11320791A JP H11320791 A JPH11320791 A JP H11320791A JP 12992898 A JP12992898 A JP 12992898A JP 12992898 A JP12992898 A JP 12992898A JP H11320791 A JPH11320791 A JP H11320791A
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JP
Japan
Prior art keywords
polyester
sheet
ethylene terephthalate
main constituent
constituent layer
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Pending
Application number
JP12992898A
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English (en)
Inventor
Masayuki Kawabe
雅之 川辺
Tetsuo Kunimaru
哲男 國丸
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐薬品性、透明性、耐衝撃性に優れたポリエス
テルシートおよびそれからなる成形品を提供する。 【解決手段】エチレンテレフタレートを主体とし、1,
4−シクロヘキサンジメタノール成分を共重合したポリ
エステルからなる主構成層の両側に、エチレンテレフタ
レートまたはエチレンナフタレートを主体とするポリエ
ステルからなる補助層を有する多層構造シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐薬品性、透明
性、耐衝撃性に優れた多層構造シートおよびそれからな
る成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリエチレンテレフタレート(以
下PETと記す)に代表されるポリエステルは、優れた
機械的特性、耐熱性、耐薬品性を有するために繊維、フ
ィルム、シートとして広く使用されている。しかしなが
ら、PETを原料とするシートおよびそれからなる成形
品は、経時的な物性の低下を起こすという欠点を有して
いる。具体的には、製造から3ヶ月以上経ったシートお
よびそれからなる成形品は剛性が高くなるため、例えば
打ち抜き加工する際、打ち抜き刃を破損したりシート自
体が割れるという欠点を有している。
【0003】PETを原料とするシートの剛性を改善す
る方法として、剛性の低い樹脂をPETに配合する方
法、共重合成分の配合によりPETの剛性を低くする方
法などが挙げられる。
【0004】前者の方法として高密度ポリエチレンをP
ETに配合する方法(特開平9−208815号公報、
特開平9−328603号公報)が開示されている。し
かしながら、このような方法で得られたシートでは、剛
性は低下し打ち抜き加工性は改善されるものの、ポリオ
レフィン系樹脂はPETとの相溶性が悪いため得られる
シートの透明性は著しく低下する。一方、後者の方法と
して1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を共重合
したポリエステル樹脂からなるシートが開示されている
(特開平5−140278号公報)。このシートは打ち
抜き加工性に適した剛性を有しているが、共重合成分で
ある1,4−シクロヘキサンジメタノールが原因となり
耐溶剤性が低下する。そのために、例えば電子部品用の
トレーに必要な導電剤塗布工程において溶剤によるシー
トの融着およびクラックが発生するという新たな問題が
発生した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の問題点を解消し、耐薬品性、透明性、耐衝
撃性に優れたポリエステルシートおよびそれからなる成
形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、エチレンテ
レフタレートを主体とし、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール成分を共重合したポリエステルAからなる主構
成層の両側に、エチレンテレフタレートまたはエチレン
ナフタレートを主体とするポリエステルBからなる補助
層を有する多層構造シートおよびそれからなる成形品に
よって達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】[ポリエステルA]本発明のエチ
レンテレフタレートを主体とするポリエステルA(以下
単に「ポリエステルA」と記す)は、エチレンテレフタ
レートを主体とし1,4−シクロヘキサンジメタノール
成分を共重合したポリエステルである。
【0008】本発明のポリエステルAに共重合成分とし
て使用される1,4−シクロヘキサンジメタノールは、
シス体/トランス体の混合物でありその構成比率は通常
シス体/トランス体=20:80〜80:20モル%の
範囲にある。
【0009】本発明における1,4−シクロヘキサンジ
メタノール成分の含有量は、得られるシートの耐衝撃性
とポリエステルAの重合反応性を考慮して、ポリエステ
ルA中に10〜50モル%含有させることが好ましい。
【0010】本発明のポリエステルAには、必要に応じ
て1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の共重合成
分を使用しても良い。使用することのできる化合物とし
て具体的には、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等のジカルボン酸及
び、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、ポリアル
キレングリコール、ビスフェノールAまたはビスフェノ
ールSのジエトキシ化合物などのジオール成分が挙げら
れる。これらは単独でも2種以上を使用することもでき
る。
【0011】「ポリエステルB」本発明の、エチレンテ
レフタレートまたはエチレンナフタレートを主体とする
ポリエステルB(以下単に「ポリエステルB」と記す)
はエチレンテレフタレートまたはエチレンナフタレート
を主体としたポリエステルであり、ホモポリマーであっ
ても良いが目的に応じ共重合成分を用いることも可能で
ある。
【0012】使用することのできる化合物として具体的
には、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、ダイマー酸等のジカルボン酸及び、ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ポリアルキレングリコール、ビス
フェノールAまたはビスフェノールSのジエトキシ化合
物などのジオール成分が挙げられる。これらは単独でも
2種以上を使用することもできる。
【0013】本発明の多層構造シートの層構成は、ポリ
エステルAからなる主構成層の両側にポリエステルBか
らなる補助層を有する3層構造のシートである。このよ
うな3層構造を構成することにより、耐薬品性、耐衝撃
性および透明性に優れたポリエステルシートが得られ
る。
【0014】本発明の多層構造シートにおいて、得られ
るシートの耐薬品性、耐衝撃性および透明性を考慮して
主構成層と補助層の厚み比率は、主構成層:補助層=9
5:5〜80:20の範囲にあることが好ましい。
【0015】本発明の多層構造ポリエステルシートは、
前述のポリエステルAおよびポリエステルBを通常の製
膜手段によって得た実質的に未延伸状態のシートであ
る。かかる未延伸状態のシートは、本発明のポリエステ
ルAおよびポリエステルBを別々の押出機内で溶融した
後、多層押出用ダイから吐出し、冷却ドラムにより急冷
することによって得られる。本発明の多層構造ポリエス
テルシートの一般的な厚みは、100〜1000μmで
ある。
【0016】本発明の成形品は、多層構造ポリエステル
シートを熱成形することにより得られる。熱成形は、該
シートを加熱軟化後所望の金型に押し当て、型とシート
の隙間にある空気を除去し大気圧により型に密着させて
成形する真空成形、あるいは大気圧以上の圧縮空気によ
りシートを型に密着させる圧空成形、真空成形と圧空成
形を併用する成形などが例示される。
【0017】
【発明の効果】本発明の多層構造ポリエステルシートお
よびそれからなる成形品は、耐薬品性、耐衝撃性、透明
性に優れ、電子部品、家電品などの包装用容器として好
適に用いることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。各物性の測定および評価は下記の方法に従った。
【0019】(1)極限粘度(IV) ポリエステルAまたはポリエステルBをフェノール/テ
トラクロロエタン=60/40(重量比)の混合液に溶
かし、20℃にて測定した。
【0020】(2)透明性 ポリエステルAを減圧下60℃で20時間、ポリエステ
ルBを減圧下130℃で8時間乾燥し、水分を100p
pm以下にした後、幅40cmのTダイを有する多層押
出し機より押出し、厚み250μmのシートを製膜し
た。このシートのヘーズをJIS K 7105により
測定し、厚み1000μmに換算して評価した。 ◎:ヘーズ3%未満 ○:3%以上、6%未満 △:6%以上、10%未満 ×:10%以上
【0021】(3)耐薬品性 上述のシートを各種溶剤に浸漬し、常温にて48時間放
置した後、シートの表面状態を観測して評価した。 ○:溶解せず ×:溶解
【0022】(4)耐衝撃性(打ち抜き加工性) 上述したシートを常温放置3ヶ月に相当するエージング
条件(40℃、60%湿度雰囲気下7日間)で放置した
後、引っ張り試験(JIS K 7113)により測定
した弾性率で評価した。 ○:27000kg/cm2未満 ×:27000kg/cm2以上
【0023】ポリエステルAの製造 ステンレス製オートクレーブに所定量のテレフタル酸ジ
メチルと、エチレングリコール及び1,4−シクロヘキ
サンジメタノールをジオール成分が酸成分に対してモル
比2.0となるように仕込み、次いでエステル交換触媒
として、酢酸カルシウムをポリマー量に対して900p
pm添加して230℃にてエステル交換反応を行った。
メタノールの留出が完了した後、重合触媒として三酸化
アンチモンをポリマー量に対して250ppm添加し
て、285℃減圧下で重縮合反応を行い、共重合ポリエ
ステル樹脂を得た。各樹脂の組成と物性を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例1〜7 シートの製造 表1に示したポリエステルAを減圧下60℃で20時
間、ポリエチレンテレフタレート(IV=0.70)を
減圧下130℃で8時間乾燥し、水分を100ppm以
下にした後、幅40cmのTダイを有する多層押出し機
に供給し、厚み250μmの3層構造シート(S−1〜
S−7)を製膜した。押出し機のシリンダー温度は、ポ
リエステルA側は250℃、ポリエステルB側は280
℃、Tダイの温度は270℃、冷却ロールの温度は20
℃にて行った。
【0026】得られたシートの透明性と耐衝撃性、およ
び耐薬品性を評価した。結果を表2および表3に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】実施例8〜14 ポリエチレンテレフタレートの代わりにポリエチレンナ
フタレート(IV=0.55)を使用する以外は、実施
例と同様の実験、評価を行った。シートおよび成形品の
評価結果を表4および表5に示す。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】比較例1〜3 ポリエステルBのみからなる単層シートについて実施例
と同様の実験、評価を行った。シートおよび成形品の評
価結果を表4および表5に示す。
【0033】比較例4〜6 ポリエステルAのみからなる単層シートについて実施例
と同様の実験を行った評価結果を表4および表5に示
す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレートを主体とし、
    1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を共重合した
    ポリエステルAからなる主構成層の両側に、エチレンテ
    レフタレートまたはエチレンナフタレートを主体とする
    ポリエステルBからなる補助層を有する多層構造シー
    ト。
  2. 【請求項2】 主構成層と補助層の厚み比率が95:5
    〜80:20の範囲にある請求項1記載の多層構造シー
    ト。
  3. 【請求項3】 1,4−シクロヘキサンジメタノール成
    分を主構成層中に10〜50モル%含有している請求項
    1または請求項2記載の多層構造シート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の多層構造
    シートを熱成形して得られる成形品。
JP12992898A 1998-05-13 1998-05-13 多層構造シートおよびそれからなる成形品 Pending JPH11320791A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003285409A (ja) * 2002-03-29 2003-10-07 Teijin Chem Ltd 多層成形体および容器
JP2018089857A (ja) * 2016-12-02 2018-06-14 住友ベークライト株式会社 多層フィルム及び包装体

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