JPH11320756A - 重防食被覆鋼材 - Google Patents

重防食被覆鋼材

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JPH11320756A
JPH11320756A JP10135671A JP13567198A JPH11320756A JP H11320756 A JPH11320756 A JP H11320756A JP 10135671 A JP10135671 A JP 10135671A JP 13567198 A JP13567198 A JP 13567198A JP H11320756 A JPH11320756 A JP H11320756A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、耐陰極剥離性、密着性、耐衝撃性等
の防食性に優れており、地中、港湾、河川などにおいて
長期間使用されても腐食およびそれに伴う配管、容器、
構造物などの破壊を確実に防止できる重防食被覆鋼材を
提供する。 【解決手段】 鋼材1の表面の全面もしくは一部に対し
て前処理を施した後、膜厚1mm以上の無溶剤ポリウレタ
ン樹脂からなる被覆層3を被覆して得られる重防食被覆
鋼材において、前処理として用いる二液反応型ウレタン
プライマーのガラス転移温度が40℃以上であり、25
℃での塗膜の最終到達硬度(鉛筆硬度)がB以上である
ことを特徴とする重防食被覆鋼材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中、港湾、河川
などにおいて長期間使用されても腐食およびそれに伴う
配管、容器、構造物などの破壊を確実に防止できるよう
に工夫した新規な重防食被覆鋼材に関するものであり、
更に詳しくは耐水性、耐陰極剥離性、密着性、耐衝撃性
等の防食性に優れた重防食被覆鋼材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼材に適用される塗装では、長
期間にわたって水中に浸漬されたりすると塗膜を通して
接着面に水や酸素が到達し、接着力が低下したり、塗膜
下の鋼材が腐食されて塗膜が脱落する場合がある(この
性質を耐水性という)。さらに、鋼構造物の無塗装部分
の防食に電気防食を併用すると塗装の端部から剥離が起
こる場合もある(この性質を陰極剥離性という)。ポリ
ウレタン重防食塗装においても上記の様な問題が発生す
る場合があった。
【0003】そこで、ポリウレタン重防食塗料と鋼材と
の接着性を改良するため、種々のプライマーが開発され
ており、通常エポキシ樹脂プライマーや一液湿気硬化型
ポリウレタン樹脂プライマーが使用されている。
【0004】然しながら、こうしたエポキシ樹脂プライ
マーや一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂プライマーは、
一般に硬化速度が遅く、プライマーを塗装したのち上塗
り塗装が出来るまでに長時間を要するために生産性が低
くなったり、作業環境(温度、湿度)の影響を受けやす
いなどの欠点を有している。又、塗料粘度調整のために
溶剤が使用されるのが一般的で、そのため溶剤飛散等の
作業環境の悪化の問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうした問題を解決す
るためには、二液反応型かつ無溶剤型プライマーが必要
となるが、例えば、エポキシ樹脂系では低温硬化性が悪
かったり、ウレタン樹脂系では塗膜が発泡するなどの問
題が発生し、未だ満足すべきものが得られていないのが
現状である。
【0006】ウレタンプライマーのガラス転移温度が4
0℃未満の場合は、塗膜強度が環境温度条件の影響を受
け易く、安定した塗膜物性が得られにくい。又、25℃
での塗膜の最終到達硬度(鉛筆硬度)がB未満の場合、
充分な塗膜強度が得られておらず、傷が付きやすいなど
塗膜剥離の原因ともなる。
【0007】一般に、ウレタン樹脂のガラス転移温度や
硬度を高くするには、用いられるポリオール成分の水酸
基価や官能基数を大きくすれば良いことが知られてい
る。然しながら、これらの値を単に大きくすると固く脆
くなったり、硬化時の発熱により発泡しやすくなる。ま
た、鋼材との接着性を高めるにはNCO/OH比をNC
O過剰且つ一定範囲にコントロールする必要がある。こ
の場合、過剰のNCOは空気中の湿分と反応して硬化す
ることになるので、ポリオールとの反応と湿分との反応
が適切にコントロールされなければならない。特に、過
剰のNCOと湿分との反応のコントロールは重要で、速
過ぎると塗膜が発泡し、遅すぎると塗膜の硬化が遅くな
る。更に、ウレタン樹脂塗膜だけでは防食性能が不充分
な場合や、過剰のNCO成分と湿分との反応による発泡
が生じる場合にはこれらに対する適切な処置も必要であ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、こうした
課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記に記載す
る本発明を提供するに至ったものである。
【0009】1.鋼材の表面の全面もしくは一部に対し
て前処理を施した後、膜厚1mm以上の無溶剤ポリウレ
タン樹脂からなる被覆層を被覆して得られる重防食被覆
鋼材において、前処理として用いる二液反応型ウレタン
プライマーのガラス転移温度が40℃以上であり、25
℃での塗膜の最終到達硬度(鉛筆硬度)がB以上である
ことを特徴とする重防食被覆鋼材。
【0010】2.前処理として用いる二液反応型ウレタ
ンプライマーは、分子中に平均2〜3個の水酸基を有し
水酸基価が200〜400mgKOH/g の脂肪族系アミ
ンポリオール単独配合、又は脂肪族アミンポリオールと
ヒマシ油及び/又はアルキレンポリオールとの併用で平
均水酸基価が200〜400mgKOH/gの混合ポリオ
ールからなるポリオール成分を、NCO対活性水素比が
1.0〜2.0の範囲で、イソシアネート成分と反応さ
せることを特徴とする、上記1記載の重防食被覆鋼材。
【0011】3.前処理として用いる二液反応型ウレタ
ンプライマーは、 ヒマシ油及び/又はポリアルキレンポリオールの混合
ポリオール、又はこの混合ポリオールと脂肪族系アミン
ポリオールとの併用で、平均水酸基価が200〜400
mgKOH/g であるポリオール成分を、 反応触媒として、泡化活性/樹脂化活性比(k2W/k
1W)が、0.050〜0.200である第3級アミン系
触媒を用いて、NCO対活性水素比が、1.0〜2.0
の範囲で、イソシアネート成分と反応させることを特徴
とする、上記1記載の重防食被覆鋼材。
【0012】4.前処理として用いる二液反応型ウレタ
ンプライマーはイソシアネート成分が、一般式(1) で示
されるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートで
ある、上記1、2又は3記載の重防食被覆鋼材。
【0013】
【化2】
【0014】5.前処理として用いる二液反応型ウレタ
ンプライマーは周期律表第II族及び/又は第 III族の金
属の燐酸塩からなる無機物粉体をポリオール成分100
重量部に対して5〜100重量部含有することを特徴と
する上記1、2、3又は4に記載の重防食被覆鋼材。
【0015】6.前処理として用いる二液反応型ウレタ
ンプライマーは合成ゼオライトをポリオール成分100
重量部に対して5〜20重量部含有することを特徴とす
る上記1、2、3、4又は5記載の重防食被覆鋼材。
【0016】7.前処理として用いる二液反応型ウレタ
ンプライマーは溶剤成分を含有しないことを特徴とする
上記1、2、3、4、5又は6記載の重防食被覆鋼材。
【0017】8.前処理として、被覆を施すべき鋼材表
面を例えばブラスト処理などで清浄にした後、二液反応
型ウレタンプライマー層を形成させたことを特徴とする
上記1記載の重防食被覆鋼材。
【0018】9.前処理として、被覆を施すべき鋼材表
面を例えばブラスト処理などで清浄にした後、クロム酸
系の化成処理を施し、その上に二液反応型ウレタンプラ
イマー層を形成させたことを特徴とする上記1記載の重
防食被覆鋼材。
【0019】10.鋼材が鋼管であることを特徴とする
上記1記載の重防食被覆鋼材。
【0020】11.鋼材が鋼管矢板であることを特徴と
する上記1記載の重防食被覆鋼材。
【0021】12.鋼材が鋼矢板であることを特徴とす
る上記1記載の重防食被覆鋼材。
【0022】13.鋼材がH形鋼であることを特徴とす
る上記1記載の重防食被覆鋼材。
【0023】14.鋼材が鋼板であることを特徴とする
上記1記載の重防食被覆鋼材。
【0024】本発明に使用する脂肪族系アミンポリオー
ルとは、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルア
ミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチルアミン
等の脂肪族アミンやトリエタノールアミンやトリイソプ
ロパノールアミンなどのアルカノールアミンに酸化エチ
レン、酸化プロピレン、酸化ブチレン等を単独又は混合
付加させたものであり、これらは単独又は2種以上組み
合わせて使用することができる。
【0025】本発明に使用するヒマシ油としては、ポリ
ウレタン原料として通常使用されるヒマシ油ならばいず
れでも良く、単独又は2種以上組み合わせて使用するこ
とができる。
【0026】又、本発明においてヒマシ油と併用するポ
リアルキレンポリオールには、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタンジ
オール、メチルペンタンジオール、ヘキサンジオール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール等の多価アルコールに酸化エチレン、酸化プロピ
レン、酸化ブチレン等を単独又は混合付加させたものが
ある。
【0027】本発明に使用する3級アミン系触媒として
は、N,N−ジメチルアミノエタノール、トリエチレン
ジアミン、N−(N' ,N' −2−ジメチルアミノエチ
ル)モルフォリン、N−(2−ヒドロキシエチル)−
N' −メチルピペラジン等がある。
【0028】本発明に使用するポリメチレンポリフェニ
ルポリイソシアネート(cr−MDI)は、特に限定す
るものではないが、より低粘度のものが好ましい。
【0029】本発明において使用する周期律表第II族及
び/又は第 III族の金属の燐酸塩としては、マグネシウ
ム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、スカンジウム、
ガリウムなどの燐酸塩である。第5周期以降のストロン
チウム、カドミウム、水銀などの重金属は毒性の点で使
用するのは好ましくない。又、他の無機酸、例えば塩
酸、硫酸、硝酸など、カルボン酸などの有機酸の塩は効
果がない。
【0030】これらの金属の燐酸塩は粉体であり、ポリ
オール成分100重量部に対して5〜100重量部添加
し、その平均粒径は0.1〜20μmのものを使用する
のが好ましい。添加量が5重量部未満の場合には耐陰極
剥離性が低下し、本発明の目的が達成できなくなる。添
加量が100重量部より多い場合にはプライマー塗膜の
強度が低下し、初期密着性、耐水密着性が低下する原因
となる。
【0031】本発明において使用する合成ゼオライトと
しては、Na12[(AlO2)12(SiO2)12]・nH2
O(細孔径4Å(0.4nm))、(Na12-2n
n ) [(AlO2)12(SiO2)12]・nH2 O(細孔
径3Å(0.3nm))、(Na12-2n ・Can )
[(AlO2)12(SiO2)12]・nH2 O(細孔径5Å
(0.5nm))、Na86[(AlO2)86(SiO2)
106 ]・nH2 O(細孔径10Å(1nm))、などで
ある。
【0032】本発明の重防食被覆鋼材の前処理として用
いる二液反応型ウレタンプライマーは、所望により、触
媒、可塑剤、溶剤、着色顔料、体質顔料、沈降防止剤等
の助剤を添加することができる。
【0033】本発明の重防食被覆鋼材の前処理として用
いるクロム酸系の化成処理剤としては、無水クロム酸水
溶液単独又は燐酸との混合水溶液を有機還元剤で部分還
元して6価クロムと3価クロムを混在させた水溶液、さ
らに被覆層との密着性を向上させるためにシリカ微粒子
単独、又はシランカップリング剤との混合添加した水溶
液などが使用できる。
【0034】本発明の重防食被覆鋼材に使用する鋼材の
形態としては、鋼管、鋼管矢板、鋼矢板、H形鋼、鋼板
など及びこれらから作られた構造物が挙げられる。
【0035】
【実施例】以下実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。尚、実施例及び比
較例で「部」、「%」とあるのは重量基準である。
【0036】〔実施例1〕ポリオール成分として3官能
脂肪族アミン系ポリオール(トリイソプロパノールアミ
ンPO付加物、水酸基価300mgKOH/g) 100部、焼成カ
オリンクレー25.0部、燐酸亜鉛系防錆顔料50.0
部、合成ゼオライト(細孔径4Å(0.4nm))1
0.0部及び可塑剤15.8部を均一に攪拌、混合した
ものを主剤液とした。又、比較的低粘度(30mPa・s 、25
℃にて)のポリメチレンポリフェニルポリイソシアネ
(以下クルード−MDI(cr−MDI)という)10
5部を硬化剤液とした(NCO/OH=1.50)(第
1表)。
【0037】主剤液と硬化剤液を充分混合してなるプラ
イマーを外面グリッドブラスト処理鋼管(外径216.
3mm、厚さ5.8mm)に、乾燥したときの膜厚が3
0μmになるようにエアースプレーを用いて塗装してか
ら室温で10分間養生し、プライマー塗膜の性状等を評
価した(第2表)。又、プライマー塗装後、室温でイン
ターバル5分おいた後、この塗装鋼管にポリウレタン重
防食塗料(第一工業製薬株式会社製MACFLEX10
7、以下の例において同じ)を厚さが2.5mmになる
ようにエアーレス塗装機を用いて塗装し(図1)、防食
性能の試験に供した(第2表)。図において、1が鋼
管、3が無溶剤ポリウレタン樹脂からなる被覆層、4が
プライマー層である。また、第2表中の「メインコー
ト」とは、ポリウレタン重防食塗料の皮膜のことであ
り、二重丸(◎)は目視検査の結果、塗膜が気泡を含ま
ずに非常に良好であったこと、丸(○)は目視検査の結
果、いくらかの気泡が認められるが塗膜は良好であった
ことを示している。
【0038】〔実施例2〜3〕ポリオール成分として3
官能脂肪族アミン系ポリオール(トリイソプロパノール
アミンPO付加物、水酸基価300mgKOH/g) 25部、ヒマ
シ油31.5部、ポリプロピレングリコール(水酸基価
400mgKOH/g) 43.5部、焼成カオリンクレー25.0
部、燐酸亜鉛系防錆顔料50.0部、合成ゼオライト
(細孔径4Å(0.4nm))10.0部、可塑剤1
5.8部及びジブチル錫ラウレート0.063部(実施
例2)若しくはN,N−ジメチルアミノエタノール(泡
化活性/樹脂化活性比(k2W/k1W)=0.123)
0.330部(実施例3)をそれぞれ均一に攪拌混合し
たものを主剤液とした(第1表)。そして、実施例1と
同様にクルード−MDI105部を硬化剤液とし(NC
O/OH=1.50)、塗装及び性能試験等を実施した
(第2表)。
【0039】〔実施例4〕ポリオール成分として、ヒマ
シ油(水酸基価160mgKOH/g) 42.0部、ポリプロピレ
ングリコール(水酸基価400mgKOH/g) 58.0部、焼成
カオリンクレー25.0部、燐酸亜鉛系防錆顔料50.
0部、合成ゼオライト10.0部、可塑剤15.8部及
びN,N−ジメチルアミノエタノール(泡化活性/樹脂
化活性比(k2W/k1W)=0.123)0.5部を均一
に攪拌混合したものを主剤液とした。そして、クルード
−MDI105部を硬化剤液とした(NCO/OH=
1.50)(第1表)。
【0040】片面グリッドブラスト処理鋼矢板(FSP
− IIIA 型)にクロム酸系の化成処理を施して全クロム
付着量が500mg/m2のクロム酸化合物の皮膜を形成さ
せ、その上に主剤液と硬化剤液を充分混合してなるプラ
イマーを乾燥したときの膜厚が30μmになるようにエ
アースプレーを用いて塗装してから室温で10分間養生
し、プライマー塗膜の性状等を評価した(第2表)。
【0041】又、プライマー塗装後、室温でインターバ
ル5分おいた後、この塗装鋼矢板にポリウレタン重防食
塗料を厚さが2.5mmになるように塗装し(図2)、
防食性能の試験に供した(第2表)。図において、2が
鋼矢板、3が無溶剤ポリウレタン樹脂からなる被覆層、
4が二液反応型ウレタンプライマー層、5がクロム酸化
合物からなる皮膜である。
【0042】〔実施例5〕ポリオール成分として、2官
能脂肪族アミンポリオール(ブチルアミンPO付加物、
水酸基価=300mgKOH/g)100部、焼成カオリンクレー
25.0部、燐酸亜鉛系防錆顔料50.0部及び合成ゼ
オライト10.0部を均一に攪拌混合したものを主剤液
とした(第1表)。そして、実施例1と同様にクルード
−MDI105部を硬化剤液とし、塗装及び性能試験等
を実施した(第2表)。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】〔比較例1〕ポリオール成分として、3官
能脂肪族アミンポリオール(トリイソプロパノールアミ
ンPO付加物、水酸基価=450mgKOH/g)24.0部と同
ポリオール(トリイソプロパノールアミンPO付加物、
水酸基価=62mgKOH/g)76.0部の混合ポリオール、焼
成カオリンクレー25.0部、燐酸亜鉛系防錆顔料5
0.0部、合成ゼオライト10.0部及び可塑剤15.
8部を均一に攪拌混合したものを主剤液とした(第3
表)。そして、実施例1と同様にクルード−MDI10
5部を硬化剤液とし、塗装及び性能試験等を実施した
(第4表)。第4表中の「メインコート」と、◎及び○
については、第2表について先に説明したとおりであ
り、バツ(×)は目視検査の結果、塗膜が気泡を含んで
いて不良であったことを示している。
【0046】〔比較例2〕ポリオール成分として3官能
脂肪族アミン系ポリオール(トリイソプロパノールアミ
ンPO付加物、水酸基価300mgKOH/g) 100部、N,N
−ジメチルアミノエタノール0.330部、焼成カオリ
ンクレー25.0部、燐酸亜鉛系防錆顔料50.0部、
合成ゼオライト(細孔径4Å(0.4nm))10.0
部及び可塑剤15.8部を均一に攪拌、混合したものを
主剤液とした(第3表)。そして、実施例1と同様にク
ルード−MDI105部を硬化剤液とし(NCO/OH
インデックス=0.50)、塗装及び性能試験等を実施
した(第4表)。
【0047】〔比較例3〕ポリオール成分として3官能
脂肪族アミン系ポリオール(トリイソプロパノールアミ
ンPO付加物、水酸基価300mgKOH/g) 100部、焼成カ
オリンクレー75.0部、及び可塑剤15.8部を均一
に攪拌、混合したものを主剤液とした(第3表)。そし
て、実施例1と同様にクルード−MDI105部を硬化
剤液とし(NCO/OHインデックス=2.50)、塗
装及び性能試験等を実施した(第4表)。
【0048】〔比較例4〜6〕実施例4の主剤液処方を
ベースに、反応触媒としてジブチル錫ラウレート0.1
75部(比較例4)、N−エチルモルフォリン(泡化活
性/樹脂化活性比(k2W/k1W)=0.047)1.7
5部(比較例5)、N,N,N' ,N' −テトラメチル
エチレンジアミン(同比=0.272)1.50部(比
較例6)に変えた処方をそれぞれ均一に攪拌混合したも
のを主剤液とした(第3表)。そして、実施例4と同様
に、クルード−MDI105部を硬化剤液とし、塗装及
び性能試験等を実施した(第4表)。
【0049】〔比較例7〕実施例1の主剤液処方をベー
スに、トリレンジイソシアネート−80(TDI−8
0)(68部)に硬化剤液を変更し(第3表)、実施例
1と同様に塗装及び性能試験等を実施した(第4表)。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【発明の効果】本発明による重防食被覆鋼材は、耐水
性、耐陰極剥離性、密着性、耐衝撃性等の防食性に優れ
ており、地中、港湾、河川などにおいて長期間使用され
ても腐食およびそれに伴う配管、容器、構造物などの破
壊を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における重防食被覆鋼管の一例を示す図
である。
【図2】本発明における重防食被覆鋼矢板の一例を示す
図である。
【符号の説明】
1…鋼管 2…鋼矢板 3…無溶剤ポリウレタン樹脂からなる被覆層 4…二液反応型ウレタンプライマー層 5…クロム酸化合物からなる皮膜

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材の表面の全面もしくは一部に対して
    前処理を施した後、膜厚1mm以上の無溶剤ポリウレタ
    ン樹脂からなる被覆層を被覆して得られる重防食被覆鋼
    材において、前処理として用いる二液反応型ウレタンプ
    ライマーのガラス転移温度が40℃以上であり、25℃
    での塗膜の最終到達硬度(鉛筆硬度)がB以上であるこ
    とを特徴とする重防食被覆鋼材。
  2. 【請求項2】 前処理として用いる二液反応型ウレタン
    プライマーは、分子中に平均2〜3個の水酸基を有し水
    酸基価が200〜400mgKOH/g の脂肪族系アミン
    ポリオール単独配合、又は脂肪族アミンポリオールとヒ
    マシ油及び/又はアルキレンポリオールとの併用で平均
    水酸基価が200〜400mgKOH/gの混合ポリオー
    ルからなるポリオール成分を、NCO対活性水素比が
    1.0〜2.0の範囲で、イソシアネート成分と反応さ
    せることを特徴とする、請求項1記載の重防食被覆鋼
    材。
  3. 【請求項3】 前処理として用いる二液反応型ウレタン
    プライマーは、 ヒマシ油及び/又はポリアルキレンポリオールの混合
    ポリオール、又はこの混合ポリオールと脂肪族系アミン
    ポリオールとの併用で、平均水酸基価が200〜400
    mgKOH/g であるポリオール成分を、 反応触媒として、泡化活性/樹脂化活性比(k2W/k
    1W)が、0.050〜0.200である第3級アミン系
    触媒を用いて、NCO対活性水素比が、1.0〜2.0
    の範囲で、イソシアネート成分と反応させることを特徴
    とする、請求項1記載の重防食被覆鋼材。
  4. 【請求項4】 前処理として用いる二液反応型ウレタン
    プライマーはイソシアネート成分が、一般式(1) で示さ
    れるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートであ
    る、請求項1、2又は3記載の重防食被覆鋼材。 【化1】
  5. 【請求項5】 前処理として用いる二液反応型ウレタン
    プライマーは周期律表第II族及び/又は第 III族の金属
    の燐酸塩からなる無機物粉体をポリオール成分100重
    量部に対して5〜100重量部含有することを特徴とす
    る請求項1、2、3又は4に記載の重防食被覆鋼材。
  6. 【請求項6】 前処理として用いる二液反応型ウレタン
    プライマーは合成ゼオライトをポリオール成分100重
    量部に対して5〜20重量部含有することを特徴とする
    請求項1、2、3、4又は5記載の重防食被覆鋼材。
  7. 【請求項7】 前処理として用いる二液反応型ウレタン
    プライマーは溶剤成分を含有しないことを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5又は6記載の重防食被覆鋼材。
  8. 【請求項8】 前処理として、被覆を施すべき鋼材表面
    を清浄にした後、二液反応型ウレタンプライマー層を形
    成させたことを特徴とする請求項1記載の重防食被覆鋼
    材。
  9. 【請求項9】 前処理として、被覆を施すべき鋼材表面
    を清浄にした後、クロム酸系の化成処理を施し、その上
    に二液反応型ウレタンプライマー層を形成させたことを
    特徴とする請求項1記載の重防食被覆鋼材。
  10. 【請求項10】 鋼材が鋼管であることを特徴とする請
    求項1記載の重防食被覆鋼材。
  11. 【請求項11】 鋼材が鋼管矢板であることを特徴とす
    る請求項1記載の重防食被覆鋼材。
  12. 【請求項12】 鋼材が鋼矢板であることを特徴とする
    請求項1記載の重防食被覆鋼材。
  13. 【請求項13】 鋼材がH形鋼であることを特徴とする
    請求項1記載の重防食被覆鋼材。
  14. 【請求項14】 鋼材が鋼板であることを特徴とする請
    求項1記載の重防食被覆鋼材。
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