JP2023178251A - 防食塗装方法 - Google Patents

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伶美 太田
Remi Ota
邦夫 志村
Kunio Shimura
優輝 太田
Yuki Ota
峰徳 勝
Minenori Katsu
英樹 松田
Hideki Matsuda
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Abstract

【課題】錆面上の積層塗膜の仕上がり性が良好で、かつ著しい温度変化を伴う環境下に置かれた錆面に対しても十分な防食性を発揮しうる防食塗装方法を提案する。【解決手段】錆が残存する金属系基材面に、有機溶剤系下塗り塗料(I)を塗装し、常温乾燥させて下塗り塗膜を形成させた後、その上にエポキシ樹脂系上塗り塗料(II)を塗装し、常温乾燥させて上塗り塗膜を形成させる工程を含む防食塗装方法であって、塗料(I)が、エポキシ樹脂もしくはウレタン樹脂を含む樹脂成分(A)、防錆剤成分(B)及び有機溶剤(C)を含む塗料であり、塗料(II)が、エポキシ樹脂(D)、防錆剤成分(E)、アミノ基含有樹脂(F)及び有機溶剤(G)を含む不揮発分濃度が80質量%以上の塗料であり、エポキシ樹脂(D)のエポキシ当量が1700以下であり、且つ塗料(I)に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量よりも低く、上塗り塗膜の乾燥膜厚が0.3mm~6mmの範囲内にある、防食塗装方法。【選択図】なし

Description

本発明は塗料組成物を用いた防食塗装方法に関する。
鋼材は、海洋構造物、港湾施設、船舶、建築、土木構造物、自動車など多方面に広く用いられているが、自然環境に曝されると腐食するという問題がある。腐食を防止あるいは抑制する方法として、防食塗装が行われている。
一般に、鋼構造物の防食塗装を行うには、塗装前の下地処理が大切であり、その精度により、塗膜の寿命が左右される。下地処理には、鋼構造物の発錆部の錆びた部分の除去、旧塗膜表面の面粗らし、防錆効果を失って脆くなった塗膜の除去等が行われている。下地処理の程度は「ケレン」という名称で呼ばれており、グレードにより1種ケレンから3種ケレンまで分類され、グレードに応じた処理方法で下地処理が行われている。
ケレンのグレードの分類は明確に定められたものではないが、1種ケレンは錆や塗膜を完全に除去し、鋼材面を清浄にする本格的な下地処理をいい、3種ケレンは、活膜は残し、錆や劣化塗膜は除去する簡易下地処理であり、2種ケレンはその中間である。
そして、鋼構造物の防食塗装において理想とされている1種ケレングレードまで下地処理を行うには、研磨粒子を圧縮空気で吹き付けるサンドブラスト、ショットブラスト等のブラスト手法を行う必要があるがブラスト手法は機械騒音や作業騒音、塗装業者が費やす労力と時間が共に大きいという問題があり、2種ケレンまたは3種ケレン程度の簡易な下地処理でも長期の防食性を発揮できる防食塗装方法が必要とされてきた。
そうした方策として本出願人は特許文献1において、既設構造物表面に生じた錆を簡易除去し、その上に、無機系ジンクプライマーを塗装し、その上にエポキシ樹脂系下塗り塗料を塗装する塗り替え工法を提案した。また、特許文献2には、錆面を有する鋼材に対して水蒸気透過量が特定値以下の塗膜を形成する塗膜形成方法が開示されている。
特開2018-012099号公報 特開2020-97777号公報
しかしながら、錆を有する金属基材に対して安定した防食性を付与することは困難であり、特許文献1及び2に記載されているような方法を採用しても、状況によっては十分な防食性が発揮できない場合がある。例えば夏場の強烈な紫外線や冬場の凍結環境下など、著しい温度変化を伴う環境下に置かれた場合、所期の防食性が維持できない場合がある。また、錆面上の積層塗膜には仕上がり性が求められる。
本発明の課題は、錆面上の積層塗膜の仕上がり性が良好で、かつ著しい温度変化を伴う環境下に置かれた錆面に対しても十分な防食性を発揮しうる防食塗装方法を提案することにある。
本発明者らは上記課題について鋭意検討した。その結果、特定の樹脂成分と防錆剤を含む有機溶剤系塗料による下塗り塗膜を設けたあとに、エポキシ当量の小さいエポキシ樹脂を含む高固形分塗料を特定の膜厚に塗装することで、両者が融合し、錆面上でも紫外線や凍結環境下に耐性があり、著しい温度変化を伴う環境に耐える積層防食塗膜構造が得られることを見出した。
すなわち、本発明は
項1.
錆が残存する金属系基材面に、
有機溶剤系下塗り塗料(I)を塗装し、常温乾燥させて下塗り塗膜を形成させた後、その上にエポキシ樹脂系上塗り塗料(II)を塗装し、常温乾燥させてエポキシ樹脂系上塗り塗膜を形成させる工程を含む防食塗装方法であって、
前記下塗り塗料(I)が、エポキシ樹脂もしくはウレタン樹脂を含む樹脂成分(A)、防錆剤成分(B)及び有機溶剤(C)を含む塗料であり、
前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が、エポキシ樹脂(D)、防錆剤成分(E)、アミノ基含有樹脂(F)及び有機溶剤(G)を含む不揮発分濃度が80質量%以上の塗料であり、
前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)に含まれるエポキシ樹脂(D)のエポキシ当量が1700以下であり、且つ前記下塗り塗料(I)に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量よりも低いものであり、エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)により形成される塗膜の乾燥膜厚が0.3mm~6mmの範囲内にある、防食塗装方法。
項2.
港湾又は海洋上構造物に対して適用される、項1に記載の防食塗装方法。
項3.
桟橋、ドルフィン、護岸、防波堤、岸壁、人工島、沈埋トンネル、海洋上空港、海洋上石油施設、海洋上ガス施設、及び海洋上風力発電所からなる群から選ばれる少なくとも1種の港湾又は海洋上構造物に対して適用される、項1に記載の防食塗装方法。
項4.
下塗り塗料(I)が弱溶剤型である、項1に記載の防食塗装方法。
項5.
下塗り塗料(I)が樹脂成分(A)としてエポキシ樹脂を含み、アミノ基含有樹脂をさらに含む、請求項1に記載の防食塗装方法。
項6.
下塗り塗料(I)がシランカップリング剤をさらに含む、項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
項7.
下塗り塗料(I)が、ガラスフレーク及び/又はタルクをさらに含む、項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
項8.
エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む、項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
項9.
エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が、ガラスフレーク及び/又は繊維状無機化合物をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
項10.
エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が、顔料分をさらに含む、項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
項11.
前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が主剤と硬化剤とを混合して得られる2液型の塗料組成物であり、主剤及び硬化剤が共に顔料分を含む、項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
に関する。
本発明の防食塗装方法によれば、被塗物上の積層塗膜の仕上がり性が良好であると共に、著しい温度変化を伴う環境下に置かれた錆面に対して適用しても優れた防食性を発揮することができ、被塗物を長期間にわたって保護することができる。
<被塗物>
本発明方法が適用される金属系基材とは、鉄鋼などの金属材料が挙げられるが、亜鉛、アルミなどの非鉄金属にも適用可能である。
本発明の方法が適用される被塗物の具体例としては、錆が残存する前記金属系基材を構成部材として有する構造物、錆が残存する前記金属系基材を構成部材として有する板、棒、又は管などに加工した加工品などが挙げられる。錆の残存度合いに制限はない。被塗物としては、具体的には、例えば、塔、橋梁、タンクなどの土木構造物;石油又はガス掘削プラント、発電所等の各種プラントなどの構造物;家屋、ビルなどの建築構造物;ガードフェンス、産業機械などの屋外器具などが挙げられる。本発明では特に錆が残存する金属基材を有する港湾又は海洋上構造物を被塗物とする場合にその効果を最大限に発揮することができる。すなわち、本発明の特定の実施形態によれば、簡易な補修塗装作業によって、海洋上など、作業者及び金属の両方にとって過酷な環境下にあり、メンテナンスの機会が限られる被塗物に対して、長期の工期期間を要することなく、高防食性を付与することが可能である。前記港湾又は海洋上構造物は、海洋上又は港湾に築かれている上部構造物を支持材が支えている構造物であり、具体的には桟橋、ドルフィン、護岸、防波堤、岸壁、人工島、沈埋トンネル、海洋上空港、海洋上石油施設、海洋上ガス施設、海洋上風力発電所等が挙げられる。
<下塗り塗料(I)>
本発明の防食塗装方法に使用される下塗り塗料(I)は、エポキシ樹脂もしくはウレタン樹脂を含む樹脂成分(A)、防錆剤成分(B)及び有機溶剤(C)を含む有機溶剤系塗料である。本明細書において有機溶剤型塗料とは塗料中の溶媒の全て又はほとんどが有機溶剤である塗料をいう。下塗り塗料(I)をあらかじめ設けることによって、強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下など、著しい温度変化を伴う環境下に置かれた錆面に対しても防食性を発揮する効果がある。
<樹脂成分(A)>;
本発明において下塗り塗料(I)の塗膜形成成分となる樹脂成分(A)は、エポキシ樹脂もしくはウレタン樹脂を含む樹脂成分である。
前記エポキシ樹脂は分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する樹脂である。
エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;上記ビスフェノール型エポキシ樹脂を二塩基酸等で変性したエポキシエステル樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;ポリグリコール型エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル等の脂肪族型エポキシ樹脂;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有アクリルモノマーを構成成分とするエポキシ基含有アクリル樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は400以上、500~1500の範囲内にあることが好ましい。エポキシ樹脂の数平均分子量は900以上、好ましくは900~10000、さらに好ましくは900~8000の範囲内にある。
エポキシ当量とは1グラム当量のエポキシ基を含む樹脂のグラム数(g/eq)であり、本明細書ではメーカー公表値もしくはJIS K 7236に準じて測定されたエポキシ当量を用いる。
数平均分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィにより測定した数平均分子量をポリスチレンの数平均分子量を基準にして換算した値である。
さらに詳しくは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(東ソー株式会社製、「HLC8120GPC」)で測定した数平均分子量をポリスチレンの数平均分子量を基準にして換算した値を挙げることができる。カラムは、「TSKgel G-4000H×L」、「TSKgel G-3000H×L」、「TSKgel G-2500H×L」、「TSKgel G-2000H×L」(いずれも東ソー株式会社社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1cc/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
前記エポキシ樹脂は、アルキルフェノール及び/又は脂肪酸で変性された変性樹脂であることが強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性の点から適している。
前記アルキルフェノールとしては、炭素原子数約2~18のアルキル基を有するフェノールが好ましく、具体例として、パラt-ブチルフェノール、パラオクチルフェノール、ノニルフェノール、これらをアルデヒドで縮合したノボラック樹脂などを挙げることができる。
前記脂肪酸としては、炭素数6~24、特に12~20の脂肪族モノカルボン酸が包含され、それ自体既知の不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸を特に制限なく使用することができる。具体例としては、例えば、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪酸、ゴム種油脂肪酸等の乾性油脂肪酸;ヤシ油脂肪酸、水添ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の不乾性油脂肪酸;カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸を挙げることができる。
上記ウレタン樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより得られるウレタン結合含有樹脂を挙げることができる。該ウレタン結合含有樹脂の末端官能基は水酸基であってもイソシアネート基であってもよい。
前記ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール等の2価のアルコール;
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の3価アルコール;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等ポリエーテルポリオール;
前記の2価のアルコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等のアルコールと、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸等の2塩基酸との重縮合物、ポリカプロラクトン等のラクトン系開環重合体ポリオール、ポリカーボネートジオール等のポリエステルポリオール;
ブタジエン、イソプレン等のジエン化合物と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドとの付加重合物等のポリオレフィンポリオール;
及びこれらの組み合わせが挙げられる。
上記のポリオールと反応させるポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ-ト、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン-2,4-(又は-2,6-)ジイソシアネート、1,3-(又は1,4-)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,2-シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート化合物;キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1,4-ナフタレンジイソシアネート、4,4-トルイジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m-又はp-)フェニレンジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4-イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4-フェニルイソシアネート)等の芳香族ジイソシアネート化合物;トリフェニルメタン-4,4’,4’’-トリイソシアネート、1,3,5-トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナトトルエン、4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトライソシアネート等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物;及びこれらの組み合わせ等を挙げることができる。前記ポリイソシアネートはこれら例示のイソシアネート化合物のビューレットタイプ付加物、イソシアヌレート環付加物、アダクト変性物であってもよい。
前記樹脂成分(A)の不揮発分の質量は下塗り塗料(I)の不揮発分中の15~50質量%の範囲内が好適である。
本明細書において、不揮発分とは揮発成分を除いた残存物を意味する。残存物は常温で固形状であっても液状であっても差し支えない。例えば試料1グラムを105℃、3時間処理して揮発成分を除去した時の残存成分をいう。
<防錆剤成分(B)>
本発明において、防錆剤成分(B)としては、塗料分野で公知の防錆剤成分を使用可能であり、無機化合物であっても有機化合物であってもよく、単独化合物、複合化合物、これら化合物を複数併用した組成物等、その形態に制限はない。具体的には、リン酸亜鉛、リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム・アンモニウム共析物、リン酸一水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、リン酸マグネシウム・カルシウム共析物、リン酸マグネシウム・コバルト共析物、リン酸マグネシウム・ニッケル共析物、リン酸カルシウム、リン酸カルシウムアンモニウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸塩化フッ化カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸水素アルミニウム等のリン酸系金属化合物;
亜リン酸マグネシウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マグネシウム・カルシウム共析物、塩基性亜リン酸亜鉛、亜リン酸バリウム、亜リン酸マンガン、次亜リン酸カルシウム等の亜リン酸系金属化合物;
ケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸アルミニウム、オルトケイ酸アルミニウム、水化ケイ酸アルミニウム、アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、ベリロケイ酸塩、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ケイ酸アルミニウムベリリウム、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、ケイ酸カルシウムナトリウム、ケイ酸ジルコニウム、オルトケイ酸マグネシウム、メタケイ酸マグネシウム、ケイ酸マンガン、ケイ酸バリウム等のケイ酸金属塩;マグネシウムイオン交換シリカ、カルシウムイオン交換シリカ等の金属イオン交換シリカ系化合物;
トリポリリン酸二水素アルミニウム、トリポリリン酸二水素アルミニウムの酸化マグネシウム複合物、トリポリリン酸アルミニウム、トリポリリン酸二水素アルミニウムの酸化亜鉛複合物等の縮合リン酸系金属化合物;
五酸化バナジウム、バナジン酸カルシウム、バナジン酸マグネシウム及びメタバナジン酸アンモニウム、酸化マンガンと酸化バナジウムとの焼成物、リン酸カルシウムと酸化バナジウムとの焼成物等のバナジウム系金属化合物;
モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、リンモリブデン酸アルミニウム等のモリブデン酸系金属化合物;
亜鉛、酸化亜鉛等の亜鉛系化合物;
シリカ、コロイダルシリカ等のシリカ系化合物;
酸化鉄と酸化マグネシウムとの複合酸化鉄、酸化鉄と酸化カルシウムとの複合酸化鉄、酸化鉄と酸化亜鉛との複合酸化鉄等の複合金属酸化鉄;
トリアゾール化合物、チオール化合物、チアジアゾール化合物、チアゾール化合物等の含硫黄有機化合物;
ハイドロカルマイト、ハイドロタルサイト、ゼオライト等の粘土鉱物;
水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化又は酸化物、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ニッケル、硫酸鉄、硫酸コバルト、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸スズ及び硫酸クロム等の金属硫酸塩;
等を挙げることができる。前記したようにこれらは単独で又は2種以上組み合わせたものであってもよいし、2種以上を複合した複合物であることもできる。また、これら例示の化合物をシリカ、ケイ酸カルシウム等のケイ酸化合物や酸化マグネシウム等による変性物もしくは処理物も防錆剤成分(B)に包含される。
防錆剤成分(B)は、単独もしくは複数の組み合わせの市販品を用いてもよい。かかる市販品としては、例えば「EXPERT NP-1000」、「EXPERT NP-1020C」、「EXPERT NP-1100」、「EXPERT NP-1102」(以上、東邦顔料工業株式会社製、商品名)、「LFボウセイ CP-Z」、「LFボウセイ MZP-500」、「LFボウセイ CRFC-1」、「LFボウセイ M-PSN」、「LFボウセイ MC-400WR」、「LFボウセイ PM-300」、「LFボウセイ PM-308」(以上、キクチカラー株式会社製、商品名)、「K-WHITE140」「K-WHITE Ca650」、「K-WHITE450H」、「K-WHITE G-105」、「K-WHITE #105」、「K-WHITE #82」(以上、テイカ株式会社製、商品名)、「SHIELDEX C303」、「SHIELDEX AC-3」、「SHIELDEXC-5」(以上、いずれもW.R.Grace&Co.社製)、「サイロマスク52」、「サイロマスク52M」、「サイロマスク22MR-H」(以上、富士シリシア株式会社製)、「ノビノックスACE-110」(SNCZ社製、フランス)等を挙げることができる。
上記防錆剤成分(B)の配合量としては、強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性の点から、樹脂成分(A)の不揮発分の質量100質量部を基準として5~90質量部の範囲内にあることが好ましく、10~80質量部の範囲内にあることがさらに好ましい。
<有機溶剤(C)>
前記下塗り塗料(I)は有機溶剤(C)を含む。有機溶剤(C)としては、塗料分野で公知の有機溶剤を使用できるが、例えば炭化水素系有機溶剤、エステル系有機溶剤、及びケトン系有機溶剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶剤を使用することが好ましい。
炭化水素系有機溶剤としては、例えば、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ターペン、ノルマルデカン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
エステル系有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどが挙げられる。
ケトン系有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルイソアミルケトン、ジイソブチルケトンなどが挙げられる。
これらは単独で、あるいは2種以上を混合して使用することができる。
本発明では前記下塗り塗料(I)が弱溶剤型であることが好ましい。前記有機溶剤(C)は、その成分の一部として弱溶剤を含むことが好ましい。弱溶剤は塗料分野でよく用いられる用語であって、一般的には溶解力の弱い溶剤を意味するものであり厳密に定義されるものではないが、労働安全衛生法による有機溶剤の分類において、第3種有機溶剤とされているものが挙げられる。
その具体例としては、例えば、ガソリン、コールタールナフサ(別名:ソルベントナフサ)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレビン油、ミネラルスピリツト(別名:ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリツト、ホワイトスピリツト及びミネラルターペン)およびこれらの組み合わせが挙げられる。
有機溶剤(C)中に占める弱溶剤の割合としては、有機溶剤(C)中、好ましくは40質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。上限値は、95質量%以下であることが好ましい。
<アミノ基含有樹脂>
本発明において前記樹脂成分(A)がエポキシ樹脂を含む場合は、下塗り塗料(I)がアミノ基含有樹脂をさらに含むことが下塗り塗料(I)の効果を促進する点で好ましい。アミノ基含有樹脂は一分子中に2個以上の、ブロックされていてもよいアミノ基を有する。具体的には、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、複素環ポリアミンなどのポリアミン化合物;これらポリアミン化合物の変性物;例えば、ポリアミドアミン等の脂肪酸変性物、エポキシアダクト、マンニッヒ変性物(例:フェナルカミン、フェナルカマイド)、マイケル付加物、ケチミン、アルジミンなどが挙げられる。これらは単独もしくは複数の組み合わせの市販品を用いてもよい。
<シランカップリング剤>
本発明において下塗り塗料(I)は、強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性の点からシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N-β(N-ビニルベンジルアミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン-塩酸塩、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ-アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、オクタデシルジメチル[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、トリメチルクロロシラン等を挙げることができる。なかでもγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤を含む場合の含有量は、樹脂成分(A)の不揮発分質量100質量部を基準として0.1~10質量部が好ましく、特に0.5~5質量部の範囲内であることが好ましい。
<ガラスフレーク及び/又はタルク>
また、前記下塗り塗料(I)は、強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性の点から、ガラスフレーク及び/又はタルクを含むことが好ましい。
ガラスフレークとは扁平状のガラスをいい、平均粒子径が10~300μmのものを使用することが好ましい。
本明細書においてガラスフレークの平均粒子径は、メーカー公表値もしくはレーザー回折散乱法により測定される体積分布から導かれるメディアン径である。
ガラスフレークとしては、市販されているものを使用することができる。具体的には例えば、「RCF-15」、「RCF-140」、「RCF-160」、「RCF-600」、「REF-600」、「RCF-2300」(以上、全て日本板硝子株式会社製)等を挙げることができる。
ガラスフレークを使用する場合、その量は樹脂成分(A)不揮発分100質量部を基準として5~80質量部の範囲内が好ましく、10~70質量部の範囲内がより好ましい。
また、タルクを使用する場合、その量は樹脂成分(A)不揮発分100質量部を基準として10~160質量部の範囲内が好ましく、20~150質量部の範囲内がより好ましい。
本発明の防食塗装方法に使用される下塗り塗料(I)は、1液型の塗料組成物であっても主剤と硬化剤とを塗装直前に混合する2液型の塗料組成物であってもよい。下塗り塗料(I)が1液型の塗料組成物である場合は、樹脂成分(A)として、イソシアネート末端ポリウレタン樹脂、もしくはエポキシ樹脂及びケチミンの組み合わせを含むことが好ましい。ケチミンは、前記ポリアミンの一級又は二級アミノ基と、アセトンや、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトン等のカルボニル化合物とを反応させることにより得られる化合物であり、水と反応してアミノ基が再生される。このため貯蔵状態では塗料中のケチミンはエポキシ基と反応しないが、塗装され塗膜が空気中の水分に曝された際にケチミンからアミノ基が再生されエポキシ樹脂のエポキシ基と反応し、架橋反応が進行される。
下塗り塗料(I)が2液型の塗料組成物である場合、塗料組成物は、樹脂成分(A)を含む第1液と、アミノ基含有樹脂を含む第2液とを含み、樹脂成分(A)はエポキシ樹脂を含むことが好ましい。第1液が主剤であり、第2液が硬化剤である。防錆剤成分(B)、シランカップリング剤、ガラスフレーク及び/又はタルク、並びに顔料は、第1液、第2液、又はその両方に含まれていてもよいが、いずれも第1液に含まれることが好ましい。有機溶媒(C)は、第1液、第2液、又はその両方に含まれる。
上記下塗り塗料(I)においては、着色顔料、体質顔料等の顔料分、染料、アルキド樹脂、アクリル樹脂等の改質用樹脂;可塑剤、造膜助剤、分散剤、表面調整剤、消泡剤、沈降防止剤、増粘剤、硬化触媒、脱水剤等の通常の塗料用添加剤を含むことができる。
これらのうち着色顔料としては、例えば、チタン白、ベンガラ、カーボンブラック、鉄黒、亜鉛華等が挙げられ、体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、クレー、焼成カオリン等を例示することができる。
<下塗り塗料(I)の塗装>
上記下塗り塗料(I)の塗装は、エアスプレー、エアレススプレー、刷毛塗り、ローラーなどの従来公知の方法が採用できる。下塗り塗料(I)の塗布時の不揮発分濃度は、錆面上で形成された塗膜が粗さの少ない外観を有することから、好ましくは60~99質量%、より好ましくは65~85質量%となるように調整される。塗装後の乾燥は通常、常温で行われる。常温とは、塗装が行なわれる環境の大気温度により異なるが、強制的な加熱又は冷却などの温度操作を行なわない温度をいう。
下塗り塗料(I)による下塗り塗膜の乾燥膜厚は、好ましくは10~800μm、より好ましくは30~600μmの範囲内である。乾燥膜厚は、塗布量と不揮発分濃度、塗料比重から計算して求めるものとする。塗料比重はJIS K 5600-2-4(1999)ピクノメータ法に準じて行うことができる。
<エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)>
本発明方法において、上記下塗り塗料(I)により形成された下塗り塗膜上に塗装されるエポキシ樹脂系上塗り塗料(II)は、エポキシ樹脂(D)、防錆剤成分(E)、アミノ基含有樹脂(F)及び有機溶剤(G)を含む。
<エポキシ樹脂(D)>
本発明において上塗り層となるエポキシ樹脂系上塗り塗料(II)の塗膜形成成分となるエポキシ樹脂(D)は、エポキシ当量が1700以下にあり、且つ前記下塗り塗料(I)に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量よりも低いエポキシ樹脂である。
エポキシ樹脂(D)のエポキシ当量が1700を超えると、塗膜の付着性及び強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性が低下する。また、エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)に含まれるエポキシ樹脂(D)のエポキシ当量が下塗り塗料(I)に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量と同じかそれより高いと、塗膜の付着性及び強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性が低下する。
エポキシ樹脂(D)のエポキシ当量は100~800、特に150~500の範囲内が好ましい。
このようなエポキシ樹脂(D)を使用することによって、前記下塗り塗膜と共に形成される積層塗膜が錆面防食性だけではなく、強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性に優れ、著しい温度変化を伴う環境にも耐えるという効果がある。
エポキシ樹脂(D)の具体例としては、上記樹脂成分(A)に含まれるエポキシ樹脂の説明で列記した化合物と同様の化合物が挙げられる。特にビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂を併用するものであることが好ましい。
前記エポキシ樹脂(D)の含有量としてはエポキシ樹脂系上塗り塗料(II)の不揮発分中に15質量%以上であることが好ましく、20~80質量%の範囲内にあることが特に好ましい。
前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)において、エポキシ樹脂(D)としてビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂を併用する場合、その併用割合は、錆面に対する付着性及び積層塗膜、すなわち下塗り塗料(I)から形成された下塗り塗膜とエポキシ樹脂系上塗り塗料(II)から形成された上塗り塗膜を含む積層塗膜の仕上がり性の観点からビスフェノールA型エポキシ樹脂/ビスフェノールF型エポキシ樹脂の質量比で5/95~95/5の範囲内が好ましく、10/90~90/10の範囲内が特に好ましい。
<防錆剤成分(E)>
また、本発明では強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性の点から、前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)は防錆剤成分(E)を含む。防錆剤成分(E)としては上記防錆剤成分(B)と同様の化合物が挙げられる。当該防錆剤成分(E)の含有量は、エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)の不揮発分中の0.1~30質量%の範囲内が好ましく、1.5~20質量%の範囲内がより好ましい。
<アミノ基含有樹脂(F)>
エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)は、アミノ基含有樹脂(F)を含む。アミノ基含有樹脂(F)としては、前記下塗り塗料(I)におけるアミノ基含有樹脂の説明で例示した化合物を挙げることができる。
前記アミノ基含有樹脂(F)は積層塗膜仕上がり性、強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性の点から、アミン価が50~500mgKOH/g、特に150~400mgKOH/gの範囲内にあることが好ましい。
アミン価は試料1g中に含まれる1級、2級および3級アミンを中和するのに要する塩酸と当量の水酸化カリウムのmg数であり、本明細書ではメーカー公表値もしくはJIS K 7237に準じて測定されたアミン価を用いる。
<有機溶剤(G)>
前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)は積層塗膜の塗装作業性の観点から有機溶剤(G)を含む。有機溶剤(G)としては、前記有機溶剤(C)で例示した有機溶剤を挙げることができる。
前記有機溶剤(G)の含有量は塗布時のエポキシ樹脂系上塗り塗料(II)の不揮発分濃度が後述の範囲内となるように有機溶剤それ自体もしくは原材料からの持ち込みにより調整される。
<ガラスフレーク及び/又は繊維状無機化合物>
また、前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)は、強烈な紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性の観点から、ガラスフレーク及び/又は繊維状無機化合物を含むことが好ましい。ガラスフレークは上記下塗り塗料(I)の説明で例示したものを挙げることができる。繊維状無機化合物としては、ガラス繊維、炭化珪素、窒化珪素、ウオラストナイト、セピオライト、クリソタイル、アモサイト、トレモライト、ゼオライト、カルシウムメタシリケート、ゾノライト、チタン酸カリウム、ロックウール、アルミニウムシリケート、カーボンファイバー、アラミドファイバー、ホウ酸アルミニウム、針状炭酸カルシウム、針状塩基性硫酸マグネシウム、針状酸化亜鉛、アラゴナイト型軽質炭酸カルシウム、紡錘型軽質炭酸カルシウム、サチンホワイト等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記繊維状無機化合物のアスペクト比は3.5以上であることが好ましく、4~30の範囲内にあることがより好ましい。アスペクト比とは長軸径/短軸径の値であり、ここでいう短軸径および長軸径とは、電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の短軸径および長軸径を測長し、それぞれの数平均値を求めたものである。
また、繊維状無機化合物の平均繊維長は5~300μmの範囲内が好ましく、特に10~200μmの範囲内が好ましい。本明細書において平均繊維長は、アスペクト比の測定において得られた長軸径の平均値とする。
繊維状無機化合物又はガラスフレークを使用する場合の含有量は、エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)の不揮発分中、繊維状無機化合物が好ましくは0.1~30質量%、より好ましくは1.5~20質量%の範囲内であり、ガラスフレークが好ましくは0.1~30質量%、より好ましくは1.5~20質量%の範囲内である。
本発明の防食塗装方法に使用されるエポキシ樹脂系上塗り塗料(II)の塗料形態は、特に制限されるものではないが、主剤と硬化剤とを混合して得られる2液型の塗料組成物であることが好ましい。塗料形態としてはエポキシ樹脂(D)とアミノ基含有樹脂(F)が貯蔵時に分割されていれば、防錆剤成分(E)及び有機溶剤(G)の各々は主剤及び硬化剤のいずれの成分もしくは両方に含まれ得る。本発明では、エポキシ樹脂系上塗り塗料(I)が、エポキシ樹脂(D)及び防錆剤成分(E)を含む主剤と、アミノ基含有樹脂(F)を含む硬化剤とからなる2液型の塗料組成物で提供され、塗装業者が現場で主剤と硬化剤及び必要に応じて希釈剤等を混合して調製する態様が望ましい。
また、前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)は上記エポキシ樹脂(D)以外の樹脂など改質用樹脂成分;着色顔料、体質顔料等の顔料分、分散剤、表面調整剤、消泡剤、増粘剤、硬化触媒、可塑剤、反応性希釈剤、凍結防止剤、皮張り防止剤等の塗料用添加剤を主剤又は硬化剤のいずれかあるいは両方に含むことができる。
<顔料分>
本発明において前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)は顔料分をさらに含むことが好ましい。顔料分としては着色顔料、体質顔料等が好適に使用される。
着色顔料としては、例えば、チタン白、ベンガラ、カーボンブラック、鉄黒、亜鉛華等が挙げられ、体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、クレー、タルク、焼成カオリン等を例示することができる。
顔料分の含有量は、エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)の不揮発分中0.1~50質量%の範囲内が好ましく、2~40質量%の範囲内がより好ましい。
前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が2液型の塗料組成物である場合、主剤及び硬化剤は、共に顔料分を含むことが好ましい。主剤及び硬化剤が共に顔料分を含むことによって、粗さの少ない積層塗膜の塗膜が容易に得られる。この場合、主剤中に含まれる顔料分の割合は主剤の不揮発分中に0.1~50質量%の範囲内が好ましく、2~30質量%の範囲内が特に好ましく、硬化剤の不揮発分中に含まれる顔料分の割合は1~70質量%の範囲内が好ましく、10~60質量%の範囲内が特に好ましい。
本発明において、前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)の塗布時の不揮発分濃度は80質量%以上であり、好ましくは85質量%以上である。錆面上での積層塗膜の仕上がり性、付着性、紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性の観点からである。
<エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)の塗装>
本発明において、エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)による上塗り塗膜の乾燥膜厚は、0.3mm~6mmの範囲内にあり、1mm~5mmの範囲内にあると好ましい。膜厚がこの範囲内にあることによって、錆面上での仕上がり性、防食性だけでなく、付着性並びに紫外線及び/又は凍結雰囲気下における錆面防食性にも優れるという効果がある。乾燥膜厚が0.3mm未満であると、付着性、防食性、耐温度変化防食性が低下する。乾燥膜厚が6mmを超えると、錆面上での仕上がり性が悪くなる。
エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)の塗装方法には制限はなく、エアレススプレー、コテ塗り、ヘラ塗り、刷毛塗り、ローラー塗りなどの従来公知の方法が採用できる。また、目的の膜厚に達するまで2回以上に分けて塗装してもよいが、1回で塗装することも可能である。また、エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)により形成された上塗り塗膜の上に必要に応じてさらに別の公知の上塗り塗料を塗り重ねてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。ここで、『部』および『%』はそれぞれ『質量部』および『質量%』を意味する。
<下塗り塗料の製造>
製造例1
容器に、60%変性エポキシ樹脂溶液(注1)167部、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.4部、チタン白55部、防錆顔料B-1(注5)15部、タルク100部、ガラスフレーク(注8)40部、消泡剤1部、沈降防止剤2部、増粘剤4部、ミネラルスピリット5部を配合し、撹拌混合して主剤を得た。
別の容器に、70%ポリアミン溶液(注10)を36部、炭化水素系溶剤(注12)45部を配合し、撹拌混合して硬化剤を得た。主剤が収容された容器に、硬化剤を配合し、均一になるまで撹拌混合して下塗り塗料(I-1)を製造した。
製造例2~15
使用する材料と配合量を下記表1-1とする以外は製造例1と同様にして、下塗り塗料(I-2)~(I-15)を製造した。
製造例16
容器に、60%変性エポキシ樹脂溶液(注1)167部、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.8部、防錆顔料(B-1)(注5)25部、チタン白85部、タルク125部、ガラスフレーク(注8)40部、消泡剤1部、沈降防止剤2部、増粘剤4部、脱水剤33部、ミネラルスピリット35部、メチルイソブチルケトン10部、ケチミン(注11)12.5部、炭化水素系有機溶剤(注12)21部を配合し、均一になるまで撹拌混合して1液型のエポキシ樹脂系下塗り塗料(I-16)を製造した。
製造例17~31
使用する材料と配合量を下記表1-2とする以外は製造例16と同様にして1液型の下塗り塗料(I-17)~(I-31)を製造した。
(注1)60%エポキシ樹脂溶液:「EPICLON 5900-60」 商品名、DIC社製、不揮発分60%、数平均分子量1000のアルキルフェノールノボラック変性エポキシ樹脂、不揮発分あたりのエポキシ当量700、弱溶剤40%含有
(注2)エポキシ樹脂(A-2):ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量910、数平均分子量1700
(注3)エポキシ樹脂(A-3):ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量475、数平均分子量分子量900
(注4)ウレタン樹脂(A-4):芳香族ポリイソシアネートプレポリマー
(注5)防錆顔料(B-1):「K-WHITE G-105」テイカ社製、商品名、トリポリリン酸二水素アルミニウムの酸化マグネシウム複合物、酸化マグネシウム変性量15%、
(注6)防錆顔料(B-2):「LFボウセイ MZP-500」、商品名、キクチカラー社製、リン酸マグネシウム、
(注7)防錆顔料(B-3):「サイロマスク22MR-H」富士シリシア化学社製、商品名、マグネシウムイオン交換シリカ、
(注8)ガラスフレーク:「RCF-15」、商品名、日本硝子社製、ガラスフレーク、平均粒子径15μm
(注9)脱水剤:オルソ酢酸メチル
(注10)70%ポリアミン溶液:ラッカマイド B-2201-70ES、商品名、DIC社製、変性ポリアミン、不揮発分70%、不揮発分あたりの活性水素当量 126
(注11)ケチミン:ポリエチレンポリアミンのケチミン化物、アミン価350、活性水素当量83
(注12)炭化水素系有機溶剤:T-SOLTM 100 FLUID 商品名、JXTGエネルギー社製、ソルベントナフサ、芳香族炭化水素系有機溶剤。
<エポキシ樹脂系上塗り塗料の製造>
製造例32
容器に、エポキシ樹脂(D-1)(注13)60部、エポキシ樹脂(D-2)(注14)40部、酸化チタン5部、防錆顔料(E-1)(注19)5部、繊維状無機化合物(注20)5部、キシレン12部を添加し、攪拌混合して主剤を得た。別の容器にポリアミン(F-1)(注22)20部、酸化チタン25部、キシレン2部を配合し、撹拌混合して硬化剤とし、これを前記主剤に加えて撹拌混合し、エポキシ樹脂系上塗り塗料(II-1)を得た。
製造例33~44
上記製造例32において、配合組成を下記表2とする以外は製造例32と同様にしてエポキシ樹脂系上塗り塗料(II-2)~(II-17)を製造した。
(注13)エポキシ樹脂(D-1):液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190、
(注14)エポキシ樹脂(D-2):液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量190、
(注15)エポキシ樹脂(D-3):固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量475、
(注16)エポキシ樹脂(D-4):液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量250、
(注17)エポキシ樹脂(D-5):液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量165、
(注18)エポキシ樹脂(D-6):固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量2000、
(注19)防錆顔料(E-1):「サイロマスク22MR-H」富士シリシア化学社製、商品名、マグネシウムイオン交換シリカ、
(注20)繊維状無機化合物:ロックウールファイバー、平均繊維長125μm、
(注21)ガラスフレーク:「RCF-140」(商品名、日本硝子社製)平均粒子径140μm、
(注22)ポリアミン(F-1):メタキシリレンジアミンの変性物、アミン価360。
製造例45
容器に、エポキシ樹脂(A-2)(注2)100部、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.4部、チタン白55部、防錆顔料(B-1)(注5)15部、タルク100部、ガラスフレーク(注8)40部、消泡剤1部、沈降防止剤2部、増粘剤4部、キシレン120部を配合し、撹拌混合して主剤を得た。
別の容器に、70%ポリアミン溶液(注10)を36部、炭化水素系溶剤(注12)45部を配合し、撹拌混合して硬化剤を得た。主剤が収容された容器に、硬化剤を配合し、均一になるまで撹拌混合して上塗り塗料(II-18)を製造した。
<塗装>
基材として大きさ(約150×70×3.2mm)の全面に錆が発生した鋼板(錆鋼板)を用意した。
実施例1
上記錆鋼板に対して、製造例1で得られた下塗り塗料(I-1)を乾燥膜厚が250μmとなるようにエアスプレーにて塗装して、23℃、24時間乾燥させた後、もう一度同じ塗料(I-1)を乾燥膜厚が250μmとなるように塗装して23℃、24時間乾燥させてトータルの乾燥膜厚が500μmの下塗り塗膜を形成させた後、その塗面上に、製造例32で得られたエポキシ樹脂系上塗り塗料(II-1)を塗装して乾燥膜厚が1.25mmとなるように形成させ、23℃、24時間乾燥させて試験塗板(X-1)を得た。
エポキシ樹脂系上塗り塗料(II-1)による上塗り塗膜は、下塗り塗料(I-1)塗装後の試験塗板の周囲に型枠を当てた後、上塗り塗料を型枠に流し入れ、ヘラで表面をならし、型枠を外した後、乾燥させて得た。
実施例2~48及び比較例1~8
上記実施例1において、使用する塗料及び膜厚を表3-1~表3-4に記載の通りとする以外は実施例1と同様にして各試験塗板(X-2)~(X-56)を得た。尚、下塗り塗料(I)の塗装は膜厚が750μmと表記されている例と500μmと表記されている例では実施例1と同様に2回塗り塗装を行い、膜厚が250μm又は60μmと表記されている例では1回塗り塗装を行い、共に23℃、24時間の条件で乾燥を行った。
<評価試験>
(*)仕上がり性
上記実施例及び比較例で得られた各試験塗板の外観を目視評価した。
◎:塗膜表面に粗さ、ピンホール、ブツなどの欠陥が全くなし、
〇:塗膜表面に粗さが若干認められるが、ピンホール、ブツなどの欠陥が全くなし、
△:塗膜表面に粗さが明らかに認められ、ピンホール、ブツなどの欠陥が若干あり、
×:塗膜表面にピンホール、ブツなどの欠陥が著しくあり。
ここでは◎、〇を合格、△、×を不合格と判定した。
(*)付着性
各試験塗板に対し、40℃の耐温水試験を実施した。試験時間は1カ月とした。試験後よく乾かした塗板に対し、エルコメーター社製アドヒージョンテスターを用い、プルオフ付着試験を行った。各試験板の測定位置をサンドペーパーで軽く研磨して清浄にし、接着剤を用いてテスター端子に貼り付ける。端子周辺の塗膜をカッターで切断し、テスターで端子を引き剥がし、その時の強度(MPa)と塗膜状態を観察した。
◎:5MPa以上でありかつ塗膜の凝集破壊が認められるか、又は、
4MPa以上でありかつ錆層からの剥離が認められる
○:3MPa以上5Mpa未満でありかつ塗膜の凝集破壊が認められるか、又は、
2MPa以上4MPa未満でありかつ錆層からの剥離が認められる
△:1MPa以上3Mpa未満でありかつ塗膜の凝集破壊が認められるか、又は、
0.5MPa以上2MPa未満でありかつ錆層からの剥離が認められる
×:1MPa未満で塗膜の凝集破壊が認められるか、又は、
0.5MPa未満でありかつ錆層からの剥離が認められる。
ここでは◎、〇を合格、△、×を不合格と判定した。
(*)防食性
各試験塗板に対し、JIS K 5621に規定されている5%塩化ナトリウム水溶液を使用した複合サイクル腐食試験を5000時間実施し、試験塗板の一般部の表面観察により下記基準にて評価した。
◎:さび又は、フクレの発生が認められない、
〇:試験体に1~5点の直径5mm未満の軽微なさび又はフクレの発生が認められる、
△:試験体に1~5点のさび又はフクレの発生が認められかつその大きさが5mmを超える、またはさび又はフクレの大きさに関係なく6~15点のさび又はフクレの発生が認められる、
×:試験体に15点を超えるさび又は、フクレの発生が認められる。
ここでは◎、〇を合格、△、×を不合格と判定した。
(*)耐温度変化防食性
実施例及び比較例で得られた各試験塗板に対して、、塩水噴霧(35℃)72時間、凍結(-20℃)24時間を1サイクルとし、これを25回繰り返し行うサイクル試験を実施した後、塗膜状態を観察した。
◎:サイクル試験前後で全く変化なし。
○:サイクル試験後にフクレが若干認められるが、錆は発生していない
△:サイクル試験後に錆発生部又は剥離、割れ等の欠損が1から5箇所認められる
×:サイクル試験後に錆発生部又は剥離、割れ等の欠損が5箇所を超えて認められる。
ここでは◎、〇を合格、△、×を不合格と判定した。

Claims (11)

  1. 錆が残存する金属系基材面に、
    有機溶剤系下塗り塗料(I)を塗装し、常温乾燥させて下塗り塗膜を形成させた後、その上にエポキシ樹脂系上塗り塗料(II)を塗装し、常温乾燥させてエポキシ樹脂系上塗り塗膜を形成させる工程を含む防食塗装方法であって、
    前記下塗り塗料(I)が、エポキシ樹脂もしくはウレタン樹脂を含む樹脂成分(A)、防錆剤成分(B)及び有機溶剤(C)を含む塗料であり、
    前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が、エポキシ樹脂(D)、防錆剤成分(E)、アミノ基含有樹脂(F)及び有機溶剤(G)を含む不揮発分濃度が80質量%以上の塗料であり、
    前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)に含まれるエポキシ樹脂(D)のエポキシ当量が1700以下であり、且つ前記下塗り塗料(I)に含まれるエポキシ樹脂のエポキシ当量よりも低いものであり、エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)により形成される塗膜の乾燥膜厚が0.3mm~6mmの範囲内にある、防食塗装方法。
  2. 港湾又は海上構造物に対して適用される、請求項1に記載の防食塗装方法。
  3. 桟橋、ドルフィン、護岸、防波堤、岸壁、人工島、沈埋トンネル、海洋上空港、海洋上石油施設、海洋上ガス施設、及び海洋上風力発電所から成る群から選ばれる少なくとも1種の港湾又は海洋上構造物に対して適用される、請求項1に記載の防食塗装方法。
  4. 下塗り塗料(I)が弱溶剤型である、請求項1に記載の防食塗装方法。
  5. 下塗り塗料(I)が樹脂成分(A)としてエポキシ樹脂を含み、アミノ基含有樹脂をさらに含む、請求項1に記載の防食塗装方法。
  6. 下塗り塗料(I)がシランカップリング剤をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
  7. 下塗り塗料(I)が、ガラスフレーク及び/又はタルクをさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
  8. エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
  9. エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が、ガラスフレーク及び/又は繊維状無機化合物をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
  10. エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が、顔料分をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
  11. 前記エポキシ樹脂系上塗り塗料(II)が主剤と硬化剤とを混合して得られる2液型の塗料組成物であり、主剤及び硬化剤が共に顔料分を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の防食塗装方法。
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