JPS592543B2 - 鋼構造物の防食方法 - Google Patents

鋼構造物の防食方法

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JPS592543B2
JPS592543B2 JP11018779A JP11018779A JPS592543B2 JP S592543 B2 JPS592543 B2 JP S592543B2 JP 11018779 A JP11018779 A JP 11018779A JP 11018779 A JP11018779 A JP 11018779A JP S592543 B2 JPS592543 B2 JP S592543B2
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epoxy resin
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耕太郎 吉田
文彦 中北
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Kansai Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Kansai Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鋼構造物特に大形鋼構造物の防食方法に係り
、特に海水あるいは海塩粒子などによる腐食が著しく激
しい環境に設置されるシーバース、石油掘削リグ、岸壁
クレーン、パイプラインなどの大形鋼構造物またはその
部材例えばO〜−20℃という極低温環境下でも防食施
工可能ならしめる方法に関するものである。
近年、大形鋼構造物の長期防食を達成する手段として、
各種防食塗料が塗装され、その有用性が認められるに至
つた。
特にエポキシ樹脂塗料は、常温で硬化し、優れた塗膜物
性と防食性能が得られるこれらの鋼構造物の防食材料と
して多用されている。通常エポキシ樹脂系防食塗料は、
エポキシ樹脂とポリアミン、あるいはポリアミド樹脂と
の反応により硬化し造膜が達成さこの反応は常温にて好
ましい速さで進行する。
しかしながら気温が0℃以下である場合は、両者間の反
応は極めて遅く、そのため、塗膜が硬化するまでに長時
間の養生期間を必要としある場合には殆ど硬化反応が進
まない。従つて、寒冷地又は冬季間においては、気温が
O℃以下になると、塗装作業の著しい遅れや、あるいは
不十分な塗膜硬化が原因で耐久性、防食性の低下を引き
起こし、エポキシ樹脂塗料の本来持つ機能が十分に発揮
されないことが多い。従つて、大形鋼構造物のよう(ζ
屋内で塗装することが困難な被塗物に対しては、特に寒
冷地又は冬期間の防食塗装は、事実上不可能であつた。
一方、鋼構造物の超長期防食を目的として、亜鉛末塗料
も頻繁に使用されている。亜鉛末塗料の優れた防食機能
は、一般に亜鉛末の犠牲陽極作用、およびビヒクル成分
ど鋼材表面との強固な結合に由来すると考えられている
。しかし、亜鉛末の犠牲陽極作用により防食機能が発揮
される反面、常時海水と接触する環境下では、亜鉛の速
やかな溶出により、塗膜の消耗が速く、数ケ月、あるい
は、1〜2年で防食性が失われてしまう。
また、大気中においても鋼材の表面処理が不十分な状態
で亜鉛末塗料を塗装するなど、施工が不良な場合は、極
めて短期間で鋼材の腐食が始まることが知られている。
上述した亜鉛末塗料の欠点を補う方法として、亜鉛末塗
料塗装後に、前記エポキシ樹脂塗料をはじめとする通常
の合成樹脂塗料を、上塗りとして塗装する方法も実施さ
れているが、亜鉛末塗料と上塗り塗料との付着性が不十
分で、上塗り塗膜が、はがれ、ふくわれ、などの欠陥を
起こすことがある。
このように、大形鋼構造物を塗装手段により防食するに
際し、多くの障害が存在し、そのため十分な防食が達成
し得ないか、あるいは、建造工期上大きな制約を受ける
のが通常である。
従つて本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、
気温が10℃以下、特にO〜−20℃又はそれ以下にも
達するような低温環境においても使用可能で、且つ著し
く長期間にわたり、防食機能を保持し得る大形鋼構造物
を防食塗装する方法を提供するにある。
上記本発明の目的は、鋼構造物またはその部材を防食す
るに際し、鋼材表面の酸化鉄を除去するかまたは鋼材一
次防錆塗膜を除去するかの一方又は両方を行なつた後、
亜鉛末塗料を塗装し、ついで、エポキシ樹脂、エポキシ
アクリレート樹脂およびアルコール性水酸基含有ポリア
ミド樹脂を必須成分とする塗料組成物(4)または、エ
ポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリアミド樹
脂および炭素数が1〜5の飽和一価アルコールを必須成
分とする塗料粗成物A3)を塗装することを特徴とする
本発明の鋼構造物の防食方法によつて達成される。
本発明において、鋼材表面の酸化鉄あるいは一次防錆塗
膜を除去する。
その手段は格別限定的でなく、任意の公知の除去方法を
使用し得る。通常、ワイヤーブラシ、パワーホイノレ、
デイスクサンダ一、ハンマー、スクレーパ一、サンドブ
ラスト、シヨツトブラスト、スチールグリツドブラスト
、酸洗い、などが用いられる。かかる鋼材の表面処理が
不十分であると、亜鉛末塗料塗膜との付着性が劣化し、
耐水、防食性が低下する。鋼材の表面処理が終了したら
、出来るだけ短時間に、少なくとも、鋼材表面に再び錆
が発生する前に、亜鉛末塗料を塗装する。
亜鉛末塗料の塗装は必要に応じ、大形鋼構造物の組立て
前、あるいは、組立て後のいずれかにおいて実施する。
本発明に用いる亜鉛末塗料の好ましい例は、エチルシリ
ケート類、水溶性シリケートまたはエポキシ樹脂系バイ
ンダーをビヒクル成分とし、これと亜鉛末とを必須成分
として含有する塗料である。亜鉛末塗料のビヒクルとし
て用いるエチルシリゲート類の例は塩酸、リン酸などの
鉱酸類を触媒として少量添加し、更に水を適宜加えて部
分的に加水分解したエチルシリケートや、金属キレート
などで変性したエチルシリケート、あるいは硬化促進剤
として、各種塩基性物質、吸湿性物質を加えたエチルシ
リケート、あるいはポリビニルブチラール、フエノール
樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などの各種樹脂類で
変性したエチルシリケートなどがある。又、水溶性シリ
ケートの例はケイ酸ソーダ、ケイ酸カリウへ ケイ酸リ
チウヘケイ酸第3級アンモニウへ ケイ酸第4級アンモ
ニウム、ケイ酸コロイド、あるいはこれらの混合物、お
よびこれらを多価金属化合物で変性した水溶性シリケー
トなどが使用される。
エポキシ樹脂系バインダーをビヒクルとする亜鉛末塗料
において、好適なエポキシ樹脂系バインダーは、エポキ
シ樹脂と、ポリアミド樹脂又はポリアミン、あるいはこ
れらの誘導体とを組合せたものが用いられる。
これらのビヒクル成分と併用する亜鉛末は、平均粒子径
が1μ〜40μ程度の範囲であるのが好ましい。
又、ビヒクル固形分と亜鉛末との重量比は、好適にはビ
ヒクル固形分1部あたり、亜鉛末2〜50部の範囲内で
ある。又、これらの亜鉛末塗料には、必要に応じ、体質
顔料、着色顔料、補強剤、顔料沈降防止剤、揺変性付与
剤、流展剤、などの塗料用副資材を用いることもある。
本発明においては、上記例示以外の亜鉛末塗料であつて
もエチルシリケート、水溶性シリケートまたはエポキシ
樹脂系バインダーと、亜鉛末とを必須成分とする亜鉛末
塗料であれば好適に使用できる。
本発明において用いる亜鉛末塗料が、エチルシリケート
類、水溶性シリケート類またはエポキシ樹脂系バインダ
ーである場合には、これらはいずれも亜鉛末塗料本来の
防食機能を十分に発揮し得るばかりでなく、塗膜が強じ
んで且つ、有機溶剤に対する抵抗性が大きく、そのたへ
上塗り塗料(後記する塗料組成物(A),00)を塗装
しても亜鉛末塗料が再溶解するなのど危険がなく、好適
である。
亜鉛末塗料の塗装は、エアスプレー、エアレススプレー
、はけなど通常の塗装機器を用いれば良く、膜厚は、乾
燥膜厚で5μ〜300μの範囲であれば十分である。
これらの亜鉛末塗料のうち、エチルシリケート類をビヒ
クル成分とするものは〜20℃においても造膜するので
寒冷地または低温下での現地塗料も可能であるが、これ
以外の水溶性シリケートおよびエポキシ樹脂系バインダ
ーをビヒクル成分とする亜鉛末塗料はO℃以下の寒冷地
で造膜させることは困難なために、これらについては、
約5℃以上の温度で塗装造膜させておくことが望ましい
本発明においては、上記のようにして得られた亜鉛末塗
料の塗膜上に、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹
脂およびアルコール性水酸基含有ポリアミド樹脂を必須
成分として含有する塗料組成物(4)またはエポキシ樹
脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリアミド樹脂および
炭素数1〜5個を有する飽和一価アルコールを必須成分
として含有する、塗料組成物8を塗装する。塗料組成物
(4)で用いるエポキシ樹脂の例は、例えば日刊工業新
聞社1969年発行、橋本邦之著、「エポキシ樹脂」、
第2章および米国特許第2592560号明細書に記載
されているような公知のエポキシ樹脂、すなわち1分子
当り少なくとも2個以上、好ましくは2〜5個のエポキ
シ基を持ち、これらのエポキシ基を含む有機残基が、炭
素鎖又は酸素原子で中断された炭素鎖により結合されて
いる化合物であり、その中で、エポキシ当量が150〜
1000のものが好ましい。
このようなエポキシ樹脂の例は、多価アルコーノレ、多
価フエノールなどと過剰のエピクロルヒドリン又はアル
キレンオキシドとを反応させて得られるエポキシ樹脂を
あげることができる。多価アルコールの例はエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリプロピレングリコーノレ、グリセリン、ネオ
ペンチルグリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジ
オール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセロー
ル、ソルビトールなどがあり、多価フエノールとしては
、2,2′−ビス(4−ヒドロキシフエニノ(ハ)プロ
パン(一般にビスフエノールAと称されている)、ハロ
ゲン化ビスフエノールAl4,4′−ジヒドロキシフエ
ニルメタン(一般にビスフエノールFと称されている)
、トリス(4−ヒドロキシフエニノ(ハ)プロパン、レ
ゾルシン、テトラヒドロキシフエニルエタン、ノボラツ
ク型多価フエノール、クレゾーノ4多価フエノールなど
である。これら以外に、 1,2,3−トリス(2,3
−エポキシプロポキシ)プロパン、アニリンおよびアニ
リン誘導体(例えば、オルソトルイジン)のグリシジル
付加物、フタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロ
フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸
ジグリシジルエステルなどのグリシジルエステル類、エ
ポキシ化大豆油などである。このうち、特に好適なもの
は、ビスフエノールA(又は)ノボラツク型フエノール
とエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポキシ
樹脂である。
エポキシ当量が150より小さいものは塗膜の耐水性、
防食性が劣り、1000より大きいものは塗膜の強度発
現が劣る。塗料組成物囚で用いるエポキシアクリレート
樹脂は、エポキシ樹脂1分子中のエポキシ基の少なくと
も1コにアクリル酸を反応せしめて得られる生成物であ
り、例えば先に例示したエポキシ樹脂とアクリル酸とを
、常法に従い、一価又は多価フエノール類の中から選ば
れた少なくとも1種の重合防止剤及びハロゲン化リチウ
ム又は第三級アミンのようなエステル化触媒の存在下で
、ゲル化を起させることなく、加熱反応させることによ
つて得られる。
この際のエポキシ樹脂とアクリル酸の割合は、エポキシ
樹脂1分子中のエポキシ基の1コないし全部がアクリル
酸と反応する割合でよく、通常エポキシ樹脂中のエポキ
シ基1当量に対し、アクリル酸のカルボキシル基が0.
2〜1.0当量の範囲が好適に用いられる。この反応系
において、エポキシ樹脂を過剰に用い、アクリル酸との
反応終了後、残存する未反応のエポキシ樹脂は、上記エ
ポキシ樹脂としてそのまま用いることができる。エポキ
シ樹脂とアクリル酸との反応は常法によつて行なうこと
ができる。たとえば、エポキシ樹脂を、必要ならばトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルエチルゲッ
ト、メチルイソブチルゲットなどのゲット系、トリクロ
ルエチレンなどのハロゲン化炭化水素、酢酸エチルなど
のエステル系のような非反応性溶剤で溶解せしめ、次い
で、アクリル酸を滴下し、80〜150℃、好ましくは
90〜120℃で酸価が約1以下になるまで常圧で反応
させることによつて行なわれる。この反応は、酸素存在
下でもよく、一般には120℃で5〜7時間で反応が終
了する。また、触媒の添加量はエポキシ樹脂とアクリノ
噛との合計量に対し、0.】〜1.0重量%、重合防止
剤の添加量は0.1〜5重量%が好ましい。塗料組成物
(4)に用いるアルコール性水酸基含有ポリアミド樹脂
としては、活性水素当量が50〜850の範囲で、且つ
該樹脂骨格中にアルコール性水酸基を0.5重量パーセ
ント以上含有するポリアミド形ポリアミン、およびその
誘導体を好適に用いることができる。
このような、アルコール性水酸基含有ポリアミド樹脂の
例は、例えば第一級アミノ基および第二級アミノ基から
選ばれた1種以上を1分子中に2個以上もつポリアミン
と、脂肪族カルボン酸、脂環族カルボン酸、および芳香
族カルボン酸から選ばれた少なくとも1種のカルボン酸
化合物とを常法に従つて反応させることによつて得られ
るポリアミド樹脂に、オキシラン環を有する化合物、お
よび、アミノ基の活性水素に対して付加反応を起すよう
な不飽和基とアルコール性水酸基との両者を有する化合
物から選ばれた1種以上を反応させることによつて得ら
れる。ここに用いられるポリアミンの好ましい例は、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレ
ンヘプタミン、ヘキサメチレンジアミン、ジプロピレン
トリアミンなどの脂肪族ポリアミン、キシリレンジアミ
ン、ジアミノジフエニル,メタン、ジアミノジフエニル
スルホン、フエニレンジアミンなどの芳香族ポリアミン
類、及びシクロヘキシルアミノプロピルアミン、イソボ
ロンジアミン、タンタンジアミン、N−アミノエチルピ
ペラジンなどの脂環族ポリアミン類、などの複素環含有
ポリアミン類などである。
一方、カルボン酸の好ましい例としては、たとえばぎ酸
、酢酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、力フリル酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
ヘンアイコサン酸、ヘプタコン酸、ヘントリアコン酸な
どの炭素数1〜30の飽和脂肪酸、ウンデシレΔ俊、オ
レイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エ
レオステアリン酸などの不飽和脂肪酸、更に、乾性油、
半乾性油、トール油等から得られる植物性脂肪酸類、及
びこれらの不飽和脂肪酸、植物性脂肪酸、を熱重合する
ことによつて得られるタイマー酸、トリマー酸などがあ
げられる。さらに、一般式HOOC(CH2)。COO
H(n:1〜32)で示される。たとえばシユウ酸、マ
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ブラシ
リン酸、タブシン酸などの脂肪族二塩基酸も用いられる
。またポリアミド樹脂に反応せしめるオキシラン環を有
する化合物の例は、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シドのようなアルキレンオキシド類、ブチルグリシジル
エーテル、フエニルグリシジルエーテルのようなグリシ
ジルエーテル系モノエポキシ類、及び(4)成分として
前記したエポキシ樹脂などもあげられる。また、アミノ
基の活性水素に対して付加反応を起こすような不飽和基
とアルコール性水酸基との両者を有する化合物の好まし
い例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ートのような、アルコール性水酸基を含有するアクリル
酸エステル及びメタクリル酸エステル類、N−メチロー
ルアクリルアミドのようなアルコール性水酸基を含有す
るアクリルアミド類、アリルアルコールなどである。特
に好適なアルコール性水酸基含有ポリアミド樹脂の例は
、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミンのごとき脂肪族ポリアミンと下記構造式
で示されるリノール酸の二量体、アジピン酸または酢酸
などとから得られるポリアミド樹脂に、エチレンオキシ
ド プロピレンオキシド フエニルXl
lグリシ
ジルエーテルまたは2−ヒドロキシエチルアクリレート
を付加して得られる水酸基含有ポリアミド樹脂である。
また、アルコール性水酸基含有ポリアミド樹脂としては
このほかに、例えば、アルコール性水酸基を有するポリ
アミン、もしくはカルボン酸類のうちの少なくとも一方
を原材料として用いたポリアミド樹脂も使用できる。
アルコール性水酸基含有ポリアミド樹脂は、その活性水
素当量が、50〜850の範囲(好ましくは50〜65
0の範囲)内にあることが好ましく、50よりも小さい
と、エポキシ樹脂との相溶性が劣り、低温で硬化した塗
膜に白濁やむらを生じ易い。
又、,活性水素当量が850よりも大きな場合には、エ
ポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂との反応性が不
足し、塗膜の強度発現が劣る。またアルコール性水酸基
含有量は重量に基づき該樹脂中少なくとも0.5パーセ
ント以上、好ましくは0.5〜5.0%であるのがよい
。これよりも低い含有量のものでは低温における硬化促
進効果が必ずしも充分でない。塗料組成物(4)におけ
るエポキシ樹脂とエポキシアクリレート樹脂との混合比
は、重量に基づき、エポキシ樹脂10部あたり、エポキ
シアクリレート樹脂は2〜40部の範囲内であることが
好ましい。
エポキシアクリレート樹脂が40重量部より多くなると
硬化塗膜の耐水防食性、耐薬品性などの各種の化学性能
および塗膜強度などの物理性能が低下し、又2重量部よ
りもエポキシアクリレート樹脂が少なくなるとO℃〜−
20℃の低温における硬化物の初期強度発現が低下し、
更に塗膜の耐水防食性も低下する。アルコール性水酸基
含有ポリアミド樹脂の、配合割合は、エポキシ樹脂およ
びエポキシアクリレート樹脂中のエポキシ基とアクリロ
イル基との合計1当量に対しアルコール性水酸基含有ポ
リアミド樹脂の活性水素原子が0.5〜2,0当量、好
ましくは0.5〜1.5当量になるような割合で用いる
のがよい。
活性水素当量が0.5よりも小さいかもしくは2.0よ
り大きい当量比では、低温硬化性が不十分になり、硬化
物に粘着性が残り、特には強度発現や、耐水防食性に問
題を生じることがある。
又、塗料組成物(4)は、上記エポキシ樹脂、エポキシ
アクリレート樹脂およびアルコール性水酸基含有ポリア
ミド樹脂の各成分を、任意公知の混合手段により同時に
混合することによつて、容易に作ることができる。しか
しながら場合により、エポキシ樹脂とエポキシアクリレ
ート樹脂とをあらかじめ混合しておき、使用直前又は使
用時に、アルコール性水酸基含有ポリアミド樹脂を加え
るようにした、いわゆる2液型にするのが好ましく、必
要に応じ、これら成分の各々を分離しておき、使用時又
は使用直前に混合する、いわゆる三液型の塗料とするこ
とも可能である。塗料組成物(4)においては、硬化剤
ポリアミド樹脂がアルコール性水酸基を含有することが
、組成物の低温硬化性の改善にとつて重要であり、エポ
キシ樹脂成分あるいはエポキシアクリレート樹脂成分が
アルコール性水酸基を含有していても、硬化剤ポリアミ
ド樹脂がアルコール性水酸基を含有していない場合には
組成物は良好な低温硬化性を示さない。
塗料組成物8におけるエポキシ樹脂およびエポキシアク
リレート樹脂は、上記塗料組成物囚で詳述したものと同
様なものが使用できる。
また、両者の配合割合についても同様の範囲内で用いる
。そして、ポリアミド樹脂も、塗料組成物囚で示したポ
リアミンとカルボン酸化合物とを常法によつて反応せし
めて得られる活性水素当量が50〜700(好ましくは
50〜500)の範囲のものを使用するのがよい。活性
水素当量が50よりも小さいと、エポキシ樹脂、あるい
はエポキシアクリレート樹脂との相溶性が劣り、低温で
硬化した塗膜に白濁やむらを生じ易い。又活性水素当量
が700よりも大きな場合には、エポキシ樹脂、エポキ
シアクリレート樹脂との反応性が不足し、塗膜の強度発
現が劣る。このポリアミド樹脂は、エポキシ樹脂とエポ
キシアクリレート樹脂中のエポキシ基とアクリロイル基
との合計1当量に対して、ポリアミド樹脂中の活性水素
が、0.5〜2.0当量、好ましくは0.5〜1.5当
量になるような割合で用いるのがよい。
0.5当量よりも少ない場合には、硬化が不十分となり
、2.0当量よりも多い場合には硬化塗膜に粘着が残り
時には、防食性に問題を生じることがある。
塗料組成物8で用いる炭素数1〜5の飽和一価アルコー
ルとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第
二ブチルアルコール、第三ブチルアルコール、n−アミ
ルアルコール、イソアミルアルコール、ジエチルカルビ
ノール、第三アルミアルコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テノレ、エチレングリコール(n−プロピル)エーテル
、エチレングリコールモノ(イソプロピル)エーテルな
どがあげられる。
これらのうち、好ましいのは炭素数2〜4コ、さらに好
ましくは3〜4個の炭素を有する飽和一価アルコールで
ある。これらの炭素数1〜5の飽和一価アルコールは、
塗料組成物8において、他の成分を希釈せしめるための
希釈溶剤としての機能も有している。
この飽和一価アルコールを前記エポキシ樹脂、エポキシ
アタリレート樹脂およびポリアミド樹脂の三成分系の中
に添加することにより、エポキシアクリレート樹脂中の
アクリロイル基とポリアミド樹脂中の活性水素との反応
およびエポキシ基と活性水素との反応が、0℃〜−20
℃という非常に低い温度条件下においても容易に行なわ
しめることができ、強度発現性の良好な塗膜が得られる
のである。塗料組成物(ロ)における、上記アルコール
成分は、厳密に、炭素数1〜5個の、飽和一価アルコー
ル、の条件を満足しなければならず、これを満足しない
ヒドロキシ化合物、例えば炭素数6以上の飽和1価アル
コール(例えばn−ヘキサノール)、不飽和結合を有す
る炭素数5以下のアルコール(例えばアリルアルコール
、ヒドロキシエチルアクリレート、フルフリルアルコー
ルなど)および多価アルコールでは本発明の目的を達成
することはできない。
炭素1〜5個の飽和1価アルコールの配合量は、エポキ
シ樹脂、エポキシアクリレート樹脂およびポリアミド樹
脂の合計量10重量部あたり1〜100重量部、好まし
くは1〜30重量部の範囲で用いるのがよい。
1重量部よりも少ない場合には、低温硬化性が必ずしも
充分でなく、又100重量部よりも多い場合には、低温
硬化性に支障をきたすことがあり、時には塗料状態が不
安定化し、沈降、ニス分かれのような現象を起し、ある
いはタレ易くなるなどの不満足な組成物を与えることが
ある。
また、炭素数1〜5の飽和一価アルコール成分は、必要
に応じ、トルエン、キシレン、等の芳香族炭化水素類、
アセトン、メチルエチルゲット、メチルイソブチルゲッ
ト、ジイソブチルゲット等のゲット類、酢酸エチル、酢
酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ等のエ
ステル類などの通常の塗料用溶剤を含有することができ
る。
塗料組成物(8)は、上記エポキシ樹脂、エポキシアク
リレート樹脂、ポリアミド樹脂および炭素数1〜5の飽
和アルコールを同時に配合混合することによつて作るこ
とができる。しかしながら場合によりポリアミド樹脂を
使用直前又は使用時に混合するいわゆる2液型とするこ
とが好ましく、この場合アルコールはこれらの3成分の
いずれか又はすべてに配合しておく。又エポキシ樹脂、
エポキシアクリレート樹脂およびポリアミド樹脂をあら
かじめわけておき、これらのすべて又はいずれかにアル
コールを配合しておき、使用時に、又はその直前にこれ
ら3成分を混合するいわゆる3液型とすることもできる
。本発明の塗料組成物(4)および8には、必要に応じ
て、各種塗料用溶剤、たとえば、トルエン、キシレン等
の芳香族系炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン
、メチルイソブチルゲット、ジイソブチルゲット、等の
ゲット類、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチ
ル、酢酸セロソルブ等のエステル類などを含有せしめる
ことができる。
また、必要ならば、顔料、添加剤、その他の塗料用副資
材を配合できる。顔料、添加剤としてはたとえば、ガラ
ス繊維、アスベスト繊維、ホウ素繊維、炭素繊維、セル
ロース、ポリエチレン粉末、石英粉、マイカ粉、カオリ
ン、クレー、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウへ石
膏、三酸化アンチモン、バリタ、ゼオライト、二酸化チ
タン、タルク、カーボンブラツク、グラフアイト、酸化
鉄、亜鉛末、鉛粉、鉄粉、アルミニウム粉、鉛円、クロ
ム酸鉛、リン酸亜鉛、硫酸鉛、モリブデン酸亜鉛、シア
ニンプル一、シアニングリーン、各種分散剤、揺変性付
与剤なども適宜配合することもできる。また、塗料用副
資材としては、各種のものが使用できる。
たとえばフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、マレイン酸、トリメツクト酸、クエン酸、オレイ
ン酸、リシノール酸、ステアリン酸並びにその他の脂肪
酸、リン酸、スルホン酸、グリコール、グリセロール、
パラフインおよびジフエニルなどから誘導される可塑斉
Lポリエステル、ポリエーテル、アルキド樹脂、ブタジ
エンを含む共重合体などの重合形可塑剤、石油樹脂、塩
化ゴム、塩素化ポリプレン、クマロン樹脂、キシレン樹
脂、ブチラール樹脂、ゲット樹脂、スチレンブタジエン
樹脂などの合成樹脂、コーパル樹脂、ダンマル、エステ
ルカム、ギルソナイト、アスフアルト、ピツチ液体又は
固形ビチユーメンなどの天然または加工樹脂など、防食
塗料の原料として通常に用いられているものが適用でき
る。塗料組成物囚または8を製造する場合は、単に撹拌
機で混合するだけでも良いが、必要ならボールミル、ロ
ールミル、アトライター、サンドミル、ホモミキサー、
ニーダ一などの通常の塗料用分散機を用いてもよい。こ
うして得られた塗料組成物囚または8は、亜鉛末塗料を
塗装したのち、通常の塗装方法、たとえば、はけ、ロー
ラー、エアスプレー、エアレススプレー、などにより塗
装する。
本発明の方法においては、特定された塗料の組合わせを
使用し、かつ特定された工程に従つて塗装を行うことに
より、はじめて大形鋼構造物の防食塗装が−20℃以上
の低温下で可能となる。
その理由は、必ずしも明らかでない力人酸化鉄または一
次防錆塗膜が除去された鋼材表面においてのみ亜鉛末塗
料塗膜の優れた防食機能が発揮されること、亜鉛末塗料
塗膜と特に付着性が優れた上塗り塗料である塗料組成物
(4)または8を、亜鉛末塗料塗膜上に塗装することに
よつて、海水中をはじめとする、各種環境下における亜
鉛末塗料塗膜の消耗を防ぎ、長期間にわたつて防食機能
を維持させ得ること、および、塗料組成物(4)および
8が、亜鉛末塗料塗膜との付着性が優れることに加え、
低温においても強度発現にすぐれ、強じんで耐久性の良
い塗膜を形成することなどによるものと推定される。か
くして、本発明における、いずれの材料あるいは工程が
欠けても、大形鋼構造物の低温下における満足すべき防
食塗装を達成することはできず、本発明により特定され
る塗料と工程の組合せによつてのみこれを達成できる。
さらに、本発明の防食方法は気温が10℃以下、特にO
〜−20℃又はそれ以下の寒冷地または低温下において
著効を奏するのみならず、実施例に見られる如く、常温
下の施工においてもすぐれた性能を発揮しうるものであ
る。
以下実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
製造例 1亜鉛末塗料の製造 実施例で使用する亜鉛末塗料Z−1,Z−2,Z−3は
下記により製造した。
亜鉛末塗料くZ−1〉の製造 エチルシリケート40(日本コルコート株式会社製)4
0重量部、0.5N塩素5重量部、水3重、量部および
イソプロピルアルコール52重量部を約30℃で2時間
撹拌して塗料液を得た。
平均粒径12μの亜鉛粉末95重量部とベンガラ(酸化
鉄)5重量部を混合して粉成分を得た。ついで塗料液3
0重量部と粉成分70重量部を混合し、工チルシリケー
ト系統の亜鉛末塗料を調製した。これをくZ−1〉とす
る。亜鉛末塗料〈Z−2〉の製造 20%ケイ酸リチウム(Ll2O・4.8Si02)7
1<1溶液80重量部と40%ケイ酸ソーダ(Na2O
・3S102)水溶液20重量部を混合して塗料液を得
た。
平均粒径4μの亜鉛粉末97重量部とタルク3重量部を
混合して粉成分を得た。ついで塗料液20重量部と粉成
分80重量部を混合し、水溶性シリケート系統の亜鉛末
塗料を調製した。これを〈Z−2〉とする。亜鉛末塗料
くZ−3〉の製造 エポキシ樹脂AER66l(旭化成株式会社製)40重
量部、トルエン30重量音Nメチルイソブチルケトン2
0重量部およびセロソルブ10重量部を混合してベース
塗料液を得た。
トーマイド225(富士化成株式会社製)80重量部と
キシロール20重量部を混合して硬化剤を得た。平均粒
径7μの亜鉛末93重量部とシリカ粉末7重量部を混合
して粉成分を得た。ついでベース塗料液10重量部、硬
化剤1重量部と粉成分45重量部を混合してエポキシ樹
脂系統の亜鉛末塗料を調製した。これを〈Z−3〉とす
る。製造例 2 低温硬化性塗料の製造 (1)塗料組成物(4)に該当する低温硬化塗料〈A1
〉〜くA−3〉及び塗料組成物8に該当する低温硬化型
塗料〈B−1〉〜〈B−3〉の合計6品種を下記により
製造した。
配合を第5表−Aおよび第5表−Bに示した。顔料は、
すべてスチールボールミルにて16時間分散を行なつた
用いた成分樹脂は第1〜4表のとおりである。
(2)比較用のエポキシ樹脂上塗塗料<E−1>を、第
5表−Aにおける<A−2>塗料に準じて、ただし処方
を若干変更して、製造した。組成は下記の通りである。
主剤/硬化剤 混合比=4/1(重量比)活性水素/エ
ポキシ基(当量比) = o.9比較例 13.2×1
00×300(単位:m薦)の、サンドブラスト処理鋼
板(SVENSK STANDARDSIS ASa2
−)に、前記比較用エポキシ樹脂塗料<E−1>を、−
15、0)+20℃の各温度下で、乾燥膜厚が200μ
になるようにスプレ一塗装し、第6表に示すように、同
温度で7日間放置後の塗膜(1)、鉛筆硬度(2)を調
査した。
そのテストピースを用いて、海浜パクロ試験を1年間行
ない、1年目の塗膜状態(3)及び付着力(4)を調査
した。
同様に、7日放置後のテストピースを用いて、海浜水浸
漬試験を1年間行ない、1年目の塗膜状態(5)、及び
付着力(6)を調査した。
尚、海浜バクロ、流海水浸漬の各試験用テストピースに
は、あらかじめ、ナイフにより鉄素地に達するクロスカ
ツトをつけたものを供試した。
結果は第6表に示したとおりである。付着力は、ゴパン
目(2n間隔、25個)粘着セロバンテ一プテストによ
り調査し、残/25で表示した。第6表から明らかなよ
うに、この比較例のエポキシ樹脂塗料は、+20℃では
十分な硬化性を示し、良好な塗膜を与えるが、o℃及び
それ以下の温度では、硬化が非常に遅く、−15℃では
全く造膜しなかつた。また厳しい腐食環境下でのテスト
結果も、常温乾燥塗膜はほゞ良好であるが、低温で作成
したテストピースは、著しく劣つた防食性を示した。比
較例 2 3.2×100×300(単位:n)の、さび鋼板(屋
外バクロ1年間)及びそれをサンドブラストによりSV
ENSK STANDARD SIS C Sa21に
素地調整をした鋼板上に、亜鉛末塗料くZ一I〉、〈Z
−2〉及び〈Z−3〉を各々乾燥膜厚で75μになる様
にスプレー塗装し、−15℃、及び+20℃の恒温室内
で7日間乾燥を行ない、第7表に示すように塗膜状態(
1)、鉛筆硬度(2)を調査した。
更に、このテストピースを用いて、海浜バクロ試験、流
海水浸漬試験を1年間行ない、それぞれの塗膜状態(3
,5)の調査を行なつた。結果は第7表に示したとおり
である。
第7表の結果から、亜鉛末塗料単膜では、特に流海水中
での防食性試験を行なうと、亜鉛末の消耗がはげしく、
1年後にはサビの発生もみられることがわかる。
又、低温においては硬化しないものもあり、寒冷地にお
ける塗装により苛酷な腐食環境に長期間耐え得る防食方
法としては、不適当であることも示される。
比較例 3 3.2×100×300(単位:11171L)の、サ
ンドブラスト処理鋼板(SVENSKSTANDARD
SISDSa2n)に、亜鉛末塗料くZ−1〉を乾燥厚
で75μになるように、20℃温度下で塗装し、30日
問屋外バクロした。
この亜鉛末塗料塗装鋼板上に、−15℃、+20℃の各
温度下で、比較用エポキシ樹脂塗料くE−1〉を乾燥膜
厚が300μになるようにスプレ一塗装し、第8表に示
すように各々−15℃+20℃の恒温室内にて16時間
放置後の加重テスト(7)及び7日間放置後の塗膜状態
(4)と鉛筆硬度(2)の調査を実施した。
更に、このテストピースを用いて、海浜バクロ試験、1
年後の塗膜状態(3)、付着力(4)及び流海水浸試験
、1年後の塗膜状態(5)、付着力(6)の調査を行な
つた。
また、同様にして作成した亜鉛末塗料くZ−1〉塗装鋼
板に、−15℃、+20℃の各温度下で、HBSK規格
−5602に該当する塩化ゴム塗料の中塗及び上塗をそ
れぞれ35μ、25μ(いずれも乾燥膜厚)ずつ塗装し
、エポキシ樹脂塗料くE−1〉についてと同様の試験及
び調査を行なつた。
結果は第8表に示したとおりである。
塗面上に4枚のガーゼをのせ、その上から、2kg/C
dの荷重を20分間加え、加重をとりのぞいたあとの塗
面の凹み及びその復元状況を調査する。
結果は、下記の評価基準によつて評価した。◎;加重に
よる凹みが塗面につかない。○;加重による凹みが加重
除去後に復元する。
△;加重による凹みが加重除去後に一部復元する。×;
加重による凹みが加重除去後も全く復元しない。
第8表の結果に示されたように、上塗塗料の乾燥温度が
+20℃の場合、サンドブラスト処理〜亜鉛末塗料〜エ
ポキシ樹脂塗料の工程による防食方法は非常に有効であ
る。
一方、上塗塗料の乾燥温度が−15℃と低温の場合、上
塗塗料として二液反応硬化型のエポキシ樹脂塗料及び溶
剤揮発乾燥型の塩化ゴム塗料のいずれを用いた場合にお
いても、乾燥性、防食性共に不十分であり、寒冷地での
塗装による苛酷な腐食環境における大型鋼構造物b長期
防食方法としては適当ではない。
実施例 1 3.2×100×300(単位:Mm)の、パワーツー
ル処理鋼板(JSRASPSS;WRPt2)に亜鉛末
塗料〈Z−1〉を乾燥膜厚で75μになるように−15
℃の恒温室内でスプレー塗装し、そのまま16時間放置
後、その上に低温硬化型塗料くA−1〉及びくB−1〉
を乾燥膜厚で、それぞれ50μ、1000μになる様に
スプレー塗装し、一15μC温度下にて16時間放置後
の加重テスト(7)、7日放置後の塗膜状態(1)、と
鉛筆硬度(2)調査を実施した。
その後このテストピースを用いて、海浜バクロ試験及び
流海水浸漬試験を1年間行ない各々の塗膜状態(3、5
)及び付着力(4、6)を調査した。同様な工程のテス
トピースを、O℃及び+20℃においても作成し、同様
な調査を行なつた。
結果を第9表に示す。第9表の結果が示すように、鋼材
一次防錆塗膜を、パワーツール処理により除去したのち
、亜鉛末塗料を塗装し、その上に低温硬化型塗料くA一
1〉及び〈B−1〉を塗装した場合、低温における上塗
塗料の硬化性も非常に良好であり、+20℃で硬化させ
た場合と同等の防食性能を示しており、また優れた防食
性、物性により付着性テストにおいても非常に良好であ
つた。
即ち、本実施例による防食方法は、低温においても、通
常の塗装及び硬化が可能であり、且つ、苛酷な腐食環境
にさらされる大型鋼構造物の防食方法として、非常に好
適であることが確認された。実施例 2 3.2×100×300(単位:MlL)の、さび鋼板
(屋外バクロ1年間)及びそれをサンドブラストにより
SVENSKSTANDARDSISCSal2−に素
地調整をした鋼板上に、25℃の温度下で亜鉛末塗料く
Z−2〉を乾燥塗膜で125μになる様にスプレー塗装
し、屋外で1力月間バクロした。
この亜鉛末塗料塗装鋼板上に、−15℃、0゜C+20
℃の各温度条件下で、低温硬化型塗料くA−2〉及び〈
B−2〉を乾燥膜厚が、それぞれ、250μ、500μ
になるようにスプレー塗装を行ない、各々その温度下に
放置し、実施例1と同様の試験を行なつた。その結果を
第10表に示す。
第10表の結果が示すように、鋼材表面の酸化鉄を、サ
ンドブラスト処理によシ除去したのち、亜鉛末塗料を塗
装し、その上に低温硬化型塗料〈A−2〉及びくB−2
〉を低温度下で塗装した場合に訃いても、硬化性、防食
性とも非常にすぐれている。
即ち、本実施例の鋼材の防食方法は、寒冷地における大
型鋼構造物の防食塗装方法として優れていることが認め
られた。一方、鋼材表面の酸化鉄を除去しないで亜鉛末
塗料/低温硬化型塗料を同様の方法で塗装した場合には
、上塗の硬化及び亜鉛末塗料と上塗塗料の付着性は非常
に良好であるが、防食性能は不充分である。
実施例 3 3.2×100×300(単位:MOの、ゾヨツトプラ
スト処理鋼板(SVENSKSTANDARDSISA
Sa2−)に、30℃の温度下で亜鉛末塗料〈Z−3〉
を乾燥膜厚が15μになるように塗装し、3ケ月問屋外
バクロした後、−15℃、0℃及び+20℃の各温度下
で、低混硬化型塗料組成物〈A−3〉、くB−3〉を、
それぞれ、乾燥膜厚が、それぞれ、700μ、125μ
になるようにスプレー塗装し、各々その温度下に放置し
、実施例1と同様の試験を行なつた。
次に、亜鉛末塗料〈Z−3〉のエポキシ樹脂及びポリア
ミド樹脂の全量を桐油とフエノール樹脂(p−ブチルフ
エノールの3.5核体、ノポラツク)の変性物におきか
え更に亜鉛末の責量を亜鉛華におきかえ、溶剤を全てミ
ネラルスプリツトにおきかえた亜鉛末塗料くZ−4〉を
試作し、同様の試験を−15℃温度下に訃いてのみ実施
した。
結果を第11表に示す。第11表の結果が示すと訃シ、
鋼板表面の酸化鉄を、シヨツトブラスト処理によ勺除去
したのち、亜鉛末塗料を塗装/屋外バクロをし、その上
に本発明の低渦硬化型塗料を塗装する鋼材の防食方法は
、上塗塗料の硬化温度に関係なく(−15℃〜+2『C
)、硬化性、防食性共に非常にすぐれた性能を示してお
ジ、寒冷地において、塗装による鋼材の長期防食方法と
して極めて優れた方法であることが確認された。
一方、フエノール樹脂をビヒクルとする亜鉛末塗料は、
上塗塗料の溶剤による膨潤がおこるために、亜鉛末塗料
本来の件能を十分に発揮できない。
実施例 4本発明による防食方法の効果を確認するため
に、北海道の岸壁に設置されている大型クレーンの海に
面した外面の一部を利用して、冬季に現場実験を下記に
より実施した。
クレーンの設置位置は、波打ち際より約1.5m,満潮
時の海面より約1〜5mの高さの所であり、絶えず、強
い潮風、波しぶきを受け、年間を通じれば、外畔結J乾
湿のくD返し、および寒暖のくb返し、にさらされ、腐
食環境としては極めて苛酷である。
試験面積の合計300m”を3区画に分け、いずれの区
画も、旧塗膜をサンドブラストによジ完全に除去し、亜
鉛末塗料〈Z−2〉を乾燥膜厚が平約75μになるよう
に塗装し、48時間後に、低温硬化型塗料〈B−3〉、
くA−1〉及びエポキシ樹脂塗料〈E−1〉を乾燥膜厚
が約250μになる様にスプレー塗装した。
素地調整〜塗装終了の間の気温は、−12±5℃であつ
た。
塗装後1年2ケ月後の塗膜状態調査結果を第12表に示
す。
0′ 以上の、実施例および比較例に示したと訃ジ、−20℃
〜+5℃という低温度における塗装による鋼材の防食が
、本発明の防食方法により達成され、苛酷な腐食環境に
さらされる大型鋼構造物の寒冷地における長期間の防食
方法として本発明が非常に有効な手段であることが確認
された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋼構造物またはその部材を防食するに際し、鋼材表
    面の酸化鉄を除去するかまたは鋼材にすでに塗装されて
    いた一次防錆塗膜を除去するかの一方または両方を行な
    つたのち、亜鉛末塗料を塗装し、ついでエポキシ樹脂、
    エポキシアクリレート樹脂およびアルコール性水酸基含
    有ポリアミド樹脂を必須成分とする塗料組成物(A)ま
    たはエポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリア
    ミド樹脂および炭素数1〜5の飽和一価アルコールを必
    須成分とする塗料組成物(B)を、塗装することを特徴
    とする鋼構造物の防食方法。 2 亜鉛末塗料が、エチルシリケート、水溶性シリケー
    トまたはエポキシ樹脂系をビヒクル成分とするものであ
    る特許請求の範囲第1項に記載の防食方法。 3 塗料組成物(A)および(B)において、エポキシ
    樹脂のエポキシ当量が150〜1000である特許請求
    の範囲第1項または第2項に記載の防食方法。 4 塗料組成物(A)および(B)においてエポキシア
    クリレート樹脂は、エポキシ樹脂1分子中のエポキシ基
    の1個ないし全部にアクリル酸が付加せしめられたもの
    である特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載
    の防食方法。 5 塗料組成物(A)において、アルコール性水酸基含
    有ポリアミド樹脂の活性水素当量が50〜850で、ア
    ルコール性水酸基含有率が0.5重量%以上である特許
    請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の防食方法
    。 6 塗料組成物(B)において、ポリアミド樹脂の活性
    水素当量が50〜700である特許請求の範囲第1項〜
    第5項のいずれかに記載の防食方法。 7 塗料組成物(A)において10重量部のエポキシ樹
    脂成分に対し、2〜40重量部の割合のエポキシアクリ
    レート樹脂成分およびエポキシ樹脂成分とエポキシアク
    リレート樹脂成分のエポキシ基およびアクリロイル基の
    合計1当量に対し、アルコール性水酸基含有ポリアミド
    樹脂成分中の活性水素が0.5〜2.0当量になる割合
    のアルコール性水酸基含有ポリアミド樹脂成分を含有す
    る特許請求の範囲第1項〜第6項のいずれかに記載の防
    食方法。 8 塗料組成物(B)において、10重量部のエポキシ
    樹脂成分に対し、2〜40重量部の割合のエポキシアク
    リレート樹脂成分;エポキシ樹脂成分とエポキシアクリ
    レート樹脂成分のエポキシ基およびアクリロイル基の合
    計1当量に対し、ポリアミド樹脂成分中の活性水素が0
    .5〜2.0当量になる割合のポリアミド樹脂成分;お
    よびエポキシ樹脂成分、エポキシアクリレート樹脂成分
    およびポリアミド樹脂成分の合計10重量部に対し、1
    〜100重量部の飽和1価アルコール成分を含有する特
    許請求の範囲第1項〜第7項のいずれかに記載の防食方
    法。
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