JPH11320340A - 自動旋盤の心出し用測定装置及び心出し方法 - Google Patents

自動旋盤の心出し用測定装置及び心出し方法

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JPH11320340A
JPH11320340A JP12208698A JP12208698A JPH11320340A JP H11320340 A JPH11320340 A JP H11320340A JP 12208698 A JP12208698 A JP 12208698A JP 12208698 A JP12208698 A JP 12208698A JP H11320340 A JPH11320340 A JP H11320340A
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JP
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guide bush
measuring
centering
axis
measurement point
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JP12208698A
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Inventor
Shigeo Hasegawa
重雄 長谷川
Akira Sawada
彰 澤田
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重力の影響による測定誤差を可及的に排除し
て正確な心出しを行うことを可能にする心出し用測定装
置を提供する。 【解決手段】 測定装置10は、ガイドブッシュ装置1
2のガイドブッシュ22に同心に装着される第1基準軸
54と、背面主軸14に装備される測定用スリーブ42
に同心に装着される第2基準軸56と、第2基準軸56
に摺動可能に取着される測定器58とを備える。測定時
には、まず測定器58の測定表示部64に設けた測定子
90の先端90aを第2基準軸56上の基準測定点に当
接し、ゼロ設定する。続いて測定子90の先端90a
を、基準測定点に対し第2基準軸56の中心軸線方向へ
整列する第1基準軸54上の比較測定点に当接し、表示
数値を読み取る。この表示数値がゼロになるように、第
1基準軸54と第2基準軸56とを相対移動させること
により、両基準軸の相対的位置ずれを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガイドブッシュ装
置を備えた自動旋盤の心出し作業に使用できる測定装置
に関する。さらに本発明は、その測定装置を用いた自動
旋盤の心出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】NC旋盤等の、自動旋削加工を実施でき
る旋盤(本明細書では自動旋盤と称する)において、回
転主軸に掴持された被加工素材としての棒材を、回転主
軸先端の前方の、工具による加工作業位置近傍で回転自
在に支持するガイドブッシュ装置を備えたものが知られ
ている。ガイドブッシュ装置は、それ自体、自動旋盤の
機台上の所定位置に固定的に設置され、旋削加工中の棒
材をその被加工部位近傍で支持して、被加工部位に生じ
得る回転による振れや撓みを抑制し、それにより、比較
的細長い製品でも高い寸法精度に加工成形することを可
能にする。この種のガイドブッシュ装置では、棒材外周
面を支持する円筒状の支持内周面が、回転する棒材に対
するすべり軸受面を構成する固定型ガイドブッシュを備
えたものと、支持内周面が棒材外周面に実質的に接触し
た状態で棒材と共に回転する回転型ガイドブッシュを備
えたものとが、適宜選択して使用されている。
【0003】ところで、一般に自動旋盤では、加工工程
を実施する前の準備段階、或いは長時間運転により生じ
た加工誤差の補正段階として、旋盤機台上に設置される
回転主軸の中心軸線に対し、同機台上に設置される他の
加工機能装置の中心軸線を同軸状に合致させる作業、す
なわち心出し作業を必要とする場合がある。その場合、
上記したガイドブッシュ装置を備えた自動旋盤では、加
工時の棒材の回転軸線はガイドブッシュ装置によって規
定されるので、ガイドブッシュ装置のガイドブッシュの
中心軸線と、他の加工機能装置のスリーブ状要素の中心
軸線とを心出しするのが一般的である。なお、心出しす
べき他の加工機能装置としては、旋盤機台上でガイドブ
ッシュ装置に対向配置された状態で、ガイドブッシュ装
置から放出された棒材を受け取って掴持する第2の回転
主軸(以下、背面主軸と称する)や、棒材にその回転軸
線に沿った穴を穿設するドリル等の穴明け工具を装着し
た工具ホルダを、例として挙げることができる。
【0004】従来、このような心出し作業に際しては、
旋盤機台に設置したガイドブッシュ装置全体を、ガイド
ブッシュ装置の中心軸線に相当する中心軸線を有した円
筒状の軸部材を備える心出し用の治具に交換するととも
に、心出し対象としての他の加工機能装置(例えば背面
主軸)の円筒状の外周面上に、表示目盛付きの測定器を
搭載し、この測定器により、加工機能装置の中心軸線に
対する軸部材の中心軸線の位置ずれを手作業で測定して
いた。この場合の測定手順は、まず軸部材と加工機能装
置とを、心出しすべき所定の相互対向位置に配置した状
態で、加工機能装置の外周面上の所望位置に測定器を配
置し、次に測定器に設けた揺動レバー形の測定子の先端
を、軸部材の外周面の所望位置に当接して目盛を読み、
その状態で測定器を、加工機能装置の外周面上で周方向
へ移動させて、測定子が軸部材の外周面上を1周する間
の目盛の変化を読み取るものであった。これにより、測
定器を搭載した加工機能装置の中心軸線と、被測定物で
ある軸部材の中心軸線との、相対的な位置ずれが測定さ
れるので、その測定値に基づき、実際のガイドブッシュ
装置と加工機能装置との相対位置補正すなわち心出しを
行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の心出し
作業における軸線位置ずれ測定方法は、心出し対象の一
方の中心軸線構成要素である加工機能装置の円筒状外周
面に沿って測定器を1周させて、他方の中心軸線構成要
素である軸部材の相対的な位置ずれを測定するものであ
るから、旋盤機台上で一般に水平姿勢に設置される軸部
材上を摺動する測定子が重力の影響を受け、正確な測定
ができなくなる不都合があった。つまり、測定子が軸部
材の外周面の重力方向下方部分にある間は、重力により
測定子が下方へ引っ張られるので、実際の被測定部位の
位置よりも下方の位置が目盛に表示されることになる。
また、測定器を加工機能装置へ取付ける取付部分の剛性
によっては、測定器本体も重力の影響を受けて測定誤差
が生じてしまう。このような重力の影響は、測定器の重
量、測定子の寸法や揺動特性等によって異なるものであ
り、個々の測定器に対し重力の影響を相殺することは実
際には困難である。
【0006】また、上記した従来の方法では、測定器を
加工機能装置へ搭載し、かつ加工機能装置の外周面に沿
って周方向へ移動させることができるに十分な測定作業
空間を設けることは、多種多様な加工機能装置を装備し
て多機能化された今日の自動旋盤では、機械構造上の制
約から困難となる場合がある。同様の理由で、上記した
従来の方法では、測定器を加工機能装置の外周面に沿っ
て軸線方向へ移動させることが困難となる場合がある。
そのような場合には、測定対象の軸部材の外周面上で軸
線方向へ離隔した複数部位を測定することが困難であ
り、したがって、加工機能装置の中心軸線に対する測定
対象の軸部材の中心軸線の傾斜を検出することが困難で
あった。このように、上記した従来の方法では、同軸性
が要求される心出し作業を高い信頼性の下に実施するこ
とが困難になる場合があった。
【0007】さらに、上記した従来の方法では、心出し
作業に際し、ガイドブッシュ装置全体を心出し用の治具
に交換して軸線位置ずれを測定した後、再びガイドブッ
シュ装置を旋盤機台上に設置する手順が必要であり、そ
のような着脱作業に多大な労力を消費することになって
いた。しかも、実際の旋削加工時の機械構成と同一の機
械構成での測定ではないので、高精度の旋削加工が必要
とされる場合の心出しを行うためには、測定作業者の熟
練を要するだけでなく、慎重な測定作業に必要以上の時
間を消費する傾向があった。
【0008】したがって本発明の目的は、自動旋盤にお
けるガイドブッシュ装置と他の加工機能装置との心出し
作業に使用できる測定装置であって、重力の影響による
測定誤差を可及的に排除でき、また狭い作業空間でも容
易に測定を実施でき、しかもガイドブッシュ装置の着脱
や心出し用の治具への交換に伴う労力を排除して、同軸
性が要求される心出し作業を高い信頼性の下に実施でき
るようにする心出し用測定装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、そのような測定装置を用いて、自
動旋盤におけるガイドブッシュ装置と他の加工機能装置
との心出し作業を短時間で容易かつ正確に実施できる心
出し方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の本発明は、旋盤機台上に設置され
る回転主軸と、旋盤機台上に固定的に設置され、回転主
軸に掴持された棒材を加工作業位置近傍で回転可能に支
持するガイドブッシュを備えたガイドブッシュ装置と、
旋盤機台上に設置され、ガイドブッシュの中心軸線に合
致されるべき中心軸線を有するスリーブ状要素を備えて
ガイドブッシュ装置に対向配置される他の加工機能装置
とを具備した自動旋盤で、ガイドブッシュの中心軸線と
スリーブ状要素の中心軸線との位置ずれを測定する心出
し用測定装置において、ガイドブッシュ装置のガイドブ
ッシュに同心に装着される円筒状の第1基準軸と、加工
機能装置のスリーブ状要素に同心に装着され、第1基準
軸と同一の外径寸法を有する円筒状の第2基準軸と、ガ
イドブッシュ装置と加工機能装置とを、心出しすべき所
定の相互対向位置に配置した状態で、ガイドブッシュに
装着された第1基準軸及びスリーブ状要素に装着された
第2基準軸のいずれか一方に摺動可能に取着され、それ
ら第1及び第2基準軸の中心軸線方向へ実質的に整列す
る第1基準軸の外周面上の所望部位と第2基準軸の外周
面上の所望部位との実際の位置を測定する測定器と、を
具備したことを特徴とする自動旋盤の心出し用測定装置
を提供する。
【0010】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の自動旋盤の心出し用測定装置において、中心軸線同
士の位置ずれの測定時に、実際の棒材加工時に使用され
るガイドブッシュ装置のガイドブッシュと交換してガイ
ドブッシュ装置に装備される測定用ガイドブッシュをさ
らに具備し、測定用ガイドブッシュが、ガイドブッシュ
を構成するとともに、第1基準軸を同心状態に安定的に
保持可能な支持内周面を有する心出し用測定装置を提供
する。
【0011】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2に記載の自動旋盤の心出し用測定装置において、加工
機能装置が、旋盤機台上に移動可能に設置され、ガイド
ブッシュ装置に対向配置された状態で、ガイドブッシュ
装置から放出された棒材を掴持する背面主軸からなる心
出し用測定装置を提供する。
【0012】請求項4に記載の本発明は、請求項3に記
載の自動旋盤の心出し用測定装置において、中心軸線同
士の位置ずれの測定時に、実際の棒材加工時に使用され
る背面主軸のチャックと交換して背面主軸に装備される
測定用スリーブをさらに具備し、測定用スリーブが、ス
リーブ状要素を構成するとともに、第2基準軸を同心状
態に安定的に保持可能な支持内周面を有する心出し用測
定装置を提供する。
【0013】請求項5に記載の本発明は、請求項1又は
2に記載の自動旋盤の心出し用測定装置において、加工
機能装置が、旋盤機台上に移動可能に設置され、ガイド
ブッシュ装置に対向配置された状態で、ガイドブッシュ
に支持された棒材を加工する工具を装着可能な工具ホル
ダからなる心出し用測定装置を提供する。
【0014】請求項6に記載の本発明は、請求項1〜5
のいずれか1項に記載の自動旋盤の心出し用測定装置に
おいて、測定器は、第1及び第2基準軸のいずれか一方
の外周面上にがたつきを実質的に排除して摺動可能に支
持される環状基部と、環状基部から延設されるリンク部
と、リンク部の先端に取着され、第1及び第2基準軸の
外周面に当接される測定子を有した測定表示部とを具備
して構成される心出し測定用装置を提供する。
【0015】請求項7に記載の本発明は、請求項6に記
載の自動旋盤の心出し用測定装置において、リンク部が
多関節リンクからなる心出し用測定装置を提供する。
【0016】請求項8に記載の本発明は、旋盤機台上に
設置される回転主軸と、旋盤機台上に固定的に設置さ
れ、回転主軸に掴持された棒材を加工作業位置近傍で回
転可能に支持するガイドブッシュを有したガイドブッシ
ュ装置と、旋盤機台上に設置され、ガイドブッシュの中
心軸線に合致されるべき中心軸線を有するスリーブ状要
素を備えてガイドブッシュ装置に対向配置される他の加
工機能装置とを具備した自動旋盤で、ガイドブッシュの
中心軸線とスリーブ状要素の中心軸線との位置ずれを測
定して補正する心出し方法において、請求項1に記載の
心出し用測定装置を用意するステップと、ガイドブッシ
ュ装置と加工機能装置とを、心出しすべき所定の相互対
向位置に配置するステップと、心出し用測定装置の第1
基準軸をガイドブッシュ装置のガイドブッシュに同心に
装着するステップと、心出し用測定装置の第2基準軸を
加工機能装置のスリーブ状要素に同心に装着するステッ
プと、心出し用測定装置の測定器を、第1基準軸及び第
2基準軸のいずれか一方に摺動可能に取着するステップ
と、測定器により、第1及び第2基準軸の中心軸線方向
へ実質的に整列する第1基準軸の外周面上の所望部位と
第2基準軸の外周面上の所望部位との実際の位置を測定
するステップと、測定された第1及び第2基準軸の所望
部位の実際の位置を比較して、ガイドブッシュの中心軸
線とスリーブ状要素の中心軸線との位置ずれを特定する
ステップと、特定された位置ずれを補正するステップ
と、を具備したことを特徴とする心出し方法を提供す
る。
【0017】請求項9に記載の本発明は、請求項8に記
載の心出し方法において、第1及び第2基準軸の外周面
上で互いに周方向へ離れた複数組の所望部位に対し、実
際位置測定ステップを順次実施する心出し方法を提供す
る。
【0018】請求項10に記載の本発明は、請求項9に
記載の心出し方法において、実際位置測定ステップは、
第1基準軸の外周面上の一次測定点と、この一次測定点
に対し中心軸線方向へ実質的に整列する第2基準軸の外
周面上の一次測定点との実際の位置を測定した後に、第
1基準軸の外周面上の一次測定点から周方向へ離れた第
1基準軸の外周面上の二次測定点と、この二次測定点に
対し中心軸線方向へ実質的に整列する第2基準軸の外周
面上の二次測定点との実際の位置を測定するように構成
される心出し方法を提供する。
【0019】請求項11に記載の本発明は、請求項9に
記載の心出し方法において、実際位置測定ステップは、
第1及び第2基準軸のうちの測定器を取着した一方の基
準軸の外周面上の一次基準測定点と、第1及び第2基準
軸のうちの測定器を取着していない他方の基準軸の外周
面上の、一次基準測定点に対し中心軸線方向へ実質的に
整列する少なくとも1つの一次比較測定点との実際の位
置を測定した後に、一方の基準軸の外周面上の一次基準
測定点から周方向へ離れた一方の基準軸の外周面上の二
次基準測定点と、二次基準測定点に対し中心軸線方向へ
実質的に整列する他方の基準軸の外周面上の少なくとも
1つの二次比較測定点との実際の位置を測定するように
構成される心出し方法を提供する。
【0020】請求項12に記載の本発明は、請求項10
又は11に記載の心出し方法において、第1及び第2基
準軸の外周面上の一組の一次測定点を測定した後に、位
置ずれ特定ステップ及び位置ずれ補正ステップを実施
し、次いで第1及び第2基準軸の外周面上の一組の二次
測定点を測定した後に、再び位置ずれ特定ステップ及び
位置ずれ補正ステップを実施する心出し方法を提供す
る。
【0021】請求項13に記載の本発明は、請求項10
〜12のいずれか1項に記載の心出し方法において、第
1及び第2基準軸のうちの測定器を取着した一方の基準
軸の、外周面上の一次測定点と二次測定点とが、略90
°の中心角だけ周方向へ互いに離れた位置にある心出し
方法を提供する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明をその実施形態に基づき詳細に説明する。各図面にお
いて、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付
す。図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態に
よる自動旋盤の心出し用測定装置10が、心出し対象の
ガイドブッシュ装置12及び背面主軸14、並びに被加
工素材としての棒材(図示せず)を掴持する回転主軸1
6と共に示されている。
【0023】ガイドブッシュ装置12は、回転主軸16
の軸線方向前方(図で左方)で、旋盤機台(図示せず)
上のコラム18に固定的に設置され、回転主軸16に掴
持された棒材を工具(図示せず)による加工作業位置近
傍で回転自在に支持する。ガイドブッシュ装置12は、
棒材を受容、包囲する段付き円筒状の内周面20を有し
た中空筒状のガイドブッシュ22を備える。ガイドブッ
シュ22は、中心軸線22aを有し、その軸線方向前端
(図で左端)領域に、内周面20の小径部分である棒材
支持面20aを有したすり割り部24が設けられる。ガ
イドブッシュ22は、すり割り部24に径方向内方へ加
える外力を調節することによって、すり割り部24の棒
材支持面20aの内径寸法を調節することができる。す
り割り部24の外周面には、径方向内方への外力を受け
るためのテーパ面26が設けられる。
【0024】ガイドブッシュ22は、スリーブ部材2
8、軸受装置30及びフランジ部材32を介して、コラ
ム18に対し中心軸線22aの周りで回転可能に設置さ
れる。ガイドブッシュ22は、スリーブ部材28の軸線
方向前端領域に軸方向へ摺動可能にかつ回転方向へ固定
して収納される。スリーブ部材28の内周面前端には、
ガイドブッシュ22のテーパ面26に当接可能な対応テ
ーパ面34が形成される。スリーブ部材28の軸線方向
後端領域には、ガイドブッシュ22に螺合するねじ部を
有した調節ナット36が、軸線方向へ固定して回転可能
に収納される。したがって、調節ナット36が回転する
と、ガイドブッシュ22がスリーブ部材28内で軸線方
向へ移動し、テーパ面26と対応テーパ面34との相互
当接圧力に応じて、すり割り部24の棒材支持面20a
の内径寸法が、支持対象の棒材の外形寸法に対応して調
節される。
【0025】スリーブ部材28は、軸受装置30によっ
てフランジ部材32の中心穴32aに回転可能に支持さ
れる。スリーブ部材28の外周面の後端領域には、被動
プーリ38が連結される。被動プーリ38は、図示しな
い動力伝達機構を介して図示しないガイドブッシュ駆動
源に連結され、ガイドブッシュ駆動源により、回転主軸
16の回転速度と同一の回転速度で回転駆動される。そ
の結果、被動プーリ38、調節ナット36、スリーブ部
材28及びガイドブッシュ22が、フランジ部材32に
対し、回転主軸16の回転速度と同一の回転速度で一体
的に回転する。フランジ部材32は、例えばボルト40
によりコラム18に固定される。このように、ガイドブ
ッシュ22、スリーブ部材28、軸受装置30、フラン
ジ部材32、調節ナット36及び被動プーリ38は、予
め組立てたガイドブッシュ装置12として、自動旋盤の
コラム18の所定位置に着脱可能に取付けられる。
【0026】背面主軸14は、旋盤機台上でガイドブッ
シュ装置12に対向配置された状態で、ガイドブッシュ
装置12から放出された棒材を受け取って掴持し、棒材
と共に回転することにより、棒材の軸線方向後端領域の
加工を可能にするものである。図示実施形態では、背面
主軸14には、棒材を掴持するためのスリーブ状要素と
してのチャック(図示せず)に代えて、後述する軸線位
置ずれ測定時に使用する測定用スリーブ42が装備され
ている。測定用スリーブ42は、中心軸線42aを有す
るスリーブ状要素であり、背面主軸14用のチャックと
実質的同一の外形を有する。したがって、測定用スリー
ブ42を背面主軸14に装備したときに、測定用スリー
ブ42の中心軸線42aはチャックの中心軸線に実質的
に一致する。
【0027】回転主軸16は、旋削加工すべき棒材を掴
持して、図示しない主軸モータにより回転駆動されると
ともに、図示しない送りモータによって、旋盤機台上で
回転軸線方向つまり直交3軸座標系におけるZ軸方向へ
移動するように構成される。回転主軸16は中空筒状の
構造を有し、その前端領域に、棒材を掴持可能な開閉式
のチャック44が収容される。チャック44は、先端に
すり割り部を有したいわゆるコレットチャックであり、
すり割り部に径方向内方への外力が加わることにより、
先端の略円筒状の棒材掴持面46が縮径してチャック4
4が閉じ、棒材を固定的に掴持するようになっている。
すり割り部への径方向外力が解除されると、すり割り部
が復元して棒材掴持面46が拡径し、チャック44が開
いて棒材を解放する。チャック44のすり割り部外周に
は、径方向内方への外力を受けるためのテーパ面48が
設けられる。
【0028】回転主軸16にはさらに、中空筒状の押圧
部材50が軸方向へ移動可能に収容される。押圧部材5
0はその前端領域にチャック44を収容し、チャック4
4のテーパ面48に当接可能な対応テーパ面52を前端
に備える。図示しないチャック駆動源により、押圧部材
50を軸線方向前方へ移動することによって、対応テー
パ面52がチャック44のテーパ面48に当接され、テ
ーパ面48を介してチャック44のすり割り部に径方向
内方への押圧力が加わり、チャック44が閉じられる。
この状態で、チャック44が棒材を強固に掴持する。そ
の状態から、押圧部材50を軸線方向後方へ移動すれ
ば、対応テーパ面52がチャック44のテーパ面48か
ら脱離して、チャック44が開かれる。
【0029】上記構成において、回転主軸16のZ軸送
り動作により長尺の棒材の加工が進み、さらに回転主軸
16のチャック44に掴持された棒材の軸線方向後端領
域にも加工を施そうとする場合には、背面主軸14をガ
イドブッシュ装置12に対向配置し、棒材を回転主軸1
6からガイドブッシュ装置12を通して背面主軸14に
移行させる。このとき、ガイドブッシュ装置12に対し
て背面主軸14が正確に心出しされていないと、棒材の
加工済部分を背面主軸14に送り込む際に加工済部分の
外面が損傷したり、棒材が背面主軸14の軸方向端面に
衝突して移行できなくなったりする危惧がある。そこ
で、本発明に係る心出し用測定装置10を用いて、ガイ
ドブッシュ装置12のガイドブッシュ22の中心軸線2
2aと背面主軸14のスリーブ状要素(チャック又は測
定用スリーブ42)の中心軸線との相対的位置ずれを測
定すれば、その測定値に基づき、同軸度に優れた正確な
心出しを行うことができる。
【0030】本発明の一実施形態による心出し用測定装
置10は、ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ2
2に同心に装着される円筒状の第1基準軸54と、背面
主軸14のチャックと交換して背面主軸14に装備され
る前述した測定用スリーブ42と、測定用スリーブ42
に同心に装着される円筒状の第2基準軸56と、ガイド
ブッシュ装置12と背面主軸14とを、心出しすべき所
定の相互対向位置に配置した状態で、ガイドブッシュ2
2に装着された第1基準軸54及び測定用スリーブ42
に装着された第2基準軸56のいずれか一方に摺動可能
に取着される測定器58とを備えて構成される。図示実
施形態では、測定器58は、背面主軸14側の測定用ス
リーブ42に装着された第2基準軸56に取着されてい
る。また、第1基準軸54及び第2基準軸56は、旋盤
機台上で水平姿勢に支持される。
【0031】第1及び第2基準軸54、56は、図示実
施形態では実質的に同一の構成を有する。図3に示すよ
うに、第1及び第2基準軸54、56はいずれも、高度
な円筒度及び断面真円度を有する硬質材料からなる段付
き円筒状の部材であり、大径の主基準部分54a、56
aと、主基準部分54a、56aの軸線方向一端面から
同心に延長される小径の副基準部分54b、56bとを
一体に備える。第1及び第2基準軸54、56の主基準
部分54a、56a同士、及び副基準部分54b、56
b同士は、互いに同一の外径寸法を有する。
【0032】また、第2基準軸56を受容支持する測定
用スリーブ42は、図4に示すように、高度な円筒度及
び断面真円度を有する段付き円筒状の内周面を備えた中
空筒状部材であり、内周面の小径部分が、第2基準軸5
6を同心状態に安定的に保持可能な支持内周面42bを
構成する。なお以下の説明では、第1及び第2基準軸5
4、56の主基準部分54a、56aを、特に断りの無
い限り代表的に第1及び第2基準軸54、56と称す
る。
【0033】図5及び図6に示すように、測定器58
は、第1及び第2基準軸54、56のいずれか一方(図
示実施形態では第2基準軸56)にその外周面を包囲す
るように取付けられる環状基部60と、環状基部60か
ら延設される多関節のリンク部62と、リンク部62の
末端の自由端に取着される測定表示部64とから構成さ
れる。環状基部60は、図示実施形態では第2基準軸5
6の円筒状の外周面上にがたつきを実質的に排除して摺
動可能に支持される。環状基部60の径方向へ対向する
2箇所には、径方向へ貫通するねじ孔60aが形成され
る(図5(a)参照)。
【0034】リンク部62は、一端のねじ部66aを環
状基部60のねじ孔60aに螺合させて環状基部60に
固定され、環状基部60の径方向へ延びる円筒状の第1
アーム66(図5(a)参照)と、一端で第1アーム6
6に摺動可能に連結され、第1アーム66に直交する方
向へ延びる角柱状の第2アーム68(図5(b)参照)
と、第2アーム68の他端に摺動可能に連結され、第2
アーム68に直交する方向へ延びる円筒状の第3アーム
70(図6(a)参照)と、一端で第3アーム70に摺
動可能に連結され、第3アーム70に直交する方向へ延
びる角柱状の第4アーム72(図6(b)参照)とから
構成される。
【0035】第2アーム68の一端には、スリット74
aを有した受容孔76aが貫通形成される。第1アーム
66は、第2アーム68の受容孔76aに受容され、そ
れにより第1アーム66と第2アーム68とが、第1ア
ーム66の軸線方向及び周方向へ相対的に摺動できるよ
うになっている。第2アーム68は、スリット74aを
画成するその二股端部に螺着されたボルト78aを締め
付けることにより、第1アーム66上の所望位置に固定
される。第2アーム68は、環状基部60を第2基準軸
56に取付けたときに、第2基準軸56に直交して配置
される。
【0036】第2アーム68の他端には、同様にスリッ
ト74bを有した受容孔76bが、一端の受容孔76a
に直交する方向へ貫通形成される。第3アーム70は、
第2アーム68の他端の受容孔76bに受容され、それ
により第2アーム68と第3アーム70とが、第3アー
ム70の軸線方向及び周方向へ相対的に摺動できるよう
になっている。第2アーム68は、スリット74bを画
成するその二股端部に螺着されたボルト78bを締め付
けることにより、第3アーム70上の所望位置に固定さ
れる。第3アーム70は、環状基部60を第2基準軸5
6に取付けたときに、第2基準軸56に平行に配置され
る。
【0037】第4アーム72の一端には、同様にスリッ
ト74cを有した受容孔76cが貫通形成される。第3
アーム70は、第4アーム72の一端の受容孔76cに
受容され、それにより第3アーム70と第4アーム72
とが、第3アーム70の軸線方向及び周方向へ相対的に
摺動できるようになっている。第4アーム72は、スリ
ット74cを画成するその二股端部に螺着されたボルト
78cを締め付けることにより、第3アーム70上の所
望位置に固定される。第4アーム72は、環状基部60
を第2基準軸56に取付けたときに、第2基準軸56に
直交して配置される。
【0038】第4アーム72の他端には、蟻溝80及び
蟻溝80に連通するスリット82が形成される。他方、
測定表示部64の本体部分84には、蟻溝80に係合可
能な蟻ほぞ86が形成され、蟻溝80と蟻ほぞ86との
係合により測定表示部64が第4アーム72に対し、第
4アーム72の軸線に直交する方向へ摺動できるように
なっている。第4アーム72は、スリット82を画成す
るその二股端部に螺着されたボルト88を締め付けるこ
とにより、測定表示部64の本体部分84上の所望位置
に固定される。
【0039】測定表示部64は、本体部分84に揺動可
能に支持される測定子90と、本体部分84に内蔵され
た歯車列(図示せず)を介して測定子90に連結される
表示盤92とを備える。表示盤92は、例えばアナログ
指針(図示せず)により、測定子90の基準位置に対す
る揺動量を数値化して表示する。上記したリンク部62
の各アーム66、68、70、72及び測定表示部64
の本体部分84を相互に摺動させて、適当な相対位置に
位置決め固定することにより、測定子90の先端90a
を第2基準軸56の外周面の所望位置に当接させること
ができる。
【0040】上記構成を有する心出し用測定装置10を
用いたガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ22の
中心軸線22aと背面主軸14のスリーブ状要素の中心
軸線との相対的位置ずれすなわち同軸度の測定手順を、
図1、図2及び図7を参照して以下に説明する。まず図
1に示すように、ガイドブッシュ装置12に対して背面
主軸14を、心出しすべき所定の相互対向位置(つまり
ガイドブッシュ装置12から棒材を受け取る位置)に配
置する。このとき、ガイドブッシュ装置12のガイドブ
ッシュ22の中心軸線22aと背面主軸14のスリーブ
状要素(チャック又は測定用スリーブ42)の中心軸線
との間に、許容範囲を超える相対的な位置ずれが生じて
いるものとする。
【0041】回転主軸16は、第1基準軸54の主基準
部分54aをチャック44に掴持した状態で、Z軸方向
の前進位置に配置される。その状態で第1基準軸54
は、主基準部分54aがガイドブッシュ装置12のガイ
ドブッシュ22に受容されてガイドブッシュ22の軸線
方向前端面から所望長さだけ突出する。そこで、ガイド
ブッシュ装置12の調節ナット36を操作して、ガイド
ブッシュ22のすり割り部24の内径を調節し、第1基
準軸54をがたつきの無い同心状態にガイドブッシュ2
2に支持させる。この状態で、第1基準軸54の中心軸
線はガイドブッシュ22の中心軸線22aに合致する。
【0042】背面主軸14には、実際の加工作業時に棒
材を掴持するためのチャック(図示せず)に代えて、測
定用スリーブ42を装着し、固定する。次いで第2基準
軸56を測定用スリーブ42に挿入して、測定用スリー
ブ42の支持内周面42bにより第2基準軸56の主基
準部分56aを同心状態に保持する。そして第2基準軸
56に、測定器58の環状基部60をがたつきの無いよ
うに取着する。この状態で、第2基準軸56の中心軸線
は背面主軸14に装備された測定用スリーブ42の中心
軸線42aに合致する。このとき第1基準軸54と第2
基準軸56とは、例えば図7(a)に示すような相対的
位置ずれを示すものとする。
【0043】次に、測定器58のリンク部62の各アー
ム66、68、70、72及び測定表示部64の本体部
分84(図5)を相対動作させて、測定表示部64の測
定子90の先端90aを環状基部60すなわち第2基準
軸56に対し3次元的に位置決めし、第2基準軸56の
外周面上の所望部位P1に当接する(図1及び図7
(a)参照)。その状態で、各アーム66、68、7
0、72及び本体部分84を互いに固定するとともに、
表示盤92に表示される数値がゼロとなるように測定表
示部64の測定値表示機構(図示せず)を予設定する。
このようにして測定した第2基準軸56の外周面上の所
望部位P1を、以下、基準測定点P1と称する。図1の
状態では、各アーム66、68、70、72及び本体部
分84は互いに略直交した姿勢で固定されているが、ゼ
ロ設定時の姿勢が図示の直交姿勢に限定されないことは
理解されよう。
【0044】続いて、各アーム66、68、70、72
及び本体部分84を互いに固定したままの状態で、測定
器58の環状基部60を第2基準軸56の中心軸線方向
(図2の矢印A方向)に摺動させて、測定表示部64の
測定子90をガイドブッシュ22に支持された第1基準
軸54上に移動させる。そして測定子90の先端90a
を、上記基準測定点P1に対し第2基準軸56の中心軸
線方向へ実質的に整列する第1基準軸54の外周面上の
所望部位Q1に当接する(図2及び図7(a)参照)。
その状態で、表示盤92に表示される数値を読み取る。
このようにして測定した第1基準軸54の外周面上の所
望部位Q1を、以下、比較測定点Q1と称する。
【0045】比較測定点Q1における表示盤92の表示
数値は、第2基準軸56上の基準測定点P1の実際の位
置と、第1基準軸54上の比較測定点Q1の実際の位置
とを比較して得られた寸法値であって、それら測定点の
間の相対的位置ずれを示す。そこで、この表示数値がゼ
ロになるように、第1基準軸54及び第2基準軸56の
少なくとも一方を、その中心軸線を平行に保持したまま
移動すれば、両基準軸54、56の相対的位置ずれが、
1方向に関して実質的に補正されることになる(図7
(b)参照)。前述したように、一般にガイドブッシュ
装置12は予め組立てた状態で自動旋盤のコラム18に
取付けられるので、図示しない旋盤機台上でのコラム1
8の立設位置を調節(平行移動)して、第1基準軸54
を第2基準軸56に対し移動させることにより、比較的
容易にこの位置ずれ補正作業を行うことができる。な
お、このときのガイドブッシュ装置12すなわち第1基
準軸54の移動方向は、図7(a)におけるQ1をP1
に合致させる方向(図7(b)矢印α方向)である。
【0046】上記した位置ずれ補正作業では、両基準軸
54、56の相対的位置ずれが、1方向に関してのみ補
正される。そこで次に、測定器58の環状基部60、リ
ンク部62及び測定表示部64の相対位置を変えずに、
環状基部60を第2基準軸56上で図1の矢印B方向へ
摺動させて、測定表示部64の測定子90を再び第2基
準軸56上に移動させる。このとき、環状基部60を第
2基準軸56上で中心軸線に関し回転方向へも摺動させ
て、最初に測定した(一次)基準測定点P1から所望距
離、通常は中心角で約90°だけ離れた二次基準測定点
P2に、測定子90の先端90aを当接する(図7
(c)参照)。その状態で再度、表示盤92に表示され
る数値がゼロとなるように測定表示部64の測定値表示
機構を予設定する。
【0047】続いて、最初の(一次)比較測定点Q1の
測定と同様にして、測定表示部64の測定子90を第1
基準軸54上に移動させ、測定子90の先端90aを、
二次基準測定点P2に対し第2基準軸56の中心軸線方
向へ実質的に整列する第1基準軸54の外周面上の所望
部位、つまり二次比較測定点Q2に当接する(図7
(c)参照)。その状態で再度、表示盤92に表示され
る数値を読み取る。二次比較測定点Q2における表示盤
92の表示数値は、第2基準軸56上の二次基準測定点
P2の実際の位置と、第1基準軸54上の二次比較測定
点Q2の実際の位置とを比較して得られた寸法値であっ
て、それら測定点の間の相対的位置ずれを示す。
【0048】二次比較測定点Q2において、二次基準測
定点P2に対する位置ずれが測定された場合には、再度
その表示盤92の表示数値がゼロになるように、第1基
準軸54及び第2基準軸56の少なくとも一方を、その
中心軸線を平行に保持したまま移動する。それにより、
両基準軸54、56の相対的位置ずれが、最初の補正方
向とは異なる他の方向に関して補正されることになる
(図7(d)参照)。この場合も、ガイドブッシュ装置
12をコラム18と共に旋盤機台上で平行移動させて、
第1基準軸54を第2基準軸56に対し移動させること
により、比較的容易にこの位置ずれ補正作業を行うこと
ができる。なお、このときのガイドブッシュ装置12す
なわち第1基準軸54の移動方向は、図7(c)におけ
るQ2をP2に合致させる方向(図7(d)矢印β方
向)である。
【0049】このようにして、両基準軸54、56の相
対的位置ずれが、異なる2方向に関して補正される。こ
のとき、前述したように第2基準軸56における二次基
準測定点P2を一次基準測定点P1から中心角で約90
°だけ離隔した位置に設定すれば、上記した2回の補正
作業により、直交2軸座標系内での効果的な位置ずれ補
正が達成されることは理解されよう。
【0050】上記した2回の補正作業を行った後も、第
1基準軸54の中心軸線すなわちガイドブッシュ22の
中心軸線22aと第2基準軸56の中心軸線すなわち測
定用スリーブ42の中心軸線42aとは、完全に、又は
許容誤差範囲内で位置合せされない場合がある。これ
は、本発明に係る方法では、一次基準測定点P1と一次
比較測定点Q1との相対位置関係が、求めようとする測
定用スリーブ42の中心軸線42aとガイドブッシュ2
2の中心軸線22aとの相対位置関係に必ずしも一致せ
ず、その不一致を可及的に補うために、二次基準測定点
P2及び二次比較測定点Q2を測定する構成としたから
である。また、実際の測定作業は手作業となるので、一
次及び二次基準測定点P1、P2に対し一次及び二次比
較測定点Q1、Q2をそれぞれ正確に中心軸線方向へ整
列した位置に設定することが困難であるとともに、一次
基準測定点P1に対し二次基準測定点P2を正確に中心
角90°だけ離れた位置に設定することが困難であるか
らである。
【0051】したがって、上記した二次基準測定点P2
及び二次比較測定点Q2の測定及び比較、並びにそれに
伴う位置ずれ補正作業の後に、再び一次基準測定点P1
及び一次比較測定点Q1を測定、比較した結果、ガイド
ブッシュ22の中心軸線22aと測定用スリーブ42の
中心軸線42aとの完全又は許容誤差範囲内の位置合わ
せが達成されていない場合は、それら一次基準測定点P
1及び一次比較測定点Q1の比較結果に基づいてさらに
位置ずれ補正作業を実施すればよい。この場合、一次基
準測定点P1及び一次比較測定点Q1を再び測定、比較
する代わりに、各基準軸54、56上で各一次測定点P
1、Q1から周方向へ所望距離だけ離れた他のn次基準
測定点Pn及びn次比較測定点Qnを測定、比較するこ
ともできる。こうして、複数回ないし複数箇所の位置ず
れ測定及び補正作業を行うことにより、ガイドブッシュ
22の中心軸線22aと測定用スリーブ42の中心軸線
42aとの完全又は許容誤差範囲内の位置合わせを達成
することができる。
【0052】心出し用測定装置10によれば、前述した
一次比較測定点Q1の測定後に、さらに測定器58の環
状基部60を第2基準軸56の中心軸線方向に摺動させ
て、測定表示部64の測定子90の先端90aを、一次
基準測定点P1及び一次比較測定点Q1に対し第2基準
軸56の中心軸線方向へ実質的に整列する第1基準軸5
4の外周面上の他の所望部位(補助比較測定点)に当接
し、その状態で表示盤92に表示される数値を読み取る
ことにより、第2基準軸56に対する第1基準軸54の
傾斜を測定することもできる。このような補助比較測定
点を、前述した手順に従って第1基準軸54の外周面上
で周方向へ異なる複数箇所で測定すれば、第1基準軸5
4の中心軸線の傾斜度及び傾斜方向が判明するので、そ
のような傾斜を補正することにより、ガイドブッシュ2
2と測定用スリーブ42との同軸性に優れた心出しを高
い信頼性の下に達成することが可能となる。
【0053】上記した位置ずれ補正の完了後、測定用ス
リーブ42を、実際の棒材加工時に使用する背面主軸1
4用のチャックに交換する。このとき、測定用スリーブ
42の外形が背面主軸14用のチャックの外形と実質的
に同一であるので、取付誤差を可及的に低減することが
できる。このようにして、ガイドブッシュ装置12と背
面主軸14との完全又は許容誤差範囲内の心出しが達成
される。
【0054】以上、説明したように、心出し用測定装置
10及びそれを用いた心出し方法によれば、第1及び第
2基準軸54、56の相対的位置ずれの測定段階におい
て、測定器58の測定表示部64は、旋盤機台上で水平
姿勢に支持された第2基準軸56の中心軸線方向へ移動
して、この中心軸線方向へ実質的に整列する2点ないし
複数点の位置を比較測定するのであるから、測定点の周
方向位置に応じて、測定表示部64の測定子90に加わ
る重力の影響により測定値が変動したとしても、中心軸
線方向へ実質的に整列するそれら測定点の測定値を比較
する段階でその変動量は相殺され、その結果、正確な位
置ずれ量が求められることになる。つまり、比較測定の
対象となる2点ないし複数点を測定する間に、重力に関
して測定器58の姿勢が変わらないので、比較測定結果
から重力の影響を排除できるのである。
【0055】また、第1及び第2基準軸54、56の中
心軸線に沿った測定器58の移動により第1及び第2基
準軸54、56上の所望部位の測定を行う方式であるか
ら、周辺機器との干渉を回避しつつ、狭い作業空間でも
容易に測定を実施できる。しかも、ガイドブッシュ装置
12をコラム18に取付けたままの状態で、ガイドブッ
シュ装置12と背面主軸14との中心軸線同士の位置ず
れつまり同軸度を正確に測定できるので、ガイドブッシ
ュ装置12の着脱に伴う労力の問題を排除できるだけで
なく、実際の旋削加工時と同一の機械構成で測定された
位置ずれ量に基づいた信頼性の高い心出しを行うことが
でき、その結果、超精密級の精度が要求される旋削加工
を実施することが可能となる
【0056】本発明に係る心出し用測定装置及びそれを
用いた心出し方法は、上記実施形態に限定されず、以下
のような様々な変形が可能である。例えば、上記実施形
態では、第2基準軸56上の一次基準測定点P1と第1
基準軸54上の一次比較測定点Q1とを測定、比較し
て、ガイドブッシュ22の中心軸線22aと測定用スリ
ーブ42の中心軸線42aとの1方向への位置ずれ量を
特定した後に、ガイドブッシュ装置12を移動してこの
1方向への位置ずれ量を補正し、さらに二次基準測定点
P1と二次比較測定点Q2とを測定、比較して他方向へ
の位置ずれ量を特定した後に、再度ガイドブッシュ装置
12を移動してこの他方向への位置ずれ量を補正する構
成としたが、本発明の心出し方法はこのような手順に限
定されるものではない。つまり、一次基準測定点P1と
一次比較測定点Q1とを測定、比較した後に、続けて二
次基準測定点P2と二次比較測定点Q2とを測定、比較
して、ガイドブッシュ22の中心軸線22aと測定用ス
リーブ42の中心軸線42aとの2方向への位置ずれ量
を先に特定し、その後にそれら2方向への位置ずれ量を
まとめて補正するようにしてもよい。
【0057】また、図8及び図9に示すように、ガイド
ブッシュ22に装着した第1基準軸54に測定器58を
取付けて、上記した第1及び第2基準軸54、56の実
際位置の比較測定を行う構成としてもよい。なお図示の
変形実施形態では、測定器58のリンク部62の各アー
ム66、68、70、72は、図1及び図2の実施形態
における配置に対し、第1アーム66に関して線対称の
配置を有するように組立てられている。
【0058】図8及び図9に示す実施形態における位置
ずれ測定手順は、図1及び図2に関連して説明した位置
ずれ測定手順と対比して、各次基準測定点及び各次比較
測定点をそれぞれ第1及び第2基準軸54、56上に選
定した点では異なるが、基本的には同様の手順となる。
すなわち、まず測定器58を取付けた第1基準軸54上
に一次基準測定点を選定して、表示盤92のゼロ設定を
行い(図8)、続いて、測定器58の環状基部60を第
1基準軸54の中心軸線方向(図9の矢印A方向)に摺
動させて、一次基準測定点に対し第1基準軸54の中心
軸線方向へ実質的に整列する第2基準軸56の外周面上
の一次比較測定点(及び必要であれば補助比較測定点)
で、表示盤92の表示数値を読み取る(図9)。
【0059】このようにして、第1基準軸54及び第2
基準軸56の相対的位置ずれを特定し、図1及び図2の
実施形態と同様にして、同位置ずれを1方向に関して補
正する。次に、環状基部60を第1基準軸54上で図8
の矢印B方向へ摺動させるとともに、環状基部60を第
1基準軸54上で中心軸線に関し回転方向へも摺動させ
て、一次基準測定点から中心角で約90°だけ離れた二
次基準測定点で再度ゼロ設定を行う。続いて、一次比較
測定点の測定と同様にして、二次基準測定点に対し第1
基準軸54の中心軸線方向へ実質的に整列する第2基準
軸56の外周面上の二次比較測定点(及び必要であれば
補助比較測定点)で、再度、表示盤92の表示数値を読
み取る。
【0060】二次比較測定点において、二次基準測定点
に対する位置ずれが測定された場合には、図1及び図2
の実施形態と同様にして、第1基準軸54及び第2基準
軸56の相対的位置ずれを、他方向に関して補正する。
このようにして、両基準軸54、56の相対的位置ずれ
が、異なる2方向に関して補正され、ガイドブッシュ装
置12のガイドブッシュ22と背面主軸14に装備され
た測定用スリーブ42とが実質的に心出しされる。
【0061】なお、上記各実施形態に関連して説明した
ように、本発明に係る心出し用測定装置及び心出し方法
では、第1及び第2基準軸のうちの測定器を取付けた方
の基準軸に基準測定点を設定し(つまりゼロ設定を行
い)、測定器を取付けていない他方の基準軸に比較測定
点を設定する構成が基本となる。しかし本発明は、比較
測定法に基づくものであるから、上記基本構成の反対
に、測定器を取付けていない方の基準軸に基準測定点を
設定し、測定器を取付けてた方の基準軸に比較測定点を
設定することもできる。これは、以下に説明する種々の
実施形態においても同様である。
【0062】ところで、上記説明から理解されるよう
に、本発明の一実施形態に係る心出し方法では、ガイド
ブッシュ22に装着された第1基準軸54の中心軸線が
ガイドブッシュ22の中心軸線22aに合致するととも
に、測定用スリーブ42に装着された第2基準軸56の
中心軸線が測定用スリーブ42の中心軸線42aに合致
することが前提条件となっている。しかしガイドブッシ
ュ22は本来、前述したように回転主軸16に掴持され
た棒材を加工作業位置近傍で回転自在に支持するための
ものであり、したがって軸線方向前端のすり割り部24
における棒材支持面20aは、第1基準軸54をがたつ
かないように支持できるものの、第1基準軸54の中心
軸線をガイドブッシュ22の中心軸線22aに合致させ
るように支持することが一般に困難である。そこで上記
各実施形態では、回転主軸16をZ軸方向前進位置に配
置してチャック44により第1基準軸54を掴持し、チ
ャック44の棒材掴持面46とガイドブッシュ22の棒
材支持面20aとの協働により、第1基準軸54の中心
軸線をガイドブッシュ22の中心軸線22aに合致させ
る構成としている。
【0063】この場合、背面主軸14に装備された測定
用スリーブ42と同様に、ガイドブッシュ装置12のガ
イドブッシュ22を、それ自体で第1基準軸54を同心
状態に安定的に保持可能な他の部材に交換することによ
り、回転主軸16のチャック44を使用せずに上記した
位置ずれ測定を実施することが可能となる。図10及び
図11は、そのような他の部材としての測定用ガイドブ
ッシュ102を採用した本発明の他の実施形態による心
出し用測定装置100を示す。
【0064】他方、背面主軸14に装備された測定用ス
リーブ42は、それ自体で第2基準軸56を同心状態に
安定的に保持できるものの、上記した心出し作業の終了
後に、測定用スリーブ42を実際の棒材加工時に使用さ
れるチャックと交換する必要がある。この交換作業の手
間を排除することを考慮すれば、測定用スリーブ42を
使用せずに、背面主軸14のチャックにより第2基準軸
56を掴持して、上記した位置ずれ測定を実施すること
もできる。図10及び図11の実施形態による心出し用
測定装置100では、測定用スリーブ42を使用せず
に、背面主軸14に本来的に装備されたスリーブ状要素
としてのチャック104に直接に第2基準軸56を装着
している。
【0065】したがって、心出し用測定装置100は、
ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュと交換してガ
イドブッシュ装置12に装備される測定用ガイドブッシ
ュ102と、測定用ガイドブッシュ102に同心に装着
される円筒状の第1基準軸54と、背面主軸14のチャ
ック104に同心に装着され、第1基準軸54と同一の
外径寸法を有する円筒状の第2基準軸56と、ガイドブ
ッシュ装置12と背面主軸14とを、心出しすべき所定
の相互対向位置に配置した状態で、測定用ガイドブッシ
ュ102に装着された第1基準軸54及びチャック10
4に装着された第2基準軸56のいずれか一方に摺動可
能に取着される測定器58とを備えて構成される。
【0066】第1及び第2基準軸54、56並びに測定
器58は、前述した各実施形態における第1及び第2基
準軸54、56並びに測定器58と同一の構成を有する
ので、説明を省略する。第1基準軸54を受容支持する
測定用ガイドブッシュ102は、図1に示すガイドブッ
シュ22と略同様の外形を有する。つまり測定用ガイド
ブッシュ102は、中心軸線102aを有し、その外周
面の軸線方向前端(図で左端)領域には、ガイドブッシ
ュ22のテーパ面26と同一の輪郭を有したテーパ面1
06が形成される。したがってガイドブッシュ装置12
のスリーブ部材28は、その内周面に、ガイドブッシュ
22に代えて測定用ガイドブッシュ102を密接して受
容することができる。このとき、測定用ガイドブッシュ
102の中心軸線102aは、ガイドブッシュ22の中
心軸線22a(図1)と実質的に一致する。
【0067】さらに詳述すれば、測定用ガイドブッシュ
102は、図12(a)に示すように、高度な円筒度及
び断面真円度を有する段付き円筒状の内周面を備えた中
空筒状部材であり、その内周面の軸線方向前端及び後端
領域に形成された小径部分が、第1基準軸54を同心状
態に安定的に保持可能な支持内周面102bを構成す
る。さらに図12(b)に示すように、測定用ガイドブ
ッシュ102の軸線方向前端領域は、ガイドブッシュ2
2におけるすり割り部24のようなスリットを有さず、
一体的な円筒構造となっている。その結果、回転主軸1
6のチャック44の補助が無くても、測定用ガイドブッ
シュ102は、第1基準軸54をその中心軸線が測定用
ガイドブッシュ102の中心軸線102aに合致するよ
うに、安定的に支持することができる。なお、測定用ガ
イドブッシュ102の外周面の軸線方向後端(図で右
端)領域には、ガイドブッシュ装置12の調節ナット3
6が螺合するねじ部108が形成され、調節ナット36
を締付けることにより、測定用ガイドブッシュ102を
スリーブ部材28に対し固定的に保持できるようになっ
ている。
【0068】背面主軸14のチャック104は、中心軸
線104aを有するスリーブ状要素であり、旋盤機台上
でガイドブッシュ装置12に対向配置された状態で、ガ
イドブッシュ装置12から放出された棒材を受け取って
掴持する。またチャック104は、回転主軸16のチャ
ック44と同様に、先端にすり割り部を有したいわゆる
コレットチャックであり、すり割り部に径方向内方への
外力が加わることにより、先端の略円筒状の棒材掴持面
110が縮径してチャック104が閉じ、棒材を固定的
に掴持するようになっている。すり割り部への径方向外
力が解除されると、すり割り部が復元して棒材掴持面1
10が拡径し、チャック104が開いて棒材を解放す
る。チャック104のすり割り部外周には、径方向内方
への外力を受けるためのテーパ面112が設けられる。
【0069】背面主軸14にはさらに、中空筒状の押圧
部材114が軸方向へ移動可能に収容される。押圧部材
114はその前端(図で右端)領域にチャック104を
収容し、チャック104のテーパ面112に当接可能な
対応テーパ面116を前端に備える。図示しないチャッ
ク駆動源により、押圧部材114を軸線方向前方(図で
右方)へ移動することによって、対応テーパ面116が
チャック104のテーパ面112に当接され、テーパ面
112を介してチャック104のすり割り部に径方向内
方への押圧力が加わり、チャック104が閉じられる。
この状態で、チャック104が棒材を強固に掴持する。
その状態から、押圧部材114を軸線方向後方(図で左
方)へ移動すれば、対応テーパ面116がチャック10
4のテーパ面112から脱離して、チャック104が開
かれる。
【0070】上記構成を有する測定用ガイドブッシュ1
02及び背面主軸14のチャック104に、それぞれ第
1基準軸54及び第2基準軸56を同心に装着する。そ
して、ガイドブッシュ装置12と背面主軸14とを、心
出しすべき所定の相互対向位置に配置した状態で、測定
用ガイドブッシュ102に装着された第1基準軸54及
びチャック104に装着された第2基準軸56のいずれ
か一方に測定器58を取着する。図示実施形態では、測
定器58は、ガイドブッシュ装置12側の測定用ガイド
ブッシュ102に装着された第1基準軸54に取着され
ている。
【0071】測定器58による第1基準軸54と第2基
準軸56との相対的位置ずれの測定手順は、図8及び図
9に示す実施形態と同様であるので、説明を省略する。
このような構成によっても、ガイドブッシュ装置12に
装備した測定用ガイドブッシュ102の中心軸線102
aと背面主軸14のチャック104の中心軸線104a
との相対的位置ずれを、図8及び図9に示す実施形態と
同様にして可及的正確に補正することができる。補正完
了後、測定用ガイドブッシュ102を、実際の棒材加工
時に使用するガイドブッシュ22に交換する。このと
き、測定用ガイドブッシュ102の外形がガイドブッシ
ュ22の外形と実質的に同一であるので、ガイドブッシ
ュ22をガイドブッシュ装置12に取付ける際に生じ得
る取付誤差を可及的に低減することができる。このよう
にして、ガイドブッシュ装置12と背面主軸14との完
全又は許容誤差範囲内の心出しが達成される。
【0072】図13及び図14は、ガイドブッシュ装置
12の心出し対象である他の加工機能装置が、ガイドブ
ッシュ装置12に支持された棒材を加工する工具を装着
可能な工具ホルダ120からなる場合の、本発明のさら
に他の実施形態による自動旋盤の心出し用測定装置12
2を示す。工具ホルダ120は、円筒状の支持面124
aによって画成される工具取付穴124を有したスリー
ブ状部分126を備え、旋盤機台(図示せず)上に移動
可能に設置される。工具ホルダ120は、工具取付穴1
24に例えばドリル等の穴明け工具(図示せず)を装着
してガイドブッシュ装置12に対向配置され、その状態
で穴明け工具が、ガイドブッシュ22に支持されて回転
する棒材にその中心軸線に沿った穴を穿設する。
【0073】このとき、ガイドブッシュ装置12に対し
て工具ホルダ120が正確に心出しされていないと、回
転する棒材の中心に所望径の穴を真っ直ぐに穿設するこ
とが困難になる危惧がある。そこで、本発明に係る心出
し用測定装置122を用いて、ガイドブッシュ装置12
のガイドブッシュ22の中心軸線22aと工具ホルダ1
20のスリーブ状部分126の中心軸線126aとの相
対的位置ずれを測定すれば、その測定値に基づき正確な
心出しを行うことができる。
【0074】心出し用測定装置122は、ガイドブッシ
ュ装置12のガイドブッシュ22に同心に装着される円
筒状の第1基準軸54と、工具ホルダ120のスリーブ
状部分126に同心に装着される円筒状の第2基準軸1
28と、ガイドブッシュ装置12と工具ホルダ120と
を、心出しすべき所定の相互対向位置に配置した状態
で、ガイドブッシュ22に装着された第1基準軸54及
びスリーブ状部分126に装着された第2基準軸128
のいずれか一方に摺動可能に取着される測定器58とを
備えて構成される。
【0075】第1基準軸54及び測定器58は、前述し
た各実施形態における第1基準軸54及び測定器58と
同一の構成を有するので、説明を省略する。第2基準軸
128は、高度な円筒度及び断面真円度を有する硬質材
料からなる段付き円筒状の部材であり、図15(a)に
示すように、大径の固定部分128aと、固定部分12
8aと略同一径(又は僅かに小径)で固定部分128a
の軸線方向一端面から同心に延長される主基準部分12
8bと、固定部分128a及び主基準部分128bより
も小径で固定部分128aの軸線方向他端面から同心に
延長される副基準部分128cとを一体に備える。第2
基準軸128の主基準部分128bは、第1基準軸54
の主基準部分54aと同一の外径寸法を有し、第2基準
軸128の副基準部分128cは第1基準軸54の副基
準部分54bと同一の外径寸法を有する。
【0076】第2基準軸128は、その固定部分128
aで工具ホルダ120のスリーブ状部分126に装着さ
れる。そして、スリーブ状部分126の壁を径方向へ貫
通するボルト130を固定部分128aに対して締付け
ることにより、固定部分128aの外周面とスリーブ状
部分126の工具取付穴124の支持面124aとが密
接して、第2基準軸128が工具ホルダ120に固定さ
れる。この状態で、第2基準軸128の中心軸線がスリ
ーブ状部分126の中心軸線126aに合致され、第2
基準軸128が同心状態に安定的に保持される。第2基
準軸128の固定部分128aは、実際の工具に装備さ
れた固定部分と略同一の外形を有する。また、第2基準
軸128の固定部分128aの外周面には、ボルト13
0に係合する係合部132が形成される。なお、以下の
説明では、第1及び第2基準軸54、128の主基準部
分54a、128bを、特に断りの無い限り代表的に第
1及び第2基準軸54、128と称する。
【0077】上記構成を有する心出し用測定装置122
を用いた心出し方法では、まず、ガイドブッシュ装置1
2と工具ホルダ120とを、心出しすべき所定の相互対
向位置に配置した状態で、ガイドブッシュ22に装着さ
れた第1基準軸54及びスリーブ状部分126に装着さ
れた第2基準軸128のいずれか一方に測定器58を取
着する。図示実施形態では、測定器58は、ガイドブッ
シュ装置12のガイドブッシュ22に装着された第1基
準軸54に取着されている。ここで、第1基準軸54は
回転主軸16のチャック44に掴持され、また第1基準
軸54及び第2基準軸128は、旋盤機台上で水平姿勢
に支持されている。
【0078】測定器58による第1基準軸54と第2基
準軸128との相対的位置ずれの測定手順は、図8及び
図9に示す実施形態と同様であるので、説明を省略す
る。このような構成によれば、ガイドブッシュ装置12
のガイドブッシュ22の中心軸線22aと工具ホルダ1
20のスリーブ状部分126の中心軸線126aとの相
対的位置ずれを、図8及び図9に示す実施形態と同様に
して可及的正確に補正することができる。補正完了後、
スリーブ状部分126に実際の工具を装着するが、この
とき第2基準軸128の固定部分128aの外形が実際
の工具の固定部分の外形と略同一であるので、スリーブ
状部分126に工具を装着する際に生じ得るスリーブ状
部分126の中心軸線126aと工具軸線との位置ずれ
を可及的に低減することができる。このようにして、ガ
イドブッシュ装置12と工具ホルダ120との完全又は
許容誤差範囲内の心出しが達成される。
【0079】図13及び図14に示す実施形態におい
て、ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ22を、
前述した測定用ガイドブッシュ102に交換して、上記
した位置ずれ測定を実施することもできる。図16及び
図17は、測定用ガイドブッシュ102を採用した本発
明のさらに他の実施形態による心出し用測定装置140
を示す。
【0080】心出し用測定装置140は、ガイドブッシ
ュ装置12に装備した測定用ガイドブッシュ102に同
心に装着される円筒状の第1基準軸54と、工具ホルダ
120のスリーブ状部分126に同心に装着される円筒
状の第2基準軸142と、ガイドブッシュ装置12と工
具ホルダ120とを、心出しすべき所定の相互対向位置
に配置した状態で、測定用ガイドブッシュ102に装着
された第1基準軸54及びスリーブ状部分126に装着
された第2基準軸142のいずれか一方に摺動可能に取
着される測定器58とを備えて構成される。
【0081】第1基準軸54、測定器58及び測定用ガ
イドブッシュ102は、前述した各実施形態における第
1基準軸54、測定器58及び測定用ガイドブッシュ1
02と同一の構成を有するので、説明を省略する。第2
基準軸142は、高度な円筒度及び断面真円度を有する
硬質材料からなる段付き円筒状の部材であり、図15
(b)に示すように、大径の固定部分142aと、固定
部分142aと同一径で固定部分142aの軸線方向一
端面から同心に延長される主基準部分142bと、固定
部分142a及び主基準部分142bよりも小径で固定
部分142aの軸線方向他端面から同心に延長される副
基準部分142cとを一体に備える。第2基準軸142
の固定部分142a及び主基準部分142bは、第1基
準軸54の主基準部分54aと同一の外径寸法を有し、
第2基準軸142の副基準部分142cは第1基準軸5
4の副基準部分54bと同一の外径寸法を有する。
【0082】第2基準軸142は、その固定部分142
aで工具ホルダ120のスリーブ状部分126に装着さ
れ、前述した実施形態における第2基準軸128と同様
にして、第2基準軸142が工具ホルダ120に同心状
態に安定的に固定、保持される。第2基準軸142の固
定部分142aは、実際の工具に装備された固定部分と
略同一の外形を有する。また、第2基準軸142の固定
部分142aの外周面には、ボルト130に係合する係
合部144が形成される。なお、以下の説明では、第1
及び第2基準軸54、142の主基準部分54a、14
2bを、特に断りの無い限り代表的に第1及び第2基準
軸54、142と称する。
【0083】上記構成を有する心出し用測定装置140
を用いた心出し方法では、まず、ガイドブッシュ装置1
2と工具ホルダ120とを、心出しすべき所定の相互対
向位置に配置した状態で、測定用ガイドブッシュ102
に装着された第1基準軸54及びスリーブ状部分126
に装着された第2基準軸142のいずれか一方に測定器
58を取着する。図示実施形態では、測定器58は、工
具ホルダ120のスリーブ状部分126に装着された第
2基準軸142に取着されている。また、第1基準軸5
4及び第2基準軸142は、旋盤機台上で水平姿勢に支
持されている。
【0084】測定器58による第1基準軸54と第2基
準軸142との相対的位置ずれの測定手順は、図1及び
図2に示す実施形態と同様であるので、説明を省略す
る。このような構成によれば、ガイドブッシュ装置12
に装備した測定用ガイドブッシュ102の中心軸線10
2aと工具ホルダ120のスリーブ状部分126の中心
軸線126aとの相対的位置ずれを、図1及び図2に示
す実施形態と同様にして可及的正確に補正することがで
きる。
【0085】補正完了後、測定用ガイドブッシュ102
を、実際の棒材加工時に使用するガイドブッシュ22に
交換するが、このとき、測定用ガイドブッシュ102の
外形がガイドブッシュ22の外形と実質的に同一である
ので、ガイドブッシュ22をガイドブッシュ装置12に
取付ける際に生じ得る取付誤差を可及的に低減すること
ができる。同様に補正完了後、スリーブ状部分126に
実際の工具を装着するが、このとき第2基準軸142の
固定部分142aの外形が実際の工具の固定部分の外形
と略同一であるので、スリーブ状部分126に工具を装
着する際に生じ得るスリーブ状部分126の中心軸線1
26aと工具軸線との位置ずれを可及的に低減すること
ができる。このようにして、ガイドブッシュ装置12と
工具ホルダ120との完全又は許容誤差範囲内の心出し
が達成される。
【0086】図18及び図19は、ガイドブッシュ装置
12の心出し対象である工具ホルダ120に、実際の穴
明け工具として工具チャック部材150を装着した場合
の、本発明のさらに他の実施形態による自動旋盤の心出
し用測定装置152を示す。工具チャック部材150
は、工具ホルダ120のスリーブ状部分126の工具取
付穴124に固定される略円筒状の固定部分154と、
ドリル等の穴明け用の刃物(図示せず)を掴持する工具
チャック156とを備える。工具チャック部材150の
固定部分154は、前述した第2基準軸128の固定部
分128aに相当する。
【0087】心出し用測定装置152は、ガイドブッシ
ュ装置12のガイドブッシュ22に同心に装着される円
筒状の第1基準軸54と、工具ホルダ120のスリーブ
状部分126に同心に装着した工具チャック部材150
に掴持される円筒状の第2基準軸158と、ガイドブッ
シュ装置12と工具ホルダ120とを、心出しすべき所
定の相互対向位置に配置した状態で、ガイドブッシュ2
2に装着された第1基準軸54に摺動可能に取着される
測定器58とを備えて構成される。
【0088】第1基準軸54及び測定器58は、前述し
た各実施形態における第1基準軸54及び測定器58と
同一の構成を有するので、説明を省略する。第2基準軸
158は、高度な円筒度及び断面真円度を有する硬質材
料からなるピンゲージであり、第1基準軸54の副基準
部分54bと同一の外径寸法を有する。工具チャック部
材150が第2基準軸158を掴持すると、第2基準軸
128の中心軸線は、ドリル等の穴明け用の刃物の中心
軸線に一致するとともに、スリーブ状部分126の中心
軸線126aに合致される。
【0089】上記構成を有する心出し用測定装置152
を用いた心出し方法では、まず、ガイドブッシュ装置1
2と工具ホルダ120とを、心出しすべき所定の相互対
向位置に配置した状態で、ガイドブッシュ22に装着さ
れた第1基準軸54の主基準部分54aに測定器58を
取着する。このとき、第1基準軸54は回転主軸16の
チャック44に掴持され、第1基準軸54及び第2基準
軸158は、旋盤機台上で水平姿勢に支持されている。
【0090】測定器58による第1基準軸54と第2基
準軸158との相対的位置ずれの測定手順は、図8及び
図9に示す実施形態と同様であるので、説明を省略す
る。ただし、測定対象は比較的小径の第2基準軸158
と第1基準軸54の副基準部分54bとである。このよ
うな構成によれば、ガイドブッシュ装置12のガイドブ
ッシュ22の中心軸線22aと工具ホルダ120のスリ
ーブ状部分126の中心軸線126aとの相対的位置ず
れを、図8及び図9に示す実施形態と同様にして可及的
正確に補正することができる。この場合、補正完了後
に、工具チャック部材150を工具ホルダ120から脱
離する必要がなく、第2基準軸158をドリル等の刃物
に交換するだけでよいので、位置ずれ補正後の取付誤差
は生じない。このようにして、ガイドブッシュ装置12
と工具ホルダ120との完全又は許容誤差範囲内の心出
しが達成される。
【0091】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、自動旋盤におけるガイドブッシュ装置と他の
加工機能装置との心出し作業に使用できる測定装置であ
って、重力の影響による測定誤差を可及的に排除でき、
また狭い作業空間でも容易に測定を実施でき、しかもガ
イドブッシュ装置の着脱や心出し用の治具への交換に伴
う労力を排除して、同軸性が要求される心出し作業を高
い信頼性の下に実施できるようにする心出し用測定装置
が提供される。さらに本発明によれば、そのような測定
装置を用いて、自動旋盤におけるガイドブッシュ装置と
他の加工機能装置との心出し作業を短時間で容易かつ正
確に実施できる心出し方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による心出し用測定装置
を、心出しすべきガイドブッシュ装置及び背面主軸とと
もに示す部分断面正面図であって、位置ずれ測定段階に
おける基準測定点の測定時の状態を示す。
【図2】図1に示す心出し用測定装置を、位置ずれ測定
段階における比較測定点の測定時の状態で示す部分断面
正面図である。
【図3】図1の心出し用測定装置の基準軸の正面図であ
る。
【図4】図1の心出し用測定装置の測定用スリーブの断
面正面図である。
【図5】図1の心出し用測定装置の測定器の図で、
(a)部分断面側面図、及び(b)矢印Vから見た背面
図、である。
【図6】図1の心出し用測定装置の測定器の図で、
(a)正面図、及び(b)矢印VIから見た底面図、であ
る。
【図7】(a)〜(d)は、いずれも図1の心出し用測
定装置による第1及び第2基準軸の位置ずれ測定段階の
説明図である。
【図8】図1に示す心出し用測定装置による異なる測定
方法を示す部分断面正面図で、位置ずれ測定段階におけ
る基準測定点の測定時の状態を示す。
【図9】図8に示す心出し用測定装置を、位置ずれ測定
段階における比較測定点の測定時の状態で示す部分断面
正面図である。
【図10】本発明の他の実施形態による心出し用測定装
置を、心出しすべきガイドブッシュ装置及び背面主軸と
ともに示す部分断面正面図であって、位置ずれ測定段階
における基準測定点の測定時の状態を示す。
【図11】図10に示す心出し用測定装置を、位置ずれ
測定段階における比較測定点の測定時の状態で示す部分
断面正面図である。
【図12】図10の心出し用測定装置の測定用ガイドブ
ッシュの図で、(a)断面正面図、及び(b)側面図、
である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態による心出し用
測定装置を、心出しすべきガイドブッシュ装置及び工具
ホルダとともに示す部分断面正面図であって、位置ずれ
測定段階における基準測定点の測定時の状態を示す。
【図14】図13に示す心出し用測定装置を、位置ずれ
測定段階における比較測定点の測定時の状態で示す部分
断面正面図である。
【図15】(a)図13の心出し用測定装置の第2基準
軸の正面図、及び(b)図16の心出し用測定装置の第
2基準軸の正面図、である。
【図16】本発明のさらに他の実施形態による心出し用
測定装置を、心出しすべきガイドブッシュ装置及び工具
ホルダとともに示す部分断面正面図であって、位置ずれ
測定段階における基準測定点の測定時の状態を示す。
【図17】図16に示す心出し用測定装置を、位置ずれ
測定段階における比較測定点の測定時の状態で示す部分
断面正面図である。
【図18】本発明のさらに他の実施形態による心出し用
測定装置を、心出しすべきガイドブッシュ装置及び工具
ホルダとともに示す部分断面正面図であって、位置ずれ
測定段階における基準測定点の測定時の状態を示す。
【図19】図18に示す心出し用測定装置を、位置ずれ
測定段階における比較測定点の測定時の状態で示す部分
断面正面図である。
【符号の説明】
10、100、122、140、152…心出し用測定
装置 12…ガイドブッシュ装置 14…背面主軸 16…回転主軸 18…コラム 22…ガイドブッシュ 42…測定用スリーブ 44…チャック 54…第1基準軸 56、128、142、158…第2基準軸 58…測定器 60…環状基部 62…リンク部 64…測定表示部 90…測定子 102…測定用ガイドブッシュ 104…チャック 120…工具ホルダ 126…スリーブ状部分 150…工具チャック部材

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋盤機台上に設置される回転主軸と、該
    旋盤機台上に固定的に設置され、該回転主軸に掴持され
    た棒材を加工作業位置近傍で回転可能に支持するガイド
    ブッシュを備えたガイドブッシュ装置と、該旋盤機台上
    に設置され、該ガイドブッシュの中心軸線に合致される
    べき中心軸線を有するスリーブ状要素を備えて該ガイド
    ブッシュ装置に対向配置される他の加工機能装置とを具
    備した自動旋盤で、該ガイドブッシュの中心軸線と該ス
    リーブ状要素の中心軸線との位置ずれを測定する心出し
    用測定装置において、 前記ガイドブッシュ装置の前記ガイドブッシュに同心に
    装着される円筒状の第1基準軸と、 前記加工機能装置の前記スリーブ状要素に同心に装着さ
    れ、前記第1基準軸と同一の外径寸法を有する円筒状の
    第2基準軸と、 前記ガイドブッシュ装置と前記加工機能装置とを、心出
    しすべき所定の相互対向位置に配置した状態で、前記ガ
    イドブッシュに装着された前記第1基準軸及び前記スリ
    ーブ状要素に装着された前記第2基準軸のいずれか一方
    に摺動可能に取着され、それら第1及び第2基準軸の中
    心軸線方向へ実質的に整列する該第1基準軸の外周面上
    の所望部位と該第2基準軸の外周面上の所望部位との実
    際の位置を測定する測定器と、を具備したことを特徴と
    する自動旋盤の心出し用測定装置。
  2. 【請求項2】 前記中心軸線同士の位置ずれの測定時
    に、実際の棒材加工時に使用される前記ガイドブッシュ
    装置の前記ガイドブッシュと交換して該ガイドブッシュ
    装置に装備される測定用ガイドブッシュをさらに具備
    し、該測定用ガイドブッシュが、前記ガイドブッシュを
    構成するとともに、前記第1基準軸を同心状態に安定的
    に保持可能な支持内周面を有する請求項1に記載の自動
    旋盤の心出し用測定装置。
  3. 【請求項3】 前記加工機能装置が、前記旋盤機台上に
    移動可能に設置され、前記ガイドブッシュ装置に対向配
    置された状態で、該ガイドブッシュ装置から放出された
    棒材を掴持する背面主軸からなる請求項1又は2に記載
    の自動旋盤の心出し用測定装置。
  4. 【請求項4】 前記中心軸線同士の位置ずれの測定時
    に、実際の棒材加工時に使用される前記背面主軸のチャ
    ックと交換して該背面主軸に装備される測定用スリーブ
    をさらに具備し、該測定用スリーブが、前記スリーブ状
    要素を構成するとともに、前記第2基準軸を同心状態に
    安定的に保持可能な支持内周面を有する請求項3に記載
    の自動旋盤の心出し用測定装置。
  5. 【請求項5】 前記加工機能装置が、前記旋盤機台上に
    移動可能に設置され、前記ガイドブッシュ装置に対向配
    置された状態で、前記ガイドブッシュに支持された棒材
    を加工する工具を装着可能な工具ホルダからなる請求項
    1又は2に記載の自動旋盤の心出し用測定装置。
  6. 【請求項6】 前記測定器は、前記第1及び第2基準軸
    のいずれか一方の外周面上にがたつきを実質的に排除し
    て摺動可能に支持される環状基部と、該環状基部から延
    設されるリンク部と、該リンク部の先端に取着され、該
    第1及び第2基準軸の外周面に当接される測定子を有し
    た測定表示部とを具備して構成される請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載の自動旋盤の心出し測定用装置。
  7. 【請求項7】 前記リンク部が多関節リンクからなる請
    求項6に記載の自動旋盤の心出し用測定装置。
  8. 【請求項8】 旋盤機台上に設置される回転主軸と、該
    旋盤機台上に固定的に設置され、該回転主軸に掴持され
    た棒材を加工作業位置近傍で回転可能に支持するガイド
    ブッシュを有したガイドブッシュ装置と、該旋盤機台上
    に設置され、該ガイドブッシュの中心軸線に合致される
    べき中心軸線を有するスリーブ状要素を備えて該ガイド
    ブッシュ装置に対向配置される他の加工機能装置とを具
    備した自動旋盤で、該ガイドブッシュの中心軸線と該ス
    リーブ状要素の中心軸線との位置ずれを測定して補正す
    る心出し方法において、 請求項1に記載の心出し用測定装置を用意するステップ
    と、 前記ガイドブッシュ装置と前記加工機能装置とを、心出
    しすべき所定の相互対向位置に配置するステップと、 前記心出し用測定装置の前記第1基準軸を前記ガイドブ
    ッシュ装置の前記ガイドブッシュに同心に装着するステ
    ップと、 前記心出し用測定装置の前記第2基準軸を前記加工機能
    装置の前記スリーブ状要素に同心に装着するステップ
    と、 前記心出し用測定装置の前記測定器を、前記第1基準軸
    及び前記第2基準軸のいずれか一方に摺動可能に取着す
    るステップと、 前記測定器により、前記第1及び第2基準軸の中心軸線
    方向へ実質的に整列する該第1基準軸の外周面上の所望
    部位と該第2基準軸の外周面上の所望部位との実際の位
    置を測定するステップと、 測定された前記第1及び第2基準軸の前記所望部位の実
    際の位置を比較して、前記ガイドブッシュの中心軸線と
    前記スリーブ状要素の中心軸線との位置ずれを特定する
    ステップと、 特定された前記位置ずれを補正するステップと、を具備
    したことを特徴とする心出し方法。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2基準軸の外周面上で互
    いに周方向へ離れた複数組の前記所望部位に対し、前記
    実際位置測定ステップを順次実施する請求項8に記載の
    心出し方法。
  10. 【請求項10】 前記実際位置測定ステップは、前記第
    1基準軸の外周面上の一次測定点と、該一次測定点に対
    し前記中心軸線方向へ実質的に整列する前記第2基準軸
    の外周面上の一次測定点との実際の位置を測定した後
    に、該第1基準軸の外周面上の該一次測定点から周方向
    へ離れた該第1基準軸の外周面上の二次測定点と、該二
    次測定点に対し前記中心軸線方向へ実質的に整列する前
    記第2基準軸の外周面上の二次測定点との実際の位置を
    測定するように構成される請求項9に記載の心出し方
    法。
  11. 【請求項11】 前記実際位置測定ステップは、前記第
    1及び第2基準軸のうちの前記測定器を取着した一方の
    基準軸の外周面上の一次基準測定点と、該第1及び第2
    基準軸のうちの前記測定器を取着していない他方の基準
    軸の外周面上の、該一次基準測定点に対し前記中心軸線
    方向へ実質的に整列する少なくとも1つの一次比較測定
    点との実際の位置を測定した後に、該一方の基準軸の外
    周面上の該一次基準測定点から周方向へ離れた該一方の
    基準軸の外周面上の二次基準測定点と、該二次基準測定
    点に対し前記中心軸線方向へ実質的に整列する該他方の
    基準軸の外周面上の少なくとも1つの二次比較測定点と
    の実際の位置を測定するように構成される請求項9に記
    載の心出し方法。
  12. 【請求項12】 前記第1及び第2基準軸の外周面上の
    一組の前記一次測定点を測定した後に、前記位置ずれ特
    定ステップ及び前記位置ずれ補正ステップを実施し、次
    いで前記第1及び第2基準軸の外周面上の一組の前記二
    次測定点を測定した後に、再び前記位置ずれ特定ステッ
    プ及び前記位置ずれ補正ステップを実施する請求項10
    又は11に記載の心出し方法。
  13. 【請求項13】 前記第1及び第2基準軸のうちの前記
    測定器を取着した一方の基準軸の、前記外周面上の前記
    一次測定点と前記二次測定点とが、略90°の中心角だ
    け周方向へ互いに離れた位置にある請求項10〜12の
    いずれか1項に記載の心出し方法。
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