JP3979722B2 - 旋盤用補助ガイド装置及び補助ガイド装置を備えた自動旋盤 - Google Patents

旋盤用補助ガイド装置及び補助ガイド装置を備えた自動旋盤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転主軸に掴持された棒材を加工作業位置近傍で回転自在に支持するガイドブッシュ装置を備えた自動旋盤に関し、特に、ガイドブッシュ装置から送り出された棒材を回転自在に支持すべく自動旋盤に設置される旋盤用補助ガイド装置に関する。さらに本発明は、ガイドブッシュ装置と補助ガイド装置とを備えた自動旋盤に関する。
【0002】
【従来の技術】
NC旋盤等の、自動旋削加工を実施できる旋盤(本明細書では自動旋盤と称する)において、回転主軸に掴持された被加工素材としての棒材を、回転主軸先端の前方の、工具による加工作業位置近傍で回転自在に支持するガイドブッシュ装置を備えたものが知られている。ガイドブッシュ装置は、それ自体、自動旋盤の機台上の所定位置に固定的に設置され、旋削加工中の棒材をその被加工部位近傍で支持して、被加工部位に生じ得る回転による振れや撓みを抑制し、それにより、比較的細長い製品でも高い寸法精度に加工成形することを可能にする。この種のガイドブッシュ装置では、棒材外周面を支持する円筒状の支持内周面が、回転する棒材に対するすべり軸受面を構成する固定型ガイドブッシュを備えたものと、支持内周面が棒材外周面に実質的に接触した状態で棒材と共に回転する回転型ガイドブッシュを備えたものとが、適宜選択して使用されている。
【0003】
このようなガイドブッシュ装置を備えた自動旋盤は、一般に、回転主軸が棒材を掴持しつつ回転軸線方向(本明細書ではZ軸方向と称する)に直線的に移動できるように構成される。このような構成においては、旋削加工に際し、回転主軸はその先端のチャックから棒材を十分な長さに延出させた状態で回転し、ガイドブッシュ装置が棒材先端の被加工部位近傍を支持する。そして、回転主軸をZ軸移動させてガイドブッシュ装置から棒材を加工作業位置へ送り出すことにより、1つの製品に対する加工の進行に伴う工具と棒材とのZ軸方向相対移動を生じさせたり、1本の長尺の棒材から多数の製品を連続的に作製したりすることができる。
【0004】
ところで、一般に旋盤でドリル等の穴明け工具を用いて、棒材にその回転軸線に沿った穴を穿設する際には、穴明け工具の軸線と棒材の回転軸線とを合致させた状態で、棒材と穴明け工具とをそれらのいずれか一方又は双方を回転させつつZ軸方向へ相対移動させる。このとき、ガイドブッシュ装置を備えた従来の自動旋盤では、ガイドブッシュ装置の周辺にバイト等の他の工具や製品外径計測装置といった種々の機器を設置する機械構成上の制約から、それら周辺機器と穴明け工具とを干渉させずにガイドブッシュ装置に穴明け工具を接近させることが困難となる場合がある。そのような場合に、従来は、周辺機器との干渉が生じない位置まで穴明け工具をガイドブッシュ装置から離して配置し、回転主軸をZ軸移動させてガイドブッシュ装置から棒材を送り出しながら、ガイドブッシュ装置から離れた位置で穴明け加工を実施するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した穴明け加工作業において、穴の直進性を向上させるためには、穴明け工具の軸線と棒材の回転軸線とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持することが要求される。しかし、ガイドブッシュ装置を備えた従来の自動旋盤で、上記したように回転主軸をZ軸移動させてガイドブッシュ装置から棒材を送り出しながら、ガイドブッシュ装置から離れた位置で穴明け加工を実施する場合には、棒材自体が有している曲がり等に起因して、ガイドブッシュ装置から送り出される棒材の先端の被加工部分に振れが生じる場合がある。このような振れは、穿設される穴が深いほど、つまり穴明け加工中の棒材の送り出し量が多いほど顕著に生じ、それに伴う穴明け工具の軸線と棒材の回転軸線との相対的位置ずれの結果として、穴の直進性が低下したり、場合によっては穴明け工具が損傷を受けたりする課題があった。
【0006】
したがって本発明の目的は、ガイドブッシュ装置を備えた自動旋盤で使用される補助ガイド装置において、穴明け工具とガイドブッシュ装置周辺機器との干渉を生じることなく、しかも棒材自体の曲がり等の影響を排除して、ドリル等の穴明け工具を用いて棒材にその回転軸線に沿った穴を正確に穿設することを可能にするとともに、穴明け工具の破損事故を回避することができる旋盤用補助ガイド装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、そのような補助ガイド装置を備えた自動旋盤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、回転主軸に掴持された棒材を加工作業位置近傍で回転自在に支持するガイドブッシュ装置と、ガイドブッシュ装置に対向して配置でき、棒材にその回転軸線に沿った穴を穿設できる工具組立体とを備えた自動旋盤に設置される補助ガイド装置であって、ガイドブッシュ装置から工具組立体側へ送り出された棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置と、作用位置から離れた待機位置との間で移動でき、作用位置にあるときに棒材の延出部分を受容支持する略円筒状の支持面を備え、工具組立体による棒材穴明け加工中に、支持面により、棒材の回転軸線を工具組立体の工具軸線に実質的に合致した状態に保持することを特徴とする旋盤用補助ガイド装置を提供する。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の旋盤用補助ガイド装置において、作用位置において、回転主軸に掴持された棒材の軸線方向送り動作に伴って、この軸線方向へ直線的に移動できるように構成された旋盤用補助ガイド装置を提供する。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2に記載の旋盤用補助ガイド装置において、支持面が、穴明け加工中の棒材の回転動作に伴って回転できるように構成された旋盤用補助ガイド装置を提供する。
【0010】
請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の旋盤用補助ガイド装置において、支持面が超硬材料から形成される旋盤用補助ガイド装置を提供する。
【0011】
請求項5に記載の本発明は、回転主軸に掴持された棒材を加工作業位置近傍で回転自在に支持するガイドブッシュ装置と、ガイドブッシュ装置に対向して配置でき、棒材にその回転軸線に沿った穴を穿設できる工具組立体とを具備した自動旋盤において、ガイドブッシュ装置から工具組立体側へ送り出された棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置と、作用位置から離れた待機位置との間で移動可能な補助ガイド装置を具備し、補助ガイド装置は、作用位置にあるときに棒材の延出部分を受容支持する略円筒状の支持面を備え、工具組立体による棒材穴明け加工中に、支持面により、棒材の回転軸線を工具組立体の工具軸線に実質的に合致した状態に保持することを特徴とする自動旋盤を提供する。
【0012】
請求項6に記載の本発明は、請求項5に記載の自動旋盤において、補助ガイド装置は、作用位置において、回転主軸に掴持された棒材の軸線方向送り動作に伴って、軸線方向へ直線的に移動できるように構成された自動旋盤を提供する。
【0013】
請求項7に記載の本発明は、請求項5又は6に記載の自動旋盤において、補助ガイド装置の支持面が、穴明け加工中の棒材の回転動作に伴って回転できるように構成された自動旋盤を提供する。
【0014】
請求項8に記載の本発明は、請求項5〜7のいずれか1項に記載の自動旋盤において、補助ガイド装置の支持面が超硬材料から形成される自動旋盤を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明をその実施形態に基づき詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付す。
図面を参照すると、図1は、本発明の第1実施形態による旋盤用補助ガイド装置10を、自動旋盤の旋盤機台(図示せず)上に設置されたガイドブッシュ装置12と共に示し、図2は、同補助ガイド装置10を、自動旋盤の旋盤機台上にそれぞれ設置されたガイドブッシュ装置12、工具組立体14及び被加工素材としての棒材Wを掴持する回転主軸16と共に示す。
【0016】
補助ガイド装置10は、ガイドブッシュ装置12の近傍で旋盤機台上に設置され、ガイドブッシュ装置12から工具組立体14側へ送り出された棒材Wの延出部分を回転自在に支持する作用位置(図1及び図2に示す位置)と、作用位置から離れて、棒材Wに対する他の工具による加工作業や計測作業を妨害しない待機位置との間で移動できるようになっている。さらに詳しくは、補助ガイド装置10は、旋盤機台上の直交3軸座標系において、少なくとも支持対象の棒材Wの回転軸線に略直交するX軸方向へ、図示しない駆動装置により移動可能な担持部材18と、担持部材18に固定され、上記作用位置で棒材Wの延出部分を回転自在に支持するガイド部20とを備える。好ましくは補助ガイド装置10の担持部材18は、棒材Wの回転軸線に平行なZ2軸方向へも移動できるように構成される。
【0017】
補助ガイド装置10のガイド部20は、棒材Wを受容、包囲する段付き貫通孔22を有した断面略矩形の中空ブロック体からなり、例えばボルト24によって担持部材18に固定的に連結される。ガイド部20の貫通孔22の小径部分には、補助ガイド装置10が上記した作用位置にあるときに、棒材Wの延出部分を回転可能に支持する略円筒状の支持面26が形成される。支持面26は、工具組立体14による棒材Wの穴明け加工中に、棒材Wの回転に伴う振れを防止し、棒材Wの回転軸線を工具組立体14の工具軸線14a(後述する)に略平行に保持するように作用する。支持面26は、高速回転する棒材Wを接触支持できるように、好ましくは機械的強度に優れた超硬材料から形成される。
【0018】
ガイドブッシュ装置12は、回転主軸16の軸線方向前方(図で左方)で、旋盤機台上に立設されたコラム28に固定的に設置され、回転主軸16に掴持された棒材Wを工具(例えば穴明け工具)による加工作業位置近傍で回転自在に支持する。ガイドブッシュ装置12は、棒材Wを受容、包囲する段付き円筒状の内周面30を有した中空筒状のガイドブッシュ32を備える。ガイドブッシュ32は、中心軸線32aを有し、その軸線方向前端(図で左端)領域には、内周面30の小径部分である棒材支持面30aを有したすり割り部34が設けられる。ガイドブッシュ32は、すり割り部34に径方向内方へ加える外力を調節することによって、すり割り部34の棒材支持面30aの内径寸法を調節することができる。すり割り部34の外周面には、径方向内方への外力を受けるためのテーパ面36が設けられる。
【0019】
ガイドブッシュ32は、スリーブ部材38、軸受装置40及びフランジ部材42を介して、コラム28に対し回転可能に設置される。ガイドブッシュ32は、スリーブ部材38の軸線方向前端領域に軸方向へ摺動可能にかつ回転方向へ固定して収納される。スリーブ部材38の内周面前端には、ガイドブッシュ32のテーパ面36に当接可能な対応テーパ面44が形成される。スリーブ部材38の軸線方向後端領域には、ガイドブッシュ32に螺合するねじ部を有した調節ナット46が、軸線方向へ固定して回転可能に収納される。したがって、調節ナット46が回転すると、ガイドブッシュ32がスリーブ部材38内で軸線方向へ移動し、テーパ面36と対応テーパ面44との相互当接圧力に応じて、すり割り部34の棒材支持面30aの内径寸法が、支持対象の棒材Wの外形寸法に対応して調節される。
【0020】
スリーブ部材38は、軸受装置40によってフランジ部材42の中心穴42aに回転可能に支持される。スリーブ部材38の外周面の後端領域には、被動プーリ48が連結される。被動プーリ48は、図示しない動力伝達機構を介して図示しないガイドブッシュ駆動源に連結され、ガイドブッシュ駆動源により、回転主軸16の回転速度と同一の回転速度で回転駆動される。その結果、被動プーリ48、調節ナット46、スリーブ部材38及びガイドブッシュ32が、フランジ部材42に対し、回転主軸16の回転速度と同一の回転速度で一体的に回転する。旋削加工中の棒材Wは、同一速度で回転するガイドブッシュ32の棒材支持面30aに接触支持される。したがって一般に、旋削加工中の棒材Wの回転軸線は、ガイドブッシュ32の中心軸線32aによって規定される。フランジ部材42は、例えばボルト50によりコラム28に固定される。このように、ガイドブッシュ32、スリーブ部材38、軸受装置40、フランジ部材42、調節ナット46及び被動プーリ48は、予め組立てたガイドブッシュ装置12として、自動旋盤のコラム28の所定位置に着脱可能に取付けられる。
【0021】
工具組立体14は、工具保持部材52と、工具保持部材52に脱着可能に装着されるチャック部材54と、チャック部材54に掴持されるドリル等の穴明け工具56とから構成される。穴明け工具56は、工具軸線14aを有して工具保持部材52に固定的に設置される。また工具保持部材52は、例えば旋盤機台上に設置される刃物台(図示せず)として構成される。工具組立体14は、旋盤機台上の直交3軸座標系において、工具軸線14a及び前述したZ2軸に平行なZ3軸方向へ移動可能となっている。
【0022】
回転主軸16は、旋削加工すべき棒材Wを掴持して、図示しない主軸モータにより回転駆動されるとともに、旋盤機台上の直交3軸座標系においてそれ自体の回転軸線及び前述したZ2軸及びZ3軸に平行なZ1軸方向へ、図示しない送りモータによって移動するように構成される。回転主軸16の回転軸線は、ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ32の中心軸線32aに合致されている。
【0023】
回転主軸16は中空筒状の構造を有し、その前端領域に、棒材を掴持可能な開閉式のチャック58が収容される。チャック58は、先端にすり割り部を有したいわゆるコレットチャックであり、すり割り部に径方向内方への外力が加わることにより、先端の略円筒状の棒材掴持面60が縮径してチャック58が閉じ、棒材を固定的に掴持するようになっている。すり割り部への径方向外力が解除されると、すり割り部が復元して棒材掴持面60が拡径し、チャック58が開いて棒材を解放する。チャック58のすり割り部外周には、径方向内方への外力を受けるためのテーパ面62が設けられる。
【0024】
回転主軸16にはさらに、中空筒状の押圧部材64が軸方向へ移動可能に収容される。押圧部材64はその前端領域にチャック58を収容し、チャック58のテーパ面62に当接可能な対応テーパ面66を前端に備える。図示しないチャック駆動源により、押圧部材64を軸線方向前方へ移動することによって、対応テーパ面66がチャック58のテーパ面62に当接され、テーパ面62を介してチャック58のすり割り部に径方向内方への押圧力が加わり、チャック58が閉じられる。この状態で、チャック58が棒材を強固に掴持する。その状態から、押圧部材64を軸線方向後方へ移動すれば、対応テーパ面66がチャック58のテーパ面62から脱離して、チャック58が開かれる。
【0025】
上記構成を有する自動旋盤において、穴明け工具56により棒材Wにその回転軸線に沿った穴を穿設する際には、まず図2に示すように、旋盤機台上で工具組立体14を移動してガイドブッシュ装置12に対向配置し、工具組立体14の工具軸線14aとガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ32の中心軸線32aとを正確に合致させる。このとき穴明け工具56は、ガイドブッシュ32から軸線方向へ離れた位置に配置される。
【0026】
他方、補助ガイド装置10は、担持部材18のX軸方向移動により、ガイドブッシュ装置12に近接した図示の作用位置に置かれる。補助ガイド装置10は作用位置で、ガイド部20の貫通孔22における支持面26の中心軸線を、ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ32の中心軸線32aに正確に合致させている。このような工具組立体14及び補助ガイド装置10の位置決め動作は、例えば自動旋盤のNC装置の制御下で遂行される。
【0027】
この状態で、回転主軸16のチャック58に掴持した棒材Wを、回転主軸16のZ1軸方向送り動作により、ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ32に挿入し、ガイドブッシュ32の棒材支持面30aに支持させるとともに、ガイドブッシュ32から工具組立体14側へ所望長さだけ送り出す。ガイドブッシュ32から送り出された棒材Wの延出部分は、補助ガイド装置10のガイド部20の貫通孔22に円滑に挿入され、支持面26によって回転可能に支持される。棒材Wの延出部分の軸線方向端面が補助ガイド装置10のガイド部20の軸線方向端面から僅かに突出した位置で、回転主軸16の棒材送り動作を止める。その位置で、棒材Wの延出部分の軸線方向端面は、工具組立体14の穴明け工具56の先端に近接して配置される。このようにして、上記自動旋盤の各構成要素が図2に示す穴明け加工開始位置に置かれる。
【0028】
図2の穴明け加工開始位置から、回転主軸16を回転駆動するとともに、工具組立体14をガイドブッシュ装置12に接近するZ3軸方向へ連続的に移動させる。それにより穴明け工具56が、棒材Wにその回転軸線に沿った穴を穿設する。このとき、補助ガイド装置10がガイド部20の支持面26により棒材Wの延出部分を支持しているので、棒材Wの回転に伴う振れが抑制される。つまり、棒材Wの回転軸線がガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ32の中心軸線32aに一致し、かつ穴明け工具56の軸線(すなわち工具組立体14の工具軸線14a)と棒材Wの回転軸線とが正確に合致した状態が、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持される。これにより、高度な直進性を有する穴が棒材Wに正確に穿設される。
【0029】
棒材Wに所望深さの穴が穿設された位置で、工具組立体14の送り動作を止める。図3は、上記自動旋盤の各構成要素をそのような穴明け加工完了位置で示す。ここで、棒材Wに所望深さの穴を正確に穿設するためには、図3の穴明け加工完了位置においても、工具組立体14の工具保持部材52やチャック部材54が、ガイドブッシュ装置12の周辺に配置されたバイト等の他の工具や製品外径計測装置等の周辺機器と干渉しないことが肝要である。図示実施形態では、工具組立体14のZ3軸方向への送り距離は、穿設しようとする穴の深さに対応するので、穴明け加工完了位置でもそのような干渉が生じないように、穴明け加工開始時の工具組立体14のガイドブッシュ装置12に対する位置、及び棒材Wのガイドブッシュ装置12からの延出長さを設定すればよい。
【0030】
或いは、補助ガイド装置10の担持部材18がZ2軸方向へも移動できる構成を有する場合は、図2の穴明け加工開始位置から、回転主軸16を回転駆動するとともにZ1軸方向へ連続的に移動させて、棒材Wをガイドブッシュ装置12から送り出しながら穴明け加工を実施することが可能となる。この場合、工具組立体14は図2の穴明け加工開始位置に停止したままに置かれる。他方、補助ガイド装置10は、図2の穴明け加工開始位置から、回転主軸16のZ1軸送り動作に同期してかつ同一速度で、工具組立体14に接近するZ2軸方向へ連続的に移動させられる。それにより穴明け工具56が、棒材Wにその回転軸線に沿った穴を穿設する。この場合も補助ガイド装置10は、穴明け加工の開始から完了まで、ガイド部20の支持面26により棒材Wの延出部分の先端近傍を支持し続けて、棒材Wの回転に伴う振れを抑制する。その結果、棒材Wにその回転軸線に沿った高度な直進性を有する穴が正確に穿設される。
【0031】
棒材Wに所望深さの穴が穿設された位置で、回転主軸16のZ1軸送り動作を止め、同時に補助ガイド装置10のZ2軸移動を停止させる。図4は、上記自動旋盤の各構成要素をそのような穴明け加工完了位置で示す。このような作業手順によれば、棒材Wに穿設される穴の深さに関わらず、穴明け加工開始時の工具組立体14のガイドブッシュ装置12に対する位置のみを、ガイドブッシュ装置12の周辺機器との干渉が生じないように設定しておけばよいので、好都合である。或いはまた、回転主軸16のZ1軸送り及び補助ガイド装置10のZ2軸移動と同時に、工具組立体14をZ3軸移動させることもできる。この場合、棒材Wの加工時間を短縮することが可能となる。
【0032】
このように、本発明の第1実施形態に係る補助ガイド装置10は、ガイドブッシュ装置12から所望長さ送り出された棒材Wの延出部分に対し、穴明け工具56の軸線と棒材Wの回転軸線とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持することができる。それに伴い、工具組立体14による穴明け作業が、ガイドブッシュ装置12から離れた位置で実施できるようになる。したがって補助ガイド装置10によれば、穴明け工具56を有した工具組立体14とガイドブッシュ装置12の周辺機器との干渉を生じることなく、しかも棒材W自体の曲がり等の影響を排除して、ドリル等の穴明け工具56により棒材Wにその回転軸線に沿った穴を正確に穿設することが可能になるとともに、穴明け工具56の破損事故を回避することが可能となる。
【0033】
なお上記実施形態では、穴明け工程に際し、回転主軸16の回転により棒材Wのみが回転する構成を説明したが、工具保持部材52に回転駆動機構を装備してチャック部材54を回転できるようにし、穴明け工程に際して穴明け工具56を回転させる構成を採用することもできる。この場合、棒材Wを同時に回転させてもよいし、回転させなくてもよい。
【0034】
図5は、本発明の第2実施形態による補助ガイド装置70を示す。補助ガイド装置70は、第1実施形態による補助ガイド装置10のガイド部20とは異なる回転可能な支持面を有したガイド部72を備える。その他の構成については補助ガイド装置10と実質的に同一であるので、説明を省略する。
【0035】
補助ガイド装置70のガイド部72は、補助ガイド装置10に関連して説明したガイドブッシュ装置12に類似した構成を有する。すなわちガイド部72は、担持部材18に固定されるフレーム部分74と、軸受装置76及びスリーブ部材78を介してフレーム部分74に回転可能に担持されるブッシュ部材80とを備える。ブッシュ部材80は、ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ32と実質的同一の構造を有し、その軸線方向前端(図で左端)領域にすり割り部82が設けられるとともに、すり割り部82の内周面が棒材Wを回転可能に支持する支持面84を構成する。ブッシュ部材80は、すり割り部82に径方向内方へ加える外力を調節することによって、支持面84の内径寸法を調節することができる。すり割り部82の外周面には、径方向内方への外力を受けるためのテーパ面86が設けられる。
【0036】
ブッシュ部材80は、スリーブ部材78の軸線方向前端領域に軸方向へ摺動可能にかつ回転方向へ固定して収納される。スリーブ部材78の内周面前端には、ブッシュ部材80のテーパ面86に当接可能な対応テーパ面88が形成される。スリーブ部材78の軸線方向後端領域には、ブッシュ部材80の外周面後端に設けた雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有した調節ナット90が、軸方向へ固定して回転可能に収納される。したがって、調節ナット90が回転すると、ブッシュ部材80がスリーブ部材78内で軸方向へ移動し、テーパ面86と対応テーパ面88との相互当接圧力に応じて、支持面84の内径寸法が、支持対象の棒材Wの外形寸法に対応して調節される。スリーブ部材78は、軸受装置76によってフレーム部分74の中心穴74aに回転可能に支持され、それによりブッシュ部材80は、スリーブ部材78とともにフレーム部分74内で自在に回転できるようになっている。
【0037】
補助ガイド装置70が前述した作用位置にあるときに、ブッシュ部材80に形成された支持面84は、補助ガイド装置10における支持面26と同様に、ガイドブッシュ装置12から送り出された棒材Wの延出部分を接触支持する。支持面84は、工具組立体14(図2)による棒材Wの穴明け加工中に、それ自体が棒材Wに連れて回転しつつ棒材Wを支持し、棒材Wの回転に伴う振れを防止する。それにより補助ガイド装置70は、穴明け工具56(図1)の軸線と棒材Wの回転軸線とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持することができる。
【0038】
上記構成において、スリーブ部材78の外周面の後端領域に、被動プーリ92を連結することもできる。被動プーリ92は、図示しない動力伝達機構を介して図示しないブッシュ部材駆動源に連結され、回転主軸16(図1)の回転速度と同一の回転速度で回転駆動されるように構成できる。この場合、前述したガイドブッシュ装置12における回転構造と同様に、被動プーリ92、調節ナット90、スリーブ部材78及びブッシュ部材80が、フレーム部分74及び担持部材18に対し、回転主軸16の回転速度と同一の回転速度で一体的に回転するようになる。
【0039】
このように、本発明の第2実施形態に係る補助ガイド装置70は、ガイドブッシュ装置12から所望長さ送り出された棒材Wの延出部分に対し、穴明け工具56の軸線と棒材Wの回転軸線とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持することができる。それに伴い、工具組立体14による穴明け作業が、ガイドブッシュ装置12から離れた位置で実施できるようになる。したがって補助ガイド装置70によっても、穴明け工具56を有した工具組立体14とガイドブッシュ装置12の周辺機器との干渉を生じることなく、しかも棒材W自体の曲がり等の影響を排除して、ドリル等の穴明け工具56により棒材Wにその回転軸線に沿った穴を正確に穿設することが可能になるとともに、穴明け工具56の破損事故を回避することが可能となる。
【0040】
図6は、本発明の第3実施形態による補助ガイド装置100を示す。補助ガイド装置100は、第1及び第2実施形態による補助ガイド装置10、70のガイド部20、72のいずれとも異なる静止支持面を有したガイド部102を備える。その他の構成については補助ガイド装置10、70と実質的に同一であるので、説明を省略する。
【0041】
補助ガイド装置100のガイド部102は、従来周知の固定型ガイドブッシュに類似した構成を有する。すなわちガイド部102は、担持部材18に固定されるフレーム部分104と、取付部材106及びスリーブ部材108を介してフレーム部分104に回転不能に担持されるブッシュ部材110とを備える。ブッシュ部材110は、前述したガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ32と実質的同一の構造を有し、その軸線方向前端(図で左端)領域にすり割り部112が設けられるとともに、すり割り部112の内周面が棒材Wを回転可能に支持する支持面114を構成する。ブッシュ部材110は、すり割り部112に径方向内方へ加える外力を調節することによって、支持面114の内径寸法を調節することができる。すり割り部112の外周面には、径方向内方への外力を受けるためのテーパ面116が設けられる。
【0042】
ブッシュ部材110は、スリーブ部材108の軸線方向前端領域に軸方向へ摺動可能にかつ回転方向へ固定して収納される。スリーブ部材108の内周面前端には、ブッシュ部材110のテーパ面116に当接可能な対応テーパ面118が形成される。スリーブ部材108の軸線方向後端領域には、ブッシュ部材110の外周面後端に設けた雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有した調節ナット120が、軸方向へ固定して回転可能に収納される。したがって、調節ナット120が回転すると、ブッシュ部材110がスリーブ部材108内で軸方向へ移動し、テーパ面116と対応テーパ面118との相互当接圧力に応じて、支持面114の内径寸法が、支持対象の棒材Wの外形寸法に対応して調節される。支持面114は、例えばDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の、耐摩耗性及び機械的強度に優れた超硬材料から形成される。
【0043】
補助ガイド装置100が前述した作用位置にあるときに、ブッシュ部材110に形成された支持面114は、補助ガイド装置10における支持面26と同様に、ガイドブッシュ装置12から送り出された棒材Wの延出部分を接触支持する。支持面114は、工具組立体14(図2)による棒材Wの穴明け加工中に、それ自体回転することなく棒材Wを摺動支持し、棒材Wの回転に伴う振れを防止する。それにより補助ガイド装置100は、穴明け工具56(図1)の軸線と棒材Wの回転軸線とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持することができる。
【0044】
このように、本発明の第3実施形態に係る補助ガイド装置100は、ガイドブッシュ装置12から所望長さ送り出された棒材Wの延出部分に対し、穴明け工具56の軸線と棒材Wの回転軸線とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持することができる。それに伴い、工具組立体14による穴明け作業が、ガイドブッシュ装置12から離れた位置で実施できるようになる。したがって補助ガイド装置100によっても、穴明け工具56を有した工具組立体14とガイドブッシュ装置12の周辺機器との干渉を生じることなく、しかも棒材W自体の曲がり等の影響を排除して、ドリル等の穴明け工具56により棒材Wにその回転軸線に沿った穴を正確に穿設することが可能になるとともに、穴明け工具56の破損事故を回避することが可能となる。
【0045】
図7は、前述した補助ガイド装置10、ガイドブッシュ装置12、工具組立体14及び回転主軸16を組込んで備えた本発明の一実施形態による自動旋盤130の外観構成を概略で示す。
【0046】
図7に示すように、自動旋盤130は、旋盤機台132と、旋盤機台132上に立設されたコラム28に固定的に設置されるガイドブッシュ装置12と、旋盤機台132上でガイドブッシュ装置12の前方に対向して配置できる工具組立体14と、ガイドブッシュ装置12の後方で旋盤機台132上に設置される回転主軸16とを備える。さらに自動旋盤130は、ガイドブッシュ装置12の近傍で旋盤機台132上に設置され、ガイドブッシュ装置12から工具組立体14側へ送り出された棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置(図7に示す位置)と、作用位置から離れて、棒材に対する他の工具(例えばバイト134)による加工作業を妨害しない待機位置との間で移動可能な補助ガイド装置10を備える。
【0047】
補助ガイド装置10は、図示実施形態では、バイト134等の多数の工具を装着可能な刃物台136に、それら工具に並置して固定される板状の担持部材18を備える。担持部材18の自由端には、図1に示すガイド部20が固定的に連結される。刃物台136は、補助ガイド装置10を伴って、旋盤機台132上で前述したX軸に相当するX1軸方向へ移動できる。さらに刃物台136は、X1軸及び前述したZ1軸に直交するY軸方向へも移動できる。したがって補助ガイド装置10は、刃物台136のX1軸移動により、前述した作用位置と待機位置との間を移動する。
【0048】
ガイドブッシュ装置12は、回転主軸16に掴持された棒材を工具(例えば穴明け工具56やバイト134)による加工作業位置近傍で回転自在に支持する。ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ32は、図1に示すような回転型ガイドブッシュか、又は周知の固定型ガイドブッシュから構成できる。
工具組立体14は、図示実施形態では、穴明け工具56を含む複数の工具を装着可能な刃物台としての工具保持部材52を備える。工具保持部材52は、旋盤機台132上で前述したZ3軸方向及びZ3軸に直交するX2軸方向へ移動可能な送り台138上に設置される。
回転主軸16は、チャック58により旋削加工すべき棒材を掴持して、回転可能かつ前述したZ1軸方向へ移動可能に旋盤機台132上に設置される。
【0049】
上記構成を有する自動旋盤130において、穴明け工具56による穴明け加工を実施する際には、まず旋盤機台132上で送り台138のX2軸移動により工具組立体14をガイドブッシュ装置12に同心状に対向配置して、穴明け工具56を、ガイドブッシュ32から軸線方向へ離れた位置に配置する。他方、補助ガイド装置10は、刃物台136のX1軸方向移動により、ガイドブッシュ装置12に近接した図示の作用位置に置かれる。この状態で、チャック58に掴持した棒材を回転主軸16のZ1軸移動によりガイドブッシュ装置12に挿入し、ガイドブッシュ32から所望長さ送り出すとともに、補助ガイド装置10にその延出部分を支持させる。その後、穴明け加工が、図3に関連して説明したように、工具組立体14のZ3軸移動の下で実施される。
【0050】
穴明け加工中には、補助ガイド装置10が、ガイドブッシュ装置12から送り出された棒材の延出部分に対し、穴明け工具56の軸線と棒材の回転軸線とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持することができる。それに伴い、工具組立体14による穴明け作業が、ガイドブッシュ装置12から離れた位置で実施できるようになる。したがって自動旋盤130によれば、補助ガイド装置10の作用により、穴明け工具56を有した工具組立体14とガイドブッシュ装置12の周辺機器との干渉を生じることなく、しかも棒材自体の曲がり等の影響を排除して、ドリル等の穴明け工具56により棒材にその回転軸線に沿った穴を正確に穿設することが可能になるとともに、穴明け工具56の破損事故を回避することが可能となる。
【0051】
図8は、前述した補助ガイド装置10、ガイドブッシュ装置12、工具組立体14及び回転主軸16を組込んで備えた本発明の他の実施形態による自動旋盤140の外観構成を概略で示す。
【0052】
図8に示すように、自動旋盤140は、旋盤機台142と、旋盤機台142上に立設されたコラム28に固定的に設置されるガイドブッシュ装置12と、旋盤機台142上でガイドブッシュ装置12の前方に対向して配置できる工具組立体14と、ガイドブッシュ装置12の後方で旋盤機台142上に設置される回転主軸16とを備える。さらに自動旋盤140は、ガイドブッシュ装置12の近傍で旋盤機台142上に設置され、ガイドブッシュ装置12から工具組立体14側へ送り出された棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置(図8に示す位置)と、作用位置から離れて、棒材に対する他の工具による加工作業を妨害しない待機位置との間で移動可能な補助ガイド装置10を備える。
【0053】
補助ガイド装置10は、図示実施形態では、バイト等の多数の工具を装着可能なタレット刃物台144の所望の割出位置に固定される板状の担持部材18を備える。担持部材18の自由端には、図1に示すガイド部20が固定的に連結される。タレット刃物台144は、補助ガイド装置10を伴って、旋盤機台142上で前述したZ2軸方向及びZ2軸に直交するX軸方向へ移動できる。したがって補助ガイド装置10は、タレット刃物台144のX軸移動又は割出回転により、前述した作用位置と待機位置との間を移動する。
【0054】
ガイドブッシュ装置12は、回転主軸16に掴持された棒材を工具(例えば穴明け工具56)による加工作業位置近傍で回転自在に支持する。ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ32は、図1に示すような回転型ガイドブッシュか、又は周知の固定型ガイドブッシュから構成できる。
工具組立体14は、図示実施形態では、ガイドブッシュ装置12に対向して棒材を掴持可能な背面主軸としての工具保持部材52を備える。背面主軸としての工具保持部材52は、チャック部材54に穴明け工具56を掴持して回転することができる。また工具保持部材52は、Z2軸に平行なZ3軸方向へ移動できるようになっている。
回転主軸16は、チャック58により旋削加工すべき棒材を掴持して、回転可能かつ前述したZ1軸方向へ移動可能に旋盤機台142上に設置される。
【0055】
上記構成を有する自動旋盤140において、穴明け工具56による穴明け加工を実施する際には、まず旋盤機台142上で工具組立体14をガイドブッシュ装置12に同心状に対向配置し、穴明け工具56を、ガイドブッシュ32から軸線方向へ離れた位置に配置する。他方、補助ガイド装置10は、タレット刃物台144のX軸方向移動により、ガイドブッシュ装置12に近接した図示の作用位置に置かれる。この状態で、チャック58に掴持した棒材を回転主軸16のZ1軸移動によりガイドブッシュ装置12に挿入し、ガイドブッシュ32から所望長さ送り出すとともに、補助ガイド装置10にその延出部分を支持させる。その後、穴明け加工が、図4に関連して説明したように、回転主軸16のZ1軸移動及び補助ガイド装置10のZ2軸移動の下で実施される。なお自動旋盤140では、回転主軸16のZ1軸送り及び補助ガイド装置10のZ2軸移動と同時に、工具保持部材52をZ3軸移動させることができる。この場合、穴明け加工時には棒材Wと穴明け工具56との双方を相互接近方向へ移動させ、加工終了とともにそれらを互いに逃がすようにプログラムすることにより、加工時間を短縮することができる。
【0056】
穴明け加工中には、補助ガイド装置10が、ガイドブッシュ装置12から送り出された棒材の延出部分に対し、穴明け工具56の軸線と棒材の回転軸線とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持することができる。それに伴い、工具組立体14による穴明け作業が、ガイドブッシュ装置12から離れた位置で実施できるようになる。したがって自動旋盤140によれば、補助ガイド装置10の作用により、穴明け工具56を有した工具組立体14とガイドブッシュ装置12の周辺機器との干渉を生じることなく、しかも棒材自体の曲がり等の影響を排除して、ドリル等の穴明け工具56により棒材にその回転軸線に沿った穴を正確に穿設することが可能になるとともに、穴明け工具56の破損事故を回避することが可能となる。なお、自動旋盤140では、背面主軸としての工具保持部材52に穴明け工具56を装着し、穴明け工具56を回転できるようにしたので、棒材と穴明け工具56との双方を回転させて穴明け加工を実施することにより、棒材に穿設された穴の直進性を一層向上させることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ガイドブッシュ装置を備えた自動旋盤で補助ガイド装置を使用することにより、穴明け工具を有した工具組立体とガイドブッシュ装置周辺機器との干渉を生じることなく、しかも棒材自体の曲がりや回転主軸の先端領域の振れの影響を排除して、穴明け工具を用いて棒材にその回転軸線に沿った穴を高度な直進性の下に正確に穿設することが可能になるとともに、穴明け工具の破損事故を回避することが可能となる。特に本発明は、細径の棒材や、プラスチック等の軟質材料からなる棒材に、深い穴を穿設する場合に、著しい効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による補助ガイド装置を、ガイドブッシュ装置とともに作用位置で示す部分断面図である。
【図2】図1の補助ガイド装置を、ガイドブッシュ装置、工具組立体及び回転主軸とともに穴明け加工開始位置で示す部分断面図である。
【図3】図1の補助ガイド装置を、ガイドブッシュ装置、工具組立体及び回転主軸とともに穴明け加工完了位置で示す部分断面図である。
【図4】図1の補助ガイド装置を、ガイドブッシュ装置、工具組立体及び回転主軸とともに他の穴明け加工完了位置で示す部分断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による補助ガイド装置を示す部分断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態による補助ガイド装置を示す部分断面図である。
【図7】図2の補助ガイド装置、ガイドブッシュ装置、工具組立体及び回転主軸を備えた本発明の一実施形態による自動旋盤の外観構成を示す概略斜視図である。
【図8】図2の補助ガイド装置、ガイドブッシュ装置、工具組立体及び回転主軸を備えた本発明の他の実施形態による自動旋盤の外観構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10、70、100…補助ガイド装置
12…ガイドブッシュ装置
14…工具組立体
16…回転主軸
18…担持部材
20、72、102…ガイド部
26、84、114…支持面
28…コラム
32…ガイドブッシュ
56…穴明け工具
58…チャック
80、110…ブッシュ部材
130、140…自動旋盤
132、142…旋盤機台

Claims (8)

  1. 回転主軸に掴持された棒材を加工作業位置近傍で回転自在に支持するガイドブッシュ装置と、該ガイドブッシュ装置に対向して配置でき、棒材にその回転軸線に沿った穴を穿設できる工具組立体とを備えた自動旋盤に設置される補助ガイド装置であって、
    前記ガイドブッシュ装置から前記工具組立体側へ送り出された棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置と、該作用位置から離れた待機位置との間で移動でき、
    前記作用位置にあるときに前記棒材の前記延出部分を受容支持する略円筒状の支持面を備え、前記工具組立体による棒材穴明け加工中に、該支持面により、該棒材の回転軸線を該工具組立体の工具軸線に実質的に合致した状態に保持すること、
    を特徴とする旋盤用補助ガイド装置。
  2. 前記作用位置において、前記回転主軸に掴持された棒材の軸線方向送り動作に伴って、該軸線方向へ直線的に移動できるように構成された請求項1に記載の旋盤用補助ガイド装置。
  3. 前記支持面が、穴明け加工中の棒材の回転動作に伴って回転できるように構成された請求項1又は2に記載の旋盤用補助ガイド装置。
  4. 前記支持面が超硬材料から形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の旋盤用補助ガイド装置。
  5. 回転主軸に掴持された棒材を加工作業位置近傍で回転自在に支持するガイドブッシュ装置と、該ガイドブッシュ装置に対向して配置でき、棒材にその回転軸線に沿った穴を穿設できる工具組立体とを具備した自動旋盤において、
    前記ガイドブッシュ装置から前記工具組立体側へ送り出された棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置と、該作用位置から離れた待機位置との間で移動可能な補助ガイド装置を具備し、
    前記補助ガイド装置は、前記作用位置にあるときに前記棒材の前記延出部分を受容支持する略円筒状の支持面を備え、前記工具組立体による棒材穴明け加工中に、該支持面により、該棒材の回転軸線を該工具組立体の工具軸線に実質的に合致した状態に保持すること、
    を特徴とする自動旋盤。
  6. 前記補助ガイド装置は、前記作用位置において、前記回転主軸に掴持された棒材の軸線方向送り動作に伴って、該軸線方向へ直線的に移動できるように構成された請求項5に記載の自動旋盤。
  7. 前記補助ガイド装置の前記支持面が、穴明け加工中の棒材の回転動作に伴って回転できるように構成された請求項5又は6に記載の自動旋盤。
  8. 前記補助ガイド装置の前記支持面が超硬材料から形成される請求項5〜7のいずれか1項に記載の自動旋盤。
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