JPH11320212A - 旋盤用補助ガイド装置及び補助ガイド装置を備えた自動旋盤 - Google Patents

旋盤用補助ガイド装置及び補助ガイド装置を備えた自動旋盤

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JPH11320212A
JPH11320212A JP13880998A JP13880998A JPH11320212A JP H11320212 A JPH11320212 A JP H11320212A JP 13880998 A JP13880998 A JP 13880998A JP 13880998 A JP13880998 A JP 13880998A JP H11320212 A JPH11320212 A JP H11320212A
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drilling
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重雄 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動旋盤で穴明け工具とガイドブッシュ装置
周辺機器との干渉を生じることなく棒材にその回転軸線
に沿った穴を正確に穿設できるようにする。 【解決手段】 補助ガイド装置10は、ガイドブッシュ
装置12の近傍で旋盤機台上に設置され、ガイドブッシ
ュ装置12から工具組立体14側へ送り出された棒材W
の延出部分を回転自在に支持する作用位置と、作用位置
から遠隔して、棒材Wに対する他の工具による加工作業
や計測作業を妨害しない待機位置との間で移動できる。
補助ガイド装置10のガイド部20は、棒材Wを受容、
包囲する段付き貫通孔22を有し、その小径部分に作用
位置で棒材Wの延出部分を回転可能に支持する略円筒状
の支持面26が形成される。支持面26は、工具組立体
14による棒材Wの穴明け加工中に、棒材Wの回転に伴
う振れを防止し、棒材Wの回転軸線を工具組立体14の
工具軸線14aに略平行に保持するように作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転主軸に掴持さ
れた棒材を加工作業位置近傍で回転自在に支持するガイ
ドブッシュ装置を備えた自動旋盤に関し、特に、ガイド
ブッシュ装置から送り出された棒材を回転自在に支持す
べく自動旋盤に設置される旋盤用補助ガイド装置に関す
る。さらに本発明は、ガイドブッシュ装置と補助ガイド
装置とを備えた自動旋盤に関する。
【0002】
【従来の技術】NC旋盤等の、自動旋削加工を実施でき
る旋盤(本明細書では自動旋盤と称する)において、回
転主軸に掴持された被加工素材としての棒材を、回転主
軸先端の前方の、工具による加工作業位置近傍で回転自
在に支持するガイドブッシュ装置を備えたものが知られ
ている。ガイドブッシュ装置は、それ自体、自動旋盤の
機台上の所定位置に固定的に設置され、旋削加工中の棒
材をその被加工部位近傍で支持して、被加工部位に生じ
得る回転による振れや撓みを抑制し、それにより、比較
的細長い製品でも高い寸法精度に加工成形することを可
能にする。この種のガイドブッシュ装置では、棒材外周
面を支持する円筒状の支持内周面が、回転する棒材に対
するすべり軸受面を構成する固定型ガイドブッシュを備
えたものと、支持内周面が棒材外周面に実質的に接触し
た状態で棒材と共に回転する回転型ガイドブッシュを備
えたものとが、適宜選択して使用されている。
【0003】このようなガイドブッシュ装置を備えた自
動旋盤は、一般に、回転主軸が棒材を掴持しつつ回転軸
線方向(本明細書ではZ軸方向と称する)に直線的に移
動できるように構成される。このような構成において
は、旋削加工に際し、回転主軸はその先端のチャックか
ら棒材を十分な長さに延出させた状態で回転し、ガイド
ブッシュ装置が棒材先端の被加工部位近傍を支持する。
そして、回転主軸をZ軸移動させてガイドブッシュ装置
から棒材を加工作業位置へ送り出すことにより、1つの
製品に対する加工の進行に伴う工具と棒材とのZ軸方向
相対移動を生じさせたり、1本の長尺の棒材から多数の
製品を連続的に作製したりすることができる。
【0004】ところで、一般に旋盤でドリル等の穴明け
工具を用いて、棒材にその回転軸線に沿った穴を穿設す
る際には、穴明け工具の軸線と棒材の回転軸線とを合致
させた状態で、棒材と穴明け工具とをそれらのいずれか
一方又は双方を回転させつつZ軸方向へ相対移動させ
る。このとき、ガイドブッシュ装置を備えた従来の自動
旋盤では、ガイドブッシュ装置の周辺にバイト等の他の
工具や製品外径計測装置といった種々の機器を設置する
機械構成上の制約から、それら周辺機器と穴明け工具と
を干渉させずにガイドブッシュ装置に穴明け工具を接近
させることが困難となる場合がある。そのような場合
に、従来は、周辺機器との干渉が生じない位置まで穴明
け工具をガイドブッシュ装置から離して配置し、回転主
軸をZ軸移動させてガイドブッシュ装置から棒材を送り
出しながら、ガイドブッシュ装置から離れた位置で穴明
け加工を実施するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した穴明け加工作
業において、穴の直進性を向上させるためには、穴明け
工具の軸線と棒材の回転軸線とが正確に合致した状態
を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持するこ
とが要求される。しかし、ガイドブッシュ装置を備えた
従来の自動旋盤で、上記したように回転主軸をZ軸移動
させてガイドブッシュ装置から棒材を送り出しながら、
ガイドブッシュ装置から離れた位置で穴明け加工を実施
する場合には、棒材自体が有している曲がり等に起因し
て、ガイドブッシュ装置から送り出される棒材の先端の
被加工部分に振れが生じる場合がある。このような振れ
は、穿設される穴が深いほど、つまり穴明け加工中の棒
材の送り出し量が多いほど顕著に生じ、それに伴う穴明
け工具の軸線と棒材の回転軸線との相対的位置ずれの結
果として、穴の直進性が低下したり、場合によっては穴
明け工具が損傷を受けたりする課題があった。
【0006】したがって本発明の目的は、ガイドブッシ
ュ装置を備えた自動旋盤で使用される補助ガイド装置に
おいて、穴明け工具とガイドブッシュ装置周辺機器との
干渉を生じることなく、しかも棒材自体の曲がり等の影
響を排除して、ドリル等の穴明け工具を用いて棒材にそ
の回転軸線に沿った穴を正確に穿設することを可能にす
るとともに、穴明け工具の破損事故を回避することがで
きる旋盤用補助ガイド装置を提供することにある。本発
明の他の目的は、そのような補助ガイド装置を備えた自
動旋盤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の本発明は、回転主軸に掴持された
棒材を加工作業位置近傍で回転自在に支持するガイドブ
ッシュ装置と、ガイドブッシュ装置に対向して配置で
き、棒材にその回転軸線に沿った穴を穿設できる工具組
立体とを備えた自動旋盤に設置される補助ガイド装置で
あって、ガイドブッシュ装置から工具組立体側へ送り出
された棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置
と、作用位置から離れた待機位置との間で移動でき、作
用位置にあるときに棒材の延出部分を受容支持する略円
筒状の支持面を備え、工具組立体による棒材穴明け加工
中に、支持面により、棒材の回転軸線を工具組立体の工
具軸線に実質的に合致した状態に保持することを特徴と
する旋盤用補助ガイド装置を提供する。
【0008】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の旋盤用補助ガイド装置において、作用位置におい
て、回転主軸に掴持された棒材の軸線方向送り動作に伴
って、この軸線方向へ直線的に移動できるように構成さ
れた旋盤用補助ガイド装置を提供する。
【0009】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2に記載の旋盤用補助ガイド装置において、支持面が、
穴明け加工中の棒材の回転動作に伴って回転できるよう
に構成された旋盤用補助ガイド装置を提供する。
【0010】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3
のいずれか1項に記載の旋盤用補助ガイド装置におい
て、支持面が超硬材料から形成される旋盤用補助ガイド
装置を提供する。
【0011】請求項5に記載の本発明は、回転主軸に掴
持された棒材を加工作業位置近傍で回転自在に支持する
ガイドブッシュ装置と、ガイドブッシュ装置に対向して
配置でき、棒材にその回転軸線に沿った穴を穿設できる
工具組立体とを具備した自動旋盤において、ガイドブッ
シュ装置から工具組立体側へ送り出された棒材の延出部
分を回転自在に支持する作用位置と、作用位置から離れ
た待機位置との間で移動可能な補助ガイド装置を具備
し、補助ガイド装置は、作用位置にあるときに棒材の延
出部分を受容支持する略円筒状の支持面を備え、工具組
立体による棒材穴明け加工中に、支持面により、棒材の
回転軸線を工具組立体の工具軸線に実質的に合致した状
態に保持することを特徴とする自動旋盤を提供する。
【0012】請求項6に記載の本発明は、請求項5に記
載の自動旋盤において、補助ガイド装置は、作用位置に
おいて、回転主軸に掴持された棒材の軸線方向送り動作
に伴って、軸線方向へ直線的に移動できるように構成さ
れた自動旋盤を提供する。
【0013】請求項7に記載の本発明は、請求項5又は
6に記載の自動旋盤において、補助ガイド装置の支持面
が、穴明け加工中の棒材の回転動作に伴って回転できる
ように構成された自動旋盤を提供する。
【0014】請求項8に記載の本発明は、請求項5〜7
のいずれか1項に記載の自動旋盤において、補助ガイド
装置の支持面が超硬材料から形成される自動旋盤を提供
する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明をその実施形態に基づき詳細に説明する。各図面にお
いて、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付
す。図面を参照すると、図1は、本発明の第1実施形態
による旋盤用補助ガイド装置10を、自動旋盤の旋盤機
台(図示せず)上に設置されたガイドブッシュ装置12
と共に示し、図2は、同補助ガイド装置10を、自動旋
盤の旋盤機台上にそれぞれ設置されたガイドブッシュ装
置12、工具組立体14及び被加工素材としての棒材W
を掴持する回転主軸16と共に示す。
【0016】補助ガイド装置10は、ガイドブッシュ装
置12の近傍で旋盤機台上に設置され、ガイドブッシュ
装置12から工具組立体14側へ送り出された棒材Wの
延出部分を回転自在に支持する作用位置(図1及び図2
に示す位置)と、作用位置から離れて、棒材Wに対する
他の工具による加工作業や計測作業を妨害しない待機位
置との間で移動できるようになっている。さらに詳しく
は、補助ガイド装置10は、旋盤機台上の直交3軸座標
系において、少なくとも支持対象の棒材Wの回転軸線に
略直交するX軸方向へ、図示しない駆動装置により移動
可能な担持部材18と、担持部材18に固定され、上記
作用位置で棒材Wの延出部分を回転自在に支持するガイ
ド部20とを備える。好ましくは補助ガイド装置10の
担持部材18は、棒材Wの回転軸線に平行なZ2軸方向
へも移動できるように構成される。
【0017】補助ガイド装置10のガイド部20は、棒
材Wを受容、包囲する段付き貫通孔22を有した断面略
矩形の中空ブロック体からなり、例えばボルト24によ
って担持部材18に固定的に連結される。ガイド部20
の貫通孔22の小径部分には、補助ガイド装置10が上
記した作用位置にあるときに、棒材Wの延出部分を回転
可能に支持する略円筒状の支持面26が形成される。支
持面26は、工具組立体14による棒材Wの穴明け加工
中に、棒材Wの回転に伴う振れを防止し、棒材Wの回転
軸線を工具組立体14の工具軸線14a(後述する)に
略平行に保持するように作用する。支持面26は、高速
回転する棒材Wを接触支持できるように、好ましくは機
械的強度に優れた超硬材料から形成される。
【0018】ガイドブッシュ装置12は、回転主軸16
の軸線方向前方(図で左方)で、旋盤機台上に立設され
たコラム28に固定的に設置され、回転主軸16に掴持
された棒材Wを工具(例えば穴明け工具)による加工作
業位置近傍で回転自在に支持する。ガイドブッシュ装置
12は、棒材Wを受容、包囲する段付き円筒状の内周面
30を有した中空筒状のガイドブッシュ32を備える。
ガイドブッシュ32は、中心軸線32aを有し、その軸
線方向前端(図で左端)領域には、内周面30の小径部
分である棒材支持面30aを有したすり割り部34が設
けられる。ガイドブッシュ32は、すり割り部34に径
方向内方へ加える外力を調節することによって、すり割
り部34の棒材支持面30aの内径寸法を調節すること
ができる。すり割り部34の外周面には、径方向内方へ
の外力を受けるためのテーパ面36が設けられる。
【0019】ガイドブッシュ32は、スリーブ部材3
8、軸受装置40及びフランジ部材42を介して、コラ
ム28に対し回転可能に設置される。ガイドブッシュ3
2は、スリーブ部材38の軸線方向前端領域に軸方向へ
摺動可能にかつ回転方向へ固定して収納される。スリー
ブ部材38の内周面前端には、ガイドブッシュ32のテ
ーパ面36に当接可能な対応テーパ面44が形成され
る。スリーブ部材38の軸線方向後端領域には、ガイド
ブッシュ32に螺合するねじ部を有した調節ナット46
が、軸線方向へ固定して回転可能に収納される。したが
って、調節ナット46が回転すると、ガイドブッシュ3
2がスリーブ部材38内で軸線方向へ移動し、テーパ面
36と対応テーパ面44との相互当接圧力に応じて、す
り割り部34の棒材支持面30aの内径寸法が、支持対
象の棒材Wの外形寸法に対応して調節される。
【0020】スリーブ部材38は、軸受装置40によっ
てフランジ部材42の中心穴42aに回転可能に支持さ
れる。スリーブ部材38の外周面の後端領域には、被動
プーリ48が連結される。被動プーリ48は、図示しな
い動力伝達機構を介して図示しないガイドブッシュ駆動
源に連結され、ガイドブッシュ駆動源により、回転主軸
16の回転速度と同一の回転速度で回転駆動される。そ
の結果、被動プーリ48、調節ナット46、スリーブ部
材38及びガイドブッシュ32が、フランジ部材42に
対し、回転主軸16の回転速度と同一の回転速度で一体
的に回転する。旋削加工中の棒材Wは、同一速度で回転
するガイドブッシュ32の棒材支持面30aに接触支持
される。したがって一般に、旋削加工中の棒材Wの回転
軸線は、ガイドブッシュ32の中心軸線32aによって
規定される。フランジ部材42は、例えばボルト50に
よりコラム28に固定される。このように、ガイドブッ
シュ32、スリーブ部材38、軸受装置40、フランジ
部材42、調節ナット46及び被動プーリ48は、予め
組立てたガイドブッシュ装置12として、自動旋盤のコ
ラム28の所定位置に着脱可能に取付けられる。
【0021】工具組立体14は、工具保持部材52と、
工具保持部材52に脱着可能に装着されるチャック部材
54と、チャック部材54に掴持されるドリル等の穴明
け工具56とから構成される。穴明け工具56は、工具
軸線14aを有して工具保持部材52に固定的に設置さ
れる。また工具保持部材52は、例えば旋盤機台上に設
置される刃物台(図示せず)として構成される。工具組
立体14は、旋盤機台上の直交3軸座標系において、工
具軸線14a及び前述したZ2軸に平行なZ3軸方向へ
移動可能となっている。
【0022】回転主軸16は、旋削加工すべき棒材Wを
掴持して、図示しない主軸モータにより回転駆動される
とともに、旋盤機台上の直交3軸座標系においてそれ自
体の回転軸線及び前述したZ2軸及びZ3軸に平行なZ
1軸方向へ、図示しない送りモータによって移動するよ
うに構成される。回転主軸16の回転軸線は、ガイドブ
ッシュ装置12のガイドブッシュ32の中心軸線32a
に合致されている。
【0023】回転主軸16は中空筒状の構造を有し、そ
の前端領域に、棒材を掴持可能な開閉式のチャック58
が収容される。チャック58は、先端にすり割り部を有
したいわゆるコレットチャックであり、すり割り部に径
方向内方への外力が加わることにより、先端の略円筒状
の棒材掴持面60が縮径してチャック58が閉じ、棒材
を固定的に掴持するようになっている。すり割り部への
径方向外力が解除されると、すり割り部が復元して棒材
掴持面60が拡径し、チャック58が開いて棒材を解放
する。チャック58のすり割り部外周には、径方向内方
への外力を受けるためのテーパ面62が設けられる。
【0024】回転主軸16にはさらに、中空筒状の押圧
部材64が軸方向へ移動可能に収容される。押圧部材6
4はその前端領域にチャック58を収容し、チャック5
8のテーパ面62に当接可能な対応テーパ面66を前端
に備える。図示しないチャック駆動源により、押圧部材
64を軸線方向前方へ移動することによって、対応テー
パ面66がチャック58のテーパ面62に当接され、テ
ーパ面62を介してチャック58のすり割り部に径方向
内方への押圧力が加わり、チャック58が閉じられる。
この状態で、チャック58が棒材を強固に掴持する。そ
の状態から、押圧部材64を軸線方向後方へ移動すれ
ば、対応テーパ面66がチャック58のテーパ面62か
ら脱離して、チャック58が開かれる。
【0025】上記構成を有する自動旋盤において、穴明
け工具56により棒材Wにその回転軸線に沿った穴を穿
設する際には、まず図2に示すように、旋盤機台上で工
具組立体14を移動してガイドブッシュ装置12に対向
配置し、工具組立体14の工具軸線14aとガイドブッ
シュ装置12のガイドブッシュ32の中心軸線32aと
を正確に合致させる。このとき穴明け工具56は、ガイ
ドブッシュ32から軸線方向へ離れた位置に配置され
る。
【0026】他方、補助ガイド装置10は、担持部材1
8のX軸方向移動により、ガイドブッシュ装置12に近
接した図示の作用位置に置かれる。補助ガイド装置10
は作用位置で、ガイド部20の貫通孔22における支持
面26の中心軸線を、ガイドブッシュ装置12のガイド
ブッシュ32の中心軸線32aに正確に合致させてい
る。このような工具組立体14及び補助ガイド装置10
の位置決め動作は、例えば自動旋盤のNC装置の制御下
で遂行される。
【0027】この状態で、回転主軸16のチャック58
に掴持した棒材Wを、回転主軸16のZ1軸方向送り動
作により、ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ3
2に挿入し、ガイドブッシュ32の棒材支持面30aに
支持させるとともに、ガイドブッシュ32から工具組立
体14側へ所望長さだけ送り出す。ガイドブッシュ32
から送り出された棒材Wの延出部分は、補助ガイド装置
10のガイド部20の貫通孔22に円滑に挿入され、支
持面26によって回転可能に支持される。棒材Wの延出
部分の軸線方向端面が補助ガイド装置10のガイド部2
0の軸線方向端面から僅かに突出した位置で、回転主軸
16の棒材送り動作を止める。その位置で、棒材Wの延
出部分の軸線方向端面は、工具組立体14の穴明け工具
56の先端に近接して配置される。このようにして、上
記自動旋盤の各構成要素が図2に示す穴明け加工開始位
置に置かれる。
【0028】図2の穴明け加工開始位置から、回転主軸
16を回転駆動するとともに、工具組立体14をガイド
ブッシュ装置12に接近するZ3軸方向へ連続的に移動
させる。それにより穴明け工具56が、棒材Wにその回
転軸線に沿った穴を穿設する。このとき、補助ガイド装
置10がガイド部20の支持面26により棒材Wの延出
部分を支持しているので、棒材Wの回転に伴う振れが抑
制される。つまり、棒材Wの回転軸線がガイドブッシュ
装置12のガイドブッシュ32の中心軸線32aに一致
し、かつ穴明け工具56の軸線(すなわち工具組立体1
4の工具軸線14a)と棒材Wの回転軸線とが正確に合
致した状態が、穴明け加工の開始から完了まで可及的に
維持される。これにより、高度な直進性を有する穴が棒
材Wに正確に穿設される。
【0029】棒材Wに所望深さの穴が穿設された位置
で、工具組立体14の送り動作を止める。図3は、上記
自動旋盤の各構成要素をそのような穴明け加工完了位置
で示す。ここで、棒材Wに所望深さの穴を正確に穿設す
るためには、図3の穴明け加工完了位置においても、工
具組立体14の工具保持部材52やチャック部材54
が、ガイドブッシュ装置12の周辺に配置されたバイト
等の他の工具や製品外径計測装置等の周辺機器と干渉し
ないことが肝要である。図示実施形態では、工具組立体
14のZ3軸方向への送り距離は、穿設しようとする穴
の深さに対応するので、穴明け加工完了位置でもそのよ
うな干渉が生じないように、穴明け加工開始時の工具組
立体14のガイドブッシュ装置12に対する位置、及び
棒材Wのガイドブッシュ装置12からの延出長さを設定
すればよい。
【0030】或いは、補助ガイド装置10の担持部材1
8がZ2軸方向へも移動できる構成を有する場合は、図
2の穴明け加工開始位置から、回転主軸16を回転駆動
するとともにZ1軸方向へ連続的に移動させて、棒材W
をガイドブッシュ装置12から送り出しながら穴明け加
工を実施することが可能となる。この場合、工具組立体
14は図2の穴明け加工開始位置に停止したままに置か
れる。他方、補助ガイド装置10は、図2の穴明け加工
開始位置から、回転主軸16のZ1軸送り動作に同期し
てかつ同一速度で、工具組立体14に接近するZ2軸方
向へ連続的に移動させられる。それにより穴明け工具5
6が、棒材Wにその回転軸線に沿った穴を穿設する。こ
の場合も補助ガイド装置10は、穴明け加工の開始から
完了まで、ガイド部20の支持面26により棒材Wの延
出部分の先端近傍を支持し続けて、棒材Wの回転に伴う
振れを抑制する。その結果、棒材Wにその回転軸線に沿
った高度な直進性を有する穴が正確に穿設される。
【0031】棒材Wに所望深さの穴が穿設された位置
で、回転主軸16のZ1軸送り動作を止め、同時に補助
ガイド装置10のZ2軸移動を停止させる。図4は、上
記自動旋盤の各構成要素をそのような穴明け加工完了位
置で示す。このような作業手順によれば、棒材Wに穿設
される穴の深さに関わらず、穴明け加工開始時の工具組
立体14のガイドブッシュ装置12に対する位置のみ
を、ガイドブッシュ装置12の周辺機器との干渉が生じ
ないように設定しておけばよいので、好都合である。或
いはまた、回転主軸16のZ1軸送り及び補助ガイド装
置10のZ2軸移動と同時に、工具組立体14をZ3軸
移動させることもできる。この場合、棒材Wの加工時間
を短縮することが可能となる。
【0032】このように、本発明の第1実施形態に係る
補助ガイド装置10は、ガイドブッシュ装置12から所
望長さ送り出された棒材Wの延出部分に対し、穴明け工
具56の軸線と棒材Wの回転軸線とが正確に合致した状
態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持する
ことができる。それに伴い、工具組立体14による穴明
け作業が、ガイドブッシュ装置12から離れた位置で実
施できるようになる。したがって補助ガイド装置10に
よれば、穴明け工具56を有した工具組立体14とガイ
ドブッシュ装置12の周辺機器との干渉を生じることな
く、しかも棒材W自体の曲がり等の影響を排除して、ド
リル等の穴明け工具56により棒材Wにその回転軸線に
沿った穴を正確に穿設することが可能になるとともに、
穴明け工具56の破損事故を回避することが可能とな
る。
【0033】なお上記実施形態では、穴明け工程に際
し、回転主軸16の回転により棒材Wのみが回転する構
成を説明したが、工具保持部材52に回転駆動機構を装
備してチャック部材54を回転できるようにし、穴明け
工程に際して穴明け工具56を回転させる構成を採用す
ることもできる。この場合、棒材Wを同時に回転させて
もよいし、回転させなくてもよい。
【0034】図5は、本発明の第2実施形態による補助
ガイド装置70を示す。補助ガイド装置70は、第1実
施形態による補助ガイド装置10のガイド部20とは異
なる回転可能な支持面を有したガイド部72を備える。
その他の構成については補助ガイド装置10と実質的に
同一であるので、説明を省略する。
【0035】補助ガイド装置70のガイド部72は、補
助ガイド装置10に関連して説明したガイドブッシュ装
置12に類似した構成を有する。すなわちガイド部72
は、担持部材18に固定されるフレーム部分74と、軸
受装置76及びスリーブ部材78を介してフレーム部分
74に回転可能に担持されるブッシュ部材80とを備え
る。ブッシュ部材80は、ガイドブッシュ装置12のガ
イドブッシュ32と実質的同一の構造を有し、その軸線
方向前端(図で左端)領域にすり割り部82が設けられ
るとともに、すり割り部82の内周面が棒材Wを回転可
能に支持する支持面84を構成する。ブッシュ部材80
は、すり割り部82に径方向内方へ加える外力を調節す
ることによって、支持面84の内径寸法を調節すること
ができる。すり割り部82の外周面には、径方向内方へ
の外力を受けるためのテーパ面86が設けられる。
【0036】ブッシュ部材80は、スリーブ部材78の
軸線方向前端領域に軸方向へ摺動可能にかつ回転方向へ
固定して収納される。スリーブ部材78の内周面前端に
は、ブッシュ部材80のテーパ面86に当接可能な対応
テーパ面88が形成される。スリーブ部材78の軸線方
向後端領域には、ブッシュ部材80の外周面後端に設け
た雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有した調節ナット90
が、軸方向へ固定して回転可能に収納される。したがっ
て、調節ナット90が回転すると、ブッシュ部材80が
スリーブ部材78内で軸方向へ移動し、テーパ面86と
対応テーパ面88との相互当接圧力に応じて、支持面8
4の内径寸法が、支持対象の棒材Wの外形寸法に対応し
て調節される。スリーブ部材78は、軸受装置76によ
ってフレーム部分74の中心穴74aに回転可能に支持
され、それによりブッシュ部材80は、スリーブ部材7
8とともにフレーム部分74内で自在に回転できるよう
になっている。
【0037】補助ガイド装置70が前述した作用位置に
あるときに、ブッシュ部材80に形成された支持面84
は、補助ガイド装置10における支持面26と同様に、
ガイドブッシュ装置12から送り出された棒材Wの延出
部分を接触支持する。支持面84は、工具組立体14
(図2)による棒材Wの穴明け加工中に、それ自体が棒
材Wに連れて回転しつつ棒材Wを支持し、棒材Wの回転
に伴う振れを防止する。それにより補助ガイド装置70
は、穴明け工具56(図1)の軸線と棒材Wの回転軸線
とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了
まで可及的に維持することができる。
【0038】上記構成において、スリーブ部材78の外
周面の後端領域に、被動プーリ92を連結することもで
きる。被動プーリ92は、図示しない動力伝達機構を介
して図示しないブッシュ部材駆動源に連結され、回転主
軸16(図1)の回転速度と同一の回転速度で回転駆動
されるように構成できる。この場合、前述したガイドブ
ッシュ装置12における回転構造と同様に、被動プーリ
92、調節ナット90、スリーブ部材78及びブッシュ
部材80が、フレーム部分74及び担持部材18に対
し、回転主軸16の回転速度と同一の回転速度で一体的
に回転するようになる。
【0039】このように、本発明の第2実施形態に係る
補助ガイド装置70は、ガイドブッシュ装置12から所
望長さ送り出された棒材Wの延出部分に対し、穴明け工
具56の軸線と棒材Wの回転軸線とが正確に合致した状
態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持する
ことができる。それに伴い、工具組立体14による穴明
け作業が、ガイドブッシュ装置12から離れた位置で実
施できるようになる。したがって補助ガイド装置70に
よっても、穴明け工具56を有した工具組立体14とガ
イドブッシュ装置12の周辺機器との干渉を生じること
なく、しかも棒材W自体の曲がり等の影響を排除して、
ドリル等の穴明け工具56により棒材Wにその回転軸線
に沿った穴を正確に穿設することが可能になるととも
に、穴明け工具56の破損事故を回避することが可能と
なる。
【0040】図6は、本発明の第3実施形態による補助
ガイド装置100を示す。補助ガイド装置100は、第
1及び第2実施形態による補助ガイド装置10、70の
ガイド部20、72のいずれとも異なる静止支持面を有
したガイド部102を備える。その他の構成については
補助ガイド装置10、70と実質的に同一であるので、
説明を省略する。
【0041】補助ガイド装置100のガイド部102
は、従来周知の固定型ガイドブッシュに類似した構成を
有する。すなわちガイド部102は、担持部材18に固
定されるフレーム部分104と、取付部材106及びス
リーブ部材108を介してフレーム部分104に回転不
能に担持されるブッシュ部材110とを備える。ブッシ
ュ部材110は、前述したガイドブッシュ装置12のガ
イドブッシュ32と実質的同一の構造を有し、その軸線
方向前端(図で左端)領域にすり割り部112が設けら
れるとともに、すり割り部112の内周面が棒材Wを回
転可能に支持する支持面114を構成する。ブッシュ部
材110は、すり割り部112に径方向内方へ加える外
力を調節することによって、支持面114の内径寸法を
調節することができる。すり割り部112の外周面に
は、径方向内方への外力を受けるためのテーパ面116
が設けられる。
【0042】ブッシュ部材110は、スリーブ部材10
8の軸線方向前端領域に軸方向へ摺動可能にかつ回転方
向へ固定して収納される。スリーブ部材108の内周面
前端には、ブッシュ部材110のテーパ面116に当接
可能な対応テーパ面118が形成される。スリーブ部材
108の軸線方向後端領域には、ブッシュ部材110の
外周面後端に設けた雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を有し
た調節ナット120が、軸方向へ固定して回転可能に収
納される。したがって、調節ナット120が回転する
と、ブッシュ部材110がスリーブ部材108内で軸方
向へ移動し、テーパ面116と対応テーパ面118との
相互当接圧力に応じて、支持面114の内径寸法が、支
持対象の棒材Wの外形寸法に対応して調節される。支持
面114は、例えばDLC(ダイヤモンドライクカーボ
ン)等の、耐摩耗性及び機械的強度に優れた超硬材料か
ら形成される。
【0043】補助ガイド装置100が前述した作用位置
にあるときに、ブッシュ部材110に形成された支持面
114は、補助ガイド装置10における支持面26と同
様に、ガイドブッシュ装置12から送り出された棒材W
の延出部分を接触支持する。支持面114は、工具組立
体14(図2)による棒材Wの穴明け加工中に、それ自
体回転することなく棒材Wを摺動支持し、棒材Wの回転
に伴う振れを防止する。それにより補助ガイド装置10
0は、穴明け工具56(図1)の軸線と棒材Wの回転軸
線とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完
了まで可及的に維持することができる。
【0044】このように、本発明の第3実施形態に係る
補助ガイド装置100は、ガイドブッシュ装置12から
所望長さ送り出された棒材Wの延出部分に対し、穴明け
工具56の軸線と棒材Wの回転軸線とが正確に合致した
状態を、穴明け加工の開始から完了まで可及的に維持す
ることができる。それに伴い、工具組立体14による穴
明け作業が、ガイドブッシュ装置12から離れた位置で
実施できるようになる。したがって補助ガイド装置10
0によっても、穴明け工具56を有した工具組立体14
とガイドブッシュ装置12の周辺機器との干渉を生じる
ことなく、しかも棒材W自体の曲がり等の影響を排除し
て、ドリル等の穴明け工具56により棒材Wにその回転
軸線に沿った穴を正確に穿設することが可能になるとと
もに、穴明け工具56の破損事故を回避することが可能
となる。
【0045】図7は、前述した補助ガイド装置10、ガ
イドブッシュ装置12、工具組立体14及び回転主軸1
6を組込んで備えた本発明の一実施形態による自動旋盤
130の外観構成を概略で示す。
【0046】図7に示すように、自動旋盤130は、旋
盤機台132と、旋盤機台132上に立設されたコラム
28に固定的に設置されるガイドブッシュ装置12と、
旋盤機台132上でガイドブッシュ装置12の前方に対
向して配置できる工具組立体14と、ガイドブッシュ装
置12の後方で旋盤機台132上に設置される回転主軸
16とを備える。さらに自動旋盤130は、ガイドブッ
シュ装置12の近傍で旋盤機台132上に設置され、ガ
イドブッシュ装置12から工具組立体14側へ送り出さ
れた棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置(図
7に示す位置)と、作用位置から離れて、棒材に対する
他の工具(例えばバイト134)による加工作業を妨害
しない待機位置との間で移動可能な補助ガイド装置10
を備える。
【0047】補助ガイド装置10は、図示実施形態で
は、バイト134等の多数の工具を装着可能な刃物台1
36に、それら工具に並置して固定される板状の担持部
材18を備える。担持部材18の自由端には、図1に示
すガイド部20が固定的に連結される。刃物台136
は、補助ガイド装置10を伴って、旋盤機台132上で
前述したX軸に相当するX1軸方向へ移動できる。さら
に刃物台136は、X1軸及び前述したZ1軸に直交す
るY軸方向へも移動できる。したがって補助ガイド装置
10は、刃物台136のX1軸移動により、前述した作
用位置と待機位置との間を移動する。
【0048】ガイドブッシュ装置12は、回転主軸16
に掴持された棒材を工具(例えば穴明け工具56やバイ
ト134)による加工作業位置近傍で回転自在に支持す
る。ガイドブッシュ装置12のガイドブッシュ32は、
図1に示すような回転型ガイドブッシュか、又は周知の
固定型ガイドブッシュから構成できる。工具組立体14
は、図示実施形態では、穴明け工具56を含む複数の工
具を装着可能な刃物台としての工具保持部材52を備え
る。工具保持部材52は、旋盤機台132上で前述した
Z3軸方向及びZ3軸に直交するX2軸方向へ移動可能
な送り台138上に設置される。回転主軸16は、チャ
ック58により旋削加工すべき棒材を掴持して、回転可
能かつ前述したZ1軸方向へ移動可能に旋盤機台132
上に設置される。
【0049】上記構成を有する自動旋盤130におい
て、穴明け工具56による穴明け加工を実施する際に
は、まず旋盤機台132上で送り台138のX2軸移動
により工具組立体14をガイドブッシュ装置12に同心
状に対向配置して、穴明け工具56を、ガイドブッシュ
32から軸線方向へ離れた位置に配置する。他方、補助
ガイド装置10は、刃物台136のX1軸方向移動によ
り、ガイドブッシュ装置12に近接した図示の作用位置
に置かれる。この状態で、チャック58に掴持した棒材
を回転主軸16のZ1軸移動によりガイドブッシュ装置
12に挿入し、ガイドブッシュ32から所望長さ送り出
すとともに、補助ガイド装置10にその延出部分を支持
させる。その後、穴明け加工が、図3に関連して説明し
たように、工具組立体14のZ3軸移動の下で実施され
る。
【0050】穴明け加工中には、補助ガイド装置10
が、ガイドブッシュ装置12から送り出された棒材の延
出部分に対し、穴明け工具56の軸線と棒材の回転軸線
とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了
まで可及的に維持することができる。それに伴い、工具
組立体14による穴明け作業が、ガイドブッシュ装置1
2から離れた位置で実施できるようになる。したがって
自動旋盤130によれば、補助ガイド装置10の作用に
より、穴明け工具56を有した工具組立体14とガイド
ブッシュ装置12の周辺機器との干渉を生じることな
く、しかも棒材自体の曲がり等の影響を排除して、ドリ
ル等の穴明け工具56により棒材にその回転軸線に沿っ
た穴を正確に穿設することが可能になるとともに、穴明
け工具56の破損事故を回避することが可能となる。
【0051】図8は、前述した補助ガイド装置10、ガ
イドブッシュ装置12、工具組立体14及び回転主軸1
6を組込んで備えた本発明の他の実施形態による自動旋
盤140の外観構成を概略で示す。
【0052】図8に示すように、自動旋盤140は、旋
盤機台142と、旋盤機台142上に立設されたコラム
28に固定的に設置されるガイドブッシュ装置12と、
旋盤機台142上でガイドブッシュ装置12の前方に対
向して配置できる工具組立体14と、ガイドブッシュ装
置12の後方で旋盤機台142上に設置される回転主軸
16とを備える。さらに自動旋盤140は、ガイドブッ
シュ装置12の近傍で旋盤機台142上に設置され、ガ
イドブッシュ装置12から工具組立体14側へ送り出さ
れた棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置(図
8に示す位置)と、作用位置から離れて、棒材に対する
他の工具による加工作業を妨害しない待機位置との間で
移動可能な補助ガイド装置10を備える。
【0053】補助ガイド装置10は、図示実施形態で
は、バイト等の多数の工具を装着可能なタレット刃物台
144の所望の割出位置に固定される板状の担持部材1
8を備える。担持部材18の自由端には、図1に示すガ
イド部20が固定的に連結される。タレット刃物台14
4は、補助ガイド装置10を伴って、旋盤機台142上
で前述したZ2軸方向及びZ2軸に直交するX軸方向へ
移動できる。したがって補助ガイド装置10は、タレッ
ト刃物台144のX軸移動又は割出回転により、前述し
た作用位置と待機位置との間を移動する。
【0054】ガイドブッシュ装置12は、回転主軸16
に掴持された棒材を工具(例えば穴明け工具56)によ
る加工作業位置近傍で回転自在に支持する。ガイドブッ
シュ装置12のガイドブッシュ32は、図1に示すよう
な回転型ガイドブッシュか、又は周知の固定型ガイドブ
ッシュから構成できる。工具組立体14は、図示実施形
態では、ガイドブッシュ装置12に対向して棒材を掴持
可能な背面主軸としての工具保持部材52を備える。背
面主軸としての工具保持部材52は、チャック部材54
に穴明け工具56を掴持して回転することができる。ま
た工具保持部材52は、Z2軸に平行なZ3軸方向へ移
動できるようになっている。回転主軸16は、チャック
58により旋削加工すべき棒材を掴持して、回転可能か
つ前述したZ1軸方向へ移動可能に旋盤機台142上に
設置される。
【0055】上記構成を有する自動旋盤140におい
て、穴明け工具56による穴明け加工を実施する際に
は、まず旋盤機台142上で工具組立体14をガイドブ
ッシュ装置12に同心状に対向配置し、穴明け工具56
を、ガイドブッシュ32から軸線方向へ離れた位置に配
置する。他方、補助ガイド装置10は、タレット刃物台
144のX軸方向移動により、ガイドブッシュ装置12
に近接した図示の作用位置に置かれる。この状態で、チ
ャック58に掴持した棒材を回転主軸16のZ1軸移動
によりガイドブッシュ装置12に挿入し、ガイドブッシ
ュ32から所望長さ送り出すとともに、補助ガイド装置
10にその延出部分を支持させる。その後、穴明け加工
が、図4に関連して説明したように、回転主軸16のZ
1軸移動及び補助ガイド装置10のZ2軸移動の下で実
施される。なお自動旋盤140では、回転主軸16のZ
1軸送り及び補助ガイド装置10のZ2軸移動と同時
に、工具保持部材52をZ3軸移動させることができ
る。この場合、穴明け加工時には棒材Wと穴明け工具5
6との双方を相互接近方向へ移動させ、加工終了ととも
にそれらを互いに逃がすようにプログラムすることによ
り、加工時間を短縮することができる。
【0056】穴明け加工中には、補助ガイド装置10
が、ガイドブッシュ装置12から送り出された棒材の延
出部分に対し、穴明け工具56の軸線と棒材の回転軸線
とが正確に合致した状態を、穴明け加工の開始から完了
まで可及的に維持することができる。それに伴い、工具
組立体14による穴明け作業が、ガイドブッシュ装置1
2から離れた位置で実施できるようになる。したがって
自動旋盤140によれば、補助ガイド装置10の作用に
より、穴明け工具56を有した工具組立体14とガイド
ブッシュ装置12の周辺機器との干渉を生じることな
く、しかも棒材自体の曲がり等の影響を排除して、ドリ
ル等の穴明け工具56により棒材にその回転軸線に沿っ
た穴を正確に穿設することが可能になるとともに、穴明
け工具56の破損事故を回避することが可能となる。な
お、自動旋盤140では、背面主軸としての工具保持部
材52に穴明け工具56を装着し、穴明け工具56を回
転できるようにしたので、棒材と穴明け工具56との双
方を回転させて穴明け加工を実施することにより、棒材
に穿設された穴の直進性を一層向上させることができ
る。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ガイドブッシュ装置を備えた自動旋盤で補助
ガイド装置を使用することにより、穴明け工具を有した
工具組立体とガイドブッシュ装置周辺機器との干渉を生
じることなく、しかも棒材自体の曲がりや回転主軸の先
端領域の振れの影響を排除して、穴明け工具を用いて棒
材にその回転軸線に沿った穴を高度な直進性の下に正確
に穿設することが可能になるとともに、穴明け工具の破
損事故を回避することが可能となる。特に本発明は、細
径の棒材や、プラスチック等の軟質材料からなる棒材
に、深い穴を穿設する場合に、著しい効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による補助ガイド装置
を、ガイドブッシュ装置とともに作用位置で示す部分断
面図である。
【図2】図1の補助ガイド装置を、ガイドブッシュ装
置、工具組立体及び回転主軸とともに穴明け加工開始位
置で示す部分断面図である。
【図3】図1の補助ガイド装置を、ガイドブッシュ装
置、工具組立体及び回転主軸とともに穴明け加工完了位
置で示す部分断面図である。
【図4】図1の補助ガイド装置を、ガイドブッシュ装
置、工具組立体及び回転主軸とともに他の穴明け加工完
了位置で示す部分断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による補助ガイド装置を
示す部分断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態による補助ガイド装置を
示す部分断面図である。
【図7】図2の補助ガイド装置、ガイドブッシュ装置、
工具組立体及び回転主軸を備えた本発明の一実施形態に
よる自動旋盤の外観構成を示す概略斜視図である。
【図8】図2の補助ガイド装置、ガイドブッシュ装置、
工具組立体及び回転主軸を備えた本発明の他の実施形態
による自動旋盤の外観構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10、70、100…補助ガイド装置 12…ガイドブッシュ装置 14…工具組立体 16…回転主軸 18…担持部材 20、72、102…ガイド部 26、84、114…支持面 28…コラム 32…ガイドブッシュ 56…穴明け工具 58…チャック 80、110…ブッシュ部材 130、140…自動旋盤 132、142…旋盤機台

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転主軸に掴持された棒材を加工作業位
    置近傍で回転自在に支持するガイドブッシュ装置と、該
    ガイドブッシュ装置に対向して配置でき、棒材にその回
    転軸線に沿った穴を穿設できる工具組立体とを備えた自
    動旋盤に設置される補助ガイド装置であって、 前記ガイドブッシュ装置から前記工具組立体側へ送り出
    された棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置
    と、該作用位置から離れた待機位置との間で移動でき、 前記作用位置にあるときに前記棒材の前記延出部分を受
    容支持する略円筒状の支持面を備え、前記工具組立体に
    よる棒材穴明け加工中に、該支持面により、該棒材の回
    転軸線を該工具組立体の工具軸線に実質的に合致した状
    態に保持すること、を特徴とする旋盤用補助ガイド装
    置。
  2. 【請求項2】 前記作用位置において、前記回転主軸に
    掴持された棒材の軸線方向送り動作に伴って、該軸線方
    向へ直線的に移動できるように構成された請求項1に記
    載の旋盤用補助ガイド装置。
  3. 【請求項3】 前記支持面が、穴明け加工中の棒材の回
    転動作に伴って回転できるように構成された請求項1又
    は2に記載の旋盤用補助ガイド装置。
  4. 【請求項4】 前記支持面が超硬材料から形成される請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の旋盤用補助ガイド装
    置。
  5. 【請求項5】 回転主軸に掴持された棒材を加工作業位
    置近傍で回転自在に支持するガイドブッシュ装置と、該
    ガイドブッシュ装置に対向して配置でき、棒材にその回
    転軸線に沿った穴を穿設できる工具組立体とを具備した
    自動旋盤において、 前記ガイドブッシュ装置から前記工具組立体側へ送り出
    された棒材の延出部分を回転自在に支持する作用位置
    と、該作用位置から離れた待機位置との間で移動可能な
    補助ガイド装置を具備し、 前記補助ガイド装置は、前記作用位置にあるときに前記
    棒材の前記延出部分を受容支持する略円筒状の支持面を
    備え、前記工具組立体による棒材穴明け加工中に、該支
    持面により、該棒材の回転軸線を該工具組立体の工具軸
    線に実質的に合致した状態に保持すること、を特徴とす
    る自動旋盤。
  6. 【請求項6】 前記補助ガイド装置は、前記作用位置に
    おいて、前記回転主軸に掴持された棒材の軸線方向送り
    動作に伴って、該軸線方向へ直線的に移動できるように
    構成された請求項5に記載の自動旋盤。
  7. 【請求項7】 前記補助ガイド装置の前記支持面が、穴
    明け加工中の棒材の回転動作に伴って回転できるように
    構成された請求項5又は6に記載の自動旋盤。
  8. 【請求項8】 前記補助ガイド装置の前記支持面が超硬
    材料から形成される請求項5〜7のいずれか1項に記載
    の自動旋盤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8464618B2 (en) 2007-03-28 2013-06-18 Citizen Holdings Co., Ltd. Numerically controlled lathe with guide bush, and method of processing workpiece by using the numerically controlled lathe
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TWI680818B (zh) * 2018-12-13 2020-01-01 鎂亞精密股份有限公司 深孔滾珠螺紋硬式車削加工法及應用其之車床設備
CN113784812A (zh) * 2019-04-25 2021-12-10 育良精机株式会社 棒材供送装置

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