JPH11319705A - アルミニウム合金塗装板の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金塗装板の製造方法

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JPH11319705A
JPH11319705A JP13659598A JP13659598A JPH11319705A JP H11319705 A JPH11319705 A JP H11319705A JP 13659598 A JP13659598 A JP 13659598A JP 13659598 A JP13659598 A JP 13659598A JP H11319705 A JPH11319705 A JP H11319705A
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JP
Japan
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aluminum alloy
alloy plate
coating
baking
sec
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JP13659598A
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English (en)
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Kazuharu Kitagawa
一治 北川
Bunji Jido
文治 慈道
Yasuo Toba
安雄 鳥羽
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性塗料を用いても外観不良や塗膜剥離など
の塗膜不良がなく、しかも、製造効率に優れた厚膜塗装
のアルミニウム合金塗装板の製造方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム合金板に水性塗料を塗布
し、焼付を行う工程を備えた、塗膜量が40〜200m
g/dm2 のアルミニウム合金塗装板の製造方法におい
て、塗装直後に連続的に焼付を行う際に、合金板昇温速
度を5〜20℃/secに制御することを特徴とするア
ルミニウム合金塗装板の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】アルミニウム合金塗装板の製
造方法に関し、特に水性塗料を塗布したアルミニウム合
金塗装板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金塗装板の製造は一般
に、アルミニウム合金条に連続的に塗料を塗布し、焼付
を行うコイルコーティングにより行われる。コイルコー
ティングによれば、高速かつ大量にアルミニウム合金塗
装板を製造することができるため、建築用材料、家庭電
化製品外板、缶蓋材料等の大量生産品に広く用いられて
いる。
【0003】塗料としては従来、有機溶剤を使用した溶
剤型塗料が用いられてきたが、溶剤型塗料は乾燥時に発
生する排気ガスの処理や良好な作業環境の維持のために
大がかりな設備を必要としたりするので、近年は低溶剤
型または無溶剤型塗料に移行しつつあり、一部の塗装板
の製造では低溶剤型または無溶剤型塗料、例えば水性塗
料による塗装が実用化されてきている。低溶剤型または
無溶剤型塗料による塗装は、焼付時に多量の有機溶剤を
蒸発させることもなく省資源の面でも優れている。
【0004】缶蓋用材料としてのアルミニウム合金塗装
板でも従来の溶剤型塗料から水性塗料への切り替えが進
みつつあり、塗膜厚さの薄い塗装板への適用はなされて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、塗膜が比較
的厚い、例えば塗膜量40mg/dm2 以上の塗装板の
製造に水性塗料を使用すると、外観不良や塗膜密着性の
低下などの塗膜の不良が生じるという問題があった。
【0006】すなわち、有機溶剤を多用する溶剤型塗料
では、沸点の異なる多種の溶剤を混合して乾燥時に徐々
に粘度が上昇するように調整することができたが、水性
塗料ではその溶媒のほとんどが水であるために焼付時に
ある温度域で一気に塗料が乾燥してしまう。その結果、
塗膜中の溶媒や塗料中に巻き込んだ微細な気泡が塗膜中
から抜け出す前に、塗膜表面が乾燥してしまい、塗膜中
の溶媒が蒸発したり、気泡が体積膨張する時に塗膜中に
フクレを生じる現象(以下、「ワキ」と称する)が生じ
やすくなり、外観が悪くなったり、塗膜が剥離しやすく
なる原因となっていた。このワキの発生を抑えるために
はライン速度を下げて、昇温温度を小さくしなければな
らないため、焼付に要する時間が増大し、製造効率の大
幅な低下が避けられなかった。
【0007】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、水性塗料を用いても外観不良や塗膜剥
離などの塗膜不良がなく、しかも、製造効率に優れた厚
膜塗装のアルミニウム合金塗装板の製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明においては、アル
ミニウム合金板に水性塗料を塗布し、焼付を行う工程を
備えた、塗膜量が40〜200mg/dm2 のアルミニ
ウム合金塗装板の製造方法において、塗装直後に連続的
に焼付を行う際に、アルミニウム合金板が120℃に達
するまでの合金板昇温速度を5〜20℃/secに制御
することを特徴とするアルミニウム合金塗装板の製造方
法が提供される。また、焼付工程時のアルミニウム合金
板昇温速度を上記の通り制御するとともに合金板の表面
風速を0.1〜10m/secとすると塗膜密着性、生
産性の点で好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明においては、水性塗料を塗
布したアルミニウム合金塗装板を製造する際、その焼付
工程において、アルミニウム合金板が120℃に達する
までのアルミニウム合金板昇温速度を5〜20℃/se
cに制御することが必須である。アルミニウム合金板が
120℃に達するまでの昇温速度が20℃/secを越
えると塗膜の粘度上昇が早く進行し、焼付早期に塗膜表
面が乾燥してしまい、ワキが発生する。5℃/sec未
満であると塗膜密着性が不十分であり、折り曲げ加工時
に塗膜が剥離しやすくなる。また、アルミニウム合金板
が120℃に達するまでの表面風速は0.1〜10m/
secとするのが好ましい。表面風速が0.1m/se
c未満の場合、合金板表面に対する雰囲気の熱伝達係数
が極端に低下するので、合金板を所定の温度とするため
に通板速度を下げるか、炉の設定温度を上げる必要があ
り、生産性を阻害し、コストアップを招くので実用的で
ない。塗膜表面の急速な乾燥は塗膜密着性に影響するの
で、合金板の表面風速は10m/secを越えないこと
が好ましい。
【0010】水性塗料を塗布したアルミニウム合金塗装
板を製造する際、その焼付工程において、アルミニウム
合金板が120℃に達するまでの合金板昇温速度を5〜
20℃/secに制御することによって、塗膜量が40
〜200mg/dm2 の塗膜厚みが比較的大きなアルミ
ニウム合金塗装板でも、ワキの発生を防止することがで
き、外観不良、塗膜剥離などの不良が極めて少ないアル
ミニウム合金塗装板を製造することができる。
【0011】本発明において用いられるアルミニウム合
金としては、特に制限されない。缶蓋用とする場合に
は、Al−Mg系合金、例えば5052、5182、3
004等が挙げられる。
【0012】アルミニウム合金塗装板は、まずアルミニ
ウム合金をアルミニウム合金条に成形し、得られたアル
ミニウム合金条に化成処理等の前処理を施した後、水性
塗料を連続的にロールコートしたロールコート材とす
る。次いで、ロールコート材に本発明で規定した表面風
速および昇温速度で焼付を開始し、所定の焼付を行って
アルミニウム合金塗装板を得る。焼付はガスオーブン加
熱方式が一般的に行われている。
【0013】焼付時間は塗料の種類や塗膜厚さにもよる
が概ね45秒以内、金属帯板の焼付時の最高到達温度は
200〜330℃に設定されていることが多い。
【0014】水性塗料は、溶媒の主成分が水であり、そ
の他アルコール等の極性溶剤を含有する場合が多い。溶
媒に分散させる樹脂としては、エポキシアクリル系、エ
ポキシウレア系、アクリル系、ウレタン系などが挙げら
れる。また、成形加工を容易にするために、アルミニウ
ム合金塗装板に潤滑性を付与することが行われており、
ラノリン、ポリエチレンワックス、カルナヴァワック
ス、マイクロクリスタリンワックス等のワックスを塗料
の固形分に対して数%以下配合した塗料を用いることも
ある。塗布方法は、ロールコータ法、スプレー法または
浸漬法などいずれでも構わない。
【0015】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示す。J
IS5182のアルミニウム合金を常法により、熱延、
冷延後、焼鈍して板厚0.25mmのアルミニウム合金
条を作製し、脱脂、アルカリエッチング、リン酸クロメ
ート処理を施した。
【0016】(実施例1)ロールコータでアルミニウム
合金条にエポキシ・アクリル樹脂系水性塗料(日本ペイ
ント社製、キャンライナーFD400)を乾燥後の塗膜
量が40mg/dm2 となるように塗布した後、焼付時
間20秒、最高到達温度250℃、120℃に到達する
までのアルミニウム合金昇温速度を16℃/sec、ア
ルミニウム合金表面風速を5m/secとして焼付を行
い、実施例1のアルミニウム合金塗装板を得た。なお、
表面温度はハンディタイプの放射温度計で塗装板表面か
ら1cm程度上方の部分を測定し、表面風速は微風速計
で測定した。
【0017】(実施例2〜12)(比較例1〜4) 表1に示す塗膜量と焼付条件とした以外は実施例1と同
様にして実施例2〜12および比較例1〜4のアルミニ
ウム合金塗装板を作製した。
【0018】(従来例1、2)表1に示す塗装条件と焼
付条件とした以外は実施例1と同様にして従来例1、2
のアルミニウム合金塗装板を作製した。
【0019】以下の項目でアルミニウム合金塗装板の評
価を行った。結果を表1に併せて示す。 (塗装外観評価) ◎:表面が平滑で顕微鏡による観察でもワキが認められ
ない。 ○:表面が平滑で肉眼ではワキが確認できない。 ×:表面が平滑でなく、肉眼でワキが確認できる。
【0020】(塗膜剥離強度)アルミニウム合金塗装板
から切り出した5mm×150mmの試験板2枚の間に
ホットメルトフィルムを挟み、ホットプレスにて200
℃で30秒間圧着して試験片とし、引っ張り試験機にて
試験片の剥離強度を測定した(Tピール剥離強度)。
【0021】(折り曲げ加工試験)圧延方向に沿って2
0mm幅に切り出したアルミニウム合金塗装板を片端か
ら約30mm、約300度手曲げして間に0.75mm
のスペーサーを挟んだ試験片を作製し、この試験片に、
42cmの高さから3kgの荷重を落下させた。荷重の
落下によって折り曲げられた試験片の折れ曲がり部頂点
を電解液(1%食塩+0.02%ラピゾール水)に浸し
て、試験片−電解液間に6.5Vの電圧を加えて6秒後
の通電値を測定した。通電値は加工による塗膜の損傷程
度の目安となるもので、この値が大きいほど加工後の塗
膜損傷が大きいことを示す。本実施例では通電値が0〜
10mAを○、10mAを越えたものを×とした。
【0022】
【表1】
【0023】アルミニウム合金条が120℃に達するま
でのアルミニウム合金昇温速度が5〜20℃/secと
なるように調整して焼付を行った実施例1〜12のアル
ミニウム合金塗装板は、塗膜厚みが大きくても塗装外
観、折り曲げ加工性に優れたものとなっている。一方、
アルミニウム合金条が120℃に達するまでのアルミニ
ウム合金昇温速度が上記の範囲をはずれると、比較例1
〜4のように塗装外観、折り曲げ加工性などの塗膜性能
が劣るものとなった。したがって、従来例1、2のよう
に溶剤系の塗料を用いれば塗膜量が大きくても良好な塗
膜性能が得ことができるが、水性系の塗料を用いる場合
には実施例1〜12のように120℃に達するまでのア
ルミニウム合金昇温速度を規定の範囲に制御する必要が
あることがわかる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、水性塗料を用いた、塗
膜が比較的厚いアルミニウム合金塗装板でも、塗装外
観、塗膜性能を損なうことなく高速のコイルコーティン
グが可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム合金板に水性塗料を塗布
    し、焼付を行う工程を備えた、塗膜量が40〜200m
    g/dm2 のアルミニウム合金塗装板の製造方法におい
    て、塗装直後に連続的に焼付を行う際に、アルミニウム
    合金板が120℃に達するまでのアルミニウム合金板昇
    温速度を5〜20℃/secに制御することを特徴とす
    るアルミニウム合金塗装板の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム合金板に水性塗料を塗布
    し、焼付を行う工程を備えた、塗膜量が40〜200m
    g/dm2 のアルミニウム合金塗装板の製造方法におい
    て、塗装直後に連続的に焼付を行う際に、アルミニウム
    合金板が120℃に達するまでのアルミニウム合金板の
    表面風速を0.1〜10m/sec、アルミニウム合金
    板昇温速度を5〜20℃/secに制御することを特徴
    とするアルミニウム合金塗装板の製造方法。
JP13659598A 1998-05-19 1998-05-19 アルミニウム合金塗装板の製造方法 Pending JPH11319705A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005066439A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Furukawa Sky Kk 成形性に優れる樹脂被覆金属板材およびその製造方法
JP2012005916A (ja) * 2010-06-22 2012-01-12 Furukawa-Sky Aluminum Corp 缶蓋用アルミニウム合金塗装板の製造方法および缶蓋用アルミニウム合金塗装板

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JP2005066439A (ja) * 2003-08-22 2005-03-17 Furukawa Sky Kk 成形性に優れる樹脂被覆金属板材およびその製造方法
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Effective date: 20040202

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