JP2529124B2 - 水系無機塗料の焼付方法 - Google Patents

水系無機塗料の焼付方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、各種金属製品、及びガラス、セラミック
ス、タイル、スレートなどの無機質材料の表面に水系無
機塗料により形成された塗膜に、ブツ、ワレ、及び剥離
等を生じせしめない新規な焼付け方法に関するものであ
る。
(従来の技術) アルカリ珪酸塩系セラミックコーティング剤を初めと
する水系無機塗料は、その高い耐食性、耐薬品性、耐摩
耗性、耐候性、耐熱性、さらには従来の有機塗料の塗膜
外観とは趣を異にした意匠性を特長とすることから、建
材や構造材の分野で大きな注目を集めている。特に同じ
様な耐候性、耐摩耗性、耐食性、耐薬品性を目的として
注目を集めているフッ素樹脂塗料に比べて水系無機塗料
はコスト的に安価で、かつ同等の性能を有している。
しかし水系有機塗料を含めて水系塗料全般にみられる
塗装作業上の欠点が本塗料においても該当する。すなわ
ち塗料溶剤に水を使用する限り溶剤としての水の物理的
挙動を大きく制御することができないために、塗膜は塗
装時、及び焼付けまでのセッティング時の温度、湿度な
どの環境条件の影響を大きく受けることにより、塗膜か
らの水分の蒸発挙動が環境によって異なり塗膜外観を大
きく変動させるということである。また特に水系無機塗
料の場合では、有機塗料に比べて水分蒸発による塗膜の
粘度上昇が極めて大きく、これら環境条件の影響をより
顕著に受けるだけでなく、焼付け時の昇温方法について
も充分な注意を払う必要がある。
通常の塗装ラインは塗装後に10〜20分程度のセッティ
ングゾーンが設けてあり、しかも熱風焼付け炉等に直結
しているために、このセッティングゾーンから高温の乾
燥炉に至るまでの区間は高温低湿の乾燥しやすい雰囲気
となっている。また、通常の熱風式焼付け炉は、その温
度分布を詳細に制御できるように設計されていない。
(発明が解決しようとする課題) 従ってこの様な実際の塗装設備を考慮して、水系無機
塗料の塗装作業性の問題点を具体的にまとめると次のよ
うになる。
1.セッティングゾーンにおいて塗膜の不完全な乾燥、収
縮、及び硬化が起こり、焼付け後に微細なクラックを伴
った外観となる。
2.1に述べた不完全な乾燥状態では、素材と塗膜との密
着性が充分得られないので素材によってはセッティング
後、もしくは焼付け後に剥離が生じる。
3.塗料(特にアルカリ珪酸塩系クリア塗料)によって
は、たとえばセッティング時の塗膜の不完全な乾燥がな
くても、熱風乾燥時などに雰囲気の流れ(風)が存在す
ると2と同様な剥離を生じるものがある。
4.常温から直接焼付け温度に加熱すると塗膜にフクレが
生じる。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは水系無機塗料による塗装の際に見られる
前述の問題点を解決するために、セッティング時の塗膜
の乾燥挙動、並びに焼付け時の水分蒸発挙動を詳細に検
討した結果、セッティングゾーンに赤外線加熱装置を設
けることによりセッティング時間を短縮し、かつこの赤
外線加熱による昇温速度の大きな予備加熱を行った後に
通常の加熱炉で最終的な焼付けを行なうことにより、ブ
ツ、クラック、及び剥離の無い、ツヤのある良好な塗膜
外観を再現性良く得ることができた。
以下に本発明の基本的な概念について説明する。
本発明者らは水系無機塗料の最終塗膜外観はそれが得
られるまでの各段階における、水分の蒸発挙動に強く影
響されると考え、特に塗装後のセッティング、及び焼付
け時の2つの段階における水分蒸発挙動について鋭意検
討を行った。その結果、塗装後のセッティングについて
は、セッティング環境が乾燥状態(例えば温度20℃、相
対湿度20%)では湿潤状態(例えば温度20℃、相対湿度
70%)に比べ約15分間のセッティングでカラーコンピュ
ーターにより、塗膜のツヤの度合を代表する光沢度を測
定したところ、その値が50%減少すること、さらにセッ
ティング環境がより高乾燥状態(例えば温度40〜50℃、
相対湿度20%)では塗膜のワレや剥離の発生がみられる
ことより、良い塗膜外観を得るためにはできるだけセッ
ティング時間を短縮することが必要であることを見出し
た。
また水系無機塗料の塗膜性能を充分に発揮させるため
には230℃程度の温度での焼付けが必要であるが例えば
アルカリ珪酸塩系の水系無機塗料を示差熱分析等で分析
すると150〜180℃において水分の蒸発に伴う鋭い吸熱ピ
ークと重量減少が観察され、事実この付近での昇温を急
激に行うと塗膜のフクレが発生する。従って理想的には
150〜180℃より低い温度での焼付け(予備焼付け乾燥)
と、それより高い温度での焼付けの2段階の焼付けを行
うことが必要であるという新たな知見も得ることができ
たのである。
以上の知見に基づいてさらに検討を進めた結果、本発
明者らは通常の塗装ラインにおいて、水系無機塗料を塗
装するに際し、前述の諸問題を解決し得る適切なる手段
として塗装後のセッティングゾーン内に改善策を施すこ
と、即ち、セッティングゾーン内に赤外線加熱手段を設
けて実質的なセッティング時間の短縮を計り、予備焼付
け乾燥を行なうことを発想するに至ったのである。特に
セッティングゾーンにおける予備焼付け乾燥に赤外線加
熱を適用するのは、セッティング時間を全体としてでき
るだけ短縮するために急速な加熱方法が求められるの
と、従来の熱風炉では雰囲気の移動(風)が大きく、セ
ッティング直前の塗膜環境を乱してしまうこと、アルカ
リ珪酸塩系クリア塗料では「風」により塗膜剥離が生じ
てしまうこと、等のためである。また赤外線加熱による
メリットとして、加熱条件を電気的に制御することが可
能であるために、塗膜外観に最も敏感な第1段目の加熱
ゾーンの加熱条件を極めて精密に制御することが可能で
ある。等を挙げることができる。
本発明の方法においては、セッティング時間は極力短
縮化すべきであり、塗装プロセスの都合上やむ得ない場
合は10分間を限度としてセッティングを行なわなければ
ならない。また焼付けは予備焼付け乾燥と本焼付けの2
段階で行ない、1段目の予備焼付けは昇温速度の大きな
赤外線加熱を用い、被塗物が10℃/分以上の昇温速度で
100〜150℃に加熱されるまで行なうことで充分である
が、前記温度範囲内でさらに維持しても差し支えない。
ここで予備焼付け乾燥の昇温速度はより好ましくは50
℃/分以上とすべきである。これは昇温速度が大きくな
ることで予備焼付け乾燥ゾーンが短くてすむために、ス
ペース、及び設備コスト的に有利になるからである。そ
れがための適切な手段としては前述の通り赤外線加熱を
用いることであり、かくして50℃/分程度の昇温速度は
容易に得ることができる。
さらに2段目の本焼付けは加熱方法は限定されない
が、おおよそ230℃、すなわち200〜250℃の温度で15〜3
0分間保持されることが好ましい。
(作用) セッティング時間を極力短縮することにより、被塗物
表面に近接した未乾燥塗膜部(第1図のイの部分)と未
乾燥塗膜の表面部(第1図のロの部分)の水分含有量を
ほぼ同様に保持しつつ焼付け乾燥が可能であることが想
定される。つまりセッティング中での水分蒸発は主に塗
膜の表面において起こるため、セッティング時間が長く
なると塗膜のイ付近に比べ、ロ付近のみが乾燥状態とな
って収縮、固化する。このロ付近の塗膜の乾燥収縮は塗
膜のワレや剥離となって現れ、しかも焼付け時にはイ付
近の水分がロ付近の固化した塗膜を撃ち破って蒸発する
のでフクレとなって現れる。従って焼付け前の塗膜は厚
さ方向の、換言すればイとロの水分含有量が均一である
ことが必要となる。
次に予備焼付け乾燥を導入した2段階焼付け法は、上
述に説明したとうり、アルカリ珪酸塩系塗料に代表され
る水系無機塗料の150〜180℃における急激な水分蒸発を
緩和する。従って1段階のみで焼付けを行った場合のこ
の温度領域の急激な通過による塗膜のフクレを防止する
ことができる。
また予備焼付け乾燥に赤外線加熱を用いることにより
被塗物を非常に高速に昇温することができる。もし10℃
/分未満での緩慢な昇温が行なわれるとその状況は即
ち、長いセッティングに等しい効果をもたらすため、セ
ッティング短縮の作用で既に述べたのと同様に、塗膜の
厚さ方向での不均一な水分蒸発を助長することになる。
従ってこの様な状況を防止するためにも赤外線加熱によ
る急速な加熱が必要となる。赤外線加熱による昇温状況
はその被塗物の厚さ、形状、及び材質に影響されるもの
の、他の加熱方法に比べ、前後工程の雰囲気を壊さず
に、はるかに大きな昇温速度を得ることができる。特に
水系無機塗料では赤外線吸収効率が良好なためこの様な
目的には都合がよい。第2図に下記条件において水系無
機塗料の焼付け乾燥に赤外線加熱を適用した例を示す。
第2図には赤外線加熱時間に対する無塗装板と、4色
(クリア、黒、緑、ゴールド)の水系無機塗料塗装板の
温度上昇カーブが示されている。これより明らかなよう
に本塗料は充分赤外線を吸収し、約1分間で100℃の温
度に達している。従って赤外線加熱を用いることにより
極めて急速な加熱が可能となり、塗装後のセッティング
の悪影響を最小限に押えながら焼付けが可能であること
がわかる。
第2図の条件 ◎基板:SUS−304板(150×70×0.4/mm)をアルカリ脱脂
したもの ◎塗装:アルカリ珪酸塩系無機塗料 日本パーカライジング(株)製パルセラコート−100S
(クリア) 同 −400S
(黒) 同 −300S
(緑) 同 −1000
(ゴールド) 〜を約15μmスプレー塗布。
◎焼付け:遠赤外線加熱装置 (加熱密度:0.86W/cm2、赤外線源からの距離:15cm)に
よる。
さらに赤外線加熱は急速な加熱が可能であるために、
省スペースという点で有利であり、装置は取付けも簡単
で、電気的な加熱であれため詳細な制御が可能である。
従って現状のセッティングゾーンに取り付けることによ
り大幅な設備改造無しにセッティング時間の短縮も同時
に達成可能となる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を比較例と共に挙げ、その効果
を具体的に説明する。
実施例1、比較例1 アルカリ珪酸塩系水溶性無機塗装の、塗装工場を想定
したセッティングに対する赤外線予備加熱の効果をカラ
ーコンピューターによる光沢度、目視による外観判定、
及びテープ剥離テストにより確認した。
◎基板:SUS−304板(150×70×0.4/mm)をアルカリ脱脂
したもの ◎塗装:日本パーカライジング(株)製パルセラコート
−600S(赤)を約15μmスプレー塗装。
◎セッティング、及び焼付け方法: 実施例1:セッティング(雰囲気温度20℃、5分)→遠赤
外線予備加熱(昇温速度100℃/分で130℃まで加熱)→
熱風炉による焼付け(230℃、20分) 比較例1:セッティング(雰囲気温度50℃、30分)→熱風
炉による予備焼付け(150℃、20分)→熱風炉による焼
付け(230℃、20分)…現状の塗装工場想定条件 SUS−304材に対する水溶性無機塗装における、セッテ
ィングと赤外線予備加熱の効果を比較した。これよりわ
かるように現状の塗装工場を想定した厳しいセッティン
グ条件(比較例1)では光沢がなく、塗膜に剥離がみら
れるのに対し、セッティング条件を緩和し、赤外線加熱
で置き換えると(実施例1)非常に良好な塗膜が得られ
ることがわかる。
実施例2〜3、比較例2〜3 アルカリ珪酸塩系水溶性無機塗装の塗装工場を想定し
たセッティングに対する赤外線予備加熱の効果をカラー
コンピューターによる光沢度、目視による外観判定、及
びテープ剥離テストにより確認した。
◎基板:アルミ板(A−5052 150×70×2/mm)をクロメ
ート処理(日本パーカライジング(株)製パルボンド71
3したもの) ◎塗装:日本パーカライジング(株)製パルセラコート
−600S(赤)を約15μmスプレー塗装。
◎セッティング、及び焼付け方法: 実施例2:セッティング(雰囲気温度20℃、5分)→遠赤
外線予備加熱(実施例1と同じ条件)→熱風炉による焼
付け(230℃,20分) 実施例3:セッティング(雰囲気温度50℃、10分)→遠赤
外線予備加熱(実施例1と同じ条件)→熱風炉による焼
付け(230℃、20分) 比較例2:セッティング(雰囲気温度50℃、30分)→熱風
炉による予備焼付け(150℃、20分)→熱風炉による焼
付け(230℃、20分)…現状の塗装工場想定条件 比較例3:セッティング(雰囲気温度50℃、20分)→遠赤
外線予備加熱(実施例1と同じ条件)→熱風炉による焼
付け(230℃、20分) 同様にクロメート処理したアルミウム材に対する、セ
ッティングと赤外線加熱効果を比較した。これより明ら
かなように現状の塗装工場を想定した比較例2では光沢
がなく、塗膜に剥離がみられるのに対し、赤外線予備加
熱により(実施例2)良好な塗膜が得られることがわか
る。またセッティング条件が厳しくても(50℃)その時
間が短ければ、その後の赤外線予備加熱により良好な塗
膜が得られることがわかる。実際、セッティング時間が
10分(実施例3)の場合は良好で、20分(比較例3)の
場合はセッティングが完了したため光沢度が劣化し、塗
膜の剥離がみられた。
実施例4〜5、比較例4〜5 アルカリ珪酸塩系水溶性無機塗装の、塗装工場を想定
したセッティングに対する赤外線予備加熱の効果をカラ
ーコンピュータによる光沢度、目視による外観判定、及
びテープ剥離テストにより確認した。
◎基板:冷延鋼板(150×70×0.8/mm)をリン酸塩化成
処理(日本パーカライジング(株)製パルボンド−L302
0)したもの ◎塗装:日本パーカライジング(株)製パルセラコート
−600S(赤)を約15μmスプレー塗装。
◎セッティング、及び焼付け方法: 実施例4:セッティング(雰囲気温度20℃、5分)→遠赤
外線予備加熱(実施例1と同じ条件)→熱風炉による焼
付け(230℃、20分) 実施例5:セッティング(雰囲気温度50℃、10分)→遠赤
外線予備加熱(実施例1と同じ条件)→熱風炉による焼
付け(230℃、20分) 比較例4:セッティング(雰囲気温度50℃、30分)→熱風
炉による予備焼付け(150℃、20分)→熱風炉による焼
付け(230℃、20分)…現状の塗装工場想定条件 比較例5:セッティング(雰囲気温度50℃、20分)→遠赤
外線予備加熱(実施例1と同じ条件)→熱風炉による焼
付け(230℃、20分) 同様に冷延鋼板にリン酸塩化成処理を施した材料に対
する、セッティングと赤外線予備加熱の効果を調査し
た。冷延鋼板の場合はいずれの条件でもテープ剥離テス
トにおいて差異は認められなかったが、光沢度、外観は
実施例3のアルミニウム材と同様な傾向を示した。即ち
セッティング条件が緩和された場合(実施例4)だけで
なく、セッティング条件が厳しくても、セッティング時
間が短ければ(実施例5)光沢度も良好で、塗膜剥離も
見られず、従って赤外線加熱の効果が同様に確認され
た。
実施例6〜8、比較例6〜10 アルカリ珪酸塩系水溶性無機塗装の焼付けにおいて、
2段加熱の必要性とその1段目の加熱を赤外線加熱で行
う効果について確認した。
◎基板:SUS−304板(150×70×0.4/mm)をアルカリ脱脂
したもの ◎塗装:日本パーカライジング(株)製パルセラコート
−600S(赤)を約15μmスプレー塗装。
◎焼付け方法(セッティングは雰囲気温度20℃5分とし
たその後下記の通り処理した): 実施例6:遠赤外線予備加熱(昇温速度100℃/分で100℃
まで加熱)→熱風炉による焼付け(230℃、20分) 実施例7:遠赤外線予備加熱(昇温速度100℃/分で150℃
まで加熱)→熱風炉による焼付け(230℃、20分) 実施例8:遠赤外線予備加熱(昇温速度10℃/分で100℃
まで加熱)→熱風炉による焼付け(230℃、20分) 比較例6:遠赤外線予備加熱(昇温速度100℃/分で80℃
まで加熱)→熱風炉による焼付け(230℃、20分) 比較例7:遠赤外線予備加熱(昇温速度100℃/分で170℃
まで加熱)→熱風炉による焼付け(230℃、20分) 比較例8:熱風炉による焼付け(230℃、20分)のみ 比較例9:熱風炉による予備焼付け(150℃20分)→熱風
炉による焼付け(230℃、20分) 比較例10:遠赤外線予備加熱(昇温速度5℃/分で100℃
まで加熱)→熱風炉による焼付け(230℃、20分) 前にも述べた様に本塗料の性能を充分発揮させるため
には約230℃での焼付けが必要であるが、いきなり230℃
で焼付けると焼付けにともなう水分の急激な蒸発によ
り、比較例8に示した様に塗膜のフクレが生じる。従っ
て最終的な焼付け前に100〜150℃程度で予備焼付けする
ことが必要である。実際、比較例9のように2段階で焼
付けると良好な塗膜が得られる。しかし、比較例9では
外観は良好であるが、実際の塗装工程では本実験のセッ
ティング条件(20℃、5分)より厳しいセッティングが
なされるので、前述のような塗膜のツヤ低下が起こり、
ハクリなどが生じる。実施例6〜7はこの予備加熱を赤
外線加熱により行った例であるが、極めて短時間の加熱
にもかかわらず比較例9と同様に良好な塗膜が得られて
いる。但し、赤外線加熱を適用しても、その到達温度が
低い場合(比較例6)は次の本焼付けが比較例8と同様
な効果を有するため僅かながらフクレを生ずる。また逆
に到達温度が高すぎると(比較例7)この予備加熱が比
較例8と同様な効果を有するためフクレを生ずる。さら
に実施例8、比較例10には赤外線加熱の昇温速度につい
て検討した。これより昇温速度10℃/分(実施例8)で
は異常は認められないが、5℃/分(比較例10)ではわ
ずかに塗膜の剥離が認められた。
(発明の効果) 水系無機塗料は、その高い耐食性、耐摩耗性、耐熱
性、耐候性、並びに意匠性により、高機能性塗料として
注目を集めているが、他の水溶性塗料と同様、もしくは
それ以上に塗装作業時の環境条件、焼付け条件に極めて
敏感であり、再現性のある塗膜外観を得るのが困難であ
った。しかし本発明により、水系無機塗料の塗装後のセ
ッティング時間を極力短縮し、その後の焼付けを予備焼
付け乾燥を含む2段階焼付けを行ない、さらにその1段
目の予備焼付け乾燥を赤外線加熱により行うことによ
り、塗膜にブツ、ワレ、及び剥離などを生ぜず、光沢の
ある良好な塗膜を得ることができた。また予備焼付け乾
燥に赤外線加熱を適用することによる付随効果として、
従来の通常の塗装を目的とした塗装設備のセッティング
ゾーンにそれを設けることにより、セッティング時間の
短縮と予備焼付け乾燥が同時に達成できることから、現
有設備を大幅に改造することなく、簡単に一定した品質
の水系無機塗料による塗装が可能となった。
【図面の簡単な説明】
第1図は未乾燥水系無機塗料塗膜の断面概念図であり、 第2図は赤外線加熱時間と被塗物の温度上昇を示すグラ
フである。 イ……被塗物表面部、ロ……皮膜表面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 成夫 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日 本パーカライジング株式会社内 (72)発明者 中村 文英 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日 本パーカライジング株式会社内 (72)発明者 川口 純 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日 本パーカライジング株式会社内 (72)発明者 中川 博義 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日 本パーカライジング株式会社内 (72)発明者 荒川 健一 東京都中央区日本橋1丁目15番1号 日 本パーカライジング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−305965(JP,A) 特開 昭51−88507(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水系無機塗料を塗装後焼付け乾燥する方法
    において、予備焼付け乾燥炉に導入するまでに10分以内
    のセッティングを行ない、その後前記予備焼付け乾燥炉
    にて被塗物の温度が100〜150℃に達するまで赤外線加熱
    による予備焼付け乾燥を、本焼付けのための熱風により
    塗装雰囲気が乱されない状態で、行ない、しかる後熱風
    による本焼付を200〜250℃の被塗物温度にて行うことを
    特徴とする水系無機塗料の焼付方法。
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