JPH11319559A - メタン含有排ガスの浄化用触媒およびメタン含有排ガスの浄化方法 - Google Patents
メタン含有排ガスの浄化用触媒およびメタン含有排ガスの浄化方法Info
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Abstract
に対しても高い浄化率を発揮し、かつ硫黄酸化物の共存
下でも長期にわたって安定した触媒活性を発揮し得る、
メタンを含有し酸素を還元性物質の完全酸化に必要な量
よりも過剰に含む排ガス中の炭化水素の浄化用触媒およ
びそのような排ガスの浄化方法を提供することを主な目
的とする。 【解決手段】メタンを含有しかつ還元性物質の完全酸化
に必要な量以上の酸素を含む排ガス中の炭化水素の浄化
用触媒であって、酸化ジルコニウムにパラジウムを担持
してなる触媒。
Description
元性物質の完全酸化に必要な量以上の酸素(以下におい
ては、「過剰量の酸素」あるいは「酸素過剰」と表現す
ることがある)を含む排ガス中の炭化水素の浄化用触媒
および該排ガスの浄化方法に関する。
水素の酸化除去に際して、白金、パラジウムなどの白金
族金属を担持した触媒が高い性能を示すことが、知られ
ている。例えば、特開昭51-106691号公報は、アルミナ
担体に白金とパラジウムとを担持した排ガス浄化用触媒
を開示している。しかしながら、天然ガスの燃焼排ガス
の様に、炭化水素の主成分がメタンである場合には、こ
の様な触媒を用いても、メタンの化学的安定性が高いた
めに、十分な浄化効果が達成されないという問題があ
る。
などの阻害物質が共存しているので、触媒活性が、経時
的に著しく劣化することは避けられない。灯油、軽油な
どの石油系燃料が、含硫黄化合物を含むことはむしろ当
然といえる。しかしながら、本来硫黄化合物をほとんど
含まない天然ガス由来の燃料、例えばわが国で供給され
ている都市ガスには、付臭剤として硫黄を含む化合物が
添加されているので、燃焼排ガス中には、燃焼によって
生成した硫黄酸化物が必然的に含まれる。
ャタリシスB:エンバイロンメンタル(Applied Catalysis
B:Environmental)14巻211-223頁(1997年)において、パ
ラジウム触媒を用いたメタン酸化の結果を報告してい
る。この報告は、ガス中に僅か0.1ppmの二酸化硫黄が存
在するだけで、数時間のうちにその触媒活性がほとんど
失われることを示しており、硫黄酸化物の存在が触媒活
性に極めて大きな影響を与えることを明らかにしてい
る。
会講演予稿集(平成8年9月13日発行)において、アルミ
ナに白金およびパラジウムを担持した触媒を用いて、都
市ガスの燃焼排ガス中の炭化水素を酸化除去した結果を
報告しており、100時間程度の短時間内に顕著な触媒活
性の低下が見られることを明らかにしている。
ス中の低濃度炭化水素用酸化触媒として、ハニカム基材
にアルミナ担体を介してパラジウムを7g/l以上且つ白金
を3〜20g/l担持した触媒を開示している。しかしなが
ら、この触媒も、長期の耐久性が十分ではなく、触媒活
性の経時的な劣化は避けられない。
ン除去率が低い、さらに硫黄酸化物が共存するような条
件下では、短時間内に触媒活性の大きな低下が生じると
いう問題点が存在する。
廃棄物の発酵などにより発生する生物起源のメタン含有
ガスがある。この様な生物起源のメタン排ガスにも、通
常イオン含有タンパク質などに由来する含硫黄有機化合
物が共存しているので、触媒によるメタン酸化分解処理
により、これらの含硫黄有機化合物が酸化されて硫黄酸
化物が生成し、上記と同様の触媒活性の低下が起こるこ
とは、避けられない。
中のメタンの含有割合が高い排ガスに対しても高い浄化
率を発揮し、かつ硫黄酸化物の共存下でも長期にわたっ
て安定した触媒活性を発揮し得る、メタンを含有し酸素
を還元性物質の完全酸化に必要な量よりも過剰に含む排
ガス中の炭化水素の浄化用触媒およびそのような排ガス
の浄化方法を提供することを主な目的とする。
題点に鑑みて研究を重ねた結果、酸化ジルコニウム担体
にパラジウムを担持させた触媒が、硫黄酸化物による触
媒活性の阻害に対して高い抵抗性を示すので、燃焼排ガ
スの処理条件下においても、長期にわたり安定して高い
メタン酸化能を維持することを見出した。また、酸化ジ
ルコニウム担体にパラジウムとともに白金を担持する場
合には、より低い排ガス処理温度においても、高いメタ
ン酸化能が得られることを見出した。
れたものであり、下記のメタン含有排ガスの浄化用触
媒、およびそれを用いるメタン含有排ガス浄化方法を提
供する。 1.メタンを含有しかつ還元性物質の完全酸化に必要な
量以上の酸素を含む排ガス中の炭化水素の浄化用触媒で
あって、酸化ジルコニウムにパラジウムを担持してなる
触媒。 2.パラジウムの担持量が、酸化ジルコニウムに対する
重量比で、2〜20%である上記項1に記載の触媒。 3.メタンを含有しかつ還元性物質の完全酸化に必要な
量以上の酸素を含む排ガス中の炭化水素の浄化用触媒で
あって、酸化ジルコニウムにパラジウムおよび白金を担
持してなる触媒。 4.パラジウムの担持量が、酸化ジルコニウムに対する
重量比で、2〜20%である上記項3に記載の触媒。 5.白金の担持量が、パラジウムに対する重量比で、10
〜50%である上記項3または4に記載の触媒。 6.上記項1〜5のいずれかに記載の触媒を用いること
を特徴とする、メタンを含有しかつ還元性物質の完全酸
化に必要な量以上の酸素を含む排ガス中の炭化水素の浄
化方法。 7.触媒層前と後での排ガスの温度差が、150℃以下の
条件で行う上記項6に記載の排ガス中の炭化水素の浄化
方法。 8.ガスの時間当たり空間速度を300000h-1以下とした
条件下で行う上記項6または7に記載の排ガス中の炭化
水素の浄化方法。
ム担体にパラジウムイオンあるいはパラジウムイオンと
白金イオンとを含む溶液を含浸させ、乾燥させ、次いで
焼成することにより得られる。
ウムあるいはパラジウムと白金とを高分散に保つために
重要な要素であり、5m2/g以上であることが好ましく、1
0〜50m2/g程度であることがより好ましい。この様な酸
化ジルコニウム担体としては、市販品を使用することが
できる。
の担持量は、好ましくは酸化ジルコニウムの重量を基準
として、1〜25%程度、より好ましくは2〜20%程度であ
る。パラジウムの担持量が少な過ぎる場合には、触媒活
性が低くなるのに対し、多過ぎる場合には、パラジウム
の粒径が大きくなってパラジウムが有効に使われなくな
る。
には、パラジウムの担持量は、上記と同様であり、白金
の担持量は、好ましくはパラジウムの量を基準として、
5〜50%程度、より好ましくは10〜50%程度である。白
金の担持量が少な過ぎる場合には、併用による効果の改
善が十分でなくなるのに対し、多過ぎる場合には、パラ
ジウムの機能を阻害するおそれがある。
使用するパラジウムイオン含有溶液あるいパラジウムイ
オンと白金イオン含有溶液としては、これら金属の硝酸
塩、アンミン錯体などの溶液を用いればよい。溶液形態
としては、水溶液が好ましいが、アセトン、エタノール
などの水溶性の有機溶媒を加えた混合溶媒溶液であって
もよい。
ルコニウム担体を乾燥した後、空気中で焼成することに
より、所望の触媒が得られる。焼成は、長期にわたる安
定した高い触媒活性を得るために、好ましくは450℃〜7
00℃程度の範囲内で、より好ましくは500〜650℃程度の
範囲内で行う。焼成温度が高過ぎる場合には、担持金属
の粒成長の進行に伴い比表面積が減少して、触媒活性が
低下することがあるのに対し、低過ぎる場合には、触媒
の使用中にパラジウムあるいはパラジウムと白金の粒成
長が進むので、やはり触媒特性が低下して、安定性が損
なわれる。
ることができる。例えば、常法に従って、耐火性ハニカ
ム上にウオッシュコートした状態、ペレット状に打錠成
型した形態などの任意の形態で使用することができる。
本発明触媒は、耐火性ハニカム上にウオッシュコートし
て用いることがより好ましい。耐火性ハニカム上にウオ
ッシュコートする場合には、上記の方法で調製した触媒
をスラリー状にしてウオッシュコートしてもよく、ある
いは担体となるべき酸化ジルコニウムを耐火性ハニカム
上に予めウオッシュコートした後、上記と同様の方法に
より、担体にパラジウムまたはパラジウムと白金とを担
持させてもよい。
素浄化方法では、上記で得られた触媒を使用する。炭化
水素の浄化に際して、触媒量が少な過ぎる場合には、所
定の浄化率が得られないので、ガス時間当たり空間速度
(GHSV)で500000h-1以下で使用することが好ましく、300
000h-1以下で使用することがより好ましい。ガス時間当
たり空間速度(GHSV)を低くするほど触媒量が多くなるの
で、浄化率は向上するが、例えば1000h-1以下で使用す
る場合には、経済的に不利となるとともに、触媒層での
圧力損失が大きくなる。
浄化用触媒は、高い活性を有しているが、浄化処理温度
が低過ぎる場合には、活性が十分に発揮されないため、
所望の炭化水素転化率が得られ難い。これに対し、浄化
処理温度が高過ぎる場合には、触媒の耐久性が悪化する
恐れがある。また、排ガス中の炭化水素濃度が著しく高
い場合には、触媒層で急激な反応が起こって、触媒の耐
久性に影響を及ぼす危険性がある。これらの点を考慮し
て、触媒層温度が350〜600℃の範囲に維持され、かつ触
媒層中での温度上昇(触媒層出口温度と入口温度との差)
が150℃以下となる様に反応条件を調整しつつ、排ガス
の浄化処理を行うことが好ましい。
下させる硫黄酸化物が通常含まれているが、本発明の触
媒は、硫黄成分による活性低下に対して高い抵抗性を示
すので、炭化水素の高い浄化率が長期にわたって維持さ
れる。
の水蒸気を含んでいるが、本発明方法によれば、このよ
うに水蒸気を含む排ガスも、何らの支障なく、浄化する
ことができる。
が達成される。 (1)本発明による排ガス浄化用触媒は、燃焼排ガスの
様に水蒸気を大量に含む排ガスに対して、メタンなどの
炭化水素酸化活性を長期にわたり安定して示す。 (2)本発明による触媒は、硫黄酸化物に対する抵抗性
にも優れている。 (3)したがって、本発明によれば、従来の触媒では特
に処理困難であったメタンを大量に含有する排ガスを長
期間安定して浄化処理することが可能となった。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 実施例12%Pd/ジルコニア触媒の調製 ジルコニア((株)東ソー製、“TZ-O”、比表面積14m2/
g)5gをパラジウムとして0.10gを含有する硝酸パラジウ
ム水溶液20mlに0℃で15時間含浸した後、乾燥し、次い
で550℃で2時間空気中で焼成して、ジルコニア担体にPd
を2重量%担持する触媒を得た。 実施例25%Pd/ジルコニア触媒の調製 実施例1と同じジルコニア5gをパラジウムとして0.25g
を含有する硝酸パラジウム水溶液20mlに0℃で15時間含
浸した後、乾燥し、次いで550℃で2時間空気中で焼成し
て、ジルコニア担体にPdを5重量%担持する触媒を得
た。 実施例310%Pd/ジルコニア触媒の調製 実施例1と同じジルコニア5gをパラジウムとして0.50g
を含有する硝酸パラジウム水溶液20mlに0℃で15時間含
浸した後、乾燥し、次いで550℃で2時間空気中で焼成し
て、ジルコニア担体にPdを10重量%担持する触媒を得
た。 実施例420%Pd/ジルコニア触媒の調製 実施例1と同じジルコニア5gをパラジウムとして1.0gを
含有する硝酸パラジウム水溶液20mlに0℃で15時間含浸
した後、乾燥し、次いで550℃で2時間空気中で焼成し
て、ジルコニア担体にPdを20重量%担持する触媒を得
た。 実施例55%Pd-1%Pt/ジルコニア触媒の調製 パラジウムとして0.25gを含有する硝酸パラジウム水溶
液とジニトロジアンミン白金0.083gを69%硝酸1mlに加
熱溶解した液とを混合し、さらに純水を加えて20mlとし
た混合溶液に、実施例1と同じジルコニア5gを0℃で15
時間含浸した後、乾燥し、次いで550℃で2時間空気中で
焼成して、ジルコニア担体にPd5%とPt1%とを担持する
触媒を得た。 実施例65%Pd-0.5%Pt/ジルコニア触媒の調製 パラジウムとして0.25gを含有する硝酸パラジウム水溶
液とジニトロジアンミン白金0.042gを69%硝酸1mlに加
熱溶解した液とを混合し、さらに純水を加えて20mlとし
た混合溶液に、実施例1と同じジルコニア5gを0℃で15
時間含浸した後、乾燥し、次いで550℃で2時間空気中で
焼成して、ジルコニア担体にPd5%とPt0.5%とを担持す
る触媒を得た。 実施例72%Pd-0.25%Pt/ジルコニア触媒の調製 パラジウムとして0.10gを含有する硝酸パラジウム水溶
液とジニトロジアンミン白金0.021gを69%硝酸1mlに加
熱溶解した液とを混合し、さらに純水を加えて20mlとし
た混合溶液に、実施例1と同じジルコニア5gを0℃で15
時間含浸した後、乾燥し、次いで550℃で2時間空気中で
焼成して、ジルコニア担体にPd2%とPt0.25%とを担持
する触媒を得た。 実施例82%Pd-0.5%Pt/ジルコニア触媒の調製 パラジウムとして0.10gを含有する硝酸パラジウム水溶
液とジニトロジアンミン白金0.042gを69%硝酸1mlに加
熱溶解した液とを混合し、さらに純水を加えて20mlとし
た混合溶液に、実施例1と同じジルコニア5gを0℃で15
時間含浸した後、乾燥し、次いで550℃で2時間空気中で
焼成して、ジルコニア担体にPd2%とPt0.5%とを担持す
る触媒を得た。 実施例92%Pd-1%Pt/ジルコニア触媒の調製 パラジウムとして0.10gを含有する硝酸パラジウム水溶
液とジニトロジアンミン白金0.083gを69%硝酸1mlに加
熱溶解した液とを混合し、さらに純水を加えて20mlとし
た混合溶液に、実施例1と同じジルコニア5gを0℃で15
時間含浸した後、乾燥し、次いで550℃で2時間空気中で
焼成して、ジルコニア担体にPd2%とPt1%とを担持する
触媒を得た。 比較例15%Pd/アルミナ触媒(1)の調製 アルミナ(住友化学工業(株)製、“NK-124”)を空気中
800℃で2時間焼成した。次いで、その5gをパラジウムと
して0.25gを含有する硝酸パラジウム水溶液20mlに0℃で
15時間含浸し、乾燥し、さらに550℃で2時間空気中で焼
成して、5%Pd/アルミナ触媒(1)を得た。 比較例25%Pd/アルミナ触媒(2)の調製 アルミナ(住友化学工業(株)製、“NK-124”)5gをパラ
ジウムとして0.25gを含有する硝酸パラジウム水溶液20m
lに0℃で15時間含浸し、乾燥し、さらに550℃で2時間空
気中で焼成して、5%Pd/アルミナ触媒(2)を得た。 比較例35%Pd-1%Pt/アルミナ触媒の調製 アルミナ(住友化学工
業(株)製、“NK-124”)を空気中800℃で2時間焼成し
た。一方、パラジウムとして0.25gを含有する硝酸パラ
ジウム水溶液とジニトロジアミン白金0.085gを硝酸2ml
に溶解させた溶液とを混合し、さらに純水を加えて、混
合溶液20mlを得た。次いで、上記で得た焼成アルミナ5g
をこの混合溶液に0℃で15時間含浸し、乾燥し、さらに5
50℃で2時間空気中で焼成して、アルミナ担体に5%Pdと
1%Ptとを担持する触媒を得た。 比較例45%Pd/シリカ触媒の調製 シリカ(富士シリシア化学(株)製、“G-6”)を空気中8
00℃で2時間焼成した。次いで、その5gをパラジウムと
して0.25gを含有する硝酸パラジウム水溶液20mlに0℃で
15時間含浸し、乾燥し、さらに550℃で2時間空気中で焼
成して、5%Pd/シリカ触媒を得た。 比較例55%Pd/チタニア触媒の調製 チタニア(石原産業(株)製、“ST-21”)を空気中800℃
で2時間焼成した。次いで、その5gをパラジウムとして
0.25gを含有する硝酸パラジウム水溶液20mlに0℃で15時
間含浸し、乾燥し、さらに550℃で2時間空気中で焼成し
て、5%Pd/チタニア触媒を得た。 実施例10耐久性評価試験1 実施例1〜9と比較例1〜5で得られ
た触媒をそれぞれ打錠成型し、粒径1〜2 mmに整粒した。次いで、各成型体1mlを触媒層として、
メタン1000ppm、酸素10%、二酸化炭素6%、水蒸気10
%、二酸化硫黄8ppmおよび残部ヘリウムからなる組成の
ガスをGHSV(ガス時間当たり空間速度)40000h-1の条件
にて流通させ、触媒層温度を約500℃に保ってメタン転
化率の経時変化(触媒としての耐久性)を測定した。反応
層前後のガス組成は水素炎イオン化検知器を有するガス
クロマトグラフにより測定した。なお、反応ガス中に二
酸化硫黄8ppmを加える前のメタン転化率についても予め
測定しておいた。
って求められる値である。
/(触媒層入口CH4濃度)]×100 二酸化硫黄含有ガスの流通開始から3、10、18、19およ
び22時間後のメタン転化率(%)を表1に示す。
実施例で得られた触媒は、触媒活性を著しく阻害する二
酸化硫黄の共存下においても、安定した触媒活性(メタ
ン転化率)を発揮する。 実施例11耐久性評価試験2 実施例2、6および9と比較例1および4で得られた触
媒をそれぞれ打錠成型し、粒径1〜2mmに整粒した。次い
で、各成型体0.75mlを触媒層として、メタン1000ppm、
酸素10%、二酸化炭素6%、水蒸気10%、二酸化硫黄8pp
mおよび残部ヘリウムからなる組成のガスをGHSV(ガス
時間当たり空間速度)40000h-1の条件にて2時間、次い
で80000h-1の条件にて流通させ、触媒層温度を約450℃
に保ってメタン転化率の経時変化(触媒としての耐久性)
を測定した。反応層前後のガス組成は、水素炎イオン化
検知器を有するガスクロマトグラフにより測定した。
間経過後のメタン転化率(%)を表2に示す。
る触媒は、触媒活性を著しく阻害する二酸化硫黄の共存
下においいても、安定した触媒活性(メタン転化率)を発
揮することが明らかである。 実施例12耐久性評価試験3 実施例2および比較例1で得られた触媒をそれぞれ打錠
成型し、粒径1〜2mmに整粒した。次いで、それぞれの1.
5mlを触媒層として、メタン2000ppm、一酸化炭素1000pp
m、酸素10%、二酸化炭素6%、水蒸気10%、二酸化硫黄
0.3ppm、残部窒素からなる組成のガスをGHSV(ガス時間
当たり空間速度)80000h-1の条件にて流通させ、触媒層
温度を約450℃に保って、触媒の耐久性評価試験を行っ
た。反応層前後のガス組成は、水素炎イオン化検知器を
有するガスクロマトグラフにより測定した。メタン転化
率(%)の経時変化を図1に示す。
は、試験開始直後には、実施例2の触媒と同等かそれ以
上のメタン転化活性を示すものの、二酸化硫黄の存在に
より、急速に劣化して短時間内に実質的に活性を失って
しまう。これに対し、実施例2の触媒は、二酸化硫黄の
共存下において長期にわたり安定したメタン転化活性を
保持し続ける。 実施例13耐久性評価試験4 実施例5の触媒を打錠成型し、粒径1〜2mmに整粒し、そ
の0.75mlを触媒層として、メタン1000ppm、酸素10%、
二酸化炭素6%、水蒸気10%、二酸化硫黄2.7ppmと残部
ヘリウムからなる組成のガスをGHSV(ガス時間当たり空
間速度)40000h-1にて2時間、それ以降を80000h-1の条
件にて流通させ、触媒層温度を約450℃に保って、触媒
の耐久性評価試験を行った。反応層前後のガス組成は、
水素炎イオン化検知器を有するガスクロマトグラフによ
り測定した。メタン転化率(%)の経時変化を表3に示
す。
5の触媒は、触媒活性を著しく低下させる二酸化硫黄の
共存下においても、安定した触媒活性を維持し続けるこ
とが分かる。 実施例14耐久性評価試験5 実施例5の触媒を打錠成型し、触媒層温度を約400℃と
する以外は、実施例13と同様にしてメタン含有ガスを
処理し、触媒の耐久性試験を行った。メタン転化率
(%)の経時変化を表4に示す。
5の触媒は、約400℃という比較的低い反応温度におい
ても、高いメタン転化率を安定して達成しうることが明
らかである。
おいて、実施例2と比較例1で得られた触媒のメタン転
化率の経時変化を示すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】メタンを含有しかつ還元性物質の完全酸化
に必要な量以上の酸素を含む排ガス中の炭化水素の浄化
用触媒であって、酸化ジルコニウムにパラジウムを担持
してなる触媒。 - 【請求項2】パラジウムの担持量が、酸化ジルコニウム
に対する重量比で、2〜20%である請求項1に記載の触
媒。 - 【請求項3】メタンを含有しかつ還元性物質の完全酸化
に必要な量以上の酸素を含む排ガス中の炭化水素の浄化
用触媒であって、酸化ジルコニウムにパラジウムおよび
白金を担持してなる触媒。 - 【請求項4】パラジウムの担持量が、酸化ジルコニウム
に対する重量比で、2〜20%である請求項3に記載の触
媒。 - 【請求項5】白金の担持量が、パラジウムに対する重量
比で、10〜50%である請求項3または4に記載の触媒。 - 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の触媒を用
いることを特徴とする、メタンを含有しかつ還元性物質
の完全酸化に必要な量以上の酸素を含む排ガス中の炭化
水素の浄化方法。 - 【請求項7】触媒層前と後での排ガスの温度差が、150
℃以下の条件で行う請求項6に記載の排ガス中の炭化水
素の浄化方法。 - 【請求項8】ガスの時間当たり空間速度を300000h-1以
下とした条件下で行う請求項6または7に記載の排ガス
中の炭化水素の浄化方法。
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