JPH11319518A - 分離膜またはモジュールの洗浄・再生方法 - Google Patents

分離膜またはモジュールの洗浄・再生方法

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JPH11319518A
JPH11319518A JP13245398A JP13245398A JPH11319518A JP H11319518 A JPH11319518 A JP H11319518A JP 13245398 A JP13245398 A JP 13245398A JP 13245398 A JP13245398 A JP 13245398A JP H11319518 A JPH11319518 A JP H11319518A
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separation membrane
cleaning
membrane
separation
washing
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JP13245398A
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English (en)
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Katsuya Nouzaki
克也 納崎
Masanori Nagata
正典 永田
Takashi Nakane
堯 中根
Takehiro Seguchi
雄大 瀬口
Minoru Toyoda
稔 豊田
Mutsuo Kawasaki
睦男 川崎
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OGATA KOGYO KK
Nitto Denko Corp
Kumamoto Prefecture
Original Assignee
OGATA KOGYO KK
Nitto Denko Corp
Kumamoto Prefecture
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水の浄化・再利用に用いる膜分離プロセ
スにおいて、二酸化ケイ素(シリカ)等のケイ素化合物
が主に分離膜表面に付着して生成したスケール層を特定
の薬剤を用いて除去することにより、分離膜の処理能力
を大幅に回復させ、且つ、分離膜自体には影響を与える
ことのない新規な洗浄方法を提供すること。 【解決手段】排水を分離膜によって浄化して再生利用す
る場合に、前記分離膜表面に付着するケイ素化合物を、
エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物を添加し
てpHをアルカリ性に調整した洗浄液を用いて溶解或い
は除去する。前記洗浄液におけるエチレンジアミン四酢
酸四ナトリウム四水和物の濃度は溶液全体に対して0.
1〜10wt%未満、洗浄液のpHは9〜12の範囲で
あることが好ましく、さらに、陰イオン性界面活性剤又
は非イオン性界面活性剤を溶液全体に対して50〜10
00ppm添加することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子・機械部品産
業、化学工業等において使用される各種部品にめっき等
の金属表面処理を行う際に発生する排水を限外ろ過膜、
ナノフィルトレーション膜、逆浸透膜等の分離膜を用い
て浄化し、再びその処理工程等で再利用するために使用
する膜分離装置において、浄化時間の経過と共に発生す
る分離膜表面の汚れ(ファウリング)を解消し、膜透過
性能・膜分離性能等を回復させるために行う分離膜の洗
浄・再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の製造分野においては、
リードフレームの表面処理(めっき)が必要不可欠であ
るが、高品質を保証可能な高度な表面処理を行うために
は、めっき処理した後の製品(部品)表面を十分洗浄す
ることにより、表面処理に使用した薬品等の残存物をほ
ぼ完全に除去する必要がある。このような表面処理工程
後の洗浄によって発生した排水は、通常、まずpH調整
等を行い、更に必要に応じて薬剤等を添加して凝集沈殿
処理を行うことにより、排水に含まれる有害成分を法律
で定める基準値以下に処理してから外界に放流されてい
る。
【0003】一方、環境への負荷を低減する等のために
前記排水を表面処理工程で再び洗浄水として使用するこ
とも行われているが、排水の再利用のためには、吸着法
や膜分離法などを利用して排水中の有害成分等を更に低
下させて浄化する再生処理を行う必要がある。このよう
な場合、最近では連続処理が可能で運転が比較的容易な
膜分離法の採用が増えている。
【0004】しかしながら、膜分離法は水を膜透過させ
てイオン、分子、コロイド等の溶質を除去することによ
り排水を浄化する方式であるため、膜分離法で排水を処
理する場合には分離膜を装着した膜モジュールの中で浄
化処理が進むにつれて溶質成分は原水側に残存し且つそ
の原水は減少するため、結果として排水は濃縮されるこ
とになる。そして排水の濃縮が進むと、溶存物質の中で
溶解度が低い物質がその溶解限界に達して析出し始め膜
表面に付着するようになり、次第に付着層(以下、「ス
ケール層」という)を形成する。このスケール層は水の
膜透過を阻害し、また膜表面での濃度分極の形成を助長
させるため、膜の分離性能を低下させる。この現象は一
般に膜のファウリング(汚染)現象と呼ばれ、膜の分離
性能の劣化の主要な原因となっている。したがって、膜
分離法で排水を処理する場合には、この現象を如何に回
避するかが重要な技術課題となっており、処理対象原水
の前処理を十分に行ったり、分離膜表面の洗浄を時折行
いながら浄化を進める方法等が行われており、一般的に
はこの両者を併用している。
【0005】分離膜の表面の洗浄には、一般にアルカリ
洗浄剤(NaOH、KOH、NH4OH等)、酸洗浄剤
(クエン酸、シュウ酸、HCI等)、キレート剤(エチ
レンジアミン四酢酸の塩、ニトリロ酢酸等)、有機溶
媒、界面活性剤等の薬剤が使用されており、タンパク質
などの有機性物質、カルシウム、マグネシウム、水和金
属酸化物等から形成されているスケール層の除去のため
に用いられている。しかし、スケール層として難溶性物
質である二酸化ケイ素(シリカ)が原水中に析出して分
離膜に付着した場合に、これを溶解、或いはイオン状に
分解、又は、剥離させて分離膜の素材自体に影響を与え
ることなく除去する洗浄剤は未だ開発されていない。し
たがって、このような場合には、通常、シリカ等の難溶
解性物質の析出を阻害する薬剤を原水中に添加した状態
で分離膜による排水の浄化処理が行われている。しか
し、実際には、このような防護策にも拘わらず、分離膜
表面に徐々にシリカ等のケイ素化合物を主成分とするス
ケール層が形成されるために、分離膜の透過性能は処理
時間の増大と共に低下することとなる。そして、透過性
能が初期値の1/2以下に低下した時点で新しい分離膜
と交換せざるを得ないという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術における問題点を解決することをその課題とする
ものである。すなわち、本発明は、排水の浄化・再利用
に用いる膜分離プロセスにおいて、原水の濃縮によって
溶解度限界に達して析出した二酸化ケイ素(シリカ)等
のケイ素化合物が分離膜表面に付着して生成したスケー
ル層を特定の薬剤を用いて除去することにより、分離膜
の処理能力を大幅に回復させ、且つ、分離膜自体には影
響を与えることのない新規な洗浄方法を提供することを
その目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明における分離膜の洗浄・再生方法は、排水を
分離膜によって浄化して再生利用する場合に、前記分離
膜表面に付着するケイ素化合物を洗浄液を用いて溶解或
いは除去することを特徴とする。
【0008】前記洗浄液としては、エチレンジアミン四
酢酸四ナトリウム四水和物を添加してpHをアルカリ性
に調整した洗浄液が好ましく、さらに、エチレンジアミ
ン四酢酸四ナトリウム四水和物の濃度が0.1〜10w
t%未満であり、且つ、液のpHが9〜12の範囲であ
る洗浄液を用いることがより好ましく、さらに好ましく
は、陰イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤を
50〜1000ppm添加した方がよい。なお、エチレ
ンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物、界面活性剤の
濃度は溶液全体の重量を基準とする。
【0009】また、本発明では、上記各タイプの洗浄液
を分離膜に静止状態にて所定時間接触させ、次いで、流
動状態の洗浄液を前記分離膜に接触させる工程を繰り返
すことによって分離膜の洗浄・再生を行うことを特徴と
する。なお、前記洗浄液は分離膜単体に作用させてもよ
く、また、分離膜を使用形態で装着したユニット機器で
ある膜モジュールに対して作用させてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、めっき処理等の工程で
排出される総合排水の再生利用工程において使用中の分
離膜の表面を洗浄液、具体的には特定成分を含有する洗
浄液で洗浄し、膜表面に付着層として形成された二酸化
ケイ素等のケイ素化合物を主体とするスケール層を除去
することを特徴とする。
【0011】一般に分離膜の透過能力は使用開始直後の
初期値を最大とし、使用時間の経過と共に低下していく
傾向を示す。このような膜処理能力低下の挙動は、排水
中の含有成分とその濃度によって大きく影響される。例
えば、ケイ素イオン、カルシウムイオン、硫酸イオン、
炭酸水素イオン、フッ素イオン、バリウムイオン、スト
ロンチウムイオン等の存在は一般に好ましくなく、その
濃度が高くなると二酸化ケイ素、硫酸カルシウム、炭酸
カルシウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、硫酸ス
トロンチウム等のスケールが膜表面に発生する。これら
のスケール成分は、一般に結晶性の二酸化ケイ素(シリ
カ)を除いては酸性の洗浄剤等により除去することが可
能であるが、結晶性の二酸化ケイ素(シリカ)に関して
は、これまでのところフッ化水素酸による分解・溶解以
外に手段がなかった。しかし、フッ化水素酸は高分子等
の有機物をも侵すことから洗浄剤として使用することが
できない。発明者らは、このような背景の下で、エチレ
ンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物(EDTA−4
Na−4H2O)を主成分とする洗浄剤を作製し、分離
膜表面上に生成した二酸化ケイ素を主としたスケール層
を除去する方法について鋭意研究し、本発明を完成する
に至った。
【0012】本発明者らは、まず、総合排水のリサイク
ルに使用した分離膜の表面に形成されたスケール層の成
分について分析を行ったところ、その主成分が二酸化ケ
イ素であることをつきとめた。そこで、各種洗浄剤につ
いて主に二酸化ケイ素からなるスケール層の除去可能性
を探り、最終的に、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウ
ム四水和物の水溶液がアルカリ性において二酸化ケイ素
に対する洗浄効果を有することを見出した。
【0013】図1にエチレンジアミン四酢酸四ナトリウ
ム四水和物水溶液の洗浄効果のpH依存性を示す。ここ
では、透過性能が著しく低下した分離膜の洗浄試験をエ
チレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物の水溶液を
用いた浸漬法で行った。
【0014】図1から明らかなように、エチレンジアミ
ン四酢酸四ナトリウム四水和物水溶液をアルカリ側に調
整することによって洗浄効果が現れ、アルカリ度を高め
れば高めるほどその効果が高くなることが判明した。な
お、従来から使用されているpH7以下の酸性条件では
その洗浄効果は全く見られなかった。
【0015】また、洗浄による分離膜の劣化の傾向を検
討するために0.2wt%塩化ナトリウム水溶液の阻止
率を測定したが、図1から明らかなように洗浄前と比較
してほとんど変化は見られず、洗浄によって膜が劣化し
ていないことがわかる。しかし、分離膜の耐アルカリ性
を考慮し、実際にはpH9〜12の範囲内でpHを調整
することが好ましい。なお、エチレンジアミン四酢酸塩
は各種形態のものが市販されているが、発明者らの実験
では、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物が
その溶解性等の点で最適である。
【0016】さらに、エチレンジアミン四酢酸四ナトリ
ウム四水和物を溶解させた水溶液による洗浄条件とし
て、濃度、浸漬時間について検討を行ったところ、濃度
についてはエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和
物が溶液全体に対して0.1〜10wt%未満の範囲で
あれば二酸化ケイ素を主とするスケールに対して洗浄効
果が現れ、特に0.5〜2wt%の範囲において最も洗
浄効果が高いことがわかった。一方、その濃度を10w
t%以上にすると逆に洗浄効果が低下することを見出し
た。したがって、本発明におけるエチレンジアミン四酢
酸四ナトリウム四水和物の濃度は洗浄効果の点で0.1
〜10wt%未満が好ましく、また、0.5〜2wt%
がより好ましい。
【0017】また、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウ
ム四水和物水溶液への浸漬時間についてみると、その濃
度、pHによって多少の変動はあるが、およそ1時間程
度で徐々に洗浄効果が現れはじめ、24時間後には十分
洗浄が進行することがわかった。したがって、本発明に
おいては洗浄液を1時間以上分離膜に浸漬することが好
ましい。そして、この際、洗浄液を流動状態で分離膜に
接触させたり、静止状態で分離膜に接触させたりする操
作を繰り返すことによって洗浄効果が特に促進される。
【0018】本発明の洗浄液においてはエチレンジアミ
ン四酢酸イオンが分離膜表面のスケール層に浸透してス
ケール層を分解することが行われているものと考えられ
るが、エチレンジアミン四酢酸イオンがスケール層に浸
透し易くするために適量の界面活性剤を添加することが
有効である。この場合、現在使用されている限外ろ過膜
・ナノフィルトレーション膜・逆浸透膜等の高性能分離
膜の多くが陰イオン性荷電膜の性質を有するため、膜と
親和性がなく不要な相互作用を起こし難い陰イオン性界
面活性剤あるいは非イオン性界面活性剤の使用が好まし
く、その添加量は臨界ミセル濃度以上であり且つ気泡の
過剰な発生を抑制するために溶液全体に対して50〜1
000ppmの範囲が好ましい。
【0019】図2に、洗浄後の分離膜表面をX線分析装
置で分析した結果を示す。洗浄前の分析結果からはケイ
素、酸素、炭素、鉄等のピークが検出され二酸化ケイ素
を主成分としたスケール層が形成されていることがわか
る。洗浄後の分折結果からはケイ素、酸素のピークが極
端に減少し、代わって硫黄、炭素などの膜母材に使用さ
れている成分が大量に検出されている。したがって、こ
れらの結果から、膜表面に形成された二酸化ケイ素のス
ケール層がほとんど除去されていることがわかる。な
お、洗浄前の分析結果で金のピークが検出されている
が、これは下記のように膜表面を走査型電子顕微鏡で観
察するために、その観察面を金蒸着しているためであ
る。
【0020】なお、洗浄前後の膜の表面を走査型電子顕
微鏡で観察した結果、洗浄前の分離膜表面はスケールに
よってほぼ完全に覆われていたが、洗浄後の分離膜表面
からはスケール層は観察されず、新しい膜とほとんど変
わらない状態まで回復していることが観察された。この
ことからも、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水
和物を含みpHをアルカリ性に調整した水溶液を用いて
洗浄することによって二酸化ケイ素を主成分とするスケ
ール層を除去できることが分かる。この除去効果は分離
膜単体に洗浄液を作用させた場合、又は、分離膜を使用
形態に装着したユニット機器である膜モジュールに対し
て洗浄液を作用させた場合のどちらにおいても明瞭に観
察することができた。
【0021】ところで、エチレンジアミン四酢酸四ナト
リウム四水和物を含む洗浄液は、酸化鉄等の金属酸化物
や硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、フッ化カルシウム
等のアルカリ土類金属の難溶解性塩等を溶解・除去する
ための洗浄成分としてこれまでも多用されているが、い
ずれの場合も、これらの金属イオンが錯形成し易いpH
7以下の酸性条件下で使用されているに過ぎない。
【0022】また、M. Farinas らの "Pilot Experienc
es on the Recovery of Polluted Reverse Osmosis Mem
branes", Desalination, 66(1987) p.385-402 によれ
ば、アルカリ性下においてEDTAを含む洗浄液を用い
て膜表面を洗浄しても、そこに付着したシリカ成分を除
去することができなかったとしている。
【0023】これに対し、本発明は上述したように、エ
チレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物の濃度及び
pHを最適に制御することでシリカに対する洗浄効果を
発現させると共に、さらに、エチレンジアミン四酢酸イ
オンがシリカのスケール層に浸透し易くするために陰イ
オン性界面活性剤を添加したり、スケールの溶解・除去
を助長するために洗浄液を適当な間隔で流動・静置した
りする操作を繰り返すなどの方策を適宜組み合わせるこ
とにより、シリカの洗浄効果を増大させるという新規な
技術思想を有するものである。なお、できるだけシリカ
スケール形成初期の段階にこれらの洗浄方法を適用する
よう工夫することにより、より効果的に分離膜表面に形
成されたシリカスケールを除去することができる。
【0024】以下に、その実施例をいくつか示す。
【0025】
【実施例】実施例1:溶液全体に対するエチレンジアミ
ン四酢酸四ナトリウム四水和物(EDTA−4Na−4
2O)の濃度がそれぞれ0.2、0.5、1、2.
5、10wt%(pHはいずれも9.0)に調整された
エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物の水溶液
に二酸化ケイ素を主成分とするスケール層の影響で透過
流束が著しく低下した分離膜(純水透過流束初期値:
1.1t/m2・d、最終値:0.5t/m2・d)を1
時間浸漬洗浄後、連続式分離膜透過装置を用いて室温に
おいて操作圧1.5MPaで純水の透過流束を測定した
ところ、いずれの場合も透過流束は0.6t/m2・d
であった。
【0026】実施例2:実施例1の場合と同様な方法及
び条件で、洗浄前の膜性能として純水の透過流束が0.
5t/m2・d、0.2wt%塩化ナトリウムの阻止率
が98%の膜をエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四
水和物の水溶液に100時間以上浸漬洗浄後、純水の透
過流束を測定したところ、膜透過流束は0.7t/m2
・dであった。なお、このときの0.2wt%塩化ナト
リウム(溶質)の阻止率はいずれの場合も98%であっ
た。
【0027】実施例3:実施例1の場合と同様な方法
で、洗浄前の膜性能として純水の透過流束が0.6t/
2・d、0.2wt%塩化ナトリウムの阻止率が9
7.0%の膜をそれぞれpH=9.0、9.5、10.
0、10.5、11.0、12.0(EDTA−4Na
−4H2Oの溶液全体に対する濃度はいずれも1wt
%)に調整されたエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム
四水和物の水溶液に100時間浸漬洗浄後、純水の透過
流束を測定したところ、pH9.0、9.5、10.0
の場合は膜透過流束は0.7t/m2・dで、pH1
0.5の場合は0.8t/m2・d、pH11.0以上
の場合は0.9t/m2・dであった。なお、0.2w
t%塩化ナトリウムの阻止率はいずれの場合も96%で
あった。
【0028】実施例4:実施例1の場合と同様な方法
で、洗浄前の膜性能として純水の透過流束が0.6t/
2・d、0.2wt%塩化ナトリウムの阻止率が97
%の膜をpH=9.5、10.0、10.5、11.
0、12.0(EDTA−4Na−4H2Oの溶液全体
に対する濃度はいずれも1.0wt%)に調整されたエ
チレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物の水溶液に
24時間浸漬洗浄後、純水の透過流束を測定したとこ
ろ、pH9.5、10.0の場合は0.7t/m2・d
で、pH10.5の場合は0.8t/m2・d、pH1
1.0以上の場合は0.9t/m2・dであった。な
お、0.2wt%塩化ナトリウム(溶質)の阻止率はい
ずれの場合も97%であった。
【0029】実施例5:実施例1の場合と同様な方法
で、洗浄前の膜性能として純水の透過流束が0.5t/
2・d、0.2wt%塩化ナトリウムの阻止率が98
%の膜をpH=9.5、10.0、10.5、11.
0、12.0(EDTA−4Na−4H2Oの溶液全体
に対する濃度はいずれも1.0wt%)に調整されたエ
チレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物の水溶液に
陰イオン性界面活性剤を溶液全体に対して200ppm
となるように添加し、100時間浸漬洗浄後、純水の透
過流束を測定したところ、pH9.5、10.0の場合
は0.7t/m2・dで、pH10.5の場合は0.8
t/m2・d、pH11.0以上の場合は0.9t/m2
・dであった。なお、0.2wt%塩化ナトリウム(溶
質)の阻止率は97%であった。
【0030】実施例6:実施例1の場合と同様な方法
で、洗浄前の膜性能として純水の透過流束が0.5t/
2・d、0.2wt%塩化ナトリウムの阻止率が97
%の膜をpH=9.5、10.0、10.5、11.
0、12.0(EDTA−4Na−4H2Oの溶液全体
に対する濃度はいずれも1.0wt%)に調整されたエ
チレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物の水溶液に
非イオン性界面活性剤を溶液全体に対して1000pp
mとなるように添加し、100時間浸漬洗浄後、純水の
透過流束を測定したところ、pH9.5、10.0の場
合は0.7t/m2・dで、pH10.5の場合は0.
8t/m2・d、pH11.0以上の場合は0.9t/
2・dであった。なお、0.2wt%塩化ナトリウム
(溶質)の阻止率は97%であった。
【0031】実施例7:分離膜を使用形態に装着したユ
ニット機器である膜モジュールの洗浄効果を確認するた
めに、二酸化ケイ素を主成分とするスケール層の影響で
透過流束が低下した膜(純水透過流束初期値1.1t/
2・d、最終値0.7t/m2・d)の原液側流路に.
1.0wt%エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水
和物の水溶液(pH10.5)を通液し24時間連続循
環洗浄後、純水の透過流束を測定したところ、0.8t
/m2・dであった。また、上記方法により循環を停止
し、24時間浸漬洗浄した場合は0.9t/m2・dで
あった。さらに、循環後12時間停止を2回繰り返した
場合の純水の透過流束は、1.0t/m2・dであっ
た。
【0032】比較例:実施例1の場合と同様な方法で、
洗浄前の膜性能として純水の透過流束が0.5t/m2
・d、0.2wt%塩化ナトリウムの阻止率が98%の
ものを、それぞれpH=9.0、9.5、10.0、1
1.0、12.0(EDTA−4Na−4H2Oの溶液
全体に対する濃度はいずれも10wt%)に調整された
エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物の水溶液
に100時間浸漬洗浄後、純水の透過流束を測定したと
ころ、いずれの場合も0.5t/m2・dであった。表
面を観察する限りはスケールは除去される傾向にある
が、透過性能の回復は見られなかった。なお、0.2w
t%塩化ナトリウムの阻止率は、いずれの場合も98%
であった。
【0033】〔表面分析〕膜表面に形成された二酸化ケ
イ素を主成分とするスケール層を除去するため、pH=
10.0、10.5、11.0、11.5(EDTA−
4Na−4H2Oの溶液全体に対する濃度はいずれも1
wt%)に調整されたエチレンジアミン四酢酸四ナトリ
ウム四水和物の水溶液にスケール層が付着した分離膜を
100時間浸漬洗浄後、乾燥して膜表面上の分析を蛍光
X線分析装置で行ったところ、無洗浄のものに対して、
洗浄した分離膜においては80%以上スケール層が除去
されていた。
【0034】
【発明の効果】本発明により、分離膜を用いた総合排水
のリサイクル工程において、膜表面に生成する二酸化ケ
イ素のスケール層が原因として交換を余儀なくされてい
た分離膜を再生して使用することが可能となるので、分
離膜のライフサイクルを延長することができ、総合排水
リサイクル工程における経済性を飛躍的に高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和
物水溶液のpH変化による洗浄効果を示す図。
【図2】 エネルギー分散型X線分析装置による膜表面
の分析スペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 正典 熊本県熊本市東町3−11−38 熊本県工業 技術センター内 (72)発明者 中根 堯 茨城県つくば市梅園2−17−5 (72)発明者 瀬口 雄大 熊本県熊本市上熊本2−9−9 緒方工業 株式会社内 (72)発明者 豊田 稔 熊本県熊本市上熊本2−9−9 緒方工業 株式会社内 (72)発明者 川崎 睦男 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排水を分離膜によって浄化して再生利用
    する場合に、前記分離膜表面に付着するケイ素化合物等
    を洗浄液を用いて溶解或いは除去することを特徴とする
    分離膜の洗浄・再生方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄液として、エチレンジアミン四
    酢酸四ナトリウム四水和物を添加してpHをアルカリ性
    に調整した洗浄液を用いることを特徴とする請求項1記
    載の分離膜の洗浄・再生方法。
  3. 【請求項3】 エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四
    水和物の濃度が0.1〜10wt%未満であり、且つ、
    液のpHが9〜12の範囲である洗浄液を用いることを
    特徴とする請求項2記載の分離膜の洗浄・再生方法。
  4. 【請求項4】 エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四
    水和物の濃度を0.1〜10wt%未満とし、且つ、液
    のpHを9〜12の範囲に調整した洗浄液に、さらに陰
    イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤を50〜
    1000ppm添加した洗浄液を用いることを特徴とす
    る請求項2記載の分離膜の洗浄・再生方法。
  5. 【請求項5】 エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四
    水和物が添加され、pHがアルカリ性に調整された排水
    浄化用の分離膜用洗浄液。
  6. 【請求項6】 エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四
    水和物の濃度が0.1〜10wt%未満、且つ、液のp
    Hが9〜12の範囲であることを特徴とする請求項5記
    載の洗浄液。
  7. 【請求項7】 エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四
    水和物の濃度が0.1〜10wt%未満、且つ、液のp
    Hが9〜12の範囲であり、さらに陰イオン性界面活性
    剤又は非イオン性界面活性剤が50〜1000ppm添
    加された請求項5記載の洗浄液。
  8. 【請求項8】 分離膜に請求項5〜7記載の洗浄液を静
    止状態にて所定時間接触させ、次いで、流動状態の洗浄
    液を前記分離膜に接触させる工程を繰り返すことを特徴
    とする分離膜の洗浄・再生方法。
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